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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181851
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/04 20060101AFI20231218BHJP
   H02K 11/20 20160101ALI20231218BHJP
【FI】
H02K9/04 A
H02K11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095215
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】芝本 勇希
(72)【発明者】
【氏名】川島 琢也
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 勧也
【テーマコード(参考)】
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
5H609BB01
5H609BB18
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609QQ02
5H609QQ12
5H609RR02
5H609RR12
5H609RR13
5H609RR27
5H609RR42
5H609RR71
5H611AA01
5H611BB04
5H611QQ01
(57)【要約】
【課題】
回転電機において、効率良く回転電機の冷却を行う。
【解決手段】
固定子6と、回転軸10に接続された回転子5と、前記固定子および前記回転子を囲むハウジング7と、前記ハウジングと接続する反負荷側エンドブラケット3と、反負荷側エンドブラケット側から冷却風を送風するファン1と、を備え、前記反負荷側エンドブラケット3は、冷却風を前記ハウジングの内部に通過させる第1貫通孔100と、前記第1貫通孔と前記反負荷側エンドブラケットの外周との間に頂点を有し、前記頂点から前記第1貫通孔にかけて負荷方向に傾斜する第1テーパ部3Aと、前記頂点から前記反負荷側エンドブラケットの外周にかけて負荷方向に傾斜する第2テーパ部3Bと、を有する、回転電機。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、回転軸に接続された回転子と、前記固定子および前記回転子を囲むハウジングと、前記ハウジングと接続する反負荷側エンドブラケットと、反負荷側エンドブラケット側から冷却風を送風するファンと、を備え、
前記反負荷側エンドブラケットは、冷却風を前記ハウジングの内部に通過させる第1貫通孔と、前記第1貫通孔と前記反負荷側エンドブラケットの外周との間に頂点を有し、前記頂点から前記第1貫通孔にかけて負荷方向に傾斜する第1テーパ部と、前記頂点から前記反負荷側エンドブラケットの外周にかけて負荷方向に傾斜する第2テーパ部と、を有する、回転電機。
【請求項2】
前記第1テーパ部には、前記第1テーパ部への冷却風を前記第1貫通孔へ導く複数のフィンを有する、請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
前記第2テーパ部には、前記反負荷側エンドブラケットの外周に冷却風を導く複数のフィンを有する、請求項2記載の回転電機。
【請求項4】
前記第1テーパ部のフィンと前記第2テーパ部のフィンとは、前記回転軸から前記反負荷側エンドブラケットの外周方向に接続している、請求項3記載の回転電機。
【請求項5】
前記反負荷側エンドブラケットは前記第1貫通孔を複数有し、
複数の前記第1貫通孔は、回転軸方向に見た平面視で、前記回転軸を中心に円周上に配置されており、
隣り合う前記第1テーパ部のフィンは、前記頂点から隣り合う前記第1貫通孔のそれぞれの端部にかけて伸びている、請求項2記載の回転電機。
【請求項6】
前記反負荷側エンドブラケットは、前記回転軸と前記第1貫通孔との間に位置する第3テーパ部を有し、前記第3テーパ部は、前記回転軸から前記第1貫通孔にかけて負荷方向に傾斜している、請求項1記載の回転電機。
【請求項7】
前記第3テーパ部には、前記第3テーパ部への前記冷却風を前記第1貫通孔へ導く複数のフィンを有する、請求項6記載の回転電機。
