(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181806
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20231218BHJP
H01F 5/06 20060101ALI20231218BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20231218BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20231218BHJP
H01F 41/12 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H01F27/29 P
H01F27/29 123
H01F5/06 H
H01F27/30 101A
H01F27/28 156
H01F41/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095150
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】乾 京介
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E043EA06
5E043EB05
5E044CA01
5E070EA01
5E070EA06
(57)【要約】
【課題】電気的信頼性が高く、電極と実装基板との間の固着強度に優れたコイル装置を提供すること。
【解決手段】コイル装置1は、コア2と、コア2の内部に配置される巻回部30と、巻回部30から引き出される引出部5aとを有するコイル3と、コア2の電極形成面2fに形成される電極4aと、を有する。引出部5aは、電極形成面に延在する端子部50aを有する。端子部50aは、コア2の内部に埋設される埋設部51aと、電極形成面2fから露出し、電極4aに接続される露出部52aとを有する。露出部52aは屈曲部60aを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと、
前記コアの内部に配置される巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記コアの電極形成面に形成される電極と、を有し、
前記引出部は、前記電極形成面に延在する端子部を有し、
前記端子部は、前記コアの内部に埋設される埋設部と、前記電極形成面から露出し、前記電極に接続される露出部とを有し、
前記露出部は屈曲部を有するコイル装置。
【請求項2】
前記露出部は、前記電極形成面に沿って延在し、前記屈曲部を介して連続する第1延在部と第2延在部とを有する請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記第1延在部と前記第2延在部とは略平行に配置された請求項2に記載のコイル装置。
【請求項4】
前記第1延在部と前記第2延在部とは、交差している請求項2に記載のコイル装置。
【請求項5】
前記電極は、第1電極と第2電極とを有し、
前記第1電極と前記第2電極とは、第1方向に沿って離間して配置されており、
前記第1延在部と前記第2延在部とは、第2方向に沿って延在している請求項2~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項6】
前記露出部の延在方向の第1端および第2端は、前記第2方向の一方側に配置されており、
前記屈曲部は、前記第2方向の他方側に配置された請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記露出部の延在方向の第1端は、前記露出部の延在方向の第2端よりも、前記電極形成面の前記第2方向の一方側に配置されている請求項6に記載のコイル装置。
【請求項8】
前記電極は、第1電極と第2電極とを有し、
前記第1電極と前記第2電極とは、前記電極形成面の第1方向に沿って所定の間隔で配置されており、
前記第1延在部と前記第2延在部とは、前記電極形成面の前記第1方向に沿って延在している請求項2~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項9】
前記引出部は、前記巻回部と前記端子部とを接続する接続部を有し、
前記第1延在部は、前記接続部に接続されており、
前記第2延在部は、前記第1延在部よりも、前記コアの中心側に配置された請求項2~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項10】
前記屈曲部は、略U字形状を有する請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項11】
前記屈曲部は、複数の前記屈曲部からなる請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項12】
前記引出部は、第1引出部と第2引出部とを有し、
前記端子部は、前記第1引出部に具備された第1端子部と、前記第2引出部に具備された第2端子部とを有し、
前記露出部は、前記第1端子部に具備された第1露出部と、前記第2端子部に具備された第2露出部とを有し、
前記第1露出部の形状と前記第2露出部の形状とは略等しい請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項13】
前記電極は、導電性ペーストからなる請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項14】
前記電極の厚みは、前記第1延在部と前記第2延在部との間の領域で最大になる請求項3に記載のコイル装置。
【請求項15】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、
前記埋設部の表面は、絶縁被膜で覆われている請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項16】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、
前記露出部の延在方向に直交する幅方向の端部は、絶縁被膜で覆われている請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項17】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、
前記露出部の延在方向に直交する幅方向の端部は、絶縁被膜で覆われており、
前記第1延在部と前記第2延在部とが向かい合う側では、前記第1延在部と前記第2延在部とが向かい合っていない側に比べて、前記絶縁被膜の厚みが大きい請求項3に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタなどして用いられるコイル装置に関し、種々の技術が提案されている。たとえば特許文献1のコイル装置は、コアと、コアの内部に埋設されるコイルと、コアの表面に形成される電極とを有する。コイルの引出部はコアの表面から露出する露出部を有し、電極は露出部を覆うようにコアの表面に形成される。特許文献1のコイル装置では、電極が露出部を覆っているため、電極と引出部との間の電気的接続を確保することができる。
【0003】
しかしながら、ワイヤの細線化やコイル装置の小型化が進展すると、露出部と電極との間の接触面積が減少する。そのため、露出部と電極との間の接触抵抗が増加し、コイル装置の電気的信頼性が低下するおそれがある。また、露出部と電極との間の接合強度が低下し、電極と実装基板との間の固着強度が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、電気的信頼性が高く、電極と実装基板との間の固着強度に優れたコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本出願のコイル装置は、
