(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181783
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ワークフロー進捗管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20231218BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20231218BHJP
【FI】
G06Q10/06 324
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095123
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】弁理士法人小竹アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】岡田 武
(72)【発明者】
【氏名】石井 延弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
(72)【発明者】
【氏名】成相 光司
(72)【発明者】
【氏名】杉原 充哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
5L049AA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】起案された案件に対して一連の工程からなるワークフローに対して、予め設定されている許容日数を超過して処理が滞留している工程がある場合に、その工程と滞留日数を容易に把握して適切に対応するワークフロー進捗管理システムを提供する。
【解決手段】ワークフロー進捗管理システム1において、管理用端末は、夫々の工程に対して許容できる滞留日数を超過した警告滞留日数を設定する警告滞留日数設定手段と、滞留状況リストの作成要請があった場合に、工程到達日が記録され、且つ、工程完了日が未だ記録されていない工程について、工程到達日から警告滞留日数以上が経過しているか否かを判定する警告判定手段と、工程到達日から警告滞留日数以上が経過していると判定した工程を有する案件について、少なくとも警告滞留日数以上が経過している工程とその工程での滞留日数を滞留状況リストとしてリスト出力する滞留状況リスト作成手段と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起案された案件に対して行われる一連の工程からなるワークフローの進捗を管理するワークフロー進捗管理システムであって、
前記案件毎にそれぞれの工程に到達した工程到達日と前記工程での処理を完了した工程完了日とが工程の進捗に合せて記録される工程管理データベースと、
前記それぞれの工程に対して許容できる滞留日数を超過した警告滞留日数を設定する警告滞留日数設定手段と、
滞留状況リストの作成要請があった場合に、それぞれの前記案件で、前記工程到達日が記録され、且つ、前記工程完了日が未だ記録されていない工程について、前記工程到達日から前記警告滞留日数以上が経過しているか否かを判定する警告判定手段と、
前記警告判定手段により、前記工程到達日から前記警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件について、少なくとも前記警告滞留日数以上が経過している工程とその工程での滞留日数を前記滞留状況リストとしてリスト出力する滞留状況リスト作成手段と、
を有することを特徴とするワークフロー進捗管理システム。
【請求項2】
前記滞留状況リストに掲載される案件について、前記警告滞留日数以上が経過している工程の担当部署に警告を自動送信する警告送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のワークフロー進捗管理システム。
【請求項3】
前記警告滞留日数は、多段階に設定され、段階に応じて前記警告送信手段による警告送信先を変更するものであることを特徴とする請求項2記載のワークフロー進捗管理システム。
【請求項4】
前記警告滞留日数は、各工程の所要日数の平均値に対して工程毎に設定された滞留日数を付加して設定されるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のワークフロー進捗管理システム。
【請求項5】