【請求項8】
前記ハウジングと接続する負荷側エンドブラケットを備え、
前記負荷側エンドブラケットは、前記第1貫通孔を通じてハウジング内に送風された冷却風を放出する第2貫通孔を有する、請求項1記載の回転電機。
【請求項9】
前記第2貫通孔は、冷却風が上昇する方向に設けられている、請求項8記載の回転電機。
【請求項10】
前記第2貫通孔は、回転軸方向に設けられている、請求項8記載の回転電機。
【請求項11】
前記ファンは、回転軸方向に沿った断面視で、前記回転軸から前記反負荷側エンドブラケットの外周に向かう方向において前記頂点の内側に位置している、請求項1記載の回転電機。
【請求項12】
前記ファンは、他励ファンである、請求項1記載の回転電機。
【請求項13】
前記ファンは、前記回転軸と接続された自励ファンである、請求項1記載の回転電機。
【請求項14】
回転電機は、サーボモータであり、
前記反負荷側エンドブラケットの内部にエンコーダを内蔵する、請求項1記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機(モータ)や発電機などの回転電機は、大出力化や大トルク化を実現しようとする場合、その体格は一般的に大型化する傾向にある。回転電機の大型化に伴い、回転電機の組み込まれる機械側装置においても大型化が必要になるため、装置の設置スペースの制約や高コスト化などの課題が生じる。
【0003】
回転電機においては、駆動状態で負荷印加により発生する銅損や鉄損などの損失を起因として、回転電機内部で熱が発生し、更にその熱が熱伝導により、ハウジング表面に放熱される。回転電機内部より発生する熱を抑制することにより、同一出力での小型化が可能となり、低コスト化が図れる。また、同一体格とした場合は、高出力化や大トルク化が可能となる。永久磁石型回転電機においては、永久磁石の温度上昇が抑制され、永久磁石の永久減磁に対する耐量が拡大するため、永久磁石の薄型化が可能となり、更なる低コスト化が図れる。
【0004】
回転電機内部の温度上昇抑制のために、冷却ファンがしばしば採用される。冷却ファンを用いた冷却構造の一例として、特許文献1がある。特許文献1には、反負荷側エンドブラケットの中央下位置に冷却ファンを設けることで、回転電機内部に冷却風を通風させ、温度上昇を抑制させる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-187792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、冷却ファンからの冷却風を回転電機内部に通風し、回転電機の熱を抑制する技術が開示されている。冷却ファンは、エンドブラケット内部の傾斜部に配置されている。しかし、回転電機内部で発生した熱は熱伝導により、ハウジング表面から放熱されるが、冷却ファンからの冷却風を回転電機内部にしか通風しないため、効率良くモータ本体を冷却することができなかった。
【0007】
本発明は、より効率良く回転電機の冷却を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するための、代表的な本発明の「回転電機」を挙げるならば、固定子と、回転軸に接続された回転子と、前記固定子および前記回転子を囲むハウジングと、前記ハウジングと接続する反負荷側エンドブラケットと、反負荷側エンドブラケット側から冷却風を送風するファンと、を備え、前記反負荷側エンドブラケットは、冷却風を前記ハウジングの内部に通過させる第1貫通孔と、前記第1貫通孔と前記反負荷側エンドブラケットの外周との間に頂点を有し、前記頂点から前記第1貫通孔にかけて前記負荷方向に傾斜する第1テーパ部と、前記頂点から前記反負荷側エンドブラケットの外周にかけて負荷方向に傾斜する第2テーパ部と、を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率よく回転電機の冷却を行うことができる。
【0010】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1のモータの全体構成を示す斜視図である。
図2図1のA―A‘におけるモータの断面図である。
図3】反負荷側エンドブラケットの表面図である。
図4図3のB―B‘における反負荷側エンドブラケットの断面図である。
図5図3の反負荷側エンドブラケットの冷却風の流れを示す図である。
