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特開2023-181729管理システム、管理装置及び管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181729
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/39 20180101AFI20231218BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20231218BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20231218BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20231218BHJP
【FI】
F24F11/39
F24F11/52
F24F11/56
F24F11/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095028
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川辺 まり
(72)【発明者】
【氏名】三浦 脩
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 祐樹
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA62
3L260BA64
3L260CB68
3L260CB70
3L260CB83
3L260DA15
3L260FC33
3L260GA17
3L260GA23
3L260HA06
3L260JA12
3L260JA13
3L260JA14
3L260JA22
(57)【要約】
【課題】ファンの稼働時間を少ない通信量で精度よく算出する。
【解決手段】管理システムは、ファンを有する空気調和機と、制御部を有する管理装置とを含む。空気調和機は、運転データを第1の所定時間ごとに管理装置に送信する。制御部は、運転データに基づいてファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新し、新たに受信した運転データにおけるファンの稼働状態が前回受信した運転データにおけるファンの稼働状態と異なるとき、第1の所定時間より短い第2の所定時間ファンが稼働したものとして保守管理情報を更新する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを有する空気調和機と、制御部を有する管理装置とを含む管理システムであって、
前記空気調和機は、
運転データを第1の所定時間ごとに前記管理装置に送信し、
前記制御部は、
前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新し、
新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する、
管理システム。
【請求項2】
前記保守管理情報は、前記空気調和機の消費電力又はフィルタの寿命に関する情報である、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記保守管理情報は、前記フィルタの消耗度であり、
前記制御部は、前記運転データに基づいて前記フィルタの消耗度を算出する、
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記空気調和機に接続された通信アダプタから無線通信網経由で前記運転データを受信する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
前記空気調和機は、
前記ファンの稼働時間を記録し、
フィルタの交換時期を遠隔操作装置のディスプレイに表示する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記空気調和機の保守点検結果を前記第1の所定時間より長い第3の所定時間ごとに受信する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項7】
前記空気調和機にファンの稼働時間を取得できない機器が接続されており、
前記空気調和機に接続された遠隔操作装置に前記機器が接続されており、
前記制御部は、
前記遠隔操作装置の稼働状態を表す情報を前記第1の所定時間ごとに受信し、
新たに受信した前記運転データにおける前記遠隔操作装置の稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記遠隔操作装置の稼働状態と異なるとき、前記第2の所定時間前記機器が稼働したものとして前記機器に関する前記保守管理情報を更新する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項8】
制御部を有する管理装置であって、
ファンを有する空気調和機の運転データを第1の所定時間ごとに受信し、
前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新し、
新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する、
管理装置。
【請求項9】
管理装置が有する制御部が、
ファンを有する空気調和機の運転データを第1の所定時間ごとに受信する手順と、
前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新する手順と、
