(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181798
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】印字システムおよび印字方法
(51)【国際特許分類】
B65B 61/02 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
B65B61/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095142
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安彦 敦夫
(72)【発明者】
【氏名】深谷 宗司
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA12
3E056FA01
3E056FC05
3E056GA03
(57)【要約】
【課題】図柄の内容に関わらず、搬送中の容器に対して明瞭なレーザー印字を施す。
【解決手段】容器を搬送できる搬送装置2と、容器に対してレーザーによる印字を施すことができる印字装置3と、を備える印字システム1であって、搬送装置2が、容器の上下を保持するとともに、保持した容器を所定の経路S1で搬送できるように構成され、印字装置3が、所定の経路S1の傍の、搬送中の容器に対してレーザーによる印字を施すことができる位置に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送できる搬送装置と、
前記容器に対してレーザーによる印字を施すことができる印字装置と、を備える印字システムであって、
前記搬送装置が、前記容器の上下を保持するとともに、保持した前記容器を所定の経路で搬送できるように構成され、
前記印字装置が、前記所定の経路の傍の、搬送中の前記容器に対してレーザーによる印字を施すことができる位置に設けられている印字システム。
【請求項2】
前記搬送装置が、回転可能な回転テーブルと、前記容器の上下を保持可能なロケータ対と、を有し、
前記ロケータ対は、前記回転テーブルの周部に装着されており、
前記所定の経路は、前記回転テーブルの回転軌道に沿う経路である請求項1に記載の印字システム。
【請求項3】
前記ロケータ対が、回転できる態様で前記回転テーブルに装着されている請求項2に記載の印字システム。
【請求項4】
前記回転テーブルおよび前記ロケータ対の回転を独立に制御可能な制御装置をさらに備える請求項3に記載の印字システム。
【請求項5】
前記制御装置が、前記回転テーブルの回転速度に応じて前記ロケータ対の回転速度を制御する制御機能を実行可能であり、
前記制御機能において、前記ロケータ対に保持された状態で搬送されている前記容器の前記印字装置に相対する面の前記印字装置に対する相対速度を抑制するように、前記ロケータ対の回転速度が決定される請求項4に記載の印字システム。
【請求項6】
前記搬送装置がロールラベラである請求項1~5のいずれか一項に記載の印字システム。
【請求項7】
容器の上下を保持するとともに、保持した前記容器を所定の経路で搬送できる搬送装置によって保持および搬送されている前記容器に対して、レーザーを照射して、前記容器に印字を施す印字方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字システムおよび印字方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体製品を販売する場合、各国の法令により、当該液体製品に係る情報を表示することが義務付けられる場合がある。たとえば、液体製品の一例である飲料製品を日本国内において販売する場合、当該飲料製品の内容物である飲料について、名称、保存の方法、消費期限又は賞味期限、原材料名、添加物、内容量、栄養成分の量及び熱量、事業者の氏名又は名称及び住所、ならびに製造所等の所在地、を表示することが義務付けられている(内閣府令第十号食品表示基準第三条)。また、ポリエチレンテレフタレート製飲料用ボトルを容器として飲料製品を販売する場合には、分別回収を容易にするための材質表示を付すことが義務付けられている(資源の有効な利用の促進に関する法律第二十四条)。さらに、業界団体(たとえば、全国清涼飲料工業会)が設定するガイドラインに従った表示が求められる場合がある。
【0003】
このような表示を行う手段として、容器の周囲を包囲するラベルを容器に付与する手段が汎用されている(特許文献1および特許文献2)。しかし近年では、省資源化を志向して、ラベルの面積を減らす、またはラベルの使用自体を廃止する検討がなされており、たとえば特許文献3には、容器本体にレーザー印字を施す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-212862号公報
【特許文献2】特開2015-98350号公報
【特許文献3】特開2021-17248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3は、ペットボトル容器詰め飲料製品の生産における容器の搬送速度において、印字される図柄の領域が比較的大きな領域となるような場合に図柄の視認性を確保しながらレーザー印字を実施することが困難であるという課題に対して、図柄に中抜き領域を設けるという解決手段を提供している。したがって、図柄によっては特許文献3の発明を適用できなかった。特に、法令やガイドライン等に規定される表示事項には文字で表示されるものも多いため、そのような表示を特許文献3の発明を含む従来のレーザー印字技術により実現することは難しかった。
【0006】
