IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤンマーホールディングス株式会社の特許一覧

特開2023-181720電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械
<>
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図1
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図2
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図3
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図4
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図5
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図6
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図7
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図8
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図9
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図10
  • 特開-電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181720
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20231218BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
E02F9/00 C
B60R16/02 621Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095007
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】山崎 辰雄
(57)【要約】
【課題】電動式建設機械において、機体から延出したケーブルの先端に設けたコネクタを機体に対して収納することを可能とする。
【解決手段】 掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、上方に開放された開口部150を有する箱本体141と、開口部150を覆う蓋体142と、を備え、箱本体141の左側壁部141cには、開口部150の縁を切欠いた第1切欠き凹部146が形成され、蓋体142は、開口部150を閉塞した状態のときに第1切欠き凹部146を形成した左側壁部141cに対面配置され、第1切欠き凹部146に対応する第2切欠き凹部152が形成された左側壁部142dを有している。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式建設機械から延出されたケーブルの先端に設けたコネクタを収納する電動式建設機械用コネクタ収納ケースであって、
一方に開放された開口部を有する箱本体と、
前記開口部を覆う蓋体と、
を備え、
前記箱本体は、少なくとも1つの側壁を、前記ケーブルを挿通させてケース外に延出させるとともに前記ケーブルを下から保持する前記開口部の縁を切欠いた第1切欠き凹部を有するケーブル保持壁とし、
前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記ケーブル保持壁に対面配置され、前記ケーブルを上方から保持する第2切欠き凹部が形成された第1板部材を有する、
ことを特徴とする電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項2】
前記蓋体は、前記箱本体に対して回動自在に接続されている、
請求項1に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項3】
前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記箱本体内部で、前記ケーブルを上方から保持する第3切欠き凹部が形成された第2板部材を有し、
前記第1切欠き凹部が前記第2切欠き凹部と前記第3切欠き凹部の間に位置する、
請求項1に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項4】
前記箱本体は、前記コネクタを保持する第1保持部を有し、
前記蓋体は、前記コネクタを前記第1保持部とは逆方向から保持する第2保持部を有する、
請求項1に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項5】
前記箱本体に対して前記蓋体を固定するロック部を有する、
請求項1に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項6】
前記箱本体の底部には、貫通孔が設けられ、
前記底部の下方に空間を確保するように前記箱本体を支持する支持部材を備える、
請求項1に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
【請求項7】
上部装置と、
前記上部装置を支持する下部走行体と、
前記上部装置から延出されたケーブルと、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケースを、前記上部装置に設けられた運転席の後方に設けた、
電動式建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源に接続するケーブルの先端に設けられたコネクタを収納する電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよび電動式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば掘削作業機等の建設機械として、外部から電力の供給を受けるための電力供給線である給電用のケーブルを有する電動式の建設機械がある。電動式の建設機械は、例えば、駆動源として、軽油を燃料とするエンジンの代わりに電動モータを備える。
【0003】
例えば特許文献1には、外部電源およびバッテリを駆動電源とする電動モータと、外部電源から給電するための給電ケーブルを備えた掘削作業機が開示されている。特許文献1に開示された掘削作業機は、外部電源からバッテリへの充電を継続しながら電動モータを駆動するモード、バッテリのみで電動モータを駆動するモード等、複数の電源モードから選択したモードで操作可能に構成されている。
【0004】
また、掘削作業機から延出される給電ケーブルの先端には、コネクタが設けられている。このようなコネクタは、プラグとも呼称され、機器等に接続した可撓電線と一体の部品である。プラグを外部電源のプラグ受部に対して着脱することにより、機器等への電力供給と切断が行われる。プラグの構造は、感電防止等の観点から、外殻が端子および可撓電線の端を完全に囲い、プラグ極が回転しない構造とし、かつ、プラグ極はプラグを分解しなければ取り外すことができない構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-190105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された掘削作業機では、外部電源から電力の供給を受けないときには、外部電源からコネクタを外し、給電ケーブルを機体側に回収している。車載バッテリの電力のみで作業を行う場合には、作業の妨げにならないように給電ケーブルを機体に収納しているが、給電ケーブル収納時のコネクタの保護が不十分であった。