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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181902
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G03G15/08 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095285
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】明渡 秀一
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA39
2H077AB02
2H077AB07
2H077AB14
2H077AB18
2H077AC02
2H077AC16
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD18
2H077AE06
2H077BA02
2H077BA08
2H077CA19
2H077EA03
(57)【要約】
【課題】デべ量に対する排出レスポンスを安定させ、デべの過剰排出や過剰増加を防ぎ、環境変動下、T/D変動下での現像槽内のデべ量を安定させることができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室に収容された現像剤を撹拌しつつ所定の搬送方向に搬送する第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20と、第2撹拌搬送部材20にて撹拌されて搬送された現像剤を担持する現像剤担持体と、現像槽の一方及び他方の端部側で第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室を連通させる第1連通部21と第2連通部22と、現像槽に設けられ、現像剤を現像槽外へ排出するトリクル排出部材25と、を備え、第1撹拌搬送部材19の下流側の第1連通部21のさらに下流側にトリクル排出部材25を有し、第1連通部21において第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根の両方が全部欠落している。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室を有し、現像剤を収容する現像槽と、
前記第1現像剤撹拌搬送室及び前記第2現像剤撹拌搬送室に収容された現像剤を撹拌しつつ所定の搬送方向に搬送する第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材と、
前記現像槽の一方及び他方の端部側で前記第1現像剤撹拌搬送室及び前記第2現像剤撹拌搬送室を連通させる第1連通部と第2連通部と、
前記現像槽に設けられ、前記現像槽に収容された現像剤を前記現像槽外へ排出するトリクル排出部と、を備えた画像形成装置において、
前記第1撹拌搬送部材の下流側の前記第1連通部のさらに下流側に前記トリクル排出部を有し、前記第1連通部において前記第1撹拌搬送部材と前記第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根は、前記現像剤を跳ね上げない形状である画像形成装置。
【請求項2】
前記螺旋の羽根が前記現像剤を跳ね上げない形状は、前記第1撹拌搬送部材と前記第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の少なくとも一部が欠落している形状である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1撹拌搬送部材は、前記第1撹拌搬送部材と同軸で前記第1連通部側に設けられたトリクル逆巻き部を含み、
前記少なくとも一部が欠落した第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根は、前記トリクル逆巻き部(スクリュー)に接している、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
螺旋の羽根が前記現像剤を跳ね上げない形状は、前記第1撹拌搬送部材と前記第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の一部が円筒の管で覆われている形状である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記円筒の管の外周は、前記第1撹拌搬送部材及び前記第2撹拌搬送部材の外周に接している、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1撹拌搬送部材は、前記第1撹拌搬送部材と同軸で前記第1連通部側に設けられたトリクル逆巻き部を含み、
前記円筒の管は前記トリクル逆巻き部に接している、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1撹拌搬送部材は、前記第1撹拌搬送部材と同軸で前記第1連通部側に設けられた螺旋の羽根を有するトリクル排出部材を含み、
