(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181767
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】駐車場管理装置および駐車場管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231218BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095097
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 将也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】 利用対象の車室を特定して駐車場の利用予約をした利用者が確実に駐車場を利用可能となるように利用対象の車室の割り当て処理を実行する駐車場管理装置および駐車場管理方法を提供する。
【解決手段】 複数の車室を有する駐車場を管理する駐車場管理装置は、予約情報記憶部と利用状況取得部と割当車室決定部とを備える。は、駐車場の予約情報として、予約対象の車両の識別情報と、利用時間の情報と、利用対象の車室の識別情報とを対応付けて記憶する。利用状況取得部は、車室ごとの利用状況情報を取得する。割当車室決定部は、車両が駐車場に到着したときに、車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態であると判断すると当該車室を車両に割り当てることを決定し、空き状態ではないと判断すると空き状態の車室のいずれかを車両に割り当てることを決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車室を有する駐車場を管理する駐車場管理装置であって、
前記駐車場の予約情報として、予約対象の車両の識別情報と、利用時間の情報と、利用対象の車室の識別情報とを対応付けて記憶する予約情報記憶部と、
前記駐車場の車室ごとの利用状況を示す情報を取得する利用状況取得部と、
前記車両が前記駐車場に到着したことを認識すると、前記利用状況取得部で取得した情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態であるか否かを判断し、空き状態であると判断すると前記利用対象の車室を前記車両に割り当てることを決定し、空き状態ではないと判断すると空き状態の車室のいずれかを前記車両に割り当てることを決定する割当車室決定部と
を備える駐車場管理装置。
【請求項2】
前記割当車室決定部は、前記利用状況取得部で取得した情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態ではないと判断すると、空き状態の車室の中から、隣接する店舗への出入り口までの距離が短い車室、前記予約情報で利用対象として示されている車室までの距離が短い車室、隣接する車室が空き状態の車室、または前後時間帯の空き時間が少ない車室を優先して、前記車両に割り当てる車室を決定する、請求項1に記載の駐車場管理装置。
【請求項3】
前記駐車場は、緊急時のみ利用可能な予備車室を有し、
前記割当車室決定部は、前記利用状況取得部で取得した情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態ではなく、空き状態の車室がないと判断すると、前記予備車室を前記車両に割り当てることを決定する、請求項1または2に記載の駐車場管理装置。
【請求項4】
前記割当車室決定部は、前記予備車室を前記車両に割り当てることを決定すると、当該決定を前記駐車場の管理者に報知するための情報を出力するとともに、前記車両の利用者に対し、前記駐車場の利用に関する特典を与えるための情報を出力する、請求項3に記載の駐車場管理装置。
【請求項5】
複数の車室を有する駐車場を管理する駐車場管理装置が、
前記駐車場の予約情報として、予約対象の車両の識別情報と、利用時間の情報と、利用対象の車室の識別情報とを対応付けて記憶し、
前記駐車場の車室ごとの利用状況を示す情報を取得し、
