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特開2023-181799受診情報処理システム、受診情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181799
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】受診情報処理システム、受診情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231218BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20231218BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095143
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】514323028
【氏名又は名称】株式会社ミラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】谷川 一也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L099AA01
5L099AA24
(57)【要約】
【課題】地方自治体ごとの相違を考慮した受診情報処理システム、受診情報処理装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】自治体ごとに予め定められ、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持し、自治体を特定する自治体特定情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、自治体特定情報で特定される自治体に係る様式情報を取得して、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定してユーザ端末側に提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、受診情報処理装置と、医療機関側端末とを含み、
前記受診情報処理装置は、
自治体ごとに予め定められ、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持する保持手段と、
自治体を特定する自治体特定情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、前記自治体特定情報で特定される自治体に係る前記様式情報を取得し、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、前記受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定する生成手段と、
前記生成した受診者入力フォームを前記ユーザ端末側に提示し、前記ユーザ端末から当該受信者入力フォーム上の入力欄への情報入力を受け入れる入力受入手段と、
前記受診者入力フォーム内の入力欄ごとの設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記記憶している設定値を前記医療機関側端末に送信する送信手段と、
を含む受診情報処理システム。
【請求項2】
ユーザ端末と医療機関側端末とに接続される受診情報処理装置であって、
自治体ごとに予め定められ、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持する保持手段と、
自治体を特定する自治体特定情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、前記自治体特定情報で特定される自治体に係る前記様式情報を取得し、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、前記受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定する生成手段と、
前記生成した受診者入力フォームを前記ユーザ端末側に提示し、前記ユーザ端末から当該受信者入力フォーム上の入力欄への情報入力を受け入れる入力受入手段と、
前記受診者入力フォーム内の入力欄ごとの設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記記憶している設定値を、前記医療機関側端末に送信する送信手段と、
を含む受診情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の受診情報処理装置であって、
前記送信手段は、前記記憶している設定値と、対応する受診者入力フォームとを前記医療機関側端末に送信して、医療機関側端末において、受診者入力フォームの画面上で設定値の確認を可能とする受診情報処理装置。
【請求項4】
ユーザ端末と医療機関側端末とに接続される受診情報処理装置を、
自治体ごとに予め定められ、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持する保持手段と、
自治体を特定する自治体特定情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、前記自治体特定情報で特定される自治体に係る前記様式情報を取得し、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、前記受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定する生成手段と、
前記生成した受診者入力フォームを前記ユーザ端末側に提示し、前記ユーザ端末から当該受信者入力フォーム上の入力欄への情報入力を受け入れる入力受入手段と、