を実行し、
新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する、
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、管理装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機から収集した運転データに基づいて消耗部品の交換時期を管理するサービスが利用されている。例えば、特許文献1には、各種のフィルタを用いて設置空間の空気を清浄する空気清浄器からファンの回転時間及び回転数、並びに集塵フィルタを通過する塵埃の粒子個数を受信し、これらの情報に基づいて算出したフィルタの消耗度を空気清浄器が備える表示部に表示させる制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-179389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、空気調和機から運転データを収集するための通信量が多い。一方、通信量を低減するために通信頻度を低減すると、ファンの稼働時間の算出精度が低下する。
【0005】
本開示は、ファンの稼働時間を少ない通信量で精度よく算出する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係る管理システムは、ファンを有する空気調和機と、制御部を有する管理装置とを含む管理システムであって、前記空気調和機は、運転データを第1の所定時間ごとに前記管理装置に送信し、前記制御部は、前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新し、新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、ファンの稼働時間を少ない通信量で精度よく算出することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様に係る管理システムであって、前記保守管理情報は、前記空気調和機の消費電力又はフィルタの寿命に関する情報である。
【0009】
本開示の第3の態様は、第2の態様に係る管理システムであって、前記保守管理情報は、前記フィルタの消耗度であり、前記制御部は、前記運転データに基づいて前記フィルタの消耗度を算出する。
【0010】
本開示の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかに係る管理システムであって、前記制御部は、前記空気調和機に接続された通信アダプタから無線通信網経由で前記運転データを受信する。
【0011】
本開示の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれかに係る管理システムであって、前記空気調和機は、前記ファンの稼働時間を記録し、フィルタの交換時期を遠隔操作装置のディスプレイに表示する。
【0012】
本開示の第6の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれかに係る管理システムであって、前記制御部は、前記空気調和機の保守点検結果を前記第1の所定時間より長い第3の所定時間ごとに受信する。
【0013】
本開示の第7の態様は、第1の態様から第6の態様のいずれかに係る管理システムであって、前記空気調和機にファンの稼働時間を取得できない機器が接続されており、前記空気調和機に接続された遠隔操作装置に前記機器が接続されており、前記制御部は、前記遠隔操作装置の稼働状態を表す情報を前記第1の所定時間ごとに受信し、新たに受信した前記運転データにおける前記遠隔操作装置の稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記遠隔操作装置の稼働状態と異なるとき、前記第2の所定時間前記機器が稼働したものとして前記機器に関する前記保守管理情報を更新する。
【0014】
本開示の第8の態様に係る管理装置は、制御部を有する管理装置であって、ファンを有する空気調和機の運転データを第1の所定時間ごとに受信し、前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新し、新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する。
【0015】
本開示の第9の態様に係る管理方法は、管理装置が有する制御部が、ファンを有する空気調和機の運転データを第1の所定時間ごとに受信する手順と、前記運転データに基づいて前記ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新する手順と、を実行し、新たに受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態が前回受信した前記運転データにおける前記ファンの稼働状態と異なるとき、前記第1の所定時間より短い第2の所定時間前記ファンが稼働したものとして前記保守管理情報を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】空調管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】空調管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