前記車両が前記駐車場に到着したことを認識すると、取得した前記車室ごとの利用状況を示す情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態であるか否かを判断し、空き状態であると判断すると前記利用対象の車室を前記車両に割り当てることを決定し、空き状態ではないと判断すると空き状態の車室のいずれかを前記車両に割り当てることを決定する、駐車場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場管理装置および駐車場管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事前に予約が可能な駐車場に搭載されたシステムにおいて、利用者により駐車場の利用が予約された時点で、利用対象の車室を特定しておく場合がある。この場合、該当する時間帯に関しては、特定された車室が当該利用者のために確保される。そして、予約された時間帯に当該利用者が到着すると、対応する予約に対して特定された車室に利用者の車両を誘導する処理を行う。
【0003】
このように利用者の駐車場利用を管理することで、利用者は予約した時間帯に確実に駐車場を利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように所定の利用者の予約に対して所定の車室を確保しておいても、当該予約の時間帯よりも前の時間帯に他の利用者が当該車室を利用しており、当該他の利用者の利用時間が予定よりも長くなったり、予約した利用者が予約開始時刻よりも早く到着したりすると、予約した利用者が到着した際に対応する車室を利用できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、利用対象の車室を特定して駐車場の利用予約をした利用者が確実に駐車場を利用可能となるように利用対象の車室の割り当て処理を実行する駐車場管理装置および駐車場管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の駐車場管理装置は、複数の車室を有する駐車場を管理する駐車場管理装置であって、前記駐車場の予約情報として、予約対象の車両の識別情報と、利用時間の情報と、利用対象の車室の識別情報とを対応付けて記憶する予約情報記憶部と、前記駐車場の車室ごとの利用状況を示す情報を取得する利用状況取得部と、前記車両が前記駐車場に到着したことを認識すると、前記利用状況取得部で取得した情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態であるか否かを判断し、空き状態であると判断すると前記利用対象の車室を前記車両に割り当てることを決定し、空き状態ではないと判断すると空き状態の車室のいずれかを前記車両に割り当てることを決定する割当車室決定部とを備える。
【0008】
また本発明の駐車場管理方法は、複数の車室を有する駐車場を管理する駐車場管理装置が、前記駐車場の予約情報として、予約対象の車両の識別情報と、利用時間の情報と、利用対象の車室の識別情報とを対応付けて記憶し、前記駐車場の車室ごとの利用状況を示す情報を取得し、前記車両が前記駐車場に到着したことを認識すると、取得した前記車室ごとの利用状況を示す情報に基づいて前記車両の予約情報で利用対象として示されている車室が空き状態であるか否かを判断し、空き状態であると判断すると前記利用対象の車室を前記車両に割り当てることを決定し、空き状態ではないと判断すると空き状態の車室のいずれかを前記車両に割り当てることを決定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の駐車場管理装置および駐車場管理方法によれば、利用対象の車室を特定して駐車場の利用予約をした利用者が確実に駐車場を利用可能となるように、利用対象の車室の割り当て処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による駐車場管理装置を用いた駐車場管理システムの構成を示す全体である。
【
図2】一実施形態による駐車場管理装置と、これに無接接続される入庫防止装置、車両検知センサ、車両情報取得装置、および案内情報表示装置との構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態による駐車場管理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〈一実施形態による駐車場管理装置を用いた駐車場管理システムの構成〉
本発明の一実施形態による駐車場管理装置を用いた駐車場管理システムの構成について、
図1を参照して説明する。本実施形態による駐車場管理システム1は、店舗STに併設された、20個の車室B-1~B-20を有する駐車場Pを管理するシステムであり、駐車場P内の車室B-1~B-20それぞれに設置された入庫防止装置10-1~10-20および車両検知センサ20-1~20-20と、駐車場Pの車両入口Eの近傍に設置された車両情報取得装置30および案内情報表示装置40と、駐車場Pの利用者が操作する利用者端末50と、駐車場管理装置60とを備える。駐車場P内の車室B-10およびB-20の近傍には、店舗STへの出入口Fが設置されている。
