(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181908
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
B65D5/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095292
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA23
3E060CD04
3E060CD12
3E060DA30
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】積み重ね荷重が加わった場合でもケースの外観が低下しにくい包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1は、直方体状であって、所謂ラップアラウンドケースタイプである。左前内フラップ35及び左後内フラップ36の少なくとも一方と左上外フラップ31とを貫通して設けられた左手穴部4Lと、右前内フラップ36及び右後内フラップ38の少なくとも一方と右上外フラップ32とを貫通して設けられた右手穴部4Rと、を有し、左上部接着領域63Lが左手穴部4Lよりも上方に設けられ、右上部接着領域63Rが右手穴部4Rよりも上方に設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の天板と、
前記天板に対向する矩形状の底板と、
前記天板の前側縁及び前記底板の前側縁を繋ぐ前側板と、
前記天板の後側縁及び前記底板の後側縁を繋ぐ後側板と、
前側板の左側縁から後方に向かって延びる左前内フラップと、
前側板の右側縁から後方に向かって延びる右前内フラップと、
後側板の左側縁から前方に向かって延びる左後内フラップと、
後側板の右側縁から前方に向かって延びる右後内フラップと、
天板の左側縁から下方に向かって延びる左上外フラップであって、左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左上部接着領域で接着されている左上外フラップと、
底板の左側縁から上方に向かって延びる左下外フラップであって、左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左下部接着領域で接着されている左下外フラップと、
天板の右側縁から下方に向かって延びる右上外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右上部接着領域で接着されている右上外フラップと、
底板の右側縁から上方に向かって延びる右下外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右下部接着領域で接着されている右下外フラップと、
左上外フラップを貫通して設けられた左手穴部と、
右上外フラップを貫通して設けられた右手穴部と、を有する包装箱であって、
前記左上部接着領域が前記左手穴部よりも上方に設けられ、前記右上部接着領域が前記右手穴部よりも上方に設けられていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱において、
前記左手穴部は、前記左上外フラップとともに、前記左上外フラップが外側で重ねられている左前内フラップ及び左後内フラップの少なくとも一方を貫通して設けられ、
前記右手穴部は、前記右上外フラップとともに、前記右上外フラップが外側で重ねられている右前内フラップ及び右後内フラップの少なくとも一方を貫通して設けられるものであって、
前記左前内フラップ及び前記左後内フラップの少なくとも一方に設けられた左切欠部であって、前記左前内フラップまたは前記左後内フラップの上端縁の一部を切り欠くことで前記左手穴部の上方に形成された左切欠部と、
前記右前内フラップ及び前記右後内フラップの少なくとも一方に設けられた右切欠部であって、前記右前内フラップまたは前記右後内フラップの上端縁の一部を切り欠くことで前記右手穴部の上方に形成された右切欠部と、を有することを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項2に記載の包装箱において、
左切欠部は、左手穴部の前後方向の両端部を通る上下方向の直線で挟まれる領域と一致、または当該領域を含んで前後方向の少なくとも一方に超える幅に形成され、
右切欠部は、右手穴部の前後方向の両端部を通る上下方向の直線で挟まれる領域と一致、または当該領域を含んで前後方向の少なくとも一方に超える幅に形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の包装箱において、
左手穴部は、左上外フラップの先端部において前後方向に延びる左蓋用折目線と、前記左蓋用折目線の両端からそれぞれ左上外フラップの先端に延びる2本の左蓋用切目線とを含んで形成され、
右手穴部は、右上外フラップの先端部において前後方向に延びる右蓋用折目線と、前記右蓋用折目線の両端からそれぞれ右上外フラップの先端に延びる2本の右蓋用切目線とを含んで形成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ね荷重が加わった場合でもケースの外観が低下しにくい包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用ペットボトルなどを複数個梱包した背の高いラップアラウンドケースタイプの包装箱であって、多段に積み重ねられて保管又は陳列されるものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この種の包装箱は、矩形状の天板と、前記天板に対向する矩形状の底板と、前記天板の前側縁及び前記底板の前側縁を繋ぐ前側板と、前記天板の後側縁及び前記底板の後側縁を繋ぐ後側板と、前側板の左側縁から後方に向かって延びる左前内フラップと、前側板の右側縁から後方に向かって延びる右前内フラップと、後側板の左側縁から前方に向かって延びる左後内フラップと、後側板の右側縁から前方に向かって延びる右後内フラップと、天板の左側縁から下方に向かって延びる左上外フラップであって、
【0004】
左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左上部接着領域で接着されている左上外フラップと、底板の左側縁から上方に向かって延びる左下外フラップであって、左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左下部接着領域で接着されている左下外フラップと、天板の右側縁から下方に向かって延びる右上外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右上部接着領域で接着されている右上外フラップと、底板の右側縁から上方に向かって延びる右下外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右下部接着領域で接着されている右下外フラップと、を有する。なお、各外フラップを内フラップに接着する際は、各外フラップの先端が、包装箱の輸送時に誤って外方に折れ曲がり捲り上がらないように、その先端部に接着剤をつけるという技術常識がある。
【0005】
また、この包装箱は、左前内フラップ、左後内フラップ及び左上外フラップを貫通して設けられた左手穴部と、右前内フラップ、右後内フラップ及び右上外フラップを貫通して設けられた右手穴部とをさらに有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のように、この包装箱は、飲料用ペットボトルなどの重量物を複数個梱包して多段に積み重ねられるため、包装箱の側方が座屈することがある。特に、この包装箱では、包装箱の一対の側方は、外フラップ及び内フラップが折り重ねて接着されることで構成されているため、一枚板として構成された他の一対の側方(前側板及び後側板)よりも強度が低く座屈しやすい。
【0008】
また、この包装箱では、他の包装箱が上に積み重ねられたとき、外フラップ及び内フラップのうち、天板を介してこの重量を受けた外フラップの基端縁及び内フラップの上端縁と、両フラップが接着剤で固定されている外フラップの先端部付近と、内フラップの上下方向の中間位置に応力が集中する。特に、この上下方向の中間位置には、手穴部を設けるためフラップに貫通孔が形成されているので、その周囲に応力集中がさらに生じやすい。そのため、この包装箱では、外フラップ及び内フラップの手穴部の周囲が座屈しやすく、ケースの外観が低下しやすいという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、ケースの外観を低下しにくくすることができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の包装箱は、矩形状の天板と、前記天板に対向する矩形状の底板と、前記天板の前側縁及び前記底板の前側縁を繋ぐ前側板と、前記天板の後側縁及び前記底板の後側縁を繋ぐ後側板と、前側板の左側縁から後方に向かって延びる左前内フラップと、前側板の右側縁から後方に向かって延びる右前内フラップと、後側板の左側縁から前方に向かって延びる左後内フラップと、後側板の右側縁から前方に向かって延びる右後内フラップと、天板の左側縁から下方に向かって延びる左上外フラップであって、左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左上部接着領域で接着されている左上外フラップと、底板の左側縁から上方に向かって延びる左下外フラップであって、左前内フラップの外面及び左後内フラップの外面に左下部接着領域で接着されている左下外フラップと、天板の右側縁から下方に向かって延びる右上外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右上部接着領域で接着されている右上外フラップと、底板の右側縁から上方に向かって延びる右下外フラップであって、右前内フラップの外面及び右後内フラップの外面に右下部接着領域で接着されている右下外フラップと、左上外フラップを貫通して設けられた左手穴部と、右上外フラップを貫通して設けられた右手穴部と、を有する包装箱であって、前記左上部接着領域が前記左手穴部よりも上方に設けられ、前記右上部接着領域が前記右手穴部よりも上方に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の包装箱においては、例えば、左上部接着領域は左手穴部よりも上方に設けられているため、応力が集中する外フラップの基端縁及び内フラップの上端縁と両フラップが接着剤にて固定されている位置とに挟まれる領域の外側に、周辺が座屈しやすい手穴部が配置されることになる。
