(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181753
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】車両使用制限装置
(51)【国際特許分類】
B60R 25/04 20130101AFI20231218BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20231218BHJP
【FI】
B60R25/04
B60R25/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095073
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】山崎 康晴
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊光
(57)【要約】 (修正有)
【課題】専用リモコンを用いる事無く使用者の制限を行う事を可能とし、利便性と使用者制限の両方を確保する事のできる車両使用制限装置を提供する。
【解決手段】NFC型読取手段12と、車両の始動または走行移動に寄与する導通線に介在されるスイッチング素子26と、スイッチング素子26のON/OFF切り替えを行う切替信号を出力する切替信号出力機能と、前記特定情報を記憶する記憶機能と、NFC型読取手段12による読取情報と特定情報が一致するか否かの判定を行う判定機能とを有する制御マイコン28と、を備えた使用制御手段24と、から成り、使用制御手段24は、スイッチング素子26をOFFにする切替信号を出力しており、NFC型読取手段12を介して取得された読取情報が特定情報と一致すると判定した場合にスイッチング素子26をONにする処理を行う構成とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の使用を許可された者を特定する特定情報を読み取る近距離無線通信型読取手段と、
前記車両の始動または走行移動に寄与する導通線に介在されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFF切り替えを行う切替信号を出力する切替信号出力機能と、予め入力された前記特定情報を記憶する記憶機能と、前記近距離無線通信型読取手段を介して情報が読み取られた場合に、読取情報が前記特定情報と一致するか否かの判定を行う判定機能とを有する制御部と、を備えた使用制御手段と、から成り、
前記使用制御手段は、前記スイッチング素子をOFFにする切替信号を出力しており、前記近距離無線通信型読取手段を介して取得された前記読取情報が前記特定情報と一致すると判定した場合に前記スイッチング素子をONにする処理を行い、前記読取情報が取得されない場合、あるいは前記読取情報が前記特定情報と一致しないと判定した場合には前記スイッチング素子をONにする処理を行わない構成としたことを特徴とする車両使用制限装置。
【請求項2】
前記使用制御手段は、ブレーキが押下された際のブレーキ信号を検出する検出機能を有し、
前記ブレーキ信号を検出したタイミングで前記スイッチング素子をOFFにする切替信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の車両使用制限装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子は、前記導通線に設けられているヒューズに替えて、前記ヒューズを配置する接続端子間に配置される構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両使用制限装置。
【請求項4】
前記接続端子は常時電源が供給される端子であり、
前記スイッチング素子に供給された電源は、前記ON/OFF切り替えを行う接点間を迂回する導通線を介して前記使用制御手段に供給される構成としたことを特徴とする請求項3に記載の車両使用制限装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の始動制御を行うための装置に係り、特に、特定の使用者のみが車両を使用できるようにしたいといった使用者制限を行う場合に好適な車両使用制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両の始動に制限をかける装置は、車両の盗難を防ぐために用いられる事が多い。例えば特許文献1に開示されている装置では、車載機器と携帯機器(リモコン)とを主体として構成されており、車載機器がリモコンに記憶されているIDを認証することで車両の始動ができるようにするという構成が採られている。
