(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181871
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20231218BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20231218BHJP
【FI】
E05B49/00 J
B60R25/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095244
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橘 克晴
(72)【発明者】
【氏名】菊入 菜那
(72)【発明者】
【氏名】井上 博司
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF36
2E250GG06
2E250HH01
2E250JJ03
(57)【要約】
【課題】車両のOEM(Original Equipment Manufacturer)ポリシーに準拠していない権限をフレンドデバイスに与えることを防ぐ情報処理装置
【解決手段】情報処理装置10Aは、自装置と関連付けられた車両のOEMポリシーに対応するプロファイル情報を取得する取得部101と、車両のキーとして動作する情報処理装置10Bを新たに設定する場合、前記プロファイル情報に基づき、前記他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で提示し、前記他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では提示しない制御部102と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置と関連付けられた車両のOEM(Original Equipment Manufacturer)ポリシーに対応するプロファイル情報を取得する取得部と、
前記車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、前記プロファイル情報に基づき、前記他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で提示し、前記他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では提示しない制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記他の情報処理装置が前記キーを利用できるようになったタイミングで前記プロファイル情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記他の情報処理装置が前記キーを利用できるようにする前に前記プロファイル情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記車両に新たなコンポーネントが追加されたタイミングで前記プロファイル情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンポーネントはハードウェアコンポーネントである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コンポーネントはソフトウェアコンポーネントである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記ソフトウェアコンポーネントの更新のタイミングで前記プロファイル情報を取得する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサが、
自装置と関連付けられた車両のOEM(Original Equipment Manufacturer)ポリシーに対応するプロファイル情報を取得し、
前記車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、前記プロファイル情報に基づき、前記他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で提示し、前記他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では提示しない、
処理を実行する、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
自装置と関連付けられた車両のOEM(Original Equipment Manufacturer)ポリシーに対応するプロファイル情報を取得し、
前記車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、前記プロファイル情報に基づき、前記他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で提示し、前記他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では提示しない、
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は移動サービスの要素として広く普及しており、カーシェアリングを始めとしたさまざまなサービスが増加及び普及していくことが想定されている。この動きに伴い、スマートフォンを自動車の鍵として利用することで、物理的な鍵の受け渡しを不要とするワイヤレスデジタルキーシステムのニーズが高まってきている。
【0003】
ワイヤレスデジタルキーシステムに関する技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、携帯機及び車載器を備え、車載器による携帯機の認証成立によって車両のドアロックの解除等を行う車両用電子キーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の電子キーシステムに関連する規格を、CCC(Car Connectivity Consortium)が策定している。CCCが策定した規格では、車両のオーナーが使用するデバイスであるオーナーデバイスと、オーナーの家族又は友人が使用することが想定されているデバイスであるフレンドデバイスと、が規定されている。
【0006】
CCCが策定した規格においては、フレンドデバイスのプロファイル情報は、車両のOEM(Original Equipment Manufacturer)ポリシーに準拠する必要がある。プロファイル情報は車両に対する権限が規定されているものである。従って、準拠すべき車両のOEMポリシーが変更されると、利用可能なプロファイル情報も変更となる可能性がある。
【0007】
