(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181802
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】セッション管理方法及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20231218BHJP
H04W 28/24 20090101ALI20231218BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20231218BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W28/24
H04W76/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095146
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 信一郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】セッション管理を容易に行う。
【解決手段】ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応するデータネットワークネームに基づいて、アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能を選択することと、ビジターネットワーク内のエッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能を選択することと、エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部にデータネットワークネームを対応付けることと、アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を第1のユーザープレーン機能を介したアプリケーションサーバと第2のユーザープレーン機能を介したエッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能をPDUセッションに追加することと、を含むセッション管理方法。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、
ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、前記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能を選択することと、
ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ビジターネットワーク内の前記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能を選択することと、
前記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に前記データネットワークネームを対応付けることと、
アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバと前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を前記PDUセッションに追加することと、
を含むセッション管理方法。
【請求項2】
前記エッジアプリケーションサーバを提供する1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を提供することを更に含む請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項3】
前記ホームネットワークは、第1のPLMN(Public Land Mobile Network)によって管理されるHPLMN(Home PLMN)であり、
前記ビジターネットワークは、第2のPLMNによって管理されるVPLMN(Visitor PLMN)であり、
前記第1のPLMNは、前記第2のPLMNとの間にローミング契約を有する
請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項4】
前記ホームネットワークは、PLMNによって管理されるHPLMNであり、
前記ビジターネットワークは、SNPN(Stand-alone Non-Public Network)によって管理されるノンパブリックネットワークであり、
前記PLMNは、前記SNPNとの間にSLA(Service Level Agreement)を有する 請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項5】
前記1つのPDUセッションは、無線端末装置が接続可能な前記ビジターネットワーク内の基地局装置を介したPDUセッションである請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項6】
前記ホームネットワーク内の第1の基地局装置をマスターノードとし、前記ビジターネットワーク内の第2の基地局装置をセカンダリーノードとするデュアルコネクティビティによる無線ベアラを確立することを更に含み、
前記PDUセッションは、前記無線ベアラを含む
請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項7】
前記振り分ける機能は、前記マスターノードを介して第1の無線ベアラにマッピングされた第1のトラフィックの前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバへの転送と、前記セカンダリーノードを介して第2の無線ベアラにマッピングされた第2のトラフィックの前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバへの転送とに振り分ける機能である請求項6に記載のセッション管理方法。
【請求項8】
前記第1のセッションマネージメント機能が、前記アプリケーションサーバに対応する前記データネットワークネームを前記演算処理部に設定することを前記第2のユーザープレーン機能に指示する機能である請求項1に記載のセッション管理方法。
【請求項9】
前記エッジアプリケーションサーバの設置に係る情報を取得することと、
前記エッジアプリケーションサーバの設置に係る前記情報に基づいて1つ以上のビジターネットワークの前記候補を選択することと
を更に含む請求項2に記載のセッション管理方法。
【請求項10】
1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を提供することと、
無線通信装置からの要求に基づいて登録のための手順を実行することと、
前記登録のための手順に応じてAllowed NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)を生成することと、
前記Allowed NSSAIの中に特定のS-NSSAI(Single-NSSAI)が含まれている場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれるビジターネットワークに対応する周波数帯をセル選択又はセル再選択のための測定周波数に追加することを前記無線通信装置に指示することと、
を含む方法。
【請求項11】
前記無線通信装置から前記特定のS-NSSAIのためのPDUセッション確立要求を受信した場合に、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加された前記周波数帯の優先度を上げることを前記無線通信装置に指示することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記特定のS-NSSAIが、エッジアプリケーションサーバを使用するアプリケーションの利用である場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれる前記ビジターネットワークに対応する前記周波数帯を、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のビジターネットワークが提供するS-NSSAIを含むConfigured NSSAIを前記無線通信装置に設定することを指示することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記Allowed NSSAIの中に、前記特定のS-NSSAIが含まれていない場合に、前記無線通信装置から前記特定のS-NSSAIへの登録要求を受信して、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供するビジターネットワークが含まれているかの確認を行うことと、
前記確認の結果、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して前記Allowed NSSAIを更新することと
を更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
Configured NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)に含まれる1つ以上のS-NSSAI(Single-NSSAI)を含む登録を要求することと、
前記要求に基づいて、Allowed NSSAIを取得することと、
1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を取得することと、
前記Allowed NSSAIの中に、特定のS-NSSAIが含まれている場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれるビジターネットワークに対応する周波数帯を、セル選択又はセル再選択のための測定周波数に追加することと、
を含む無線通信方法。
【請求項16】
前記特定のS-NSSAIのためのPDUセッション確立要求を送信する前に、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加された前記ビジターネットワークに対応する周波数帯の優先度を上げることを更に含む請求項15に記載の無線通信方法。
【請求項17】
前記特定のS-NSSAIが、エッジアプリケーションサーバを使用するアプリケーションの利用である場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれる前記ビジターネットワークに対応する前記周波数帯を、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加する請求項15に記載の無線通信方法。
【請求項18】
前記1つ以上のビジターネットワークが提供するS-NSSAIを含むConfigured NSSAIを設定する指示を受信した際に、前記Configured NSSAIを設定することを更に含む請求項15に記載の無線通信方法。
【請求項19】
前記Allowed NSSAIの中に、前記特定のS-NSSAIが含まれていない場合に、前記特定のS-NSSAIへの登録を要求することと、
前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して更新された前記Allowed NSSAIを取得することと
を更に含む請求項15に記載の無線通信方法。
【請求項20】
エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、
ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、前記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能を選択することと、
ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ビジターネットワーク内の前記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能を選択することと、
前記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に前記データネットワークネームを対応付けることと、
アップリンクのデータの種別の判別方法を設定することと、
前記設定された判別方法に基づいて前記アップリンクのデータの種別の判別を行うことと、
前記判別の結果に基づいて前記アップリンクのデータの転送先を前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバと前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を前記PDUセッションに追加することと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セッション管理方法及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム、いわゆる5Gは、2018年にRel-15として最初の規格が策定され、2020年3月に5Gに対応したサービスが国内でも開始された。また、テレコム事業者以外の主体が5Gサービスを提供するローカル5Gという形態でのサービス提供も始まりつつある。この5Gは、高速大容量(eMBB:enhanced Mobile BroadBand)、低遅延・高信頼性(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、多数同時接続(mMTC:massive Machine Type Communication)という特徴を有する。
【0003】
この5Gは、超高速、低遅延・高信頼性及び多数同時接続という特徴から、4Kや8Kの動画のリアルタイム伝送の用途が期待されている。また、低遅延伝送が可能な5Gは、無線サービスを提供する基地局装置に近接して設置されたエッジサーバに接続する用途が期待され、テレコム事業者以外の主体に管理されたサーバの有効利用が期待されている。
【0004】
特許文献1では、パブリックネットワークにおいて、RANシェアリングを活用して5Gによるプライベートネットワークを構築する無線通信システムが開示されている。この無線通信システムでは、パブリックネットワークのコアネットワークとは別に、ローカルのコアネットワークに接続させてプライベートネットワークをパブリックネットワークから分離して、セキュリティを確保する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、プライバシーやセキュリティの側面から、サーバで処理するデータの中にはテレコム事業者やサービスプロバイダが管理する装置外での使用が難しいデータが存在する。このような1つのアプリケーションで扱う一部のデータのセキュリティを担保しながら、1つのアプリケーションで処理するデータを2つのネットワークで分散処理する仕組みが望まれている。これに対し、現在のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャでは、この分散処理を実現するためにそれぞれのネットワークに対して個別のPDUセッションを確立する必要がある。1つのアプリケーションを処理させるために複数のPDUセッションを確立するとセッション管理が煩雑になるという問題がある。
【0007】
そこで、本開示では、管理が容易なセッション管理方法及び制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のセッション管理方法は、エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、上記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、上記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能を選択することと、ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、上記ビジターネットワーク内の上記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能を選択することと、上記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に上記データネットワークネームを対応付けることと、アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を上記第1のユーザープレーン機能を介した上記アプリケーションサーバと上記第2のユーザープレーン機能を介した上記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を上記PDUセッションに追加することと、を含むセッション管理方法である。
【0009】
また、本開示の制御方法は、エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、上記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、上記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能を選択することと、ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、上記ビジターネットワーク内の上記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能を選択することと、上記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に上記データネットワークネームを対応付けることと、アップリンクのデータの種別の判別方法を設定することと、上記設定された判別方法に基づいて上記アップリンクのデータの種別の判別を行うことと、上記判別の結果に基づいて上記アップリンクのデータの転送先を上記第1のユーザープレーン機能を介した上記アプリケーションサーバと上記第2のユーザープレーン機能を介した上記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を上記PDUセッションに追加することと、を含む制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成を示す図である。
【
図2】GCにおけるエッジコンピューティングのためのコネクティビティモデルの一例を示す図である。
【
図3】非ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの一例を示す図である。
【
図4】非ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの他の例を示す図である。
【
図5】ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャのの一例を示す図である。
【
図6】ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの他の例を示す図である。
【