このため、作業中に生じる振動や衝撃によりコネクタが変形および/または破損するなどの問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、機体から延出するケーブルの先端に設けたコネクタを収納することができる電動式建設機械用コネクタ収納ケースおよびこれを備えた電動式建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、電動式建設機械から延出されたケーブルの先端に設けたコネクタを収納する電動式建設機械用コネクタ収納ケースであって、一方に開放された開口部を有する箱本体と、前記開口部を覆う蓋体と、を備え、前記箱本体は、少なくとも1つの側壁を、前記ケーブルを挿通させてケース外に延出させるとともに前記ケーブルを下方から保持する前記開口部の縁を切欠いた第1切欠き凹部を有するケーブル保持壁とし、前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記ケーブル支保持壁に対面配置され、前記ケーブルを上方から保持する第2切欠き凹部が形成された第1板部材を有する、ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の他の態様に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、前記蓋体は、前記箱本体に対して回動自在に接続されている、ものである。
【0010】
本発明の他の態様に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記箱本体の内部で、前記ケーブルを上方から保持する第3切欠き凹部が形成された第2板部材を有し、前記第1切欠き凹部が前記第2切欠き凹部と前記第3切欠き凹部の間に位置する、ものである。
【0011】
本発明の他の態様に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、前記箱本体は、前記コネクタを保持する第1保持部を有し、前記蓋体は、前記コネクタを前記第1保持部とは逆方向から保持する第2保持部を有する、ものである。
【0012】
本発明の他の態様に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、前記電動式建設機械用コネクタ収納ケースにおいて、前記箱本体に対して前記蓋体を固定するロック部を有する、ものである。
【0013】
本発明の他の態様に係る電動式建設機械用コネクタ収納ケースは、前記箱本体の底部には、貫通孔が設けられ、前記底部の下方に空間を確保するように前記箱本体を支持する支持部材を備える、ものである。
【0014】
本発明に係る電動式建設機械は、上部装置と、前記上部装置を支持する下部走行体と、前記上部装置から延出されたケーブルと、上記いずれかの電動式建設機械用コネクタ収納ケースを、前記上部装置に設けられた運転席の後方に設けた、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電動式建設機械の機体から延出したケーブルの先端に設けられたコネクタを機体に設けたコネクタ収納ケースに収納することができることから、コネクタの破損を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る掘削作業機の左側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る掘削作業機の左前方からの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る掘削作業機が備える装置構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る掘削作業機の上部旋回体の左後方視からの部分拡大斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る掘削作業機の旋回フレーム7の平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るコネクタ収納箱の構成を示す正面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るコネクタ収納箱の構成を示す左側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るコネクタ収納箱の構成を示す平面図である。
図9図8のA-A断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係るコネクタ収納箱にコネクタを収納した状態を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係るコネクタ収納箱にコネクタを収納した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、例えば外部から電力の供給を受けるための電力供給線等のケーブルを有する構成において、機体に対してケーブルの先端に設けたコネクタを収納するためのコネクタ収納構造を工夫することにより、コネクタの変形および/または破損を防ぐものである。以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の実施の形態では、本発明に係る電動式建設機械として、旋回作業車である掘削作業機(ショベル)を例にとって説明する。ただし、本発明に係る電動式建設機械は、掘削作業機に限らず動力源として電動モータが搭載された、例えば、ブルドーザ、クレーン作業機、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用可能である。
【0019】
本実施形態に係る掘削作業機1の全体構成について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、掘削作業機1は、比較的小型のいわゆるミニショベルであり、自走可能な走行車体と、走行車体に取り付けられた作業部としての掘削装置3とを備える。
【0020】
掘削作業機1は、左右一対のクローラ式の走行部5,5と、左右の走行部5,5を支持する基台としてのトラックフレーム6と、トラックフレーム6上に設けられた旋回フレーム7とを有する。
【0021】
走行部5は、トラックフレーム6を構成する所定のフレーム部分に支持された複数のスプロケット等の回転体に履帯を巻回した構成を有する。走行部5は、後端部に回転体としての駆動スプロケット5aを有する。トラックフレーム6は、左右の走行部5,5間に位置するセンターフレーム部6aと、センターフレーム部6aの左右両側に設けられたサイドフレーム部6bとを有する。
【0022】
旋回フレーム7は、平面視略円形状に構成され、トラックフレーム6に対して、トラックフレーム6の上側に設けられた旋回支持部であり旋回ベアリング6cにより、上下方向の軸線回りに左右いずれの方向にも旋回可能に設けられている。旋回フレーム7の後下部には、カウンタウエイト7aが設けられている。また、旋回フレーム7は、左右の走行部5,5の左右幅内、つまり左側の走行部5の左外側縁端と右側の走行部5の右側縁端との間の幅内で旋回可能に構成されている。これにより、掘削作業機1による小旋回作業が可能となっている。
【0023】
旋回フレーム7上には、運転部10が設けられている。運転部10の右側には、タンク部9が設けられている。タンク部9には、掘削作業機1が有する油圧シリンダ等の油圧アクチュエータに供給される作動油を収納する作動油タンクが設けられている。運転部10の床部8の左側が、運転部10に対するオペレータの乗降口となっている。また、旋回フレーム7上の後部には、駆動源として、原動機である電動モータ12が設けられている。
【0024】
運転部10は、走行車体および掘削装置3を運転・操作するためのものである。旋回フレーム7上には、運転部10に対してキャノピ13が設けられている。キャノピ13は、いわゆる4柱キャノピであり、旋回フレーム7の後部上方に立設された左右一対の後支柱部36,36と、床部8の前端部に立設された左右一対の前支柱部37,37と、前後の支柱部間に設けられたキャノピルーフ部38とを有する。キャノピルーフ部38は、運転部10を上方から覆っている。左右それぞれの後支柱部36および前支柱部37は、キャノピルーフ部38の左右の縁部を形成する略水平状の部分を介して連続した一体のパイプ状の部材により形成されている。