【0012】
本実施形態では、入庫防止装置10-1~10-20、車両検知センサ20-1~20-20、車両情報取得装置30、および案内情報表示装置40と、駐車場管理装置60とが無線通信で接続される場合について説明するが、これには限定されず、有線通信で接続されていてもよい。
【0013】
以下、車室B-1~B-20のうちいずれであるかを特定しない場合には、車室Bと記載する。同様に、入庫防止装置10-1~10-20のうちいずれであるかを特定しない場合には、入庫防止装置10と記載する。同様に、車両検知センサ20-1~20-20のうちいずれであるかを特定しない場合には、車両検知センサ20と記載する。
【0014】
図2は、入庫防止装置10、車両検知センサ20、車両情報取得装置30、案内情報表示装置40、および駐車場管理装置60の詳細な構成を示すブロック図である。
図2では、説明を簡略化するため、入庫防止装置10-1~10-20のうち1台の入庫防止装置10のみを示し、車両検知センサ20-1~20-20のうち1台の車両検知センサ20のみを示す。
【0015】
入庫防止装置10は、防止装置無線通信部11と、入庫防止部材12と、部材動作機構13とを有する。防止装置無線通信部11は、駐車場管理装置60との無線通信を行う。入庫防止部材12は、フラップ板等で構成され、上下方向に動作可能な状態で対応する車室Bの床面に設置される。部材動作機構13は、駐車場管理装置60から入庫防止部材12の上昇指示を取得すると、入庫防止部材12を上昇させる。入庫防止部材12を車室Bの底面から上昇させることで、当該車室Bへの車両の入庫を防止することができる。
【0016】
車両検知センサ20は、センサ無線通信部21と、車両検知部22とを有する。センサ無線通信部21は、駐車場管理装置60との無線通信を行う。車両検知部22は、対応する車室Bに入庫した車両を検知する。車両検知部22は、車室Bに入庫した車両を検知すると、車両入庫情報を生成して駐車場管理装置60に送信する。
【0017】
車両情報取得装置30は、取得装置無線通信部31と、車両識別情報取得部32とを有する。取得装置無線通信部31は、駐車場管理装置60との無線通信を行う。車両識別情報取得部32は、例えばカメラ装置で構成され、駐車場Pに入庫する車両を撮影した撮像情報を解析して当該車両の識別情報、例えばナンバープレートの車両番号情報を取得して駐車場管理装置60に送信する。案内情報表示装置40は、駐車場管理装置60から送信された表示情報を表示させる。
【0018】
利用者端末50は、駐車場管理装置60に通信ネットワーク70を介して接続され、利用者の操作により入力される情報に基づいて駐車場Pの利用予約を要求するための利用予約要求情報を生成し、駐車場管理装置60に送信する。
【0019】
駐車場管理装置60は、管理装置無線通信部61と、ネットワーク通信部62と、記憶部63と、CPU64と、出力部65とを有する。管理装置無線通信部61は、駐車場P内の入庫防止装置10-1~10-20、車両検知センサ20-1~20-20、車両情報取得装置30、および案内情報表示装置40との無線通信を行う。ネットワーク通信部62は、通信ネットワーク70を介して利用者端末50との通信を行う。
【0020】
記憶部63は、予備車室情報記憶部631と、予約情報記憶部632とを有する。予備車室情報記憶部631は、車室B-1~B-20のうち、通常時は利用不可とし、緊急時等のみに利用可能とする予備車室の情報を記憶する。本実施形態において予備車室情報記憶部631は、車室B-19およびB-20を予備車室の識別情報として記憶する。予約情報記憶部632は、利用者の操作により予約された駐車場Pの予約情報を記憶する。
【0021】
CPU64は、予約処理部641と、入庫防止装置制御部642と、利用状況取得部643と、予約情報取得部644と、割当車室決定部645とを有する。
【0022】
予約処理部641は、利用者の操作により利用者端末50から送信された利用予約要求情報に基づいて、駐車場Pの予約情報を生成して予約情報記憶部632に記憶させる。予約情報には、利用者の識別情報と、利用する車両の識別情報と、利用時間帯を示す利用開始日時情報および利用時間情報と、利用対象の車室の識別情報とが含まれる。
【0023】
