(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018183
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】表示システム、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20230201BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20230201BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20230201BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06 302
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122086
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】松田 耕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 礼彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 淳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049AA13
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】工程表をより有用化することが可能となる表示システム及び表示プログラムを提供する事を目的とする。
【解決手段】工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示する情報処理システム100であって、工程表を示す情報である工程特定情報が格納されている第1格納手段と、第1格納手段に格納されている工程特定情報に基づいて、付加情報を特定するための付加情報特定用情報が格納されている第2格納手段と、第1格納手段の工程特定情報と、第2格納手段の付加情報特定用情報とに基づいて、付加情報を特定する特定部231と、特定部231が特定した付加情報を、工程表に関連付けて表示する管理部232と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示する表示システムであって、
前記各工程を示す情報である工程特定情報が格納されている第1格納手段と、
前記第1格納手段に格納されている前記工程特定情報に基づいて、前記付加情報を特定するための付加情報特定用情報が格納されている第2格納手段と、
前記第1格納手段の前記工程特定情報と、前記第2格納手段の前記付加情報特定用情報とに基づいて、前記付加情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記付加情報を、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する管理手段と、
を備える表示システム。
【請求項2】
前記特定手段は、前記工事の基準に関する基準付加情報と、前記工事の実績に関する実績付加情報とを、前記工程表の前記各工程について、前記付加情報として特定する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記特定手段は、前記工程特定情報にて特定可能な情報である特定可能情報を特定し、この後に、当該特定可能情報に基づいて、前記付加情報を特定する、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記特定手段は、少なくとも、前記工事における職種を示す情報を、前記特定可能情報として特定する、
請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第2格納手段には、
前記工事の積算に関する積算関連情報、前記工事についての契約に関する契約関連情報、又は、前記工事に関する作業の日毎の報告である日報に関する日報関連情報が、前記付加情報特定用情報として格納されている、
請求項1から4の何れか一項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記管理手段は、各工程の作業に関する品質記録又は安全記録に関する情報を、前記付加情報に加えて、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する、
請求項1から5の何れか一項に記載の表示システム。
【請求項7】
工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示する表示プログラムであって、
コンピュータを、
前記各工程を示す情報である工程特定情報が格納されている第1格納手段と、
前記第1格納手段に格納されている前記工程特定情報に基づいて、前記付加情報を特定するための付加情報特定用情報が格納されている第2格納手段と、