前記トリクル排出部材の螺旋の羽根の巻き方向は、前記第1撹拌搬送部材の巻き方向と同じである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1撹拌搬送部材は前記第2撹拌搬送部材より前記現像剤担持体から離れている、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トリクル方式の現像ユニットを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デベ(トナーとキャリアの混合物)を含有する2成分系現像剤を用いる画像形成装置においては、画像形成により消費されるトナーが必要に応じて新規補給されるのに対して、現像装置内に留まり続けるキャリアは経時劣化する。このキャリアの劣化によらず現像装置を長寿命化するために、劣化したキャリアを少しずつ廃棄しながら新規キャリアを補給するトリクル方式が提案されている。トリクル方式においては、当初、横方向に配置された2軸のスクリュー(撹拌部材)を用いて現像剤を循環する形態を採用して、現像装置内において現像剤の液面の高さが一定以上になったらキャリアをトリクル排出部から排出する液面オーバーフロー型が主流となっていた。
【0003】
現像剤の流動性が変化した場合や現像装置の動作速度が変化した場合には、現像装置において現像剤をトリクル排出部から排出しようとする排出力と現像剤の排出を阻止しようとする排出阻止力との間のバランスがくずれるために、現像装置内に存在する現像剤の量が変動する。現像剤の流動性が変化した場合や現像装置の動作速度が変化した場合には、現像装置において現像剤を排出しようとする排出力と現像剤の排出を阻止しようとする排出阻止力との間のバランスがくずれるために、現像装置内に存在する現像剤の量が変動する問題があった。
【0004】
上記問題を解決するためにトリクル排出部の上流側において、2軸スクリューの撹拌部材の螺旋部に対して逆向きに巻かれた螺旋部を有する逆羽根部材を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-025987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術において、2軸のスクリューのうちの第二スクリューの下流側に逆羽根部材があるものの、第二スクリューと第一スクリューの連通部において螺旋スクリューが対向して回転している為に、デベの液面が上下に揺れてしまい、過剰にデベが排出されるという問題ある。
【0007】
本開示は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、デべ量に対する排出レスポンスを安定させ、デべの過剰排出や過剰増加を防ぎ、環境変動下、T/D変動下での現像槽内のデべ量を安定させることができる、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る画像形成装置は、第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室を有し、現像剤を収容する現像槽と、第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室に収容された現像剤を撹拌しつつ所定の搬送方向に搬送する第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材と、現像槽の一方及び他方の端部側で第1現像剤撹拌搬送室及び第2現像剤撹拌搬送室を連通させる第1連通部と第2連通部と、現像槽に設けられ、現像槽に収容された現像剤を現像槽外へ排出するトリクル排出部と、を備える。第1撹拌搬送部材の下流側の第1連通部のさらに下流側にトリクル排出部を有し、第1連通部において第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根は、現像剤を跳ね上げない形状である。
【0009】
好ましくは、螺旋の羽根が現像剤を跳ね上げない形状は、第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の少なくとも一部が欠落している形状である。
【0010】
さらに好ましくは、第1撹拌搬送部材は、第1撹拌搬送部材と同軸で第1連通部側に設けられたトリクル逆巻き部を含み、少なくとも一部が欠落した第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根は、トリクル逆巻き部に接している。
【0011】
本開示の一実施の形態においては、螺旋の羽根が現像剤を跳ね上げない形状は、第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の一部が円筒の管で覆われている形状である。
【0012】
好ましくは、円筒の管の外周は、第1撹拌搬送部材及び前記第2撹拌搬送部材の外周に接している。
【0013】
さらに好ましくは、第1撹拌搬送部材は、第1撹拌搬送部材と同軸で第1連通部側に設けられたトリクル逆巻き部を含み、円筒の管はトリクル逆巻き部に接している。
【0014】
第1撹拌搬送部材は、第1撹拌搬送部材と同軸で第1連通部側に設けられた螺旋羽根を有するトリクル排出部材を含み、トリクル排出部材の螺旋羽根の巻き方向は、第1撹拌搬送部材の巻き方向と同じであってもよい。
【0015】