【0025】
運転部10においては、床部8の後側にシートマウントである運転席支持台14が設けられており、運転席支持台14上に運転席15が設けられている。運転席15の前方には、左右一対の走行レバー16が、床部8から上方へ向けて延出した状態で設けられている。床部8上における走行レバー16の左右両側には、作業用の複数の操作ペダル17が配設されている。また、運転部10において、運転席15の周囲には、掘削装置3等の作業部を操作するための作業操作レバーや、スイッチ等の各種操作部を有する操作パネル部等が設けられている。
【0026】
掘削作業機1は、トラックフレーム6およびその左右両側に支持された走行部5,5を含む構成を下部装置である下部走行体20Bとし、下部走行体20Bに対して旋回可能に支持された機体として、上部装置である上部旋回体20Aを備える。上部旋回体20Aは、機体を構成するフレームである旋回フレーム7と、旋回フレーム7上に設けられた運転部10とを含む構成である。
【0027】
上部旋回体20Aは、その外装をなす複数のカバー部を有する。複数のカバー部には、運転席支持台14の左後側を覆う左カバー部32と、旋回フレーム7の後側を覆う後カバー部33とが含まれる。後カバー部33は、カウンタウエイト7aの上側に設けられており、左右の一側がヒンジ部によって回動可能に支持され、開閉可能に設けられている。
【0028】
掘削装置3は、掘削作業機1の前側に設けられたフロント作業装置である。旋回フレーム7の前端の左右中央部には、掘削装置3を支持する支持ブラケット18が前方に向けて突設されている。支持ブラケット18に、掘削装置3の基端部をなすブーム支持ブラケット19が、上下方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。掘削装置3は、ブーム支持ブラケット19と旋回フレーム7との間に設けられたスイング用油圧シリンダ(図示せず)により、旋回フレーム7に対して左右にスイングするように設けられている。
【0029】
掘削装置3は、側面視でブーメラン状に屈曲した形状を有し掘削装置3の基部側の部分を構成するブーム21と、ブーム21の先端側に連結されたアーム22と、アーム22の先端部に取り付けられたバケット23とを有する。掘削装置3は、ブーム21を回動動作させるブームシリンダ26と、アーム22を回動動作させるアームシリンダ27と、バケット23を回動動作させる作業具シリンダ28とを有する。これらのシリンダは、いずれも油圧シリンダである。掘削装置3においては、作業内容に応じてバケット23に替えてグラップルやブレーカ等の他の装置が装着される。
【0030】
以上のような構成を備えた掘削作業機1においては、運転席15に着座したオペレータにより走行レバー16や作業操作レバー等が適宜操作されることで、所望の動作・作業が行われる。具体的には、例えば、走行レバー16の操作により、掘削作業機1の前後直進走行や左右旋回走行が行われる。また、作業操作レバーの操作により、掘削装置3による掘削作業等が行われる。
【0031】
本実施形態に係る掘削作業機1は、電力の供給を受けて駆動する電動機である電動モータ12を駆動源として備えた電動式建設機械である。図3に、掘削作業機1が備える商用電源49からバッテリユニット47およびアクチュエータ43に至る装置構成の概要を示す。図3に示すように、電動モータ12は、油圧ポンプ41を駆動させるポンプ駆動用モータである。電動モータ12は、例えば三相交流モータであり、交流電力の供給を受けて駆動する。油圧ポンプ41は、電動モータ12により駆動させられてタンク部9の作動油タンク内の作動油を、コントロールバルブ42を介してアクチュエータ43に供給するためのものである。
【0032】
アクチュエータ43は、掘削作業機1が備える各種の油圧アクチュエータの総称である。アクチュエータ43は、例えば、ブームシリンダ26、アームシリンダ27、作業具シリンダ28、スイング用油圧シリンダその他の油圧シリンダ等である。
【0033】
コントロールバルブ42は、アクチュエータ43としての各油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御する。コントロールバルブ42は、各油圧アクチュエータに対応した複数の方向切替弁を含んで構成されており、方向切替弁の動作制御等により、油圧ポンプ41の駆動によって作動油タンク内から供給される圧油の量と供給先を制御する。アクチュエータ43への圧油の供給制御により、掘削装置3の動作や上部旋回体20Aの旋回動作等が行われる。
【0034】
電動モータ12は、旋回フレーム7の後下部において、駆動軸の軸方向を左右方向とした横向きで設置されている。油圧ポンプ41は、上部旋回体20Aにおいて例えば電動モータ12の左側に設けられている。油圧ポンプ41は、その回転軸を、カップリングを介して電動モータ12の駆動軸に連結させており、電動モータ12の駆動軸の回転にともなって駆動し、作動油を送り出す。コントロールバルブ42は、上部旋回体20Aにおいて例えば旋回フレーム7上の前部の左側の位置に設けられている。
【0035】
また、掘削作業機1は、左右一対の走行用油圧モータ44,44を有する(図1図2参照)。走行用油圧モータ44は、油圧ポンプ41から吐出され、コントロールバルブ42を介して供給される圧油を受けることで駆動するアクチュエータであり、各走行部5において、トラックフレーム6のサイドフレーム部6b等の所定の部位に取り付けられた状態で設けられており、駆動スプロケット5aを回転駆動させる。左右の走行用油圧モータ44,44がそれぞれ走行部5を駆動させることで、掘削作業機1の前後直進走行や左右旋回走行が行われる。
【0036】
図3に示すように、掘削作業機1は、電動モータ12に直接的にまたは間接的に電気的に接続された構成として、電動モータ12に外部から電力を供給するための給電器46と、電動モータ12に電力を供給するためのバッテリであるバッテリユニット47と、電動モータ12を制御するインバータ装置48とを備える。
【0037】
給電器46は、外部電力供給用の電力供給線50により、外部電源である商用電源49に電気的に接続される。給電器46は、電力供給線50により、外部電源である商用電源49からの電力を機体内の回路に取り込む。また、給電器46は、バッテリユニット47およびインバータ装置48のそれぞれに対して電気的に接続されており、給電器46からの電力は、バッテリユニット47およびインバータ装置48のそれぞれに分岐して供給される。
【0038】
給電器46は、商用電源49から供給される交流電力(交流電圧)を直流電力(直流電圧)に変換してインバータ装置48に出力する機能と、商用電源49から供給される交流電力を直流電力に変換してバッテリユニット47に出力する機能と、バッテリユニット47からの直流電力をインバータ装置48に出力させる機能とを有する。給電器46は、モードの切換えによって発揮する機能を切り換えるように構成されている。給電器46は、供給された電力の電流と電圧の値を制御する。
【0039】
掘削作業機1は、例えば運転部10に設けられたモード切換スイッチの操作によって切り換えられるモードとして、次の3つの給電モードを有する。すなわち、掘削作業機1は、電動モータ12への給電がバッテリユニット47のみにより行われるバッテリ給電モードと、電動モータ12への給電が給電器46により外部の商用電源49から行われる外部給電モードと、給電器46により外部の商用電源49からの電力をバッテリユニット47に蓄電する蓄電モードとを有する。
【0040】
外部給電モードには、給電器46を介した商用電源49からの給電によるバッテリユニット47の充電、およびバッテリユニット47から電動モータ12への給電の少なくともいずれかが行われる場合が含まれる。すなわち、電動モータ12は、バッテリ給電モードでは、バッテリユニット47からの給電によって駆動し、外部給電モードでは、商用電源49からの給電によって駆動するとともに、場合によってはバッテリユニット47から駆動用の電力の供給を受ける。なお、商用電源49またはバッテリユニット47から供給される電力は、DC/DCコンバータにより電圧が降圧されてから電動モータ12等に供給される。