図5】空気調和機のハードウェア構成の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0018】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態は、空気調和機の運転データを用いて行う保守サービスを提供する空調管理システムである。本実施形態における空調管理システムは、空気調和機から運転データを収集し、その運転データを用いて空気調和機に対して保守サービスを提供するための情報(以下、「保守管理情報」とも呼ぶ)を更新する。保守管理情報は、空気調和機の消費電力及び空気調和機が有するフィルタの寿命に関する情報の少なくとも1つを含む。
【0019】
フィルタの寿命に関する情報とは、例えば、空気調和機が有するファンの稼働時間に関する情報である。ファンの稼働時間は、フィルタの消耗度を算出するために用いられる。フィルタの消耗度が所定の値を超えると、フィルタを交換すべき時期になったものと判断することができる。
【0020】
本実施形態における空調管理システムは、ファンの稼働状態に基づいて、ファンの稼働時間を算出する。ファンの稼働状態とは、ファンが稼働しているか否かを表す情報である。そのため、本実施形態における空調管理システムによれば、空気調和機から収集する運転データのデータ量を低減することができる。
【0021】
また、本実施形態における空調管理システムは、新たに受信したファンの稼働状態が前回受信したファンの稼働状態と異なるとき、運転データの送信間隔より短い時間だけファンが稼働したものとして、ファンの稼働時間を算出する。そのため、本実施形態における空調管理システムによれば、ファンの稼働時間を精度よく算出することができる。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施形態における空調管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図1に示されているように、本実施形態における空調管理システム1は、管理装置10、空気調和機30及びユーザ端末50を含む。空気調和機30及びユーザ端末50は、複数台含まれてもよい。
【0023】
管理装置10、空気調和機30及びユーザ端末50は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークN1を介してデータ通信可能に接続されている。通信ネットワークN1は、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN、LTE(Long Term Evolution)又は5G(5th Generation)等の移動体通信網、若しくはLPWA(Low Power Wide Area)等の特定小電力無線通信等によるネットワークが含まれていてもよい。
【0024】
管理装置10は、空調管理システム1に含まれる空気調和機30を管理するパーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバ等の情報処理装置である。管理装置10は、空気調和機30から運転データを収集し、その運転データを用いて空気調和機30に対して保守サービスを提供するための保守管理情報を管理する。
【0025】
空気調和機30は、オフィス又は店舗等の物件に設置され、1以上の部屋を含む所定の室内空間の空気調和を行う設備機器である。空気調和機30は、所定の室内空間に対して、冷房、暖房、空気清浄、換気、加湿及び除湿等の少なくとも1つを行う。空気調和機30は、運転中の状態等を表す運転データを記録し、所定の時間間隔で管理装置10に運転データを送信する。
【0026】
ユーザ端末50は、空気調和機30のユーザが利用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報処理端末である。ユーザ端末50は、管理装置10が保守管理情報に基づいて出力する通知情報を管理画面に表示する。管理画面は、空気調和機30の消費電力及び空気調和機30が有するフィルタの寿命に関する情報等を表示する。通知情報は、フィルタの交換時期及び交換方法に関する情報等を含む。
【0027】
なお、図1に示した空調管理システム1の全体構成は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があり得る。例えば、管理装置10は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。また、例えば、空調管理システム1は、管理装置10及びユーザ端末50がそれぞれ備えるべき機能を兼ね備えたスタンドアローンの情報処理装置により実現してもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
≪管理装置≫
図2は、本実施形態における管理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示されているように、管理装置10は、プロセッサ101、メモリ102、補助記憶装置103、操作装置104、表示装置105、通信装置106、ドライブ装置107を有する。管理装置10の各ハードウェアは、バス108を介して相互に接続されている。
【0029】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ101は、補助記憶装置103にインストールされている各種プログラムをメモリ102上に読み出して実行する。
【0030】
メモリ102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ101とメモリ102とは、いわゆるコンピュータ(以下、「制御部」ともいう)を形成し、プロセッサ101が、メモリ102上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは各種機能を実現する。
