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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181755
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】乗客コンベアの欄干装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/22 20060101AFI20231218BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B66B23/22 H
B66B31/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095075
(22)【出願日】2022-06-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】玉木 景太
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321CE31
3F321HA13
(57)【要約】
【課題】光による演出効果を高めることができる乗客コンベアの欄干装置を提供する。
【解決手段】乗客コンベアの欄干装置は、欄干パネル10と、欄干パネル10に設けられた導光体と、導光体に光を入射させる第1光源30と、を備え、欄干パネル10は、欄干パネル10の長手方向に並列した複数のパネル体11を有しており、導光体は、欄干パネル10の上縁部に沿って延伸した第1導光体21と、複数のパネル体11のうち互いに隣り合う2つのパネル体11の間に設けられ、第1導光体21の延伸方向と交差する方向に延伸した第2導光体22と、を有しており、第1光源30は、第1導光体21と第2導光体22とが交わる位置に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
欄干パネルと、
前記欄干パネルに設けられた導光体と、
前記導光体に光を入射させる第1光源と、
を備え、
前記欄干パネルは、前記欄干パネルの長手方向に並列した複数のパネル体を有しており、
前記導光体は、
前記欄干パネルの上縁部に沿って延伸した第1導光体と、
前記複数のパネル体のうち互いに隣り合う2つのパネル体の間に設けられ、前記第1導光体の延伸方向と交差する方向に延伸した第2導光体と、を有しており、
前記第1光源は、前記第1導光体と前記第2導光体とが交わる位置に設けられている乗客コンベアの欄干装置。
【請求項2】
前記第2導光体を前記第2導光体の延伸方向と垂直に切断した断面において、
前記第2導光体は、
前記2つのパネル体の間に設けられた本体部と、
前記本体部から突出し、前記2つのパネル体のそれぞれの側縁部を挟んでいる一対の突起部と、を有しており、
前記断面において、前記一対の突起部のそれぞれの外側表面は、前記本体部から遠ざかるほど前記2つのパネル体のそれぞれの表面に近づくように傾斜している請求項1に記載の乗客コンベアの欄干装置。
【請求項3】
前記第1光源は、
前記第2導光体の延伸方向を向いた第1発光部と、
前記第1導光体の延伸方向の一方を向いた第2発光部と、
前記第1導光体の延伸方向の他方を向いた第3発光部と、を有している請求項1に記載の乗客コンベアの欄干装置。
【請求項4】
前記欄干パネルの上方に設けられ、移動手摺の移動を案内するガードレールをさらに備え、
前記第1光源は、筒状の筐体を有しており、
前記筐体の外周面には、雄ねじが形成されており、
前記ガードレールには、前記雄ねじが嵌め込まれる雌ねじが形成されている請求項1に記載の乗客コンベアの欄干装置。
【請求項5】
前記導光体に光を入射させる第2光源をさらに備え、
前記導光体は、前記欄干パネルの下縁部に沿って延伸した第3導光体をさらに有しており、
前記第2光源は、前記第3導光体と前記第2導光体とが交わる位置に設けられている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの欄干装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客コンベアの欄干装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エスカレーターが開示されている。このエスカレーターにおいて、ガラスパネル等のバラストレードの周縁部には、ハンドレールガイドが固定されている。ハンドレールガイドには、無端ベルト状のハンドレールが移動可能に係合している。ハンドレールガイドは、光透過性の樹脂ガイドと、光透過性の固定用ガイドと、からなる。ハンドレールガイドの一部には、光ケーブル等の帯状発光体が設けられている。