図6図2のモータの冷却風の流れを示す図である。
図7】自励式ファンを用いたモータの構成を示す断面図である。
図8図3の反負荷側エンドブラケットの中央部にフィンを追加した実施例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本回転電機の実施例を説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし主旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
なお、実施例を説明するための各図において、同一の構成要素にはなるべく同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
【実施例0013】
本発明を適用した実施例1の回転電機を、図1及び図2に示す。図1は本実施例に係るモータの全体構成を示す斜視図、図2図1のA―A‘におけるモータの断面図である。
【0014】
本実施形態における回転電機は、ステータ(固定子)6とロータ(回転子)5と回転軸(シャフト)10と、を備え、これらがハウジング7とエンドブラケット3,8とによって形成される空間内に収納されており、その外側にファンカバー2とファン1が取り付けられている。ここでステータ6はハウジング7に焼嵌めされており、圧入であってもよい。これ以降、回転軸をシャフト10と呼称する。
【0015】
ロータ5とシャフト10はステータ6の内側に配置される。シャフト10とロータ5は焼嵌めにより連結しており、さらに軸の両端付近には、軸受4,9が焼嵌めされていても良い。また、ハウジングの負荷側、反負荷側にはエンドブラケット3,8が配置される。エンドブラケット3,8は軸受けホルダーの役目を果たす。反負荷側エンドブラケット3からハウジング7の端付近まで被さるようにファンカバー2があり、その外側に他励ファン1があり、軸上に配置されている。
【0016】
ロータ5はシャフト10に固定され、磁性材が積層された円筒形状のロータ鉄心、ロータ鉄心の軸方向端部に配置された当て板、ロータ鉄心の内部に埋め込まれた永久磁石を主構成部として備えている。ロータ鉄心に焼嵌めされたシャフト10は、軸受4,9を介してエンドブラケット3,8に保持され、ステータ6内において、ロータ5が回転自在に支持されている。
【0017】
永久磁石はロータコア内部に円周方向上に磁極が交互になるように並んでおり、本実施例では8極対を構成する。永久磁石の材料は、フェライト系、ネオジム系、サマリウムコバルト系などのいずれでもよい。永久磁石は径方向や周方向に複数に分割されてもよい。
【0018】
図3は、反負荷側から見た、反負荷側エンドブラケット3の表面図を示す。また、図4は、図3のB-B‘断面における反負荷側エンドブラケット3の断面図を示す。ハウジング7の反負荷側には、反負荷側エンドブラケット3が取り付けられており、反負荷側エンドブラケット3の外表面には、ファン1側が頂点となるように、傾斜面を形成するテーパが2段階に設けられる。即ち、エンドブラケット3の外表面はカルデラ構造(断面、「く」の字状)を有する。これ以降、反負荷側エンドブラケット3の第1テーパ部をテーパ3A、第1テーパ部の外側の第2テーパ部をテーパ3B、第1テーパ部の内側の第3テーパ部をテーパ3Cと呼称する。また、第1テーパ部のフィンをフィン3a、第2テーパ部のフィンをフィン3bと呼称する。
【0019】
シャフト1の軸心とエンドブラケット3のテーパ3Aとの間には、シャフト1の軸心を中心に周方向に連続な貫通孔100が設けられている。貫通孔100はテーパがかかっていても良い。例えば、反負荷側から、負荷側に向けて、孔径が小さくなるようにテーパをかけることで、反負荷側エンドブラケットのベアリング設置位置の厚みを残し、強度を持たせることができる。また、軸方向に同一の貫通径にすることにより、冷却風が入る吸入口を大きくとれる。これにより、通風抵抗を低減させることができ、冷却風をより効率的に内部に送風することができる。貫通孔100の形状は、より孔の表面積を大きくするほど、冷却効率が良くなるため、角孔であってもよく、長孔に限定されるものではなく、また、テーパをかけなくてもよい。ファン1からの冷却風はエンドブラケット3の外表面にぶつかり、2分割される。一方は、内側のテーパ3Aを伝い、貫通孔100に流れこみ、ハウジング7内部に流れやすくなる。もう一方は、外側のテーパ3Bを伝い、ハウジング7外周に流れやすくなっている。また、本実施例はエンドブラケット3にアルミ材を採用しているが、鉄やステンレス材でもよい。