【0031】
補助記憶装置103(以下、「記憶部」ともいう)は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ101によって実行される際に用いられる各種データを格納する。
【0032】
操作装置104は、管理装置10のユーザが各種操作を行うための操作デバイスである。表示装置105は、管理装置10により実行される各種処理の処理結果を表示する表示デバイスである。
【0033】
通信装置106は、不図示のネットワークを介して外部装置と通信を行うための通信デバイスである。
【0034】
ドライブ装置107は、記憶媒体109をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体109には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記憶する媒体が含まれる。また、記憶媒体109には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記憶する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0035】
なお、補助記憶装置103にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体109がドライブ装置107にセットされ、記憶媒体109に記憶された各種プログラムがドライブ装置107により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置103にインストールされる各種プログラムは、通信装置106を介してネットワークからダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0036】
≪空気調和機≫
図3は、本実施形態における空気調和機30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示されているように、空気調和機30は、室外機31、室内機32及び遠隔操作装置33を有する。空気調和機30に含まれる室外機31及び室内機32は、それぞれ複数台であってもよい。
【0037】
室外機31は、空気調和を行う室内空間の外部に設置される。室内機32は、空気調和を行う室内空間の内部に設置される。室外機31と室内機32とは冷媒配管P1で接続される。冷媒配管P1を流れる冷媒の循環により蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路が構成される。
【0038】
室外機31は、各種のセンサ310、制御部311、記憶部312及び通信部313を有する。室外機31が備えるセンサ310の一例は、温度センサ及び圧力センサである。温度センサは、圧縮機の吸入管に設けられた吸入管温度センサと吐出管に設けられた吐出管温度センサとを含む。圧力センサは、圧縮機の吸引側に設けられた低圧圧力センサと、圧縮機の吐出側に設けられた高圧圧力センサとを含む。温度センサとして、室外側熱交換器のガス側及び液側の温度を測定するものを備えていてもよい。
【0039】
室内機32は、各種のセンサ320、制御部321、記憶部322、通信部323、ファン324及び各種のフィルタ325を有する。室内機32が備えるセンサ320の一例は、吸込温度センサである。室内機32が備えるフィルタ325の一例は、塵埃フィルタ又は脱臭フィルタである。
【0040】
ファン324は、室内機32の筐体に設けられた吸入口から空気を吸入し、吸入した空気を排出口から外部へ吹き出させるためのファンである。フィルタ325は、ファン324により吸い込まれた空気に含まれる微細な塵埃や臭気物質を捕集及び除去するためのフィルタである。制御部321は、ファン324の回転数および回転時間を記憶部322に記憶する。
【0041】
室外機31が備える通信部313と室内機32が備える通信部323とは通信回線N2を介して通信可能に接続される。室外機31が備えるセンサ310の検出信号は、室外機31が備える記憶部312に記憶される。室内機32が備えるセンサ320の検出信号は、通信回線N2を介して室外機31に転送され、室外機31が備える記憶部312に記憶される。
【0042】
室外機31が備える記憶部312には、さらに、冷暖房等の運転モード、所定の設定データ、所定の制御データ及び異常データ等が記憶される。設定データの一例は、蒸発温度及び凝縮温度の目標値等である。制御データの一例は、空気調和機30の運転時間、圧縮機及びファンの回転数や回転時間、及び膨張弁の開度等である。異常データは、空気調和機30の運転に異常が発生したときの異常コード等である。本実施形態では、室外機31が備える記憶部312に記憶されるデータを総称して「運転データ」と呼ぶ。
【0043】
なお、運転データのフォーマットは、空気調和機30の機種等により異なる場合がある。古い機種と新しい機種とでは、室外機31又は室内機32が備えるセンサの数や種類、又は制御可能な項目等が異なるためである。
【0044】
室外機31が備える制御部311及び室内機32が備える制御部321は、定期的に自己診断を行う。自己診断は、自機の運転状態に異常等が発生しているか否かを点検する処理である。自己診断を行う時間間隔は、例えば、24時間である。
【0045】