【0041】
例えば、給電器46からインバータ装置48に対する電力の供給経路には、インバータ装置48に対する電力の供給を遮断するためのスイッチが設けられており、スイッチの切替えによりインバータ装置48に対する電力の供給が遮断されると、給電器46からの電力は全てバッテリユニット47の充電に充てられる。また、給電器46からの電力の供給が遮断されると、電動モータ12は、バッテリユニット47から供給される電力のみで駆動することになる。
【0042】
バッテリユニット47は、掘削作業機1が備える電源である。バッテリユニット47は、複数のバッテリモジュールをユニット化した構成のものである。バッテリモジュールは、鉛蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池からなる。バッテリユニット47は、インバータ装置48に直流電流を供給する。バッテリユニット47は、旋回フレーム7の後部において、電動モータ12の上方の位置に設置されている(図1参照)。
【0043】
インバータ装置48は、電動モータ12に対して出力する電力を制御することで、電動モータ12の出力を制御する。具体的には、インバータ装置48は、バッテリ給電モードにおいて、バッテリユニット47から供給される直流電力を交流電力に変換して電動モータ12に供給する。また、インバータ装置48は、外部給電モードにおいて、給電器46を介して商用電源49から供給される直流電力を交流電力に変換して所定の電圧として電動モータ12に供給する。インバータ装置48は、旋回フレーム7における所定の位置に設けられている。
【0044】
電力供給線50には、上部旋回体20Aにおいて旋回フレーム7の内部に設けられた内部の給電ケーブル(図示せず)と、内部の給電ケーブルに対して一端側を接続させた外部の給電ケーブル52とが含まれる。
【0045】
旋回フレーム7の内部において、給電器46から延出された給電ケーブルが、旋回フレーム7の外側に設けられたケーブル接続部54に電気的に接続されている。ケーブル接続部54は、旋回フレーム7において、運転席15の後方かつ後カバー部33の上縁部の前側に設けられた棚状の平面部である後上面部7bの右側の部分に筒状に突設されている(図4参照)。ケーブル接続部54は、右側の後支柱部36の左後方に位置している。
【0046】
ケーブル接続部54に、外部の給電ケーブル52の一端側が接続されている。つまり、給電ケーブル52は、ケーブル接続部54を介して内部の給電ケーブルに電気的に接続されており、ケーブル接続部54に接続されることで、上部旋回体20Aの後部から延出した態様で設けられている。給電ケーブル52の長さは、例えば10m程度である。給電ケーブル52の他端側の端部には筒状のコネクタ55が設けられている。コネクタ55は、高圧電流用のコネクタであり、商用電源49側に設けられたコネクタ受部に連結することで、商用電源49と給電器46を電気的に接続する。なお、コネクタ55は、商用電源49側コネクタ受部に直接連結されるものでもよく、さらに他のコネクタとケーブルを介して商用電源49側のコネクタ受部に接続されるものであってもよい。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る掘削作業機1は、上部旋回体20Aと、上部旋回体20Aを支持する下部走行体20Bとを備えるとともに、上部旋回体20Aから延出されたケーブルとして、電力供給線50の一部をなす給電ケーブル52を備える。給電ケーブル52は、掘削作業機1が電動モータ12に供給するための電力の供給を外部から受けるための電力供給線となる。
【0048】
掘削作業機1は、例えばバッテリ給電モードのように、電力供給線50を商用電源49に接続させず、給電ケーブル52を使用しない状態での作業を行う際に、給電ケーブル52を収納するための構成として、ケーブル収納部120を備えている。ケーブル収納部120は、上部旋回体20Aの後部に設けられ、給電ケーブル52を機体の背面視で周回形態をなすように巻回させた状態で収納する。
【0049】
ケーブル収納部120およびケーブル収納部120の上部旋回体20Aへの取付構造について、さらに詳細に説明する。図4は、上部旋回体20Aの後側を拡大して示す斜視図である。
【0050】
ケーブル収納部120は、キャノピ13を構成する左右の後支柱部36間に架設された横架フレーム60に対して設けられている。左右の後支柱部36は、後上面部7bの左右両端部に設けられている。
【0051】
後支柱部36は、旋回フレーム7の後上面部7b上において、後支柱部36の下端部にフランジ状に設けられた固定板部61を、固定ボルト62により後上面部7bに対して固定させた状態で立設されている。固定板部61は、後支柱部36を支持する部分から左右内側に向けて延出した延出部を有し、この延出部が固定ボルト62により2箇所で固定されている。固定板部61と後支柱部36の下端部との間には、略三角形状の支持板63が設けられている。右側の固定板部61の後側に、給電ケーブル52の基端部が接続されるケーブル接続部54が位置している。
【0052】
横架フレーム60は、パイプ部材により構成され、平面視で後側に膨出した形態をなす屈曲形状を有する。横架フレーム60は、左右方向について対称または略対称な形状を有する。より具体的には、横架フレーム60は、平面視での屈曲形状をなす部分として、左右方向に沿う中間部60aと、中間部60aの左右両側の傾斜部60bとを有する。傾斜部60bは、中間部60aと鈍角をなすように屈曲形成された部分であり、左右方向に対して、左右外側から内側にかけて徐々に前側から後側に向かうように傾斜している。
【0053】
横架フレーム60は、左右の後支柱部36の下部間に水平状に架設されている。より具体的には、横架フレーム60の両端部に設けられたクランプ部65により後支柱部36を挟持した状態で、後支柱部36に固定支持されている。クランプ部65は、横架フレーム60の端部に固定された固定側挟持片部65aと、固定側挟持片部65aに対して連結される可動側挟持辺部65bとを有する。
【0054】
固定側挟持片部65aおよび可動側挟持辺部65bは、いずれも凹形状をなす屈曲板状の部分であり、凹側同士を対向させて互いの間に後支柱部36を挟持している。固定側挟持片部65aおよび可動側挟持辺部65bは、例えば、互いの一端がヒンジにより回動自在に接続され、他端がボルトおよびナットによるネジ締結により接続される。これにより、固定側挟持片部65aおよび可動側挟持辺部65bは、後支柱部36を互いの間に挟んだ状態で、後支柱部36の所定の高さ位置に固定される。
【0055】
横架フレーム60は、左右の後支柱部36に対して、左右のクランプ部65により着脱可能に設けられている。後支柱部36に対するクランプ部65の固定状態において、例えば、固定側挟持片部65aおよび可動側挟持辺部65b間のネジ締結を緩めることで、クランプ部65が後支柱部36に対して移動可能となり、横架フレーム60の高さ調整が可能となる。
【0056】
ケーブル収納部120は、本体枠部121と、本体枠部121から後側に向けて突設され、給電ケーブル52を係止するための上係止部131と、上係止部131よりも下方の位置に設けられた下係止部132とを有する。ケーブル収納部120において、上係止部131は左右両側の2箇所に設けられており、下係止部132は1箇所に設けられている。これらの係止部(131,132)は、給電ケーブル52の巻回を受けて後面視での給電ケーブル52の周回形態を保持する。
【0057】
ケーブル収納部120は、上部旋回体20Aに設けられた横架フレーム60に対して設けられている。ケーブル収納部120は、横架フレーム60の中間部60aの左右から下側に垂れ下がった状態で設けられている。ケーブル収納部120は、左右方向について、横架フレーム60の全長に対して1/3~1/2程度の幅の範囲で設けられている。また、ケーブル収納部120は、上下方向について、横架フレーム60と後上面部7bとの間の間隔の半分以上の範囲で設けられている。ただし、ケーブル収納部120の大きさは特に限定されるものではない。また、ケーブル収納部120は、略左右対称に構成されている。
【0058】
