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特開2023-181805磁気共鳴撮像装置および信号処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181805
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】磁気共鳴撮像装置および信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A61B5/055 355
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095149
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦士
(72)【発明者】
【氏名】中馬 崇
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB04
4C096AD10
4C096BB32
4C096CD03
4C096CD10
4C096DA02
(57)【要約】
【課題】MRI装置において、撮像時間や製造コストを増加させることなくMR信号のダイナミックレンジを拡大する。
【解決手段】MRI装置において、2系統の核磁気共鳴信号をダイレクトサンプリング方式でA/D変換する受信器200を備える。受信器200は核磁気共鳴信号を2系統ずつに分配する分配器201と、分配器から出力されるオーバーフロー信号を減衰させる減衰器202と、同一ゲインの信号どうしを切り替えて出力するスイッチ203を備える。2種類のゲインの信号を核磁気共鳴信号と同数のADCで各別にA/D変換し、減衰した信号のゲインを元に戻し、再合成するデジタル処理手段を備える。スイッチで切り替えて出力したゲインの異なる信号どうしを合成し、全サンプリング点に対してデジタルデータのビット数を増加させることでダイナミックレンジを拡大する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に核磁気共鳴を生じさせる磁場発生部と、受信コイルを有し、前記被検体が発する核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した核磁気共鳴信号を用いて画像再構成を含む処理を行う演算部とを備え、
前記受信部は、前記核磁気共鳴信号を少なくとも2系統の信号に分配する分配器と、第1の系統の信号及び第2の系統の信号の少なくとも一方をゲイン調整するゲイン調整器と、前記ゲイン調整器により互いにゲインを異ならせた第1の系統の信号及び第2の系統の信号を、それぞれ、アナログ‐デジタル変換する第1のAD変換器及び第2のAD変換器と、前記ゲイン調整器によりゲイン調整されたデジタル化信号のゲインをもとのゲインに戻し、2系統のデジタル化信号を合成するデジタル処理部とを備え、
前記デジタル処理部は、前記第1のAD変換器及び第2のAD変換器への入力並びに前記第1のAD変換及び第2のAD変換器の出力を制御する制御部を備えることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記受信部に入力される核磁気共鳴信号は複数であって、
前記制御部は、核磁気共鳴信号毎に、前記第1のAD変換器及び第2のAD変換器への入力並びに前記第1のAD変換及び第2のAD変換器の出力が同一タイミングとなる制御を行うことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記第1の系統の信号は、直接前記第1のAD変換器に入力され、前記第2の系統の信号は、前記ゲイン調整器によりゲイン調整後に前記第2のAD変換器に入力されることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記受信部は、複数の核磁気共鳴信号を受信するものであり、前記分配器として、前記複数の核磁気共鳴信号のそれぞれに対応する複数の分配器を有し、
各分配器の一方の出力と前記第1のAD変換器との間、および各分配器の他方の出力と前記第2のAD変換器との間に、スイッチを備え、前記スイッチを切り替えることにより、各核磁気共鳴信号について、第1の系統の信号どうし及び第2の系統の信号どうしをそれぞれ切り替えてアナログ-デジタル変換することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項5】
請求項2に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記複数の核磁気共鳴信号は、複素信号であることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項6】