前記工程到達日から前記警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件を起案したユーザがユーザ端末を介して本システムにアクセスしユーザとして認証されると、前記ユーザ端末の画面に前記警告をポップアップ表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のワークフロー進捗管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起案された案件に対して予め決められた一連の工程に従って業務を処理するワークフローの進捗状態を管理するために利用可能なワークフロー進捗管理システムに関し、特に、各工程での滞留日数を管理する進捗管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークフローシステムは、組織内で起案された様々な申請等の案件を電子化し(電子的な手段によって業務の流れを定義し)、それぞれの案件(申請など)に対して予め決められた作業工程(業務手続きの流れ)に従って業務を流し(業務の流れに伴う書類や情報の流れを自動化し)、その状況をモニタリングして効率的に回覧・承認を行うようにしている。
このようなワークフローシステムにおいて、起案された案件がいずれかの工程で処理が滞留する場合には、その滞留期間が許容範囲内であれば問題はないが、システムのバグや処理する担当者の不在等により必要以上に滞留期間が長くなると、大きな問題となることが懸念される。
【0003】
そこで、従来においては、案件を起案した担当者が各工程での処理を定期的に確認し、長期間の滞留を抑制するようにしていた。
また、上述のような問題に対処するために、ワークフローを構築するシステム管理者が、全体の進捗状況や進捗度合いを直感的に把握することができるように、フロー全体の進捗率をノードに対する残アクティビティ数とアクティブパスによる実行中パスから算出する方法(特許文献1参照)や、クライアント表示画面にジョブリストと利用者リストを表示し、ジョブリストの表示範囲に各ジョブ毎の作業期間を時間軸に沿って表示し、且つ利用者リストの表示範囲に利用者別に担当すべき仕事の期間と仕事量に関する情報を時間軸に沿って表示する管理システム(特許文献2)等も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-126986号公報
【特許文献2】特開平10-11507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、人的にチェックを行う場合には、チェック漏れが生じやすく、また、確認に手間がかかる不都合がある。
また、進捗率を算出したり、ジョブ毎の作業時間や利用者別に担当すべき仕事の期間と仕事量に関する情報を時間軸に沿って表示したりすることは、全体の流れを知る上では有効であるが、作業が予定通り進んでいない場合に、どの工程で必要以上に滞留しているのかを具体的に把握することができず、滞留日数が許容範囲を超えている場合に適切な対応を取ることができないものであった。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、起案された案件に対して一連の工程からなるワークフローに対して、予め設定されている許容日数を超過して処理が滞留している工程がある場合に、その工程と滞留日数を容易に把握して適切に対応することが可能なワークフロー進捗管理システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係るワークフロー進捗管理システムは、
起案された案件に対して行われる一連の工程からなるワークフローの進捗を管理するワークフロー進捗管理システムであって、
前記案件毎にそれぞれの工程に到達した工程到達日と前記工程での処理を完了した工程完了日とが工程の進捗に合せて記録される工程管理データベースと、
前記それぞれの工程に対して許容できる滞留日数を超過した警告滞留日数を設定する警告滞留日数設定手段と、
滞留状況リストの作成要請があった場合に、それぞれの前記案件で、前記工程到達日が記録され、且つ、前記工程完了日が未だ記録されていない工程について、前記工程到達日から前記警告滞留日数以上が経過しているか否かを判定する警告判定手段と、
前記警告判定手段により、前記工程到達日から前記警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件について、少なくとも前記警告滞留日数以上が経過している工程とその工程での滞留日数を前記滞留状況リストとしてリスト出力する滞留状況リスト作成手段と、
を有することを特徴としている。
【0008】
したがって、滞留状況リストの作成要請があった場合に、警告判定手段によって工程到達日が記録されているが工程完了日が未だ記録されていない工程について、工程到達日から警告滞留日数以上が経過しているか否かが判定され、滞留状況リスト作成手段によって、工程到達日から警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件に対して、滞留している工程とその工程での滞留日数が少なくともリスト出力されるので、管理者は、必要以上に滞留している工程を即座に把握することが可能となり、適切な対応を取りやすくなる。