【0012】
よって、本発明の包装箱によれば、手穴部の周辺が座屈しにくいため、ケースの外観を低下しにくくすることができる。
【0013】
本発明の包装箱において、前記左手穴部は、前記左上外フラップとともに、前記左上外フラップが外側で重ねられている左前内フラップ及び左後内フラップの少なくとも一方を貫通して設けられ、前記右手穴部は、前記右上外フラップとともに、前記右上外フラップが外側で重ねられている右前内フラップ及び右後内フラップの少なくとも一方を貫通して設けられるものであって、前記左前内フラップ及び前記左後内フラップの少なくとも一方に設けられた左切欠部であって、前記左前内フラップまたは前記左後内フラップの上端縁の一部を切り欠くことで前記左手穴部の上方に形成された左切欠部と、前記右前内フラップ及び前記右後内フラップの少なくとも一方に設けられた右切欠部であって、前記右前内フラップまたは前記右後内フラップの上端縁の一部を切り欠くことで前記右手穴部の上方に形成された右切欠部と、を有することが好ましい。
【0014】
従来の包装箱では、他の包装箱が上に積み重ねられたとき、天板を介して内フラップの上端縁がこの重量を受けた際に、内フラップの手穴部は、貫通して穴が開いており上からの荷重を受けることができないので、その分の荷重が手穴部の周囲に伝達して、この周囲(特に、横隣り)が座屈しやすい。
【0015】
これに対して、本発明の包装箱では、例えば、左前内フラップまたは左後内フラップに左手穴部を構成するための穴が設けられている場合、この左手穴部の上方の内フラップの上端縁が切り欠かれることで左切欠部が設けられている。
【0016】
そのため、他の包装箱が上に積み重ねられたとき、天板を介して内フラップの上端縁がこの重量を受ける際に、左手穴部の上方の内フラップの上端縁は左切欠部によって切り欠かれているため、内フラップの手穴部が形成される位置に対して荷重を伝達させようとしない。その結果、手穴部の周囲(特に、横隣り)に対してその分の荷重を伝達させることもないので、内フラップの手穴部の周辺が座屈すること防止できる。
【0017】
よって、この構成を備える包装箱によれば、ケースの外観を低下しにくくすることができる。
【0018】
前記切欠部を有する包装箱において、左切欠部は、左手穴部の前後方向の両端部を通る上下方向の直線で挟まれる領域と一致、または当該領域を含んで前後方向の少なくとも一方に超える幅に形成され、右切欠部は、右手穴部の前後方向の両端部を通る上下方向の直線で挟まれる領域と一致、または当該領域を含んで前後方向の少なくとも一方に超える幅に形成されていることが好ましい。
【0019】
この構成を備える包装箱では、左手穴部の真上にあるべき内フラップの上端縁はすべて切欠部によって切り欠かれているので、上に積み重ねられた包装箱からの荷重が左手穴部の位置に伝達されない。
【0020】
したがって、この構成を備える包装箱によれば、内フラップの手穴部の周辺がより座屈しにくいため、さらにケースの外観を低下しにくくすることができる。
【0021】
本発明の包装箱において、左手穴部は、左上外フラップの先端部において前後方向に延びる左蓋用折目線と、前記左蓋用折目線の両端からそれぞれ左上外フラップの先端に延びる2本の左蓋用切目線とを含んで形成され、右手穴部は、右上外フラップの先端部において前後方向に延びる右蓋用折目線と、前記右蓋用折目線の両端からそれぞれ右上外フラップの先端に延びる2本の右蓋用切目線とを含んで形成されていることが好ましい。
【0022】
この構成を備える包装箱では、例えば、2つの左蓋用切目線に挟まれた領域が、左蓋用折目線で折れ曲がって揺動可能となり、蓋部として機能する。よって、左手穴部を通じて包装箱の内部に異物が入り込みにくくすることができる。
【0023】
また、この構成を備える包装箱では、上外フラップの先端に手穴部を設けることができるため、接着領域も先端側に配置することができる。よって、この構成を備える包装箱によれば、上外フラップの先端部付近が包装箱の外方に捲れ上がりにくくなるため、ケースの外観を低下しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る包装箱の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の本実施形態に係る包装箱の組立て前の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1~2を参照しながら、本発明の一つの実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係る包装箱1について説明する。