帯状発光体の一端部は、エスカレーター機械室に設置された光源に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-87749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のエスカレーターにおいて、帯状発光体及びハンドレールガイドは、バラストレードの長手方向、すなわち乗客の移動方向のみに延伸している。このため、光による演出が単調になってしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、光による演出効果を高めることができる乗客コンベアの欄干装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベアの欄干装置は、欄干パネルと、前記欄干パネルに設けられた導光体と、前記導光体に光を入射させる第1光源と、を備え、前記欄干パネルは、前記欄干パネルの長手方向に並列した複数のパネル体を有しており、前記導光体は、前記欄干パネルの上縁部に沿って延伸した第1導光体と、前記複数のパネル体のうち互いに隣り合う2つのパネル体の間に設けられ、前記第1導光体の延伸方向と交差する方向に延伸した第2導光体と、を有しており、前記第1光源は、前記第1導光体と前記第2導光体とが交わる位置に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、光による演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る乗客コンベアの概略構成を示す図である。
図2図1のII-II断面を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係る乗客コンベアの欄干装置における欄干パネル、導光体及び光源の配置を示す側面図である。
図4図3のIV-IV断面を示す模式図である。
図5】実施の形態1に係る乗客コンベアの欄干装置における光源の構成を示す側面図である。
図6】実施の形態1に係る乗客コンベアの欄干装置における導光体及び光源の構成の変形例を示す図である。
図7】実施の形態2に係る乗客コンベアの欄干装置における欄干パネル、導光体及び光源の配置を示す側面図である。
図8】実施の形態3に係る乗客コンベアの欄干装置における光源の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1に係る乗客コンベアの欄干装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る乗客コンベアの概略構成を示す図である。本実施の形態では、乗客コンベアとしてエスカレーターを例示している。図1の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0010】
図1に示すように、トラス1は、上階と下階との間に架設されている。トラス1には、複数の踏段2が支持されている。複数の踏段2は、互いに無端状に連結されている。図1では、複数の踏段2のうちの4つのみが示されている。
【0011】
トラス1上には、一対の欄干装置3が設けられている。図1では、一対の欄干装置3のうちの一方のみが示されている。各欄干装置3には、移動手摺4が設けられている。移動手摺4は、複数の踏段2に同期して循環移動する。
【0012】
移動手摺4の移動経路は、往路区間4a、帰路区間4b、下階折り返し区間4c、及び上階折り返し区間4dを有している。
【0013】
往路区間4aは、乗客が移動手摺4を掴む区間である。帰路区間4bは、移動手摺4が往路区間4aとは反対方向へ移動する区間である。帰路区間4bの移動手摺4は、外部に露出していない。下階折り返し区間4cは、下階において、往路区間4aと帰路区間4bとの間に位置する区間である。上階折り返し区間4dは、上階において、往路区間4aと帰路区間4bとの間に位置する区間である。
【0014】
図2は、図1のII-II断面を示す模式図である。図2には、往路区間4aに相当する部分の断面が示されている。図2並びに後述する図3図4図6及び図7では、導光体20のみにハッチングを付している。図2に示すように、欄干装置3は、ガードレール5、欄干パネル10、導光体20及び第1光源30を有している。導光体20及び第1光源30は、欄干パネル10を照明する照明装置を構成している。
【0015】
ガードレール5は、移動手摺4を支持するとともに移動手摺4の移動を案内するように構成されている。ガードレール5は、往路区間4aの移動手摺4の下方に設けられている。ガードレール5は、例えば金属製である。欄干パネル10は、ガードレール5の下方に設けられている。