前記受診者入力フォーム内の入力欄ごとの設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記記憶している設定値と、対応する受診者入力フォームとを前記医療機関側端末に送信する送信手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受診情報処理システム、受診情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児の保護者に対し、予防接種等の計画支援や、医療機関への代行予約サービスを提供するためのシステムが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-018337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、乳幼児の健診や予防接種等は、法令などに基づいて地方自治体が実施するもので、その予約や予診などに用いられるフォームは地方自治体によって異なっているのが一般的である。上記従来例のシステムでは、予約などのスケジュール管理はできるものの、上記地方自治体によって異なる事情が考慮されていない。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、実施者である地方自治体ごとの相違を考慮した受診情報処理システム、受診情報処理装置、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る受診情報処理装置は、ユーザ端末と医療機関側端末とに接続されるもので、自治体ごとに予め定められ、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持する保持手段と、自治体を特定する自治体特定情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、前記自治体特定情報で特定される自治体に係る前記様式情報を取得し、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、前記受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定する生成手段と、前記生成した受診者入力フォームを前記ユーザ端末側に提示し、前記ユーザ端末から当該受信者入力フォーム上の入力欄への情報入力を受け入れる入力受入手段と、前記受診者入力フォーム内の入力欄ごとの設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記記憶している設定値を前記医療機関側端末に送信する送信手段と、を含むこととしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、地方自治体ごとの相違を考慮した処理を実行可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る受診情報処理システムの構成例を表すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る受診情報処理システムで用いられる様式情報データベースの内容例を表す説明図である。
図3】本発明の実施の形態に係る受診情報処理装置の例を表す機能ブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る受診情報処理装置が提示する画面の例を表す説明図である。
図5】本発明の実施の形態に係る受診情報処理システムの動作例を表すフローチャート図である。
図6】本発明の実施の形態に係る受診情報処理システムの動作例を表すもう一つのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る受診情報処理システム1は、図1に例示するように、受診情報処理装置10と、ユーザ側端末20と、医療機関側端末30とを含む。
【0010】
ここでユーザ側端末20は、例えばスマートフォン等の携帯端末、あるいはタブレット端末や、一般的なパーソナルコンピュータ等のデバイスであり、ウェブブラウザとしての機能を有するものとする。
【0011】
医療機関側端末30は、一般的なパーソナルコンピュータや、タブレット端末等であり、好適にはバーコードあるいは二次元バーコードを読み取り可能なリーダないしカメラを備える。また本実施の形態では、この医療機関側端末30も、ウェブブラウザとしての機能を有するものとする。
【0012】
受診情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備えたサーバ装置であり、入力するべき情報を規定する様式情報を保持するデータベースにアクセス可能に接続されている。この様式情報は、それぞれ受診の内容を表す受診種別の情報に関連付けられて保持され、
・国などによって自治体を問わずその入力するべき情報(様式情報)が固定され、決められているもの(以下では標準様式と呼ぶ)、
・地方の自治体を特定する自治体特定情報にさらに関連付けられ、当該自治体特定情報で特定される自治体によって、入力するべき情報や、その入力順などが定められているもの(つまり自治体ごとに入力するべき情報や順序などが異なり得るもの、以下では非標準様式と呼ぶ)、
などがあり、このデータベースには少なくとも、非標準様式である自治体ごとの様式情報が保持されているものとする。
【0013】
この受診情報処理装置10の制御部11は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムにしたがって動作する。本実施の形態の一例においてこの制御部11は、自治体を特定する自治体特定情報と、受診の内容を表す情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れて、当該受診の内容を表す情報、及び、自治体特定情報で特定される自治体に係る様式情報を取得する。そして制御部11は、当該様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成し、当該生成した受診者入力フォームに含まれる入力欄のうち、受け入れた受診者特定情報により設定可能な入力欄の入力値を設定する。