【0003】
具体的には、リモコンを携帯した使用者が車両のイグニッションボタンを押した際に車載機器がリモコンのIDを取得し、このIDが適正であるか否かの判定を行う。そして、この判定においてIDが適正であると認証された場合、車両の適正な使用者であると判断し、車両の始動が許可される。このため、リモコンを携帯している者以外に対しては、車両の始動制限をかけることができる。よって、車両の盗難防止を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうしたリモコンは、利便性の観点から車両の鍵(例えばリモコンキー)とセットで保管されて持ち運ばれる場合が多い。このため、車両の鍵を持ち出せる者(例えば家族)であれば、車両を始動させることが可能となる。
【0006】
しかし近年、運転資格の無い子供のイタズラや、高齢者の操作・判断ミスによる事故などが増加傾向にあることから、車両の鍵を持ち出せる家族であっても、使用者としての制限を設けたいといったニーズが高まってきている。
【0007】
ところが、特許文献1に開示されている装置のように、専用のリモコンにより使用者の認証を行う構成では、利便性の確保と使用者制限の確保との両立が難しいといった実状がある。
【0008】
そこで本発明では、車両に設置した機器に対する専用リモコンを用いる事無く使用者の制限を行う事を可能とし、利便性と使用者制限の両方を確保する事のできる車両使用制限装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る車両使用制限装置は、車両の使用を許可された者を特定する特定情報を読み取る近距離無線通信型読取手段と、前記車両の始動または走行移動に寄与する導通線に介在されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFF切り替えを行う切替信号を出力する切替信号出力機能と、予め入力された前記特定情報を記憶する記憶機能と、前記近距離無線通信型読取手段を介して情報が読み取られた場合に、読取情報が前記特定情報と一致するか否かの判定を行う判定機能とを有する制御部と、を備えた使用制御手段と、から成り、前記使用制御手段は、前記スイッチング素子をOFFにする切替信号を出力しており、前記近距離無線通信型読取手段を介して取得された前記読取情報が前記特定情報と一致すると判定した場合に前記スイッチング素子をONにする処理を行い、前記読取情報が取得されない場合、あるいは前記読取情報が前記特定情報と一致しないと判定した場合には前記スイッチング素子をONにする処理を行わない構成としたことを特徴とする。
【0010】
また、上記のような特徴を有する車両使用制限装置において前記使用制御手段は、ブレーキが押下された際のブレーキ信号を検出する検出機能を有し、前記ブレーキ信号を検出したタイミングで前記スイッチング素子をOFFにする切替信号を出力する構成とすると良い。このような特徴を有する事によれば、ブレーキ信号をトリガーとして使用制御手段を稼働させるようにすることができる。つまり、ブレーキ信号の検出が無い間は、使用制御手段を省エネモードで待機させることが可能となる。
【0011】
また、上記のような特徴を有する車両使用制限装置において前記スイッチング素子は、前記導通線に設けられているヒューズに替えて、前記ヒューズを配置する接続端子間に配置される構成とすると良い。このような特徴を有する事によれば、一般整備においてアクセス可能な箇所からの接続が可能となり、車両使用制限装置を容易に取り付けることができる。
【0012】
さらに、上記のような特徴を有する車両使用制限装置における前記接続端子は常時電源が供給される端子であり、前記スイッチング素子に供給された電源は、前記ON/OFF切り替えを行う接点間を迂回する導通線を介して前記使用制御手段に供給される構成とすると良い。このような特徴を有する事によれば、使用制限と電源の確保をヒューズ用の端子への接続で実現することが可能となる。このため、車種、車両毎の接続部位の特定や設定、及び調整が不要となり、機器の接続設定を容易化することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記のような特徴を有する車両使用制限装置によれば、車両に設置した機器に対する専用リモコンを用いる事無く使用者の制限を行う事が可能となる。このため、車両使用者の利便性と使用者制限の有効性の両立を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る車両使用制限装置を車両へ取り付ける際の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る車両使用制限装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る車両使用制限装置の働きを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の車両使用制限装置に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上で好適な形態の一部であり、その効果を奏する限りにおいて、構成の一部に変更を加えたとしても、本願の一部とみなすことができる。