【0016】
ガードレール5には、第1光源30を取り付けるためのねじ穴5aが形成されている。ねじ穴5aは、ガードレール5を貫通している。ねじ穴5aの内周面には、雌ねじ5bが形成されている。
【0017】
第1光源30は、ガードレール5の下方であって欄干パネル10の上方に設けられている。第1光源30は、下向きに、すなわち欄干パネル10側を向くように、ガードレール5に固定されている。第1光源30の構成の詳細については後述する。
【0018】
図3は、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置における欄干パネル、導光体及び光源の配置を示す側面図である。図3には、往路区間4aの傾斜部に相当する部分が示されている。図3の左右方向は、欄干パネル10の長手方向すなわちガードレール5の延伸方向を表しており、水平方向に対して傾いている。図3では、ガードレール5及び移動手摺4の図示を省略している。
【0019】
図3に示すように、欄干パネル10は、複数のパネル体11を有している。複数のパネル体11は、欄干パネル10の長手方向に沿って並列している。各パネル体11は、例えば、ガラス等の透光性を有する材料により形成されている。
【0020】
各パネル体11は、上縁部11a、下縁部11c及び一対の側縁部11bを有している。上縁部11aは、パネル体11の縁部のうち、移動手摺4側に位置する縁部である。上縁部11aは、ガードレール5の延伸方向に沿って形成されている。下縁部11cは、パネル体11の縁部のうち、トラス1側に位置する縁部である。下縁部11cは、上縁部11aと平行に形成されている。
【0021】
各側縁部11bは、上縁部11a及び下縁部11cと垂直な方向に沿って形成されている。一方の側縁部11bは、上縁部11aの一端と下縁部11cの一端とを接続している。他方の側縁部11bは、上縁部11aの他端と下縁部11cの他端とを接続している。なお、各側縁部11bは、鉛直上下方向に沿って形成されていてもよい。
【0022】
導光体20は、各パネル体11の縁部に沿って設けられている。導光体20は、例えば、透明又は乳白色の樹脂によって形成されている。導光体20のうちの必要な箇所には、光を散乱させる光散乱構造が形成されている。導光体20の内部を導光する光は、光散乱構造によって散乱及び拡散し、導光体20の外部に取り出される。導光体20は、複数の第1導光体21及び複数の第2導光体22を有している。
【0023】
第1導光体21は、パネル体11毎に設けられている。各第1導光体21は、各パネル体11の上縁部11a、すなわち欄干パネル10の上縁部に沿って延伸している。各第1導光体21は、ガードレール5と各パネル体11との間に設けられている。各第1導光体21は、ガードレール5の延伸方向に沿って延伸している。各第1導光体21の端部は、隣り合う第1導光体21の端部と対向している。
【0024】
各第2導光体22は、互いに隣り合う2つのパネル体11の側縁部11b同士の間に設けられている。すなわち、各第2導光体22は、2つのパネル体11同士の継ぎ目に設けられている。第2導光体22は、2つのパネル体11のそれぞれの側縁部11bに沿って延伸している。第2導光体22は、第1導光体21の延伸方向と交差する方向に延伸している。
【0025】
本実施の形態では、各パネル体11の側縁部11bは、上縁部11aと垂直な方向に沿って形成されている。このため、第2導光体22は、第1導光体21の延伸方向と垂直な方向に延伸している。各パネル体11の側縁部11bが鉛直上下方向に沿って形成されている場合には、第2導光体22は、鉛直上下方向に延伸する。
【0026】
各第1光源30は、ガードレール5の延伸方向において部分的に設けられた点状光源である。各第1光源30は、ガードレール5の延伸方向において、互いに間隔を空けて並列している。第1光源30の少なくとも発光部分は、ガードレール5の下方であって欄干パネル10の上方に設けられている。
【0027】
第1光源30は、各パネル体11における上縁部11aと側縁部11bとの間の角部に隣接して設けられている。第1光源30は、2つの第1導光体21と第2導光体22とがT字状に交わる位置に設けられている。つまり、第1光源30は、互いに隣り合う2つの第1導光体21の間であってかつ第2導光体22の上方に配置されている。
【0028】
図4は、図3のIV-IV断面を示す模式図である。図4には、第2導光体22を当該第2導光体22の延伸方向と垂直に切断した断面が示されている。図4では、第2導光体22の一方側に配置されたパネル体11がパネル体11-1として表されており、第2導光体22の他方側に配置されたパネル体11がパネル体11-2として表されている。
【0029】