前記第1格納手段の前記工程特定情報と、前記第2格納手段の前記付加情報特定用情報とに基づいて、前記付加情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記付加情報を、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する管理手段と、
として機能させる表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事の工程を示す工程表を表示する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工程表を有効活用するための技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、工程表をより有用化することが可能となる表示システム及び表示プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の表示システムは、工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示する表示システムであって、前記各工程を示す情報である工程特定情報が格納されている第1格納手段と、前記第1格納手段に格納されている前記工程特定情報に基づいて、前記付加情報を特定するための付加情報特定用情報が格納されている第2格納手段と、前記第1格納手段の前記工程特定情報と、前記第2格納手段の前記付加情報特定用情報とに基づいて、前記付加情報を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記付加情報を、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する管理手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の表示システムは、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、前記工事の基準に関する基準付加情報と、前記工事の実績に関する実績付加情報とを、前記工程表の前記各工程について、前記付加情報として特定する。
【0008】
請求項3に記載の表示システムは、請求項1又は2に記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、前記工程特定情報にて特定可能な情報である特定可能情報を特定し、この後に、当該特定可能情報に基づいて、前記付加情報を特定する。
【0009】
請求項4に記載の表示システムは、請求項3に記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、少なくとも、前記工事における職種を示す情報を、前記特定可能情報として特定する。
【0010】
請求項5に記載の表示システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の表示システムにおいて、前記第2格納手段には、前記工事の積算に関する積算関連情報、前記工事についての契約に関する契約関連情報、又は、前記工事に関する作業の日毎の報告である日報に関する日報関連情報が、前記付加情報特定用情報として格納されている。
【0011】
請求項6に記載の表示システムは、請求項1から5の何れか一項に記載の表示システムにおいて、前記管理手段は、各工程の作業に関する品質記録又は安全記録に関する情報を、前記付加情報に加えて、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する。
【0012】
請求項7に記載の管理プログラムは、工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示する表示プログラムであって、コンピュータを、前記各工程を示す情報である工程特定情報が格納されている第1格納手段と、前記第1格納手段に格納されている前記工程特定情報に基づいて、前記付加情報を特定するための付加情報特定用情報が格納されている第2格納手段と、前記第1格納手段の前記工程特定情報と、前記第2格納手段の前記付加情報特定用情報とに基づいて、前記付加情報を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記付加情報を、前記工程表の前記各工程に関連付けて表示する管理手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の表示システム、及び請求項7に記載の表示プログラムによれば、付加情報を工程表の各工程に関連付けて表示することにより、例えば、工程表において付加情報を確認することができるので、工程表を有効活用することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の表示システムによれば、工事の基準に関する基準付加情報と、工事の実績に関する実績付加情報と特定することにより、例えば、工事の基準と実績とを比較検討することができ、比較検討の結果を次回以降の工事に生かすことが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の表示システムによれば、特定可能情報を特定し、この後に、当該特定可能情報に基づいて付加情報を特定することにより、例えば、付加情報を適切に特定することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の表示システムによれば、工事における職種を示す情報を特定可能情報として特定することにより、例えば、職種を考慮して付加情報を適切に特定することが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の表示システムによれば、積算関連情報、契約関連情報、又は日報関連情報が付加情報特定用情報として格納されていることにより、例えば、これらの情報を用いて付加情報を適切に特定することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の表示システムによれば、工程の作業に関する品質記録又は安全記録に関する情報を工程表の各工程に関連付けて表示することにより、例えば、工程表において品質記録又は安全記録に関する情報を確認することができるので、工程表を有効活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【
図10】原価情報格納処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る表示システム、及び表示プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、表示システム及び表示プログラムに関する。本発明に係る表示システムは、工事の工程表における各工程に対して付加情報を関連付けて表示するシステムである。
【0022】
「工程」とは、建物建設の工事を複数の段階に分業する場合の当該段階を示す概念である。「工程表」とは、時間(日付を含む)を基準にして、工事の各工程を示す図を含む概念である。
【0023】
「付加情報」とは、各工程に対して付加される各工程に関する情報であり、例えば、基準付加情報、及び実績付加情報を含む概念であり、一例としては、数量情報、工数情報、及び原価情報等を含む概念である。
【0024】
「基準付加情報」とは、工事の基準に関する付加情報であり、例えば、工程表の各工程に関する情報であり、一例としては、工事での予定となる情報、工事での標準となる情報、及び工事での目標となる情報等を含む概念である。
【0025】
「実績付加情報」とは、工事の実績に関する付加情報であり、例えば、工事の実績となる情報等を含む概念である。
【0026】
「数量情報」とは、工事の工程で行われる作業量を示す情報であり、例えば、作業の対象となる資機材の数量(一例としては、作業で用いられる鉄筋の量等)を示す情報である。「工数情報」とは、工事の工程で行われる作業の工数を示す情報である。「原価情報」とは、工事の工程で行われる作業の原価(例えば、作業料金の原価、資機材の原価、又は資機材及び作業料金の原価等)を示す情報である。
【0027】
そして、以下の実施の形態においては、建築物の工事での予定となる数量情報、工数情報、及び原価情報と、当該工事での実績となる工数情報とを「付加情報」として用いる場合について例示して説明する。
【0028】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0029】
(構成)
まず、
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。情報処理システム100は、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備え、これらの各装置が相互に通信可能となっている。なお、情報処理システム100においては、各種ユーザ(例えば、元請会社の職員、下請会社の職長等)に携帯される複数の端末装置1が含まれている。
【0030】
「元請会社」とは、発注者(すなわち、施主)から直接仕事を請け負う会社を示す概念であり、また、「下請会社」とは、元請会社から仕事を請け負う会社を示す概念である。なお、以下では、「下請会社」を適宜「協力会社」とも称して説明する。
【0031】
(構成‐端末装置)
図1の端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンであり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0032】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。記録部14は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0033】
(構成‐サーバ装置)
サーバ装置2は、前述の表示システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0034】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0035】