コアと、
前記コアの内部に配置される巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記コアの電極形成面に形成される電極と、を有し、
前記引出部は、前記電極形成面に延在する端子部を有し、
前記端子部は、前記コアの内部に埋設される埋設部と、前記電極形成面から露出し、前記電極に接続される露出部とを有し、
前記露出部は屈曲部を有する。
【0007】
本出願のコイル装置では、露出部が屈曲部を有する。そのため、露出部は、屈曲部で屈曲しつつ電極形成面に延在することになる。それゆえ、露出部の延在方向の長さ(露出部の延在方向の一端から他端までの長さ)を延長し、露出部の表面積(露出面積)を増大させることが可能である。この場合、露出部と電極との間の接触面積が増大するため、露出部と電極との間の接触抵抗を低減し、電気的信頼性に優れたコイル装置を実現することができる。また、露出部と電極との間の接合強度を増大させ、電極と実装基板との間の固着強度を向上させることができる。
【0008】
前記露出部は、前記電極形成面に沿って延在し、前記屈曲部を介して連続する第1延在部と第2延在部とを有していてもよい。この場合、第1延在部および第2延在部の各々の延在方向の長さに応じて、露出部の延在方向の長さを調整することができる。
【0009】
前記第1延在部と前記第2延在部とは略平行に配置されていてもよい。この場合、第1延在部と第2延在部とが並列に配置されるため、第1延在部および第2延在部の延在方向に沿って、露出部と電極との間の接合強度を向上させることができる。
【0010】
前記第1延在部と前記第2延在部とは、交差していてもよい。この場合、第1延在部と第2延在部とが為す角度に応じて、露出部の延在方向の長さを延長することができる。
【0011】
前記電極は、第1電極と第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極とは、第1方向に沿って離間して配置されており、前記第1延在部と前記第2延在部とは、第2方向に沿って延在していてもよい。この場合、露出部と電極との接触領域が第2方向に沿って形成される。それゆえ、第2方向に沿って、露出部と電極との間の接合強度が高い領域(すなわち、電極と実装基板との間の固着強度が高い領域)を形成することができる。
【0012】
前記露出部の延在方向の第1端および第2端は、前記第2方向の一方側に配置されており、前記屈曲部は、前記第2方向の他方側に配置されていてもよい。この場合、露出部の延在方向の第1端から屈曲部までの長さと、露出部の延在方向の第2端から屈曲部までの長さとを確保しやすくなり、露出部の延在方向の長さを延長することができる。
【0013】
前記露出部の延在方向の第1端は、前記露出部の延在方向の第2端よりも、前記電極形成面の前記第2方向の一方側に配置されていてもよい。この場合、露出部の延在方向の第1端から屈曲部までの長さ(すなわち、第1延在部および第2延在部のいずれか一方の延在方向の長さ)が、露出部の延在方向の第2端から屈曲部までの長さ(すなわち、第1延在部および第2延在部の他方の延在方向の長さ)よりも大きくなる。そのため、露出部の延在方向の長さを調整することができる。
【0014】
前記電極は、第1電極と第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極とは、前記電極形成面の第1方向に沿って所定の間隔で配置されており、前記第1延在部と前記第2延在部とは、前記電極形成面の前記第1方向に沿って延在していてもよい。この場合、露出部と電極との接触領域が第1方向に沿って形成される。それゆえ、第1方向に沿って、露出部と電極との間の接合強度が高い領域(すなわち、電極と実装基板との間の固着強度が高い領域)を形成することができる。
【0015】
前記引出部は、前記巻回部と前記端子部とを接続する接続部を有し、前記第1延在部は、前記接続部に接続されており、前記第2延在部は、前記第1延在部よりも、前記コアの中心側に配置されている。この場合、第2延在部を第1延在部よりもコアの外側に配置する場合に比べて、第2延在部の設置スペースを確保しやすく、露出部の延在方向の長さを延長することができる。
【0016】
前記屈曲部は、略U字形状を有していてもよい。この場合、露出部は、屈曲部の位置で、Uターンするように屈曲することになる。そのため、露出部の延在方向の長さを確保しやすく、露出部の延在方向の長さを延長することができる。
【0017】
前記屈曲部は、複数の前記屈曲部で構成されていてもよい。この場合、屈曲部の数に応じて、露出部の延在方向の長さを延長することができる。
【0018】
前記引出部は、第1引出部と第2引出部とを有し、前記端子部は、前記第1引出部に具備された第1端子部と、前記第2引出部に具備された第2端子部とを有し、前記露出部は、前記第1端子部に具備された第1露出部と、前記第2端子部に具備された第2露出部とを有し、前記第1露出部の形状と前記第2露出部の形状とは略等しくてもよい。この場合、第1露出部における電気抵抗と第2露出部における電気抵抗とが同程度となり、コイル装置の電気的信頼性を向上させることができる。
【0019】
前記電極は、導電性ペーストで構成されていてもよい。この場合、コイル装置を実装基板にたとえばハンダ実装するときに、導電性ペーストの緩衝層としての機能により、ハンダクラックが生じることを防止することができる。
【0020】
前記電極の厚みは、前記第1延在部と前記第2延在部との間の領域で最大になっていてもよい。この場合、前記第1延在部と前記第2延在部との間の領域において、電極と実装基板との間の接触面積が増大し、電極と実装基板との固着強度を向上させることができる。
【0021】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、前記埋設部の表面は、絶縁被膜で覆われていてもよい。この場合、絶縁被膜を介して、埋設部とコアとが絶縁され、埋設部とコアとの間でショート不良が発生することを防止することができる。
【0022】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、前記露出部の延在方向に直交する幅方向の端部は、絶縁被膜で覆われていてもよい。この場合、絶縁被膜を介して、露出部とコア(コアに含まれる磁性体)とが絶縁され、露出部とコアとの間でショート不良が発生することを防止することができる。
【0023】
前記コイルは、絶縁被覆ワイヤからなり、前記露出部の延在方向に直交する幅方向の端部は、絶縁被膜で覆われており、前記第1延在部と前記第2延在部とが向かい合う側では、前記第1延在部と前記第2延在部とが向かい合っていない側に比べて、前記絶縁被膜の厚みが大きくてもよい。この場合、第1延在部と第2延在部とが向かい合う側では、厚みの大きな絶縁被膜を介して、第1延在部と第2延在部との間の耐圧が向上する。そのため、コイル装置の電気的信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本出願の第1実施形態のコイル装置の斜視図である。
【
図2】
図2は
図1に示すコイル装置を実装面側から見た平面図である。
【
図4】
図4は
図1に示す引出部の端子部の周辺の断面図である。
【
図5】
図5は
図1に示す引出部の露出部を実装面側から見た平面図である。
【
図7】
図7は
図6Bに示す第1成形体の底面に対する端子部の設置態様を示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは本出願の第2実施形態のコイル装置を実装面側から見た平面図である。
【
図8B】