図4に示すように、第2導光体22の延伸方向と垂直な断面において、第2導光体22は、本体部22a、一対の突起部22b1、22b2、及び一対の突起部22c1、22c2を有している。
【0030】
本体部22aは、パネル体11-1の側縁部11bと、パネル体11-2の側縁部11bと、の間に設けられている。本体部22aの厚みは、パネル体11-1及びパネル体11-2のそれぞれの厚みよりも厚くなっている。
【0031】
突起部22b1及び突起部22b2のそれぞれは、本体部22aからパネル体11-1側に突出している。パネル体11-1の側縁部11bは、突起部22b1及び突起部22b2によって挟まれている。
【0032】
突起部22b1の内側表面は、パネル体11-1の一方の表面11dと対向している。突起部22b1の外側表面は、本体部22aから遠ざかるほど表面11dに近づくように傾斜している。突起部22b1の外側表面は、表面11dに滑らかに接続されていてもよい。
【0033】
突起部22b2の内側表面は、パネル体11-1の他方の表面11eと対向している。突起部22b2の外側表面は、本体部22aから遠ざかるほど表面11eに近づくように傾斜している。突起部22b2の外側表面は、表面11eに滑らかに接続されていてもよい。
【0034】
突起部22c1及び突起部22c2のそれぞれは、本体部22aからパネル体11-2側に突出している。パネル体11-2の側縁部11bは、突起部22c1及び突起部22c2によって挟まれている。
【0035】
突起部22c1の内側表面は、パネル体11-2の一方の表面11dと対向している。突起部22c1の外側表面は、本体部22aから遠ざかるほど表面11dに近づくように傾斜している。突起部22c1の外側表面は、表面11dに滑らかに接続されていてもよい。
【0036】
突起部22c2の内側表面は、パネル体11-2の他方の表面11eと対向している。突起部22c2の外側表面は、本体部22aから遠ざかるほど表面11eに近づくように傾斜している。突起部22c2の外側表面は、表面11eに滑らかに接続されていてもよい。
【0037】
図5は、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置における光源の構成を示す側面図である。図5に示すように、第1光源30は、筐体31、樹脂カバー32、LED(Light-Emitting Diode)チップ、及び基板を有している。
【0038】
LEDチップは、基板に実装されている。LEDチップ及び基板は、筐体31又は樹脂カバー32の内部に収容されている。LEDチップにより発光された光は、樹脂カバー32を介して、第1光源30の正面方向、及び第1光源30の側方の全周に射出される。
【0039】
筐体31は、筒状の形状を有している。筐体31の外周面には、雄ねじ31aが形成されている。第1光源30をガードレール5に取り付ける際には、筐体31がガードレール5のねじ穴5aにねじ込まれ、雄ねじ31aが雌ねじ5bに嵌め込まれる。これにより、第1光源30は、安定した姿勢でガードレール5に取り付けられている。
【0040】
第1光源30の正面方向には、第2導光体22の上端部が位置する。第1光源30の側方のうちの一方向には、第1導光体21の端部が位置する。第1光源30の側方のうち上記一方向とは逆の方向には、別の第1導光体21の端部が位置する。
【0041】
第1光源30の樹脂カバー32から射出された光は、第1導光体21及び第2導光体22に入射する。第1導光体21に入射した光は、第1導光体21の内部で反射及び拡散しながら第1導光体21を導光し、第1導光体21の側面から外部に取り出される。これにより、第1導光体21の側面が発光する。パネル体11の上縁部11aは、第1導光体21からの光によって照明される。
【0042】
第2導光体22に入射した光は、第2導光体22の内部で反射及び拡散しながら第2導光体22を導光し、第2導光体22の側面から外部に取り出される。これにより、第2導光体22の側面が発光する。パネル体11の側縁部11bは、第2導光体22からの光によって照明される。
【0043】