図7】パブリックネットワークとノンパブリックネットワークによるネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図8】ノンパブリックネットワーク発見のための処理の一例を示す図である。
【
図9】ノンパブリックネットワーク発見のための処理の他の例を示す図である。
【
図10】ノンパブリックネットワーク発見のための処理の他の例を示す図である。
【
図11】本開示の第1の実施形態に係るPDUセッション確立においてVPLMNのエッジアプリケーションサーバと接続する構成の一例を示す図である。
【
図12】本開示の第1の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図13】本開示の第1の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図14】本開示の第1の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図15】本開示の第2の実施形態に係るPDUセッション確立においてVPLMNのエッジアプリケーションサーバと接続される構成の一例を示す図である。
【
図16】本開示の第2の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図17】本開示の第2の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図18】本開示の第2の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【
図19】本開示の第2の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。説明は、以下の順に行う。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
1.5Gシステムのネットワークアーキテクチャ
2.エッジコンピューティング技術
3.パブリックネットワークとノンパブリックネットワークによるネットワーク構成
4.ノンパブリックネットワークの発見手順
5.エッジアプリケーションサーバを利用するPDUセッションの確立
5.1 第1の実施形態
5.2 第2の実施形態
5.3 まとめ
5.4 補足説明
【0012】
(1.5Gシステムのネットワークアーキテクチャ)
図1は、5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成を示す図である。以下、5Gシステムを5GS(5G System)と略記する。5GSは、UE(User Equipment)10と、(R)AN20と、5GC(5G Core)30とを備える。なお、5GCは、NGC(NG CORE)、又はコアネットワークとも称される。また、(R)ANとの表記は、RAN(Radio Access Network)及びAN(Access Network)を含む基地局装置を表したものである。
【0013】
アプリケーションを処理するアプリケーションサーバ(AS:Application Server)40がインターネットを介して5GSと接続されることによって、UE10は5Gサービスを介するアプリケーションの利用が可能になる。アプリケーションを提供する主体、例えば、サービスプロバイダが、5Gサービスを提供するPLMN(Public Land Mobile Network)オペレータとの間で、SLA(Service Level Agreement)等の契約を有する場合には、アプリケーションサーバ40をDN340として5GC30内に配置する、若しくはアプリケーションサーバ40とDN340を専用線やVPN(Virtual Private Network)で接続することもできる。なお、アプリケーションサーバ40は、エッジサーバの形態で提供されてもよい。
【0014】
5GSのコントロールプレーンの機能群は、AMF(Access and Mobility Management Function)301と、NEF(Network Exposure Function)302と、NRF(Network Repository Function)303と、NSSF(Network Slice Selection Function)304と、PCF(Policy Control Function)305と、SMF(Session Management Function)306と、UDM(Unified Data Management)307と、AF(Application Function)308と、AUSF(Authentication Server Function)309と、UCMF(UE radio Capability Management Function)310とを含む、複数のNF(Network Function)によって構成されている。ここで、AF308は、アプリケーションサーバ40のコントロールプレーンを処理するNFとして動作することができる。AF308は、アプリケーションサーバ40と論理的に異なるエンティティとして物理的に同一の装置内に実装するようにしてもよい。
【0015】
UDM307は、契約者情報を保持及び管理するUDR(Unified Data Repository)と、契約者情報を処理するFE(Front End)部とを含んでいる。AMF301は、モビリティ管理を行う。SMF306は、セッション管理を行う。
【0016】
UCMF310は、PLMN(Public Land Mobile Network)における全てのUE無線ケイパビリティID(UE Radio Capability ID)に対応するUE無線ケイパビリティ情報(UE Radio Capability Information)を保持している。UCMF310は、それぞれのPLMN-割り当てUE無線ケイパビリティID(PLMN-assigned UE Radio CapabilityID)を割り当てる役割を担っている。
【0017】
Namfは、AMF301が提供するサービスベースドインターフェース(Service-based interface)である。Nsmfは、SMF306が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnefは、NEF302が提供するサービスベースドインターフェースである。Npcfは、PCF305が提供するサービスベースドインターフェースである。Nudmは、UDM307が提供するサービスベースドインターフェースである。Nafは、AF308が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnrfは、NRF303が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnssfは、NSSF304が提供するサービスベースドインターフェースである。Nausfは、AUSF309が提供するサービスベースドインターフェースである。Nucmfは、UCMF310が提供するサービスベースドインターフェースである。各NFは、それぞれのサービスベースドインターフェースを介して、他のNFとの間で情報を交換する。
【0018】
UPF(User Plane Function)330は、ユーザープレーン処理の機能を有している。DN(Data Network)340は、MNO(Mobile Network Operator)独自のサービス、インターネット、及びサードパーティーのサービスへの接続を可能にする機能を有している。UPF330は、アプリケーションサーバ40で処理されたユーザープレーンのデータの転送処理部として機能する。UPF330は、(R)AN20と接続されるゲートウェイとしても機能する。
【0019】
(R)AN20は、RAN(Radio Access Network)との接続、及びRAN以外のAN(Access Network)との接続を可能にする機能を有している。(R)AN20は、gNB、又はng-eNBと呼ばれる基地局を含んでいる。RANは、NG(Next Generation)-RANと呼ばれる場合もある。
【0020】
UE10とAMF301との間では、リファレンスポイントN1を介して相互に情報の交換が行われる。(R)AN20とAMF301との間では、リファレンスポイントN2を介して相互に情報の交換が行われる。SMF306とUPF330との間では、リファレンスポイントN4を介して相互に情報の交換が行われる。
【0021】
(2.エッジコンピューティング技術)
図2は、GCにおけるエッジコンピューティングのためのコネクティビティモデルの一例を示す図である。なお、同図及び後述する
図3乃至7は、文献「3GPP TS23.548」に示された図に基づいている。
【0022】
5GC30では、エッジコンピューティング(Edge Computing)を処理するエッジサーバ(Edge Server)と接続するためのコネクティビティモデルとして、少なくとも「分散アンカーポイント(Distributed Anchor Point)」、「セッションブレイクアウト(Session Breakout)」、「複数PDUセッション(Multiple PDU Sessions)」という3種類が定義されている。
【0023】
同図の(1)は、「分散アンカーポイント」の例を表したものである。「分散アンカーポイント」は、1つのPDUセッションに対して、PSA(PDU Session Anchor) UPFがUE10の近くのローカルサイト(Local Site)に設置されるコネクティビティモデルである。
【0024】
同図の(2)は、「セッションブレイクアウト」の例を表したものである。「セッションブレイクアウト」は、1つのPDUセッションに対して、PSA UPF(C-PSA UPF)が中央サイト(Central Site)に設置され、1つ以上のPSA UPF(L-PSA UPF)がローカルサイトに設置されるコネクティビティモデルである。
【0025】
同図の(3)は、「複数PDUセッション」の例を表したものである。「複数PDUセッション」は、エッジコンピューティングのアプリケーションがローカルサイトに設置されるPSA UPFと接続されたPDUセッションを使用し、他のアプリケーションが中央サイトに設置されるPSA UPFと接続されたPDUセッションを使用するコネクティビティモデルである。
【0026】
ここで、アプリケーションサーバ40で処理されるアプリケーションの一部、若しくは全ての機能は、DN340に実装される。例えば、「分散アンカーポイント」、「セッションブレイクアウト」、又は「複数PDUセッション」においてエッジサーバとして動作するローカルサイトのDN340にアプリケーションの一部、若しくは全ての機能が実装される。つまり、ローカルサイトに設置されるDN340はエッジアプリケーションサーバとして動作する。ここで、このアプリケーションの一部、若しくは全ての機能は、低遅延を要求するQoSフローを介して送受信するデータを処理する機能である。
【0027】
同様に、アプリケーションサーバ40のコントロールプレーンを処理するAF308は、中央サイトのDN340、若しくはローカルサイトのDN340に分散して実装されるアプリケーションの機能に合わせて分散して設定される。
【0028】
図3は、非ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの一例を示す図である。このアーキテクチャは、1つのPLMN内でエッジアプリケーションサーバが接続されるDN(Local DN)340を「セッションブレイクアウト」の形態で1つのPDUセッションで接続させるためのアーキテクチャである。PLMNのSMF306が、リファレンスポイントであるN4を介して、中央サイトに設置されるPSA UPF(C-PSA UPF)、エッジアプリケーションサーバと接続するためにローカルサイトに設置されるPSA UPF(L-PSA UPF)、及びUL CL(Uplink CLassifier)/BP(Branching Point)をサポートするUPFを制御する。ここで、「セッションブレイクアウト」は、一般的にローカルブレイクアウトと呼ばれることもある。
【0029】
図4は、非ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの他の例を示す図である。このアーキテクチャは、1つのPLMN内でエッジアプリケーションサーバが接続されるDN(Local DN)340を「分散アンカーポイント」の形態で1つのPDUセッションで接続させるためのアーキテクチャである。PLMNのSMF306が、リファレンスポイントであるN4を介して、エッジアプリケーションサーバと接続するために設置されるPSA UPFを制御する。
【0030】
図5は、ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの一例を示す図である。このアーキテクチャは、ローミング先のVPLMN(Visitor PLMN)内でエッジアプリケーションサーバが接続されるDN(Local DN)340を「セッションブレイクアウト」の形態で1つのPDUセッションで接続させるためのアーキテクチャである。エッジアプリケーションサーバと接続されるDN(Local DN)340、エッジアプリケーションサーバと接続するためにローカルサイトに設置されるPSA UPF(L-PSA UPF)、中央サイトに設置されるPSA UPF(C-PSA UPF)を備える。なお、中央サイトのDN(Central DN)340はローミング先のVPLMNに設置される。ホームとなるHPLMN(Home PLMN)は、認証、契約情報、及びポリシーを提供するために、VPLMNに対してPCF350及びUDM307の機能を提供する。
【0031】
図6は、ローミングの際のエッジアプリケーションサーバのためのアーキテクチャの他の例を示す図である。このアーキテクチャは、ローミング先のVPLMN内でエッジアプリケーションサーバが接続されるDN(Local DN)340を「分散アンカーポイント」の形態で1つのPDUセッションで接続させるためのアーキテクチャである。ローミング先のVPLMNのSMF306が、リファレンスポイントであるN4を介して、エッジアプリケーションサーバと接続するために設置されるPSA UPFを制御する。ホームとなるHPLMNは、認証、契約情報、及びポリシーを提供するために、VPLMNに対してPCF350及びUDM307の機能を提供する。
【0032】
上述のアーキテクチャでは、課題として挙げた1つのアプリケーションで扱う一部のデータのセキュリティを担保しながら、1つのアプリケーションで処理するデータを2つのネットワークで分散処理する仕組みを提供することができない。
【0033】
(3.パブリックネットワークとノンパブリックネットワークによるネットワーク構成)
[ネットワークの構成]
図7は、パブリックネットワークとノンパブリックネットワークによるネットワーク構成の一例を示す図である。同図のパブリックネットワークは、中央サイトとして機能する(R)AN20-1及び5GC30-1により構成される。同図のノンパブリックネットワークは、ローカルサイトとして機能する(R)AN20-2、5GC30-2、及びエッジアプリケーションサーバ40-2により構成される。ここで、ノンパブリックネットワークは、ローカル5G、プライベートネットワーク、又はローカルエリアネットワークと呼ばれる形態のネットワークでもよい。
【0034】
ノンパブリックネットワークは、さまざまなエンティティ(主体)によって運用、及び/又は管理されうる。例えば、エンティティとしては、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、ノンパブリックネットワーク(Non-Public Network)事業者、エンタープライズ、地方自治体、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、遊戯施設管理者、商業施設管理者、道路管理者、港湾管理者、空港管理者、安全運転支援サービス事業者、及び個人などが想定されうる。
【0035】
サービスプロバイダが管理するアプリケーションサーバ40-1は、インターネットを介してパブリックネットワーク及びノンパブリックネットワークと接続される。ここで、アプリケーションサーバ40-1は、PLMN(Public Land Mobile Network)が管理、運用するパブリックネットワーク内のDN340に実装されてもよい。
【0036】
UE10は、PLMNが提供するサービスを利用するサブスクリプション(契約)を有し、パブリックネットワークの無線通信サービスを利用することができる。また、UE10は、必要に応じてノンパブリックネットワークを管理及び運用する事業者とサブスクリプション契約を締結して、ノンパブリックネットワークの無線通信サービスを利用することができる。また、PLMNがノンパブリックネットワークを管理及び運用する事業者とSLA(Service Level Agreement)を締結することにより、PLMNとのサブスクリプションを有するUE10は、VPLMN(Visitor PLMN)としてノンパブリックネットワークを介したローミングの形態で無線通信サービスを利用することができる。
【0037】
ノンパブリックネットワーク単体は、SA(StandAlone)の形態(SNPN:Stand-alone Non-Public Network)でUE10に5Gサービスを提供することができる。また、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2は、MN(Master Node)として動作するパブリックネットワークの(R)AN20-1のSN(Secondary Node)として動作する。この場合、DC(Dual Connectivity)の形態でパブリックネットワークの無線通信サービスを利用することができる。
【0038】
ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2は、Uuインターフェースを介してUE10を搭載した車両との通信、すなわちV2X(Vehicle to X)通信を行うこともできる。V2X通信は、車車間通信を意味するV2V(Vehicle to Vehcle)、車と道路に設置されたインフラ機器との通信を意味するV2I(Vehicle to Infrastructure)、車と歩行者との間の通信を意味するV2P(Vehicle to Pedestrian)、車とクラウドなどのネットワークとの通信を意味するV2N(Vehicle to Network)を含む概念である。例えば、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2は、V2N通信を提供する路側機(RSU:Road Side Unit)であってもよい。路側機は、PC5インターフェースを介したSlidelink通信をサポートして、V2I()通信を提供することができる。
【0039】
路側機は、カメラ(イメージセンサー)、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダー等を搭載し、専用道路、若しくは公道での運転支援や自動運転を補助する。路側機は、例えば、UE10を搭載した車両の位置情報、信号機の情報、及びダイナミックマップの情報等を提供する。
【0040】
ダイナミックマップは、高精度3次元地図にさまざまな交通情報等を付加した地図情報である。ダイナミックマップは、高精度3次元地図である路面情報や車線情報等を含む静的情報のレイヤ、交通規制や道路工事の予定情報等を含む準静的情報のレイヤ、事故情報や渋滞情報等を含む準動的情報のレイヤ、周辺車両や歩行者情報等を含む動的情報のレイヤで構成される。