本体枠部121は、円形の横断面形状を有する棒状またはパイプ状の部材を略U字状に屈曲させた形態を有する。本体枠部121は、全体的に略一定の外径を有する。本体枠部121は、上側を開放側として後面視で略U字状をなすように設けられている。本体枠部121は、略U字状をなす部分として、互いに平行な左右一対の縦棒部122と、一対の縦棒部122の下端部間を繋ぐ横棒部123とを有する。
【0059】
縦棒部122の長さは、横棒部123の長さよりもやや短く、左右の縦棒部122および横棒部123は、後面視において、横架フレーム60の中間部64aとともに、やや横長矩形状の枠状部分を形成している。なお、縦棒部122が横棒部123より長くてもよく、また、縦棒部122および横棒部123が互いに同じ長さであってもよい。
【0060】
左右の上係止部131は、本体枠部121の左右の縦棒部122それぞれの上部から後側に延出するように設けられている。上係止部131は、断面円形の棒状またはパイプ状の部材を湾曲または屈曲させた形態を有する。上係止部131は、本体枠部121と略同じ外径を有し、全体的に一定または略一定の外径を有する。上係止部131は、所定の湾曲形状または屈曲形状を有する棒状の部材を、左右の縦棒部122の上下中央より上側寄りの位置に溶接等によって固定することで設けられている。
【0061】
上係止部131は、側面視において、直線状をなす本体枠部121の縦棒部122に対して水平状に後側に向けて延出されるとともに先端側を上側に向けて反った形状を有する。
【0062】
下係止部132は、本体枠部121の横棒部123の左右中央部から後側に延出するように設けられている。下係止部132は、断面円形の棒状またはパイプ状の部材を湾曲または屈曲させた形態を有する。下係止部132は、本体枠部121と略同じ外径を有し、全体的に一定または略一定の外径を有する。下係止部132は、側面視で上係止部131と上下に略対称な形状を有する。下係止部132は、所定の湾曲形状または屈曲形状を有する棒状の部材を、横棒部123の左右中央の位置に溶接等によって固定することで設けられている。
【0063】
下係止部132は、側面視において、直線状をなす本体枠部121の横棒部123に対して水平状に後側に向けて延出されるとともに先端側を下側に向けて反った形状を有する。
【0064】
ケーブル収納部120は、本体枠部121、上係止部131および下係止部132を一体とした部材を、横架フレーム60に対して溶接等によって固定することにより設けられている。より具体的には、ケーブル収納部120は、本体枠部121における左右の縦棒部122の上端部(先端部)を、横架フレーム60に対して下側から溶接等により固定することで設けられている。左右の縦棒部122の上端部は、、横架フレーム60において中間部64aと左右の傾斜部64bとの繋ぎ目となる屈曲した部分またはその近傍部分の下側に位置している。
【0065】
以上のように横架フレーム60にケーブル収納部120を固定すると、上段の左右2箇所の上係止部131と、下段の左右中央の1箇所の下係止部132とが、本体枠部121に対して、後面視で逆三角形の頂点に位置するように配置されることになる。
【0066】
ケーブル収納部120において、2本の上係止部131および1本の下係止部132の計3本の係止部の外側に、ケーブル接続部54から延出した給電ケーブル52が巻き付けられる。すなわち、給電ケーブル52は、3本の係止部(131,132)を内周側に位置させた状態で、背面視で周回形態をなすように、ケーブル収納部120に巻き付けられる。なお、ケーブル収納部120に対する給電ケーブル52の巻き付け作業つまり収納作業は、手作業により行われる。
【0067】
また、ケーブル収納部120は、本体枠部121を前傾させた状態で設けられている(図2参照)。ケーブル収納部120を前傾状に設けた構成においては、側面視で、鉛直状に延伸した後支柱部36の下部とその後方に位置する本体枠部121との間の前後の間隔は、上側から下側にかけて徐々に大きくなる。このため、ケーブル収納部120において、上係止部131および下係止部132に巻回された給電ケーブル52の荷重を、本体枠部121で受けることになる。つまり、本体枠部121が給電ケーブル52を背負うように支持することになる。
【0068】
左右の上係止部131をその先端側が上向きとなるよう配置し、下係止部132をその先端側が下向きとなるよう配置することで、給電ケーブル52がケーブル収納部120に巻き付けられた収納状態において、給電ケーブル52の後側への抜け落ちが規制される。
【0069】
ケーブル収納部120に収納される給電ケーブル52は、先端部にコネクタ55を有する。コネクタ55はプラグとも呼称されるものであり、外部電源のプラグ受部(コネクタ受部)に接続される部分である。コネクタ55は給電ケーブル52に対して着脱不能に連結されている。旋回フレーム7の後上面部7b上においては、上部旋回体20Aに設けられた運転席15とケーブル収納部120との間に、コネクタ55を収納するコネクタ収納ケースとしてのコネクタ収納箱140が設けられている。コネクタ収納箱140は、例えば給電ケーブル52がケーブル収納部120に収納された状態において用いられる。
【0070】
コネクタ収納箱140の構成について、図6から図11を参照して詳細に説明する。なお、図10および図11においては、コネクタ55をコネクタ収納箱140に収納した状態を示す。また、図6から図11を参照したコネクタ収納箱140の説明では、機体の後方を向く面をコネクタ収納箱140の正面として説明する。
【0071】
コネクタ収納箱140は、旋回フレーム7の後上面部7bの上面を設置面とし、後上面部7b上における左右の中央部に設けられている(図5参照)。コネクタ収納箱140は、給電ケーブル52に接続された状態の円筒状のコネクタ55を、筒軸方向を左右方向とする向きで位置決めした状態で収納する(図4、10および11参照)。
【0072】
コネクタ収納箱140は、左右方向を長手方向とする略直方体状の外形を有し、上側を開放側とした箱本体141と、箱本体141の上側の開口を覆う蓋体142とを有する。蓋体142は、左右方向を回動軸方向として箱本体141に対して回動可能に接続されている。蓋体142は、背面側の一端を軸に上下方向に回動することにより開閉する。
【0073】
箱本体141は、左右方向が長辺となる略直方体状に板金等により形成されている。箱本体141は、前壁部141a、後壁部141b、左側壁部141c、右側壁部141dおよび底部141eを有し、直方体の6面のうちの1面である上面が開放されている。すなわち、箱本体141は、上方向に開口された開口部150を有する。開口部150の縁となる箱本体141の上縁部には、シール部材144が周設されている。シール部材144は、ゴム等により形成され、内部中空のチューブ部144aと、箱本体141の縁に嵌合する縁取り部144bとから構成される。シール部材144は、蓋体142を閉じたときにチューブ部144aが変形して箱本体141と蓋体142との間の隙間を塞ぐことで、コネクタ収納箱140内への水や塵の侵入を防止する。
【0074】
箱本体141の左側壁部141cはケーブル保持壁であり、給電ケーブル52を挿通するための第1切欠き凹部146が形成されている。第1切欠き凹部146は、左側壁部141cの上端縁から下方に向けて略V字状に切り欠いた形状を有する。第1切欠き凹部146の縁には、給電ケーブル52が接触した際の保護材としてエッジカバー148が設けられている。エッジカバー148は、ゴム等から形成される。また、エッジカバー148は、左側壁部141cと給電ケーブル52との間において緩衝材として機能する。
【0075】
左側壁部141cおよび右側壁部141dの後方側上部には、後壁部141bの壁面よりも後方に突出し、蓋体142を箱本体141に対して回動可能に支持する軸支部143が設けられている。軸支部143には、箱本体141の長手方向(左右方向)を軸方向とした回動軸151が挿入される孔部が設けられている。
【0076】