図8Bは本出願の第3実施形態のコイル装置を実装面側から見た平面図である。
【
図8C】
図8Cは本出願の第4実施形態のコイル装置を実装面側から見た平面図である。
【
図8D】
図8Dは本出願の第5実施形態のコイル装置を実装面側から見た平面図である。
【
図9】
図9は本出願の第6実施形態のコイル装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願の実施形態を、図面を用いて説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図示する内容は、本出願の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。また、以下、実施形態により具体的に説明するが、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0026】
第1実施形態
図1に示すように、本出願の第1実施形態のコイル装置1は、たとえば表面実装型のインダクタであり、各種の電子機器に搭載される。コイル装置1の寸法は特に限定されないが、そのX軸方向の幅はたとえば1.0~7.0mmであり、そのY軸方向の幅はたとえば1.0~7.0mmであり、そのZ軸方向の幅はたとえば0.5~5.0mmである。
【0027】
コイル装置1は、コア2と、コイル3と、電極4aおよび4bとを有する。コア2は、略直方体形状を有し、第1面2aと、第2面2bと、第3面2cと、第4面2dと、第5面2eと、第6面2fとを有する。第1面2aと第2面2bとは第1方向に対向しており、第3面2cと第4面2dとは第2方向に対向しており、第5面2eと第6面2fとは第3方向に対向している。第1方向と第2方向と第3方向とは相互に直交している。なお、図面において、X軸は第1方向に対応する軸であり、Y軸は第2方向に対応する軸であり、Z軸は第3方向に対応する軸である。XYZ座標系の原点は、コア2の中心に設定するものとする。X軸、Y軸およびZ軸の各々について、原点よりも正方向側を「一方側」と呼び、原点よりも負方向側を「他方側」と呼ぶ。
【0028】
コア2の第6面2fには、電極4aおよび4bが配置されている。この場合、第6面2fが、コア2の電極形成面である。なお、電極形成面は、第1面2a、第2面2b、第3面2c、第4面2dあるいは第5面2eであってもよい。また、電極形成面は、1つの面で構成されていてもよく、あるいは2つ以上の面で構成されていてもよい。
【0029】
コア2は、磁性体と樹脂とを含む材料で形成されている。コア2を形成する磁性材料としては、フェライト粒子あるいは金属磁性体粒子等が例示される。フェライト粒子としては、Ni-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライト等が例示される。金属磁性体粒子としては、特に限定されないが、Fe-Ni合金粉、Fe-Si合金粉、Fe-Si-Cr合金粉、Fe-Co合金粉、Fe-Si-Al合金粉、アモルファス鉄等が例示される。コア2を形成する樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、その他の合成樹脂、あるいはその他の非磁性材料等が例示される。コア2は、金属磁性体の焼結体でもよい。
【0030】
コア2は圧粉成形あるいは射出成形等により形成される。コア2の形状は、略直方体形状に限定されず、その他の多角形状あるいは略円柱形状でもよい。また、コア2は、1つの成形体で構成されていてもよく、あるいは、複数の成形体(複数の層)を組み合わせる(圧縮成形する)ことにより形成されてもよい。
【0031】
図2に示すように、電極4aと電極4bとは、コア2の第6面2fにX軸方向に離間して配置されている。電極4aおよび4bは、Z軸方向から見て、Y軸方向に長手方向を有する略長方形状を有する。電極4aおよび4bの位置、大きさおよび範囲は、
図2に示す例に限定されず、適宜変更してもよい。電極4aおよび4bの厚みは、特に限定されないが、たとえば10~200μmである。電極4aおよび4bは、導電性ペーストからなる。
【0032】
導電性ペーストは、導電粒子と有機バインダとを含んでいてもよい。導電性ペーストは、導電粒子を構成する金属として、たとえば、Au、Ag、Cu、Ni、C、Pd、Ag-Pd合金等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、有機バインダとしては、たとえば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂等を用いることができる。
【0033】
電極4aおよび4bを導電性ペーストで形成することにより、電極4aおよび4bとコアとの接合強度を向上させ、端子強度を向上させることができる。なお、電極4aおよび4bの構成は、導電性ペーストに限定されない。また、電極4aおよび4bには、メッキ層や下地電極層が含まれていてもよい。
【0034】
図3に示すように、コイル3は、空芯コイルであり、絶縁被覆された丸線ワイヤで形成されている。ワイヤの材質としては、銅、銀、これらを含む合金、あるいはその他の金属または合金が用いられる。ワイヤの直径は、たとえば10~80μmである。
【0035】
コイル3は、巻回部30と、巻回部30から引き出される引出部5aおよび5bとを有する。巻回部30は、ワイヤがコイル状に巻回された部分をいい、引出部5aは巻回部からワイヤの一方の終端までの部分をいい、引出部5bは巻回部からワイヤの他方の終端までの部分をいう。巻回部30の巻回軸方向は、Z軸方向に対応しており、コア2(
図1)の第5面2eおよび第6面2fと直交する方向である。巻回部30の巻回数は、特に限定されず、1ターン以上であればよい。巻回部30の形状は、Z軸方向から見て、略楕円形状であるが、円形状あるいはその他の形状であってもよい。
図1に示すように、巻回部30は、コア2の内部に埋設されている。
【0036】
引出部5aは、コイル3の一端部を構成しており、端子部50aと接続部53aとを有する。引出部5bは、コイル3の他端部を構成しており、端子部50bと接続部53bとを有する。引出部5aは、たとえば、巻回部30のZ軸方向の最上層のターンからコア2の第6面2fに向けて引き出される。引出部5bは、たとえば、巻回部30の巻回軸方向の最下層のターンからコア2の第6面2fに向けて引き出される。
【0037】
端子部50aおよび50bは、略U字形状を呈するように、コア2の第6面2fに配置されている。端子部50aおよび50bは、X軸方向に離間して配置されている。
【0038】
接続部53aは、巻回部30と端子部50aとを接続している。接続部53bは、コア2の内部に埋設されており、巻回部30と端子部50bとを接続している。接続部53aおよび53bは、巻回部30の位置から端子部50aおよび50bの位置まで屈曲しつつ延在している。
【0039】
図4に示すように、端子部50aは、埋設部51aと、露出部52aとを有する。端子部50bは、埋設部51bと、露出部52bとを有する。埋設部51aおよび51bは、コア2の内部に埋設されている。そのため、端子部50aおよび50bがコア2の第6面2fから剥離することを防止することができる。
【0040】
埋設部51aおよび51bの表面は、それぞれ絶縁被膜8aおよび8bで覆われている。上述したように、コイル3は絶縁被覆ワイヤで形成されており、埋設部51aおよび51bは、絶縁被膜8aおよび8bを有する。これにより、絶縁被覆8aおよび8bを介して、埋設部51aおよび51bとコア2とが絶縁され、これらの間でショート不良が発生することを防止することができる。
【0041】