室外機31の自己診断による保守点検結果は、室外機31が備える記憶部312に記憶される。室内機32の自己診断による保守点検結果は、通信回線N2を介して室外機31に転送され、室外機31が備える記憶部312に記憶される。
【0046】
遠隔操作装置33は、通信部331及び表示部332(以下、「ディスプレイ」ともいう)を有する。遠隔操作装置33が備える通信部331と室内機32が備える通信部323とは通信回線N2を介して通信可能に接続される。
【0047】
遠隔操作装置33は、空気調和機30から運転状態に関する情報を受信し、表示部332に出力する。表示部332が表示する情報には、フィルタ325の交換時期を通知する情報が含まれる。フィルタ325の交換時期は、ファン324の累積稼働時間に基づいて算出される。ファン324の累積稼働時間は、室内機32が備える記憶部322に記憶されたファン324の回転時間を総和した時間長である。
【0048】
遠隔操作装置33は、空気調和機30に運転の開始又は停止、若しくは設定変更を指示する制御信号を送信する。遠隔操作装置33が制御信号を送信する契機は、ユーザの操作であってもよいし、所定の条件を満たしたときであってもよい。所定の条件とは、例えば予め設定した運転スケジュールに合致すること等である。
【0049】
遠隔操作装置33が送信する制御信号は、ネットワークN2を介して室外機31又は室内機32に送信される。室外機31及び室内機32に送信された制御信号は、室外機31が備える記憶部312に記憶され、運転データの一部となる。
【0050】
室外機31には、通信制御装置34が接続される。通信制御装置34は、室外機31が備える記憶部312から運転データ又は保守点検結果を取得し、通信ネットワークN1を介して管理装置10に運転データを送信する。
【0051】
通信制御装置34は、データ処理モジュール341及び通信モジュール342(以下、「通信アダプタ」ともいう)を有する。データ処理モジュール341は、室外機31のオプション基板を設置するスペースに設置され、オプション基板等に電源を供給する電源供給ポートから電力供給される。通信モジュール342は、室外機31において外部との通信が可能な位置、例えば室外機31の筐体の外側に設けられる。通信モジュール342は、室外機31の筐体の内部であって、開口部等を介して外部との間で電波が通じる位置に設けられてもよい。
【0052】
データ処理モジュール341は、室外機31の制御部311に定期的にデータ送信要求信号を送信する。室外機31の制御部311は、データ送信要求信号に応じて記憶部312から運転データ又は保守点検結果を読み出し、データ処理モジュール341に送信する。データ処理モジュール341は、室外機31の制御部311から受信した運転データ又は保守点検結果を通信モジュール342に転送する。
【0053】
通信モジュール342は、データ処理モジュール341から運転データ又は保守点検結果を受信する。通信モジュール342は、無線LAN、移動体通信網又は特定小電力無線通信等の無線通信方式により、通信ネットワークN1を介して運転データ又は保守点検結果を管理装置10に送信する。運転データ又は保守点検結果は、通信モジュール342から基地局を経由してネットワーク提供事業者等のサーバ等に送信され、このサーバ等からインターネット等を介して管理装置10に送信される。
【0054】
通信制御装置34が運転データを送信する時間間隔は、任意に設定することができる。運転データの送信間隔は、例えば、5分である。通信制御装置34が保守点検結果を送信する時間間隔は、運転データの送信間隔よりも長く設定される。保守点検結果の送信間隔は、例えば、24時間である。
【0055】
通信制御装置34が送信する運転データは、室外機31が備える記憶部312に記憶された運転データのうち、一部のデータであってもよい。本実施形態における通信制御装置34は、ファン324の回転数及び回転時間等は運転データに含めず、ファン324の稼働状態に関する情報(以下、「ファンタップ情報」とも呼ぶ)を運転データに含める。
【0056】
ファンタップ情報は、運転データの送信時におけるファン324の稼働状態を表す情報である。ファンタップ情報は、例えば、稼働中(オン)又は停止中(オフ)を表す真理値である。また例えば、ファンタップ情報は、稼働中(オン)、低速回転(ロータップ)、高速回転(ハイタップ)又は停止中(オフ)を表すコード値であってもよい。
【0057】
<空調管理方法の流れ>
図4は、本実施形態における空調管理システム1が実行する空調管理方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS1において、空気調和機30に接続された通信制御装置34は、所定の送信間隔で、定期的に空気調和機30の記憶部312に記憶された運転データを取得する。通信制御装置34は、取得した運転データを管理装置10に送信する。
【0059】
管理装置10の制御部は、運転データを通信制御装置34から受信する。管理装置10の制御部は、受信した運転データを記憶部に記憶する。
【0060】
ステップS2において、管理装置10の制御部は、今回受信した運転データからファンタップ情報を取得する。次に、管理装置10の制御部は、記憶部に記憶されている前回受信した運転データからファンタップ情報を取得する。続いて、管理装置10の制御部は、今回のファンタップ情報と前回のファンタップ情報とを比較する。なお、ファンタップ情報がオン及びオフ以外の情報(例えば、ロータップ及びハイタップ)を含む場合、稼働状態を比較する際には、オフ以外をオンとして扱えばよい。
【0061】
今回のファンタップ情報と前回のファンタップ情報とが異なる場合(YES)、管理装置10の制御部は、ステップS4に処理を進める。一方、今回のファンタップ情報と前回のファンタップ情報とが同一である場合(NO)、管理装置10の制御部は、ステップS3に処理を進める。
【0062】
ステップS3において、管理装置10の制御部は、今回のファンタップ情報がオンであるか否かを判定する。今回のファンタップ情報がオンである場合(YES)、管理装置10の制御部は、ステップS5に処理を進める。一方、今回のファンタップ情報がオンではない場合(NO)、管理装置10の制御部は、ステップS6に処理を進める。
【0063】
ステップS4において、管理装置10の制御部は、ファン324の稼働時間に所定の稼働時間を加算する。また、管理装置10の制御部は、空気調和機30の消費電力を所定の稼働時間だけ稼働したものとして更新する。所定の稼働時間は、運転データの送信間隔よりも短い時間である。所定の稼働時間は、例えば、運転データの送信間隔に2分の1を乗じた時間長(2.5分)とすればよい。
【0064】
ステップS4が実行されるのは、今回のファンタップ情報と前回のファンタップ情報とが異なる場合(前回のファンタップ情報がオンであり、今回のファンタップ情報がオフである場合、又は前回のファンタップ情報がオフであり、今回のファンタップ情報がオンである場合)である。この場合、前回運転データを受信してから今回運転データを受信するまでの間にファンの稼働状態が変化したことを表している。そのため、ステップS4では、ファン324が運転データの送信間隔よりも短い時間だけ稼働したものとして、保守管理情報を更新する。
【0065】
なお、所定の稼働時間を固定すると、直前の送信間隔のうち、稼働状態が変化するまでの時間に応じて、ファンの稼働時間に誤差が生じることになる。しかしながら、フィルタの交換目安は1年程度(フィルタの種類により異なる)の長期間であり、ファンの稼働状態は頻繁に変化するため、ファンの稼働状態が変化するタイミングの平均は送信間隔の2分の1に収束する。したがって、送信間隔の2分の1で固定した値を加算しても、精度よくフィルタの交換時期を算出することができる。
【0066】
ステップS5において、管理装置10の制御部は、管理装置10の制御部は、ファン324の稼働時間に運転データの送信間隔(5分)を加算する。また、管理装置10の制御部は、空気調和機30の消費電力を運転データの送信間隔だけ稼働したものとして更新する。
【0067】
ステップS5が実行されるのは、前回のファンタップ情報がオンであり、今回のファンタップ情報がオンである場合である。この場合、前回運転データを受信してから今回運転データを受信するまでの間、ファンが継続して稼働していたものと推測される。そのため、ステップS5では、ファン324が運転データの送信間隔だけ稼働したものとして、保守管理情報を更新する。
【0068】
なお、前回のファンタップ情報がオフであり、今回のファンタップ情報がオフである場合は、ステップS4及びS5をスキップしてステップS6へ処理が進む。この場合、前回運転データを受信してから今回運転データを受信するまでの間、ファンが継続して停止していたものと推測される。そのため、ファンの稼働時間及び消費電力は更新しない。
【0069】
ステップS6において、管理装置10の制御部は、記憶部に記憶されている保守管理情報に基づいて、フィルタ325の交換時期及び交換方法に関する通知情報をユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50では、管理装置10から受信したフィルタ325の交換時期及び交換方法に関する通知情報を、表示装置105等に出力する。
【0070】
通知情報の出力方法は、ユーザ端末50からの要求に応じて通知情報を送信する第1の出力方法と、管理装置10が所定の条件を満たした場合に自動的に通知情報を送信する第2の出力方法とがある。所定の条件は、例えば、フィルタ325の交換時期が到来したことを検知したときである。第1の出力方法と第2の出力方法は、一方のみを用いてもよいし、両方を用いてもよい。
【0071】
第1の出力方法では、管理装置10の制御部が、ユーザ端末50からの要求に応じて、通知情報を表示するための管理画面をユーザ端末50に送信する。管理画面は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等で記述されたウェブページである。管理画面は、JavaScript(登録商標)等で記述されたアプリケーションを含んでいてもよい。ユーザ端末50は、インストールされているウェブブラウザにウェブページを読み込ませることで、管理画面を表示装置105に表示する。
【0072】
ユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて、管理装置10に管理画面を要求する。当該要求は、ユーザを識別する情報が含まれる。管理装置10の制御部は、ユーザを識別する情報に基づいて、記憶部に記憶された保守管理情報から当該ユーザが利用する空気調和機30を特定する。
【0073】
管理装置10の制御部は、特定された空気調和機30に関する保守管理情報に基づいて、フィルタ325の交換時期が到来しているか否かを判定する。管理装置10の制御部は、フィルタ325の交換時期が到来している場合に通知情報を生成し、当該通知情報が埋め込まれた管理画面をユーザ端末50に送信する。
【0074】
第2の出力方法では、管理装置10の制御部が、通知情報が記載された電子メールを、ユーザ端末50に設定された電子メールアドレスに送信する。電子メールは、通知情報の一部又は要約が記載されてもよく、通知情報を表示するための管理画面へのリンクが記載されてもよい。ユーザ端末50は、インストールされているメールソフト又はブラウザで電子メールを受信し、当該電子メールを開くことで通知情報を表示装置105に表示する。