第1撹拌搬送部材は前記第2撹拌搬送部材より現像剤担持体から離れているのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、第1撹拌搬送部材及び第2撹拌搬送部材からなる2軸スクリューを有するトリクル現像槽において、撹拌搬送部材のデべ排出搬送方向下流側に設けたトリクル逆巻き部手前の連通部(デべ受け渡し部)の互いに対向する2軸スクリューの羽根形状を、デべを跳ね上げない形状にした。
【0017】
その結果、デべ量に対する排出レスポンスを安定させ、デべの過剰排出や過剰増加を防ぎ、環境変動下、T/D変動下での現像槽内のデべ量を安定させることができる、画像形成装置を提供できる。
【0018】
本開示の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行なう後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】トリクル排出部を有する現像ユニットの具体的構成を示す斜視図である。
図2図1において、矢印2-2で示す断面部分の矢視図である。
図3A】本開示の第1実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す側面図である。
図3B】本開示の第1実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す斜視図である。
図4A】本開示の第1実施の形態の変形例に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す側面図である。
図4B】本開示の第1実施の形態の変形例に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す斜視図である。
図5A】本開示の第1実施の形態のさらなる変形例に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す側面図である。
図5B】本開示の第1実施の形態のさらなる変形例に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す斜視図である。
図6A】本開示の第2実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す側面図である。
図6B】本開示の第2実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す斜視側面図である。
図6C図6Aにおいて、矢印6C-6Cで示す部分の斜視図である。
図6D図6Aにおいて、矢印6D-6Dで示す部分の斜視図である。
図7】第2実施の形態におけるデベ液面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、本開示の一実施形態に係るトリクル排出部を有する画像形成装置のトリクル排出部近傍の形状について説明する。
【0021】
まず、本開示に係るトリクル排出部を有する画像形成装置の具体的構成について説明する。図1はこのようなトリクル排出部を有する現像ユニット57の具体的構成を示す斜視図であり、図2は、図1において、矢印2-2で示す断面部分の矢視図である。図1及び図2を参照して、現像ユニット57は、手前側がR側(後側又は背面)で、後部側がF側(前側又は正面)になるように表示されており、R側にトナー供給口23が設けられ、R側からF側に向かって仕切り壁18で仕切られた第1現像剤撹拌搬送室15と第2現像剤撹拌搬送室16とが並列に延びている。ここで、第1現像剤撹拌搬送室15と第2現像剤撹拌搬送室16とから現像槽17が構成されている。
【0022】
第1現像剤撹拌搬送室15には、第1撹拌搬送部材(第1スクリュー)19が収容され、第2現像剤撹拌搬送室16には第2撹拌搬送部材(第2スクリュー)20が収容され、第2撹拌搬送部材20の上には第2撹拌搬送部材20と並列に配置された現像剤担持体(現像ローラ)14が配置されている。これらの部材を保持するために、図示のない感光体と現像ユニット57との位置決めを行なう、感光体位置決め部(軸嵌合部)28が設けられている。
【0023】
第1撹拌搬送部材19は、図示のないデベをR側からF側へ搬送し、第2撹拌搬送部材20は、図示のないデベをF側からR側へ搬送する。すなわち、第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20とは、互いに対向する2軸スクリューを構成している。したがって、以下では、2軸スクリュー19,20という場合がある。
【0024】
第1現像剤撹拌搬送室15は、F側にその延長部となる図示のないトリクル排出部を有し、トリクル排出部の内部にトリクル排出部材25が設けられ、その端部の下側にはデベのトリクル排出部排出口27が設けられている。
【0025】
仕切り壁18はR側とF側との端部で相互に連通した部分を有し、F側の連通した部分を第1連通部21といい、R側の連通した部分を第2連通部22という。なお、それぞれの連通部21,22には、デベの流通方向を矢印で示している。また、R側の手前側には相互に対向する矢印で第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20の回転方向を示している。
【0026】