しかし、オーナーデバイスが車両のOEMポリシーの変更を認識していない場合、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を、オーナーデバイスがフレンドデバイスに与えかねない。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両のOEMポリシーに準拠していない権限をフレンドデバイスに与えることを防ぐ情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、自装置と関連付けられた車両のOEM(OriginalEquipmentManufacturer)ポリシーに対応するプロファイル情報を取得する取得部と、前記車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、前記プロファイル情報に基づき、前記他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で提示し、前記他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では提示しない制御部と、を備える。
【0010】
本発明の一態様によれば、他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な状態で提示しないことで、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を他の情報処理装置に与えることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両のOEMポリシーに準拠していない権限をフレンドデバイスに与えることを防ぐ情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】開示の技術の実施形態に係る車両のデジタルキーシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置による情報処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】情報処理装置が提示する、情報処理装置に設定する項目の表示態様の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
図1は、本実施形態に係る車両のデジタルキーシステムの概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示したデジタルキーシステムは、情報処理装置10A、10Bと、車両20と、サーバ30A、30B、30Cと、を含む。
【0016】
情報処理装置10Aは、車両20のロックを解除したり、運転を可能にしたりするためのキー(デジタルキー)が格納された装置である。情報処理装置10Aは、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイス等の携帯可能な装置でありうる。情報処理装置10Aは、車両20との間でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wide Band、超広帯域無線通信)等の近距離無線通信技術を用いて通信する。情報処理装置10Aは、CCCが策定する「Digital Key」規格におけるオーナーデバイスでありうる。
【0017】
情報処理装置10Bも、情報処理装置10Aと同様に、車両20のロックを解除したり、運転を可能にしたりするためのキー(デジタルキー)が格納された装置である。情報処理装置10Bは、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイス等の携帯可能な装置でありうる。情報処理装置10Bは、車両20との間でBLE、NFC、UWB等の近距離無線通信技術を用いて通信する。情報処理装置10Bは、CCCが策定する「Digital Key」規格におけるフレンドデバイスでありうる。
【0018】
情報処理装置10A、10Bは、例えば、車両20のデジタルキーとして機能するためのアプリケーションをダウンロード及びインストールし、車両20との間でデジタルキーに係る情報を共有することで、車両20のデジタルキーとして利用可能となる。
【0019】
車両20は、車両20のデジタルキーとして機能する情報処理装置10A、10Bとの間で、上述した各種近距離無線通信技術による近距離無線通信を行い、デジタルキーに係る処理を実行する。車両20は、デジタルキーに係る処理として、車両20のドアの施錠処理及び解錠処理を実行する。また車両20は、車両20のデジタルキーとして動作する情報処理装置10A、10Bからのエンジン又はモータの始動要求に基づいてエンジン又はモータを始動させる処理を実行する。
【0020】
なお、車両20は、情報処理装置10A、10Bからのエンジンの始動要求を受信すると、情報処理装置10A、10Bが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する。情報処理装置10A、10Bが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する理由は、情報処理装置10A、10Bが車室外にある状態でのエンジンの始動を防ぐためである。車両20は、情報処理装置10A、10Bから発せられ、車室内に設けられたアンテナが受信した電波の強度を参照することで情報処理装置10A、10Bが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する。
【0021】
また、情報処理装置10Bが車両20のフレンドデバイスとして追加される場合、情報処理装置10Bは、車両20の車室内の所定の場所に設けられたアンテナとの間で通信を行って、車両20との間でデジタルキーに係る情報を共有する。
【0022】
サーバ30Aは、情報処理装置10Aが車両20のデジタルキーとして機能するための情報を情報処理装置10Aへ提供するサーバである。サーバ30Aは、車両20のデジタルキーとして機能するための情報として、デジタルキーのアプリケーション、デジタルキーに係る情報等を、情報処理装置10Aからの要求に応じて情報処理装置10Aへ提供する。
【0023】
サーバ30Bは、情報処理装置10Bが車両20のデジタルキーとして機能するための情報を情報処理装置10Bへ提供するサーバである。サーバ30Bは、車両20のデジタルキーとして機能するための情報として、デジタルキーのアプリケーション、デジタルキーに係る情報等を、情報処理装置10Bからの要求に応じて情報処理装置10Bへ提供する。
【0024】
サーバ30A、30Bは、例えば情報処理装置10A、10Bのメーカー毎に設けられ得る。情報処理装置10A、10Bのメーカーが同じであれば、同一のサーバからデジタルキーとして機能するための情報が提供されてもよい。
【0025】
サーバ30Cは、サーバ30A、30Bと連携して、情報処理装置10A、10Bが車両20のデジタルキーとして機能するための情報を情報処理装置10A、10B、及び車両20へ提供するサーバである。サーバ30Cは、車両20のメーカー毎に設けられ得る。サーバ30Cは、車両20のデジタルキーとして機能するための情報として、デジタルキーに係る情報等を、情報処理装置10A、10B、車両20からの要求に応じて、又は情報処理装置10A、10B、車両20からの要求が無くても、車両20へ提供する。
【0026】
なお
図1では、フレンドデバイスとなりうる情報処理装置10Bを1台だけ図示したが、本発明では、フレンドデバイスとなりうる情報処理装置の数は2台以上でもよい。また