【0041】
ここでは、ノンパブリックネットワークがローカルサイトの(R)AN20-2を提供する例を説明したが、以下で開示される実施例はこれに限定されない。例えば、ローカルサイトの(R)AN20-2は、PLMNがローミング契約を有する他のPLMNによって提供されてもよい。
【0042】
(4.ノンパブリックネットワークの発見手順)
パブリックネットワークのサブスクライバーは、必要に応じてプライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークの検索を行う。例えば、エッジアプリケーションサーバを提供することができるプライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークを利用する場合に、パブリックネットワークのサービス圏内においてプライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークを検索する。しかし、このプライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークを発見(discovery)することは必ずしも容易ではない。そこで、プライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークの発見手順について説明する。
【0043】
PLMNとのサブスクリプションを有するUE10は、セル選択又は再選択処理によって、基本的にPLMN内のセルの中から適切なセル(Suitable Cell)にキャンプオンすることができる。UE10が、PLMNのサービスの圏外になった場合には、PLMNとのローミング契約を有するノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することができる。一方、UE10が、PLMNのサービスの圏内の場合には、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することが困難になる。
【0044】
図8は、ノンパブリックネットワーク発見のための処理の一例を示す図である。まず、PLMNのAMF301は、PLMNとのローミング契約を有するノンパブリックネットワークのSNPN IDを含むEquivalent PLMNリストをUE10に提供する(ステップS501)。ここで、Equivalent PLMNリストの提供は、Equivalent PLMNリストの内容に変化があったタイミングや、トラッキングエリア(TA:Tracking Area)、レジストレーションエリア(RA:Registration Area)及びRANベースド通知エリア(RNA:RAN-based Notification Area)の更新のタイミング、又はUE10からEquivalent PLMNリストの更新要求を受信したタイミングで行われる。なお、UE10を構成するME(Mobile Equipment)は、USIM(Universal Subscriber Identity Module)のEF_EHPLMN(Elementary File_EHPLMN)内の情報の一部として、取得したEquivalent PLMNリストを格納するようにしてもよい。
【0045】
UE10は、PLMNのネットワークへの登録処理によって、Allowed NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)を取得する(ステップS502)。取得したAllowed NSSAIが特定のS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)を含む場合(ステップS503,Yes)、UE10は、セル選択又は再選択のための測定周波数にノンパブリックネットワークのSNPN IDに対応する周波数を含める、又はノンパブリックネットワークのSNPN IDに対応する周波数の優先度を上げる(ステップS504)。
【0046】
ここで、特定のS-NSSAIは、エッジアプリケーションサーバを使用するサービスのためのネットワークスライス、又は低遅延を要求するサービスのためのネットワークスライス等である。ここで、特定のS-NSSAIは、あらかじめ1つ以上のS-NSSAIの候補を含むリストとして設定されていてもよい。
【0047】
次に、UE10は、更新された測定周波数、又は優先度に基づいたセル選択又は再選択を行うことにより、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することができる(ステップS505)。なお、ステップS503において、取得したAllowed NSSAIが特定のS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)を含まない場合は(ステップS503,No)、UE10は、処理を終了する。
【0048】
以上の処理により、UE10は、PLMNのサービスの圏内の場合であっても、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することができる。更に、UE10は、そのための測定を特定条件(例えば、特定のS-NSSAIが登録されている場合)に限定することができる。このため、測定の負荷を軽減することができる。
【0049】
図9は、ノンパブリックネットワーク発見のための処理の他の例を示す図である。まず、
図8において説明したステップS501の処理を行う。次に、PLMNのAMF301は、Configured NSSAIが更新されると、当該更新されたConfigured NSSAIをUE10に提供する(ステップS506)。このConfigured NSSAIには、ローミングのためのSLAを有するノンパブリックネットワークが提供するネットワークスライスに対応するS-NSSAIが含まれている。Configured NSSAIがUE10に提供されるタイミングは、例えば、Configured NSSAIの内容に変化があったタイミングや、トラッキングエリア、レジストレーションエリア及びRANベースド通知エリアの更新のタイミング、又はUE10からConfigured NSSAIの更新要求を受信したタイミングで行われる。
【0050】
更新されたConfigured NSSAIを取得したUE10は、PLMNのネットワークへの登録処理を再度実行し、Allowed NSSAIを取得する(ステップS502)。ここで、ステップS503以降の処理は
図8の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
なお、PLMNのAMF301は、UE10から特定のS-NSSAIを含むPDUセッション確立要求を受信した際に、特定のS-NSSAIをサポートするノンパブリックネットワークのSNPN IDを含むEquivalent PLMNリストをUE10に提供して、Equivalent PLMNリストの更新を指示するようにしてもよい。更に、PLMNのAMF301は、更新されたEquivalent PLMNリストに含まれているノンパブリックネットワークのSNPN IDに対応する周波数をセル選択又は再選択のための測定周波数に含める、又はノンパブリックネットワークのSNPN IDに対応する周波数の優先度を上げることを指示するようにしてもよい。
【0052】
以上の処理により、ノンパブリックネットワークの可用性(availability)をS-NSSAIを介してConfigured NSSAIに反映させることにより、トラッキングエリア、レジストレーションエリア及びRANベースド通知エリア等の粒度においてUE10に更新することができる。UE10は、PLMNのサービスの圏内の場合でもノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することができる。
【0053】
図10は、ノンパブリックネットワーク発見のための処理の他の例を示す図である。まず、
図8において説明したステップS501及びステップS502の処理を行う。次に、UE10は、Configured NSSAIに含まれている、又は登録処理の際に送信したRequested NSSAIに含まれていたが、Allowed NSSAIには含まれていない任意のS-NSSAIの登録を要求する(ステップS507)。
【0054】
Configured NSSAIに含まれるS-NSSAIは、Configured NSSAIがUE10に設定される時点ではSubscribed S-NSSAIに一致しているので、Configured NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAI、又はRequested NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAIは、登録エリアにおいてUE10は利用する契約を持っているもののPLMNがサポートすることができないS-NSSAIに該当する。ここで、Allowed NSSAIには含まれていないS-NSSAIの登録の要求には、HPLMN以外のVPLMM又はSNPNを確認の対象に含める指示を示す情報を明示的に含めるようにしてもよい。ここで、Requested NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAIは、例えばRejected S-NSSAIである。
【0055】
AMF301は、ステップS502の登録処理の際に、UE10から受信するRequested NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAIの中にレジストレーションエリアにおいて登録を許可できないS-NSSAIがあれば、Allowed NSSAIに加えて、この登録を許可できない1つ以上のRejected S-NSSAIをUE10に提供する。
【0056】
AMF301は、1つ以上のRejected S-NSSAIをUE10に提供するする際に、レジストレーションエリアにおいて各Rejected S-NSSAIが利用できない1つ以上のトラッキングエリアを含むリストを提供するようにしてもよい。ここで、レジストレーションエリアは、1つ以上のトラッキングエリアから構成される。
【0057】
UE10は、レジストレーションエリアにおいてS-NSSAIが利用できないトラッキングエリアから他のトラッキングエリアに移動した際に、Rejected S-NSSAIの登録をAMF301に要求することができる。
【0058】
また、AMF301は、ステップS502の登録処理の際に、UE10から受信するRequested NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAIの中にレジストレーションエリアにおいて登録を許可できないS-NSSAIがあり、その、若しくはそれらのS-NSSAIがレジストレーションエリアの1つ以上のトラッキングエリアで利用することができる場合には、S-NSSAIと利用可能な1つ以上のトラッキングエリアのセットを第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIとしてUE10に提供してもよい。
【0059】
UE10は、Allowed NSSAIに含まれるS-NSSAIをレジストレーションエリアの全てのトラッキングエリアで利用を許可されたものと判断し、第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIに含まれるS-NSSAIをそのセットで指定された1つ以上のトラッキングエリアでのみ利用が許可されたものと判断する。
【0060】
UE10は、第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAIに対して、利用が許可されていないトラッキングエリアからそのセットで指定された1つ以上のトラッキングエリアのいずれかに移動した際に、その、若しくはそれらのS-NSSAIの登録をAMF301に要求することができる。
【0061】
UE10からConfigured NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAI、又はRequested NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAI(例えば、Rejected S-NSSAI)の登録の要求を受信すると、HPLMNのAMF301は、Equivalent PLMNリストに含まれるVPLMN又はSNPNが登録を要求されたS-NSSAIをサポートするか、否かを判定する(ステップS508)。なお、HPLMNは、VPLMNとのローミング契約、又はSNPNとのSLAに基づいて、HPLMNがサポートするS-NSSAIとVPLMN又はSNPNのサポートするS-NSSAIとの対応関係に係る情報と、HPLMNのUE10が利用することができるVPLMN又はSNPNのS-NSSAIから構成されるリストをVPLMN又はSNPN毎に所有している。これらは、UDRに格納されている。HPLMNのAMF301は、ステップS508の処理に合わせてUDRからそれらの情報を取得する。
【0062】
ステップS508において、Equivalent PLMNリストに含まれるVPLMN又はSNPNが登録を要求されたS-NSSAIをサポートする場合には(ステップS508,Yes)、UE10は、登録を要求されたS-NSSAIを含む更新されたAllowed NSSAIを取得し(ステップS509)、ステップS503以降の処理を実行する。
【0063】
一方、ステップS508において、Equivalent PLMNリストに含まれるVPLMN又はSNPNが登録を要求されたS-NSSAIをサポートしない場合には(ステップS508,No)、要求されたS-NSSAIの登録は拒否され、UE10はステップS503以降の処理を実行する。ここで、ステップS503以降の処理は
図8と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
以上の処理によって、PLMNのサービス圏内であっても特定のS-NSSAIを提供できないエリアにおいて、S-NSSAIを提供できるノンパブリックネットワークを活用することができる。UE10は、PLMNのサービスの圏内の場合でも、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のセルを発見することができる。
【0065】
このように、パブリックネットワークのサブスクライバーが必要に応じてプライベートネットワーク又はノンパブリックネットワークを利用する際に、パブリックネットワークのサービスの圏内の場合でも、ノンパブリックネットワークの基地局装置のセルを発見することができる。
【0066】
また、ノンパブリックネットワークの発見のための測定を特定条件(例えば、特定のS-NSSAIが登録されている場合)に限定することができるため、測定の負荷を抑えることができる。
【0067】
また、ノンパブリックネットワークの可用性(availability)をS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)を介してConfigured NSSAIに反映することにより、トラッキングエリア、レジストレーションエリア、及びRANベースド通知エリア等の粒度においてUE(User Equipment)に更新させることができる。
【0068】
また、パブリックネットワークのサービス圏内であっても特定のS-NSSAIを提供できないエリアにおいて、S-NSSAIを提供できるノンパブリックネットワークを活用することができる。
【0069】
また、Configured NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAI、又はRequested NSSAIに含まれていてAllowed NSSAIには含まれていないS-NSSAI(例えば、Rejected S-NSSAI)に対して、明示的にHPLMN以外のVPLMM又はSNPNを確認の対象に含める指示を含む登録を要求することにより、パブリックネットワークのサービス圏内であっても特定のS-NSSAIを提供できないエリアにおいて、S-NSSAIを提供できるローミング先のパブリックネットワーク又はノンパブリックネットワークを活用することができる。
【0070】
(5.エッジアプリケーションサーバを利用するPDUセッションの確立)
PLMNがノンパブリックネットワークを管理、運用する事業者とSLA(Service Level Agreement)を締結している場合には、ノンパブリックネットワークのエッジアプリケーションサーバを活用することができる。この場合には、データ伝送の際の遅延特性の改善が期待できる。
【0071】
また、ローミングを活用してノンパブリックネットワークをVPLMNとすることにより、
図2に示したコネクティビティモデルの「分散アンカーポイント」によってPDUセッションを確立することができる(
図6を参照)。この場合、アプリケーションで必要な処理の全てをノンパブリックネットワークのエッジアプリケーションサーバ40-2で処理することになる。この構成においては、PLMNやアプリケーションを提供するサービスプロバイダが管理する装置外での使用が難しいデータを処理させることが困難となる。セキュリティ上の問題が発生するためである。
【0072】
一方、PLMNやアプリケーションを提供するサービスプロバイダが管理するアプリケーションサーバ40-1とノンパブリックネットワークのエッジアプリケーションサーバ40-2とにおいて処理を分散させる場合には、
図2に示したコネクティビティモデルの「複数PDUセッション」によってPDUセッションを確立する必要がある。この場合、アプリケーションサーバ40-1と接続されるDN340-1に対して1つのPDUセッションを確立し、エッジアプリケーションサーバ40-2と接続されるDN340-2に対してもう1つのPDUセッションを確立する必要がある。このように、1つのアプリケーションを処理させるために複数のPDUセッションを確立し、管理することは必ずしも効率的ではない。
【0073】
そこで、
図2に示したコネクティビティモデルの「セッションブレイクアウト」によってPDUセッションを確立するセッション管理方法について提案する。
【0074】
(5.1 第1の実施形態)
[ネットワークの構成]
図11は、本開示の第1の実施形態に係るPDUセッション確立においてVPLMNのエッジアプリケーションサーバと接続する構成の一例を示す図である。同図のUE10は、ノンパブリックネットワーク(つまり、SNPN、又はVPLMN)の(R)AN20-2のサービス圏内にいることを想定する。このUE10が、ローミング先の(R)AN20-2を介して、パブリックネットワーク(つまり、HPLMN)のDN340-1のDNN(Data Network Name)を含めたPDUセッションの確立要求を送信する。すると、DN340-1と接続されたパブリックネットワークのUPF330-1との間に1つのPDUセッションが確立される。
【0075】
このPDUセッションの確立処理において、C-SMF306-1がエッジアプリケーションサーバ40-2の利用が必要であると判断すると、ノンパブリックネットワークのL-SMF306-2は、C-SMF306-1からの要求に従って、UL CL(Uplink CLassifier)、若しくはBP(Branching Point)をサポートするUPF330-21を追加する。これにより、ローカルブレイクアウト(Local Breakout)の手法でノンパブリックネットワークのDN340-2と接続されたUPF330-22との間に分岐されたPDUセッションを確立する。