図6は、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置における導光体及び光源の構成の変形例を示す図である。図6に示すように、隣り合う2つの第1導光体21は、つながっていてもよい。この場合、2つの第1導光体21と第2導光体22とが交わる部分の上面には、窪み40が設けられる。窪み40は、ガードレール5に向かって上向きに開口している。第1光源30がガードレール5に取り付けられると、第1光源30の樹脂カバー32は、窪み40内に配置される。このような構成であっても、第1光源30の樹脂カバー32から射出された光は、2つの第1導光体21、及び第2導光体22に入射し、各導光体を導光する。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置は、欄干パネル10と、導光体20と、第1光源30と、を備えている。導光体20は、欄干パネル10に設けられている。第1光源30は、導光体20に光を入射させるように構成されている。欄干パネル10は、複数のパネル体11を有している。複数のパネル体11は、欄干パネル10の長手方向に並列している。導光体20は、第1導光体21と、第2導光体22と、を有している。第1導光体21は、欄干パネル10の上縁部に沿って延伸している。第2導光体22は、複数のパネル体11のうち互いに隣り合う2つのパネル体11の間に設けられている。第2導光体22は、第1導光体21の延伸方向と交差する方向に延伸している。第1光源30は、第1導光体21と第2導光体22とが交わる位置に設けられている。
【0045】
この構成によれば、第1導光体21が発光するとともに、第1導光体21からの光によってパネル体11の上縁部11aが照明される。また、第2導光体22が発光するとともに、第2導光体22からの光によってパネル体11の側縁部11bが照明される。このため、第1導光体21の延伸方向、すなわち乗客の移動方向に沿った光による演出だけでなく、第2導光体22の延伸方向、すなわち乗客の移動方向と交差する方向に沿った光による演出も行うことができる。したがって、この構成によれば、光による演出効果を高めることができる。
【0046】
また、上記構成では、第1光源30が第1導光体21と第2導光体22とが交わる位置に設けられるため、複数の第1光源30を容易に設けることができる。したがって、欄干装置の照明光の光量を増加させることができる。
【0047】
本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置では、第2導光体22を第2導光体22の延伸方向と垂直に切断した断面において、第2導光体22は、本体部22aと、一対の突起部22b1、22b2と、一対の突起部22c1、22c2と、を有している。本体部22aは、2つのパネル体11-1、11-2の間に設けられている。一対の突起部22b1、22b2は、本体部22aから突出している。一対の突起部22b1、22b2は、パネル体11-1の側縁部11bを挟んでいる。同様に、一対の突起部22c1、22c2は、本体部22aから突出している。一対の突起部22c1、22c2は、パネル体11-2の側縁部11bを挟んでいる。上記断面において、一対の突起部22b1、22b2のそれぞれの外側表面は、本体部22aから遠ざかるほどパネル体11-1の表面に近づくように傾斜している。同様に、上記断面において、一対の突起部22c1、22c2のそれぞれの外側表面は、本体部22aから遠ざかるほどパネル体11-2の表面に近づくように傾斜している。
【0048】
この構成によれば、第2導光体22の断面形状が乗客の移動方向に対して滑らかになるため、乗客の手荷物、衣服などが第2導光体22に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0049】
本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置は、ガードレール5をさらに備えている。ガードレール5は、欄干パネル10の上方に設けられている。ガードレール5は、移動手摺4の移動を案内するように構成されている。第1光源30は、筒状の筐体31を有している。筐体31の外周面には、雄ねじ31aが形成されている。ガードレール5には、雄ねじ31aが嵌め込まれる雌ねじ5bが形成されている。
【0050】
この構成によれば、第1光源30の取付けが容易になるため、第1光源30の保守及び交換を容易に行うことができる。また、この構成によれば、ガードレール5への第1光源30の取付け姿勢を安定させることができる。さらに、ガードレール5側にはねじ穴を設けるだけでよいため、第1光源30の取付け構造を簡素化できる。
【0051】
乗客コンベアの欄干装置において、ガードレール5は、移動手摺4の移動経路に沿った曲線部を有している。特許文献1に記載されているような透明樹脂製のガードレールの場合、成型後の二次加工は困難である。このため、ガードレールを形成するためには、高額な型投資が必要になる。これに対し、本実施の形態では、ガードレール5と欄干パネル10との間に第1光源30が設けられているため、ガードレール5の形成材料には、光を透過しない金属材料を用いることができる。金属製のガードレールの場合、金属の延性を利用した二次加工を容易に行うことができる。したがって、本実施の形態では、ガードレール5の製造コストを削減することができる。
【0052】
実施の形態2.