入庫防止装置制御部642は、予約情報記憶部632に記憶された予約情報の利用開始日時の所定時間前になったことを検知すると、入庫防止部材12の上昇指示を入庫防止装置10に送信する。
【0024】
利用状況取得部643は、車両検知センサ20から取得する車両入庫情報に基づいて、各車室Bの利用状況を認識する。予約情報取得部644は、車両情報取得装置30から駐車場Pに到着した車両の車両番号情報を取得すると、当該車両番号情報に対応する予約情報を予約情報記憶部632から取得する。
【0025】
割当車室決定部645は、予約情報取得部644が取得した予約情報で利用対象として示されている車室Bの利用状況を利用状況取得部643から取得する。そして割当車室決定部645は該当する車室Bが空いていると判断すると、予約情報で示される車室Bを当該利用者が利用すべき車室として決定し、決定した車室Bの情報を案内情報表示装置40に送信する。
【0026】
また割当車室決定部645は、予約情報で利用対象として示されている車室Bを他の利用者が利用中であると判断すると、利用状況取得部643で取得された情報に基づいて、空き状態の車室Bの中から、当該利用者が利用すべき車室を決定し、決定した車室Bの情報を案内情報表示装置40に送信する。
【0027】
出力部65は、例えば表示装置またはスピーカ等で構成され、CPU64により出力された表示情報または音声情報を出力する。
【0028】
〈一実施形態による駐車場管理装置を用いた駐車場管理システムの動作〉
次に、本実施形態による駐車場管理システム1の動作として、利用者Xが駐車場Pの利用予約を行い、これに基づいて利用者Xが駐車場Pを利用する場合について説明する。
【0029】
駐車場管理システム1の稼動中は、駐車場Pのいずれかの車室Bに車両が入庫すると、当該車室Bに設置された車両検知センサ20の車両検知部22が入庫した車両を検知し、対応する車両入庫情報を生成して駐車場管理装置60に送信する。また、いずれかの車室Bから車両が出庫すると、当該車室Bに設置された車両検知センサ20の車両検知部22が、車両が出庫しことを検知し、対応する車両出庫情報を生成して駐車場管理装置60に送信する。駐車場管理装置60では、車両検知センサ20から送信された車両入庫情報および車両出庫情報を利用状況取得部643が取得し、車室Bごとの利用状況を認識する。
【0030】
利用者Xが利用者端末50で駐車場Pの利用予約のための情報として、利用者Xの識別情報x、利用する車両Cの識別情報と、利用開始日時情報「2022/02/01 15:00」、および利用時間情報「2時間」を入力し、利用予約を要求する操作を行うと、入力された情報に基づいて利用者端末50が利用予約要求情報を生成して駐車場管理装置60に送信する。
【0031】
駐車場管理装置60では、利用者端末50から駐車場Pの利用予約要求情報を予約処理部641が取得する。予約処理部641は、利用予約要求情報を取得すると、当該利用予約要求情報に基づいて利用者Xが利用すべき車室B-1を特定して取得した情報に対応付けて、予約情報として予約情報記憶部632に記憶させる。
【0032】
ここで、利用者Xが利用予約のための情報を入力する際に希望する車室の識別情報を併せて入力し、予約処理部641が、利用者Xが入力した情報に基づいて利用すべき車室を特定してもよい。また、利用者Xが利用する車両が車椅子収納機能を有する車両であり、駐車場Pを利用する際に車椅子の乗降作業が発生する場合、利用予約のための情報を入力する際に、利用者Xが車椅子の乗降を伴う利用であることを明示した情報を併せて入力し、予約処理部641が当該情報に基づいて、車椅子の乗降がしやすい面積が広い車室B、または車椅子利用者が店舗に移動しやすい入口Fに近い車室Bを特定してもよい。
【0033】
入庫防止装置制御部642は、予約情報記憶部632に記憶された予約情報の利用開始日時「2022/02/01 15:00」の所定時間前、例えば30分前になったことを検知すると、車室を確実に確保するため、入庫防止部材12の現在の状態が上昇か下降かに関わらず、入庫防止部材12の上昇指示を、対応する車室B-1に設置された入庫防止装置10-1に送信する。入庫防止装置10-1では、駐車場管理装置60から送信された入庫防止部材12の上昇指示を取得すると、部材動作機構13が入庫防止部材12を上昇させる。入庫防止部材12が上昇することにより車室B-1に他の車両が入庫することが防止され、利用者Xの利用のために確保される。
【0034】