【0016】
[構成]
本実施形態に係る車両使用制限装置10は、近距離無線通信型読取手段(NFC(Near field communication)型読取手段12)と、使用制御手段24とから構成されている。
【0017】
NFC型読取手段12は、NFCに対応した端末(以下、NFC端末36と称す)から特定情報を読み取るための要素である。なお、ここでいうNFC端末36とは、高機能携帯電話(スマートフォン)やタブレット端末、スマートウォッチなどの機器のみならず、NFCで読み取り可能なICチップ等を備えたカード類などを含むものとする。
【0018】
NFC型読取手段12は、NFC端末36に記録された特定情報を読み取り、使用制御手段24へ送信する機能を備えたものであれば、その具体的な構成を問うものでは無い。一例としては、
図2に示すように、アンテナ14を備えた無線回路16や、NFCリーダーIC18、制御マイコン20、及びインターフェース22などを有するコントロールボードを備えたものであれば良い。ここで、無線回路16は無線通信による情報を読み取るための要素であり、NFCリーダーIC18は、無線回路16を介して読み取った情報をデコード等するための要素である。また、制御マイコン20は、情報の読み取りやデコード、及び使用制御手段24との通信を制御するための要素である。
【0019】
使用制御手段24は、NFC型読取手段12を介して取得された情報に基づいて、車両始動の可否判定を行うと共に、始動を許可する旨の判定が成された場合に、始動可能な回路を構成する制御を成すための要素である。
【0020】
使用制御手段24の具体的な構成は、一例として次のような要素を備えるものであると良い。すなわち、スイッチング素子26と制御マイコン28(制御部)、電源IC30、信号入力側インターフェース32、及び情報入力側インターフェース34等である。なお、本実施形態では、信号入力側インターフェース32に、電源電力供給のための導通線が接続されている。ここで、電源電力供給のための導通線は、車両のバッテリー40から常時電源が供給されると共に、車両の始動に寄与することとなる導通線に接続されている。具体的には、当該導通線に設けられたヒューズ42(例えばストップランプ用のヒューズ)に替えて、このヒューズ42の接続端子44を跨ぐように、電源電力供給のための入出力線32a,32bが配置される。なお、入出力線32aには、必要に応じて入出力線32aにヒューズホルダー32a1を設け、取り外したヒューズ42をヒューズホルダー32a1に配置して保管する構成としても良い。
【0021】
使用制御手段24は、電源電力供給のための導通線(入出力線32a,32b)を介して入力される電力を作動電力として用いると共に、ヒューズ42が設けられていた接続端子44間における電源をON/OFF制御することができれば良い。このため、信号入力側インターフェース32のFUSE_IN1、あるいはFUSE_IN2を介して入力される電源は、ヒューズ42の接続端子44間をバイパスする流路(バイパス流路)と、電源IC30に入力される流路(電源流路)とを構成する。本実施形態では、この2つの流路をスイッチング素子26を介して構成されており、バイパス流路は、スイッチング素子26のON/OFF切り替えで接続と切断が切り替えられ、電源流路は、スイッチング素子26に入力された電源がそのまま電源IC30側へ流れるように構成されている。このため、FUSE_IN1、FUSE_IN2のいずれかから入力された電源は(入出力線32aにヒューズホルダー32a1を設ける場合には、FUSE_IN1から入力されるように接続されることが望ましい)、スイッチング素子26のON/OFFを問わず電源IC30へ入力されることとなる。なお、スイッチング素子26と電源IC30とを接続する導通線にはそれぞれ、逆流防止のためのダイオード26a,26b(逆流防止素子)が設けられている。これにより、スイッチング素子26によるON/OFF切り替えが有効に働くこととなる。
【0022】
また、本実施形態では、電源IC30へ供給される電源がスイッチング素子26の切替コイル26cにも入力され、スイッチング素子26がON状態となるように構成されている。