【0076】
ここで、ローカルブレイクアウトは、UE10に対して、エッジアプリケーションサーバ40-2との経路、又は遅延が極力最小になるように、DN340-1に対する1つの経路(例えば、PDUセッション)の途中で分岐させる方法である。UPF330-1との間の1つのPDUセッションに、UL CL(Uplink CLassifier)、若しくはBP(Branching Point)をサポートするUPF330-21を追加することによってローカルブレイクアウトを実現することができる。
【0077】
このローカルブレイクアウトを適用することにより、アップリンクのデータの転送先をアプリケーションサーバ40-1とエッジアプリケーションサーバ40-2とに振り分ける機能をPDUセッションに追加することができる。この振り分けは、UPF330-21がアップリンクのデータの種別を判別することにより行うことができる。このアップリンクのデータの判別方法は、C-SMF306-1によりL-SMF306-2を介して設定される。データの判別方法には、例えば、要求されるセキュリティに応じてデータを判別する方法を採ることができる。
【0078】
また、L-SMF306-2は、EASDF(Edge Application Server Discovery Function)311-2を介して、候補となるエッジアプリケーションサーバ40-2を発見することができる。エッジアプリケーションサーバ40-2は、DN340-2と論理的に接続され、物理的にはDN340-2として動作する同じ装置内に実装されていてもよい。また、1つのPDUセッションにおいては、1つのS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)とDNNが対応付けられるため、DN340-2にはDN340-1と同一のDNNが設定される。
【0079】
パブリックネットワークは、エッジアプリケーションサーバ40-2にネットワークデータ解析機能(NWDAF:NetWork Data Analytics Function)、データコレクションコーディネーション機能(DCCF:Data Collection Coordination Function)を実装するようにしてもよい。
【0080】
ネットワークデータ解析機能は、学習済みのAI(Artificial Intelligence)/ML(Machine Learning)モデルを利用して推論を実行し、分析情報を生成する分析論理機能(AnLF:Analytics Logical Function)、さらにはAI/MLモデルを学習するモデル学習論理機能(MTLF:Model Training Logical Function)を含むことができる。利用するアプリケーションに応じて、モデル学習論理機能を含む他のネットワークデータ解析機能から学習済みのAI/MLモデルを取得することができる。ここで、他のネットワークデータ解析機能は、例えばアプリケーションサーバ40-1に実装されている。アプリケーションサーバ40-1には、他のネットワークデータ解析機能に加え、他のデータコレクションコーディネーション機能が実装されている。
【0081】
エッジアプリケーションサーバ40-2に実装されるネットワークデータ解析機能は、UE10から取得する様々なセンシング情報と、アプリケーションに応じて取得したAI/MLモデルを使って、画像認識、音声認識、自動翻訳、2次元、若しくは3次元の位置の推定、同期のための時刻の推定、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)、若しくは自動運転を支援するためのアシスト情報の算出、例えばダイナミックマップを構成する準静的情報のレイヤ、準動的情報のレイヤ、及び/若しくは動的情報のレイヤの生成等を行う。
【0082】
UE10を搭載する車両は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、加速度センサー、ジャイロセンサー、カメラ(イメージセンサー)、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダー等を搭載し、エッジアプリケーションサーバ40-2からアシスト情報を取得して、ADAS、若しくは自動運転を行うことができる。車両は、さらに加速度センサー、ジャイロセンサー、磁界センサー、気圧センサー、温度センサー等で構成される慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)を搭載するようにしてもよい。ここで、車両にはドローン(Drone)に代表される無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)が含まれる。
【0083】
同様に、UE10を搭載するロボットは、その用途に応じて、慣性計測ユニット、電圧センサー、電流センサー、ToF(Time of Flight)センサー、カメラ(イメージセンサー)、赤外線センサー、超音波センサー、圧力センサー、振動センサー、湿度センサー、ガスセンサー、味覚センサー等の各種センサーを搭載し、エッジアプリケーションサーバ40-2からアシスト情報を取得して、工場内で自律的に移動、又は動作することができる。
【0084】
また、パブリックネットワークは、エッジアプリケーションサーバ40-2にXR(Extended Reality)メディア生成部、XRメディアエンコード部等のXRメディアを処理する機能を実装するようにしてもよい。
【0085】
XRメディア生成部は、XRデバイスであるUE10から受信する適応的なメディア要求に従って、表示領域に適応したXRメディアを生成する。
【0086】
XRメディアエンコード部は、XRメディアを適応的なフォーマットでエンコードする。適応的なフォーマットは、例えば、無線区間の通信品質に基づいて制御される。通信品質が良好であれば、より高解像度のフォーマットが選択され、通信品質が良好でなければ、より低解像度のフォーマットが選択される。
【0087】
また、UE10は、クラウドサーバー(例えば、アプリケーションサーバ40-1)に分散させる閉ループ(Closed loop)の制御の処理をエッジアプリケーションサーバ40-2で処理させることで、低遅延により制御の安定性を向上させることができる。
【0088】
パブリックネットワークの各NFは、NEF302-2を介して、ノンパブリックネットワークのNFとの間で情報を交換することができる。また、パブリックネットワークとノンパブリックネットワークとのSLAによっては、パブリックネットワークの各NFは、直接、ノンパブリックネットワークのNFとの間で情報を交換できるようにしてもよい。
【0089】
[処理方法]
図12-14は、本開示の第1の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。UE10は、
図8から
図10の手順に従って、ローミング先となるノンパブリックネットワークの(R)AN20-2が提供するセルを発見し、選択する(ステップS661)。次に、UE10は、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2を介してPDUセッション確立要求(PDU Session Establishment Request)メッセージをL-AMF301-2に送信する(ステップS662)。
【0090】
次に、L-AMF301-2は、PDUセッション確立要求メッセージに含まれるS-NSSAI及びDNN等に基づいてSMF選択を実行する(ステップS663)。これは、第1のセッションマネージメント機能を選択する手順に該当する。
【0091】
次に、L-AMF301-2は、PDUセッション管理コンテキスト生成要求(Nsmf_PDUSession_CreateSMContext_Request)メッセージを選択されたC-SMF306-1に送信する(ステップS664)。ここで、L-AMF301-2は、C-SMF306-1の選択に必要な情報、例えば、C-SMF306-1の候補で構成されるリストをパブリックネットワークのC-NEF302-1を介して取得することができる。
【0092】
C-SMF306-1は、PDUセッション管理コンテキスト生成要求メッセージを受信すると、UDM307-1に対してサブスクリプション契約に係る情報を取得する処理を起動する(ステップS604)。
【0093】
UDM307-1は、エッジアプリケーションサーバ設置情報(EAS Deployment Information)をC-SMF306-1に供給する(ステップS605)。このエッジアプリケーションサーバ設置情報は、ローカルに設置されるDN(例えば、ノンパブリックネットワークのDN340-2)毎にエッジサービスがどのように展開されているかを示す情報である。
【0094】
C-SMF306-1は、PDUセッション管理コンテキスト生成要求メッセージに対する応答メッセージ(Nsmf_PDUSession_CreateSMContext_Response)を返信する(ステップS665)。
【0095】
UE10とC-DN340-1との間に確立されるPDUセッションの認証及び承認(PDU Session authentication/authorization)処理が実行され(ステップS607)、C-SMF306-1は、S-NSSAI、DNN、サブスクリプション契約に係る情報及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいてPCF選択(PCF Selection)を実行する(ステップS608)。
【0096】
C-SMF306-1は、選択されたPCF305-1との間でセッション管理ポリシーの関係確立手順(SM Policy Association Establishment procedure)を実行する(ステップS609)。なお、ステップS605におけるエッジアプリケーションサーバ設置情報の取得は、このセッション管理ポリシーの関係確立手順の中で行われてもよい。
【0097】
C-SMF306-1は、サブスクリプション契約、セッション管理ポリシー及びローミング先となるVPLMN又はSNPNのエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいて、EASDF(Edge Application Server Discovery Function)選択を実行する(ステップS611)。
【0098】
C-SMF306-1は、DNSコンテキスト生成要求(Neasdf_DNSContext_Create Request)メッセージを選択されたL-EASDF311-2に送信する(ステップS612)。
【0099】
L-EASDF311-2は、メッセージに含まれるUE10のIPアドレス、SUPI(SUbscription Permanent Identifier)、又はSUCI(SUbscription Concealed Identifier)等を保持し、DNSコンテキストを生成する。そして、L-EASDF311-2は、DNSコンテキスト生成要求メッセージに対する応答メッセージ(Neasdf_DNSContext_Create Response)を返信する(ステップS613)。この処理の後、C-SMF306-1は、UE10に送信するPDUセッション確立許可(PDU Session Establishment Accept)メッセージにDNSサーバ、又はリゾルバ(resolver)としてL-EASDF311-2のIPアドレスを含める。
【0100】
C-SMF306-1は、パブリックネットワークにおけるPDUセッションアンカー(C-PSA)となるUPF330-1を選択する(ステップS614)。これは、第1のユーザープレーン機能を選択する手順に該当する。
【0101】
C-SMF306-1は、選択したUPF(C-PSA)330-1にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS615)。このN4セッション確立要求メッセージを介して、UPF(C-PSA)330-1におけるアップリンク及びダウンリンクのトラフィックを制御するためのN4ルールの設定が行われる。このN4ルールは、例えば、PDR(Packet Detection Rule)、FAR(Forwarding Action Rule)、QER(QoS Enforcement Rule)、URR(Usage Reporting Rule)及びBAR(Buffering Action Rule)等に係る情報である。
【0102】
N4セッション確立要求を受信したUPF(C-PSA)330-1は、N4ルールの設定を行い、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS616)。なお、上記のステップS614においてPDUセッションのために複数のUPF330-1が選択された場合には、N4セッション確立処理は、それぞれのUPF330-1に対して起動される。
【0103】
C-SMF306-1は、N2 PDUセッション要求(N2 PDU Session Request)メッセージを含むNamf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージをL-AMF301-2に送信する(ステップS666)。
【0104】
L-AMF301-2は、Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージに含まれるN2 PDUセッション要求メッセージをノンパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-2(Local)に送信する(ステップS667)。このN2 PDUセッション要求メッセージには、UE10を送り先とするPDUセッションID及びN1セッション管理コンテナを含むNASメッセージ、並びに、C-SMF306-1から送信された(R)AN20-2(Local)に係るN2セッション管理情報が含まれている。
【0105】
(R)AN20-2(Local)は、N2 PDUセッション要求メッセージに含まれるN2セッション管理情報から、PDUセッションID、QFI(QoS Flow Identifier)及びQoSプロファイル等を取得する。また、(R)AN20-2(Local)は、N2 PDUセッション要求メッセージに含まれるNASメッセージをUE10に転送する(ステップS668)。上述したように、NASメッセージには、PDUセッションID及びN1セッション管理コンテナが含まれている。このN1セッション管理コンテナには、QoSルールが含まれている。
【0106】
また、(R)AN20-2(Local)は、PDUセッションにANトンネル情報(AN Tunnel Info)を割り当てる。ここで、ANトンネル情報は、関与する各(R)ANノードのtunnel endpointと各tunnel endpointに割り当てられたQFIsを含んでいる。(R)AN20-2(Local)は、L-AMF301-2に通知するためのN2セッション管理情報を更新する。ここで、N2セッション管理情報は、PDUセッションID、ANトンネル情報、許可、又は拒否されたQFI(s)のリスト、及びUser Plane Enforcement Policy Notification等の情報を含む。
【0107】
(R)AN20-2(Local)は、N2 PDUセッション要求メッセージに対する応答として、N2 PDUセッション応答(N2 PDU Session Response)メッセージをL-AMF301-2に返信する(ステップS669)。
【0108】
L-AMF301-2は、PDUセッション管理コンテキスト更新要求(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext Request)メッセージをC-SMF306-1に送信する(ステップS670)。
【0109】
C-SMF306-1は、UE10の位置に係る情報及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいて、エッジアプリケーションサーバ40-2を選択する(ステップS637)。この選択結果に基づいて、C-SMF306-1は、エッジアプリケーションサーバ40-2と接続されるLocal DN340-2を決定する。
【0110】
続いて、C-SMF306-1は、Local DN340-2に基づいて、エッジアプリケーションサーバ40-2と接続されてノンパブリックネットワークにおけるPDUセッションアンカー(L-PSA)となるUPFを選択する(ステップS638)。これは、第2のユーザープレーン機能を選択する手順に該当する。
【0111】
更に、C-SMF306-1は、UL CL/BPをサポートするUPFを選択する(ステップS639)。
【0112】
C-SMF306-1は、ノンパブリックネットワークのSMFにL-SMF306-2としての動作を要求する(ステップS640)。L-SMF306-2は、L-SMFとして動作する要求への応答(Response for operation as L-SMF)をC-SMF306-1に返信する(ステップS641)。
【0113】
C-SMF306-1は、ステップS638及びステップS639で選択されたUPF(UL CL/BP)330-21及びUPF(L-PSA)330-22とのN4セッションの確立を要求するために、L-SMF306-2にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS642)。
【0114】
L-SMF306-2は、UPF(UL CL/BP)330-21にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS643)。N4セッション確立要求を受信したUPF(UL CL/BP)330-21は、N4ルールの設定を行い、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをL-SMF306-2に返信する(ステップS644)。
【0115】
L-SMF306-2は、UPF(L-PSA)330-22にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS645)。N4セッション確立要求を受信したUPF(L-PSA)330-22は、N4ルールの設定を行い、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをL-SMF306-2に返信する(ステップS646)。ここで、UPF(L-PSA)330-22に対するN4ルールには、UPF(L-PSA)330-22が接続されるL-DN340-2にC-DN340-1と同一のDNN(Data Network Name)を付与する指示が含まれている。このC-SMF306-1からの指示に従って、UPF(L-PSA)330-22は、L-DN340-2にC-DN340-1と同一のDNNを設定する。これは、データネットワークネームを対応付ける手順に該当する。
【0116】
L-SMF306-2は、UPF(UL CL/BP)330-21及びUPF(L-PSA)330-22からN4セッション確立応答メッセージを受信すると、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS647)。