【0026】
図1に示すように、包装箱1は、外観が直方体状に形成されたラップアラウンドケースタイプのものである。包装箱1には、例えば、飲料用ペットボトル、液体状の調味料、食用油などが入ったボトルが内部に収納される。
【0027】
包装箱1は、左右方向に延びる四角筒状の胴部2と、胴部2の左側の開放端を閉塞する左閉塞部3Lと、胴部2の右側の開放端を閉塞する右閉塞部3Rとを有する(左閉塞部3L及び右閉塞部3Rを総称して「閉塞部3」という。)
【0028】
胴部2は、天板21と、天板21に対向する底板22と、天板21の前側縁及び底板22の前側縁を繋ぐ前側板23と、天板21の後側縁及び底板22の後側縁を繋ぐ後側板24を備えている。
【0029】
通常のラップアラウンドケースタイプは、ビールなど背の低い商品を収容することが多いため、閉塞部において、高さよりも横幅が大きく、上下の外フラップの先端縁同士が突き合わされるものが多いが、包装箱1は、背の高いボトル等が収容されるため、閉塞部3において横幅よりも高さが大きく、内フラップの先端縁同士が突き合わされている。
【0030】
図1に示すように、左閉塞部3Lには、包装箱1を持ち運ぶときに利用する左手穴部4Lが形成されている。同様に、右閉塞部3Rには、包装箱1を持ち運ぶときに利用する右手穴部4Rが形成されている(左手穴部4L及び右手穴部4Rを総称して「手穴部4」という)。
【0031】
手穴部4は、
図2に示す左蓋部40L及び右蓋部40Rを包装箱1の内方に押し込むことで開口でき、手指を手穴部4に挿入して包装箱1を把持することができる。
【0032】
包装箱1は、
図2に示すほぼ矩形状の段ボール板紙10を原紙から打抜いて形成した後、これを折り曲げて組み立てられる。以下、
図2を参照しながら、段ボール板紙10の構成について説明する。なお、
図2では、図中の上下方向が本発明における左右方向となっている。
【0033】
まず、段ボール板紙10の基本的な構成について説明する。
【0034】
図2に示すように、段ボール板紙10は、
図2の右側から、天板21、前側板23、底板22、後側板24、接着片25の順で、それぞれ胴部折目線aを介して連設されている。天板21、底板22、前側板23及び後側板24は、いずれも略矩形状に形成されている。
図2における接着片25の裏面には、包装箱1を組み立てる際に接着剤が塗布されることで接着領域61が形成される。
【0035】
天板21には、その下端に上外フラップ折目線b1を介して左上外フラップ31が連設されている。また、天板21には、その上端に上外フラップ折目線b1を介して右上外フラップ32が連設されている。
【0036】
底板22には、その下端に下外フラップ折目線b2を介して左下外フラップ33が連設されている。また、底板22には、その上端に下外フラップ折目線b2を介して右下外フラップ34が連設されている。
【0037】
前側板23には、その下端に前内フラップ折目線c1を介して左前内フラップ35が連設されている。また、前側板23には、その上端に前内フラップ折目線c1を介して右前内フラップ36が連設されている。
【0038】
後側板24には、その下端に後内フラップ折目線c2を介して左後内フラップ37が連設されている。また、後側板24には、その上端に後内フラップ折目線c2を介して右後内フラップ38が連設されている。
【0039】
図2に示すように、左上外フラップ31、右上外フラップ32、左下外フラップ33、右下外フラップ34、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38は、いずれも略矩形状に形成されており、その基端縁から先端縁までの長さ(
図2の上下方向の長さ)はほぼ同一であり、またこの長さは、天板21及び底板22の幅の半分とほぼ同一の長さに形成されている。
【0040】
次に、段ボール板紙10の具体的な構成について説明する。
【0041】
左上外フラップ31には、2つの左蓋部40Lが左右方向に隣り合って左右対称に設けられている。2つの左蓋部40Lは、左上外フラップ31の先端部の左右方向中央部に設けられている。2つの左蓋部40Lは、全体として、扁平な略五角形状に形成されている。
【0042】
2つの左蓋部40Lは、縦切目線41L、一対の横切目線42L、一対の左蓋用折目線43L、一対の左蓋用切目線44Lとから構成されている。
【0043】
縦切目線41Lは、左上外フラップ31の先端の左右方向中央部から基端に向かって、左上外フラップ31の先端縁に直交して延びている。
【0044】
一対の横切目線42Lは、縦切目線41Lの先端からそれぞれ左右方向に向かって、略V字状に延びている。
【0045】
左蓋用折目線43Lは、隣接する横切目線42Lの先端から横切目線42Lの延長線上に沿って延びている。