箱本体141の内部には、コネクタ55を下方から保持する第1保持部147が設けられている。第1保持部147は、図8に示すように、箱本体141の底部141eに2個設けられている。第1保持部147のそれぞれは、板材を略L字に屈曲させて形成され、側面視において上端がコネクタ55の外形に対応した円弧状となっている。第1保持部147の円弧状の縁には、第1切欠き凹部146と同様のエッジカバー148が設けられている。2個の第1保持部147は、左右方向を板厚方向として、左右方向に所定の間隔だけ離間させて底部141eに固定されている。
【0077】
箱本体141の底部141eには、底部141eを貫通して複数の孔部149が設けられている(図6、8および11参照)。この実施形態では、孔部149は、底部141eの略長方形の四隅の近傍に、計4か所設けられている。
【0078】
箱本体141は、左右の側面部の下縁部に設けられた支持部材145を介して後上面部7bに固定されている。支持部材145は、略L字状の横断面形状を有するアングル部材であり、箱本体141の側面部に対して溶接等により固定されるとともに、後上面部7bに対して溶接または図示せぬボルト等の固定具によって固定されている。左右の支持部材145は、箱本体141の底面と後上面部7bとの間にわずかな隙間169(図6参照)を隔てた状態で箱本体141を支持している。このように、箱本体141の底面と後上面部7bとの間に隙間169を設けたことで、コネクタ収納箱140内に浸入した水を箱外に流すことができる。
【0079】
蓋体142は、蓋板部142a、前壁部142b、後壁部142c、左側壁部142d、および、右側壁部142eを備えている。蓋板部142aは、箱本体141の上側開口より僅かに大きく形成され、箱本体141の上側開口部分に対応する略長方形状を有する。蓋板部142aの4辺の外縁には、前壁部142b、後壁部142c、左側壁部142d、右側壁部142eが連設されている。蓋板部142a、前壁部142b、後壁部142c、左側壁部142d、および、右側壁部142eは板金を曲げ加工等することにより、一体的に設けられる。
【0080】
蓋体142の左側壁部142dは、前壁部142b、後壁部142c、および、右側壁部142eよりも深さ方向の長さが長く、蓋体142を閉じた状態では、箱本体141の左側壁部141cの上側半分程度を覆う長さを有する。左側壁部142dには、箱本体141の左側壁部141cに設けた第1切欠き凹部146に対応する側面視で略C字状の第2欠き凹部152が形成されている(図7参照)。この第2切欠き凹部152の縁には、エッジカバー148が設けられている。左側壁部141cは、蓋体142を閉じた状態では、箱本体141の第1切欠き凹部146が形成された左側壁部141cと対面する板部材であり、第2切欠き凹部152が、第1切欠き凹部146に対向する位置に設けられる。
【0081】
蓋板部142aの内面には、先端に左側壁部142dの第2切欠き凹部152と同形状の第3切欠き凹部153を形成した保持板部154がさらに突設されている。保持板部154は、板金を略L字状に屈曲させて形成され、直角状をなす一方の面部を蓋板部142aに対する固定面部とし、他方の面部を蓋板部142aに対して垂直状に突出させるとともに左右方向を他方の面部の板厚方向として配置されている。また、保持板部154は、左右方向において、第3切欠き凹部153が第2切欠き凹部152に対応する位置となるように、左側壁部142dに対して所定の距離だけ離間して配置される。所定の距離は、箱本体141の上端縁に周設されたシール部材144の幅より大きい距離であり、箱本体141の底部141eに設けた第1保持部147と左側壁部141cとの離間距離よりも狭い距離である。また、第3切欠き凹部153にも、第1切欠き凹部146および第2切欠き凹部152と同様に、エッジカバー148が設けられている。蓋体142を閉じた状態では、箱本体141の左側壁部141cが、蓋体142の左側壁部142dと保持板部154とによって挟まれることになる。第1切欠き凹部146、第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153は、いずれもコネクタ55をコネクタ収納箱140に収納するときに給電ケーブル52を挿通するためのものである。蓋体142を閉じた状態では、第1切欠き凹部146が第2切欠き凹部152と第3切欠き凹部153との間に位置し、箱本体141側の第1切欠き凹部146の略V字の下部側と蓋体142側の第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153とで、コネクタ収納箱140の左側面に、給電ケーブル52を貫通する略円形のケーブル挿通口が形成される。
【0082】
蓋板部142aの内面には、コネクタ55を上方から保持する第2保持部155が設けられている。第2保持部155は、第1保持部147と同様に、板材を略L字に屈曲させて形成され、L字の一方の平面を蓋板部142aの内面に溶接等により固定している。第2保持部155の蓋体142を閉じたときに下を向く板の先端が、コネクタ55の外形に対応した凹形状となっている。第2保持部155の凹形状の縁には、第1保持部147と同様のエッジカバー148が、コネクタ55に対する保護材として設けられている。第2保持部155は蓋板部142aにおいて、そのエッジカバー148が、2個の第1保持部147のうち平面視で右側に設けられた第1保持部147のエッジカバー148に対向するように配置されている。
【0083】
蓋体142を閉じた状態は、コネクタ収納箱140の正面(機体の後側を向く面)の左右中央部に設けられたロック部156により固定される。ロック部156は、いわゆるパッチン錠等の留め金であり、手動操作によって簡単にロックおよびその解除ができる構成のものである。
【0084】
すなわち、ロック部156は、蓋体142の前壁部142bに固定されるフック状の被掛止部157と、箱本体141の前壁部141aに設けられる本体具160とが一組となって構成されるものである。
【0085】
本体具160は、箱本体141の前壁部141aに取り付けるベース161と、ベース161の上端部に左右方向に突出するように設けた支持部162に対して回動可能な操作レバー163と、この操作レバー163を回動可能に支持する支持軸164を有する第1リンク部165と、被掛止部157に引っ掛ける掛止部158を有する第2リンク部166と、支持軸164と被掛止部157との間隔を狭める方向に付勢する弾性部材167を含む。
【0086】
ベース161は、図7および図9に示すように、箱本体141の前壁部141aに設けられた、側面視および断面視において略逆C字状の取付部159に対してネジ締結により固定されている。また、ベース161の上方側は、前壁部141aから離れるように正面側に傾斜し、その先端には支持部162が設けられている。支持部162に対して操作レバー163の上端部を嵌め合わせることにより、操作レバー163が左右方向を軸方向として回動する。
【0087】
第1リンク部165は、左右一対の幅細の板部の一端側に支持軸164を設け、他端側には弾性部材167の抜け止め部が形成された構成を有している。第2リンク部166は、左右一対の幅細の板の一端側に架設して掛止部158を設け、他端側には弾性部材167の抜け止め部が形成された構成を有している。第1リンク部165および第2リンク部166は、支持軸164と掛止部158とが互いに逆方向に位置するように組み合わされ、互いの抜け止め部に弾性部材167を係止させることにより上下方向にスライド可能に連結される。すなわち、操作レバー163の左右に弾性部材167が介装される。なお、弾性部材167は、巻バネ等を採用することができる。弾性部材167により掘削作業機1の作業時の振動が吸収され、被掛止部157および本体具160のネジ締結部分でのネジの緩み等が低減される。
【0088】
作業者が掛止部158を被掛止部157に引っ掛け、操作レバー163を弾性部材167の付勢力に抗して押し下げるように操作することで、蓋体142がロック状態となり、箱本体141の開口部150を蓋体142により閉塞した状態を保持する。逆に、操作レバー163を回動操作して掛止部158の被掛止部157に対する引っ掛かりを解くことで、ロック部156によるロック状態が解除され、蓋体142を開くことが可能となる。
【0089】