次に、本開示の第1実施の形態について説明する。第1実施の形態においては、第1現像剤撹拌搬送室15にある第1撹拌搬送部材19の下流側に第1連通部21が設けられ、第1連通部21の第1撹拌搬送部材19の下流側に同軸で設けられるトリクル排出部材25を有するトリクル排出部26が設けられた画像形成装置であって、第1連通部21において、第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根の形状が、現像剤を跳ね上げない形状である。以下、第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根の形状について具体的に説明する。
[第1実施の形態]
本開示の第1実施の形態においては、第1撹拌搬送部材19と第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根は、第1連通部21において、少なくとも一部欠落している。
【0027】
図3Aは、本開示の第1実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部26の近傍を示す側面図であり、図3Bはその斜視図である。図3A及び図3Bに示すように、第1撹拌搬送部材19には第1連通部21のF側(図1参照)に第1撹拌搬送部材19と同軸でその延長部となるトリクル逆巻き部24と、トリクル排出部材25とが設けられており、トリクル排出部材25は、そのケーシングであるトリクル排出部26に収容されており、トリクル排出部26のF側先端部の下部にデベを排出するトリクル排出部排出口27が設けられている。
【0028】
図3A及び図3Bを参照して、この実施の形態においては、第1連通部21において、第1撹拌搬送部材19及び第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根が両羽根とも削除されている(図3A及び図3Bにおいて、点線で囲んだ部分)。
【0029】
すなわち、ここでは、トリクル逆巻き部24手前の互いに対向する2軸スクリュー19,20の螺旋の羽根を両方カットしている。螺旋の羽根をカットすることにより互いに対向する2軸スクリュー19,20が回転する際、双方のスクリューで押された現像剤が間でぶつかることがなくなる。これによりデべ液面の凹凸や跳ね上げを防止し、トリクル排出部からのデべ排出量を安定させることがき、デべが少ない場合でも、デべの過剰排出が防止される。
【0030】
具体的には、このような螺旋の羽根のカットにより、トリクル排出部へデベの跳ね上げによる飛散は低下し、デべの膨れも安定し排出量が安定する。
【0031】
例えば、高温高湿/高T/D時/デべが多い時においても、第1撹拌搬送部材19及び第2撹拌搬送部材20のスクリューのカットにより、トリクル排出部への押し込みが少なくなり、且つデべ量も安定するため、デべの排出がスムーズになり、排出レスポンスが向上する。
【0032】
次に、この実施の形態の変形例について説明する。図4A及び図4Bは、この変形例を示す図3A及び図3Bに対応する図である。なお、図4A及び図4Bにおいては、トリクル排出部や、トリクル排出部排出口については図示を省略している。
【0033】
この変形例では、第1撹拌搬送部材19の羽根のみ全部カットして、第2撹拌搬送部材20の羽根はカットしない(図4A及び図4Bにおいて、点線で囲んだ部分を参照)。この場合も先の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0034】
次に、この実施の形態のさらなる変形例について説明する。図5A及び図5Bは、このさらなる変形例を示す図4A及び図4Bに対応する図である。この変形例では、第1撹拌搬送部材19及び第2撹拌搬送部材20の螺旋の羽根を一部カットしている(図4A及び図4Bにおいて、点線で囲んだ部分を参照)。この場合もほぼ同様の効果が得られる。
【0035】
以上のように、この実施の形態においては、画像形成装置は、第1撹拌搬送部材の下流側の第1連通部のさらに下流側にトリクル排出部を有し、第1連通部において、第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の少なくとも一部が欠落している。
【0036】
その結果、トリクル逆巻き部手前の第1連通部の互いに対向する2軸スクリューが回転する際、双方のスクリューで押された現像剤が間でぶつかることがなく、第1連通部の液面を安定させることができる。又、デべのトリクル排出部26(図3A参照)への押し込みが少なくなり、且つデべ量も安定するため、デべのトリクル排出部排出口27(図3A参照)からの排出がスムーズになり、排出レスポンスが向上する。
【0037】
なお、互いの羽根のカット量は羽根の全部をカットするのではなく、例えば、一方側のみ、又は、それぞれの羽根を半分カット(羽根の高さが半分)する。この場合は、デべ搬送方向の送り力もある程度キープしつつ、デべの跳ね上げや、デベ液面の凹凸を少なくすることができる。
【0038】
ここで、図3A図3Bに示すように、トリクル逆巻き部24の手前側の端の位置にこの羽根のカット部が接していればなおさら良い。第1連通部21のデべの凹凸や暴れがトリクル排出部26への影響がより少なくなるからである。
【0039】