ここで、滞留状況リストの作成要請は、管理者からの作成要請をシステムが受け付けた場合であっても、予め決められた時間や所定時間毎に自動で作成要請を行うものであってもよい。
【0009】
また、滞留状況リストに掲載される案件について、警告滞留日数以上が経過している工程の担当部署に警告を自動送信する警告送信手段をさらに備えるとよい。
これにより、担当部署は、自動送信された警告を受け取ることで、現在到達している案件が許容滞留日数を超過していることを把握することが可能となり、案件の速やかな処理が促される。
【0010】
前記警告滞留日数は、多段階に設定され、段階に応じて警告送信手段による警告送信先を変更するようにしてもよい。
たとえば、滞留日数を超過する警告滞留日数を3段階に設定し、超過日数が少ない1段階目の警告滞留日数に至っていれば、担当部署の現場担当者へ警告を送信し、警告滞留日数がやや多い2段階目の警告滞留日数に至っていれば、担当部署の現場管理者へ警告を送信し、警告滞留日数が多い3段階目の警告滞留日数に至っていれば、担当部署のシステム管理者へ警告を送信する等のように、滞留日数が多いほど高い管理責任を有する者へ警告を送信するようにしてもよい。
【0011】
また、警告滞留日数は、各工程の所要日数の平均値に対して工程毎に設定された滞留日数を付加して設定するようにしてもよい。この際、各工程の所要日数の平均値は、定期的に算出するようにしてもよい。
【0012】
さらに、工程到達日から警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件を起案したユーザがユーザ端末を介して本システムにアクセスしユーザとして認証された場合に、前記ユーザ端末の画面に前記警告をポップアップ表示するようにしてもよい。
このような構成においては、案件を起案したユーザにも滞留状況が通知されるので、滞留状況がユーザにも共有されることになり、ユーザから問い合わせを受ける等により案件の速やかな処理が促されやすくなる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明に係るワークフロー進捗管理システムによれば、滞留リストの作成要請があった場合に、工程到達日から警告滞留日数以上が経過していると判定された工程に対して、その工程とその工程での滞留日数が少なくともリスト出力されるので、許容滞留日数を超過している工程とそこでの滞留日数を即座に把握することができ、必要な対応を速やかに取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明に係るワークフロー進捗管理システムのサーバ構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、電気の使用申込がされた場合の一連の業務工程例を示す図である。
【
図3】
図3は、滞留状況リストの作成要請があった場合の処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、警告滞留日数を多段階に設定した例を説明する表である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本実施形態のワークフロー進捗管理システム1の構成例を示す図である。ワークフロー進捗管理システム1は、WEBサーバ10、メールサーバ20、APサーバ30、及びDBサーバ40の各サーバ(コンピュータ)を備え、これにインターネットやLAN等のネットワークを介してアクセス可能な管理用端末51とユーザ端末52を有して構成されている。
【0017】
WEBサーバ10は、管理用端末51またはユーザ端末(クライアント)52からリクエスト情報を受信すると、WEBサーバ10、APサーバ30及びDBサーバ40の各々において、それぞれのリクエストに対応した所定の 処理を行い、管理用端末51またはユーザ端末52に対してレスポンスを返送するようにしている。
また、管理用端末51からのリクエストに応じてDBサーバ40に直接アクセスし、DBサーバ40に格納された情報を直接読取り可能としている。
【0018】
なお、ユーザ端末(クライアント)52は、ネットワークを介して本システムへアクセスし、ユーザとして認証されれば、WEBサーバ10、APサーバ30を介してDBサーバ40に格納されている共有情報にアクセス可能となっている。
【0019】
メールサーバ20は、管理用端末51やユーザ端末52からE-mailの送信指示を受けると、これに従い、E-mailを指定された送信先へ送信するようにしている。
【0020】
APサーバ30は、本システムの全体を統括制御するサーバであり、WEBサーバ 10にウェブページの表示を指示し、メールサーバ20にメールやSMSの送信を指示し、DBサーバ40にデータの管理(登録、検索、更新、削除)を行わせる等の処理を行うサーバである。
【0021】