露出部52aおよび52bは、コア2の第6面2fから露出(突出)している。露出部52aおよび52bは、それぞれ電極4aおよび4bで覆われており、電極4aおよび4bに物理的および電気的に接続されている。露出部52aおよび52bの一部も、電極4aおよび4bとの電気的接続を阻害しない範囲で、絶縁被膜8aおよび8bを有していてもよい。
図4に示す例では、端子部50aおよび50bのうち、埋設部51aおよび51bの割合が、露出部52aおよび52bの割合よりも大きくなっている。この場合、端子部50aおよび50bが、コア2から剥離することを防止することができる。ただし、露出部52aおよび52bの割合が、埋設部51aおよび51bの割合よりも大きくなっていてもよい。この場合、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の接続強度を向上させることができる。
【0042】
図5に示すように、露出部52aおよび52bは、略同一形状を有し、コア2のY軸に平行な中心線に対して線対称に形成されている。ただし、これらは、コア2の中心に対して、点対称に形成されていてもよい。以下では、重複記載を防止するために、露出部52aおよび52bに共通する構成については、露出部52aについてのみ説明する場合がある。
【0043】
露出部52aおよび52bをZ軸方向から見た形状は、いずれも略U字形状である。露出部52aおよび52bの形状が略同一である場合、露出部52aにおける電気抵抗と露出部52bにおける電気抵抗とが同程度となり、コイル装置1の電気的信頼性を向上させることができる。なお、本実施形態において、同一とは、完全同一である場合だけでなく、露出部52aまたは52bのY軸方向の全長あるいはX軸方向の全幅につき、±5%以内の変動を許容するものとする。
【0044】
露出部52aおよび52bは、それぞれ屈曲部60aおよび60bを有する。屈曲部60aおよび60bは、略U字形状を有し、コア2の第6面2fに沿って略180°屈曲(滑らかに湾曲)している。屈曲部60aおよび60bは、それぞれ露出部52aおよび52bの延在方向を転換させる役割を有する。そのため、露出部52aおよび52bは、それぞれ屈曲部60aおよび60bの位置で、Uターンするように略180°屈曲している。
【0045】
屈曲部60aは、露出部52aのうち、後述する第1延在部71aおよび第2延在部72aを除いた部分である。また、屈曲部60aは、Y軸方向に沿って延在しておらず、かつ、第1延在部71aと第2延在部72aとの間で屈曲(ターン)している部分でもある。屈曲部60bは、露出部52bのうち、後述する第1延在部71bおよび第2延在部72bを除いた部分である。また、屈曲部60bは、Y軸方向に沿って延在しておらず、かつ、第1延在部71bと第2延在部72bとの間で屈曲(ターン)している部分でもある。
【0046】
露出部52aは、第1延在部71aと第2延在部72aとを有する。第1延在部71aと第2延在部72aとは、X軸方向に離間して配置されている。第1延在部71aおよび第2延在部72aは、コア2の第6面2fに沿って延在し、屈曲部60aを介して連続している。第1延在部72aと第2延在部72aとは、それぞれ第6面2f上をY軸方向に沿って延在している。ただし、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、Y軸に対して傾斜していてもよい。なお、本実施形態において、平行とは、±5%以内の変動を許容するものとする。
【0047】
露出部52bは、第1延在部71bと第2延在部72bとを有する。第1延在部72bと第2延在部72bとは、X軸方向に離間して配置されている。第1延在部71bおよび第2延在部72bは、コア2の第6面2fに沿って延在し、屈曲部60bを介して連続している。第1延在部71bと第2延在部72bとは、それぞれ第6面2f上をY軸方向に沿って延在している。ただし、第1延在部71bおよび/または第2延在部72bは、Y軸に対して傾斜していてもよい。
【0048】
露出部52aは、その延在方向の一端である第1端52a1と、その延在方向の他端である第2端52a2とを有する。第1端52a1は、屈曲部60aとはY軸方向の反対側に位置する端部であり、接続部53a(
図1)に接続されている。第2端52a2は、屈曲部60aとはY軸方向の反対側に位置する端部であり、引出部5aの末端でもある。第1端52a1は第6面2fのY軸正方向側に位置し、屈曲部60aは第6面2fのY軸負方向側に位置する。
【0049】
露出部52bは、その延在方向の一端である第1端52b1と、その延在方向の他端である第2端52b2とを有する。第1端52b1は、屈曲部60bとはY軸方向の反対側に位置する端部であり、接続部53b(
図1)に接続されている。第2端52b2は、屈曲部60bとはY軸方向の反対側に位置する端部であり、引出部5bの末端でもある。第1端52b1は第6面2fのY軸正方向側に位置し、屈曲部60bは第6面2fのY軸負方向側に位置する。
【0050】
露出部52aおよび52bは、それぞれ屈曲部60aおよび60bで屈曲しつつ、第6面2fに沿って延在している。そのため、露出部52aおよび52bの延在方向の長さ(露出部52aの第1端52a1から第2端52a2までの略U字状部の長さ/露出部52bの第1端52b1から第2端52b2までの略U字状部の長さ)を延長することが可能である。これにより、露出部52aおよび52bの表面積(露出面積)を増大させ、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の接触面積を増大させることが可能となっている。
【0051】
第1端52a1および第2端52a2は、コア2の第6面2fのY軸正方向側に配置されている。他方で、屈曲部60aは、コア2の第6面2fのY軸負方向側に配置されている。第1端52b1、第2端52b2および屈曲部60bの位置関係についても同様である。
【0052】
そのため、屈曲部60aから第1端52a1までのY軸方向の長さ(第1延在部71aのY軸方向の長さL1)と、屈曲部60aから第2端52a2までの長さ(第2延在部72aのY軸方向の長さL2)とを確保しやすく、露出部52aの延在方向の長さを延長することができる。
【0053】
露出部52aの第1端52a1は、第2端52a2よりも、コア2の第6面2fのY軸正方向側に配置されている。露出部52bの第1端52b1および第2端52b2についても同様である。そのため、第1延在部71aのY軸方向の長さL1は、第2延在部72aのY軸方向の長さL2よりも大きくなっている。第1延在部71aのY軸方向の長さL1と、第2延在部72aのY軸方向の長さL2との比L1/L2は、1<L1/L2≦2でもよい。
【0054】
また、第1延在部71aのY軸方向の長さL1は、電極4aのY軸方向の長さL3の1/2以上でもよい。同様に、第1延在部72aのY軸方向の長さL2は、電極4aのY軸方向の長さL3の1/2以上でもよい。この場合、露出部52aと電極4aとの間の接触面積を確保しやすくなる。
【0055】
第2延在部72aは、第1延在部71aよりも、コア2の中心側に配置されている。また、第2延在部72bは、第1延在部71bよりも、コア2の中心側に配置されている。コア2の中心側では、コア2の外側(外縁部)に比べて、比較的広いスペースが形成されている。そのため、第2延在部72aおよび72bの設置スペースを確保することが可能であり、露出部52aおよび52bの延在方向の長さを延長することができる。
【0056】
図4に示すように、電極4a(電極4bについても同様)の厚みは、そのX軸方向の中央に向かうにしたがって厚くなっている。特に、電極4aの厚みは、第1延在部71aと第2延在部72aとの間の領域で最大となっている。すなわち、電極4aは、第1延在部71aと第2延在部72aとの間に頂部を位置する凸形状を有する。
【0057】
そのため、第1延在部71aと第2延在部72aとの間の領域において、電極4aと実装基板との間の接触面積が増大し、電極4aと実装基板との固着強度を向上させることができる。
