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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181756
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】油性固形化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20231218BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20231218BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20231218BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/02
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095076
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】梅田 明宏
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC012
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC842
4C083AD492
4C083AD622
4C083AD662
4C083BB12
4C083CC32
4C083DD21
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】本発明は、毛髪へ使用した際にセット力とマット感があり、表面のひび割れがなく、高温安定性および取れやすさに優れ、毛髪および肌のべたつきがない油性固形化粧料を提供することができる。
【解決手段】(A)トリステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリルまたはトリパルミチン酸グリセリルから選ばれる1種以上、(B)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチルまたはラウリン酸カプリリルから選ばれる1種以上、(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル、(D)融点が60℃以上のロウ類または水素添加植物油から選ばれる1種以上を含有し、前記(A)成分の含有量が6~25質量%、前記(B)成分の含有量が15~45質量%である油性固形化粧料により、毛髪へ使用した際にセット力とマット感があり、表面のひび割れがなく、高温安定性および取れやすさに優れ、毛髪および肌のべたつきがない油性固形化粧料を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)トリステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリルまたはトリパルミチン酸グリセリルから選ばれる1種以上
(B)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチルまたはラウリン酸カプリリルから選ばれる1種以上
(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル
(D)融点が60℃以上のロウ類または水素添加植物油から選ばれる1種以上
を含有し、前記(A)成分の含有量が6~25質量%、前記(B)成分の含有量が15~45質量%である油性固形化粧料。
【請求項2】
前記(C)成分が、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10またはステアリン酸ポリグリセリル-6から選ばれる1種以上である請求項1に記載の油性固形化粧料。
【請求項3】
前記(C)成分の含有量が0.1~8質量%である請求項1または請求項2に記載の油性固形化粧料。
【請求項4】
前記(D)成分がヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウまたは水添ヒマシ油から選ばれる1種以上である請求項1に記載の油性固形化粧料。
【請求項5】
前記(D)成分の含有量が1~12質量%である請求項1または請求項4に記載の油性固形化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性固形化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘアカラーやパーマ剤の流行に伴い、毛髪がダメージを受ける機会が多くなっており、毛髪のダメージ補修に対する需要が高まっている。ダメージを受けた毛髪は、化粧料により、油分を補い、なめらかさや柔軟性を与えることで、大きく改善が可能となる。特に、ヘアオイル、ヘアバーム等の油性化粧料は油分を多く配合できるため、毛髪のダメージ補修に優れている。
【0003】
また、近年では肌の乾燥に悩む消費者も多く、肌の保湿に対する需要も高まっている。乾燥した肌は、化粧料により、肌の油分を補って水分蒸散を防ぎ、保護することで、大きく改善が可能となる。特に、ボディオイル、ボディバーム、リップバーム等の油性化粧料は油分を多く配合できるため、肌の保湿に優れている。
【0004】
さらに、油性化粧料の剤形としては、固形状、ペースト状、液状等があるが、なかでも固形状の化粧料は、容器からの漏れの心配がなく、持ち運びに便利であることから、毛髪および皮膚化粧料として注目されている。
【0005】
使用感については、毛髪及び肌に使用した際に、べたつかずさっぱりとした感触が好まれており、その上近年のヘアスタイルの流行から、毛髪に使用した際にセット力とマット感がある仕上がりが非常に好まれている。
【0006】
しかしながら、べたつかずさっぱりとした使用感を出す為には液状油を多く配合する必要があり、その結果、高温条件下で保管した場合に、液状油分が油性固形化粧料の表面に油滴として現れる問題や、油性固形化粧料をジャー容器に充填し、冷却過程で油性固形化粧料が固化した際に、収縮により油性固形化粧料の表面にひび割れが発生する問題が生じる場合があった。
【0007】