(構成‐サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、工程特定情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)(第1格納手段)、工程表付加情報DB222、工程名職種関連情報DB223(第2格納手段)、積算関連情報DB224(第2格納手段)、契約関連情報DB225(第2格納手段)、及び日報関連情報DB226(第2格納手段)を備える。
【0036】
(構成‐サーバ装置-記録部-工程特定情報DB)
図1の工程特定情報DB221は、工程特定情報を格納する格納手段である。
【0037】
図2は、工程特定情報を例示した図であり、
図3は、工程表を例示した図である。なお、本実施の形態では、
図3の工程表に関して処理する場合を例示して説明する。「工程特定情報」は、工程表を示す情報であり、具体的には、工事の各工程を示す工程表における当該各工程を示す情報であり、例えば、
図3に示す工程表の各工程を表示するために必要な情報等を含む概念であり、また、
図2に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。なお、工程特定情報については、工程表が既に保有して情報という観点から、「既保有情報」と称してもよい。
【0038】
図2の工程IDは、工程を一意に識別する識別情報(以下、識別情報を「ID」とも称する)である。
図2の工程名情報は、工程の名称を示す情報であり、例えば、工程で行われる作業名又は作業の対象となる部位名を含む情報を用いてもよい。
図2の開始終了日情報は、工程の開始日及び終了日を示す情報である。
図2の他工程関係情報は、他の工程との関係を示す情報であり、例えば、前の工程及び後の工程等を示す情報である。
図2の階数情報は、工程で行われる作業の対象となる階数を示す情報である。
図2の工区情報は、工程で行われる作業の対象となる工区を示す情報である。
【0039】
そして、
図2では、例えば、「ID001」が識別する工程の名称が「梁配筋」であることが示されており、また、当該工程の開始日及び終了日が「4月2日」及び「4月4日」であることが示されており、また、当該工程の前の工程及び後の工程が「型枠」及び「止枠・段差枠」であることが示されており、また、当該工程で行われる作業の対象となる階数及び工区が「2階」及び「A工区」であることが示されている。
【0040】
なお、このような工程特定情報については、例えば、工程表を管理するための工程表管理システム(不図示)からの情報、あるいは、工程表を管理する管理者によって入力される情報等に基づいて格納される。
【0041】
(構成‐サーバ装置-記録部-工程表付加情報DB)
図1の工程表付加情報DB222は、工程表付加情報を格納する格納手段である。
【0042】
図4は、工程表付加情報を例示した図である。「工程表付加情報」とは、各工程の付加情報を示す情報であり、例えば、
図4に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0043】
図4の工程IDは、
図2の同一名称の情報と同じである。
図4の数量情報は、工事の工程で行われる作業量を示す情報であり、具体的には、工事の工程で行われる作業で用いられる資機材の数量を示す情報であり、例えば、工事での予定となる数量を示す基準付加情報である。
図4の工数情報は、工事の工程で行われる作業の工数を示す情報であり、例えば、工事での予定となる工数を示す基準付加情報、及び工事での実績となる工数を示す実績付加情報である。
図4の原価情報は、工事の工程で行われる作業の原価を示す情報であり、例えば、工事での予定となる作業料金の原価を示す基準付加情報である。
【0044】
なお、本実施の形態では、工数情報のみ予定及び実績に関する情報を含む例が示されているが、他の情報について予定及び実績に関する情報を含むように構成してもよい。
【0045】
そして、
図4では、例えば、「ID001」が識別する工程に付加される数量情報の基準付加情報が「10トン」であることが示されており、また、当該工程に付加される工数情報の基準付加情報が「7.5人日」であり実績付加情報が「8人日」であることが示されており、また、当該工程に付加される原価情報の基準付加情報が「400,000円」であることが示されている。
【0046】
なお、このような工程表付加情報については、例えば、後述する工程表表示処理を実行することにより格納される。
【0047】
(構成‐サーバ装置-記録部-工程名職種関連情報DB)
図1の工程名職種関連情報DB223は、工程名職種関連情報を格納する格納手段である。「工程名職種関連情報」とは、工程名に基づいて職種を特定するための情報である。「職種」とは、工事に関する作業を基準とした種類を示す概念であり、すなわち、作業の種類を示す概念であり、「工種」と称することもできる。
【0048】
「工程名職種関連情報」については、例えば、工程で行われる作業名と職種の名称とが相互に関連付けられており、例えば、「工程で行われる作業名」=「配筋」と「職種」=「鉄筋工」が相互に関連付けられた情報等を含む。なお、このような工程名職種関連情報については、例えば、管理者によって入力された情報に基づいて格納される。
【0049】
(構成‐サーバ装置-記録部-積算関連情報DB)