【0023】
制御マイコン28は、NFC型読取手段12を介して取得された情報が、予め入力された始動許可者の特定情報と一致するか否かの判定を行うと共に、スイッチング素子26に対して切替信号を出力する役割を担う要素である。このため、制御マイコン28には少なくとも始動許可者の特定情報を記憶するための記憶機能と、スイッチング素子26に対する切替信号を出力する切替信号出力機能、及びNFC型読取手段12を介して取得された情報が、始動許可者の特定情報と一致するか否かを判定する判定機能と備えるようにする。
【0024】
なお、ここでいう始動許可者の特定情報とは、始動許可者を特定するためのIDであれば良く、始動許可者が保有するクレジットカードやマイナンバーカード、携帯端末から読み取る事のできる情報、あるいはその情報の一部であれば良い。また、特定情報の入力(登録)は、特定情報の入力を行うNFC端末36をNFC型読取手段12に配置し、任意の入力操作を行う事で読み取り、制御マイコンに記憶させればよい。
【0025】
このような機能を有する制御マイコン28には、電源IC30を介して電力が供給される他、情報入力側インターフェース34と信号入力側インターフェース32とから、種々の情報、および信号が入力されるように構成されている。また、制御マイコン28における切替信号を出力するポートは、スイッチング素子26の切替コイル26cの入力ポートへと接続されており、切替信号の出力によりスイッチング素子26をOFFへと切替可能な構成とされている。
【0026】
なお、制御マイコン20に対しては、情報入力側インターフェース34からはNFC型読取手段12を介して読み取られた情報(読取情報)が入力され、信号入力側インターフェース32からはブレーキ(フットブレーキ)を押下した旨の信号(ブレーキ信号:フットブレーキ入力信号)や、イグニッション(IG)信号が入力されることとなる。
【0027】
このような構成の制御マイコン28は、待機時は低消費電流モードとされており、ブレーキ信号が入力されることで通常モードに復帰する。制御マイコン28が通常モードに戻ると、スイッチング素子26に対して切替信号を出力してスイッチング素子26をOFF状態に切り替える。なお、ブレーキ信号は、車両のフットブレーキ(不図示)が押下されることでブレーキスイッチ46がONとなった際に発生する電圧に起因して入力される。
【0028】
切替信号が出力された後に制御マイコン28は、NFC型読取手段12に対してNFC端末36との通信、及び読取情報の照会を促す信号を出力し、NFC型読取手段12を介して得られる読取情報を取得する。読取情報を取得した後、読取情報と特定情報とを比較し、両者が一致した場合には、切替信号の出力を止めて、スイッチング素子26をON状態に切り替える。一方、読取情報と特定情報とが不一致である場合には、切替信号の出力を続行し、スイッチング素子26のOFF状態を維持させる。さらに、ブレーキ信号が入力された後、所定時間内にNFC型読取手段12からの読み取り情報の取得が成されなかった場合には、切替信号の出力を停止し、待機状態(低消費電流モード)に回帰する。
【0029】
[作用]
このような構成の車両使用制限装置10は、次のような働きを担う。車両始動制御装置10の働きについて、
図3を参照して説明する。まず、車両使用者が車両のリモコンキーなどを用いて開錠して乗車する。車両使用者が始動許可者である場合、始動許可者は、予め特定情報の読取・登録を行ったNFC端末36をNFC型読取手段12に近接させ、特定情報を読み取り可能な状態とする。
【0030】
その後、車両使用者がフットブレーキを踏む事でブレーキスイッチ46がONとなり、ブレーキ信号が制御マイコン28に入力される(S10)。制御マイコン28にブレーキ信号が入力されると、スタンバイ状態にあった制御マイコンが稼働状態となる(S20)。制御マイコン28が稼働状態になると、制御マイコン28からスイッチング素子26に切替信号が出力され、スイッチング素子26がOFF状態に切替られる。この動作により、車両側では、車両始動に必要なフットブレーキの押下を模擬している信号が遮られ、車両始動ができない状態となる(S30)。
【0031】
制御マイコン28は、スイッチング素子26への切替信号の出力と共にNFC型読取手段12に対して、読取情報の照会を行う旨の信号(照会信号)を出力する(S40)。照会信号が出力された後、NFC型読取手段12からの読取情報が入力されると(S50)、読取情報と特定情報の比較判定が行われる(S60)。
【0032】