【0117】
C-SMF306-1は、UPF(C-PSA)330-1にN4セッション更新要求(N4 Session Modification Request)メッセージを送信する(ステップS648)。
【0118】
UPF(C-PSA)330-1は、UPF(UL CL/BP)330-21の挿入と、UPF(UL CL/BP)330-21でローカルブレイクアウトされてUPF(L-PSA)330-22と接続されるパスの追加に関連して更新されたN4ルールの再設定とを行い、N4セッション更新応答(N4 Session Modification Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS649)。
【0119】
C-SMF306-1は、PDUセッション管理コンテキスト更新応答(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext Response)メッセージをL-AMF301-2に返信する(ステップS671)。ここで、PDUセッション管理コンテキスト更新応答メッセージには、UPF(UL CL/BP)330-21の挿入と、UPF(UL CL/BP)330-21でローカルブレイクアウトされるパスの追加に伴って更新されたN2セッション管理情報、CNトンネル情報(CN Tunnel Info)、S-NSSAI及びN1セッション管理コンテナを含むN2メッセージが含まれる。
【0120】
N1セッション管理コンテナには、C-AMF301-1がUE10に提供しなければならないPDUセッション確立許可(PDU Session Establishment Accept)及びQoSルールが含まれている。PDUセッション確立許可には、S-NSSAI、EASDF311-2のIPアドレスが含まれている。
【0121】
L-AMF301-2は、PDUセッション管理コンテキスト更新応答メッセージに含まれるN2メッセージ(N2 Message)を(R)AN20-2(Local)に送信する(ステップS672)。
【0122】
(R)AN20-2(Local)は、N1メッセージを使って、N2メッセージに含まれていたPDUセッション確立許可及びQoSルールをUE10に送信し(ステップS673)、N2メッセージへの応答を返信する(ステップS674)。
【0123】
上記の説明では、パブリックネットワークとノンパブリックネットワークの異なるネットワークドメインを中央サイト(Central Site)とローカルサイト(Local Site)という表現で分類しているが、この表現に限定されない。例えば、パブリックネットワークをホームネットワーク、ノンパブリックネットワークをビジターネットワークとして、HPLMNとVPLMNという表現で分類してもよい。また、VPLMNは、SNPNとして分類してもよい。
【0124】
上述のステップS642乃至ステップS649の手順により、C-SMF306-1は、アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を上述の第1のユーザープレーン機能を介したアプリケーションサーバ40-1と上述の第2のユーザープレーン機能を介したエッジアプリケーションサーバ40-2とに振り分ける機能をPDUセッションに追加することができる。
【0125】
以上に示したエッジアプリケーションサーバを含むPDUセッション確立処理によって、
図11に示したネットワークアーキテクチャの構成を実現することができる。
【0126】
このように、本開示の第1の実施形態のセッション管理方法は、UE10及びDN340-1の間にPDUセッションを確立し、そのPDUセッションの中でセッションブレイクアウトの形態にてエッジアプリケーションサーバを含むDN340-2と接続する。DN340-2とはローカルサイトを介してローミングの形態で接続される。管理するPDUセッションが1つであるため、2つのPDUセッションを確立する場合と比較してセッション管理を容易にすることができる。
【0127】
(5.2 第2の実施形態)
[ネットワークの構成]
図7に示したパブリックネットワークとノンパブリックネットワークによるネットワーク構成を適用する例について説明する。具体的には、MN(Master Node)として動作するパブリックネットワークの(R)AN20-1に加えて、エッジアプリケーションサーバ使ったサービスを提供するノンパブリックネットワークの(R)AN20-2をSN(Secondary Node)としてDC(Dual Connectivity)による無線ベアラをUE10に対して構築する。
【0128】
[ネットワークの構成]
図15は、本開示の第2の実施形態に係るPDUセッション確立においてVPLMNのエッジアプリケーションサーバと接続される構成の一例を示す図である。同図のUE10は、ノンパブリックネットワーク(つまり、SNPN、又はVPLMN)の(R)AN20-2のサービス圏内にいることを想定する。このUE10が、パブリックネットワークの(R)AN20-1を介して、パブリックネットワークのDN340-1のDNNを含めたPDUセッションの確立要求を送信すると、DN340-1と接続されたパブリックネットワークのUPF330-1との間に1つのPDUセッションが確立される。
【0129】
このPDUセッションの確立処理において、C-SMF306-1がエッジアプリケーションサーバ40-2の利用が必要であると判断し、UE10がエッジアプリケーションサーバ40-2を使ったサービスを提供するノンパブリックネットワークの(R)AN20-2のサービス圏内にいる場合に、UE10は、パブリックネットワークの(R)AN20-1をMN、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2をSNとするDCによる無線ベアラを確立する。このDCによる無線ベアラが確立されると、ノンパブリックネットワークのL-SMF306-2は、C-SMF306-1からの要求に基づいて、UL CL、若しくはBPをサポートするUPF330-21を追加し、ローカルブレイクアウトの手法でノンパブリックネットワークのDN340-2と接続されたUPF330-22との間に分岐されたPDUセッションを確立する。
【0130】
ここで、ローカルブレイクアウトは、UE10に対して、エッジアプリケーションサーバ40-2との経路、又は遅延が極力最小になるように、DN340-1に対する1つの経路(例えば、PDUセッション)の途中で分岐させる方法である。UPF330-1との間の1つのPDUセッションに、UL CL(Uplink CLassifier)、若しくはBP(Branching Point)をサポートするUPF330-21を追加することによってローカルブレイクアウトを実現することができる。
【0131】
L-SMF306-2は、EASDF311-2を介して、候補となるエッジアプリケーションサーバ40-2を発見することができる。エッジアプリケーションサーバ40-2は、DN340-2と論理的に接続され、物理的にはDN340-2として動作する同じ装置内に実装されていてもよい。また、1つのPDUセッションにおいては、1つのS-NSSAIとDNNが対応付けられるため、DN340-2にはDN340-1と同一のDNNが設定される。
【0132】
パブリックネットワークは、エッジアプリケーションサーバ40-2にネットワークデータ解析機能(NWDAF:NetWork Data Analytics Function)、データコレクションコーディネーション機能(DCCF:Data Collection Coordination Function)を実装するようにしてもよい。
【0133】
ネットワークデータ解析機能は、学習済みのAI(Artificial Intelligence)/ML(Machine Learning)モデルを利用して推論を実行し、分析情報を生成する分析論理機能(AnLF:Analytics Logical Function)、さらにはAI/MLモデルを学習するモデル学習論理機能(MTLF:Model Training Logical Function)を含むことができる。利用するアプリケーションに応じて、モデル学習論理機能を含む他のネットワークデータ解析機能から学習済みのMLモデルを取得することができる。ここで、他のネットワークデータ解析機能は、例えばアプリケーションサーバ40-1に実装されている。アプリケーションサーバ40-1には、他のネットワークデータ解析機能に加え、他のデータコレクションコーディネーション機能が実装されている。
【0134】
エッジアプリケーションサーバ40-2に実装されるネットワークデータ解析機能は、UE10から取得する様々なセンシング情報と、アプリケーションに応じて取得したAI/MLモデルを使って、画像認識、音声認識、自動翻訳、2次元、若しくは3次元の位置の推定、同期のための時刻の推定、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)、若しくは自動運転を支援するためのアシスト情報の算出、例えばダイナミックマップを構成する準静的情報のレイヤ、準動的情報のレイヤ、及び/若しくは動的情報のレイヤの生成等を行う。
【0135】
UE10を搭載する車両は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、加速度センサー、ジャイロセンサー、カメラ(イメージセンサー)、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダー等を搭載し、エッジアプリケーションサーバ40-2からアシスト情報を取得して、ADAS、若しくは自動運転を行うことができる。車両は、さらに加速度センサー、ジャイロセンサー、磁界センサー、気圧センサー、温度センサー等で構成される慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)を搭載するようにしてもよい。ここで、車両にはドローン(Drone)に代表される無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)が含まれる。
【0136】
同様に、UE10を搭載するロボットは、その用途に応じて、慣性計測ユニット、電圧センサー、電流センサー、ToF(Time of Flight)センサー、カメラ(イメージセンサー)、赤外線センサー、超音波センサー、圧力センサー、振動センサー、湿度センサー、ガスセンサー、味覚センサー等の各種センサーを搭載し、エッジアプリケーションサーバ40-2からアシスト情報を取得して、工場内で自律的に移動、又は動作することができる。
【0137】
また、パブリックネットワークは、エッジアプリケーションサーバ40-2にXR(Extended Reality)メディア生成部、XRメディアエンコード部等のXRメディアを処理する機能を実装するようにしてもよい。
【0138】
XRメディア生成部は、XRデバイスであるUE10から受信する適応的なメディア要求に従って、表示領域に適応したXRメディアを生成する。
【0139】
XRメディアエンコード部は、XRメディアを適応的なフォーマットでエンコードする。適応的なフォーマットは、例えば、無線区間の通信品質に基づいて制御される。通信品質が良好であれば、より高解像度のフォーマットが選択され、通信品質が良好でなければ、より低解像度のフォーマットが選択される。
【0140】
また、UE10は、クラウドサーバー(例えば、アプリケーションサーバ40-1)に分散させる閉ループ(Closed loop)の制御の処理をエッジアプリケーションサーバ40-2で処理させることで、低遅延により制御の安定性を向上させることができる。
【0141】
パブリックネットワークの各NFは、NEF302-2を介して、ノンパブリックネットワークのNFとの間で情報を交換することができる。また、パブリックネットワークとノンパブリックネットワークとのSLAによっては、パブリックネットワークの各NFは、直接、ノンパブリックネットワークのNFとの間で情報を交換できるようにしてもよい。
【0142】
[処理方法]
図16-19は、本開示の第2の実施形態に係る処理手順の一例を示す図である。UE10は、パブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-1(MN)を介して、PDUセッション確立要求(PDU Session Establishment Request)メッセージをC-AMF301-1に送信する(ステップS601)。
【0143】
C-AMF301-1は、PDUセッション確立要求メッセージに含まれるS-NSSAI及びDNN等に基づいてSMF選択を実行し(ステップS602)、PDUセッション管理コンテキスト生成要求(Nsmf_PDUSession_CreateSMContext_Request)メッセージを選択されたC-SMF306-1に送信する(ステップS603)。
【0144】
C-SMF306-1は、PDUセッション管理コンテキスト生成要求メッセージを受信すると、UDM307-1に対してサブスクリプション契約に係る情報を取得する処理を起動する(ステップS604)。
【0145】
UDM307-1は、エッジアプリケーションサーバ設置情報(EAS Deployment Information)をC-SMF306-1に供給する(ステップS605)。このエッジアプリケーションサーバ設置情報は、ローカルに設置されるDN(例えば、ノンパブリックネットワークのDN340-2)毎にエッジサービスがどのように展開されているかを示す情報である。
【0146】
C-SMF306-1は、PDUセッション管理コンテキスト生成要求メッセージに対する応答メッセージ(Nsmf_PDUSession_CreateSMContext_Response)を返信する(ステップS606)。
【0147】
UE10とC-DN340-1との間に確立されるPDUセッションの認証及び承認(PDU Session authentication/authorization)処理が実行される(ステップS607)。
【0148】
C-SMF306-1は、S-NSSAI、DNN、サブスクリプション契約に係る情報及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいてPCF選択(PCF Selection)を実行する(ステップS608)。
【0149】
C-SMF306-1は、選択されたPCF305-1との間においてセッション管理ポリシーの関係確立手順(SM Policy Association Establishment procedure)を実行する(ステップS609)。なお、ステップS605におけるエッジアプリケーションサーバ設置情報の取得は、このセッション管理ポリシーの関係確立手順の中で行われてもよい。
【0150】
C-SMF306-1は、UE10の位置に係る情報及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいて、エッジアプリケーションサーバを使ったサービスを提供するノンパブリックネットワークとなるVPLMN又はSNPNの候補を選択する(ステップS610)。ここで、UE10の位置に係る情報は、UE10から取得してもよいし、LMF(Location Management Function)312から取得するようにしてもよい。
【0151】
C-SMF306-1は、サブスクリプション契約、選択されたVPLMN又はSNPNの候補、セッション管理ポリシー及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいて、EASDF(Edge Application Server Discovery Function)選択を実行する(ステップS611)。
【0152】
C-SMF306-1は、DNSコンテキスト生成要求(Neasdf_DNSContext_Create Request)メッセージを選択されたL-EASDF311-2に送信する(ステップS612)。
【0153】
L-EASDF311-2は、メッセージに含まれるUE10のIPアドレス、SUPI(SUbscription Permanent Identifier)、又はSUCI(SUbscription Concealed Identifier)等を保持し、DNSコンテキストを生成する。そして、L-EASDF311-2は、DNSコンテキスト生成要求メッセージに対する応答メッセージ(Neasdf_DNSContext_Create Response)を返信する(ステップS613)。
【0154】
この処理の後、C-SMF306-1は、UE10に送信するPDUセッション確立許可(PDU Session Establishment Accept)メッセージにDNSサーバ又はリゾルバ(resolver)としてL-EASDF311-2のIPアドレスを含める。
【0155】
C-SMF306-1は、パブリックネットワークにおけるPDUセッションアンカー(C-PSA)となるUPF330-1を選択する(ステップS614)。次に、C-SMF306-1は、選択されたUPF(C-PSA)330-1に向けて、N4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS615)。このN4セッション確立要求メッセージを介して、UPF(C-PSA)330-1におけるアップリンク及びダウンリンクのトラフィックを制御するためのN4ルールの設定が行われる。このN4ルールは、例えば、PDR(Packet Detection Rule)、FAR(Forwarding Action Rule)、QER(QoS Enforcement Rule)、URR(Usage Reporting Rule)及びBAR(Buffering Action Rule)等に係る情報である。
【0156】
N4セッション確立要求を受信したUPF(C-PSA)330-1は、N4ルールの設定を行い、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS616)。なお、上記のステップS614においてPDUセッションのために複数のUPF330-1が選択された場合には、N4セッション確立処理は、各UPF330-1に対して起動される。
【0157】
C-SMF306-1は、Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージをC-AMF301-1に送信する(ステップS617)。Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージには、PDUセッションID、N2セッション管理情報(N2 SM Information)、CNトンネル情報(CN Tunnel Info)、S-NSSAI、及びN1セッション管理コンテナ(N1 SM Container)が含まれている。
【0158】
C-AMF301-1は、N2 PDUセッション要求(N2 PDU Session Request)メッセージをパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-1(MN)に送信する(ステップS618)。
【0159】
(R)AN20-1(MN)は、RRC再設定(RRCReconfiguration)メッセージをUE10に送信し、UE10のRRCに関連する設定を更新する(ステップS619)。ここで、(R)AN20-1(MN)は、このRRC再設定メッセージを使って、ステップS613で選択されたVPLMN又はSNPNの候補に対応する周波数帯をUE10の測定周波数帯に追加する指示を通知する。このVPLMN又はSNPNの候補に対応する周波数帯の追加の指示は、上述のN2セッション管理情報を使ってC-SMF306-1から(R)AN20-1(MN)に通知される。