【0014】
またこの制御部11は、当該生成した受診者入力フォームを、ユーザ側端末20に提示し、ユーザ端末から当該受信者入力フォーム上の入力欄への情報入力を受け入れる。制御部11は、受診者入力フォーム内の入力欄ごとの設定値を記憶し、この記憶している設定値と、対応する受診者入力フォームとを医療機関側端末30に送信する。この受診情報処理装置10の制御部11の具体的な動作については後に詳しく述べる。
【0015】
記憶部12は、メモリデバイスやディスクデバイスなどであり、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。またこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0016】
通信部13は、ネットワークインタフェースなどであり、制御部11から入力される指示に従い、種々の情報をネットワークを介してユーザ側端末20や医療機関側端末30へ送出する。またこの通信部13は、ネットワークを介して受信した情報を、制御部11に出力する。
【0017】
次に、受診情報処理装置10の制御部11の動作例について説明する。本実施の形態の例では、既に述べたように、この受診情報処理装置10は、少なくとも自治体ごとに予め定められた非標準様式であって、少なくとも入力するべき情報を規定する様式情報を保持する様式情報データベースにアクセス可能に接続されている。本実施の形態の一例では、この様式情報データベースは、記憶部12に格納されているものとする。もっともこれは一例に過ぎず、様式情報データベースは、ネットワークを介して通信可能な外部のサーバ装置に格納されていてもよい。
【0018】
このデータベースには、図2に例示するように、自治体を特定する自治体特定情報(T)ごとに、当該自治体において利用されている、受診の内容、すなわち予診(問診)票の種別を表す情報(D:例えば「インフルエンザ予防接種」などといった文字列でよい)と、予診(問診)用の記入用紙のイメージ(G)と、この記入用紙に記入するべき情報の項目を特定する項目情報(M)と、当該項目情報に対応する記入欄の記入用紙上での範囲(領域)を特定する情報(R)とが関連付けて様式情報として記録されている。
【0019】
制御部11は、記憶部12に格納されているプログラムを実行することで、図3に例示するように、様式情報取得部21と、フォーム生成部22と、入力値設定部23と、ユーザ提示部24と、入力受入部25と、情報記録部26と、医療機関側情報提示部27とを機能的に含んだ構成を実現する。
【0020】
本実施の形態の以下の例では、自治体側の担当者が、当該自治体が管轄する地域に在住する乳幼児(受診者)に対する定期接種の案内を行う場合を例として説明する。
【0021】
様式情報取得部21は、自治体側から、当該自治体を特定する自治体特定情報と、生成するべき予診(問診)票の種別を表す情報と、受診者を特定する受診者特定情報とを受け入れる。この受診者特定情報には、受診者である乳幼児の氏名、住所、生年月日と、当該乳幼児の保護者の氏名及び住所が含まれるものとする。様式情報取得部22は、上記受け入れた自治体特定情報をキーとして、様式情報データベースを検索し、当該自治体特定情報に関連付けられた、指定された種別の様式情報を取得する。
【0022】
フォーム生成部22は、様式情報取得部21で取得した様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成する。具体的に、このフォーム生成部22は、様式情報に含まれる記入用紙のイメージ(G)を背景として、記入するべき情報の項目に対応する領域ごとに入力欄(P1,P2…)を配した入力画面(図4)を表す情報を生成する。この入力画面を表す情報は、例えばHTMLなどで記述される。
【0023】
入力値設定部23は、フォーム生成部22が生成した入力画面に含まれる入力欄のうち、対応する情報の項目が、受診者特定情報に含まれている入力欄について、その入力値を、様式情報取得部21で受け入れた受診者特定情報を利用して設定する。
【0024】
具体的な例として、ある自治体に係る様式情報として、記入用紙上で記入するべき情報の項目が、
・受診者氏名
・受診者住所
・受診者生年月日
・保護者氏名
・保護者住所
・受診日
・受診日体温
・既往症情報
・自由記入欄
といったものであるとする。ここでの例では、自治体側から受け入れた受診者特定情報に受診者である乳幼児の氏名、住所、生年月日と、当該乳幼児の保護者の氏名及び住所が含まれるものとしているので、入力値設定部23は、上記の項目のうち、
・受診日
・受診日体温
・既往症情報
・自由記入欄
を除く各入力欄に、受診者特定情報に含まれる対応する情報を設定したHTMLデータを提示用フォームデータ(本発明の受診者入力フォームに相当する)として生成し、記憶部12に格納しておく。ここでは上記受診者氏名などの入力欄に、受診者特定情報に含まれる情報で特定された文字列データをデフォルトの文字列として設定した(またその入力欄を変更不能とした)HTMLデータを提示用フォームデータとして生成することとする。このような方法でHTMLデータを加工する方法は広く知られているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
ユーザ提示部24は、ユーザ端末20からのアクセスを受けて当該ユーザ端末20のユーザを認証する。本実施の形態の例では、受診情報処理装置10は、ユーザ(ここでの例では保護者とする)として、ログイン名やパスワードなどの認証情報と、ユーザである保護者の本名である氏名、住所、及び、その子(受診者である乳幼児)の氏名、生年月日の情報を記録したユーザデータベースにアクセス可能に接続されているものとする。
【0026】
ユーザ提示部24は、上記認証情報を用いて認証したユーザに関連付けて、ユーザデータベースに格納されている保護者の本名である氏名、住所、及び、その子(受診者である乳幼児)の氏名、生年月日の情報を取得し、当該取得した情報に、対応する情報の項目に設定された入力値が一致するHTMLデータを、記憶部12に格納した提示用フォームデータのうちから検索する。