【0075】
管理装置10の制御部は、記憶部に記憶されている保守管理情報に基づいて、定期的にフィルタ325の交換時期が到来している空気調和機30があるか否かを判定する。管理装置10の制御部は、フィルタ325の交換時期が到来している空気調和機30がある場合に通知情報を生成し、当該通知情報が記載された電子メールをユーザ端末50の電子メールアドレスに送信する。
【0076】
通知情報には、空気調和機30の消費電力及びフィルタ325の寿命に関する情報が含まれてもよい。フィルタ325の寿命に関する情報は、フィルタ325の消耗度である。フィルタ325の消耗度は、フィルタ325を設置(交換を含む)した時点以降のファン324の稼働時間である。
【0077】
フィルタ325の消耗度は、フィルタ325の種類ごとに定められた交換目安に対するファン324の稼働時間の割合で表してもよい。例えば、フィルタ325の交換目安が1年(8760時間)であり、ファン324の稼働時間が7008時間であれば、フィルタ325の消耗度を80%と表示すればよい。フィルタ325の消耗度を交換目安に対する割合で表示する場合、棒グラフ又は円グラフ等を用いてグラフィカルに表示してもよい。
【0078】
管理装置10の制御部は、フィルタ325の消耗度が100%を超えた場合又はフィルタ325の消耗度が100%に近い場合(例えば、80%以上である場合等)に、フィルタ325の交換時期が到来している旨を通知する情報を通知情報に含めてもよい。例えば、管理装置10の制御部は、「フィルタの交換時期となりました」といった文言やフィルタ交換作業を模式化したアイコン等を通知情報に含めればよい。
【0079】
上記のとおり、フィルタの交換時期に関する情報は、室内機32が算出して遠隔操作装置33の表示部332に表示される情報と、管理装置10が運転データから算出してユーザ端末50に出力する情報とが存在する。それぞれが示すフィルタの交換時期が大きく異なる場合、空気調和機30のユーザは、いずれの情報が正確であるのかを判断できない。
【0080】
本実施形態における空調管理システム1は、管理装置10が算出するフィルタの交換時期と、室内機32が算出するフィルタの交換時期との差を低減することができる。そのため、空気調和機30のユーザがフィルタの交換時期に迷う事態を回避することができる。
【0081】
[第2実施形態]
第1実施形態では、室内機が有するファンの稼働状態を表すファンタップ情報を運転データに含め、ファンタップ情報に基づいてファンの稼働時間を管理するように構成した。第2実施形態では、ファンの稼働状態を取得できない機器が遠隔操作装置に接続されている場合に、当該機器が有するファンの稼働時間を管理するように構成する。
【0082】
本実施形態における空調管理システムは、遠隔操作装置の稼働状態に基づいて、機器が有するファンの稼働時間を算出する。遠隔操作装置の稼働状態は、遠隔操作装置に接続される各機器が稼働しているか否かを表す情報である。遠隔操作装置は、接続される各機器から常時稼働状態を取得する。機器が稼働していない限りファンが稼働することはない。したがって、遠隔操作装置の稼働時間は、機器が有するファンの稼働時間の目安として用いることができる。
【0083】
以下、本実施形態における空調管理システム1について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0084】
<ハードウェア構成>
≪空気調和機≫
図5は、本実施形態における空気調和機30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示されているように、本実施形態における空気調和機30は、室外機31、室内機32及び遠隔操作装置33に加えて、無給水加湿機35を有する。無給水加湿機35は、複数台含まれてもよい。
【0085】
無給水加湿機35は、空気中から水分を捕集して、所定の室内空間に供給する空気に加湿を行う機器である。無給水加湿機35は、ファンの稼働状態を取得できない機器の一例である。遠隔操作装置33に接続することができ、かつファンの稼働状態を取得できない機器であれば、どのような機能を備えた機器であってもよい。
【0086】
無給水加湿機35は、各種のセンサ350、制御部351、記憶部352、通信部353、ファン354及び各種のフィルタ355を有する。無給水加湿機35が備えるセンサ350の一例は、吸入した空気の温度及び湿度を検出する温湿度センサである。
【0087】
ファン354は、無給水加湿機35の筐体に設けられた吸入口から空気を吸入し、加湿した空気を排出口へ吹き出させるためのファンである。フィルタ355は、ファン354により吸い込まれた空気に含まれる微細な塵埃を捕集及び除去するためのフィルタである。
【0088】
無給水加湿機35が備える通信部353は、通信回線N3を介して、遠隔操作装置33が備える通信部331と通信可能に接続される。遠隔操作装置33は、無給水加湿機35に運転の開始又は停止、若しくは設定変更を指示する制御信号を送信する。無給水加湿機35に送信された制御信号は、室外機31が備える記憶部312に記憶され、運転データの一部となる。
【0089】
なお、無給水加湿機35は、室内機32と異なり、ファン354の回転数及び回転時間を記録する機能を有さない。そのため、室外機31が備える記憶部312に記憶される運転データには、無給水加湿機35が備えるファン354の稼働状態が含まれることはない。
【0090】