請求項2に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記受信コイルは、複数の小型受信コイルを有する多チャンネル受信コイルであって、前記複数の核磁気共鳴信号は、前記複数の小型受信コイルがそれぞれ受信した核磁気共鳴信号であることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ゲイン調整器は減衰器であることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項8】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記デジタル処理部は、さらに、前記ゲイン調整器のゲイン調整量を算出するゲイン算出部を備えることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ゲイン算出部は、プリスキャン中または撮像中に取得した核磁気共鳴信号を用いてゲイン調整量を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項10】
磁気共鳴撮像装置で計測した核磁気共鳴信号を処理する方法であって、
磁気共鳴信号を2系統に分配し、一方の系統はそのまま又はゲイン調整後にアナログ‐デジタル変換し、他方の系統は前記一方の系統と異なるゲインとなるようにゲイン調整後にアナログ‐デジタル変換し、もとのゲインに戻した後に、一方の系統のデジタル信号と他方の系統のデジタル信号とを合成するステップを含み、
一つの核磁気共鳴信号について、一方の系統のアナログ‐デジタル変換のタイミングと他方の系統のアナログ‐デジタル変換のタイミングとを同期させながら、処理の対象である核磁気共鳴信号の数に応じて切り替える制御を行うことを特徴とする信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広いダイナミックレンジを有するための磁気共鳴撮像装置および撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気共鳴撮像(MRI)技術に関する進歩は目覚ましく、高画質化・高速化のための受信コイルの感度向上や、撮像シーケンスの多様化、深層学習などを利用した画像処理技術の導入が進んでいる。MRIの受信コイルで検出される磁気共鳴信号(MR信号、以下、エコー信号ともいう)は、適切な信号処理を施した後、A/D(アナログ‐デジタル)変換され、画像処理を施される。
【0003】
MRIは、フーリエ空間における信号計測であるため、図3に示すようにMR信号はフーリエ空間の中心部では信号強度が非常に大きいが、周囲(空間周波数の高い領域)では非常に小さいという特徴を有する。さらに、MR信号の形態はどのような撮像シーケンスでどのような画像を撮像するかという撮像法にもかかわり、MRI装置ではダイナミックレンジが極めて大きくなることを考慮しなくてはならない。
【0004】
加えて近年では、静磁場強度の増加や3D撮像法の高SNR(Signal-to- Noise-Ratio)化が進み、正確にデジタル化するためには高速かつ高分解能なA/D変換器(以下、ADCという)が必要となる。しかし、現在使用可能なADCは量子化分解能、サンプリング速度、変換器の価格の点で必ずしも満足できるものではない。
【0005】
これに対処するため、非特許文献1にはゲイン差を変えて2回データを取得する方式(Dual Scan法)が示され、MRI撮像の技術分野で広く採用されている。
【0006】
また、特許文献1(図7)には、MR信号を第1振幅調整器により振幅調整した信号と、もとのMR信号と振幅調整された信号との差分信号を第2振幅調整器により振幅調整した信号とを、それぞれA/D変換し、デジタル処理部で合成することにより疑似的にダイナミックレンジを拡大する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】R.Bein, J.Bishop, R.H. Henkelman. Dynamic Range Requirements for MRI. Conc. Magn. Reason. B26:28-35,2005
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005―270583号公報(実施形態:図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1に開示されたDual Scan法は、2回撮像するため装置の安定性上好ましいものではない。特にMRI撮像は、長時間に亘って撮像するため、1回目の撮像と2回目の撮像の条件が必ずしも一致するとは限らず、そのため信号合成は単純ではなく、画像にアーチファクトが出やすく、撮像時間が長くなるという欠点がある。
【0010】