又、図3A図3Bに示すように、第1現像剤撹拌搬送室15には、第1撹拌搬送部材19が収容され、第2現像剤撹拌搬送室16には第2撹拌搬送部材20が収容され、第2撹拌搬送部材20の上には第2撹拌搬送部材20と並列に配置された現像剤担持体(現像ローラ)14が配置されている。このように、第1撹拌搬送部材19に連続して設けられたトリクル排出部26(図3A参照)が現像ローラ14から離れていることにより、トリクル排出部26(図3A参照)が現像ローラ14の磁界の影響及び剥離デべの影響を受けにくく、第1連通部21のデべ液面が安定し、適切にデべ量を排出することが可能となる。
[第2実施の形態]
次に、本開示の第2実施の形態について説明する。第2実施の形態においては、第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の、現像剤を跳ね上げない形状は、第1撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材の螺旋の羽根の一部が円筒の管で覆われている形状である。すなわち、この実施の形態においては、デべの排出搬送方向下流側に設けたトリクル逆巻き部24手前の第1連通部の互いに対向する2軸スクリューの螺旋の羽根の形状をデべが跳ね上げない形状として、対向する2軸スクリューの羽根外周に円筒の管を設置した。
【0040】
図6Aは、この実施の形態における画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す側面図であり、図6Bは、この実施の形態に係る画像形成装置のトリクル排出部の近傍を示す斜視図であり、図6C図6Aにおいて、矢印6C-6Cで示す部分の斜視図であり、図6D図6Aにおいて、矢印6D-6Dで示す部分の斜視図である。
【0041】
図6Aは、先の実施の形態の図3Aに対応している。図6B図6Dにおいては、トリクル排出部や、トリクル排出部排出口については図示を省略している。
【0042】
図6A図6Dを参照して、この実施の形態においては、第1連通部21において、対向する2軸スクリューである第1撹拌搬送部材19と、第2撹拌搬送部材20との螺旋の羽根の外周に円筒の管34a,34bを設置した(図6A及び図6Bにおいて、点線で囲んだ部分参照)。トリクル逆巻き部24手前の第1連通部21の互いに対向する2軸スクリュー19,20が回転する際、互いの羽根の外周が円筒の管34a,34bで覆われていると、デべがぶつかることがなく、第1連通部21の液面を安定させることができる。これにより、デべが少ない場合でも、デべの過剰排出が防止される。
【0043】
更に円筒の管34a,34bの外周と第1及び第2スクリュー19,20の外径を一致させることにより、(円筒の管34a,34bの外周と第1及び第2スクリュー19,20の外径に接するようにしたことにより)、第1及び第2スクリュー19,20と円筒の管34a,34bとの段差が無くなり第1連通部21でのデべの凹凸、暴れが少なく、又円筒の管34a,34b内部を通過するデべの量を最大化することができ安定してデべも搬送できる。
【0044】
更に円筒の管34a,34bをトリクル逆巻き部24に接するようにしたため、連通部のデべの凹凸や暴れがトリクル排出部への影響がより少なくなる。
【0045】
なお、この実施の形態では、例えば、搬送スクリューの軸径は8mm、円筒及び搬送スクリュー外径は18mm、円筒肉厚1.0、及び円筒部内部の羽根高さ4.0mmである。
【0046】
図7は、この実施の形態におけるデベ液面37を示す図であり、この実施の形態の効果を説明する図である。図5を参照して、トリクル逆巻き部24の手前に円筒の管34が接していることにより、第1連通部21のデべの凹凸や暴れによるトリクル排出部26への影響がより少なくなる。又、円筒の管34の内部のデべ量は、円筒の管34の内径により最大量が決定されるため、トリクル逆巻き部24手前のデべ量は、高温高湿/T/Dアップ時のようなデべ流動性が悪化しても極端に多くなることはなく、トリクル逆巻き部24でのデべ詰りによる排出量低下を防止する。これにより、流動性悪化時でも、現像槽内のデべ量が、どんどん増えていき現像槽内がデべによりパンクすることを防止できる。
【0047】
本開示は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他の種々な形で実施することができる。そのため、上述の実施形態は例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本開示の特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示によれば、デべ量に対する排出レスポンスを安定させ、デべの過剰排出や過剰増加を防ぎ、環境変動下、T/D変動下での現像槽内のデべ量を安定させることができる画像形成装置を提供できるため、画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0049】
14 現像剤担持体(現像ローラ)
15 第1現像剤撹拌搬送室
16 第2現像剤撹拌搬送室
17 現像槽
18 仕切壁
19 第1撹拌搬送部材(第1スクリュー)
20 第2撹拌搬送部材(第2スクリュー)
21 第1連通部
22 第2連通部
23 トナー供給口
24 トリクル逆巻き部
25 トリクル排出部材
26 トリクル排出部
27 トリクル排出部排出口
28 感光体位置決め部(軸嵌合部)
34 円筒の管
37 デベ液面
57 現像ユニット
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7