図1では、サーバ30A、30B、30Cを1台だけ図示したが、各サーバは、複数の装置により構成されていてもよい。
【0027】
本実施形態に係る情報処理装置10Aは、情報処理装置10Bを車両20のフレンドデバイスとして追加する場合において、車両のOEMポリシーに対応するプロファイル情報に基づき、情報処理装置10Bが利用可能な項目を選択可能な態様で提示する。一方、本実施形態に係る情報処理装置10Aは、情報処理装置10Bが車両20のフレンドデバイスとして追加する場合において、車両のOEMポリシーに対応するプロファイル情報に基づき、情報処理装置10Bが利用不可能な項目を選択可能な態様で提示しない。
【0028】
情報処理装置10Aは、係る制御を行うことで、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。
【0029】
続いて、情報処理装置10Aのハードウェア構成を説明する。
【0030】
図2は、情報処理装置10Aのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、情報処理装置10Aは、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0032】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、車両20のデジタルキーに係る処理を実行するコンピュータプログラムが格納されている。
【0033】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0034】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0035】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0036】
通信インタフェース17は、情報処理装置10B、車両20、サーバ30A等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)、BLE、NFC、UWB等の規格が用いられる。
【0037】
上記のコンピュータプログラムを実行する際に、情報処理装置10Aは、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置10Aが実現する機能構成について説明する。
【0038】
図3は、情報処理装置10Aの機能構成の例を示すブロック図である。
【0039】
図3に示すように、情報処理装置10Aは、機能構成として、取得部101及び制御部102を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0040】
取得部101は、自装置と関連付けられた車両20のOEMポリシーに対応するプロファイル情報をサーバ30Aから取得する。プロファイル情報は車両20に対する権限が規定されているものである。車両20に対する権限としては、ドアの施錠の権限、ドアの解錠の権限、運転を開始する権限、車両20内の設備を操作する権限等がある。
【0041】
取得部101がプロファイル情報を取得するタイミングは特定のタイミングに限定されない。例えば、取得部101は、フレンドデバイスとして動作しうる情報処理装置10Bがキーを利用できるようになったタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。
【0042】
情報処理装置10Aは、情報処理装置10Bがキーを利用できるようになったタイミングでプロファイル情報を取得することで、情報処理装置10Bがキーを利用できるようになったタイミングでの最新のプロファイル情報に基づいて、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を他の情報処理装置に与えることを防ぐことができる。
【0043】
また取得部101は、フレンドデバイスとして動作しうる情報処理装置10Bがキーを利用できるようにする前に予めプロファイル情報を取得してもよい。
【0044】
情報処理装置10Aは、予めプロファイル情報を取得しておくことで、情報処理装置10Bに権限を設定する際の処理を、予めプロファイル情報を取得しない場合と比べて短縮することができる。
【0045】
また取得部101は、車両20に新たなコンポーネントが追加されたタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。ここで、コンポーネントとしては、例えば、車両20の運転を支援するコンポーネント、車両の自動運転に関するコンポーネント、車両20の設備を制御するコンポーネント等があり得る。車両20の設備には、例えばカーナビゲーションシステム、カーオーディオシステム等があり得る。
【0046】
情報処理装置10Aは、新たなコンポーネントが追加されたタイミングでの最新のプロファイル情報に基づいて、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。
【0047】
なお、コンポーネントはハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0048】
コンポーネントがハードウェアコンポーネントである場合、情報処理装置10Aは、新たなハードウェアコンポーネントが追加されたタイミングでの最新のプロファイル情報に基づいて、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。
【0049】
また、ソフトウェアコンポーネントであってもよい。コンポーネントがソフトウェアコンポーネントである場合、取得部101は、ソフトウェアコンポーネントの更新のタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。
【0050】
コンポーネントがソフトウェアコンポーネントである場合、情報処理装置10Aは、新たなソフトウェアコンポーネントが追加されたタイミングでの最新のプロファイル情報に基づいて、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。また、情報処理装置10Aは、ソフトウェアコンポーネントが更新されたタイミングでの最新のプロファイル情報に基づいて、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。
【0051】
制御部102は、情報処理装置10Aの動作に関する制御を行う。具体的に、制御部102は、車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、取得部101が取得したプロファイル情報に基づき、当該他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で表示部16に提示する制御を行う。また制御部102は、当該他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では表示部16に提示しない制御を行う。上記他の情報処理装置は、例えばフレンドデバイスとして新たに動作する際の情報処理装置10Bである。
【0052】