実施の形態2に係る乗客コンベアの欄干装置について説明する。図7は、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置における欄干パネル、導光体及び光源の配置を示す側面図である。図7の左右方向は、欄干パネル10の長手方向すなわちガードレール5の延伸方向を表しており、水平方向に対して傾いている。
【0053】
図7に示すように、本実施の形態の導光体20は、第1導光体21及び第2導光体22に加えて、複数の第3導光体23を有している。第3導光体23は、例えばパネル体11毎に設けられている。各第3導光体23は、各パネル体11の下縁部11c、すなわち欄干パネル10の下縁部に沿って延伸している。各第3導光体23は、ガードレール5の延伸方向に沿って延伸している。各第3導光体23の端部は、隣り合う第3導光体23の端部と対向している。隣り合う2つの第3導光体23は、図6に示した2つの第1導光体21と同様に、つながっていてもよい。
【0054】
各パネル体11における下縁部11cと側縁部11bとの間の角部に隣接する位置には、第2光源33が設けられている。第2光源33は、2つの第3導光体23と第2導光体22とがT字状に交わる位置に設けられている。つまり、第2光源33は、互いに隣り合う2つの第3導光体23の間であってかつ第2導光体22の下方に配置されている。第2光源33及び第3導光体23は、欄干パネル10と、欄干パネル10を下方から保持する保持構造と、の間に設けられている。
【0055】
第2光源33は、第1光源30と同様の構成を有している。第2光源33の筐体は、保持構造に形成されたねじ穴にねじ込まれている。これにより、第2光源33は、保持構造に固定されている。
【0056】
また、本実施の形態では、少なくとも1つの第1導光体21の途中に、1つ又は複数の第3光源34が設けられている。第3光源34は、互いに隣り合う2つの第1光源30の間に配置されている。第3光源34は、各パネル体11の上縁部11aに隣接して配置されている。第3光源34を挟んで両側に位置する第1導光体21は、互いに分離されていてもよいし、つながっていてもよい。
【0057】
同様に、本実施の形態では、少なくとも1つの第3導光体23の途中に、1つ又は複数の第4光源35が設けられている。第4光源35は、互いに隣り合う2つの第2光源33の間に配置されている。第4光源35は、各パネル体11の下縁部11cに隣接して配置されている。第4光源35を挟んで両側に位置する第3導光体23は、互いに分離されていてもよいし、つながっていてもよい。
【0058】
第3光源34及び第4光源35は、第1光源30と同様の構成を有している。第3光源34の筐体は、ガードレール5に形成されたねじ穴にねじ込まれている。これにより、第3光源34は、ガードレール5に取り付けられている。第4光源35の筐体は、保持構造に形成されたねじ穴にねじ込まれている。これにより、第4光源35は、保持構造に取り付けられている。
【0059】
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0060】
第2光源33から射出された光は、第3導光体23及び第2導光体22に入射する。第2導光体22には、第1光源30から射出された光も入射する。各導光体に入射した光は、各導光体の内部で反射及び拡散しながら各導光体を導光し、各導光体の側面から外部に取り出される。これにより、第3導光体23及び第2導光体22のそれぞれの側面が発光する。パネル体11の下縁部11cは、第3導光体23からの光によって照明される。パネル体11の側縁部11bは、第2導光体22からの光によって照明される。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置は、第2光源33をさらに備えている。第2光源33は、導光体20に光を入射させるように構成されている。導光体20は、第3導光体23をさらに有している。第3導光体23は、欄干パネル10の下縁部に沿って延伸している。第2光源33は、第3導光体23と第2導光体22とが交わる位置に設けられている。
【0062】
この構成によれば、第3導光体23が発光するとともに、第3導光体23からの光によってパネル体11の下縁部11cが照明される。したがって、光による演出効果をさらに高めることができる。また、第1光源30に加えて第2光源33が設けられるため、欄干装置の照明光の光量を増加させることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、第1導光体21の途中に第3光源34が設けられている。このため、欄干装置の照明光の光量をさらに増加させることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、第3導光体23の途中に第4光源35が設けられている。このため、欄干装置の照明光の光量をさらに増加させることができる。
【0065】
実施の形態3.
