(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181801
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】減速装置
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20231218BHJP
【FI】
F16H57/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095145
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 潤悟
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AA27
3J063AB01
3J063AC01
3J063BA07
3J063BA11
3J063BB11
3J063XC02
3J063XD02
3J063XD28
3J063XD32
3J063XD62
3J063XE05
3J063XF21
3J063XF30
(57)【要約】
【課題】減速装置内にギアの摩耗粉が溜まり、潤滑剤と混在するため、摩耗粉によりギアの摩耗を促進してしまう。
【解決手段】減速装置30Aは、相互に噛み合う入力ギア31と出力ギア32と、入力ギア31と出力ギア32を収納する収容部33と、を少なくとも備え、収容部33には、潤滑剤Pが充填されている。減速装置30Aは、収容部33内に、入力ギア31と出力ギア32ギアの摩耗粉を捕獲する捕獲部40と、入力ギア31の端面側に設けられ、入力ギア31の回転により、収容部33内に充填された潤滑剤Pを、捕獲部40に誘導する誘導部50と、をさらに備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に噛み合う複数のギアと、
前記ギアを収納する収容部と、を少なくとも備え、
前記収容部に潤滑剤が充填された減速装置であって、
前記減速装置は、前記収容部内に、前記ギアの摩耗粉を捕獲する捕獲部と、
少なくとも1つの前記ギアの端面側に設けられ、前記ギアの回転により、前記収容部内に充填された潤滑剤を、前記捕獲部に誘導する誘導部と、をさらに備えることを特徴とする減速装置。
【請求項2】
前記ギアは、鉄系材料からなり、
前記捕獲部は、磁石を含むことを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
【請求項3】
前記複数のギアは、入力ギアと出力ギアを含み、
前記誘導部は、前記入力ギアに取り付けられたプロペラであることを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
【請求項4】
前記捕獲部は、前記磁石による磁気を選択的に消磁させる消磁機構を有することを特徴とする請求項2に記載の減速装置。
【請求項5】
前記潤滑剤は、グリースであることを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に噛み合う複数のギアを有した減速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、減速装置を備えたアクチュエータが開示されており、減速装置には、減速装置内を循環するように潤滑剤を供給する供給装置が接続されている。供給装置と減速装置の間には、フィルタが取り付けられており、減速装置で発生した摩耗粉を捕獲している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の減速装置とは異なり、減速装置に供給装置が接続されていない場合には、減速装置内にギアの摩耗粉が溜まり、潤滑剤と混在するため、摩耗粉によりギアの摩耗を促進してしまう。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、減速装置内の摩耗粉を捕獲し、ギアの摩耗を低減することができる減速装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を鑑みて、本発明に係る減速装置は、相互に噛み合う複数のギアと、前記ギアを収納する収容部と、を少なくとも備え、前記収容部に潤滑剤が充填された減速装置であって、前記減速装置は、前記収容部内に、前記ギアの摩耗粉を捕獲する捕獲部と、少なくとも1つの前記ギアの端面側に設けられ、前記ギアの回転により、前記収容部内に充填された潤滑剤を、前記捕獲部に誘導する誘導部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、マニュピレータ等の動作により減速装置のギアが回転する。減速装置には、収容部に潤滑剤が充填されているため、潤滑剤は誘導部により捕獲部に案内される。これにより、潤滑剤に含まれるギアの摩耗粉を、捕獲部で効率的に捕獲することができる。このような結果、ギアの摩耗粉の増加に伴い、ギアの歯面の摩耗が促進されることを抑えることができる。このように、本発明によれば、マニュピレータ等の動作時の動力を利用して、誘導部で潤滑剤を循環させ、循環した潤滑剤に含まれるギアの摩耗粉を、捕獲部で捕獲することができる。