制御部102は、利用不可能な項目を選択可能な態様では表示部16に提示しない制御として、当該項目を利用可能な項目とは異なる態様で提示する制御を行ってもよい。例えば、制御部102は、利用可能な項目とは異なる態様として、グレーアウトした状態で提示する制御を行ってもよい。制御部102は、グレーアウトした状態で項目を提示することで、当該項目が利用不可能であることを明示的に提示できる。
【0053】
また、制御部102は、利用不可能な項目を選択可能な態様では表示部16に提示しない制御として、当該項目を表示部16に提示しない制御を行ってもよい。制御部102は、利用不可能な項目を表示部16に提示しないことで、当該項目の情報処理装置10Bへの設定を防ぐことができる。
【0054】
また、取得部101は、車両のOEMに関する情報を取得し、制御部102は、取得部101が取得した車両20のOEMに関する情報に基づいて項目を提示する制御を行ってもよい。車両20のOEMに関する情報は、例えば車両20のOEMの識別子であってもよい。車両のOEMの識別子は、車両20のデジタルキーに係る情報に含まれ得る。
【0055】
フレンドデバイスのデジタルキーのプロファイルは、車両のOEMポリシーに準拠する必要があり、オーナーデバイスが決定する。ここで、準拠すべき車両のOEMポリシーが車両20又は車両20に搭載されるコンポーネントのメーカーで変更される可能性が有る。車両のOEMポリシーが変更されていると、オーナーデバイスがフレンドデバイスに対して、車両のOEMポリシーに準拠していない権限を与えかねない。
【0056】
情報処理装置10Aは、
図3に示したような構成を有することで、車両のOEMポリシーに準拠していない権限をフレンドデバイスに与えることを防ぐことができる。
【0057】
次に、情報処理装置10Aの作用について説明する。
【0058】
図4は、情報処理装置10Aによる情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14からコンピュータプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、情報処理が行なわれる。
【0059】
CPU11は、まずステップS101において、プロファイル情報をサーバ30Aから取得する。
【0060】
CPU11がプロファイル情報を取得するタイミングは特定のタイミングに限定されない。例えば、CPU11は、フレンドデバイスとして動作しうる情報処理装置10Bがキーを利用できるようになったタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。またCPU11は、フレンドデバイスとして動作しうる情報処理装置10Bがキーを利用できるようにする前にプロファイル情報を取得してもよい。
【0061】
またCPU11は、車両20に新たなコンポーネントが追加されたタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。ここで、コンポーネントはハードウェアコンポーネントであってもよく、ソフトウェアコンポーネントであってもよい。コンポーネントがソフトウェアコンポーネントである場合、CPU11は、ソフトウェアコンポーネントの更新のタイミングでプロファイル情報を取得してもよい。
【0062】
ステップS101に続いて、CPU11は、ステップS102において、車両のキーとして動作する他の情報処理装置を新たに設定する場合、ステップS101で取得したプロファイル情報に基づき、当該他の情報処理装置が利用可能な項目を選択可能な態様で表示部16に提示する制御を行う。またCPU11は、ステップS102において、当該他の情報処理装置が利用不可能な項目を選択可能な態様では表示部16に提示しない制御を行う。
【0063】
CPU11は、利用不可能な項目を選択可能な態様では表示部16に提示しない制御として、当該項目を利用可能な項目とは異なる態様で提示する制御を行ってもよい。例えば、CPU11は、利用可能な項目とは異なる態様として、グレーアウトした状態で提示する制御を行ってもよい。
【0064】
図5は、情報処理装置10Aが提示する、情報処理装置10Bに設定する項目の表示態様の例を示す図である。
図5には、デジタルキーに係るアプリケーションによって、情報処理装置10Aの表示部16に、項目121A~121Cが提示されている状態が示されている。
【0065】
項目121A、121Bは、情報処理装置10Bが利用可能な項目であり、選択可能な態様で表示部16に表示されている。一方、項目121Cは、情報処理装置10Bが利用不可能な項目であり、選択可能な態様では表示部16に表示されていない。換言すれば、項目121Cは、選択不可能な態様で表示部16に表示されている。
図5に示した例では、項目121Cは、グレーアウトした状態で表示部16に表示されていることで、選択不可能な態様で表示部16に表示されている。つまり、車両20のバックドアの施錠は、車両20のOEMポリシーでは、情報処理装置10Bには設定できない。
【0066】
なお、
図5に示した例では、項目121Cは、グレーアウトした状態で表示部16に表示されているが、本発明は係る例に限定されない。情報処理装置10Aは、情報処理装置10Bが利用不可能な項目は、表示部16に表示しないように表示部16への表示を制御してもよい。情報処理装置10Aは、利用不可能な項目を表示部16に提示しないことで、当該項目の情報処理装置10Bへの設定を防ぐことができる。
【0067】
情報処理装置10Aは、
図4に示した一連の処理を実行することで、車両のOEMポリシーに準拠していない権限をフレンドデバイスである情報処理装置10Bに与えることを防ぐことができる。
【0068】
情実した例では、情報処理装置10Aは、サーバ30Aからプロファイル情報を取得し、車両のOEMポリシーに準拠しているかどうかを判断していたが、本発明は係る例に限定されない。例えば情報処理装置10Aは、サーバ30Cから車両のOEMポリシーの情報を取得し、取得した車両のOEMポリシーに対応するプロファイル情報を判別し、サーバ30Aから対応するプロファイル情報を取得するようにしてもよい。また例えば情報処理装置10Aは、予め保持しているプロファイル情報の中から、取得した車両のOEMポリシーに対応するプロファイル情報を選択してもよい。
【0069】
情報処理装置10Aは、サーバ30Cから車両のOEMポリシーの情報を取得することで、サーバ30Cで管理されている最新のOEMポリシーの情報に基づいたプロファイル情報を判別して取得することができる。そして、情報処理装置10Aは、最新のOEMポリシーの情報に対応したプロファイル情報に基づき、フレンドデバイスが利用可能な項目と利用不可能な項目とを分けて提示することができる。
【0070】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した情報処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、情報処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0071】
また、上記各実施形態では、情報処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10A、10B 情報処理装置
20 車両
30A、30B、30C サーバ