以上のような構成を備えた掘削作業機1において、給電ケーブル52は、ケーブル収納部120に巻回された状態で収納される。また、ケーブル収納部120に対して給電ケーブル52を収納した状態において、コネクタ55は、コネクタ収納箱140内に収納される。
【0090】
円筒状のコネクタ55は、先端を箱本体141の右側壁部141dに向けて横置き状態でコネクタ収納箱140に収納される。
【0091】
コネクタ55をコネクタ収納箱140に収納して蓋体142を閉じた状態では、コネクタ収納箱140の左側面部から、収納状態のコネクタ55に繋がっている給電ケーブル52が外側に延出される。図11に示すように、ロック部156をロックした状態において、コネクタ収納箱140の内部では、第1保持部147および第2保持部155によりコネクタ55が上下方向から位置決め支持される。
【0092】
収納状態の給電ケーブル52を使用する際は、コネクタ収納箱140のロック部156のロックが解除されて蓋体142が開けられ、コネクタ55が取り出される。さらに、ケーブル収納部120から巻回状態の給電ケーブル52が引き出されて機体から延ばされ、コネクタ55が機体から離れた位置にある商用電源49側のコネクタ受部に接続される。
【0093】
以上のような構成を備えた本実施形態の掘削作業機1は、次のような構成を備えていると言える。すなわち、上部装置(上部旋回体20A)と、上部装置(上部旋回体20A)を支持する下部走行体20Bと、上部装置(上部旋回体20A)から延出されたケーブル(給電ケーブル52)と、ケーブルの先端に設けたコネクタを収納する電動式建設機械用コネクタ収納ケース(コネクタ収納箱140)を、上部装置(上部旋回体20A)に設けられた運転席15の後方に設けている。
【0094】
以上のような構成を備えた本実施形態に係る掘削作業機1によれば、機体から延出した給電ケーブル52の先端のコネクタ55を、コネクタ収納箱140に収納することから、振動や外部衝撃からコネクタ55を保護することができる。
【0095】
掘削作業機1において、運転席15の後方に位置する旋回フレーム7の後上面部7b上に、コネクタ55を収納するコネクタ収納箱140が設けられている。このような構成によれば、旋回フレーム7上のスペースを有効に利用しながら、比較的損傷しやすい部分であるコネクタ55を簡易かつ安全に収納することができる。また、ケーブル収納部120との関係において、本実施形態のように本体枠部121を前傾状とすることで、本体枠部121の下部を上部に対して後側に位置させることができ、後上面部7b上におけるコネクタ収納箱140の設置スペースを容易に確保することができる。
【0096】
また、掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、ケーブル収納部120より下側に配置されている。すなわち、機体の背面視でケーブル収納部120に周回形態をなすように収納した給電ケーブル52の先端を、ケーブル収納部120から垂れ下がらせた位置にコネクタ収納箱140を配置している。このような構成によれば、給電ケーブル52とコネクタ55の接続部の曲げ負荷を低減しつつ、コネクタ55をコネクタ収納箱140に収納することができる。
【0097】
また、ケーブル収納部120は背面視で略逆三角形状に配置された2本の上係止部131および1本の下係止部132に対して給電ケーブル52を巻回して収納するように構成されていることから、巻回状態の給電ケーブル52の内側に、機体の後方からコネクタ収納箱140まで作業者が手を伸ばすことができる略円形の空間が形成される。これにより、作業者はコネクタ収納箱140に容易にアクセスすることができ、コネクタ55の収納および取出しをスムースに行うことができる。
【0098】
また、ミニショベルである掘削作業機1のように、上部旋回体20Aの後部のスペースが比較的小さい後方小旋回の構成であっても、ケーブル収納部120とコネクタ収納箱140を別体として上下に配置したことで、機体の後部からはみ出さないように給電ケーブル52の収納とコネクタ55の収納および保護を両立させることができる。これにより、商用電源49からコネクタ55を外し、給電ケーブル52およびコネクタ55を収納した状態とすることで、例えば掘削作業機1をトラック等で輸送する際に良好な運搬性を得ることができる。
【0099】
掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、次のような構成を備えていると言える。すなわち、一方に開放された開口部150を有する箱本体141と、開口部150を覆う蓋体142と、を備え、箱本体141の少なくとも1つの側壁(左側壁部141c)には、給電ケーブル52を下方から保持する第1切欠き凹部146が形成され、蓋体142は、開口部150を閉塞した状態のときに給電ケーブル52を上方から保持する第2切欠き凹部152が形成された第1板部材(左側壁部142d)を有している。このような構成によれば、蓋体142を閉じたときに、蓋体142の左側壁部142dが箱本体141の左側壁部141cに対面配置され、第2切欠き凹部152が第1切欠き凹部146に対応する位置となり、給電ケーブル52の挿通口が形成される。これにより、ケーブル付きコネクタを収容できる。
【0100】
また、コネクタ収納箱140は、蓋体142が箱本体141に対して回動可能に接続されている。このような構成によれば、蓋体142を箱本体141に対して回動させることで、容易に蓋体142を開けることができるとともに、蓋体142を開けて箱本体141の上面を開放した状態でも蓋体142が箱本体141に接続されているため、蓋体142の紛失が防止される。
【0101】
また、コネクタ収納箱140では、箱本体141側の第1保持部147および蓋体142側の第2保持部155により上下方向からコネクタ55を保持することから、例えば、例えば掘削作業機1をトラック等で輸送する際、または、バッテリユニット47からの電力供給により掘削作業を行う場合に、機体に生じる振動によりコネクタ55がコネクタ収納箱140内で動くことがない。このため、コネクタ55の変形および/または破損を防ぐことができる。
【0102】
掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、蓋体142に対して第2切欠き凹部152が形成された第1板部材(左側壁部142d)と第3切欠き凹部153が形成された第2板部材(保持板部154)とを設けている。第3切欠き凹部153は、蓋体142を閉塞した状態では、箱本体141の内部で、上方から給電ケーブル52を保持している。このような構成により、給電ケーブル52におけるコネクタ55との接続部に近い領域を、第1切欠き凹部146による下方から1点、第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153による上方から2点の計3点により略水平に保持できる。これにより、給電ケーブル52におけるコネクタ55との接続部に近い領域の断線の原因となるような無理な屈曲を防止することができる。また、第1板部材(左側壁部142d)と第2板部材(保持板部154)を箱本体141の側壁(左側壁部141c)を挟んで対向配置することで、これらの板状の部分が重畳的な遮蔽板として機能し、ケーブル挿通口からの水や粉塵等の箱内部への浸入を低減することができる。このように、コネクタ収納箱140に対する給電ケーブル52の貫通部分において、第1切欠き凹部146、第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153による給電ケーブル52の保持構造により、給電ケーブル52に対する保持作用を得ながら、コネクタ収納箱140内に対する防水効果を得ることができる。
【0103】
掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、箱本体141側にコネクタ55を下側から保持する第1保持部147を有し、蓋体142側に第1保持部147とは逆方向となる上側からコネクタ55を保持する第2保持部155を有している。このような構成によれば、コネクタ55を2方向から保持することができ、コネクタ収納箱140内でコネクタ55が確実に位置決めされる。これにより、バッテリ給電モードでの作業時の振動等によりコネクタ収納箱140の内壁にコネクタ55が衝突し変形および/または破損することを防止することができる。