【0008】
ここで、捕獲部は、フィルタであってもよいが、より好ましい態様としては、前記ギアは、鉄系材料からなり、前記捕獲部は、磁石を含む。この態様によれば、捕獲部に磁石を用いることにより、ギアの正転および逆転により、潤滑剤の流れが変化しても、摩耗粉を磁石の磁力で吸着し、これを保持することができる。
【0009】
より好ましい態様としては、前記複数のギアは、入力ギアと出力ギアを含み、前記誘導部は、前記入力ギアに取り付けられたプロペラである。この態様によれば、入力ギアは、出力ギアに比べて、回転数が高いため、入力ギアに取り付けられたプロペラにより、潤滑剤をより流動させ易く、摩耗粉を捕獲し易い。
【0010】
前記捕獲部は、前記磁石による磁気を選択的に消磁させる消磁機構を有する。この態様によれば、捕獲部に消磁機構を設けることにより、収容部内に充填された潤滑剤を入れ替える際に、磁石による磁気を消磁すれば、捕獲部に吸着した摩耗粉を、潤滑剤で洗い流すことができる。これにより、捕獲部を含めた減速装置のメンテナンス性を高めることができる。
【0011】
前記潤滑剤は、グリースである。一般的な、グリース潤滑では、収容部内に同じグリースが充填され、これを保持することで、ギアの歯面へのグリースが確保される。したがって、グリース潤滑は、減速装置の外部に、循環経路を設けたオイル潤滑とは異なり、ギアの駆動中に、グリースを供給および排出し続けることはない。したがって、グリース潤滑では、グリースからギアの摩耗粉を取り除くことは難しい。しかしながら、この態様によれば、グリースであっても、摩耗粉を捕獲部で捕獲し、グリースから取り除くことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、減速装置内の摩耗粉を捕獲し、ギアの摩耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る減速装置を備えた産業用ロボットを正面側から視た斜視図である。
【
図2】
図1に示す産業用ロボットを背面側から視た斜視図である。
【
図3】
図1に示す第2軸に沿って、鉛直方向に切断した模式的断面図である。
【
図4】
図3に対応する第2実施形態に係る減速装置の模式的断面図である。
【
図5】(a)は、
図4に示す捕獲部の消磁機構における着磁状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、
図4に示す捕獲部の消磁機構における消磁状態を説明するための模式的断面図である。
【
図6】
図3に対応する第3実施形態に係る減速装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係る減速装置30Aを備えた産業用ロボット1(以下、ロボット1という)を
図1~
図6を参照しながら詳述する。なお、本実施形態では、減速装置30Aをその一例として後述するが、他の減速装置30B、30Cに同様の構造が適用されていてもよい。
【0015】
図1および
図2に示すように、ロボット1は、多関節ロボットである。本実施形態では、マニュピレータとして、ロボット1を例示したが、後述する減速装置30Aを備えた機構を有するものであれば、マニュピレータはロボットに限定されるものではない。
【0016】
ロボット1は、基台11を備えており、基台11は、設置面に設置されており、設置面に固定された固定台11aと、設置面に対して直交する方向に沿った第1軸J1の周りに旋回する旋回台11bと、を備えている。旋回台11bは、固定台11aに固定された第1モータ(図示せず)の出力軸が接続されている。これにより、第1モータ21の駆動で、旋回台11bを固定台11aに対して第1軸J1の周りに旋回させることができる。
【0017】
ロボット1は、旋回台11bに基端が枢着されたロアアーム12と、ロアアーム12の先端に枢着されるアッパアーム13と、アッパアーム13の先端に枢着された支持アーム14と、を有している。これらのアームは、金属製であり、たとえば、鋳鉄、またはアルニウム合金鋳物等の鋳物からなる。
【0018】
ロアアーム12の基端は、基台11の旋回台11bに軸支されており、第2モータ70Aおよび減速装置30Aを介して、旋回台11bに第2軸J2の周りに回動自在に枢着されている。ここで、第2軸J2は、第1軸J1と直交する方向に平行となる軸である。第2モータ70Aの動力により、ロアアーム12は、旋回台11bに対して第2軸J2の周りに回動する。
【0019】
ロアアーム12の先端は、アッパアーム13に軸支されており、アッパアーム13は、第3モータ70Bおよび減速装置30Bを介して、アッパアーム13に、第2軸J2に平行な第3軸J3に、回動自在に枢着されている。
【0020】