実施の形態3に係る乗客コンベアの欄干装置について説明する。図8は、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置における光源の構成を示す側面図である。図8に示すように、第1光源30は、第1発光部36、第2発光部37及び第3発光部38を有している。第1発光部36、第2発光部37及び第3発光部38のそれぞれは、LEDチップにより形成されている。第1発光部36、第2発光部37及び第3発光部38のそれぞれは、互いに異なる3面に設けられている。
【0066】
第1発光部36は、第2導光体22の延伸方向を向いている。第1発光部36は、第2導光体22の上端部と対向している。これにより、第1発光部36からの光は、主に第2導光体22に入射する。
【0067】
第2発光部37は、第1導光体21の延伸方向の一方を向いている。第2発光部37は、第1導光体21の端部と対向している。これにより、第2発光部37からの光は、主に第1導光体21に入射する。
【0068】
第3発光部38は、第1導光体21の延伸方向の他方を向いている。第3発光部38は、別の第1導光体21の端部と対向している。これにより、第3発光部38からの光は、主に別の第1導光体21に入射する。
【0069】
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態に係る乗客コンベアの欄干装置において、第1光源30は、第1発光部36と、第2発光部37と、第3発光部38と、を有している。第1発光部36は、第2導光体22の延伸方向を向いている。第2発光部37は、第1導光体21の延伸方向の一方を向いている。第3発光部38は、第1導光体21の延伸方向の他方を向いている。
【0071】
この構成によれば、第1発光部36、第2発光部37及び第3発光部38のそれぞれを各導光体の端部と対向させることができるため、各発光部からの光を各導光体に効率良く入射させることができる。したがって、欄干装置の照明光の光量をさらに増加させることができる。
【0072】
本実施の形態の第1光源30の構成は、実施の形態2の第2光源33、第3光源34及び第4光源35にも適用することができる。ただし、本実施の形態の第1光源30の構成が第3光源34及び第4光源35に適用される場合、第1発光部36は設けられていなくてもよい。
【0073】
上記の各実施の形態では、乗客コンベアとしてエスカレーターを例に挙げたが、上記の各実施の形態は、動く歩道などの他の乗客コンベアにも適用可能である。
【0074】
上記の各実施の形態及び変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
【0075】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0076】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0077】
(付記1)
欄干パネルと、
前記欄干パネルに設けられた導光体と、
前記導光体に光を入射させる第1光源と、
を備え、
前記欄干パネルは、前記欄干パネルの長手方向に並列した複数のパネル体を有しており、
前記導光体は、
前記欄干パネルの上縁部に沿って延伸した第1導光体と、
前記複数のパネル体のうち互いに隣り合う2つのパネル体の間に設けられ、前記第1導光体の延伸方向と交差する方向に延伸した第2導光体と、を有しており、
前記第1光源は、前記第1導光体と前記第2導光体とが交わる位置に設けられている乗客コンベアの欄干装置。
(付記2)
前記第2導光体を前記第2導光体の延伸方向と垂直に切断した断面において、
前記第2導光体は、
前記2つのパネル体の間に設けられた本体部と、
前記本体部から突出し、前記2つのパネル体のそれぞれの側縁部を挟んでいる一対の突起部と、を有しており、
前記断面において、前記一対の突起部のそれぞれの外側表面は、前記本体部から遠ざかるほど前記2つのパネル体のそれぞれの表面に近づくように傾斜している付記1に記載の乗客コンベアの欄干装置。
(付記3)
前記第1光源は、
前記第2導光体の延伸方向を向いた第1発光部と、
前記第1導光体の延伸方向の一方を向いた第2発光部と、
前記第1導光体の延伸方向の他方を向いた第3発光部と、を有している付記1又は付記2に記載の乗客コンベアの欄干装置。
(付記4)
前記欄干パネルの上方に設けられ、移動手摺の移動を案内するガードレールをさらに備え、
前記第1光源は、筒状の筐体を有しており、
前記筐体の外周面には、雄ねじが形成されており、
前記ガードレールには、前記雄ねじが嵌め込まれる雌ねじが形成されている付記1~付記3のいずれか一項に記載の乗客コンベアの欄干装置。
(付記5)
前記導光体に光を入射させる第2光源をさらに備え、
前記導光体は、前記欄干パネルの下縁部に沿って延伸した第3導光体をさらに有しており、
前記第2光源は、前記第3導光体と前記第2導光体とが交わる位置に設けられている付記1~付記4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの欄干装置。
【符号の説明】
【0078】
1 トラス、2 踏段、3 欄干装置、4 移動手摺、4a 往路区間、4b 帰路区間、4c 下階折り返し区間、4d 上階折り返し区間、5 ガードレール、5a ねじ穴、5b 雌ねじ、10 欄干パネル、11 パネル体、11-1 パネル体、11-2 パネル体、11a 上縁部、11b 側縁部、11c 下縁部、11d 表面、11e 表面、20 導光体、21 第1導光体、22 第2導光体、22a 本体部、22b1 突起部、22b2 突起部、22c1 突起部、22c2 突起部、23 第3導光体、30 第1光源、31 筐体、31a 雄ねじ、32 樹脂カバー、33 第2光源、34 第3光源、35 第4光源、36 第1発光部、37 第2発光部、38 第3発光部、40 窪み。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8