そこで、図柄の内容に関わらず、搬送中の容器に対して明瞭なレーザー印字を施しうる印字システムおよび印字方法の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る印字システムは、容器を搬送できる搬送装置と、前記容器に対してレーザーによる印字を施すことができる印字装置と、を備える印字システムであって、前記搬送装置が、前記容器の上下を保持するとともに、保持した前記容器を所定の経路で搬送できるように構成され、前記印字装置が、前記所定の経路の傍の、搬送中の前記容器に対してレーザーによる印字を施すことができる位置に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る印字方法は、容器の上下を保持するとともに、保持した前記容器を所定の経路で搬送できる搬送装置によって保持および搬送されている前記容器に対して、レーザーを照射して、前記容器に印字を施すことを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、レーザー印字を施す対象の容器が、その上下が保持された状態にあるので、従来技術に比べて搬送に伴う振動が抑制されている。そのため、容器においてレーザー光を合焦させやすいので、図柄の内容に関わらず、搬送中の容器に対して明瞭なレーザー印字を施しうる。
【0010】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0011】
本発明に係る印字システムは、一態様として、前記搬送装置が、回転可能な回転テーブルと、前記容器の上下を保持可能なロケータ対と、を有し、前記ロケータ対は、前記回転テーブルの周部に装着されており、前記所定の経路は、前記回転テーブルの回転軌道に沿う経路であることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、本発明に係る印字システムを実装する際の設置面積を抑制できる。
【0013】
本発明に係る印字システムは、一態様として、前記ロケータ対が、回転できる態様で前記回転テーブルに装着されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、各々のロケータ対を印字装置に対して位置合わせできるので、容器上の一定の位置に印字を施しやすい。
【0015】
本発明に係る印字システムは、一態様として、前記回転テーブルおよび前記ロケータ対の回転を独立に制御可能な制御装置をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、印字装置に対する容器の相対位置を精密に制御しやすいため、より明瞭な印字を実施しうる。
【0017】
本発明に係る印字システムは、一態様として、前記制御装置が、前記回転テーブルの回転速度に応じて前記ロケータ対の回転速度を制御する制御機能を実行可能であり、前記制御機能において、前記ロケータ対に保持された状態で搬送されている前記容器の前記印字装置に相対する面の前記印字装置に対する相対速度を抑制するように、前記ロケータ対の回転速度が決定されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、さらに明瞭な印字を実施しうる。
【0019】
本発明に係る印字システムは、一態様として、前記搬送装置がロールラベラであることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、既存の装置であり、かつ、本発明の実施により必要性が低下するロールラベラを転用して本発明を実施できるので、本発明を比較的容易かつ安価に実施できる。
【0021】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る印字システムの上面概略図である。
【
図2】実施形態に係る印字システムの構成要素を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る搬送装置の動作を示す側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る印字システムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る印字システムを、ペットボトルB(容器の例である。)にレーザーによる印字を施すための印字システム1に適用した例について説明する。
【0024】
〔印字システムの構成〕
本実施形態に係る印字システム1は、搬送装置2と、印字装置3と、制御装置4と、を備える(
図1、
図2)。印字システム1は、概して、搬送装置2によって搬送されているペットボトルBが印字装置3の傍を通過する際に、印字装置3によってペットボトルBに対する印字が実行されるように構成されたシステムであり、搬送装置2および印字装置3の動作が制御装置4によって協働的に制御される。
【0025】
搬送装置2は、回転テーブル21と、複数のロケータ対22と、を有する。回転テーブル21は平面図において略円形である。複数のロケータ対22は回転テーブル21の周部に沿って等間隔に装着されており、ロケータ対22を構成する上部ロケータ23と下部ロケータ24との間にペットボトルBを挟持(容器の上下を保持することの例である。)できるように構成されている。ロケータ対22がペットボトルBを挟持した状態で回転テーブル21が回転すると、回転テーブル21の回転軌道に沿う経路(所定の経路の例である。)でペットボトルBが搬送される。なお、回転テーブル21の回転は、不図示のモータにより駆動される。
【0026】
搬送装置2は、受入位置2aにおいて前工程のホイールW1からペットボトルBを受け入れる。受け入れられたペットボトルBは回転軌道に沿う経路で搬送され、その中途に設けられた印字領域Aにおいて印字装置3による印字を受ける。印字が施されたペットボトルBは、排出位置2bにおいて後工程のホイールW2に排出される。