上記課題を解決するために特許文献1では、25℃で液状のエステル油、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび融点が60℃以上のロウ類および水素添加植物油から選ばれる1種以上を含有する油性固形化粧料とすることにより、表面のひび割れがなく、高温安定性および取れやすさに優れ、毛髪および肌のべたつきがない油性固形化粧料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-130632
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の油性固形化粧料では、近年求められている髪へ使用した際のセット力とマット感が得られていないのが現状であった。
【0010】
本発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、(A)トリステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリルまたはトリパルミチン酸グリセリルから選ばれる1種以上、(B)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチルまたはラウリン酸カプリリルから選ばれる1種以上、(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル、(D)融点が60℃以上のロウ類または水素添加植物油から選ばれる1種以上を含有し、前記(A)成分の含有量が6~25質量%、前記(B)成分の含有量が15~45質量%である油性固形化粧料が、上記問題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、毛髪へ使用した際にセット力とマット感があり、表面のひび割れがなく、高温安定性および取れやすさに優れ、毛髪および肌のべたつきがない油性固形化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0013】
本発明において、「セット力」とは、油性固形化粧料を毛髪に塗布した際の、動きのあるヘアスタイルの作りやすさをさす。
【0014】
本発明において、「マット感」とは、油性固形化粧料を毛髪に塗布した際の、その毛髪のツヤのなさをさす。
【0015】
本発明において、「ひび割れ」とは、油性固形化粧料を容器に充填して冷却固化する際に、油性固形化粧料の収縮により、表面に亀裂や隙間が現れることをさす。
【0016】
本発明において、「高温安定性」とは、油性固形化粧料を容器に充填して冷却固化した後、50℃の条件下で保管した際に、油性固形化粧料の表面に油滴が生じないことをさす。
【0017】
本発明において、「取れやすさ」とは、油性固形化粧料を指ですくい取る際に、軟らかすぎず、硬すぎず、なめらかに取れることをさす。
【0018】
本発明による油性固形化粧料には、セット力の強さ、マット感、表面のひび割れのなさおよび高温安定性の観点から(A)トリステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリルまたはトリパルミチン酸グリセリルから選ばれる1種以上を含有する。
【0019】
本発明で用いられる前記(A)成分の含有量は、6~25%、好ましくは7~20%、より好ましくは8~15%がよい。前記(A)成分が6%未満の場合、セット力の強さ、マット感、表面のひび割れのなさおよび高温安定性が悪くなる。前記(A)成分が25%を超える場合、表面のひび割れのなさ、高温安定性および取れやすさが悪くなる。
【0020】
本発明による油性固形化粧料には、表面のひび割れのなさおよび高温安定性の観点から(B)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチルまたはラウリン酸カプリリルから選ばれる1種以上を含有する。
【0021】
本発明で用いられる前記(B)成分の含有量は、15~45%、好ましくは25~35%がよい。前記(B)成分が15%未満または45%を超える場合、表面のひび割れのなさおよび高温安定性が悪くなる。
【0022】
本発明による油性固形化粧料には、表面のひび割れのなさおよび高温安定性の観点から(C)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する。
【0023】
本発明で用いられる前記(C)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-4、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、デカステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ドデカベヘン酸ポリグリセリル-10等が挙げられ、1種以上含有することができる。これらのうち、表面のひび割れのなさおよび高温安定性の観点から、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-6が好ましく、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10がより好ましい。
【0024】
本発明で用いられる前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.1~8%、より好ましくは0.2~4%、さらにより好ましくは0.5~2%がよい。前記(C)成分が0.1%未満の場合、表面のひび割れのなさおよび高温安定性が悪くなる恐れがある。前記(A)成分が8%を超える場合、取れやすさが悪くなる恐れがある。
【0025】
本発明による油性固形化粧料には、セット力の強さ、マット感および高温安定性の観点から(D)融点が60℃以上のロウ類または水素添加植物油から選ばれる1種以上を含有する。
【0026】
本発明で用いられる前記(D)成分の融点が60℃以上のロウ類は、特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、カルナウバロウ、雪ロウ等が挙げられ、1種以上含有することができる。これらのうち、高温安定性の観点からヒマワリ種子ロウが好ましい。
【0027】
本発明で用いられる前記(D)成分の融点が60℃以上のロウ類の市販品としては、精製ヒマワリワックス(横関油脂工業社製、融点76℃)、脱臭精製キャンデリラワックス(セラリカNODA社製、融点68~72℃)、TOWAX-4F3(東亜化成社製、融点68~73℃)等が挙げられる。