また、特許文献1に開示された方式では、複数のチャンネルからの信号を処理する場合には、チャンネル数分のADCが必要であり、チャンネル数が増えるほど、多数のADCが必要となり、装置の複雑化、製造コストの増加を招くという欠点がある。
【0011】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたもので、装置の大型化や製造コストを特別に増加させることなく実現することができ、且つ、MR信号の全サンプリング点に対してダイナミックレンジを拡大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために、本発明は、MR信号を2系統以上に分配し、一方をそのまま処理する第1のADCと、ゲイン調整して処理する第2のADCとを用意し、受信器に入力される複数のMR信号について、第1のADC及び第2のADCに入力されるタイミング及び、第1のADCからの出力と、第2のADCからの出力をゲイン調整した出力とを合成するタイミングを切り替える。これによりゲインの異なる2種のADCのみで、複数のMR信号それぞれについて、仮想的にダイナミックレンジを広げてADCを行う。
【0013】
即ち本発明のMRI装置は、被検体に核磁気共鳴を生じさせる磁場発生部と、受信コイルを有し、被検体が発する核磁気共鳴信号を受信する受信部と、受信部が受信した核磁気共鳴信号を用いて画像再構成を含む処理を行う演算部とを備える。受信部は、核磁気共鳴信号を少なくとも2系統の信号に分配する分配器と、第1の系統の信号及び第2の系統の信号の少なくとも一方をゲイン調整するゲイン調整器と、前記ゲイン調整器により互いにゲインを異ならせた第1の系統の信号及び第2の系統の信号を、それぞれ、アナログ‐デジタル変換する第1のAD変換器及び第2のAD変換器と、前記ゲイン調整器によりゲイン調整されたデジタル化信号のゲインをもとのゲインに戻し、2系統のデジタル化信号を合成するデジタル処理部とを備える。デジタル処理部は、第1のAD変換器及び第2のAD変換器への入力並びに第1のAD変換及び第2のAD変換器の出力を制御する制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
また本発明の信号処理方法は、MRI装置で計測した核磁気共鳴信号を処理する方法であって、磁気共鳴信号を2系統に分配し、一方の系統はそのまま又はゲイン調整後にアナログ‐デジタル変換し、他方の系統は前記一方の系統と異なるゲインとなるようにゲイン調整後にアナログ‐デジタル変換し、もとのゲインに戻した後に、一方の系統のデジタル信号と他方の系統のデジタル信号とを合成するステップを含む。その際、一つの核磁気共鳴信号について、一方の系統のアナログ‐デジタル変換のタイミングと他方の系統のアナログ‐デジタル変換のタイミングとを同期させながら、処理の対象である核磁気共鳴信号の数に応じて切り替える制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、信号を2系統に分配し、それぞれ、異なるゲインの信号とし、同一ゲインの信号どうしを切り替えながら2系統のADCに出力し、切り替えて出力したゲインの異なる信号どうしを合成することにより、全サンプリング点に対してデジタルデータのビット数を増加させる。これにより、処理対象である信号の数が増加しても、それに伴う装置の大型化や製造コストの増加を不要とし、さらに、撮像時間を長化させずにダイナミックレンジを拡大させることができ、高精細な画像データを収集することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の全体構成を示すブロック図。
図2】撮像パルスシーケンスの一例を示す図。
図3】被検体が発生する典型的なエコー信号を説明する図。
図4】本発明の第1の実施形態に係る受信器の構成を示す図。
図5】第1の実施形態の処理回路の機能ブロック図。
図6】第1の実施形態に係るスイッチの動作を示すフローチャート。
図7】第1の実施形態に係るADC後のデータ処理を示すフローチャート。
図8】第1の実施形態に係るビット数拡張によるダイナミックレンジの拡大を説明する図。
図9】第1の実施形態の受信回路の変形例1を示す図。
図10】変形例1のスイッチの動作を示すフローチャート。
図11】第1の実施形態の受信回路の変形例2を示す図。
図12】本発明の第2の実施形態に係る受信器の構成を示すブロック図。
図13】第2の実施形態の処理回路の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
【0019】
まず本発明が適用されるMRI装置の概要を説明する。
【0020】
図1に示すように、MRI装置100は、寝台106に搭載された被検体105の撮像部位が配置される撮像空間に静磁場を発生させる静磁場発生装置101と、撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル102と、被検体105に高周波磁場パルスを照射する送信コイル103と、被検体105からのMR信号を受信する受信コイル104とを備える。