アッパアーム13は、ロボット1の腕部に相当し、第4モータ70Cおよび減速装置30Cを介して、ロアアーム12に接続されており、第4モータ70Cの駆動により、その長手方向に沿った第4軸J4の周りに回動する。アッパアーム13の先端には、ロボット1の手首部に相当する部分であり、エンドエフェクタを支持する支持アーム14が取り付けられている。
【0021】
本実施形態では、アッパアーム13には、支持アーム14をアッパアーム13に対して枢動させる第5モータ(図示せず)が内蔵されている。第5モータは、アッパアーム13に内蔵された動力伝達ベルト等を介して、支持アーム14に接続されている。
【0022】
これにより、第5モータの動力が、アッパアーム13に内蔵された動力伝達ベルト(図示せず)に伝達されることで、支持アーム14は、アッパアーム13に対して第5軸J5で回動(揺動)する。さらに、アッパアーム13には、支持アーム14の軸心(具体的には第6軸J6)の周りに、支持アーム14の先端部(本体部)を回動させる第6モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0023】
図3は、
図1に示す第2軸J2に沿って、鉛直方向に切断した模式的断面図である。減速装置30Aは、相互に噛み合う複数のギア31、32と、ギア31、32を収納する収容部33と、収容部33に充填された潤滑剤Pと、を少なくとも備えている。
【0024】
減速装置30Aは、第2モータ70Aに接続されている。具体的には、第2モータ70Aは、ステータ71とロータ72とを備えており、ロータ72には、回転シャフト73が固定されている。回転シャフト73の先端には、複数のギアのうち入力ギア31が固着されている。入力ギア31は、シャフト状のギアであり、その先端側において、歯車が形成されており、端面には、後述する誘導部50が取り付けられている。入力ギア31の先端側において、その周りには、等間隔に3つの出力ギア32が配置されており、入力ギア31に噛み合っている。
【0025】
各出力ギア32は、固定シャフト35を介して、回転自在に支持部材36に固定されている。支持部材36は、第2モータ70A側において、支持プレート37に係合している。このようにして、入力ギア31の回転により、各出力ギア32は、入力ギア31の周りを回動するとともに、固定シャフト35を軸心として回転する。これにより、ロアアーム12を、基台11の旋回台11bに対して、枢動させることができる。
【0026】
入力ギア31と出力ギア32とは、ロアアーム12と旋回台11bとにより形成された収容部33に収容されている。収容部33には、潤滑剤Pとして、グリースが封入されている。収容部33に充填された潤滑剤P(使用済の潤滑剤P)を、新しい潤滑剤Pに入れ換える際には、ロアアーム12に形成された給油孔(図示せず)から新しい潤滑剤Pを注入し、排油孔39から、使用した潤滑剤Pを排出する。なお、
図3は、排油孔39は、栓体60で収容部33内の潤滑剤Pが封止された状態を示している。
【0027】
減速装置30Aは、収容部33内に、入力ギア31および出力ギア32の摩耗粉を捕獲する捕獲部40と、入力ギア31の端面側に設けられ、入力ギア31の回転により、収容部33内に充填された潤滑剤Pを、捕獲部40に誘導する誘導部50と、をさらに備えている。
【0028】
本実施形態では、入力ギア31および出力ギア32は、クロム鋼、ニッケルクロム鋼などの鉄系材料(軟磁性材料)からなり、捕獲部40は、磁石40Aからなる。本実施形態では、磁石40Aは、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、またはネオジウム磁石などを挙げることができるが、たとえば、電磁石であってもよい。このように構成することで、入力ギア31および出力ギア32の摩耗粉(鉄粉)を、磁石40Aで捕獲(吸着)することができる。
【0029】
本実施形態では、誘導部50は、入力ギア31の端面に取り付けられたプロペラ50Aである。プロペラ50Aは、入力ギア31の回転軸と同じ回転軸で回転する。プロペラ50Aは、一方向の回転において、潤滑剤Pが、対向配置された磁石40Aに向かって流動するように、羽根が形成されている。
【0030】
本実施形態よれば、ロボット1のロアアーム12の動作により減速装置30Aの入力ギア31が回転する。減速装置30Aには、収容部33に潤滑剤Pが充填されているため、潤滑剤Pはプロペラ50Aにより磁石40Aに案内される。これにより、潤滑剤Pに含まれる入力ギア31および出力ギア32の摩耗粉(鉄粉)を、磁石40Aで効率的に捕獲することができる。このような結果、入力ギア31および出力ギア32の摩耗粉の増加に伴い、入力ギア31および出力ギア32の歯面の摩耗が促進されることを抑えることができる。
【0031】
このように、ロボット1の動作時の動力を利用して、プロペラ50Aで潤滑剤Pを循環させ、循環した潤滑剤に含まれる入力ギア31および出力ギア32の摩耗粉を、プロペラ50Aで捕獲することができる。特に、入力ギア31は、出力ギア32に比べて、回転数が高いため、潤滑剤Pをより流動させ易く、摩耗粉を捕獲し易い。
【0032】