【0027】
ユーザ提示部24は、この検索の結果見いだされた提示用フォームデータを、アクセス元のユーザ端末20に対して送出し、ユーザ端末20に表示させる。これによりユーザ端末20には、図4に例示した入力画面のうち、受診者氏名等、一部の入力欄に、自治体側から設定された情報が既に入力された状態の入力画面が提示される。
【0028】
入力受入部25は、ユーザ提示部24が提示した入力画面の各入力欄に、ユーザ側端末20のユーザが入力した情報を受け入れる。情報記録部26は、入力受入部25が受け入れた情報(入力値)と、対応する情報の項目を表す情報とを関連付けて、記録情報として記憶部12に記録する。さらに情報記録部26は、記録する情報を受け入れたユーザ提示部24がユーザ端末20に対して提示していた提示用フォームデータを特定する情報を、併せて記録しておいてもよい。また、このとき情報記録部26は、入力受入部25が受け入れた情報ごとに固有の識別情報を発行し、当該識別情報に関連付けて記録情報を格納する。そして情報記録部26は、この識別情報を、記録した情報の入力を行ったユーザ端末20に対して送出する。このとき情報記録部26は、当該識別情報をコンピュータ可読な符号画像情報、例えばバーコードや二次元バーコードその他の符号画像情報に変換して、ユーザ端末20に送出してもよい。
【0029】
医療機関側情報提示部27は、医療機関側に配された医療機関側端末30から識別情報とともに当該識別情報に関連付けて保持している記録情報の要求を受け入れる。医療機関側情報提示部27は、当該受け入れた識別情報に関連付けて格納された記録情報を記憶部12から検索し、検索の結果、見出された記録情報を、医療機関側端末30に対して送出する。
【0030】
なお、情報記録部26が記録情報とともに対応する提示用フォームデータを記録しているときには、医療機関側情報提示部27は、検索の結果見出した記録情報を送出する際に、対応する提示用フォームデータを用いてフォーマットした状態で送信してもよい。すなわち医療機関側情報提示部27は、送出する記録情報に含まれる情報の項目ごとに、対応する提示用フォームデータの対応する情報の項目の入力欄に相当する位置に、当該情報の項目に関連付けられた入力値を表示する画面を送信してもよい。このような画面はHTMLデータである提示用フォームデータを広く知られた方法で加工することで(例えば入力欄にデフォルトの値として入力値を設定し、当該入力欄を編集不可の設定とすることで)得られる。
【0031】
[動作]
本実施の形態の受診情報処理システム1は、基本的に以上の構成を備えており、次のように動作する。なお、以下の例では、ある自治体Aにおいて、受診者氏名、受診者住所、受診者生年月日、保護者氏名、保護者住所、受診日、受診日体温、既往症情報、自由記入欄、の各情報項目に対応する記入欄を有する、乳幼児の定期接種用の記入用紙の様式aが定められているものとする。そして様式情報データベースには、当該自治体Aを特定する自治体特定情報に関連付けて、予診(問診)票の種別を表す情報(ここでは「定期接種」)と、上記様式aの記入用紙のイメージと、記入用紙に記入するべき上記情報の項目を特定する項目情報と、当該項目情報に対応する記入欄の記入用紙上での範囲(領域)を特定する情報とが関連付けて様式情報として格納されているものとする。
【0032】
受診情報処理装置10は、自治体Aの端末から、予診(問診)票の種別を表す情報と、当該自治体Aを特定する自治体特定情報と、自治体Aの管轄地域に居住する受診者を特定する受診者特定情報(一般に複数)とを受け入れる。以下の例では、この受診者特定情報に、受診者である乳幼児の氏名、住所、生年月日と、当該乳幼児の保護者の氏名及び住所が含まれるものとする。
【0033】
受診情報処理装置10は、自治体Aの端末から受け入れた自治体特定情報及び種別を表す情報をキーとして、様式情報データベースを検索し、当該自治体特定情報に関連付けられた、指定された種別の様式情報を取得する。
【0034】
受診情報処理装置10は、受け入れた受診者特定情報ごとに、取得した様式情報で規定される情報の入力欄を含む受診者入力フォームを生成する。すなわち受診情報処理装置10は、受診者特定情報ごとに、取得した様式情報に含まれる記入用紙のイメージ(G)を背景として、記入するべき情報の項目に対応する領域ごとに入力欄(P1,P2…)を配した入力画面を表す情報を生成し、さらにこの入力画面に含まれる入力欄のうち、対応する情報の項目が、受診者特定情報に含まれている入力欄について、その入力値を、受診者特定情報を利用して設定する。ここでの例では自治体Aから受け入れた複数の受診者特定情報に基づき、当該複数の受診者特定情報のそれぞれに含まれる受診者氏名、受診者住所、受診者生年月日、保護者氏名、保護者住所が、対応する入力欄に設定された複数のHTMLデータを、それぞれ提示用フォームデータとして生成して、記憶部12に格納する。
【0035】
なお、受診情報処理装置10は、このとき、受診者特定情報に保護者のメールアドレスなど、保護者へのメッセージの送信先を表す情報が含まれていれば、当該情報が表す送信先に、提示用フォームデータの準備があることを表すメッセージを送出してもよい。
【0036】
その後、保護者が自己のスマートフォンであるユーザ端末20を操作し、受診情報処理装置10にアクセスすると、受診情報処理装置10は、図5に例示するように、このユーザを、予め登録されたログイン名や、パスワード等により認証する(S11)。受診情報処理装置10は、認証したユーザに関連付けて予め登録されている保護者の氏名や住所、受診者である乳幼児の氏名、生年月日の情報を取得し、当該取得した情報に、対応する情報の項目に設定された入力値が一致する提示用フォームデータを、記憶部12に格納した複数の提示用フォームデータのうちから検索する(S12)。
【0037】
受診情報処理装置10は、ステップS12の検索の結果、見いだされた提示用フォームデータを、アクセス元のユーザ端末20に対して送出する(S13)。
【0038】