【0160】
UE10は、RRCに関連する設定を更新すると、RRC再設定メッセージに対する応答として、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)メッセージを(R)AN20-1(MN)に返信する(ステップS620)。
【0161】
(R)AN20-1(MN)は、N2 PDUセッション要求メッセージに対する応答として、N2 PDUセッション応答(N2 PDU Session Response)メッセージをC-AMF301-1に返信する(ステップS621)。
【0162】
UE10は、PLMNに対応する周波数帯に加え、VPLMN又はSNPNの候補に対応する周波数帯に関して測定を行う(ステップS622)。次にUE10は、RRC再設定メッセージを使って設定された測定報告(Measurement Report)のため条件に基づいて測定報告(Measurement reporting)を(R)AN20-1(MN)に送信する(ステップS623)。
【0163】
(R)AN20-1(MN)は、UE10から受信する測定報告に基づいて、ノンパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-2をDC(Dual Connectivity)のSN(Secondary Node)として追加することを決定する(ステップS624)。次に、(R)AN20-1(MN)は、選択されたノンパブリックネットワークに対応するVPLMN又はSNPNに係る情報をC-AMF301-1に通知する(Provision of information on selected VPLMN/SNPN)(ステップS625)。
【0164】
C-AMF301-1は、選択されたノンパブリックネットワークに対応するVPLMN又はSNPNに係る情報を受信すると、ノンパブリックネットワークのAMFにL-AMF301-2としての動作を要求する(Request for operation as L-AMF)(ステップS626)。ここで、C-AMF301-1は、ノンパブリックネットワークのNEF302-2に対して、ノンパブリックネットワークの(R)AN20-2を制御するAMFを要求することにより、L-AMF301-2として動作するAMFを特定することができる。
【0165】
L-AMF301-2は、L-AMFとして動作する要求への応答(Response for operation as L-AMF)をC-AMF301-1に返信する(ステップS627)。
【0166】
パブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-1(MN)は、ノンパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-2にSN追加要求(SN Addition Request)メッセージを送信する(ステップS628)。(R)AN20-2がSN追加要求を受け付けると、SN追加要求への応答(SN Addition Request Acknowledge)メッセージを(R)AN20-1(MN)に返信する(ステップS629)。
【0167】
SN追加要求への応答メッセージを受信した(R)AN20-1(MN)は、SN追加を指示するRRC再設定メッセージ(RRCReconfiguration)をUE10に送信する(ステップS630)。UE10は、SN追加に必要な設定を完了すると、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)メッセージを(R)AN20-1(MN)に応答する(ステップS631)。(R)AN20-1(MN)は、UE10がSN追加に必要な設定を完了したことを通知するために、SN再設定完了(RRCReconfigurationComplete)メッセージを(R)AN20-2に転送する(ステップS632)。
【0168】
UE10は、SNである(R)AN20-2に対してランダムアクセス処理(Random Access Procedure)を実行する(ステップS633)。これにより、(R)AN20-2は、UE10との間にDCのための無線ベアラを確立し、PDUセッション変更指示(PDU Session Modification Indication)をL-AMF301-2に通知する(ステップS634)。
【0169】
L-AMF301-2は、C-AMF301-1を介して、PDUセッション管理コンテキスト更新要求(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext Request)メッセージをC-SMF306-1に送信する(ステップS635、ステップS636)。
【0170】
C-SMF306-1は、UE10の位置に係る情報及びエッジアプリケーションサーバ設置情報等に基づいて、エッジアプリケーションサーバ40-2を選択する(ステップS637)。次に、C-SMF306-1は、エッジアプリケーションサーバ40-2と接続されるLocal DN340-2を決定する。続いて、C-SMF306-1は、Local DN340-2に基づいて、エッジアプリケーションサーバ40-2と接続されてノンパブリックネットワークにおけるPDUセッションアンカー(L-PSA)となるUPFを選択する(ステップS638)。更に、C-SMF306-1は、UL CL/BPをサポートするUPFを選択する(ステップS639)。
【0171】
C-SMF306-1は、ノンパブリックネットワークのSMFにL-SMF306-2としての動作を要求する(Request for operation as L-SMF)(ステップS640)。L-SMF306-2は、L-SMFとして動作する要求への応答(Response for operation as L-SMF)をC-SMF306-1に返信する(ステップS641)。
【0172】
C-SMF306-1は、ステップS638、及びステップS639で選択されたUPF(UL CL/BP)330-21、及びUPF(L-PSA)330-22とのN4セッションを確立することを要求するために、L-SMF306-2にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS642)。
【0173】
L-SMF306-2は、UPF(UL CL/BP)330-21にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS643)。N4セッション確立要求を受信したUPF(UL CL/BP)330-21は、N4ルールの設定を行う。次に、UPF(UL CL/BP)330-21は、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをL-SMF306-2に返信する(ステップS644)。
【0174】
L-SMF306-2は、UPF(L-PSA)330-22にN4セッション確立要求(N4 Session Establishment Request)メッセージを送信する(ステップS645)。N4セッション確立要求を受信したUPF(L-PSA)330-22は、N4ルールの設定を行う。次に、UPF(L-PSA)330-22は、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをL-SMF306-2に返信する(ステップS646)。
【0175】
ここで、UPF(L-PSA)330-22に対するN4ルールには、UPF(L-PSA)330-22が接続されるL-DN340-2にC-DN340-1と同一のDNN(Data Network Name)を付与する指示が含まれている。このC-SMF306-1からの指示に基づいて、UPF(L-PSA)330-22は、L-DN340-2にC-DN340-1と同一のDNNを設定する。
【0176】
L-SMF306-2は、UPF(UL CL/BP)330-21、及びUPF(L-PSA)330-22からN4セッション確立応答メッセージを受信すると、N4セッション確立応答(N4 Session Establishment Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS647)。
【0177】
C-SMF306-1は、UPF(C-PSA)330-1にN4セッション更新要求(N4 Session Modification Request)メッセージを送信する(ステップS648)。
【0178】
UPF(C-PSA)330-1は、UPF(UL CL/BP)330-21の挿入と、UPF(UL CL/BP)330-21でローカルブレイクアウトされてUPF(L-PSA)330-22と接続されるパスの追加に関連して更新されたN4ルールの再設定とを行う。次に、UPF(C-PSA)330-1は、N4セッション更新応答(N4 Session Modification Response)メッセージをC-SMF306-1に返信する(ステップS649)。
【0179】
C-SMF306-1は、C-AMF301-1を介して、PDUセッション管理コンテキスト更新応答(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext Response)メッセージをL-AMF301-2に返信する(ステップS650、ステップS651)。
【0180】
L-AMF301-2は、N2 PDUセッション要求(N2 PDU Session Request)メッセージをノンパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-2(SN)に送信する(ステップS652)。このN2 PDUセッション要求メッセージには、C-SMF306-1から送信された(R)AN20-2(SN)に係るN2セッション管理情報が含まれている。
【0181】
(R)AN20-2(SN)は、N2 PDUセッション応答(N2 PDU Session Response)メッセージをL-AMF301-2に返信する(ステップS653)。
【0182】
C-AMF301-1は、UPF(UL CL/BP)330-21の挿入及びUPF(UL CL/BP)330-21でローカルブレイクアウトされるパスの追加に伴って更新されたN2セッション管理情報、CNトンネル情報(CN Tunnel Info)、S-NSSAI、及びN1セッション管理コンテナを含むN2メッセージ(N2 Message)を(R)AN20-1(MN)に送信する(ステップS654)。
【0183】
N1セッション管理コンテナには、C-AMF301-1がUE10に提供しなければならないPDUセッション確立許可(PDU Session Establishment Accept)及びQoSルールが含まれている。PDUセッション確立許可には、S-NSSAI及びEASDF311-2のIPアドレスが含まれている。
【0184】
(R)AN20-1(MN)は、N1メッセージ(N1 Message)を使って、N2メッセージに含まれていたPDUセッション確立許可及びQoSルールをUE10に送信し(ステップS655)、N2メッセージへの応答を返信する(ステップS656)。
【0185】
上記の説明では、パブリックネットワーク及びノンパブリックネットワークの異なるネットワークドメインを中央サイト(Central Site)とローカルサイト(Local Site)という表現で分類しているが、この表現に限定されない。例えば、パブリックネットワークをホームネットワーク、ノンパブリックネットワークをビジターネットワークとして、HPLMNとVPLMNという表現で分類してもよい。また、VPLMNは、SNPNとして分類してもよい。
【0186】
上述のステップS642乃至ステップS649の手順により、C-SMF306-1は、アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を上述の第1のユーザープレーン機能を介したアプリケーションサーバ40-1と上述の第2のユーザープレーン機能を介したエッジアプリケーションサーバ40-2とに振り分ける機能をPDUセッションに追加することができる。この振り分ける機能は、マスターノードを介して第1の無線ベアラにマッピングされた第1のトラフィックの第1のユーザープレーン機能を介したアプリケーションサーバへの転送と、セカンダリーノードを介して第2の無線ベアラにマッピングされた第2のトラフィックの第2のユーザープレーン機能を介したエッジアプリケーションサーバへの転送とに振り分ける機能となる。
【0187】
なお、ホームネットワーク内の(R)AN20-1がマスターノードに該当し、ビジターネットワーク内の(R)AN20-2がセカンダリーノードに該当する。また、(R)AN20-1は第1の基地局の一例である。また、(R)AN20-2は第2の基地局の一例である。また、(R)AN20-1を介する伝達経路は、第1の無線ベアラの一例である。(R)AN20-2を介する伝達経路は、第2の無線ベアラの一例である。また、UPF330-1は、第1のユーザープレーン機能の一例である。UPF330-22は、第2のユーザープレーン機能の一例である。
【0188】
以上に示したエッジアプリケーションサーバを含むPDUセッション確立処理によって、
図15に示したネットワークアーキテクチャの構成を実現することができる。
【0189】
このように、本開示の第2の実施形態のセッション管理方法は、マスターノードとして(R)AN20-1に接続された状態においてセカンダリーノードとして(R)AN20-2に接続する。このセカンダリーノードにおいてセッションブレイクアウトの形態にてエッジアプリケーションサーバを含むDN340-2と接続する。管理するPDUセッションが1つであるため、2つのPDUセッションを確立する場合と比較してセッション管理を容易にすることができる。
【0190】
(5.3 まとめ)
上述の第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、パブリックネットワークがノンパブリックネットワークにより提供されるエッジアプリケーションサーバを活用する管理が容易なセッション管理を実現することができる。これにより、ユーザープレーンにおける遅延を削減することが可能となる。
【0191】
(5.4 補足説明)
上述の実施形態の用語について説明する。
【0192】
[エッジアプリケーションサーバの情報]
図16のステップS605において説明したように、エッジアプリケーションサーバ設置情報は、ローカルに設置されるDN毎にエッジサービスがどのように展開されているかを示す情報である。
【0193】
ここで、ノンパブリックネットワークのAF308-2は、パブリックネットワークのポリシーによって、エッジアプリケーションサーバ設置情報生成、更新及び削除(Nnef_EASDeployment_Create/Update/Delete)サービスを使って、NEF302-1に対してエッジアプリケーションサーバ設置情報の生成、更新及び削除を要求することができる。パブリックネットワークのポリシーによってAF308-2からの要求が許可されている場合には、NEF302-1は、UDRに対してデータ管理生成、更新及び削除(Nudr_DM_Create /Update/Delete)サービスを起動し、UDRはAF308-2からの要求に含まれるエッジアプリケーションサーバの設置に関連する情報を保存する。
【0194】
また、エッジアプリケーションサーバ設置情報には、DNN、S-NSSAI、グループ識別子(Group Identifier)、アプリケーションID(Application ID)、絶対ドメイン名(FQDN:Fully Qualified Domain Name)、DNSサーバ情報(DNS Server Information)及びIPアドレス情報(EAS IP address range Information)等が含まれる。
【0195】
また、グループ識別子には、内部グループ識別子(Internal Group Identifier)と外部グループ識別子(External Group Identifier)とがある。NEF302-1は、UDM307-1から受信する情報に基づいて、AF308-2から提供される外部グループ識別子を内部グループ識別子にマッピングすることができる。UDRのUE10に対する契約情報は、UE10の契約者と内部グループ識別子によって識別されるグループとを関連付けた情報にすることができる。つまり、同一のDNN及びS-NSSAIに対して、異なる内部グループ識別子毎のエッジアプリケーションサーバ設置情報を作成することができる。
【0196】
[セッション管理に係るポリシー]
図16のステップS609において説明したように、C-SMF306-1は、選択されたPCF305-1との間においてセッション管理ポリシーの関係確立手順を実行する。
【0197】
C-SMF306-1が取得するセッション管理に係るポリシーには、例えば、S-NSSAIとDNNで特定されるPDUセッションに対してエッジアプリケーションサーバの使用を推奨する情報が含まれている。DNNを介してアプリケーションを提供するパブリックネットワークであるPLMNやサードパーティーのサービスプロバイダは、AF要求(AF request)を介して、アプリケーションに対してエッジアプリケーションサーバ使用の推奨の有無をセッション管理に係るポリシーに反映させるための要求をすることができる。
【0198】
エッジアプリケーションサーバ使用の推奨の有無は、アプリケーションを識別する情報(Application Identifier)毎に設定される。エッジアプリケーションサーバ使用の推奨の有無をセッション管理に係るポリシーに反映させるための要求は、例えば、後述するDNAI(Data Network Access Identifier)毎のN6トラフィックルーティング要求に含めることができる。この場合、エッジアプリケーションサーバ使用の推奨の有無をセッション管理に係るポリシーに反映させるための要求をN6トラフィックルーティング情報(N6 traffic routing information)として提供するようにしてもよい。
【0199】
なお、AF308は、AF要求を使ってアプリケーションサーバ40へのトラフィックのルーティングに関する要求を行うことができる。このAF要求は、NEF302を介してPCF305に送信される。なお、AF308がPCF305に直接アクセスできる場合には、AF要求はリファレンスポイントのN5を介してPCF305に送信される。N5は、AF308とPCF305との間で定義されたリファレンスポイントである。PCF305は、受信したAF要求をPDUセッションに適用するポリシー、又はルールに変換する。
【0200】
AF要求には、必須(mandatory)であるTraffic Description、Target UE Identifier(s)、AF Transaction Identifierを含めなければならない。ここで、Traffic Descriptionは、トラフィックを識別するための情報であり、DNN(Data Network Name)及びS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assist Information)の組み合わせとapplication identifier、又はtraffic filtering informationとにより構成される。ここで、DNNは、4G以前のシステムで使用されているAPN(Access Point Name)に相当するものである。