【0020】
反負荷側エンドブラケットの形状をまとめると、反負荷側エンドブラケット3は、回転軸(シャフト)1とエンドブラケットの外周との間に、冷却風をハウジングの内部に通過させる貫通孔100を有し、貫通孔100と反負荷側エンドブラケットの外周との間に頂点を有し、頂点から貫通孔100にかけて負荷方向に傾斜する第1テーパ部と、頂点から反負荷側エンドブラケットの外周にかけて負荷方向に傾斜する第2テーパ部と、回転軸1と貫通孔100との間に位置し、回転軸から貫通孔100にかけて負荷方向に傾斜する第3テーパ部と、を有している。
【0021】
反負荷側エンドブラケット3の外表面には、エンドブラケットのテーパ3Aおよびテーパ3Bに沿って、それぞれにフィン3aおよびフィン3bが配置されている。フィン3a,3bを配置することにより、ファン1からの冷却風がぶつかる表面積が大きくなるため、冷却効果が大きくなる。なお、フィンは軸心を中心として、周方向に均一に配置されている。エンドブラケット3のテーパ3Aおよびテーパ3Bのそれぞれにフィン3a,3bを配置することにより、ファン1からの冷却風をハウジング内部とハウジング外周に送風されやすい流路が形成されるようになっている。
【0022】
次に、冷却風20の流れを図5および図6より説明する。図5および図6は、図3および図2に冷却風20の流れを追記した図である。ファン1から吐出された冷却風20は反負荷側エンドブラケット3の表面にぶつかり、2分割される。一方はそのまま外側のテーパ3Bに沿ってハウジング上部に流れ、フィン3bに案内されるように外部へと吐き出される。もう一方で、内側のテーパ3Aにぶつかった冷却風は、フィン3aに案内されるように、また、テーパ3Cにぶつかった冷却風は、そのままテーパ3Cを伝い、貫通孔100へと流入する。その後、ハウジング7の内部へと流入し、一部はステータ部6を、もう一部は、ロータ部5を軸方向に冷却風が通る。その後、それぞれの冷却風は、負荷側エンドブラケット8に設けられた貫通孔101を通って外部へと吐き出される。
【0023】
反負荷側エンドブラケット3に送風される冷却風20は旋回風である。反負荷側エンドブラケット3のテーパ3Aとテーパ3Bの頂点およびフィン3aとフィン3bの頂点は、シャフト10から見たとき、ファン1より外側にあった方が良い。旋回風は、内周側より外周側の方が、風速は速くなり、風速が早いほど、冷却効果は大きくなる。そのため、冷却風20の風速が速いまま、ハウジング7上部やモータ内部に送風することができ、冷却効果を高めることができる。
【0024】
また、フィン3aとフィン3bは連続しており、両者が同幅であれば、なお望ましい。また、フィン3aとフィン3bとの分岐点においても同様である。ハウジング内部およびハウジング外周への冷却風の抵抗となる要素(段差や壁)を無くすためである。フィン3a,3bの高さはファン1に近くなるほど、冷却流路が制限されるため、冷却風同士の干渉等による冷却風の減衰を抑制することができ、より効率的に冷却することができる。
【0025】
フィン3aのシャフト側とエンドブラケット表面の貫通孔100は接しており、間隔が狭いほど良く、段差や隙間がないほうが良い。周方向に連続的な貫通孔100同士の間隔が、狭くなるほど、貫通孔の表面積は大きく確保できるため、冷却効果は高くなるが、その分、エンドブラケット3の軸方向の厚さが薄くなるため、強度が低下する。
【0026】
強度を確保しつつ、冷却効果を高めるため、そして、反負荷側エンドブラケット3表面の貫通孔100に冷却風を送風するため、フィン3aは、フィン3bとの分岐点を境に一部を2方向に分岐し、かつ周方向に角度を設けている。こうすることで、ファン1からの冷却風を貫通孔100まで誘導するようにフィン3aを配置することができ、かつフィン3aの周方向間隔を一定に保てるため、多方面からの冷却を可能にし、冷却効果を高めることができる。あるいはフィン3aを分岐せず、フィン3aの厚さを太くし、貫通孔100同士の間隔幅まで広げる方法でも良い。
【0027】