ユーザ端末20は、この提示用フォームデータであるHTMLデータを表示してユーザに提示する。すると、図4に例示した入力画面のうち、受診者氏名等、一部の入力欄に、自治体側から設定された情報が既に入力された状態の入力画面が提示されることになる。
【0039】
ユーザである保護者は、ユーザ端末20を操作し、この入力画面で、未入力の状態にある受診日、受診日体温、既往症情報、自由記入欄などの入力欄に、対応する情報を入力して、提出(submit)操作を行う(S14)。
【0040】
受診情報処理装置10は、ユーザ側端末20のユーザが入力した情報を受け入れる。上記提示用フォームデータのHTMLデータを用いると、ユーザ側端末20からは、受診者氏名、受診者住所、受診者生年月日、保護者氏名、保護者住所、受診日、受診日体温、既往症情報、自由記入欄、の各情報項目に対応する記入欄に入力された情報(入力値)が送出されるので、受診情報処理装置10は、これらの情報を受け入れることになる。
【0041】
受診情報処理装置10は、固有の識別情報を発行して(S15)、各情報項目を表す情報と、各情報項目に対応してステップS14で受け入れた入力値とを互いに関連付けた記録情報を生成する(S16)。そして受診情報処理装置10は、ステップS15で発行した識別情報と、ステップS16で生成した記録情報と関連付けて記憶部12に記録する(S17)。なお、このとき受診情報処理装置10は、ステップS13でユーザ端末20に対して送出した提示用フォームデータを特定する情報を、併せて記録しておく。
【0042】
また受診情報処理装置10は、ステップS15で発行した識別情報を二次元バーコードに符号化し、当該二次元バーコードを提示する画面を、ユーザ端末20に送出する(S18)。具体的には、電子メールやメッセージ等によりこの二次元バーコードの画像を送出してもよいし、ブラウザの画面に表示させることとしてもよい。
【0043】
ユーザである保護者はその後、受診者とともに、自治体Aの管轄地域内の医療機関に訪れて、そこで上記二次元バーコードの画面を提示する。この医療機関側端末30は、担当者の操作により二次元バーコードを読み取って、図6に例示する処理を開始し、符号化されている識別情報を取得し(S21)、当該識別情報を記憶する(S22)。なお、ステップS21、S22を繰り返して実行し、複数の(上限を設けてもよい)識別情報を記憶してもよい。
【0044】
医療機関側端末30は、担当者の操作により、記憶している識別情報ごとに次の処理を実行する。医療機関側端末30は、受診情報処理装置10にアクセスし、識別情報と、当該識別情報に関連付けて保持している記録情報の要求とを送出する(S23)。
【0045】
受診情報処理装置10は、この要求を受けて、受け入れた識別情報に関連付けて格納された記録情報を記憶部12から検索し(S24)、検索の結果、見出された記録情報を、医療機関側端末30に対して送出する(S25)。
【0046】
このステップS25では、見出した記録情報に対応する提示用フォームデータを用い、記録情報に含まれる情報の項目ごとに、対応する提示用フォームデータの対応する情報の項目の入力欄に相当する位置に、当該情報の項目に関連付けられた入力値を表示した画面を生成して送信する。
【0047】
医療機関側端末30では、この画面を受信して記録する(S26)。記憶している識別情報についてステップS23からS26の処理を実行すると、医療機関側端末30は、受信した情報(入力値の少なくとも一部)の一覧、または受信してステップS26にて記録した画面(詳細表示)を、担当者の操作に応じて表示する(S27:情報表示)。担当者は、この画面を参照し、受診者を案内する。
【0048】
本実施の形態のこの例によると、保護者や受診者、医療機関側の担当者のいずれも、用紙を用いた記入、確認と同じフォーマットの画面にて情報の入力、確認を行うことができ、定期受診等の実施者である地方自治体ごとの相違を考慮した処理が行われる。
【0049】
また、ここでの例に示した通り、医療機関側端末30では、複数の識別情報を蓄積しておき、その後、蓄積した識別情報に係る受診用の情報(予診・問診の情報)を、受診情報処理装置10から取得することが可能となっている。さらに医療機関側端末30では、受診用の情報の取得後、これらの情報を一覧で表示し、また、一覧から選択した情報の詳細を表示させることも可能としている。
【0050】
なお、一覧の際に、2次元バーコードの読み取り等の方法で取得した識別情報については、その取得順序の順に配列可能とするため、情報の取得時に、取得日時を表す情報を関連付けて当該情報を蓄積し、取得日時順に一覧を生成してもよい。
【0051】
この例によると、医療機関側において受け付けのみを先に行い、その後に受診者ごとの対応を行うことが可能となり、受け付け時の効率を向上できる。
【0052】
[入力値を含まないフォームデータの提供]
またここまでの説明では、自治体側からの指示により受診情報処理装置10が、予診(問診)票に相当する提示用フォームデータを生成してユーザ側に提示することとしていたが、本実施の形態はこれだけに限られない。
【0053】
例えば本実施の形態の受診情報処理装置10は、認証したユーザから入力される指示に従い、提示用フォームデータを生成してもよい。この場合、自治体側から提供される情報がないため、受診情報処理装置10は、当該ユーザに対し、居住する地域の自治体を特定する自治体特定情報と、生成するべき予診(問診)票の種別を表す情報とを入力させるか、ログイン時の認証情報に関連付けられたユーザデータベース内の情報(例えば住所の情報等)からユーザが居住する地域の自治体を特定する自治体特定情報を得て、ユーザに生成するべき予診(問診)票の種別を表す情報を入力させる。
【0054】
受診情報処理装置10は、得られた自治体特定情報と、入力された種別の情報とをキーとして様式情報を取得し、入力欄が空の状態の提示用フォームデータを生成して、図5のステップS13以下の処理を実行する。なお、このとき、ログイン時の認証情報に関連付けられたユーザデータベース内の情報に含まれている情報で入力値が定められる入力欄については、当該定められる入力値を設定してから図5のステップS13以下の処理を実行してもよい。