【0028】
本発明で用いられる前記(D)成分の融点が60℃以上の水素添加植物油は、特に限定されないが、例えば、水添ヒマシ油、水添ナタネ種子油、水添ダイズ油、水添ホホバ油等が挙げられ、1種以上含有することができる。これらのうち、取れやすさの観点から水添ヒマシ油が好ましい。
【0029】
本発明で用いられる前記(D)成分の融点が60℃以上の水素添加植物油の市販品としては、ヒマシ硬化油A(伊藤製油社製、融点84~87℃)等が挙げられる。
【0030】
本発明で用いられる前記(D)成分の含有量は、好ましくは1~12%、より好ましくは1.5~8%、さらに好ましくは2~6%がよい。前記(D)成分が1%未満の場合、セット力の強さ、マット感および高温安定性が悪くなる恐れがある。前記(D)成分が12%を超える場合、取れやすさが悪くなる恐れがある。
【0031】
本発明の油性固形化粧料は前記必須成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、他の界面活性剤、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外の油性成分、保湿剤、増粘剤、キレート剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、顔料、粉体、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料等から選ばれる少なくとも1種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0032】
本発明の油性固形化粧料の針入硬度は特に限定されないが、10~80gであることが好ましい。針入硬度が10g未満の場合は軟らかすぎるため取れやすさを損なう恐れがある。針入硬度が80gを超える場合は硬すぎるため取れやすさを損なう恐れがある。
【0033】
本発明における針入硬度は、常法により調製した油性固形化粧料を溶解し、ガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、20℃で24時間静置した後に、クリープメータ(モデル:レオナーRE-3305S、山電社製)により、2mmφ治具を1mm/secの速度で32mm針入させ、10mm時、20mm時、30mm時の抵抗荷重の平均値である。
【0034】
本発明の油性固形化粧料は、洗い流さない毛髪化粧料としても皮膚化粧料としても使用できる。
【0035】
本発明の油性固形化粧料を充填する容器は、特に限定されないが、ジャータイプの容器に充填することが好ましい。
【0036】
本発明の油性固形化粧料を充填する容器の材質は、特に限定されないが、アルミ容器、ガラス容器、PP容器、PE容器、PET容器等が好ましい。
【0037】
本発明の油性固形化粧料の使用方法としては、充填された容器から指で直接すくい取り、そのままもしくは一旦手に塗り広げてから毛髪や肌に使用することができる。
【実施例0038】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0039】
本明細書に示す評価試験において、油性固形化粧料に含まれる成分および、その含有量を種々変更しながら実施した各種の実験結果を以下に示す。なお、油性固形化粧料の各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、これを常法にて調製した。
【0040】
本明細書に示す評価試験において、「セット力の強さ」、「マット感」、「表面のひび割れのなさ」、「高温安定性」、「取れやすさ」、「毛髪のべたつきのなさ」および「肌のべたつきのなさ」について評価した。
【0041】
[セット力の強さ]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、0.3gを3回に分けて、手に塗り広げてから、毛髪試験用ドール(ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」)の毛髪に塗布し、動きのあるヘアスタイルの作りやすさを評価した。
【0042】
(評価方法)
パネラー10名が油性固形化粧料を使用し、「セット力の強さ」に関して官能評価を行った。各人が5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、以下判定基準に従って判定した。
【0043】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
[マット感]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、0.3gを3回に分けて、手に塗り広げてから、毛髪試験用ドール(ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」)の毛髪に塗布し、毛髪のツヤのなさを官能評価した。
【0044】
(評価方法)
パネラー10名が油性固形化粧料を使用し、「マット感」に関して官能評価を行った。各人が5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、以下判定基準に従って判定した。
【0045】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
【0046】
[表面のひび割れのなさ]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、外観の状態を目視にて観察し、油性固形化粧料の表面にひび割れがないか評価した。
【0047】
(判定基準)
○:ひび割れがない
△:僅かなひび割れがある
×:大きなひび割れがある
【0048】
[高温安定性]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、50℃で1ヶ月静置し、表面の油滴の有無を評価した。このとき、冷凍機付きインキュベーター(モデル:MIR-554-PJ、パナソニックヘルスケア社製)を用いた。
【0049】
(判定基準)
○:油滴がない
△:僅かに油滴がある
×:多量の油滴がある
【0050】
[取れやすさ]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、人差し指ですくい取るときの軟らかさ、硬さ、なめらかさを総合して取れやすさの官能評価を行った。