なお、S50において読取情報の入力が成されない場合、照会信号の出力からの経過時間についての判定が行われる(S90)。判定の結果、経過時間が予め定めた読取猶予時間以内である場合には、S50に戻り、読取情報についての入力の有無が判定される。一方、経過時間が読取猶予時間を超えた場合には、制御マイコン28をスタンバイ状態に切り替える。ここで、制御マイコン28がスタンバイ状態に切り替わると、切替信号の出力がカットされ、スイッチング素子26がON状態に戻ることとなる。この時、フットブレーキの押下が継続されている場合には、制御マイコン28にブレーキ信号が入力されることとなる(S10)。
【0033】
S60の判定において読取情報と特定情報とが一致している場合、車両を操作している者は、始動許可者であると判断される。このため、読取情報と特定情報とが一致している場合には、切替信号の出力がカットされ、スイッチング素子26がON状態となる(S70)。この状態において、ブレーキ信号が出力されている場合に、車両始動が可能な状態となる(S80)。
【0034】
一方、S60の判定において読取情報と特定情報とが不一致である場合、車両を操作している者は、始動許可者ではないと判断される。このため、読取情報と特定情報とが不一致の場合には、再度NFC読取情報の照会を行う処理(S40)に戻る。
【0035】
[効果]
上記のような特徴を有する車両使用制限装置10によれば、車両に設置した機器に対する専用リモコン等を用いる事無く使用者の制限を行うことが可能となる。一方で、車両使用者が保有するNFC端末36により始動許可者の特定が可能となるため、始動許可者は意識的にリモコン等を持ち歩く必要が無い。このため、利便性の維持と、車両の使用者制限の有効性の両立が可能となる。
【0036】
使用制御手段24の電源確保、及び始動制限を行うための要素をアクセス容易なヒューズ42とし、制御マイコン28を稼働させるためのトリガー信号をブレーキ信号としているため、車種、車両毎の接続部位の特定や設定、及び調整が不要となり、機器の接続設定を容易化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上記実施形態では、入出力線32a,32bを接続する箇所は、ストップランプ用のヒューズ42を配置する接続端子44としていた。しかしながら、エンジンの始動に寄与する機器に関するヒューズの接続端子であれば、他の接続端子であっても良い。例えば、スタータースイッチや、エンジンそのものに関連するヒューズの接続端子を利用するようにしても良い。
【0038】
また、制御マイコン28を常時起動させておく構成とする場合には、ブレーキ信号を取得しない構成とすることもできる。なお、上記実施形態では制御マイコン28を稼働させるためのトリガーをブレーキ信号としていたが、ブレーキ信号に替えて、車両始動に関わる他の信号(例えばプッシュスイッチ信号など)をトリガーとするようにしても良い。信号の変化を見て、制御マイコン28が稼働してスイッチング素子26をOFFに切り替えるため、このような構成とした場合でも車両の始動制限を行うことが可能となるからである。
【0039】
また、上記実施形態では、車両の始動を制限することで、始動許可者以外が車両を走行移動させることを防止することで使用者制限を図るようにしている。しかしながら、使用者制限に基づいて許可者以外には車両の使用をさせないようにするという観点からは、必ずしも車両の始動を制限する必要は無く、少なくとも車両が走行移動できない状態となれば良い。このため、使用制御手段24の入出力線32a,32bを接続する端子には、車両の走行移動を禁止できる、シフト位置ロック機器や、トランスミッションを走行レンジ位置に制御する機器の接続端子を利用しても良い。
【0040】
なお、上記実施形態では、NFC型読取手段12と使用制御手段24のそれぞれに制御マイコン20,28を設ける構成としている。しかしながら、制御マイコン20,28は必ずしも別体として個別に配置する必要は無く、両者を一体として1つの制御マイコンとし、装置の小型化を図るようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
10………車両使用制限装置、12………NFC型読取手段、14………アンテナ、16………無線回路、18………NFCリーダーIC、20………制御マイコン、22………インターフェース、24………使用制御手段、26………スイッチング素子、26a………ダイオード、26b………ダイオード、26c………切替コイル、28………制御マイコン、30………電源IC、32………信号入力側インターフェース、32a………入出力線、32a1………ヒューズホルダー、32b………入出力線、34………情報入力側インターフェース、36………NFC端末、40………バッテリー、42………ヒューズ、44………接続端子、46………ブレーキスイッチ。