【0055】
また受診情報処理装置10は、例えば予防接種の種別と、接種に適した受診者の月齢(または年齢)の範囲とを関連付けた接種適齢情報を保持していてもよい。
【0056】
この場合、受診情報処理装置10は、ユーザを認証した後、当該認証したユーザに関連付けて予め登録されている、受診者である乳幼児の氏名、生年月日の情報を取得し、当該取得した情報に基づいて提示用フォームデータを検索するとともに、提示用フォームデータに対応する予防接種とは異なる予防接種であって、受診者の生年月日の情報と現在(処理の時点)の日時の情報とから求められる受診者の月齢(または年齢)に関連付けられて接種適齢情報に記録されている予防接種の種別の情報を取得する。
【0057】
この例では、受診情報処理装置10は、取得した情報が表す予防接種の種別に対応する予診(問診)票の種別の情報を一覧としてユーザに提示し、ユーザが、生成するべき予診(問診)票の種別を表す情報を選択可能とする。
【0058】
さらに本実施の形態のある例では、医師会等の指示に基づいて、例えば流行の状況に応じた予防接種の接種優先度の情報が予防接種の種類の情報に関連付けて、接種適齢情報に含めて記録されていてもよい。
【0059】
この場合、受診情報処理装置10は、検索により見出した提示用フォームデータに対応する予防接種とは異なる予防接種であって、受診者の生年月日の情報と現在(処理の時点)の日時の情報とから求められる受診者の月齢(または年齢)に関連付けられて接種適齢情報に記録されている予防接種の種別の情報を、その接種優先度の情報順に並べ替えてユーザに提示してもよい。
【0060】
[複数の予診票への情報入力]
また本実施の形態の受診情報処理装置10は、図5のステップS17で記録情報を記録する際に、その記録日時の情報を関連付けて記録してもよい。そして受診情報処理装置10は、図5の処理のステップS13において、提示用フォームデータをユーザ端末20に対して送出する前に、この処理の実行日を記録日時とした、同じ受診者に係る記録情報が記憶部12に格納されているか否かを検索する。
【0061】
そして検索の結果、処理の実行日を記録日時とした、同じ受診者に係る記録情報が記憶部12に格納されていれば、受診情報処理装置10は、当該検索で見出された記録情報を参照情報として取得する。
【0062】
受診情報処理装置10は、送出しようとする提示用フォームデータにおいて設定されている受診者を特定する情報、すなわち保護者の氏名や住所、受診者の氏名、生年月日が、参照情報の対応する情報と一致しているか否かを調べ、一致していれば、提示用フォームデータによって表示される入力画面に含まれる入力欄のうち、対応する情報の項目が、参照情報に含まれている入力欄(受診者を特定する情報を除いてもよい)について、その入力値を、参照情報と同じ値に設定する。
【0063】
これにより、ある受診者について一度入力を行えば、同じ受診日の体温や、その日までの既往症情報等がその後に入力するべき同じ項目についても同様に設定されることとなり、ユーザの利便性が向上する。
【0064】
[医療機関側での記録情報の参照]
また医療機関側端末30では、受診情報処理装置10から記録情報を取得したときにその内容を検証してもよい。この場合医療機関側端末30は、受診情報処理装置10から上記ステップS25の処理において記録情報を表示した提示用フォームデータの画面のほかに、記録情報そのものを取得してもよい。
【0065】
例えば医療機関では、同じ受診者に対して同日に2以上のワクチン接種などを行う場合がある。このような場合に医療機関側端末30は、当該受診者に係る、それぞれの接種に関する予診(問診)票の記録情報を続けて取得して処理することが好適である。そこで医療機関側端末30では、一人の受診者あたり複数の記録情報を、受診情報処理装置10から取得してもよい。
【0066】
このとき医療機関側端末30は、同一の受診者に係る複数の予診(問診)票の記録情報を対比し、共通の情報の項目に係る情報が一致しているか否かを調べることとしてもよい。医療機関側端末30は、ここで共通の情報の項目に係る情報が一致していない場合は、操作者に対してその旨を通知する。
【0067】
一例として本実施の形態の医療機関側端末30は、同一の受診者に係る複数の予診(問診)票の記録情報を取得したときに、当該記録情報にそれぞれ含まれる、
・受診者氏名
・受診者住所
・受診者生年月日
・保護者氏名
・保護者住所
・受診日
・受診日体温
・既往症情報
などの対応する情報の項目を互いに対比する。そして例えば複数の記録情報においてそれぞれに含まれる受診日の体温が異なっているときには、その旨を操作者に通知する。
【0068】
また医療機関側端末30は、受診者の住所など、予め定めた項目(住所など、表記ゆれが生じ得るものなどを予め指定しておく)について複数の記録情報間で互いに相違がある場合であって、その相違が所定のものであるときには、いずれか一つの記録情報の記載に合わせて他の記録情報を修正してもよい。この際には、相違があった旨の通知を行う必要は必ずしもない。
【0069】
ここで相違が所定のものであるとは、例えばその相違が空白の数の差である場合や、数値が漢数字かアラビア数字か等の相違、また、住所表記において「丁目」が「-(ハイフン)」で記述されている場合など、予めその相違に係る条件を定めておくものとする。
【0070】
医療機関側端末30は、複数の記録情報間で互いに相違がある上記の場合にいずれかの記録情報(基準情報と呼ぶ)の記載に合わせて、各記録情報を修正するときには、複数の記録情報のうちに、標準様式に係るものがあるか否かを調べ、標準様式に係るものがあれば、その記録情報を基準情報として、他の記録情報を修正することとしてよい。
【0071】
さらに医療機関側端末30は、一人の受診者に対して複数の記録情報を受け入れたとき、同日に処置できない内容(例えば生ワクチンと不活化ワクチンとのように、行政により接種期間をおくべきとされている2以上のワクチンの接種など)に係る記録情報があったときには、その旨を操作者に通知してもよい。