【0021】
MRI装置100は、さらに、傾斜磁場電源107、高周波発生器108、及び受信器200の動作を所定のパルスシーケンスに従って制御するシーケンサ111、シーケンサ111を介した撮像の制御やMR信号を用いた演算などを行う計算機300、装置とユーザとのインターフェースとなる入力装置110、表示装置301、及び撮像に必要なデータや画像などを記憶する記憶装置109を備える。
【0022】
傾斜磁場コイル102は傾斜磁場電源107により駆動され、静磁場と直交する3軸(X、Y、Z)の傾斜磁場が印加される。送信コイル103は、高周波発生器108から発生される高周波信号が供給されることで、高周波磁場パルスを被検体105に照射する。受信コイル104で受信したMR信号は受信器200に伝送される。受信器200は、MR信号に対しAD変換等の必要な信号処理を施し、計算機300に渡す。
【0023】
シーケンサ111は入力装置110、及び計算機300から与えられる一連のパルスシーケンス情報に従って、傾斜磁場電源107、高周波発生器108、及び受信器200を動作させて、MR信号を収集する。パルスシーケンスには、撮像方法によって異なる種々のものがあり、予め記憶装置109に格納されている。
【0024】
ユーザは、入力装置110を介して、MRI装置の制御情報や撮像に関するシーケンス情報を入力し、入力情報に基づき計算機300とシーケンサ111を動作させて所望の画像を得ることができる。
【0025】
計算機300は、メモリ及びCPUやGPUなどを備えた計算機で構成されており、受信器200からデジタル信号を入力し、収集したデータに対して逆フーリエ変換を施して画像を再構成する。再構成された画像は記憶装置109に格納され、適宜表示装置301に表示される。
【0026】
このような構成のMRI装置による撮像は、例えば、撮像用パルスシーケンスが図2に示すようなスピンエコーシーケンス400である場合、次のように行われる。シーケンサ111は、傾斜磁場コイル102からスライスエンコード傾斜磁場(Gz)402-1を印加しながら、送信コイル103から高周波磁場パルス(RF)401-1を送信して被検体105のスピンを励起する。次いで、位相エンコード傾斜磁場(Gy)403を印加した後、励起用の高周波磁場パルス(90°パルス)印加から所定時間(TE/2)経過後、スライスエンコード傾斜磁場402-2とともに磁化を反転する高周波磁場パルス(180°パルス)401-2を印加し、エコー時間(TE)でピークが最大となるエコー信号405を、読出し傾斜磁場(Gx)404を印加しながら受信コイル104により受信する。90°パルス印加からエコー信号受信までを、位相エンコード傾斜磁場の強度を変えながら所定の繰り返し時間TRで繰り返し、画像再構成に必要な数のエコー信号を収集する。
【0027】
ここで、受信コイル104から出力される受信信号の波形は、一例を図3に示すように、その振幅(信号強度)は細かい増減はあるものの、最大ピークに向かって増加した後、減少する。最大ピークである位置の振幅と最小である位置の振幅とは大きく異なり、その比(ダイナミックレンジ)が大きいことがMR信号の特徴である。
【0028】
受信器200は、受信コイル104が受信したエコー信号を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより、サンプリング時点の振幅(信号強度)をADCでデジタル信号に変換する。この際、ダイナミックレンジの大きいMR信号を処理するためには、それに対応した高機能のADCが必要となるが、本実施形態のMRI装置は、一般的なダイナミックレンジのADCを切替制御することで、広いダイナミックレンジの信号の処理に対応する。
【0029】
以下、受信器200の具体的な構成と動作について説明する。以下の説明では、説明を簡単にするために、2つの受信信号を処理する場合を説明する。2つの信号とは、例えば、受信コイルが2つの小型コイル(チャンネルという)で構成されている場合に、各チャンネルでそれぞれ受信した信号の場合や、受信コイルがQD受信した複素信号であって、実部信号と虚部信号とを処理する場合を含む。
【0030】
本実施形態の受信器200は、図4に示すように、入力される2つの信号(エコー信号1、エコー信号2)に対応して設けられる2つの分配器201-1、201-2と、分配器201―1、201-2のそれぞれ一方の出力に接続された減衰器202―1、202-2と、2つのADC(第1ADC204及び第2ADC205)と、第1ADC204及び第2ADC205それぞれへの信号の入力を切り替えるスイッチ203-1、203-2と、デジタル処理回路(以下、単に処理回路という)206とを備える。
【0031】