【0058】
露出部52aのX軸方向の端部は、絶縁被膜8aで覆われている。同様に、露出部52bのX軸方向の端部は、絶縁被膜8bで覆われている。そのため、絶縁被膜8aを介して、露出部52aとコア2(コア2に含まれる磁性体)とが絶縁され、露出部52aとコア2との間でショート不良が発生することを防止することができる。
【0059】
特に、第1延在部71aと第2延在部72aとが向かい合う側では、第1延在部71aと第2延在部72aとが向かい合っていない側に比べて、絶縁被膜8aの厚みが大きくなっている。以下では、絶縁被膜8aのうち、この厚みが大きくなった部分を肉厚部80aと呼ぶ。そのため、第1延在部71aと第2延在部72aとが向かい合う側では、肉厚部80aを介して、第1延在部71aと第2延在部72aとの間の耐圧を向上させることが可能となり、コイル装置1の電気的信頼性を向上させることができる。
【0060】
同様に、第1延在部71bと第2延在部72bとが向かい合う側では、第1延在部71bと第2延在部72bとが向かい合っていない側に比べて、絶縁被膜8bの厚みが大きくなっている(絶縁被膜8bには、肉厚部80bが具備されている)。
【0061】
次に、コイル装置1の製造方法について説明する。まず、
図6Aに示すように、第1成形体410と空芯状に巻回されたコイル3とを準備する。第1成形体410は、コア2を構成する材料で形成され、圧粉成形や射出成形、あるいは削り出し加工などによって得ることができる。
【0062】
第1成形体410は、支持部410aと、複数の巻芯部410bと、複数の切欠部410cとを有する。支持部410aは、略平板形状を有する。複数の巻芯部410bは、支持部410aに一体的に形成されており、略円柱形状を有する。以下では、巻芯部410bが形成された支持部410aの一方の主面を上面と呼び、支持部410aの他方の主面を底面と呼ぶ。
【0063】
次に、
図6Bに示すように、コイル3を巻芯部410bに配置する。なお、巻芯部410bの外周面にワイヤを巻回することにより、コイル3を形成してもよい。次に、切欠部410cを介して、コイル3の引出部5aおよび5bを第1成形体410の底面側に引き出す。
【0064】
引出部5aおよび5bを第1成形体410の底面側に引き出した後、
図5に示すように、引出部5aおよび5bに屈曲部60aおよび60bを形成する。そして、引出部5aおよび5bを屈曲させた状態で、第1成形体410の底面に配置する。これにより、引出部5aおよび5bには、それぞれ
図1に示す端子部50aおよび50bと、接続部53aおよび53bとが具備される。
【0065】
なお、
図7に示すように、第1成形体410の底面には、複数の溝部411を予め形成しておいてもよい。そして、第1成形体410の底面側に引き出した端子部50aおよび50bを溝部411に配置しておいてもよい。
【0066】
溝部411の深さは、端子部50aおよび50bの各々の線径よりも小さくてもよい。この場合、端子部50aを溝部411に配置したときに、端子部50aの一部が溝部411の外側に突出する。また、端子部50bを溝部411に配置したときに、端子部50bの一部が溝部411の外側に突出する。
【0067】
次に、
図6Bに示す複数のコイル3が配置された第1成形体410を金型に設置する。そして、
図6Cに示すように、複数のコイル3を覆うように、第1成形体410に第2成形体420を組み合わせ、これらを圧縮成形する。これにより、
図6Dに示すように、第1成形体410と第2成形体420とからなる圧縮体430が形成される。なお、第2成形体420は、コア2を構成する材料で形成され、圧粉成形や射出成形、あるいは削り出し加工などによって得ることができる。
【0068】
圧縮体430の成形時において、
図6Cに示す第2成形体420を構成する成形材料の一部は、切欠部410cを介して、第1成形体410の底面側へと回り込む。そのため、
図7に示すように、溝部411の内部には、第2成形体420を構成する成形材料が充填され、充填部421が形成される。
【0069】
上述したように、端子部50aおよび50bの一部は、溝部421の外側に突出している。そのため、端子部50aおよび50bの一部は、それぞれ露出部52aおよび52bとして、圧縮体430(充填部421)から露出(突出)する。また、端子部50aおよび50bの残りの一部は、それぞれ埋設部51aおよび51bとして、圧縮体430(充填部421)に埋設される。
【0070】
また、露出部52aには、屈曲部60a(
図5)を介して一方側に第1延在部71aが具備され、他方側に2延在部72aが具備される。同様に、露出部52bには、屈曲部60b(
図5)を介して一方側に第1延在部71bが具備され、他方側に第2延在部72bが具備される。
【0071】
次に、圧縮体430の底面にレーザを照射し、圧縮体430の底面から露出した引出部5aおよび5bの各々の露出部52aおよび52bの絶縁被膜を除去する。次に、
図6Dに示すように、露出部52aおよび52bを覆うように、スクリーン印刷などの方法により、圧縮体430の底面に導電性ペースト(たとえば、Agペースト)を塗布し、これを硬化させて電極4aおよび4bを形成する。なお、電極4aおよび4bには、下地電極層やメッキ層を具備させてもよい。導電性ペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷、ディスペンサ、ディップ等の方法により行うことができる。
【0072】
次に、圧縮体430を切断し、圧縮体430を個片化する。これにより、
図6Eに示すコア2が形成される。必要に応じて、個片化したコア2に対して、バレル研磨を行う。以上のようにして、
図1に示すコイル装置1を得ることができる。
【0073】
以上で説明したように、本実施形態のコイル装置1では、
図5に示すように、屈曲部60aおよび60bの位置で、露出部52aおよび52bが屈曲しているため、露出部52aおよび52bの延在方向の長さが延長され、露出部52aおよび52bの表面積が増大する。その結果、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の接触面積が増大する。これにより、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の接触抵抗を低減し、電気的信頼性に優れたコイル装置1を実現することができる。また、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の接合強度を増大させ、電極4aおよび4bと実装基板との間の固着強度を向上させることができる。
【0074】
また、本実施形態では、第1延在部71aおよび第2延在部72aの各々のY軸方向の長さに応じて、露出部52aのY軸方向の長さを調整することができる。同様に、第1延在部71bおよび第2延在部72bの各々のY軸方向の長さに応じて、露出部52bのY軸方向の長さを調整することができる。
【0075】
また、本実施形態では、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの接触領域がY軸方向に沿って形成される。それゆえ、Y軸方向に沿って、露出52aおよび52b部と電極4aおよび4bとの間の接合強度が高い領域(すなわち、電極4aおよび4bと実装基板との間の固着強度が高い領域)を形成することができる。また、露出部52aおよび52bが、電極4aおよび4bの内側に収まりやすくなり、コイル装置1の製造が容易になる。
【0076】
第2実施形態
図8Aに示す本出願の第2実施形態のコイル装置1Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。