【0072】
すなわち医療機関側端末30は、記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報ごとに、当該種別とは同日に処理できない種別を特定する情報(便宜的に忌避情報と呼ぶ)を予め保持しておく。そして医療機関側端末30は、受診者ごとに、取得した複数の記録情報のそれぞれについて、当該記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報を取得し、さらに当該取得した情報に関連付けられている忌避情報を取得する。
【0073】
医療機関側端末30は、取得した忌避情報のうちに、同じ受診者に関して取得した記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報が含まれていれば、その旨を操作者に通知する。
【0074】
なお、ここでの説明では医療機関側端末30が受診情報処理装置10から記録情報を取得したときにその内容を検証することとしたが、これに代えて受診情報処理装置10が医療機関側端末30から記録情報の要求を受けたときに、当該要求とともに受け入れた識別情報に関連付けて格納された記録情報を記憶部12から検索し、共通の受診者に対する複数の記録情報が検索により見出されたときにその検証の処理を行って、その結果を医療機関側端末30に提示することとしてもよい。
【0075】
この例では受診情報処理装置10は、同一の受診者に係る複数の予診(問診)票の記録情報を対比し、共通の情報の項目に係る情報が一致しているか否かを調べる。そして受診情報処理装置10は、ここで共通の情報の項目に係る情報が一致していない場合は、要求元の医療機関側端末30に対してその旨を通知する。
【0076】
例えば同じ受診者に係る複数の記録情報においてそれぞれに含まれる受診日の体温が異なっているときには、受診情報処理装置10は、要求元の医療機関側端末30に対してその旨を通知する。
【0077】
またこの例でも、受診者の住所など、予め定めた項目(住所など、表記ゆれが生じ得るものなどを予め指定しておく)について複数の記録情報間で互いに相違がある場合であって、その相違が所定のものであるときには、受診情報処理装置10は、いずれか一つの記録情報の記載に合わせて他の記録情報を修正してから提示用の情報を生成して医療機関側端末30に対して送出してもよい。この際には、相違があった旨の通知を行う必要は必ずしもない。ここでの相違の例については既に述べた例と同様のものであるので繰り返しての説明は省略する。
【0078】
また受診情報処理装置10は、複数の記録情報間で互いに相違がある上記の場合にいずれかの記録情報(基準情報と呼ぶ)の記載に合わせて、各記録情報を修正するときには、複数の記録情報のうちに、標準様式に係るものがあるか否かを調べ、標準様式に係るものがあれば、その記録情報を基準情報として、他の記録情報を修正することとしてよい。
【0079】
さらに受診情報処理装置10は、同じ受診者に対して複数の記録情報を検索により見出したとき、同日に処置できない内容(例えば生ワクチンと不活化ワクチンとのように、行政により接種期間をおくべきとされている2以上のワクチンの接種など)に係る記録情報があったときには、その旨を医療機関側端末30に通知してもよい。
【0080】
この場合受診情報処理装置10は、記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報ごとに、当該種別とは同日に処理できない種別を特定する情報(便宜的に忌避情報と呼ぶ)を予め保持しておく。そして受診情報処理装置10は、検索により見出した、共通の受診者に対する複数の記録情報のそれぞれについて当該記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報を取得し、さらに当該取得した情報に関連付けられている忌避情報を取得する。
【0081】
医療機関側端末30は、取得した忌避情報のうちに、同じ受診者に関して取得した記録情報に係る予診(問診)票の種別の情報が含まれていれば、その旨を医療機関側端末30に通知する。
【0082】
さらに上述の例で、受診情報処理装置10は、同じ受診者に対して同日に処置できない複数の処置に係る記録情報があったときには、当該複数の処置に係る記録情報のすべての可能な組み合わせ(数学的に可能な組み合わせ)であって、どの組み合わせにも同日に処置できない複数の処置がない組み合わせを列挙する。
【0083】
そして受診情報処理装置10は、当該組み合わせを医療機関側端末30の操作者に提示する。この際、受診情報処理装置10は、組み合わせの数が最も小さくなる組み合わせを優先的に(例えばなるべく上位に)提示してもよい。
【0084】
具体的に、この受診情報処理装置10の動作を、複数の処置A,B,Cに係る記録情報を見出した場合を例として説明する。なお、ここでは処置A,Bが同日に処置できない処置であるとする。この場合受診情報処理装置10は、すべての可能な組み合わせ:
パターンα:A,B,C、
パターンβ:(AB),C、
パターンγ:A,(BC)
パターンδ:(AC),B
パターンε:(ABC)
のうち、どの組み合わせにも同日に処置できない複数の処置がない組み合わせ(以下、忌避後の組み合わせと呼ぶ):
パターンα:A,B,C、
パターンγ:A,(BC)
パターンδ:(AC),B
を列挙する。なお、ここでは括弧で括られた複数の処置は同日に処置することを意味するものとする。つまり、最初のA,B,Cはすべての処置を異日に行うことを意味し、すべての処置を完了するまでに3日間を要することを意味する。また、A,(BC)は、Aの処置を行う日と、B,Cの処置を行う日(B,Cは同日に行う)とを分けることを意味する。
【0085】
そしてこの例では、受診情報処理装置10は、すべての処置の組み合わせの日数が最も少ない、パターンγと、パターンδとを、パターンαよりも優先的に提示する。
【0086】