上述したように駐車場Pの利用予約を行った利用者Xの車両Cが駐車場Pに到着したときに、駐車場管理システム1が実行する処理について説明する。利用者Xの車両Cが駐車場に到着すると、車両情報取得装置30の車両識別情報取得部32が車両Cを撮影し、撮像情報を解析することで車両Cのナンバープレートの車両番号情報を取得する。車両識別情報取得部32は、取得した車両Cの車両番号情報を駐車場管理装置60に送信する。
【0035】
図3は、駐車場Pに到着した車両Cの車両番号情報を取得した際に、駐車場管理装置60が実行する処理の流れを示すフローチャートである。駐車場管理装置60は、車両情報取得装置30から車両Cの車両番号情報を取得すると(S1の「YES」)、予約情報取得部644が、予約情報記憶部632に記憶された情報に基づいて予約済みの車両Cが到着したと認識する。予約情報取得部644は、取得した車両番号情報に対応する予約情報を予約情報記憶部632から取得する(S2)。
【0036】
このとき予約情報取得部644は、当該車両番号情報の車両に関して予約された予約情報のうち、予約対象日が現在と同日であり、且つ予約された利用開始時刻から利用時間が経過する時刻が現在時刻よりも後である予約情報を取得する。つまり予約情報取得部644は、車両Cが、予約対象日「2022/02/01」の予約開始時刻「15:00」よりも前の到着した場合、および、予約開始時刻「15:00」から予約時間「2時間」が経過する時刻「17:00」までに到着した場合に、予約した車両Cが到着したと判断し、該当する予約情報を取得する。
【0037】
次に、割当車室決定部645は、予約情報取得部644が取得した予約情報で利用対象として示されている車室B-1の利用状況を利用状況取得部643から取得する。そして割当車室決定部645は該当する車室B-1が空いていると判断すると(S3の「YES」)、当該車室B-1を車両Cに割り当てることを決定する(S4)。
【0038】
割当車室決定部645は、車両Cに割り当てる車室Bを決定すると、決定した車室Bを利用者Xに報知するための報知情報を生成し、案内情報表示装置40に送信する(S5)。この報知情報には、駐車場Pの入口Eから割り当てられた車室Bまで誘導するための情報を含む。案内情報表示装置40は、駐車場管理装置60から送信された報知情報を表示する。利用者Xは、案内情報表示装置40に表示された情報を視認することで、利用すべき車室Bを認識して、誘導に従って該当する車室Bに車両Cを移動させて入庫させる。
【0039】
また、割当車室決定部645は、ステップS3において予約情報で利用対象として示されている車室B-1を他の利用者が利用中であると判断すると(S3の「NO」)、利用状況取得部643から取得した情報に基づいて空き状態の車室Bがあるか否かを判断する(S6)。
【0040】
ここで割当車室決定部645は、空き状態の車室Bがあると判断すると(S6の「YES」)、空き状態の車室Bの中から、予め設定された優先度が最も高い車室Bを車両Cに割り当てることを決定する(S7)。
【0041】
空き状態の車室Bの中から車両Cに割り当てる車室の決定に用いる各車室Bの優先度は、例えば、店舗STへの出入口Fまでの距離が短い程、高く設定される。また、当該優先度は、車両Cに対して予約情報で利用対象として示されている車室B-1までの距離が短い程、高く設定してもよい。また、当該優先度は、隣接する車室が空き状態である車室Bを、高く設定してもよい。また、予約情報記憶部632に記憶された情報に基づいて、該当する車室に関して前後時間帯の空き時間が少ない程、当該優先度を高くして駐車場Pの利用効率を上げるようにしてもよい。また、この時点で、別の利用者が予約により確保した車室Bが、予約開始時刻から一定時間を経過しても利用が開始されていない状態である場合には、割当車室決定部645は当該車室Bの利用は無断キャンセルされたと判断し、当該車室Bを割り当て対象に含め、その優先度を適宜設定してもよい。このように設定された優先度に基づいて、割当車室決定部645は、車両Cに割り当てる車室を決定する。
【0042】
割当車室決定部645は、車両Cに割り当てる車室Bを決定すると、決定した車室Bを利用者Xに報知するための報知情報を生成し、案内情報表示装置40に送信する(S8)。案内情報表示装置40は、駐車場管理装置60から送信された報知情報を表示する。利用者Xは、案内情報表示装置40に表示された情報を視認することで、利用すべき車室Bを認識して、誘導に従って該当する車室Bに車両Cを移動させて入庫させる。
【0043】
該当する車室Bに車両Cが入庫すると、利用状況取得部643がこれを検知し(S9の「YES」)、予約情報記憶部632内の利用者Xに関する予約情報を取り消す(S10)。利用者Xの予約が取り消されることにより、車室B-1が空いたときに、他の利用者が即時利用することができる。