なお分配器201―1、201-2、減衰器202―1、202-2は、2つの信号のいずれに対応するかを区別しないときには、分配器201、減衰器202と総称する。
【0032】
分配器201は、入力したエコー信号(エコー信号1、エコー信号2)をそれぞれ2系統に分配する。分配器201の一方の出力はそのままスイッチ203-1に入力され、他方の出力は減衰器202で減衰後にスイッチ203-2に入力される。そのままスイッチ203-1に入力される信号をスルー信号、減衰してスイッチに入力される信号を減衰信号と呼ぶ。またスイッチ203-1、203-2は、スルー信号及び減衰信号のいずれに対応するかを区別しないときは、スイッチ203と総称する。
【0033】
スイッチ203-1は、処理回路206からの制御信号(切替信号)により動作し、エコー信号1のスルー信号1とエコー信号2のスルー信号2とを切替えて第1ADC204に入力する。同様に、スイッチ203-2は、エコー信号1の減衰信号1とエコー信号2の減衰信号2とを切り替えて、第2ADC205に入力する。
【0034】
スイッチ203は、第1ADC204、第2ADC205のサンプリング速度に対して、過渡応答を加味した切替速度が速いもの、例えば、立ち上がりがサンプリング手記の半分程度のものを使用する。限定されるものではないが、一例として、サンプリング周波数100MHzを使用した場合、サンプリング周期は10nsであるため、切替後信号の立上り時間はサンプリング周期の半分の5ns程度のものを使用することができる。これにより、後続の処理回路206で2系統のデータを合成する際に、それぞれの連続性を損なうことなく合成することができる。
【0035】
処理回路206は、AD変換後の減衰信号のダイナミックレンジをもとに戻した後に、AD変換後のスルー信号と合成し、仮想的にダイナミックレンジを拡大する処理を行うとともに、スイッチの切替を制御する制御信号(切替信号)を発生する制御部としも機能するデジタル処理部である。図4では、処理回路206がFPGA(Field programable gate array)である場合を示しているが、処理回路206はFPGAに限定されず、それ以外のプログラマブルIC、デジタル信号処理器(DSP)、計算機などで構成することもできる。
【0036】
処理回路206の機能を示すブロック図を図5に示す。図示するように、処理回路206は、デジタル増幅部2061、合成部2062、制御信号発生部2063を備える。デジタル増幅器2061は、デジタル減衰信号のダイナミックレンジを元のダイナミックレンジに拡張する。合成部2062は、AD変換後のスルー信号とダインアミックレンジ拡張後の減衰信号とを合成する。合成後の信号は、計算機300に送られて画像再構成その他の演算に供せられる。制御信号発生部2063は、スイッチ203が第1ADC204及び第2ADC205の入力を切り替えるタイミングを決める切替信号を発生する。
【0037】
次に上記構成の受信器200の動作を説明する。
【0038】
受信器200に、2つの信号、即ちエコー信号1及びエコー信号2が入力されると、分配器201は各エコー信号を2系統の信号に分配する。分配器201―1の一方の出力であるエコー信号1のスルー信号1と、分配器201-2の一方の出力であるエコー信号2のスルー信号2は、ともにスイッチ203-1に入力され、スイッチ203-1で切り替えながら、第1ADC204に入力される。また分配器201―1の他方の出力及び分配器201-2の他方の出力は、それぞれ、減衰器202-1、202-2で所定のゲインが調整され、ダイナミックレンジを下げた減衰信号1、減衰信号2となり、スイッチ203-2に入力され、スイッチ203-2で切り替えながら、第2ADC205に入力される。
【0039】
スイッチ203-1、203-2からのスルー信号及び減衰信号の出力の切り替えは、処理回路(PFGA)206の制御信号発生部2063が発する切替信号によって制御される。例えば、図6に示すように、切替信号がHのとき、スイッチ203-1はスルー信号1を第1ADC204に入力し、スイッチ203-2は減衰信号1を第2ADC205に入力する。また切替信号がLのときに、スイッチ203-1はスルー信号2を第1ADC204に入力し、スイッチ203-2は減衰信号2を第2ADC205に入力する。
【0040】
第1ADC204は、図4に示したように、スルー信号のスイッチ出力をA/D変換し、第2ADC205は、減衰器202で減衰した減衰信号のスイッチ出力をA/D変換し、それぞれ、デジタルデータを処理回路206に出力する。これにより処理回路206には、エコー信号1の2系統のデジタル信号及びエコー信号2の2系統のデジタル信号が、それぞれ同期して、且つ交互に入力される。
【0041】