反負荷側エンドブラケット3の中央部のテーパ3Cは円錐台を採用しているが、多角錐台、半球形、漏斗形状であってもよく、円錐台に限定されるものではない。ここで、ファン1に対して平行の面は、表面積が小さいほど、面からの冷却風の跳ね返りによる冷却風の相殺を軽減できるため、より高い冷却効果が得られやすい。なお、円錐台と貫通孔100は段差や隙間等がないほうが良い。
【0028】
負荷側エンドブラケット8に設けられている貫通孔101は、シャフト10に対して、径方向に孔が設けられている。孔の場所は特に問わないが、回転機の上部に孔を設けることで、モータ内部で暖められた空気は、上に行くため、内部の熱を逃がしやすくなる効果がある。回転機の上部とは、冷却風が上昇する方向と言い換えることができる。また。孔はモータ内部から外部にかけて、狭くなるようにテーパ孔を設けてもよい。その場合、内部の孔の表面積が大きくなり、その分通風抵抗が外側の径より小さくなるため、内部の空気はより外部へと逃げやすくなり、一方で、外部から内部へは外気が入りづらくなるため、ごみなどの異物がモータ内部に入るリスクを軽減できる。もしくは、フィルター等があってもよい。
【0029】
負荷側エンドブラケット8に設ける貫通孔101の他の例として、反負荷側エンドブラケット3に設ける貫通孔100と同様に、シャフト10方向に複数の孔を設けてもよい。
また、貫通孔101は、負荷側エンドブラケット8に設けるに代えて、ハウジング7の負荷側の端部に設けてもよい。
【0030】
シャフト10の反負荷側延長方向には、冷却風を生成する他励ファン1がファンカバー2に支持されて配置される。他励ファンとは、回転電機とは別のモータ等により駆動されるファンである。また、ゴミなどの異物吸入を防ぐため、例えば、ファン1とファンカバー2の間に、負荷側軸方向にフィルター等があってもよい。
【0031】
なお、本発明は他励ファンに限定されるものではなく、自励ファンであってもよい。図7に、自励ファンを用いたモータの実施例を示す。シャフト(回転軸)10の反負荷側にファン1が接続されており、シャフト10と共回りすることで冷却風を生成する。ファンの位置は負荷側、反負荷側のどちらに設置してもよい。反負荷側の場合、取付け構造は容易にでき、また部品工数の削減にもつながる。
【0032】
ファンカバー2は、図6に示されるように、ファン1からハウジング7の反負荷側の端部までを覆うように、そして、ファンカバー2から噴き出す空気がハウジング7に沿って流れるように配置するのが好ましい。
【0033】
なお、本実施例では、反負荷側エンドブラケット3の軸中心付近を概略錐台形状とし、冷却風の流通効率を向上させているが、例えば、回転電機がサーボモータである場合には、反出力軸側のエンドブラケット3側に回転数等を計測するエンコーダ等が内蔵される場合がある。錐台形状のエンドブラケット3内部を、エンコーダ内蔵空間とする構成も可能である。特に、エンコーダを必要とする構成では、反出力軸側に自励ファンを設置することができず、他励ファンによる冷却構造を取ることもある。本実施例の構成をサーボモータに適用することは、エンコーダの設置構成や空間を維持しつつ冷却効率を向上させることができ、特に好適な適用例の1つであると言える。
【実施例0034】
図8に、実施例2の反負荷側エンドブラケット3を示す。シャフト10側、すなわち中央部のテーパ3Cに、軸心から貫通孔100へ向かう複数のフィン3cを設けている。図8のように、反負荷側エンドブラケット3の第3テーパ部のテーパ3Cにフィン3cを円周上に設けることで、冷却風の流路が形成されるため、冷却風同士の干渉を軽減させ、なるべく多くの冷却風を貫通孔100に送風することができる。また、内側も同様に分岐させることで、貫通孔同士の間隔を無駄にすることなく、冷却風を貫通孔100に送風することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ファン
2 ファンカバー
3 反負荷側エンドブラケット
3A 第1テーパ部
3a 第1テーパ部のフィン
3B 第2テーパ部
3b 第2テーパ部のフィン
3C 第3テーパ部
3c 第3テーパ部のフィン
4,9 軸受
5 ロータ(回転子)
6 ステータ(固定子)
7 ハウジング
8 負荷側エンドブラケット
10 シャフト(回転軸)
20 冷却風
100 反負荷側エンドブラケットの貫通孔
101 負荷側エンドブラケットの貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8