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特開2023-181748登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラム
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  • 特開-登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181748
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20231218BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095060
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小阪 康洋
(72)【発明者】
【氏名】坂口 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB54
(57)【要約】
【課題】注文を登録する業務を、属人化を防ぎつつ、時間を掛けずに且つ間違いなく行うことができる登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、補完項目マスタに設定されている補完確認項目について、商流補完マスタに設定されている項目値が、注文データが保持している項目値に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、注文データが有する、補完項目マスタに設定されている補完対象項目の項目値を保持するための領域への、商流補完マスタに設定されている当該補完対象項目の項目値の格納を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データに情報を登録する業務を支援するための、制御部を備える登録業務支援装置であって、
前記注文データと、
情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、
補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完手段
を備えること、
を特徴とする登録業務支援装置。
【請求項2】
前記第一設定データには、補完確認項目が複数設定されており、補完確認項目別の優先順位がさらに設定されており、
前記第二設定データには、補完確認項目に係る情報が複数設定されており、
前記補完手段は、優先順位の高い補完確認項目から順に前記確認を実行し、全て一致すると見做せると確認された場合に、前記格納を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の登録業務支援装置。
【請求項3】
前記第一設定データには、補完対象項目が複数設定されており、
前記第二設定データには、補完対象項目に係る情報が複数設定されており、
前記補完手段は、全て一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている各々の補完対象項目に係る情報を保持するための各々の領域を対象に、前記格納を実行すること、
を特徴とする請求項2に記載の登録業務支援装置。
【請求項4】
補完確認項目に、得意先または納入先が含まれ、
補完対象項目に、取引区分または仕入先が含まれること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の登録業務支援装置。
【請求項5】
1)項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データと、2)情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、3)補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される、前記注文データに情報を登録する業務を支援するための登録業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完ステップ
を含むこと、
を特徴とする登録業務支援方法。
【請求項6】
1)項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データと、2)情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、3)補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、前記注文データに情報を登録する業務を支援するための登録業務支援プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完ステップ
を含むこと、
を特徴とする登録業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の注文(オーダー)を登録する際に、商流や商品の仕入先が、商品の注文を出した得意先や、商品の納入先によって決まる企業が多くある。
【0003】
特許文献1には、取引実績のあるデータを使用して、受注入力の入力速度及び入力精度を向上させることが可能な受注入力装置等について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-57077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来では、登録内容(主に商流や仕入先など)を、オペレータ(人)が、注文を登録する際に判断していたので、1)判断に時間を要していたこと、2)登録間違いが発生しやすかったこと、および、3)新規のオペレータへの業務引継ぎが難しかったこと、が課題となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、注文を登録する業務を、属人化を防ぎつつ、時間を掛けずに且つ間違いなく行うことができる登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る登録業務支援装置は、項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データに情報を登録する業務を支援するための、制御部を備える登録業務支援装置であって、前記注文データと、情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完手段を備えること、を特徴とする。
【0008】
なお、本発明に係る登録業務支援装置において、前記第一設定データには、補完確認項目が複数設定されてもよく、補完確認項目別の優先順位がさらに設定されてもよく、前記第二設定データには、補完確認項目に係る情報が複数設定されてもよく、前記補完手段は、優先順位の高い補完確認項目から順に前記確認を実行し、全て一致すると見做せると確認された場合に、前記格納を実行してもよい。
【0009】
また、本発明に係る登録業務支援装置において、前記第一設定データには、補完対象項目が複数設定されてもよく、前記第二設定データには、補完対象項目に係る情報が複数設定されてもよく、前記補完手段は、全て一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている各々の補完対象項目に係る情報を保持するための各々の領域を対象に、前記格納を実行してもよい。
【0010】
また、本発明に係る登録業務支援装置において、補完確認項目に、得意先または納入先が含まれてもよく、補完対象項目に、取引区分または仕入先が含まれてもよい。
【0011】