図8Aにおいて、第1実施形態のコイル装置1と重複する部材には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0077】
コイル装置1Aは、引出部5aAおよび5bAを有する。引出部5aAおよび5bAは、それぞれ端子部50aAおよび50bAを有し、端子部50aAおよび50bAは、それぞれ露出部52aAおよび52bAを有する。
【0078】
露出部52aAは、第2端52a2が、第1端52a1よりも、コア2の第6面2fのY軸正方向側に配置されているという点において、第1実施形態の露出部52aと異なる。また、露出部52bAは、第2端52b2が、第1端52b1よりも、コア2の第6面2fのY軸正方向側に配置されているという点において、第1実施形態の露出部52bと異なる。
【0079】
そのため、第2延在部72aのY軸方向の長さL2は、第1延在部71aのY軸方向の長さL1よりも大きくなっている。第2延在部72aのY軸方向の長さL2と、第1延在部71aのY軸方向の長さL1との比L2/L1は、1<L2/L1≦2でもよい。
【0080】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、第2延在部72aのY軸方向の長さL2が、第1延在部71aのY軸方向の長さL1よりも大きいため、特に、コア2の中心側において、露出部52aおよび52bと電極4aおよび4bとの間の固着強度を向上させることができる。
【0081】
第3実施形態
図8Bに示す本出願の第3実施形態のコイル装置1Bは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。
図8Bにおいて、第1実施形態のコイル装置1と重複する部材には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0082】
コイル装置1Bは、引出部5aBおよび5bBを有する。引出部5aBおよび5bBは、それぞれ端子部50aBおよび50bBを有し、端子部50aBおよび50bBは、それぞれ露出部52aBおよび52bBを有する。
【0083】
露出部52aBの第1端52a1は、コア2の第6面2fのY軸正方向側に配置されている。また、露出部52aBの第2端52a2は、第6面2fのY軸負方向側に配置されている。すなわち、第1端52a1と第2端52a2とは、Y軸方向に関して、反対側に配置されている。露出部52bBの第1端52b1および第2端52b2についても同様である。
【0084】
屈曲部60aは、Y軸方向に関して、第1端52a1と第2端52a2との間に配置されている。また、屈曲部60bは、Y軸方向に関して、第1端52b1と第2端52b2との間に配置されている。
【0085】
第1延在部71aと第2延在部72aとは、屈強部60aの位置で、所定の角度で交差している。第1延在部71aと第2延在部72aとが為す角度θは、0°<θ<180°でもよく、90°≦θ<180°でもよい。第1延在部71bと第2延在部72bとが為す角についても同様である。
【0086】
図8Bに示す例では、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、コア2のY軸方向の中心に近づくにしたがって、コア2の中心側に向かうように(コア2の第1面2aから離れるように)傾斜している。同様に、第1延在部71bおよび第2延在部72bは、コア2のY軸方向の中心に近づくにしたがって、コア2の中心側に向かうように(コア2の第2面2bから離れるように)傾斜している。
【0087】
ただし、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、コア2のY軸方向の中心に近づくにしたがって、コア2の外側に向かうように(コア2の第1面2aに近づくように)傾斜していてもよい。また、第1延在部71bおよび第2延在部72bは、コア2のY軸方向の中心に近づくにしたがって、コア2の外側に向かうように(コア2の第2面2bに近づくように)傾斜していてもよい。
【0088】
屈曲部60aおよび60bは、コア2のY軸方向の略中心部に位置しているが、コア2のY軸方向の一方側に位置していてもよい。また、第1延在部71aおよび第2延在部72aの各々のY軸に対する傾斜角度は略等しくなっているが、異なっていてもよい。また、第1延在部71aおよび第2延在部72aの各々の延在方向の長さは略等しくなっているが、異なっていてもよい。第1延在部71bおよび第2延在部72bについても同様である。
【0089】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、それぞれX軸方向に延在する成分と、Y軸方向に延在する成分とを有する。また、第1延在部71bおよび第2延在部72bは、それぞれX軸方向に延在する成分と、Y軸方向に延在する成分とを有する。そのため、X軸方向およびY軸方向の両方向に沿って、露出部71aおよび71bと電極4aおよび4bとの間の接合強度が高い領域を形成することができる。
【0090】
また、本実施形態では、第1延在部71aと第2延在部72aとは、非平行に配置されるように、交差している。そのため、第1延在部71aと第2延在部72aが為す角度に応じて、露出部72aの延在方向の長さを延長することができる。
【0091】
第4実施形態
図8Cに示す本出願の第4実施形態のコイル装置1Cは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。
図8Cにおいて、第1実施形態のコイル装置1と重複する部材には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0092】
コイル装置1Cは、引出部5aCおよび5bCを有する。引出部5aCおよび5bCは、それぞれ端子部50aCおよび50bCを有し、端子部50aCおよび50bCは、それぞれ露出部52aCおよび52bCを有する。
【0093】
露出部52aCは、複数(本実施形態では、2つ)の屈曲部60aおよび61aを有する。露出部52bCは、複数(本実施形態では、2つ)の屈曲部60bおよび61bを有する。屈曲部61aおよび61bは、略L字形状を有し、コア2の第6面2fに沿って略90°屈曲(滑らかに湾曲)している。ただし、屈曲部61aおよび61bの屈曲角度は、これに限定されない。屈曲部60aおよび60bは、それぞれ電極4aおよび4bのY軸方向の略中心部に位置している。
【0094】
露出部52aCおよび52bCは、コア2の中心に対して、点対称に形成されている。ただし、これらは、コア2のY軸に平行な中心線に対して線対称に形成されていてもよい。
【0095】
露出部52aCは、第1延在部71aおよび第2延在部72aに加えて、第3延在部73aを有する。また、露出部52bCは、第1延在部71bおよび第2延在部72bに加えて、第3延在部73bを有する。
【0096】
第3延在部73aおよび73bは、それぞれ第1延在部71aおよび71bの延在方向(Y軸方向)に対して略直交する方向(X軸方向)に沿って延在している。第3延在部73aは、コア2の第6面2fに沿って延在しており、屈曲部61aを介して、第1延在部71aと連続している。第3延在部73aは、Y軸方向に延在する第1延在部71aをY軸方向からX軸方向に向けて屈曲させた形状を有する。同様に、第3延在部73bは、コア2の第6面2fに沿って延在しており、屈曲部61bを介して、第1延在部71bと連続している。第3延在部73bは、Y軸方向に延在する第1延在部71bをY軸方向からX軸方向に向けて屈曲させた形状を有する。
【0097】
露出部52aの第1端52a1は、コア2の第6面2fの外縁部において、Y軸方向の略中心部に位置している。露出部52aの第2端52a2と、屈曲部60aとは、Y軸方向に関して、反対側に位置している。ただし、第1端51a1および第2端52a2の位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。たとえば、第1端52a1は、第6面2fのY軸方向の一方側に位置していてもよい。また、第2端52a2は、第6面2fのY軸方向の略中心部に位置していてもよい。