図1の積算関連情報DB224は、積算関連情報を格納する積算関連情報格納手段である。「積算関連情報」とは、工程特定情報(又は任意で特定可能情報)から付加情報を特定するために用いられる付加情報特定用情報である。「積算関連情報」とは、例えば、工事で用いられる積算書で特定可能な情報、積算に関する情報を特定する任意の機能(一例としては、BIM(Building Information Modeling)システムに実装された積算機能等)で特定可能な情報、又は、見積書や契約書に縮約された積算の情報等を含む概念であるが、本実施の形態では、積算書で特定可能な情報であるものとして説明する。「積算関連情報」は、例えば、「職種」=「鉄筋工」における資機材である「鉄筋」について、予定の利用場所(すなわち、階、工区、部位)、及び予定の利用数量を示す情報、及び他の職種の資機材に関する情報等を含む。
【0050】
なお、このような積算関連情報については、管理者によって入力された情報、又は、他のデータベースから取得した情報等に基づいて格納される(後述する契約関連情報、及び日報関連情報も同様とする)。
【0051】
また、「特定可能情報」とは、工程特定情報(つまり、既保有情報)に基づいて特定可能な情報であり、例えば、職種、協力会社、及び部位を示す情報等を含む。
【0052】
(構成‐サーバ装置-記録部-契約関連情報DB)
図1の契約関連情報DB225は、契約関連情報を格納する契約関連情報格納手段である。「契約関連情報」とは、工程特定情報(又は任意で特定可能情報)から付加情報を特定するために用いられる付加情報特定用情報である。「契約関連情報」は、例えば、工事に関する施主及び元請会社相互間の契約書、又は、工事に関する元請会社及び複数の協力会社相互間の契約書に記載される情報に対応する情報を含む概念であるが、本実施の形態では、後者である場合について説明する。「契約関連情報」は、例えば、協力会社名、職種、各作業場所(すなわち、階、工区)、契約された歩掛(以下、「契約歩掛」とも称する)、契約された作業の総数量(つまり、総作業量であり、すなわち、作業の対象となる資機材の総数量)(以下、「契約総数量」とも称する)、及び契約された作業費用の総金額(以下、「契約総金額」とも称する)を示す情報等を含む。なお、作業場所を示す情報には、階及び工区に加えて、部位を示す情報も含まれていることとしてもよい。
【0053】
(構成‐サーバ装置-記録部-日報関連情報DB)
図1の日報関連情報DB226は、日報関連情報を格納する日報関連情報格納手段である。「日報関連情報」とは、工程特定情報(又は任意で特定可能情報)から付加情報を特定するために用いられる付加情報特定用情報である。「日報関連情報」は、例えば、工事についての協力会社による作業結果を示す日報に記載されている情報に対応する情報を含む概念である。「日報情報」は、例えば、日付、協力会社名、職種、各作業場所(すなわち、階、工区、部位)、作業人数、及び作業時間等を示す情報を含む。
【0054】
(構成‐サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、特定部231、及び管理部232を備える。特定部231は、第1格納手段の工程特定情報と、第2格納手段の付加情報特定用情報とに基づいて、付加情報を特定する特定手段である。管理部232は、特定手段が特定した付加情報を、工程表の各工程に関連付けて表示する管理手段である。なお、この制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0055】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行される工程表表示処理について説明する。
図5は、工程表表示処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。工程表表示処理は、工程表及び付加情報等を表示するための処理であり、例えば、サーバ装置2によって実行される処理である。
【0056】
この工程表表示処理は、例えば、ユーザが自己の端末装置1を介して、情報を表示するための操作を行った場合に、実行を開始することとし、当該処理が開始されたところから説明する。なお、
図5のSA1~SA3については、
図2の工程特定情報で特定される各工程に関して処理を繰り返し実行することになるが、「ID001」の工程に関する処理を代表して説明する。つまり、「ID001」の工程が処理対象である場合について説明する。
【0057】
===SA1===
図5のSA1においてサーバ装置2の特定部231は、数量情報格納処理を実行する。
図6は、数量情報格納処理のフローチャートであり、
図7は、数量の特定例を示す図である。「数量情報格納処理」とは、数量情報を格納するための処理である。
【0058】
=SB1=
図6のSB1においてサーバ装置2の特定部231は、概略的には、工程特定情報及び工程名職種関連情報に基づいて、処理対象の工程に対応する職種を特定する。例えば、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「梁配筋」を取得し、当該「梁配筋」に基づいて処理対象の工程で行われる作業名として「配筋」を特定し、