また、本発明に係る登録業務支援方法は、1)項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データと、2)情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、3)補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される、前記注文データに情報を登録する業務を支援するための登録業務支援方法であって、前記制御部で実行される、前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完ステップを含むこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る登録業務支援プログラムは、1)項目別に各項目に係る情報を保持可能な注文データと、2)情報の補完対象となる補完対象項目と、前記注文データに補完対象項目に係る情報を補完する際の確認対象となる補完確認項目と、が設定されている第一設定データと、3)補完確認項目に係る情報と、補完対象項目に係る情報と、が設定されている第二設定データと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、前記注文データに情報を登録する業務を支援するための登録業務支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、前記第一設定データに設定されている補完確認項目について、前記第二設定データに設定されている情報が、前記注文データが保持している情報に一致すると見做せるかの確認を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、前記注文データが有する、前記第一設定データに設定されている補完対象項目に係る情報を保持するための領域への、前記第二設定データに設定されている当該補完対象項目に係る情報の格納を実行する補完ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、注文を登録する業務を、属人化を防ぎつつ、時間を掛けずに且つ間違いなく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、登録業務支援装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、補完処理および当該補完処理に関連するデータの一例を示す図である。
図3図3は、登録処理および当該登録処理に関連するデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る登録業務支援装置、登録業務支援方法、および登録業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本実施形態に係る登録業務支援装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、登録業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
登録業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、登録業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0018】
登録業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。登録業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、登録業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、登録業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114(本発明の出力部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、注文データ106a(本発明の注文データに相当)、補完項目マスタ106b(本発明の第一設定データに相当)、商流補完マスタ106c(本発明の第二設定データに相当)、得意先マスタ106d、および商品マスタ106eなどを格納する。
【0023】
注文データ106aのデータ構造および注文データ106aで保持される情報(項目値)の具体例は、図2を参照されたい。なお、取引区分は、商品の出荷形態を識別するための区分である。また、本実施形態において、注文データ106aは、少なくとも補完項目(本発明の補完対象項目に相当)に係る情報(項目値)が未登録であり、少なくとも補完条件(本発明の補完確認項目に相当)に係る情報(項目値)が登録済みであるものとする。ここで、補完項目とは、情報の補完対象となる項目である。補完項目に位置付けられる項目は、例えば取引区分、仕入先、または倉庫などでもよい。補完条件とは、注文データ106aに補完項目に係る情報を補完する際の確認対象となる項目である。補完条件に位置付けられる項目は、例えば部署、得意先、または納入先などでもよい。
【0024】
補完項目マスタ106bのデータ構造および補完項目マスタ106bに設定される情報(項目値)の具体例は、図2を参照されたい。なお、補完区分は、「補完項目」と題した項目に係る情報(項目値)が、補完条件に係るものか補完項目に係るものかを識別するための区分である。
【0025】
商流補完マスタ106cのデータ構造および商流補完マスタ106cに設定される情報(項目値)の具体例は、図2を参照されたい。なお、「補完条件1」と題した項目は、補完項目マスタ106bにおいて補完条件とNo.1に紐づいている部署を意味する。「補完条件2」と題した項目は、補完項目マスタ106bにおいて補完条件とNo.2に紐づいている得意先を意味する。「補完条件3」と題した項目は、補完項目マスタ106bにおいて補完条件とNo.3に紐づいている納入先を意味する。
【0026】
得意先マスタ106dおよび商品マスタ106eのデータ構造ならびに得意先マスタ106dおよび商品マスタ106eに設定される情報(項目値)の具体例は、図3を参照されたい。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、登録業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、補完部102a(本発明の補完手段に相当)および登録部102bなどを備える。
【0029】
補完部102aは、補完項目マスタ106bに設定されている補完条件について、商流補完マスタ106cに設定されている情報(項目値)が、注文データ106aが保持している情報(項目値)に一致すると見做せるかの確認(以下、「一致確認」と記す場合がある。)を実行し、一致すると見做せると確認された場合に、注文データ106aが有する、補完項目マスタ106bに設定されている補完項目に係る情報(項目値)を保持するための領域への、商流補完マスタ106cに設定されている当該補完項目に係る情報の格納(以下、「補完処理」と記す場合がある。)を実行する。
【0030】
なお、補完部102aは、優先順位の高い補完条件から順に一致確認を実行し、全て一致すると見做せると確認された場合に、補完処理を実行してもよい。また、補完部102aは、全て一致すると見做せると確認された場合に、注文データ106aが有する、補完項目マスタ106bに設定されている各々の補完項目に係る情報を保持するための各々の領域を対象に、補完処理を実行してもよい。
【0031】
補完部102aが実行する処理の具体例は、以下の[2.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0032】
登録部102bは、得意先マスタ106dおよび商品マスタ106eを参照して、補完部102aによる処理後の注文データ106aに、請求先に係る情報と規格に係る情報を格納する。登録部102bが実行する処理の具体例は、以下の[2.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0033】