【0098】
露出部52bの第1端52b1は、コア2の第6面2fの外縁部において、Y軸方向の略中心部に位置している。露出部52bの第2端52b2と、屈曲部60bとは、Y軸方向に関して、反対側に位置している。ただし、第1端51b1および第2端52b2の位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。たとえば、第1端52b1は、第6面2fのY軸方向の一方側に位置していてもよい。また、第2端52b2は、第6面2fのY軸方向の略中心部に位置していてもよい。
【0099】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、露出部52aは複数の屈曲部60aおよび61aを有し、露出部52bは複数の屈曲部60bおよび61bを有する。そのため、屈曲部の数に応じて、露出部52aおよび52bの延在方向の長さを延長することができる。なお、露出部52aにおいて、屈曲部の数は2個に限定されず、3個以上であってもよい。露出部52bについても同様である。
【0100】
第5実施形態
図8Dに示す本出願の第5実施形態のコイル装置1Dは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。
図8Dにおいて、第1実施形態のコイル装置1と重複する部材には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0101】
コイル装置1Dは、引出部5aDおよび5bDを有する。引出部5aDおよび5bDは、それぞれ端子部50aDおよび50bDを有し、端子部50aDおよび50bDは、それぞれ露出部52aDおよび52bDを有する。
【0102】
露出部52aにおいて、第1延在部71aと第2延在部72aとは、コア2の第6面2fのX軸方向に沿って延在している。第2延在部72aの延在方向(X軸方向)の長さは、第1延在部71aの延在方向(X軸方向)の長さよりも小さくなっている。第1延在部71bおよび第2延在部72bについても同様である。
【0103】
露出部52aDおよび52bDは、コア2の中心に対して、点対称に形成されている。ただし、これらは、コア2のY軸に平行な中心線に対して線対称に形成されていてもよい。あるいは、これらは、コア2の対角線上に配置されていてもよい。
【0104】
屈曲部60aおよび60bは、コア2のY軸方向の略中央部に位置し、X軸方向に互いに向かい合うように配置されている。屈曲部60aおよび60bは、コア2の第6面2fのY軸方向の一方側に位置していてもよい。
【0105】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、露出部52aDおよび52bDと電極4aおよび4bとの接触領域がX軸方向に沿って形成される。それゆえ、X軸方向に沿って、露出部52aDおよび52bDと電極4aおよび4bとの間の接合強度が高い領域を形成することができる。
【0106】
第6実施形態
図9に示す本出願の第6実施形態のコイル装置1Eは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。
図9において、第1実施形態のコイル装置1と重複する部材には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0107】
コイル装置1Eは、コイル3Eを有する。コイル3Eは、平角線で形成されているという点において、第1実施形態におけるコイル3とは異なる。コイル3Eは、フラットワイズ巻きされてるが、エッジワイズ巻きされていてもよい。
【0108】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、コイル3Eが平角線で形成されているため、露出部52aおよび52bと端子電極4aおよび4bとの間の接触面積を確保しやすくなる。
【0109】
なお、本出願は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本出願の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0110】
上記各実施形態では、本出願のインダクタへの適用例について説明したが、本出願を他のコイル装置に適用してもよい。
【0111】
上記各実施形態において、露出部52aおよび52b(
図5)は、
図1に示すコア2の第6面2fから露出していたが、
図10に示すように、それぞれコア2の第1面2aおよび第2面2b(コア2の側部)から露出していてもよい。この場合、露出部52aは、第1面2aにおいて、全体としてZ軸方向にU字状に延在していてもよい。また、露出部52bは、第2面2bにおいて、全体としてZ軸方向にU字状に延在していてもよい。あるいは、露出部52aおよび52bは、コア2のその他の面から露出していてもよい。
【0112】
上記各実施形態において、
図1に示すように、電極4aおよび4bは、コア2の第6面2fにのみ形成されていたが、他の面に跨るように形成されていてもよい。
【0113】
上記各実施形態では、
図5に示すように、端子部50aおよび50bにそれぞれ屈曲部60aおよび60bが形成されていたが、端子部50aおよび50bのいずれか一方にのみ屈曲部が形成されていてもよい。
【0114】
上記各実施形態では、
図4に示すように、第1延在部71aと第2延在部72aとの間で電極4aの厚みが最大となっていたが、電極4aの厚みは略一定でもよい。あるいは、電極4aの厚みは、第1延在部71aと第2延在部72aとの間において、露出部52aの厚みよりも小さくなっていてもよい。電極4bについても同様である。
【0115】
上記各実施形態において、端子部50aおよび50bには、埋設部51aおよび51bと露出部52aおよび52bとが具備されていたが、露出部52aおよび52bのみが具備されていてもよい。
【0116】
上記各実施形態において、
図6Cに示すように、コア2は第1成形体410と第2成形体420とで形成されていたが、コア2は1つの成形体で形成されていてもよい。たとえば、コイル3を金型の内部に設置するとともに、金型の内部に成形材料を充填し、これを圧縮成形することにより、コア2を形成してもよい。
【0117】
上記第1実施形態~第3実施形態、第5実施形態および第6実施形態において、屈曲部60aの数は複数でもよく、また、屈曲部60bの数は複数でもよい。
【0118】
上記第6実施形態に、上記第2実施形態~第5実施形態に示す技術を適用してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1,1A~1E…コイル装置
2…コア
3…コイル
30…巻回部
4a,4b…電極
5a,5b…引出部
50a,50b…端子部
51a,51b…埋設部
52a,52b…露出部
52a1,52a2…第1端
52b1,52b2…第2端
53a,53b…接続部
60a,60b,61a,61b…屈曲部
71a,71b…第1延在部
72a,72b…第2延在部
73a,73b…第3延在部
8a,8b…絶縁被膜
80a,80b…肉厚部
410…第1成形体
410a…支持部
410b…巻芯部
410c…貫通孔
420…第2成形体
430…圧縮体
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