本実施形態では、潤滑剤Pは、グリースであり、グリース潤滑では、収容部33内に同じグリースが充填され、これを保持することで、入力ギア31の歯面へのグリースが確保される。グリース潤滑は、減速装置30Aの外部に、循環経路を設けたオイル潤滑とは異なり、入力ギア31の駆動中に、グリースを供給および排出し続けることはない。したがって、グリース潤滑では、グリースからギアの摩耗粉を取り除くことは難しい。しかしながら、このようなグリースであっても、摩耗粉を磁石40Aで捕獲し、グリースから取り除くことができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
以下に、
図4および
図5を参照し、第2実施形態に係る減速装置30Aを説明する。
図4は、
図3に対応する第2実施形態に係る減速装置30Aの模式的断面図である。
図5(a)は、
図4に示す捕獲部40の消磁機構41における着磁状態を説明するための模式的断面図であり、
図5(b)は、
図4に示す捕獲部40の消磁機構41における消磁状態を説明するための模式的断面図である。第2実施形態の減速装置30Aが、第1実施形態のものと相違する点は、捕獲部40の消磁機構41であり、第1実施形態と共有する部材等は、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図4に示すように、捕獲部40は、磁石40Aを含み、消磁機構41をさらに備えている。具体的には、
図5(a)、(b)に示すように、本実施形態では、消磁機構41は、磁石40Aの表面(鉄粉を捕獲する表面)が露出するように固定されたケーシング43を備えており、ケーシング43の内部には、消磁用磁石42と非磁性板44とが、配置されている。消磁用磁石42と非磁性板44には、レバー45が取り付けられており、レバー45を回動することにより、消磁用磁石42が回動する。非磁性板44は、セラミックスまたは樹脂などの非磁性材料からなる板である。
【0035】
具体的には、消磁用磁石42は、磁石40Aと重なるように配置されており、磁石40Aに着磁させる場合には、
図5(a)に示すように、磁石40Aと消磁用磁石42の極が同じ極となるように、磁石40Aに対して消磁用磁石42をレバー45で回動させる。これにより、潤滑剤Pであるグリースに含まれる鉄粉Fを、磁石40Aに吸着させることができる。
【0036】
一方、磁石40Aを消磁させる場合には、
図5(b)に示すように、磁石40Aと消磁用磁石42の極が異なる極となるように、磁石40Aに対して消磁用磁石42をレバー45で回動させる。これにより、磁石40Aと消磁用磁石42との間で、磁力線が形成され、磁石40Aが消磁される。
【0037】
このようにして、
図5(b)に示すように、消磁機構41を設けることにより、収容部33内に充填された潤滑剤Pを入れ替える際に、磁石40Aによる磁気を消磁すれば、磁石40Aに吸着した摩耗粉を、潤滑剤Pで洗い流すことができる。これにより、磁石40Aを含めた減速装置30Aのメンテナンス性を高めることができる。
【0038】
〔第3実施形態〕
以下に、
図6を参照し、第3実施形態に係る減速装置30Aを説明する。
図6は、
図3に対応する第3実施形態に係る減速装置30Aの模式的断面図である。第3実施形態の減速装置30Aが、第1実施形態のものと相違する点は、捕獲部40であり、第1実施形態と共有する部材等は、その詳細な説明を省略する。
【0039】
図6に示すように、捕獲部40は、フィルタ49を有している。具体的には、ロアアーム12のうち、プロペラ50Aと対向する位置には、プロペラ50Aにより誘導した潤滑剤Pを排出する排出孔47Aが形成されており、排出孔47Aの下流には、逆止弁48とフィルタ49とが配置されている。逆止弁48により、フィルタ49に向かって流れる潤滑剤Pが、排出孔47A側に戻ることを防止することができる。さらに、フィルタ49の下流には、吸入孔47Bが形成されており、吸入孔47Bにより、フィルタ49を通過した潤滑剤Pを収容部33に戻すことができる。
【0040】
本実施形態によれば、入力ギア31に取り付けられたプロペラ50Aにより、潤滑剤Pをより流動させ、排出孔47Aから、潤滑剤Pを排出することができる。排出孔47Aを通過した潤滑剤Pは、逆止弁48を通過する。その後、逆止弁48を通過した潤滑剤Pに含まれる摩耗粉は、フィルタ49で捕獲され、浄化された潤滑剤Pが、吸入孔47Bから収容部33に戻される。このようにして、減速装置30A内の摩耗粉を捕獲し、入力ギア31の摩耗を低減することができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0042】
たとえば、第2実施形態では、消磁機構として、消磁用磁石を用いたが、たとえば、コイルと鉄心からなる電磁石を用いて、コイルへの通電を遮断することにより、電磁石の鉄心の消磁を行ってもよい。
【符号の説明】
【0043】
30A:減速装置、31:入力ギア、32:出力ギア、33:収容部、40:捕獲部、40A:磁石、41:消磁機構、50:誘導部、50A:プロペラ、P:潤滑剤