DBサーバ40は、システムを利用する利用者や管理者によって入力された情報を体系づけて記憶するRDB(Relational Database)が構築されているサーバである。DBサーバ40は、APサーバ30からの指示に従い、構築された各種データベース(各種テーブル)に対して登録、更新、参照、削除などを行う。また、管理用端末51からの指示に従い、各種データベースの参照も行う。
【0022】
本実施形態において、DBサーバ40は、ユーザ端末52を介して申し込みがされた案件の申込種別、契約番号、契約者名、工事店名等が受付番号に関連付けて格納された申込データベース(申込DB)41と、それぞれの申込種別ごとに経時的に行う工程の順番が定義づけられた工程定義データベース(工程定義DB)42と、受付番号毎(案件毎)に各工程に到達した工程到達日と工程での処理が完了した工程完了日とが工程の進捗に合せて記録された工程管理データベース(工程管理DB)43と、を備えている。
【0023】
例えば、電気の使用申込がされた場合について、
図2に示すような一連の業務工程があるとする。すなわち、申し込みの案件に対して一連の工程を経て業務が完了するまでに、例えば、申込を受け付け、申し込み内容を登録する等の処理を行う受付工程(工程A)と、受け付けた申し込み内容を確認し、不備の有無等を審査する審査工程(工程B)と、申し込み内容及び現地調査の結果をもとに、設備の工事設計等を行う設計工程(工程C)と、設計工程で設計された工事内容を報告する報告工程(工程D)があるとする。
【0024】
図1において、受付番号「00001」として申込DB41に登録された申込案件は、電気の新設工事の申し込み(新規申込)であり、この案件については、工程定義DB42で定義されているように、工程A→工程B→工程C→工程Dの順で業務がなされ、工程管理DB43に記録されたそれぞれの工程の到達日と完了日を確認することで、今までの工程の履歴が分かり、また、現在どの段階の工程にあるのかを把握することが可能となる。
【0025】
また、受付番号「00002」として申込DB41に登録された申込案件は、既に申し込んだ案件についての訂正を依頼する案件であり、この案件については、工程定義DB42で定義されるように、工程A→工程B→工程Dの順番で業務がなされ、工程管理DB43に記録されたそれぞれの工程の到達日と完了日を確認することで、今までの工程の履歴が分かり、また、現在どの段階の工程にあるのかを把握することが可能となる。
【0026】
以上のようなワークフロー進捗管理システム1において、管理用端末51には、各受付番号の案件について、許容滞留日数を超えて警告が必要となった工程がある場合に、該当案件毎にその工程と滞留日数を示したリスト(滞留状況リスト)を作成する処理(滞留状況リスト作成処理)を行い、また、許容滞留日数を超過している工程の担当部署へ警告を送信する処理(警告送信処理)を行うプログラムが導入されている。
【0027】
また、管理用端末51には、それぞれの工程について許容できる滞留日数を超えて警告が必要となる滞留日数(警告滞留日数)が警告滞留日数設定表として予め設定されている。例えば、工程Aについては、警告滞留日数が3日に設定され、滞留日数が3日となった場合にリスト出力と警告送信をする警告対象としている。また、工程Bについては、警告滞留日数が5日に設定され、工程C,Dについては、警告滞留日数がそれぞれ2日に設定され、滞留日数がそれぞれの設定された日数となった場合にリスト出力と警告送信をする警告対象としている。
【0028】
以下、管理用端末51で行われる処理について、
図3に示すフローチャートに基づき説明する。この管理用端末51で行われる処理は、管理者からの滞留状況リストの作成要請を、管理用端末51の画面上に表示されたリスト作成ボタンをクリックすることにより、また、作成要請のトリガーを発する機械式スイッチやボタンを押下することにより、開始される。あるいは、所定の時刻になった場合や、所定時間間隔毎に自動的に実行させるようにしてもよい。
【0029】
管理用端末51は、滞留状況リストの作成要請を受けると、リストデータをクリアにして受け付け番号1から滞留状況をチェックするために必要な初期化を行う(ステップ62)。
【0030】
その後、受付番号1について、工程管理DB43を参照して、現段階で到達しているが未だ完了していない工程(到達日が記録されているが完了日が記録されていない工程であり、以下、到達後未完了の工程という)と、その工程の到達日を読み取る(ステップ64)。
また、管理用端末51に設定保存されている警告滞留日数設定表を参照して、ステップ54で読み取られた到達後未完了の工程に対して予め設定されている警告滞留日数を読み取る(ステップ66)。
【0031】
そして、滞留状況リストの作成依頼日とステップ54で読み取られた到達後未完了の工程の到達日との差(実際の滞留日数)を算出し(ステップ68)、実際の滞留日数が到達後未完了の工程に対して予め設定された警告滞留日数以上となっているか否かを判定する(ステップ70)。