電極4aおよび4bを導電性ペーストで形成することにより、電極4aおよび4bとコア2との接合強度を向上させ、端子強度を向上させることができる。なお、電極4aおよび4bの構成は、導電性ペーストに限定されない。また、電極4aおよび4bには、メッキ層や下地電極層が含まれていてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
コイル3は、巻回部30と、巻回部30から引き出される引出部5aおよび5bとを有する。巻回部30は、ワイヤがコイル状に巻回された部分をいい、引出部5aは巻回部
30からワイヤの一方の終端までの部分をいい、引出部5bは巻回部
30からワイヤの他方の終端までの部分をいう。巻回部30の巻回軸方向は、Z軸方向に対応しており、コア2(
図1)の第5面2eおよび第6面2fと直交する方向である。巻回部30の巻回数は、特に限定されず、1ターン以上であればよい。巻回部30の形状は、Z軸方向から見て、略楕円形状であるが、円形状あるいはその他の形状であってもよい。
図1に示すように、巻回部30は、コア2の内部に埋設されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
露出部52aは、第1延在部71aと第2延在部72aとを有する。第1延在部71aと第2延在部72aとは、X軸方向に離間して配置されている。第1延在部71aおよび第2延在部72aは、コア2の第6面2fに沿って延在し、屈曲部60aを介して連続している。第1延在部71aと第2延在部72aとは、それぞれ第6面2f上をY軸方向に沿って延在している。ただし、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、Y軸に対して傾斜していてもよい。なお、本実施形態において、平行とは、±5%以内の変動を許容するものとする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
露出部52bは、第1延在部71bと第2延在部72bとを有する。第1延在部71bと第2延在部72bとは、X軸方向に離間して配置されている。第1延在部71bおよび第2延在部72bは、コア2の第6面2fに沿って延在し、屈曲部60bを介して連続している。第1延在部71bと第2延在部72bとは、それぞれ第6面2f上をY軸方向に沿って延在している。ただし、第1延在部71bおよび/または第2延在部72bは、Y軸に対して傾斜していてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
また、第1延在部71aのY軸方向の長さL1は、電極4aのY軸方向の長さL3の1/2以上でもよい。同様に、第2延在部72aのY軸方向の長さL2は、電極4aのY軸方向の長さL3の1/2以上でもよい。この場合、露出部52aと電極4aとの間の接触面積を確保しやすくなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
次に、圧縮体430の底面にレーザを照射し、圧縮体430の底面から露出した引出部5aおよび5bの各々の露出部52aおよび52bの絶縁被膜
8aおよび8bを除去する。次に、
図6Dに示すように、露出部52aおよび52bを覆うように、スクリーン印刷などの方法により、圧縮体430の底面に導電性ペースト(たとえば、Agペースト)を塗布し、これを硬化させて電極4aおよび4bを形成する。なお、電極4aおよび4bには、下地電極層やメッキ層を具備させてもよい。導電性ペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷、ディスペンサ、ディップ等の方法により行うことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、第2延在部72aのY軸方向の長さL2が、第1延在部71aのY軸方向の長さL1よりも大きいため、特に、コア2の中心側において、露出部52aAおよび52bAと電極4aおよび4bとの間の固着強度を向上させることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、第1延在部71aおよび第2延在部72aは、それぞれX軸方向に延在する成分と、Y軸方向に延在する成分とを有する。また、第1延在部71bおよび第2延在部72bは、それぞれX軸方向に延在する成分と、Y軸方向に延在する成分とを有する。そのため、X軸方向およびY軸方向の両方向に沿って、露出部52aBおよび52bBと電極4aおよび4bとの間の接合強度が高い領域を形成することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
また、本実施形態では、第1延在部71aと第2延在部72aとは、非平行に配置されるように、交差している。そのため、第1延在部71aと第2延在部72aが為す角度に応じて、露出部52aBの延在方向の長さを延長することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
露出部52aCの第1端52a1は、コア2の第6面2fの外縁部において、Y軸方向の略中心部に位置している。露出部52aCの第2端52a2と、屈曲部60aとは、Y軸方向に関して、反対側に位置している。ただし、第1端51a1および第2端52a2の位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。たとえば、第1端52a1は、第6面2fのY軸方向の一方側に位置していてもよい。また、第2端52a2は、第6面2fのY軸方向の略中心部に位置していてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
露出部52bCの第1端52b1は、コア2の第6面2fの外縁部において、Y軸方向の略中心部に位置している。露出部52bCの第2端52b2と、屈曲部60bとは、Y軸方向に関して、反対側に位置している。ただし、第1端51b1および第2端52b2の位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。たとえば、第1端52b1は、第6面2fのY軸方向の一方側に位置していてもよい。また、第2端52b2は、第6面2fのY軸方向の略中心部に位置していてもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、露出部52aCは複数の屈曲部60aおよび61aを有し、露出部52bCは複数の屈曲部60bおよび61bを有する。そのため、屈曲部の数に応じて、露出部52aCおよび52bCの延在方向の長さを延長することができる。なお、露出部52aCにおいて、屈曲部の数は2個に限定されず、3個以上であってもよい。露出部52bCについても同様である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
露出部52aDにおいて、第1延在部71aと第2延在部72aとは、コア2の第6面2fのX軸方向に沿って延在している。第2延在部72aの延在方向(X軸方向)の長さは、第1延在部71aの延在方向(X軸方向)の長さよりも小さくなっている。第1延在部71bおよび第2延在部72bについても同様である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
1,1A~1E…コイル装置
2…コア
3…コイル
30…巻回部
4a,4b…電極
5a,5b…引出部
50a,50b…端子部
51a,51b…埋設部
52a,52b…露出部
52a1,52b1…第1端
52a2,52b2…第2端
53a,53b…接続部
60a,60b,61a,61b…屈曲部
71a,71b…第1延在部
72a,72b…第2延在部
73a,73b…第3延在部
8a,8b…絶縁被膜
80a,80b…肉厚部
410…第1成形体
410a…支持部
410b…巻芯部
410c…切欠部
420…第2成形体
430…圧縮体