【0104】
掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、コネクタ55を収納した状態で、箱本体141に対して蓋体142をロック部156によりロックして固定している。このような構成によれば、バッテリ給電モードでの作業時の振動等によりコネクタ収納箱140の蓋体142が開くことがなく、コネクタ収納箱140からコネクタ55が飛び出して破損することを防止することができる。また、ロック部156により蓋体142を完全に閉じた状態とすることで、給電ケーブル52を上下から保持する第1切欠き凹部146、第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153、並びにコネクタ55を上下から保持する第1保持部147および第2保持部155の各部のエッジカバー148が押圧され圧縮変形した状態となる。すなわち、給電ケーブル52は、第1切欠き凹部146、第2切欠き凹部152および第3切欠き凹部153により上下に挟持された状態となり、コネクタ55は、第1保持部147および第2保持部155により上下に挟持された状態となる。これにより、コネクタ収納箱140内においてコネクタ55および給電ケーブル52をしっかりと保持することができるとともに、コネクタ収納箱140の左側壁部における給電ケーブル52の挿通部において確実な防水作用を得ることができる。
【0105】
掘削作業機1において、コネクタ収納箱140は、左右の支持部材145により、箱本体141の底面と後上面部7bとの間にわずかな隙間を隔てた状態で支持され、かつ、箱本体141の底部141eの少なくとも四隅の近傍に貫通孔(孔部149)を設けている。このような構成により、不整地作業により機体が傾斜した場合に、コネクタ収納箱140の底の四隅のいずれが低い位置となっても、コネクタ収納箱140内に浸入した水を確実に箱外に流すことができる。
【0106】
また、ケーブル収納部120およびコネクタ収納箱140は、上部旋回体20Aの平面視の周縁部の内側に納まることから、ケーブル収納部120に収納された給電ケーブル52およびコネクタ収納箱140に収納されたコネクタ55も、上部旋回体20Aの平面視の周縁部の内側に納められる。このため、バッテリ給電モードでの旋回動作等の作業性が損なわれることがない。
【0107】
上述した実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明に係る建設機械は上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。また、本開示に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0108】
また、上述した実施形態では、本発明に係るコネクタ収納ケースとしてコネクタ55を横置きに収納するコネクタ収納箱140を例にとって説明しているが、本発明に係るコネクタ収納ケースは、コネクタ55を所定の姿勢で保持した状態で収納する構成のものであればよい。例えば、コネクタ55を給電ケーブル52との接続部を上として縦置きとし、コネクタ55を箱本体141に対して出し入れする際の開口部を、箱本体の側面に設けるようにしたコネクタ収納ケースであってもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、コネクタ収納箱140の蓋体142は回動軸151を介して箱本体141に回動可能に接続されているが、ヒンジ金具により箱本体141に蓋体142を接続してもよい。また、上述した実施形態では、コネクタ収納箱140の正面側に設けたロック部156により蓋体142を箱本体141に固定しているが、回動軸151に換えて背面側にもパッチン錠によるロック部156を追加して設け、ロック部156のロック状態を解除することで、蓋体142が箱本体141から分離するようにしてもよい。また、ロック部156は、掘削作業機1の作業時等に振動により容易に蓋体142が開かないものであればよく、パッチン錠に限定されるものではない。
【0110】
また、上述した実施形態では、コネクタ収納箱140に収納されるコネクタ55は、外部から電動モータ12に電力を供給するための給電ケーブル52の先端に設けられているものであるが、本発明に係るコネクタは、給電ケーブル等の電気供給線に限らず、例えば、空気、水、スラリー等の気体、液体または流動体を供給するためのケーブルの供給源への接続部を含む概念である。
【0111】
なお、本発明は、以下の態様をとることができる。
(1)
電動式建設機械から延出されたケーブルの先端に設けたコネクタを収納する電動式建設機械用コネクタ収納ケースであって、
一方に開放された開口部を有する箱本体と、
前記開口部を覆う蓋体と、
を備え、
前記箱本体は、少なくとも1つの側壁を、前記ケーブルを挿通させてケース外に延出させるとともに前記ケーブルを下方から保持する前記開口部の縁を切欠いた第1切欠き凹部を有するケーブル保持壁とし、
前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記ケーブル保持壁に対面配置され、前記ケーブルを上から保持する第2切欠き凹部が形成された第1板部材を有する、
ことを特徴とする電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(2)
前記蓋体は、前記箱本体に対して回動自在に接続されている、
(1)に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(3)
前記蓋体は、前記開口部を閉塞した状態のときに前記箱本体内部で、前記ケーブルを上方から保持する第3切欠き凹部が形成された第2板部材を有し、
前記第1切欠き凹部が前記第2切欠き凹部と前記第3切欠き凹部の間に位置する、
(1)または(2)に記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(4)
前記箱本体は、前記コネクタを保持する第1保持部を有し、
前記蓋体は、前記コネクタを前記第1保持部とは逆方向から保持する第2保持部を有する、
(1)から(3)のいずれかに記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(5)
前記箱本体に対して前記蓋体を固定するロック部を有する、
(1)から(4)のいずれかに記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(6)
前記箱本体の底部には、貫通孔が設けられ、
前記底部の下方に空間を確保するように前記箱本体を支持する支持部材を備える、
(1)から(5)のいずれかに記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケース。
(7)
上部装置と、
前記上部装置を支持する下部走行体と、
前記上部装置から延出されたケーブルと、
(1)から(6)のいずれかに記載の電動式建設機械用コネクタ収納ケースを、前記上部装置に設けられた運転席の後方に設けた、
電動式建設機械。
【符号の説明】
【0112】
1 掘削作業機(電動式建設機械)
5 走行部
7 旋回フレーム
13 キャノピ
15 運転席
20A 上部旋回体(上部装置)
20B 下部走行体
52 給電ケーブル(ケーブル)
55 コネクタ
60 横架フレーム
120 ケーブル収納部
121 本体枠部
131 上係止部
132 下係止部
140 コネクタ収納箱(コネクタ収納ケース)
141 箱本体
141c 左側壁部(ケーブル保持壁)
142 蓋体
142d 左側壁部(第1板部材)
141e 底部
145 支持部材
146 第1切欠き凹部
147 第1保持部
149 孔部(貫通孔)
150 開口部
151 回動軸
152 第2切欠き凹部
153 第3切欠き凹部
154 保持板部(第2板部材)
155 第2保持部
156 ロック部
169 隙間(空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11