【0044】
ステップS6において、空き状態の車室Bがないと判断すると(S6の「NO」)、割当車室決定部645は、予備車室情報記憶部631に記憶された中から1つの予備車室の情報、例えば予備車室B-19の情報を取得する。割当車室決定部645は、取得した情報に基づいて、予備車室B-19を車両Cに割り当てるとして決定する(S11)。ここで割当車室決定部645は、駐車場Pの管理者に対し、当該決定を報知するための情報を出力部65から出力させて通知してもよい。また割当車室決定部645は、割り当てる車室が予備車室になった代償として、利用者端末50に対し、駐車場Pの利用に関する割引等の特典を与えるクーポン等の情報を配信してもよい。
【0045】
またここで、駐車場管理装置60は利用者端末50に対し、予備車室B-19を利用せずに来場時刻を後にずらすか、決定した予備車室B-19を利用するかを問い合わせる情報を送信し、予備車室B-19を利用する旨の回答を取得した場合に、最終的に予備車室B-19を車両Cに割り当てることを決定してもよい。また、利用者Xが事前に、予備車室を利用するか否かを示す情報を予約情報とともに登録しておき、利用者が予備車室を利用することを登録していた場合に、予備車室B-19を車両Cに割り当てることを決定してもよい。このように処理を行うことで、予備車室の利用頻度をなるべく低下させ、緊急事態が発生した際に予備車室を有効利用できる確率を高めることができる。
【0046】
割当車室決定部645は、車両Cに割り当てる車室Bを決定すると、ステップS8に移行する。
【0047】
上述した実施形態によれば、駐車場管理装置60は、利用対象の車室を特定して駐車場の利用予約をした利用者が確実に駐車場を利用可能となるように、利用対象の車室の割り当て処理を実行することができる。これにより、予約した時間帯よりも前の時間帯に他の利用者が予約した車室を利用しており、当該他の利用者の利用時間が予定よりも長くなったり、予約した利用者が予約開始時刻よりも早く到着したりしたことで、予約した車室が空いていなかった場合にも、予約をした利用者が確実に駐車場を利用することができる。
【0048】
上述した実施形態においては、車両情報取得装置30が、カメラ装置で車両を撮影した撮像情報を解析して車両番号情報を取得することで、当該車両の識別情報を取得する場合について説明したが、これには限定されない。例えば、利用者が車両情報取得装置30に当該車両の識別情報を入力する操作を行ったり、当該車両の識別情報を記憶した媒体を車両情報取得装置30に接触または近接させることで識別情報を読み取らせることで、車両情報取得装置30が車両の識別情報を取得するようにしてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態においては、入庫防止装置10と車両検知センサ20とが別装置で構成される場合について説明したが、これらの装置を一体化してもよい。例えば、駐車場P内の車室B-1~B-20に設置された入庫防止装置10-1~10-20それぞれが、対応する車室Bに入庫した車両を検知する機能を備えていてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態においては、車両検知センサ20と車両情報取得装置30とが別装置で構成される場合について説明したが、これらの装置を一体化してもよい。例えば、駐車場P内の車室B-1~B-20に設置された車両検知センサ20-1~20-20それぞれが、入庫した車両の識別情報を取得する機能を備えていてもよい。または、駐車場Pの車両入口Eの近傍に設置された車両情報取得装置30が、各車室B-1~B-20への車両の入庫の有無を検知する機能を備えていてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 駐車場管理システム
10,10-1~10-20 入庫防止装置
11 防止装置無線通信部
12 入庫防止部材
13 部材動作機構
20,20-1~20-20 車両検知センサ
21 センサ無線通信部
22 車両検知部
30 車両情報取得装置
31 取得装置無線通信部
32 車両識別情報取得部
40 案内情報表示装置
50 利用者端末
60 駐車場管理装置
61 管理装置無線通信部
62 ネットワーク通信部
63 記憶部
64 CPU
70 通信ネットワーク
631 予備車室情報記憶部
632 予約情報記憶部
641 予約処理部
642 入庫防止装置制御部
643 利用状況取得部
644 予約情報取得部
645 割当車室決定部