処理回路206では、図7のフローチャートに示すように、スイッチへの切替信号として、例えばH(High)が出力されている場合(S11)、デジタル増幅器2061が第2ADC205でA/D変換された減衰信号1に対して減衰量を調整して元のゲインに戻す(S12)。同じタイミングで合成部2062が処理回路206に入力されたスルー信号1と、減衰量を調整した減衰信号1とを合成する(S13)。
【0042】
スイッチへの切替信号として、例えばL(Low)が出力されている場合は(S11)、デジタル増幅器2061が第2ADC205でA/D変換された減衰信号2に対して減衰量を調整して元のゲインに戻す(S14)。同じタイミングで合成部2062が処理回路206に入力されたスルー信号2と、減衰量を調整した減衰信号2とを合成する(S15)。受信器200は、以上のようにしてデジタル化した信号を画像再構成する計算機300へと転送する(S16)。
【0043】
デジタル信号処理におけるゲインの調整及び合成により、エコー信号1、エコー信号2のそれぞれが、ビット数を拡張したデジタル信号となる。ビット数の拡張について、図8を用いて説明する。
【0044】
図8において、信号A、信号Bはそれぞれスルー信号及び減衰信号に対応する。前述したように受信器200で計測されるエコー信号(MR信号)のダイナミックレンジは広いが、一つのADCのビット数に上限があるため、ダイナミックレンジが狭められ、そのまま(つまりスルー信号)では信号Aのように、強度の高い部分が切り取られた(オーバーフローした)信号となる。一方、減衰信号では信号強度が減衰されているため、信号Bのように、ADCのビット数で処理可能な幅に圧縮されて、信号Aでオーバーフローした部分を含む信号となる。但し、信号Bでは微細部分は平準化されている。
【0045】
これら信号A、信号Bを同じ上限ビット数を持つADCでデジタル化すると、図8の右側に示すように、ダイナミックレンジの広い信号の微小部分(信号A)はそのままビットが割り当てられ、オーバーフローした部分について減衰後の信号(信号B)にビットが割り当てられる。これらを合成した信号では、実質的にビット数が拡張されることになる。ビット数の拡張はダイナミックレンジの拡大となるので、信号A及び信号Bの合成信号は、ダイナミックレンジが仮想的に拡張されたデジタル信号となる。
【0046】
拡張したダイナミックレンジDRは、用いるADCの上限ビットをN、サンプリング周波数をfs[Hz]、バンド幅をBW[Hz]とすると、次式で算出することができる。
(数1)
DR=6.02N+1.76+10log10(fs/2BW)
例えば、N=14bit、fs=40MHz、BW=1kHzとした場合、上式よりDR=127.3dBとなる。そして、仮想的にN=20bitに拡張した場合、他条件を同等とするとDR=163.4dBとなり、36.1dBの拡大が可能であると計算される。
【0047】
このように処理回路206は、MR信号特有の広いダイナミックレンジを有する信号に対して、その微小信号の部分はスルー信号とし、オーバーフローした信号に対してはゲイン調整後の減衰信号のビットを割り当てることにより、全サンプリング点に対して高精度なA/D変換を可能とする。
【0048】
受信器200は、以上のようにしてデジタル化した信号を画像再構成する計算機300へと転送する。計算機300における画像再構成等の処理は、従来のMRI装置と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0049】
以上、説明したように、本実施形態によれば、通常のADCでは処理が困難なダイナミックレンジの広い信号であっても、微細変化を含む信号部分とオーバーフローする信号部分とを2系統に分けて処理することで、単体のADCでは制限されていたビット数の上限を高くし、ダイナミックレンジを拡大することが可能となる。加えて、受信器200が複数(図4では2つ)の入力エコー信号をそれぞれ2系統に分割してスイッチで切り替えながら、分割された信号の系統毎にA/D変換するため、従来のようにADCの個数を増やすことなく、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
【0050】
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態では、受信器200に同時に入力するエコー信号が2つの場合を説明したが、受信器200は、スイッチ203の切替速度とサンプリング速度を考慮することで、3以上の信号を処理することも可能である。なお3以上の信号の処理は、例えば、受信コイルが3以上の小型受信コイルで構成されるマルチアレイコイルの場合、或いは2以上の受信コイルの各複素信号を処理する場合などがある。
【0051】