【0027】
ロケータ対22は、回転テーブル21の上板に上部ロケータ23が装着され、回転テーブル21の下板に下部ロケータ24が装着される態様で、回転テーブル21に装着されている(
図3)。上部ロケータ23は、その上部に設けられたカムフォロワ23aが回転テーブル21の上板に内蔵されているカムレール25の上を走行するように構成されており、上部ロケータ23の周方向の位置によって上部ロケータ23の上下位置が決定づけられるようになっている。区間S1(
図1、
図3)では、上部ロケータ23が下側の位置を走行して、上部ロケータ23と下部ロケータ24との間にペットボトルBを挟持できる姿勢が実現される。一方、区間S2(
図1、
図3)では、上部ロケータ23が上側の位置を走行して、ペットボトルBの排出または受入が可能な姿勢が実現される。受入位置2aおよび排出位置2bは、区間S2の両端部分に位置する。
【0028】
下部ロケータ24は、ペットボトルBを支持する支持板24aと、支持板24aの下側に取り付けられたバネ24bと、支持板24aおよびバネ24bを収容するハウジング24cと、を有し、ペットボトルBの底部を収容できるように構成されている(
図3)。上部ロケータ23が下降した姿勢で、上部ロケータ23と下部ロケータ24との間にペットボトルBが介在すると、上部ロケータ23のバネ23bおよび下部ロケータ24のバネ24bの復元力によってペットボトルBが挟持される。
【0029】
それぞれのロケータ対22(上部ロケータ23および下部ロケータ24)は、モータ(不図示)によって回転できる態様で、回転テーブル21に装着されている。したがって、それぞれのロケータ対22、およびロケータ対22に挟持されているペットボトルBは、回転テーブル21の回転による回転運動と、ロケータ対22の回転による回転運動と、が可能である。以下では、回転テーブル21の回転による回転運動を公転といい、ロケータ対22の回転による回転運動を自転という。
【0030】
なお、回転テーブル21の回転角度を特定する公知の装置(エンコーダなど)が設けられており、当該回転角度を特定する信号が制御装置4に送信される。また、回転テーブル21の回転角度と同様に、それぞれのロケータ対22の回転角度を特定する信号も、制御装置4に送信される。これによって、それぞれのロケータ対22の公転軌道における位置および自転角度を、制御装置4が随時特定できる。
【0031】
以上の構成の搬送装置2は、ロールラベラとして従来使用されている装置として実装されてもよい。公知のロールラベラは、ロールラベルを貼付する対象の容器を公転軌道に沿って搬送しながら、ロールラベルの一端部分を容器に貼付し、その後容器を自転させることによってロールラベルを容器に巻き付かせる、という一連の動作によって容器に対するロールラベルの貼付を実現するのであって、この一連の動作を実現できるロールラベラの構成として、回転テーブルと複数のロケータ対との組合せが汎用されている。したがって、公知のロールラベラは、本実施形態に係る搬送装置2としてそのまま使用可能であるか、または軽微な改造の後に使用可能になることが一般的である。
【0032】
印字装置3は、印字対象物に対してレーザー光を照射して、印字対象物の表面を切削する、溶融させる、蒸発させるなどして、当該表面に所望の形状を描写できる装置である。印字装置3自体は、上記の機能を実現可能な公知の装置として実装されうる。印字装置3の、この種の印字装置としての基本的な機能および性能(レーザー光の光源、波長、および出力など)は、ペットボトルBに対して印字を施しうる限度で限定されない。
【0033】
印字装置3は、回転軌道に沿う経路の傍の、搬送中のペットボトルBに対してレーザーによる印字を施すことができる位置に設けられている。より詳細には、印字装置3のレーザーの照射方向が当該経路を向き、その焦点が当該経路と少なくとも部分的に重複するように、印字装置3が設置されている。印字装置3によって印字可能な強度でレーザー光を照射できる範囲とペットボトルBの経路とが重複する領域が、印字装置3によるペットボトルBへの印字が可能な領域であり、印字領域Aとして設定される。
【0034】
なお、印字領域Aの直前に光電センサ5が設けられている(
図1)。光電センサ5の検出範囲をペットボトルBが通過すると、制御装置4に信号が送信される。制御装置4は、この信号に基づいて、印字領域AへのペットボトルBの進入を認識できる。
【0035】
制御装置4は、搬送装置2および印字装置3の動作を制御可能な装置であり、たとえば公知のコンピュータとして実装される。搬送装置2および印字装置3の動作を制御するための信号が、制御装置4から搬送装置2および印字装置3に発信される。また、搬送装置2および印字装置3の動作状態を表す種々の信号が、制御装置4に入力される。また、制御装置4は、使用者に対する諸情報の提示および使用者からの諸情報の入力の受付も実行可能である。
【0036】
〔印字方法〕
次に、本実施形態に係る印字システム1を用いて実行される印字方法の実施形態について説明する。先に説明したように、本実施形態に係る印字方法では、印字システム1(搬送装置2)に受け入れられたペットボトルBが搬送され、その搬送経路の中途に設けられた印字領域Aにおいて印字装置3による印字を受け、印字が施されたペットボトルBが排出位置2bにおいて後工程に排出される。
【0037】