さらに受診情報処理装置10は、処置ごとに、他の処置との間で置くべき時間間隔が定められる場合は、当該情報を参照してもよい。例えば上述の例で、処置Aの処置の後、処置Bまでは10日おくべきであり、処置Bの処置の後、処置Aまでは5日おくべきである、などといった情報を保持しておき、当該情報を参照して上述の処理を行ってもよい。
【0087】
この場合受診情報処理装置10は、すべての処置が完了するまでの日数が最も少ないものを優先的に提示してもよい。具体的に先の例であれば、受診情報処理装置10は、忌避後の組み合わせに係る順列を列挙する。例えばパターンγについては、
パターンγ1:A,(BC)
パターンγ2:(BC),A
を列挙する(従ってパターンαでは6通り、パターンδで2通りの合計10通りが列挙される)。そして、受診情報処理装置10は、これらの処置の組み合わせの順列のうち、日数が最も少なく、開始から終了までの期間が短いものから順に優先的に提示する。上記の例であれば、パターンγ1:A,(BC)は、Aから(BC)まで10日を要し、パターンγ2:(BC),Aでは5日を要する。従って受診情報処理装置10は、パターンγ2を、パターンγ1より優先的に提示する。同様に受診情報処理装置10は、パターンδ1:(AC),Bよりも、パターンδ2:B,(AC)を優先的に提示する。
【0088】
さらにこの例において受診情報処理装置10は、医師会などの設定により、流行などを考慮して、処置の優先度が設定されている場合は、当該優先度の情報を参照してもよい。例えば処置A,Bよりも処置Cを優先するべき旨の設定がされていれば、パターンγ1よりもパターンγ2を優先し、さらに、パターンδ2よりもパターンδ1を優先的に提示する。ここで、日数の条件と優先度の条件とが相容れないこともあり得るため、受診情報処理装置10は、どちらの条件を先に適用するかを、医療機関側端末30の操作者が選択できるようにしておいてもよい。
【0089】
また、ここでは受診情報処理装置10が処置の組み合わせや順列のパターンを列挙して提示する例を示したが、医療機関側端末30が受診情報処理装置10から取得した情報を利用してこれらの処理を行ってもよい。
【0090】
[医療機関での接種後の情報記録]
またここまでの説明では、医療機関側端末30については、当該医療機関側端末30から記録情報の参照要求を受けて、受診情報処理装置10が記録情報を提示することとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。
【0091】
例えば受診情報処理装置10は、医療機関側端末30から、提示した記録情報についての診断結果(接種の可否など)の情報や、処置日(接種等の処置を行った日)、処置の内容(例えば接種したワクチンのロット番号等)、さらには処置した医師の氏名や署名などの情報を受け入れてもよい。
【0092】
この場合、受診情報処理装置10は、これら医療機関側端末30から受け入れた情報を、提示した記録情報にさらに関連付けて記憶部12に格納する。これにより診察や処置の記録を残すことができ、後の利用に供することが可能となる。
【0093】
[接種間隔の通知]
例えば、医療機関側端末30は、受診情報処理装置10から記録情報を受け入れたときに、当該記録情報に係る予診(問診)票の種別(区別のため便宜的に、対比対象種別と呼ぶ)を参照する。この例では、医療機関側端末30は、各処理に係る種別の情報に対して時間間隔を置くべき他の処置に係る種別の情報を、その時間間隔を特定する情報とともに関連付けて記録しておく。そして医療機関側端末30は、受け入れた記録情報に係る受診者に対する過去の診察や処理の記録を含む記録情報を提供するよう受診情報処理装置10に対して要求する。
【0094】
受診情報処理装置10が当該要求に応答して提供した記録情報を受け入れると、医療機関側端末30は、過去の診察や処理の記録(種別の情報及び処置の日の情報等)を参照し、対比対象種別に関連付けて記録された、時間間隔を置くべき処置に係る種別の情報に、当該種別の情報が含まれるか否かを調べる。
【0095】
ここで当該種別の情報が含まれると判断すると、医療機関側端末30は、さらに処置の日の情報と現在(処理の時点)の日時との差が、対比対象種別に関連付けて記録された、当該種別の情報に関連付けられた置くべき時間間隔を超えているか否かを調べ、超えていないと判断すると、操作者に対してその旨を通知する。
【0096】
この例でも、医療機関側端末30に代えて、受診情報処理装置10側で当該判定を行ってもよい。この場合、受診情報処理装置10が、予診(問診)票の種別ごとに、当該種別に係る処置等に対し、時間間隔を置くべき他の処置に係る種別の情報を、その置くべき時間間隔を特定する情報とともに関連付けて記録しておく。
【0097】
そして受診情報処理装置10は、医療機関側端末30から記録情報が要求されたときに、当該要求された記録情報に係る予診(問診)票の種別(対比対象種別)を参照して、同じ受診者に関する過去の診察や処理の記録のうちに、当該対比対象種別に関連付けて記録された、時間間隔を置くべき処置に係る種別の情報を含む記録情報を検索する。
【0098】
ここで対応する記録情報が検索により見出されると、受診情報処理装置10は、さらに、当該見出した記録情報に含まれる処置の日の情報と現在(処理の時点)の日時との差が、対比対象種別に関連付けて記録された、当該種別の情報に関連付けられた置くべき時間間隔を超えているか否かを調べ、超えていないと判断すると、医療機関側端末30に対してその旨を通知する。
【0099】
この例では、医療機関側端末30が当該通知を受けて、操作者に対して当該通知の内容を知らせることとなる。これらの処理により、医療機関側では間隔を置くべき処置を考慮した対応が可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1 受診情報処理システム、10 受診情報処理装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、20 ユーザ端末、21 様式情報取得部、22 フォーム生成部、23 入力値設定部、24 ユーザ提示部、25 入力受入部、26 情報記録部、27 医療機関側情報提示部、30 医療機関側端末。

図1
図2
図3
図4
図5
図6