図9に3つの信号を処理する場合の受信器200の構成例(変形例1)を示す。図9において同じ機能を持つ回路は、代表する一つに符号を付し、これらを区別するときは末尾に「-1」を付す。図示するように、受信器200は、処理する信号の数M(図ではM=3)と同数の分配器を201備える。ADCへの入力を切り替えるスイッチとして、2段のスイッチ2031、2032(それぞれ2つ)を備える。1段目のスイッチ2031は、処理回路206から発せられる切替信号1により、2段目のスイッチ2032は切替信号2によって切り替えられる。
【0052】
分配器201は、第1の実施形態と同様に、入力した信号を処理する信号の数と同数に分配し、一つの出力をスルー信号とし、他の出力を減衰器202に送る。これによりエコー信号は、それぞれ、スルー信号と減衰信号となる。エコー信号1及びエコー信号2のスルー信号及び減衰信号は、第1の実施形態と同様に、それぞれ、1段目のスイッチ2031-1、2031-2に入力される。1段目のスイッチ2031-1、2031-2の出力は、2段目のスイッチ2032-1、2032-2に入力される。同時に2段目のスイッチ2032-1、2032-2には、エコー信号3のスルー信号及び減衰信号は、入力される。
【0053】
切替信号1,2は、例えば、図10上側に示すようなタイミングで切り替わる。その結果、図10下側に示すように、スイッチ2031、2032に入る切替信号1、2がいずれもHのときは、エコー信号1のスルー信号及び減衰信号が同期して第1ADC204及び第2ADC205に入力し、切替信号1がHでも切替信号2がLの場合には、スイッチ2032を介して、エコー信号3のスルー信号及び減衰信号が同期して第1ADC204及び第2ADC205に入力する。切替信号1がLの場合には切替信号2はHとなっており、スイッチ2031、スイッチ3032を介して、エコー信号2のスルー信号及び減衰信号が同期して第1ADC204及び第2ADC205に入力する。
【0054】
この変形例では切替信号1、2の制御が第1の実施形態とは異なるが、信号数に応じて分配器を増設するだけで、第1の実施形態と同様に、ADC処理を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
【0055】
また信号数を3以上にする場合の別の変形例(変形例2)を図11に示す。この変形例では、分配器201が分配する信号の数を増加し、一つの出力はスルー信号とし、他の2つの出力は、それぞれ2つの減衰器(減衰器a、減衰器b)で減衰する構成としている。1つのスルー信号と2つの減衰器で減衰された減衰信号(減衰信号a、減衰信号b)に対応して3つのADCが設けられ、それぞれ前段に、2段のスイッチが配置される。
【0056】
1段目のスイッチ1(3つのスイッチ)には、それぞれ、エコー信号1及びエコー信号2のスルー信号、減衰信号a、減衰信号bが入力し、2段目のスイッチ2(3つのスイッチ)には、それぞれ、1段目のスイッチの各出力と、エコー信号3のスルー信号、減衰信号a、減衰信号bが入力する。
【0057】
この構成においても、変形例1と同様に、1段目のスイッチがH、2段目のスイッチがHの場合には、エコー信号1から分配された3つの信号がそれぞれ3つのADCに入力され、デジタル化されて処理回路206に入力される。また1段目のスイッチがL、2段目のスイッチがHの場合には、エコー信号2から分配された3つの信号がそれぞれ3つのADCに入力され、2段目のスイッチがLの場合には、エコー信号3から分配された3つの信号がそれぞれ3つのADCに入力される。
【0058】
この変形例2では、減衰器を増設することで、もとの信号のダイナミックレンジに応じて、減衰の程度を異ならせた複数の減衰信号を得ることができ、ADCの個数を信号数に対して増加させることなく、さらにダイナミックレンジを拡大することができる。或いは第1の実施形態や変形例よりADCのビット数が少ない場合にも、第1の実施形態や変形例と同様に、ビット数の拡張を図ることができる。
【0059】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、分配した信号の一方をスルー信号、他方を減衰信号としたが、本実施形態は、分配した信号を、それぞれゲイン調整器により適宜減衰量を調整することにより、ダイナミックレンジを最適化する。
【0060】
本実施形態においても、MRI装置の全体構成は図1に示す第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に本実施形態を説明する。
【0061】
図12に、第2の実施形態に係る受信器200の構成例を示す。この構成例においても、2つのエコー信号が受信器200に入力される場合を示すが、受信器200に入力されるエコー信号は、2つに限定されない。
【0062】
図示するように、第2の実施形態の受信器200は、入力した複数のエコー信号をそれぞれ2系統に分配する分配器201と、分配器201の各出力側に接続される第1ゲイン調整器207及び第2ゲイン調整器208を備える。また2つ第1ゲイン調整器207からの入力をスイッチ203により切り替えて入力する第1ADC204、及び2つ第2ゲイン調整器208からの入力をスイッチ203により切り替えて入力する第2ADC205を備えることは、第1の実施形態と同様であり、各スイッチ203を処理回路206からの切替信号で切り替えることも同様である。