【0051】
(評価方法)
パネラー10名が油性固形化粧料を使用し、「取れやすさ」に関して官能評価を行った。各人が5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、以下判定基準に従って判定した。
【0052】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
【0053】
[毛髪のべたつきのなさ]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、0.3gを3回に分けて、手に塗り広げてから、毛髪試験用ドール(ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」)の毛髪に塗布し、毛髪のべたつきのなさを官能評価した。
(評価方法)
パネラー10名が油性固形化粧料を使用し、「毛髪のべたつきのなさ」に関して官能評価を行った。各人が5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、以下判定基準に従って判定した。
【0054】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
【0055】
[肌のべたつきのなさ]
得られた油性固形化粧料をガラス容器(茶丸50:浅井硝子社製)に38g充填し、25℃で24時間静置した後、0.05gを取って両手に均一になじませ、肌のべたつきのなさを官能評価した。
【0056】
(評価方法)
パネラー10名が油性固形化粧料を使用し、「肌のべたつきのなさ」に関して官能評価を行った。各人が5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、以下判定基準に従って判定した。
【0057】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
表1、表2、表3および表4に示す実施例1~36より、「セット力」、「マット感」、「表面のひび割れのなさ」、「高温安定性」、「取れやすさ」、「毛髪のべたつきのなさ」および「肌のべたつきのなさ」に関して良好な結果を得た。
【0063】
以下に油性固形化粧料の実施例37、38および39を記載する。
【0064】
以下の実施例37、38および39により得られた油性固形化粧料は、「セット力」、「マット感」、「表面のひび割れのなさ」、「高温安定性」、「取れやすさ」、「毛髪のべたつきのなさ」および「肌のべたつきのなさ」に関して良好な結果を得た。
【0065】
実施例37
成 分 含有量(%)
(A)トリステアリン酸グリセリル 10.00
(B)ミリスチン酸オクチルドデシル 30.57
(C)ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10 0.80
(D)ヒマワリ種子ロウ 3.80
(D)キャンデリラロウ 0.70
(D)コメヌカロウ 0.16
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 23.98
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 19.10
パルミチン酸メチルヘプチル 10.00
トコフェロール 0.02
パラフィン 0.14
γ-ドコサラクトン 0.01
シロキクラゲエキス 0.01
フェノキシエタノール 0.01
BG 0.01
モモ核油 0.10
モモ果実エキス 0.01
モモ果実水 0.01
モモ葉エキス 0.01
香料 0.55
水 0.01
合計 100.00
針入硬度:36.2g
【0066】
実施例38
成 分 含有量(%)
(A)トリステアリン酸グリセリル 25.00
(B)ミリスチン酸オクチルドデシル 29.55
(C)ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10 0.80
(D)ヒマワリ種子ロウ 3.90
(D)キャンデリラロウ 1.67
(D)コメヌカロウ 0.38
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 6.50
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 19.00
パルミチン酸メチルヘプチル 10.00
トコフェロール 0.10
パラフィン 0.34
オレンジ果皮油 2.50
オリーブ油 0.01
γ-ドコサラクトン 0.01
BG 0.01
シア脂 0.01
セージ葉エキス 0.01
香料 0.20
水 0.01
合計 100.00
針入硬度:104.8g
【0067】
実施例39
成 分 含有量(%)
(A)トリステアリン酸グリセリル 10.00
(B)ラウリン酸カプリリル 30.33
(C)ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10 0.70
(D)ヒマワリ種子ロウ 3.80
(D)キャンデリラロウ 0.70
(D)コメヌカロウ 0.16
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 23.98
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 19.00
パルミチン酸メチルヘプチル 10.00
トコフェロール 0.10
パラフィン 0.14
β―カロチン 0.01
BG 0.01
(C12-14)パレス-3 0.01
シア脂 0.01
アルニカ花エキス 0.01
イノンド種子エキス 0.01
キュウリ果実エキス 0.01
オリーブ油 0.10
セイヨウキズタ葉/茎エキス 0.01
セイヨウニワトコ花エキス 0.01
ゼニアオイ花エキス 0.01
パリエタリアエキス 0.01
コーン油 0.01
ハッカ油 0.01
レモン果実油 0.01
マロニエエキス 0.01
カンゾウ葉エキス 0.01
コケモモ果汁 0.01
セージ葉エキス 0.01
香料 0.80
水 0.01
合計 100.00
針入硬度:27.5g
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明により、毛髪へ使用した際にセット力とマット感があり、表面のひび割れがなく、高温安定性および取れやすさに優れ、毛髪および肌のべたつきがない油性固形化粧料が得られた。