回転テーブル21の回転速度(ペットボトルBの公転速度)は、所望の生産速度や前後の工程の能力などの外的要因によって指定されるため、自由な設定が困難である。一方、ロケータ対22の回転速度(ペットボトルBの自転速度)および回転量(ペットボトルBの自転角度)の変更は、生産速度および前後の工程に影響を与えないため、印字における都合に応じて自由に設定できる。ロケータ対22の回転速度および回転量は、たとえば、生産速度に伴う容器の搬送速度、容器の形状、印字面の印字量、などの諸条件に応じて設定されうる。したがって、本実施形態に係る印字方法では、鮮明かつ精密な印字を行いやすくするべく、回転テーブル21の回転速度に応じてロケータ対22の回転速度を制御する制御機能が、制御装置4によって実行される。
【0038】
印字装置3による印字は、印字対象物に対してレーザー光を照射して熱エネルギーを作用させて、切削や溶融などの物理現象を生じさせる、という作用機序で行われる。そのため、印字が適切に行われるためには、ペットボトルBの印字を行いたい範囲にレーザー光の焦点をできる限り正確に位置合わせする必要がある。この事情から、ペットボトルBの印字装置3に相対する面の印字装置3に対する相対速度が、できる限り遅いことが好ましい。そこで制御機能では、回転テーブル21の回転方向の反対方向にロケータ対22を回転させて、公転による相対速度を自転によって部分的に相殺(抑制)するように制御を行う。たとえば回転テーブル21が時計回りに回転する場合は、ロケータ対22を反時計回りに回転させればよい(
図1)。なお、ロケータ対22の回転は、少なくとも印字領域Aにおいて行われればよく、経路上の他の領域における回転の有無は任意である。
【0039】
ただし、面方向に広がりを持つ印字を施すためには、ペットボトルBに対してレーザー光を掃引する必要がある。この掃引のために印字装置3の側を移動させると、レーザー光自体が振動して合焦に差し支える場合があるので、ペットボトルB側を移動させるべきである。そのため、ペットボトルBの印字装置3に相対する面の印字装置3に対する相対速度が、印字のための掃引に適切な速度になるように、ロケータ対22の回転速度を決定する。
【0040】
なお、本実施形態に係る印字システム1では、印字が行われる際にペットボトルBがロケータ対22に挟持されており、振動が少ない状態でペットボトルBを搬送できる。このことも、ペットボトルB上でレーザー光を合焦させやすくすることに寄与している。これによって、従来の印字システムに比べて鮮明かつ精密な印字が可能になった。したがって、従来は難しかった比較的小さな文字などを明瞭に印字できるので、商習慣上小さな文字で印字されることが多い事項(たとえば、原材料名や事業者の名称などである。)の表示を、レーザー印字によって実現できる。
【0041】
また、制御装置4により、回転テーブル21の回転の開始および停止、印字装置3によるレーザー光の照射の開始および停止、などの制御も実行される。
【0042】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る印字システムおよび印字方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0043】
一変形例として、ロケータ対の下部ロケータが、容器の底部に沿う形状を有していてもよい。たとえば変形例に係るロケータ対26(
図4)では、下部ロケータ27に、ペットボトルBの底部に沿う形状の支持板27aが設けられている。また、ハウジング27cは、上記の実施形態に係る下部ロケータ24のハウジング24cと比べて内側の壁面を切り欠いた形状を有し、支持板27aが下降した際にこれを収容できるようにしてある。なお、バネ27bが設けられている点は上記の実施形態の下部ロケータ24と同様であり、上部ロケータ23の構成も上記の実施形態と同様である。変形例に係るロケータ対26によれば、ペットボトルBの底部が下方のみならず側方も下部ロケータ27に支持されるので、搬送中のペットボトルBの振動が一層抑制される。
【0044】
上記の実施形態では、搬送装置2が回転テーブル21と複数のロケータ対22とを有する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る印字システムにおける搬送装置は、容器の上下を保持するとともに、保持した容器を所定の経路で搬送できる限りにおいて限定されない。したがって、容器の搬送経路は回転軌道に沿う経路に限定されず、たとえば直線状の経路であってもよい。
【0045】
上記の実施形態では、ロケータ対22が回転可能な態様で回転テーブル21に装着されている構成を例として説明した。しかし本発明において、ロケータ対が搬送装置に対して相対的に固定されていてもよい。
【0046】
上記の実施形態では、制御装置4が搬送装置2および印字装置3の動作を制御する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る印字システムにおいて、制御装置が設けられていなくてもよい。たとえば、搬送装置の搬送速度を一定値とし、ロケータ対の回転を機械的に規定する構成が採用されうる。
【0047】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、たとえばペットボトルにレーザーによる印字を施す印字システムに利用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 :印字システム
2 :搬送装置
2a :受入位置
2b :排出位置
3 :印字装置
4 :制御装置
5 :光電センサ
21 :回転テーブル
22 :ロケータ対
23 :上部ロケータ
23a :カムフォロワ
23b :バネ
24 :下部ロケータ
24a :支持板
24b :バネ
24c :ハウジング
25 :カムレール
26 :ロケータ対(変形例)
27 :下部ロケータ(変形例)
27a :支持板(変形例)
27b :バネ(変形例)
27c :ハウジング(変形例)
A :印字領域
B :ペットボトル