【0063】
処理回路206は、図13に示すように、2種の第1ゲイン調整器207、第2ゲイン調整器208に対応して、それらで調整されたゲインをもとに戻す2つのゲイン調整器2065(ゲイン調整器a、ゲイン調整器b)が備えられるとともに、ゲイン調整器207、208及び2つのゲイン調整器2065のゲインを算出するゲイン算出部2064が備えられる。
【0064】
ゲイン算出部2064は、第1ゲイン調整器207及び第2ゲイン調整器208の調整値を、もとのMR信号のダイナミックレンジに応じて、最適な調整値に調整する。もとのMR信号のダイナミックレンジは、撮像条件や撮像対象によって異なるため、例えば被検体の画像を取得する本スキャン前のプリスキャンで得たMR信号を用いて求めることができ、それをもとに調整値を算出する。一般にMRIでは、本スキャンの前に画像処理や種々の条件などを決めるためにプリスキャンが実施されるので、ゲイン調整のために別途プリスキャンを行う必要はなく、用意されたプリスキャンの計測信号を利用することができるが、プリスキャンのデータを利用するのではなく、本スキャン中に得られた計測信号を用いて調整値の算出を実施してもよい。
【0065】
調整は、例えば、ダイナミックレンジが極めて大きい信号の場合には、第1ゲイン調整器207である程度ゲインを下げ、即ち所定の量、減衰させて、第2ゲイン調整器207でさらに大きい減衰量(信号全体をカバーする減衰量)で減衰させる、ように調整量を設定する。どの程度の減衰量とするかは、用いるADCの性能やアナログ回路の設計に依存し、限定されるものではないが、例えば第1ゲイン調整器207で、信号強度の1/3ぐらいまでをカバーできる減衰量まで減衰してもよい。また、第1ゲイン調整器207による調整値はゼロ、即ち、第1ゲイン調整器207からの出力はスルー信号とし、第2ゲイン調整器208だけでゲイン調整する場合もあり得る。第2ゲイン調整器208によるゲイン調整が信号減衰に相当する調整の場合は、第1の実施形態と同様である。また、ゲイン調整器207、208でゲインを上げる(信号を増幅させる)ケースは少ないが、ゲインを上げる調整を行うことも可能である。例えば、もとのMR信号のダイナミックレンジが小さく、ゲイン調整しなくてもオーバーフローする信号がない場合、即ち備えられたADCで処理可能な場合には、一方のゲイン調整器はゲインを調整することなく、他方においてゲインを上げる調整を行うこともあり得る。
【0066】
なお、2つの入力エコー信号に対応する2系統の第1ゲイン調整器207どうし及び第2ゲイン調整器208どうしの調整値は、基本的には、それぞれ同じ値としてよいが、受信器200に入力されるエコー信号に応じて変えてもよい。例えば、受信コイルのチャンネルによって、MR信号のダイナミックレンジが異なる可能性もあり、その場合は、チャンネル毎の信号に対し異なる調整を行ってもよい。
【0067】
2系統のゲイン調整器(2つの第1ゲイン調整器207及び2つの第2ゲイン調整器208)の出力は、それぞれ、スイッチ203-1、203-2に入力され、これらのスイッチ203を処理回路206からの切替信号で切り替えながら、第1ゲイン調整器の出力を第1ADC204で処理すること、第2ゲイン調整器の出力を第2ADC205で処理すること、これらADCの出力を処理回路206において再度ゲイン調整後に合成することは、第1の実施形態と同様である。
【0068】
なお受信器200に入力される信号が2つの場合を例に本実施形態を説明したが、本実施形態も、第1の実施形態の変形例として説明した複数(3以上)の信号処理が可能である。
【0069】
本実施形態によれば、実際に計測されるMR信号に応じて柔軟な対応が可能であり、第1の実施形態と同様に、受信器200に入力する信号の数よりもADCを増加させる必要がなく、且つ広いダイナミックレンジの信号に対応できる高精度なA/D変換を可能とする。
【符号の説明】
【0070】
100・・・MRI装置
101・・・静磁場発生装置
102・・・傾斜磁場コイル
103・・・送信コイル
104・・・受信コイル
105・・・被検体
106・・・寝台
107・・・傾斜磁場電源
108・・・高周波発生器
109・・・記憶装置
110・・・入力装置
111・・・シーケンサ
200・・・受信器
201・・・分配器
202・・・減衰器
203・・・スイッチ
204・・・第1ADC
205・・・第2ADC
206・・・処理回路(FPGA)
207・・・第1ゲイン調整器
208・・・第2ゲイン調整器
300・・・計算機
301・・・表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13