本実施形態における通信制御装置34は、室外機31が備える記憶部312から遠隔操作装置33が送信する制御信号に基づいて、遠隔操作装置33に接続された各機器の稼働状態を表す情報(以下、「リモコン稼働情報」とも呼ぶ)を生成し、運転データに含める。
【0091】
<空調管理方法の流れ>
本実施形態における空調管理システム1が実行する空調管理方法の流れを説明する。本実施形態における空調管理方法の流れは、図4に示した第1実施形態における空調管理方法の流れと同様である。
【0092】
ステップS1において、空気調和機30に接続された通信制御装置34は、所定の送信間隔で、定期的に空気調和機30の記憶部312に記憶された運転データを取得する。通信制御装置34は、取得した運転データを管理装置10に送信する。
【0093】
管理装置10の制御部は、運転データを通信制御装置34から受信する。管理装置10の制御部は、受信した運転データを記憶部に記憶する。
【0094】
ステップS2において、管理装置10の制御部は、今回受信した運転データからリモコン稼働情報を取得する。次に、管理装置10の制御部は、記憶部に記憶されている前回受信した運転データからリモコン稼働情報を取得する。続いて、管理装置10の制御部は、今回のリモコン稼働情報と前回のリモコン稼働情報とを比較する。
【0095】
今回のリモコン稼働情報と前回のリモコン稼働情報とが異なる場合、管理装置10の制御部は、ステップS4に処理を進める。一方、今回のリモコン稼働情報と前回のリモコン稼働情報とが同一である場合、管理装置10の制御部は、ステップS3に処理を進める。
【0096】
ステップS3において、管理装置10の制御部は、今回のリモコン稼働情報がオンであるかオフであるかを判定する。今回のリモコン稼働情報がオンである場合、管理装置10の制御部は、ステップS5に処理を進める。一方、今回のリモコン稼働情報がオフである場合、管理装置10の制御部は、ステップS6に処理を進める。
【0097】
ステップS4において、管理装置10の制御部は、ファン354の稼働時間に所定の稼働時間を加算する。所定の稼働時間は、第1実施形態と同様(2.5分)である。
【0098】
ステップS5において、管理装置10の制御部は、管理装置10の制御部は、ファン354の稼働時間に運転データの送信間隔(5分)を加算する。
【0099】
ステップS6において、管理装置10の制御部は、記憶部に記憶されている保守管理情報に基づいて、フィルタ355の交換時期及び交換方法に関する通知情報をユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50では、管理装置10から受信したフィルタ355の交換時期及び交換方法に関する通知情報を、表示装置105等に出力する。通知情報の出力方法は、第1実施形態と同様である。
【0100】
<まとめ>
以上、本開示の各実施形態によれば、ファンの稼働時間を少ない通信量で精度よく算出することができる。各実施形態における空調管理システムでは、空気調和機が第1の所定時間ごとに運転データを管理装置に送信する。空気調和機はファンを有しており、運転データにはファンの稼働状態が含まれる。管理装置は、新たに受信した運転データにおけるファンの稼働状態が前回受信した運転データにおけるファンの稼働状態と異なるとき、第1の所定時間よりも短い第2の所定時間だけファンが稼働したものとして、ファンの稼働時間に関する保守管理情報を更新する。
【0101】
各実施形態における空調管理システムでは、運転データに含まれるファンの稼働状態からファンの稼働時間に関する情報を更新するため、運転データのデータ量を低減することができる。また、各実施形態における空調管理システムでは、ファンの稼働状態が前回から変化したときに運転データの送信間隔よりも短い時間だけファンが稼働したものとして扱うため、ファンの稼働時間を精度よく算出することができる。
【0102】
したがって、各実施形態における空調管理システムによれば、ファンの稼働時間を少ない通信量で精度よく算出することができる。
【0103】
また、本開示の各実施形態によれば、ファンの稼働時間を取得できない機器におけるファンの稼働時間を管理することができる。第2実施形態における空調管理システムでは、ファンの稼働時間を取得できない機器が遠隔操作装置に接続されており、空気調和機の運転データに遠隔操作装置の稼働状態が含まれる。管理装置は、新たに受信した運転データにおける遠隔操作装置の稼働状態が前回受信した運転データにおける遠隔操作装置の稼働状態と異なるとき、第1の所定時間よりも短い第2の所定時間だけ機器が有するファンが稼働したものとして、機器に関する保守管理情報を更新する。
【0104】
したがって、各実施形態における空調管理システムによれば、ファンの稼働時間を取得できない機器におけるファンの稼働時間を管理することができる。
【0105】
さらに、運転データにファンの稼働時間を含める場合、運転データのデータ量が増加することに加えて、空気調和機が何らかの事象(例えば、異常発生時やメンテナンス等)によりリセットされた場合にファンの稼働時間を管理不能となることが起こり得る。管理装置がファンの稼働状態に基づいてファンの稼働時間を算出することで、空気調和機がリセットされた場合であっても精度よくファンの稼働時間を管理することができる。
【0106】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0107】
1 空調管理システム
10 管理装置
30 空気調和機
31 室外機
32 室内機
33 遠隔操作装置
34 通信制御装置
35 無給水加湿機
50 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5