図1の工程名職種関連情報DB223に格納されて工程名職種関連情報を参照して、「配筋」に関連付けられている職種として「鉄筋工」を特定する。
【0059】
なお、職種の特定手法としては、他の任意の手法を用いてもよく、例えば、工程名情報を入力した場合に当該入力された工程名情報に対応する職種を示す情報を出力するためのアルゴリズムを生成し、当該生成したアルゴリズムに基づいて特定してもよい。なお、このアルゴリズムについては、機械学習の技術を用いて生成してもよい。
【0060】
=SB2=
図6のSB2においてサーバ装置2の特定部231は、概略的には、工程特定情報、SB1で特定した職種の情報、及び積算関連情報に基づいて、数量を特定する。例えば、
図2の「ID001」に関連付けられている「梁配筋」を取得し、当該「梁配筋」に基づいて作業の対象となる部位として「梁」を特定する。次に、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「2階」及び「A工区」を特定する。次に、
図1の積算関連情報DB224の積算関連情報を参照して、SB1で特定した職種である「鉄筋工」、前述の特定した「梁」、「2階」、及び「A工区」に関連付けられている利用数量を示す情報として、例えば資機材である「鉄筋」の予定の数量である「10(トン)」を特定する。
【0061】
=SB3=
図6のSB3においてサーバ装置2の特定部231は、数量情報を格納する。例えば、
図4の工程表付加情報において、工程IDとして処理対象の工程を示す「ID001」を格納し、また、数量情報としてSB2で特定した予定の数量である「10(トン)」に基づいて「予定:10トン」を格納する。これにて、数量情報格納処理をリターンする。
【0062】
===SA2===
図5のSA2においてサーバ装置2の特定部231は、工数情報格納処理を実行する。
図8は、工数情報格納処理のフローチャートであり、
図9は、工数の特定例を示す図である。なお、
図9(a)は、予定の工数の特定例が示されており、
図9(b)は、実績の工数の特定例が示されている。「工数情報格納処理」とは、工数情報を格納するための処理である。
【0063】
=SC1=
図8のSC1においてサーバ装置2の特定部231は、
図6のSB1と同様な処理を行って、職種を特定する。例えば、「鉄筋工」を特定する。
【0064】
=SC2=
図8のSC2においてサーバ装置2の特定部231は、予定の工数を特定する処理及び実績の工数を特定する処理を行う。
【0065】
<予定の工数を特定する処理>
予定の工数を特定する処理については、概略的には、工程特定情報、SC1で特定した職種の情報、契約関連情報、及びSB2で特定した数量に基づいて、予定の工数を特定する。
【0066】
具体的には例えば、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「2階」及び「A工区」を特定する。
【0067】
次に、「ID001」の工程で作業を担当する協力会社を特定する。なお、この特定手法は任意であり、例えば、
図2の工程特定情報において作業を担当する協力会社を示す情報が更に関連付けられていることとし、当該情報に基づいて特定してもよいし、あるいは、各工程での作業の作業場所(すなわち、階数及び工区)と、職種と、当該作業場所での作業を担当する協力会社とを示す情報が格納されていることとし、当該情報に基づいて「2階」及「A工区」に対応する作業場所での「鉄筋工」の作業を担当する協力会社を特定してもよい。例えば、「A社」を特定する。
【0068】
次に、
図1の契約関連情報DB225の契約関連情報を参照して、SC1で特定した職種である「鉄筋工」、前述の特定した「A社」、及び前述の特定した「2階」及び「A工区」に関連付けられている契約歩掛(つまり、予定の歩掛)として例えば「0.75(人日/トン)」を特定する。
【0069】
次に、当該特定した「0.75(人日/トン)」と
図6のSB2で特定した数量である「10(トン)」とに基づいて、所定の演算(具体的には、0.75(人日/トン)×10(トン))を行い、演算結果である「7.5(人日)」を予定の工数として特定する。
【0070】
<実績の工数を特定する処理>
実績の工数を特定する処理については、概略的には、工程特定情報、SC1で特定した職種の情報、及び日報関連情報に基づいて、予定の工数を特定する。
【0071】
具体的には例えば、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「梁配筋」を取得し、当該「梁配筋」に基づいて作業の対象となる部位として「梁」を特定する。次に、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「2階」及び「A工区」を特定する。
【0072】
次に、予定の工数を特定する処理の場合と同様にして、「ID001」の工程で作業を担当する協力会社を特定する。例えば、「A社」を特定する。
【0073】
次に、
図1の日報関連情報DB226の日報関連情報を参照して、SC1で特定した職種である「鉄筋工」、前述の特定した「A社」、及び前述の特定した「梁」、「2階」、及び「A工区」に関連付けられている作業人数及び作業時間を示す情報に基づいて、例えば「8人日」を実績の工数として特定する。