[2.処理の具体例]
ここでは、登録業務支援装置100で実行される処理の具体例を、図2,3を参照して説明する。
【0034】
(ステップS1:補完処理(図2参照))
まず、補完部102aは、補完項目マスタ106bから、項目「補完区分」の項目値が「補完条件」のレコードを特定する(ステップS11)。本説明では、計3レコードが特定されたものとする。
【0035】
つぎに、補完部102aは、注文データ106aから、所定の基準(例えば、項目「伝票番号」の項目値が若い順など)に従って、処理対象の1つのレコードを取得する(ステップS12)。本説明では、項目「伝票番号」の項目値が「T001」のレコードが取得されたものとする。
【0036】
つぎに、補完部102aは、ステップS11で特定したレコードとステップS12で取得した処理対象のレコードを基に、項目「優先順位」の項目値が小さいレコードから順に以下の抽出処理を実行することにより、商流補完マスタ106cから、ステップS12で取得した処理対象のレコードに補完される項目値が設定されたレコードを特定する(ステップS13)。本説明では、項目「商流補完No」の項目値が「6」の計3レコードが抽出されたものとする。
【0037】
まず、補完部102aは、項目「優先順位」の項目値が「1」のレコード内の項目「補完項目」の項目値「部署」について、商流補完マスタ106cから、『項目「補完条件1」の項目値が、ステップS12で取得した処理対象のレコード内の項目「部署」の項目値「東京」と一致するレコード』と、『項目「補完条件1」の項目値が空白(NULL)のレコード』(換言すると、取得した処理対象のレコード内の項目「部署」の項目値「東京」と一致すると見做すレコード)を抽出する(ステップS131)。本説明では、項目「商流補完No」の項目値が「1」、「3」~「9」の計24レコードが抽出されたものとする。
【0038】
つぎに、補完部102aは、項目「優先順位」の項目値が「2」のレコード内の項目「補完項目」の項目値「得意先」について、ステップS131で抽出したレコードから、『項目「補完条件2」の項目値が、ステップS12で取得した処理対象のレコード内の項目「得意先」の項目値「A社」と一致するレコード』と、『項目「補完条件2」の項目値が空白(NULL)のレコード』(換言すると、取得した処理対象のレコード内の項目「得意先」の項目値「A社」と一致すると見做すレコード)を抽出する(ステップS132)。本説明では、項目「商流補完No」の項目値が「1」、「3」、「5」~「9」の計21レコードが抽出されたものとする。
【0039】
つぎに、補完部102aは、項目「優先順位」の項目値が「3」のレコード内の項目「補完項目」の項目値「納入先」について、ステップS132で抽出したレコードから、『項目「補完条件3」の項目値が、ステップS12で取得した処理対象のレコード内の項目「納入先」の項目値「〇〇工場」と一致するレコード』と、『項目「補完条件3」の項目値が空白(NULL)のレコード』(換言すると、取得した処理対象のレコード内の項目「納入先」の項目値「〇〇工場」と一致すると見做すレコード)を抽出する(ステップS133)。本説明では、項目「商流補完No」の項目値が「6」の計3レコードが抽出されたものとする。
【0040】
そして、補完部102aは、補完項目マスタ106bから、項目「補完区分」の項目値が「補完項目」のレコードを特定する(ステップS14)。本説明では、計3レコードが特定されたものとする。
【0041】
つぎに、補完部102aは、ステップS13で特定したレコードとステップS14で特定したレコードから、項目「補完項目No」の項目値と項目「項目No」の項目値が同じという条件に従って、項目「補完項目」の項目値と項目「補完項目値」の項目値のペアを抽出する(ステップS15)。本説明では、項目「補完項目」の項目値「取引区分」と項目「補完項目値」の項目値「在庫出荷」のペアと、項目「補完項目」の項目値「仕入先」と項目「補完項目値」の項目値「FFF」のペアと、項目「補完項目」の項目値「倉庫」と項目「補完項目値」の項目値「倉庫(1)」のペアと、が抽出されたものとする。
【0042】
つぎに、補完部102aは、ステップS12で取得した処理対象のレコード内の「ステップS15で抽出した各ペアに含まれる項目「補完項目」の項目値に対応する項目」の項目値として、当該ペアに含まれる項目「補完項目値」の項目値を格納する(ステップS16)。本説明では、ステップS12で取得した処理対象のレコードに、項目「取引区分」の項目値として「在庫出荷」が格納され、項目「仕入先」の項目値として「FFF」が格納され、項目「倉庫」の項目値として「倉庫(1)」が格納されたものとする。
【0043】
そして、補完部102aは、ステップS12においてレコードが取得されなくなるまで、上述した処理を繰り返し実行する。本説明では、図2に示すように、注文データ106a内の3レコード全てについて、項目「取引区分」、項目「仕入先」、および項目「倉庫」のそれぞれの項目値が格納されたものとする。
【0044】
(ステップS2:登録処理)
登録部102bは、上述したステップS1の処理後の注文データ106a内の各レコードに対し、得意先マスタ106dの得意先名をキーとして、請求先の項目値を格納し、商品マスタ106eの商品名をキーとして、規格に係る情報を格納する。本説明では、図3に示すように、注文データ106a内の3レコード全てについて、項目「請求先」および項目「企画」のそれぞれの項目値が格納されたものとする。
【0045】
[3.本実施形態のまとめ]
オーダー登録において、注文のあった得意先や、届け先によって、商流や仕入先が決まる企業が多くある。しかし、従来のオーダー登録では、登録内容をオペレータ(人)が判断していたため、判断に掛かる時間コストや、判断ミスの発生、さらには新規オペレータへの業務の引き継ぎが難しいこと、が課題となっていた。
【0046】
そこで、本実施形態では、オーダー登録時に、条件によって注文データへの項目値の補完を行う機能を開発することにより、オーダー登録時のオペレータのアシストを実現した。また、登録業務支援装置100は、特に、注文登録量が多い企業や、仕入先が複数あるために注文登録時に商流の判断が必要となる企業において、極めて有用なものである。
【0047】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0050】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、登録業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、登録業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて登録業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、登録業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、登録業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、登録業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、食品業界等の様々な業界、特に、注文を登録する際に、商流や仕入先が、注文を出した得意先や、納入先によって決まる業種、において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 登録業務支援装置
102 制御部
102a 補完部
102b 登録部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 注文データ
106b 補完項目マスタ
106c 商流補完マスタ
106d 得意先マスタ
106e 商品マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3