この判定の結果、実際の滞留日数が到達後未完了の工程に対して予め設定された警告滞留日数以上でないと判定された場合には、受付番号をイクリメントして次の受付番号の案件についても同様に滞留状況をチェックする(ステップ72)。
【0032】
また、ステップ60において、実際の滞留日数が到達後未完了の工程に対して予め設定された警告滞留日数以上であると判定された場合には、その案件について、到達後未完了の工程と実際の滞留日数を滞留状況リストに受付番号と関連づけて追加する(ステップ74)。
【0033】
このような作業を全受付番号に対して行い(ステップ76,72)、全受付番号に対して滞留日数のチェックが終了した段階で、ステップ64でリストアップされた全案件について、到達後未完了の工程と実際の滞留日数を受け付け番号と共に滞留状況リストとしてリスト出力する(ステップ78)。このリスト出力は、画面上に表示するものであっても、プリンタなどでハードコピーとして出力するものであってもよい。
【0034】
そして、管理用端末51は、リスト出力された案件について、作業が警告滞留日数以上に滞留している工程の担当部署に対して警告をメール送信する(ステップ80)。この警告メールの送信は、出力されたリストに掲載されている案件毎に、警告滞留日数以上に滞留している工程の担当部署宛てに自動送信するようにしてもよく、この場合は、管理用端末51からメール送信の依頼を前記メールサーバ20に対して自動的に行うことで実行される。
【0035】
したがって、上述したシステムによれば、一連の工程からなるワークフローにおいて、滞留状況リストの作成要請を受けると、現在の工程が警告滞留日数以上に滞留している案件について、滞留している工程と実際の滞留日数が自動的にリスト出力されるので、管理者は、これを見て直ちに処理が停滞している工程を把握して対応を取ることが可能となり、また、該当工程の担当部署に対して警告がメール送信されるので、担当部署が現在の工程状況の把握を失念することもなくなり、担当部署に速やかな処理を促すことが可能となる。
【0036】
以上は、各工程で予め設定された警告滞留日数以上である場合に担当部署宛てに警告メール送信するものであったが、警告滞留日数を多段階に設定し、段階に応じて警告の送信先を変更するようにしてもよい。
【0037】
例えば、
図4に示されるように、警告滞留日数を各工程で三段階に設定し、滞留日数が少ない第一段階では、現場担当者に対して警告をメール送信し、滞留日数がやや多い第二段階では、現場管理者に対して警告をメール送信し、滞留日数が多い第三段階では、システム管理者に警告をメール送信するようにしてもよい。
この例では、工程Aについてみると、滞留日数が3~4日であれば、現場担当者へ警告をメール送信し、滞留日数が5~6日であれば、現場管理者へ警告をメール送信し、滞留日数が7日以上であればシステム管理者へ警告をメール送信するようにしている。
【0038】
また、予め設定される警告滞留日数は、工程毎に独立して設定されるものであっても、各工程の所要日数の平均値に対して工程毎に調整された滞留日数を付加して決定するようにしてもよい。時期や他の要因によって工程の所要日数が変化する場合もあるので、各工程の所要日数の平均値は、定期的に算出するようにしてもよい。
また、電気の新規申込等のように、案件によっては、申込を完了させなければならない最終期日が存在する場合にあっては、最終期日を見越して各工程で限界となる滞留日数を警告滞留日数として設定するようにしてもよい。
【0039】
さらに、案件を起案したユーザがユーザ端末52を介して本システムにアクセスし、ユーザとして認証されて各種サーバにアクセス可能となった段階で、滞留案件を保持するユーザであれば(工程到達日から警告滞留日数以上が経過していると判定された工程を有する案件を保持するユーザであれば)、ユーザ端末52の画面上に警告をポップアップ表示するようにしてもよい。
このようにすることで、案件を起案したユーザにも滞留状況が共有されることになり、ユーザから問い合わせを受ける等により案件の速やかな処理が期待される。
【0040】
なお、本実施形態においては、WEBサーバ10、メールサーバ20,APサーバ30及びDBサーバ40の各々は、物理的に設置されたマシンのサーバとして説明しているが、一つの物 理 マ シ ン の OS上 に仮想的なマシンのサーバとしてそれぞれの機能のプログラムがインストールされて構成されたものであってもよい。
また、上述の例では、電気の新設申込を例にして説明したが、本システムは、一連の工程からなる他のワークフローの進捗を管理する場合にも同様に利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 ワークフロー進捗管理システム
10 WEBサーバ
20 メールサーバ
30 APサーバ
40 DBサーバ
41 申込データベース
42 工程定義データベース
43 工程管理データベース
51 管理用端末
52 ユーザ端末