【0074】
=SC3=
図8のSC3においてサーバ装置2の特定部231は、工数情報を格納する。例えば、
図4の工程表付加情報において、工程IDとして処理対象の工程を示す「ID001」を格納し、また、工数情報としてSC2で特定した予定の工数である「7.5人日」及び実積の工数である「8人日」に基づいて「予定:7.5人日,実績:8人日」を格納する。これにて、工数情報格納処理をリターンする。
【0075】
===SA3===
図5のSA3においてサーバ装置2の特定部231は、原価情報格納処理を実行する。
図10は、原価情報格納処理のフローチャートであり、
図11は、原価の特定例を示す図である。「原価情報格納処理」とは、原価情報を格納するための処理である。
【0076】
=SD1=
図10のSD1においてサーバ装置2の特定部231は、
図6のSB1と同様な処理を行って、職種を特定する。例えば、「鉄筋工」を特定する。
【0077】
=SD2=
図10のSD2においてサーバ装置2の特定部231は、概略的には、工程特定情報、SD1で特定した職種の情報、契約関連情報、及びSB2で特定した数量に基づいて、予定の原価を特定する。
【0078】
具体的には例えば、
図2の工程特定情報において「ID001」に関連付けられている「2階」及び「A工区」を特定する。
【0079】
次に、
図8のSC2の場合と同様にして、「ID001」の工程で作業を担当する協力会社を特定する。例えば、「A社」を特定する。
【0080】
次に、
図1の契約関連情報DB225の契約関連情報を参照して、SD1で特定した職種である「鉄筋工」、前述の特定した「A社」に関連付けられている「契約総数量」及び「契約総金額」として、例えば「50(トン)」及び「2,000,000(円)」を特定する。
【0081】
次に、当該特定した「50(トン)」及び「2,000,000(円)」と
図6のSB2で特定した数量である「10(トン)」とに基づいて、所定の演算(具体的には、2,000,000(円)×(10(トン)/50(トン))を行い、演算結果である「400,000(円)」を予定の原価として特定する。
【0082】
=SD3=
図8のSD3においてサーバ装置2の特定部231は、原価情報を格納する。例えば、
図4の工程表付加情報において、工程IDとして処理対象の工程を示す「ID001」を格納し、また、原価情報としてSD2で特定した予定の原価である「400,000(円)」に基づいて「予定:400,000円」を格納する。これにて、原価情報をリターンする。
【0083】
そして、
図5のSA1~SA3を、
図3の各工程に関して処理を繰り返し実行することにより、各工程についての工程表付加情報を格納する。
【0084】
===SA4===
図5のSA4においてサーバ装置2の管理部232は、工程表画面を表示する。
図12は、工程表画面の表示例であり、
図13は、付加情報表示欄の表示例である。
【0085】
=工程表画面=
工程表画面とは、工程表及び付加情報等を表示するための画面であり、
図12に示すように例えば、付加情報表示欄G1を含む。なお、
図12では、「梁配筋」に関する付加情報表示欄G1のみが代表して図示されているが、実際には、他の工程の付加情報表示欄も表示されることになる。
【0086】
=処理=
サーバ装置2の管理部232は、
図2の工程表示特定情報及び
図4の工程表付加情報に基づいて、
図12の工程表画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、当該工程表画面をディスプレイ13に表示する。
【0087】
例えば、
図2の工程表示特定情報に基づいて、
図3の工程表を含む
図12の工程表画面を表示するための画面情報を生成する。また、例えば、
図4の工程表付加情報を参照して、数量情報、工数情報、及び原価情報を取得し、
図2の工程特定情報を参照して、当該取得した各情報に関連付けられている工程IDと同じ工程IDの工程を特定し、特定した工程に対して前述の取得した数量情報、工数情報、及び原価情報に対応する情報を表示する付加情報表示欄G1を含む
図12の工程表画面を表示するための画面情報を生成する。
【0088】
付加情報表示欄G1については例えば、
図4の「予定:10トン」、「予定:7.5人日,実績:8人日」、及び「予定:400,000円」が「ID001」に関連付けられているので、
図2の「梁配筋」に対応する工程を特定し、
図12に示すように、当該「梁配筋」についての付加情報表示欄G1を含む画面情報を生成する。
【0089】
詳細には例えば、
図13(a)に示すように、予定の付加情報(「予定:10トン」に対応する「10トン」、「予定:7.5人日」に対応する「7.5人日」、及び「予定:400,000円」に対応する「400,000円」)を表示する付加情報表示欄G1を含む画面情報を生成してもよい。
【0090】
又は例えば、