【0201】
また、S-NSSAIは、ネットワークスライスの選択をアシストするための情報(ネットワークスライス選択支援情報)である。このS-NSSAIは、スライスの型(slice type)を識別する8ビットから成る必須(mandatory)のSST(Slice/Service Type)と、同一のSSTの中で異なるスライスを区別するための24ビットから成る任意(optional)のSD(Slice Differentiator)との組で構成される。
【0202】
application identifierは、ユーザープレーンのトラフィックを扱うアプリケーションを識別する情報であり、UPF330がアプリケーションのトラフィックを識別するために使用する情報である。
【0203】
traffic filtering informationは、トラフィックを分類するための情報である。例えば、送信元IP、送信元ポート番号、宛先IP、宛先ポート番号及びプロトコル番号からなる5 Tupleである。
【0204】
また、AF要求には、条件によって潜在的なアプリケーションの位置に係る情報を含めることができる。ここで、潜在的なアプリケーションの位置に係る情報は、アプリケーションが実装される先の候補となる1つ以上のDN340へのユーザープレーンアクセスを識別するためのDNAI(Data Network Access Identifier)を含むリストとして提供される。
【0205】
更に、AF要求には、オプションとしてSpatial Validity Condition、N6トラフィックルーティング要求(N6 Traffic Routing requirements)、Application Relocation Possibility、UE IP address preservation indication、Temporary Validity Condition、SMFイベントに対するAFサブスクリプションに関する情報、5GC30におけるエッジアプリケーションサーバのIP Replacementのための情報、User Plane Latency Requirement、AF変更(AF change)に関する情報及びエッジアプリケーションサーバの再配置(EAS Relocation)のための指示等を含むことができる。ここで、N6は、UPF330とDN340間のリファレンスポイントである。
【0206】
Spatial Validity Conditionは、有効なエリアの形式で提供される。AF要求がSMF306でのルーティングの決定に関する要求である場合には、Spatial Validity Conditionは、そのトラフィックのルーティングが特定の位置に在圏するUE10のトラフィックにだけ適用されることを示す。AF要求がユーザープレーンのパス管理のイベントについての通知を登録するための要求である場合には、Spatial Validity Conditionは、その通知が特定の位置に在圏するUE10のトラフィックにだけ適用されることを示す。
【0207】
N6トラフィックルーティング要求に関する情報は、DNAI毎に提供される情報であり、ルーティングプロファイルIDとN6トラフィックルーティング情報を含めることができる。ルーティングプロファイルIDは、AF308と5GC30との間であらかじめ合意されているルーティングに関するポリシーを参照するための識別情報である。N6トラフィックルーティング情報は、DNAIへのトラフィックを転送するために必要な情報を含んでいる。
【0208】
Application Relocation Possibilityは、アプリケーションの位置が5GC30によって選択された後にアプリケーションが再配置できるか、否かを示す情報である。
【0209】
UE IP address preservation indicationは、Traffic Descriptionによって識別されるトラフィックに関係するUE10のIPアドレスが維持されるべきであることを示す。この指示をAF308から受信すると、5GC30は、UPF330が選択された後に、UPF330の再選択を避けることでUE10のIPアドレスを維持する。
【0210】
Temporary Validity Conditionは、AF要求が適用される時間間隔、又は期間を示す形式で提供される。AF要求がSMF306でのルーティングの決定に関する要求である場合には、Temporary Validity Conditionは、そのトラフィックのルーティングがいつ適用されるかを示す。AF要求がユーザープレーンのパス管理のイベントについての通知を登録するための要求である場合には、Temporary Validity Conditionは、その通知がいつ発生するかを示す。
【0211】
SMFイベントに対するAFサブスクリプションに関する情報を含むAF要求は、Traffic Descriptionにより識別されるトラフィックに関連するユーザープレーンのパスの変化の通知を登録するための要求である。このAF要求は、サブスクリプションのタイプ及びイベント通知を受信するための通知先アドレス(notification target address)等が含まれる。サブスクリプションのタイプが先通知(Early notification)である場合には、SMF306は、新たなユーザープレーンのパスが設定される前にパスの変化の通知を送信する。サブスクリプションのタイプが後通知(Late notification)である場合には、SMF306は、新たなユーザープレーンのパスが設定された後にパスの変化の通知を送信する。
【0212】
エッジアプリケーションサーバのIP Replacementのための情報は、エッジコンピューティングによるサービスのためのソースエッジアプリケーションサーバの識別子とターゲットエッジアプリケーションサーバの識別子を指示する。ここで、識別子は、例えば、ソース及びターゲットエッジアプリケーションサーバのIPアドレスとポート番号である。
【0213】
User Plane Latency Requirementは、ターゲットエッジアプリケーションサーバの再配置の際に考慮されるユーザープレーンでの遅延である。UE10と候補のPSA UPFとの間のユーザープレーンにおける遅延の推測値がSMF306に対して既知であるネットワーク配置において、SMF306がAF要求に基づいてPSA UPFの再配置を決定できるように、AF308は、AF要求を介して5GC30にUser Plane Latency Requirementを要求することができる。
【0214】
AF変更に関する情報は、AF308の再配置に関する情報であり、変更先のターゲットAF308を識別する情報であるAF IDを含む。
【0215】
エッジアプリケーションサーバの再配置のための指示は、アプリケーションを再配置することの指示である。
【0216】
[UE10の位置に係る情報]
図16におけるステップS610において説明したように、C-SMF306-1は、UE10の位置に係る情報等に基づいて、エッジアプリケーションサーバ使ったサービスを提供するノンパブリックネットワークとなるVPLMN又はSNPNの候補を選択する。
【0217】
UE-Based modeにおいて、UE10は、LMF(Location Management Function)から補助データ(assistance data)を取得し、GNSS(Global Navigation Satellite System)に関する測定と位置の計算を行うことができる。例えば、広く知られたAssisted-GNSSと呼ばれる手法を使用することができる。なお、GNSSからの信号を受信できない場合等、UE10はGNSS以外の手段で位置に係る情報を検出してもよい。例えば、Sidelink positioning、WLAN positioning、Bluetooth(登録商標) positioning、又は、TBS(Terrestrial Beacon Systems)positioningと呼ばれる手法を用いて、UE10は自身の位置に係る情報を検出することができる。
【0218】
UE10は、Sidelink positioningにおいて、周囲のUE10、又は路側機(RSU:Road Side Unit)とのSlidelink通信によるSidelink Received Signal Strength Indicator(SL RSSI)を測定して、各UE10、又は路側機の位置に係る情報とSL RSSIの測定値に基づいて位置を計算する。さらに、UE10は、周囲のUE10、又は路側機との間のRTT(Round Trip Time)を測定して、その位置を計算するようにしてもよい。
【0219】
UE10は、WLAN positioningにおいて、各WLAN Access Pointに関するReceived Signal Strength Indicator(RSSI)を測定して、各WLAN Access Pointの既知の座標に関する情報とその測定値に基づいて位置を計算する。さらに、UE10は、WLAN Access Pointとの間のRTT(Round Trip Time)を測定して、その位置を計算するようにしてもよい。
【0220】
UE10は、Bluetooth positioningにおいて、各Bluetooth beaconに関するReceived Signal Strength Indicator(RSSI)を測定して、各Bluetooth beaconの既知の座標に関する情報とその測定値に基づいて位置を計算してもよい。
【0221】
UE10がGNSS受信機を装備している場合には、UE-Assisted modeにおいて、UE10はCode Phase、Doppler、Carrier Phase等のGNSSに関する測定を行い、これら測定値をLMF312に送信し、LMF312がUE10の位置を計算する。
【0222】
また、GNSS受信機を装備していてもGNSSからの信号を受信できない、又は、GNSSを装備していないUE10に対して、LMF312は、OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)、Multi-RTT(Round Trip Time)、DL AoD(Downlink Angle-of-Departure)、DL TDOA(Downlink Time Difference of Arrival)、UL TDOA(Uplink Time Difference of Arrival)、UL AoA(Angle of Arrival)と呼ばれるポジショニング技法、又は、CID(Cell ID)を使ったポジショニング技法でUE10の位置に係る情報を取得してもよい。
【0223】
例えば、OTDOAにおいては、UE10は複数のTP(Transmission Point)からダウンリンクのPRS(Positioning Reference Signal)を受信し、Physical cell ID、Global cell ID、TP ID及びPRSのタイミングに関する測定値をLPP(LTE Positioning Protocol)を介してLMF312に報告することによって、LMF312が測定された各TPの既知の座標に関する情報と、報告されたPRSの相対タイミングに基づいてUE10の位置を計算する。
【0224】
また、例えば、CIDを使ったポジショニングでは、LMF312は、ng-eNB、又は、gNBの既知の座標に関する情報と、UE10から報告される以下の測定結果とに基づいてUE10の位置を計算する。UE10は、例えば、ECGI(Evolved Cell Global Identifier)、又は、Physical Cell IDと、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)及びUE Rx-Tx time differenceに関する測定結果とをLMF312に報告する。ここで、UE Rx-Tx time differenceは、UE10が受信したタイミングと送信したタイミングとの時間差として定義されている。
【0225】
[N4ルール]
図17のステップS615において、UPF(C-PSA)330-1は、N4ルールの設定を行う。前述のように、このN4ルールは、例えば、PDR(Packet Detection Rule)、FAR(Forwarding Action Rule)、QER(QoS Enforcement Rule)、URR(Usage Reporting Rule)及びBAR(Buffering Action Rule)等に係る情報である。
【0226】
PDRは、UPF330においてパケットを分類するために必要な情報を含んでいる。例えば、パケットを分類するために必要な情報は、PCF305から取得するアプリケーションIDに対応する1つのPDUセッションにマッピングするQoSフローの数に係るポリシー又はルールと各QoSフローに5QI、又はQoSの特徴をマッピングするためのポリシー又はルールに従って設定される。UPF330は、5QI、又はQoSの特徴に対応するQFIによってPDUセッションのパケットを分類することができる。ここで、QoSフローの数に係るポリシー又はルールは、例えば、PCF305がAF要求の一部として取得するN6トラフィックルーティング情報に基づいて設定される。ここで、1つのPDUセッションにマッピングするQoSフローの数は、明示的にAF要求のパラメータとして含めてもよいし、N6トラフィックルーティング情報の接続先の数に基づいて設定するようにしてもよい。
【0227】
FARは、特定のパケットに対する処理方法、例えば、フォワード、複製、ドロップ、又はバッファ等に係る情報を含んでいる。
【0228】
QERは、トラフィックに適用されるQoSの指示に係る情報を含んでいる。例えば、トラフィックに適用されるQoSの指示に係る情報は、PCF305から取得する各QoSフローに5QI、又はQoSの特徴をマッピングするためのポリシー又はルールに従って設定される。
【0229】
URRは、トラフィックの計測及び報告のために必要な情報を含んでいる。BARは、データがバッファリングされる期間及び量、並びに、コントロールプレーンにおける通知方法に係る情報を含んでいる。
【0230】
[Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージ]
図17のステップS617において説明したように、C-SMF306-1は、Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージをC-AMF301-1に送信する。前述のように、Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージには、PDUセッションID、N2セッション管理情報(N2 SM Information)、CNトンネル情報(CN Tunnel Info)、S-NSSAI、及びN1セッション管理コンテナ(N1 SM Container)が含まれている。
【0231】
N2セッション管理情報には、PDUセッションID、QFI(s)、及びQoSプロファイル等が含まれている。ここで、QoSプロファイルには、PDUセットに係る情報が含まれていてもよい。例えば、特定のQFIに対応するQoSフローに設定されたPDUセットに係る情報が含まれている。また、1つのPDUセッションに複数のQoSフローがマッピングされる場合には、複数のQoSプロファイルで構成されるQoSプロファイルセットを提供するようにしてもよい。
【0232】
PDUセッションのために複数のUPF330-1が使用される場合には、CNトンネル情報には、N3を終端するこれら複数のUPF330-1に関連するトンネリング情報(Tunnel Information)が含まれる。
【0233】
N1セッション管理コンテナには、C-AMF301-1がUE10に提供しなければならないQoSルールが含まれている。
【0234】
Namf_Communication_N1N2MessageTransferメッセージには、C-AMF301-1がUE10に対していずれのアクセスを使用するのかが分かるように、PDUセッションIDが含まれている。
【0235】
[N2 PDUセッション要求メッセージ]
図17のステップS618において説明したように、C-AMF301-1は、N2 PDUセッション要求メッセージをパブリックネットワークの基地局装置である(R)AN20-1(MN)に送信する。このN2 PDUセッション要求メッセージには、UE10を送り先とするPDUセッションID及びN1セッション管理コンテナを含むNASメッセージ、並びに、C-SMF306-1から送信された(R)AN20-1(MN)に係るN2セッション管理情報が含まれている。
【0236】
(R)AN20-1(MN)は、N2 PDUセッション要求メッセージに含まれるN2セッション管理情報から、PDUセッションID、QFI、及びQoSプロファイル等を取得する。また、(R)AN20-1(MN)は、N2 PDUセッション要求メッセージに含まれるNASメッセージをUE10に転送する。上述したように、NASメッセージには、PDUセッションID及びN1セッション管理コンテナが含まれており、N1セッション管理コンテナには、QoSルールが含まれている。
【0237】
また、(R)AN20-1(MN)は、PDUセッションにANトンネル情報(AN Tunnel Info)を割り当てる。ここで、ANトンネル情報は、関与する各(R)ANノードのtunnel endpointと各tunnel endpointに割り当てられたQFIsを含んでいる。(R)AN20-1(MN)は、C-AMF301-1に通知するためのN2セッション管理情報を更新する。ここで、N2セッション管理情報は、PDUセッションID、ANトンネル情報、許可、又は拒否されたQFI(s)のリスト、及びUser Plane Enforcement Policy Notification等の情報を含む。
【0238】
(その他の変形例)
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0239】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0240】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0241】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。従って、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0242】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0243】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0244】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、
ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、前記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能(330-1)を選択することと、
ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ビジターネットワーク内の前記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能(330-22)を選択することと、
前記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に前記データネットワークネームを対応付けることと、
アップリンクのデータに基づいて当該データの転送先を前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバと前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を前記PDUセッションに追加することと、
を含むセッション管理方法。
(2)
前記エッジアプリケーションサーバを提供する1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を提供することを更に含む前記(1)に記載のセッション管理方法。
(3)
前記ホームネットワークは、第1のPLMN(Public Land Mobile Network)によって管理されるHPLMN(Home PLMN)であり、
前記ビジターネットワークは、第2のPLMNによって管理されるVPLMN(Visitor PLMN)であり、
前記第1のPLMNは、前記第2のPLMNとの間にローミング契約を有する
前記(1)又は(2)に記載のセッション管理方法。
(4)
前記ホームネットワークは、PLMNによって管理されるHPLMNであり、
前記ビジターネットワークは、SNPN(Stand-alone Non-Public Network)によって管理されるノンパブリックネットワークであり、
前記PLMNは、前記SNPNとの間にSLA(Service Level Agreement)を有する 前記(1)から(3)の何れかに記載のセッション管理方法。
(5)
前記1つのPDUセッションは、無線端末装置が接続可能な前記ビジターネットワーク内の基地局装置を介したPDUセッションである前記(1)から(4)の何れかに記載のセッション管理方法。
(6)
前記ホームネットワーク内の第1の基地局装置をマスターノードとし、前記ビジターネットワーク内の第2の基地局装置をセカンダリーノードとするデュアルコネクティビティによる無線ベアラを確立することを更に含み、
前記PDUセッションは、前記無線ベアラを含む
前記(1)から(5)の何れかに記載のセッション管理方法。
(7)
前記振り分ける機能は、前記マスターノードを介して第1の無線ベアラにマッピングされた第1のトラフィックの前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバへの転送と、前記セカンダリーノードを介して第2の無線ベアラにマッピングされた第2のトラフィックの前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバへの転送とに振り分ける機能である前記(6)に記載のセッション管理方法。
(8)
前記第1のセッションマネージメント機能が、前記アプリケーションサーバに対応する前記データネットワークネームを前記演算処理部に設定することを前記第2のユーザープレーン機能に指示する機能である前記(1)から(7)の何れかに記載のセッション管理方法。
(9)
前記エッジアプリケーションサーバの設置に係る情報を取得することと、
前記エッジアプリケーションサーバの設置に係る前記情報に基づいて1つ以上のビジターネットワークの前記候補を選択することと
を更に含む前記(2)に記載のセッション管理方法。
(10)
1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を提供することと、
無線通信装置からの要求に基づいて登録のための手順を実行することと、
前記登録のための手順に応じてAllowed NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)を生成することと、
前記Allowed NSSAIの中に特定のS-NSSAI(Single-NSSAI)が含まれている場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれるビジターネットワークに対応する周波数帯をセル選択又はセル再選択のための測定周波数に追加することを前記無線通信装置に指示することと、
を含む方法。
(11)
前記無線通信装置から前記特定のS-NSSAIのためのPDUセッション確立要求を受信した場合に、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加された前記周波数帯の優先度を上げることを前記無線通信装置に指示することを更に含む前記(10)に記載の方法。
(12)
前記特定のS-NSSAIが、エッジアプリケーションサーバを使用するアプリケーションの利用である場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれる前記ビジターネットワークに対応する前記周波数帯を、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加する前記(10)又は(11)に記載の方法。
(13)
前記1つ以上のビジターネットワークが提供するS-NSSAIを含むConfigured NSSAIを前記無線通信装置に設定することを指示することを更に含む前記(10)から(12)の何れかに記載の方法。
(14)
前記Allowed NSSAIの中に、前記特定のS-NSSAIが含まれていない場合に、前記無線通信装置から前記特定のS-NSSAIへの登録要求を受信して、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供するビジターネットワークが含まれているかの確認を行うことと、
前記確認の結果、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して前記Allowed NSSAIを更新することと
を更に含む前記(10)から(13)の何れかに記載の方法。
(15)
前記登録のための手順に応じてRejected S-NSSAIを特定することと、
前記無線通信装置から前記Rejected S-NSSAIである前記特定のS-NSSAIへの登録要求を受信して、前記無線通信装置が在圏するトラッキングエリア内で前記特定のS-NSSAIを利用できない場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供するビジターネットワークが含まれているかの確認を行うとと、
前記確認の結果、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して前記Allowed NSSAIを更新することと
を更に含む前記(10)から(14)の何れかに記載の方法。
(16)
前記Rejected S-NSSAIはレジストレーションエリア内の1つ以上のトラッキングエリアで利用を許可されないS-NSSAIであり、
前記Rejected S-NSSAIと前記レジストレーションエリア内で利用を許可されない1つ以上のトラッキングエリアのセットを前記無線通信装置に提供することと
を更に含む前記(10)から(15)の何れかに記載の方法。
(17)
前記登録のための手順に応じて第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIを特定することと、
前記無線通信装置から前記第2のAllowed NSSAI、若しくは前記Conditionally Allowed NSSAIに含まれる前記特定のS-NSSAIへの登録要求を受信して、前記無線通信装置が在圏するトラッキングエリア内で前記特定のS-NSSAIを利用できない場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供するビジターネットワークが含まれているかの確認を行うとと、
前記確認の結果、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して前記Allowed NSSAIを更新することと
を更に含む前記(10)から(16)の何れかに記載の方法。
(18)
前記第2のAllowed NSSAI、若しくは前記Conditionally Allowed NSSAIは、レジストレーションエリア内の1つ以上のトラッキングエリアで利用を許可されない、かつその他の1つ以上のトラッキングエリアで利用を許可される1つ以上のS-NSSAIを含み、
前記第2のAllowed NSSAI、若しくは前記Conditionally Allowed NSSAIと、前記その他の1つ以上のトラッキングエリアのセットを前記無線通信装置に提供することと
を更に含む前記(10)から(17)の何れかに記載の方法。
(19)
Configured NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)に含まれる1つ以上のS-NSSAI(Single-NSSAI)を含む登録を要求することと、
前記要求に基づいて、Allowed NSSAIを取得することと、
1つ以上のビジターネットワークの候補に係る情報を取得することと、
前記Allowed NSSAIの中に、特定のS-NSSAIが含まれている場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれるビジターネットワークに対応する周波数帯を、セル選択又はセル再選択のための測定周波数に追加することと、
を含む無線通信方法。
(20)
前記特定のS-NSSAIのためのPDUセッション確立要求を送信する前に、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加された前記ビジターネットワークに対応する周波数帯の優先度を上げることを更に含む前記(19)に記載の無線通信方法。
(21)
前記特定のS-NSSAIが、エッジアプリケーションサーバを使用するアプリケーションの利用である場合に、前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補に含まれる前記ビジターネットワークに対応する前記周波数帯を、前記セル選択又はセル再選択のための前記測定周波数に追加する前記(19)又は(20)に記載の無線通信方法。
(22)
前記1つ以上のビジターネットワークが提供するS-NSSAIを含むConfigured NSSAIを設定する指示を受信した際に、前記Configured NSSAIを設定することを更に含む前記(19)から(21)の何れかに記載の無線通信方法。
(23)
前記Allowed NSSAIの中に、前記特定のS-NSSAIが含まれていない場合に、前記特定のS-NSSAIへの登録を要求することと、
前記1つ以上のビジターネットワークの前記候補の中に、前記特定のS-NSSAIを提供する前記ビジターネットワークが含まれている場合に、前記特定のS-NSSAIを追加して更新された前記Allowed NSSAIを取得することと
を更に含む前記(19)から(22)の何れかに記載の無線通信方法。
(24)
前記要求に基づいて、更にRejected S-NSSAIを取得することと、
前記Rejected S-NSSAIである前記特定のS-NSSAIへの登録を要求することと、
を含む前記(19)から(23)の何れかに記載の無線通信方法。
(25)
前記Rejected S-NSSAIとレジストレーションエリア内で利用を許可されない1つ以上のトラッキングエリアのセットを取得することと、
前記レジストレーションエリア内で利用を許可されない前記1つ以上のトラッキングエリアで前記特定のS-NSSAIへの登録を要求する、
前記(19)から(24)の何れかに記載の無線通信方法。
(26)
前記要求に基づいて、更に第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIを取得することと、
前記第2のAllowed NSSAI、若しくはConditionally Allowed NSSAIに含まれる前記特定のS-NSSAIへの登録を要求することと、
を含む前記(19)から(25)の何れかに記載の無線通信方法。
(27)
前記特定のS-NSSAIと、当該特定のS-NSSAIがレジストレーションエリア内で利用を許可される1つ以上のトラッキングエリアとのセットを取得することと、
前記レジストレーションエリア内の前記1つ以上のトラッキングエリアとは異なる第2のトラッキングエリアで前記特定のS-NSSAIへの登録を要求する、
前記(19)から(26)の何れかに記載の無線通信方法。
(28)
エッジアプリケーションサーバと接続する1つのPDUセッションの確立又は更新処理において、
ホームネットワーク内の第1のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ホームネットワーク内のアプリケーションサーバに対応する1つのデータネットワークネームに基づいて、前記アプリケーションサーバと接続されるPDUセッションアンカーとなる第1のユーザープレーン機能(330-1)を選択することと、
ビジターネットワーク内の第2のセッションマネージメント機能を選択することと、
前記ビジターネットワーク内の前記エッジアプリケーションサーバとセッションブレイクアウトの形態で接続されるPDUセッションアンカーとなる第2のユーザープレーン機能(330-22)を選択することと、
前記エッジアプリケーションサーバの少なくとも一部の演算処理部に前記データネットワークネームを対応付けることと、
アップリンクのデータの種別の判別方法を設定する(306-1)ことと、
前記設定された判別方法に基づいて前記アップリンクのデータの種別の判別を行う(330-21)ことと、
前記判別の結果に基づいて前記アップリンクのデータの転送先を前記第1のユーザープレーン機能を介した前記アプリケーションサーバと前記第2のユーザープレーン機能を介した前記エッジアプリケーションサーバとに振り分ける機能を前記PDUセッションに追加することと、
を含む制御方法。
(29)
前記エッジアプリケーションサーバにネットワークデータ解析機能を設定することを更に含む前記(28)に記載の制御方法。
(30)
前記エッジアプリケーションサーバにデータコレクションコーディネーション機能を設定することを更に含む前記(28)又は(29)に記載の制御方法。
(31)
前記ネットワークデータ解析機能は分析論理機能を含み、
前記分析論理機能が学習済みのAI(Artificial Intelligence)/ML(Machine Learning)モデルを利用して推論を実行すること、及び/若しくは分析情報を生成することと、
を更に含む前記(29)又は(30)に記載の制御方法。
(32)
前記アプリケーションサーバに第2のネットワークデータ解析機能を設定することと、
前記ネットワークデータ解析機能は前記第2のネットワークデータ解析機能から前記学習済みのAI/MLモデルを取得することと、
を更に含む前記(29)から(31)の何れかに記載の制御方法。
(33)
前記第2のネットワークデータ解析機能はモデル学習論理機能を含み、
前記モデル学習論理機能が前記学習済みのAI/MLモデルを生成することと、
を更に含む前記(31)又は(32)に記載の制御方法。
(34)
前記エッジアプリケーションサーバにXR(Extended Reality)メディア生成部、及び/又はXRメディアエンコード部を設定することを更に含む前記(28)に記載の制御方法。
(35)
前記XRメディア生成部が適応的なメディア要求に従って、表示領域に適応したXRメディアを生成することを更に含む前記(34)に記載の制御方法。
(36)
前記XRメディアエンコード部が前記適応的なメディア要求に従って、適応的なフォーマットでXRメディアをエンコードすることと、
を更に含む前記(34)又は(35)に記載の制御方法。
(37)
前記適応的なフォーマットが無線通信装置と、前記無線通信装置が接続する基地局装置との間の無線区間の通信品質に基づいて制御されることを更に含む前記(34)から(36)の何れかに記載の制御方法。
(38)
前記通信品質が閾値以上の場合に前記適応的なフォーマットとして高解像度のフォーマットを選択し、前記通信品質が閾値未満の場合に前記適応的なフォーマットとして低解像度のフォーマットを選択することを更に含む前記(37)に記載の制御方法。
(39)
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)、又は自動運転を支援するアプリケーションにおいて、前記アプリケーションサーバが少なくともダイナミックマップを構成する静的情報のレイヤを処理し、前記第1のユーザープレーン機能を介して前記静的情報のレイヤを無線通信装置に送信することと、
前記エッジアプリケーションサーバが前記ダイナミックマップを構成する準静的情報のレイヤ、準動的情報のレイヤ、及び動的情報のレイヤの少なくとも1つのレイヤを処理し、前記第2のユーザープレーン機能を介して前記1つのレイヤを前記無線通信装置に送信することと、
を更に含む前記(28)に記載の制御方法。
(40)
前記ビジターネットワーク内の路側機(Road Side Unit)はイメージセンサー、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダーの少なくとも1つのセンサーを搭載し、
前記エッジアプリケーションサーバが少なくとも前記1つのセンサーから取得した情報に基づいて前記準静的情報のレイヤ、前記準動的情報のレイヤ、及び前記動的情報のレイヤの少なくとも1つの第2のレイヤを更新することと、
を更に含む前記(39)に記載の制御方法。
(41)
前記エッジアプリケーションサーバに位置管理機能(Location Management Function)を設定することと、
前記位置管理機能は前記無線通信装置の位置を算出することと、
を更に含む前記(39)又は(40)に記載の制御方法。
(42)
前記無線通信装置を搭載する車両がGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、加速度センサー、ジャイロセンサー、イメージセンサー、LiDAR、ミリ波レーダーの少なくとも1つのセンサーを搭載し、
前記エッジアプリケーションサーバに分析論理機能を含むネットワークデータ解析機能を設定することと、
前記ネットワークデータ解析機能が少なくとも前記1つのセンサーが検出したセンシング情報を前記無線通信装置を介して取得することと、
前記分析論理機能が前記センシング情報と、学習済みのAI/MLモデルを利用して、前記ADAS、若しくは前記自動運転を支援するためのアシスト情報を生成することと、
前記ネットワークデータ解析機能が前記アシスト情報を前記無線通信装置を介して前記車両に送信することと、
を更に含む前記(39)から(41)の何れかに記載の制御方法。
【符号の説明】
【0245】
10 UE
20、20-1、20-2 (R)AN
30、30-1、30-2 5GC
40-1 アプリケーションサーバ
40-2 エッジアプリケーションサーバ
301、301-1、301-2 AMF
302、302-1、302-2 NEF
305、305-1、305-2 PCF
306、306-1 SMF
307、307-1 UDM
308、308-1 AF
311、311-1、311-2 EASDF
330、330-1、330-21、330-22 UPF
340、340-1、340-2 DN