図13(b)に示すように、予定の付加情報(「予定:10トン」に対応する「10トン」、「予定:7.5人日」に対応する「7.5人日」、及び「予定:400,000円」に対応する「400,000円」)、実績の付加情報(「実績:8人日」に対応する「8人日」)、予定の付加情報であることを示す「(予)」、及び実績の付加情報であることを示す「(実)」を表示する付加情報表示欄G1を含む画面情報を生成してもよい。
【0091】
なお、
図6のSB1等で特定した職種を示す情報を記録部22に記録しておき、
図13(a)及び(b)に示すように、職種を示す情報(
図13では「鉄筋工」)も表示するように、付加情報表示欄G1を含む画面情報を生成してもよい。
【0092】
そして、全ての工程に関して上述の処理を行うことにより、工程表画面において、各工程についての付加情報が表示されることになる。これにて、工程表表示処理を終了する。
【0093】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、付加情報を工程表の各工程に関連付けて表示することにより、例えば、工程表において付加情報を確認することができるので、工程表を有効活用することが可能となる。
【0094】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0095】
(付加情報について(その1))
また、上記実施においては、工数情報として、基準付加情報及び実績付加情報を用い、また、数量情報及び原価情報として、基準付加情報を用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、工数情報として、基準付加情報又は実績付加情報の内の一方を用い、また、数量情報及び原価情報として、実績付加情報のみ、又は基準付加情報及び実績付加情報の両方を用いるように構成してもよい。
【0096】
(付加情報について(その2))
また、上記実施の形態においては、工事に関する元請会社及び複数の協力会社相互間の契約書に記載される情報に対応する情報に基づいて、予定の工数情報を特定し、協力会社による作業結果を示す日報に記載されている情報に対応する情報に基づいて、実績の工数情報を特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、工事に関する施主及び元請会社相互間の契約書に対応する情報に基づいて、予定の工数情報を特定し、工事に関する元請会社及び複数の協力会社相互間の契約書に記載される情報に対応する情報に基づいて、実績の工数情報を特定するように構成してもよい。
【0097】
(他の情報について(その1))
また、上記実施の形態において、
図13の付加情報表示欄G1に対して、他の情報を追加で表示するように構成してもよい。
図14は、付加情報表示欄の表示例である。例えば、
図14に示す品質記録画像G11及び安全記録画像G12を表示するように構成してもよい。
【0098】
「品質記録画像」G11とは、各工程の作業に関する品質記録に関する情報であり、具体的には、各工程に関連付けられて表示される情報であり、例えば、サーバ装置2の記録部22に記録されている情報(例えば、各工程の作業に関する品質検査の結果を示す品質情報)にリンクされている画像情報である。
【0099】
「安全記録画像」G12とは、各工程の作業に関する安全画像に関する情報であり、具体的には、各工程に関連付けられて表示される情報であり、例えば、サーバ装置2の記録部22に記録されている情報(例えば、各工程の作業に関する安全検査の結果を示す安全情報)にリンクされている画像情報である。
【0100】
そして、サーバ装置2の管理部232は、これらの記録部22に記録されている情報に基づいて、任意の技術(例えば、マウスオーバーに対応する技術等)を用いて、品質記録画像G11がタップされた場合に、「梁配筋」の作業に関する品質情報が表示され、また、安全記録画像G12がタップされた場合に、「梁配筋」の作業に関する安全情報が表示されるように、工程表画面を表示してもよい。
【0101】
又は、例えば、品質情報及び安全情報を所定のファイル形式(例えば、PDFファイルの形式等)でサーバ装置2の記録部22に記録しておき、サーバ装置2の管理部232は、品質記録画像G11がタップされた場合に、「梁配筋」の作業に関する品質情報のPDFファイルが表示され、また、安全記録画像G12がタップされた場合に、「梁配筋」の作業に関する安全情報のPDFファイルが表示されるように構成してもよい。
【0102】
(他の情報について(その2))
また、「(他の情報について(その1))」では、
図14に示すように、品質記録画像G11及び安全記録画像G12の両方を表示する場合について説明したが、これに限らず、一方のみを表示するように構成してもよい。
【0103】
(各付加情報について)
また、基準付加情報及び実績付加情報を蓄積し、各情報を相互に比較して任意の形式(例えば、グラフ形式、又は表形式等)で表示するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 情報処理システム
221 工程特定情報DB
222 工程表付加情報DB
223 工程名職種関連情報DB
224 積算関連情報DB
225 契約関連情報DB
226 日報関連情報DB
231 特定部
232 管理部
G1 付加情報表示欄
G11 品質記録画像
G12 安全記録画像