【0046】
左蓋用切目線44Lは、隣接する左蓋用折目線43Lの先端から縦切目線41Lに近づく方向に傾斜して、左上外フラップ31の先端まで延びている。
【0047】
すなわち、本実施形態では、2つの左蓋部40Lが左右方向に隣り合って左右対称に設けられている。具体的には、左側の左蓋部40Lは、縦切目線41L、左側の横切目線42L、左側の左蓋用折目線43L及び左側の左蓋用切目線44Lで構成されている。そして、右側の左蓋部40Lは、縦切目線41L、右側の横切目線42L、右側の左蓋用折目線43L及び右側の左蓋用切目線44Lで構成されている。
【0048】
つまり、左蓋用切目線44Lだけでなく、縦切目線41Lと横切目線42Lと接続した鋭角な逆「L」字形状の部分も本発明の「左蓋用切目線」に相当する。このとき、縦切目線41Lは、2本の「左蓋用切目線」を構成するために共有されている。
【0049】
右上外フラップ32には、2つの右蓋部40Rが左右方向に隣り合って左右対称に設けられている。2つの右蓋部40Rは、右上外フラップ32の先端部の左右方向中央部に設けられている。2つの右蓋部40Rは、全体として、扁平な略五角形状に形成されている。
【0050】
2つの右蓋部40Rは、縦切目線41R、一対の横切目線42R、一対の右蓋用折目線43R、一対の右蓋用切目線44Rとから構成されている。
【0051】
縦切目線41Rは、右上外フラップ32の先端の左右方向中央部から基端に向かって、右上外フラップ32の先端縁に直交して延びている。
【0052】
一対の横切目線42Rは、縦切目線41Rの先端からそれぞれ左右方向に向かって、略V字状に延びている。
【0053】
右蓋用折目線43Rは、隣接する横切目線42Rの先端から横切目線42Rの延長線上に沿って延びている。
【0054】
右蓋用切目線44Rは、隣接する右蓋用折目線43Rの先端から縦切目線41Rに近づく方向に傾斜して、右上外フラップ32の先端まで延びている。
【0055】
すなわち、本実施形態では、2つの右蓋部40Rが左右方向に隣り合って左右対称に設けられている。具体的には、左側の右蓋部40Rは、縦切目線41R、左側の横切目線42R、左側の右蓋用折目線43R及び左側の右蓋用切目線44Rで構成されている。そして、右側の右蓋部40Rは、縦切目線41R、右側の横切目線42R、右側の右蓋用折目線43R及び右側の右蓋用切目線44Rで構成されている。
【0056】
つまり、右蓋用切目線44Rだけでなく、縦切目線41Rと横切目線42Rと接続した鋭角な逆「L」字形状の部分も本発明の「右蓋用切目線」に相当する。このとき、縦切目線41Rは、2本の「右蓋用切目線」を構成するために共有されている。
【0057】
左前内フラップ35は、その先端部の中央右寄りに、左前内フラップ35を先端から基端に向かって切り欠いた左開口部45Lが設けられている。
【0058】
左開口部45Lは、略U字形状であって、より具体的には、扁平な略五角形状の2つの左蓋部40Lを左右半分に切った形状、すなわち右側の左蓋部40Lと近似した形状である。それゆえ、左開口部45Lは、
図2における横幅が縦切目線41Lの長さとほぼ同一であり、奥行が左蓋用折目線43Lの先端から縦切目線41Lまでの距離とほぼと同一である。
【0059】
また、
図2に示すように、左開口部45Lの右端から左前内フラップ35の右端(正確には、左前内フラップ35の基端側の右端の延長線であって、後述する左切欠部50Lを切り欠く前の右端)までの距離は、左上外フラップ31の基端縁から縦切目線41Lの先端までの距離とほぼ同一である。
【0060】
左前内フラップ35は、その隅部に左切欠部50Lが設けられている。左切欠部50Lは、左前内フラップ35の右端縁(
図1における上端縁)の一部を先端から基端に向かってL字形状に切り欠くことで形成されている。左切欠部50Lの奥行は、左開口部45Lの奥行とほぼと同一である。
【0061】
図2における左前内フラップ35の裏面には、包装箱1を組み立てる際に接着剤が塗布されることで左下部接着領域62L及び左上部接着領域63Lが形成される。
【0062】
左下部接着領域62Lは、左前内フラップ35の左側に配置されている。また、左上部接着領域63Lは、左前内フラップ35の左側、具体的には、左開口部45Lと左切欠部50Lとの左右方向の間隙に配置されている。
【0063】
右前内フラップ36は、その先端部の中央右寄りに、右前内フラップ36を先端から基端に向かって切り欠いた右開口部45Rが設けられている。
【0064】
右開口部45Rは、略U字形状であって、より具体的には、扁平な略五角形状の2つの右蓋部40Rを左右半分に切った形状、すなわち左側の右蓋部40Rと近似した形状である。それゆえ、右開口部45Rは、
図2における横幅が縦切目線41Rの長さとほぼ同一であり、奥行が右蓋用折目線43Rの先端から縦切目線41Rまでの距離とほぼと同一である。
【0065】
また、
図2に示すように、右開口部45Rの右端から右前内フラップ36の右端(正確には、右前内フラップ36の基端側の右端の延長線であって、後述する右切欠部50Rを切り欠く前の右端)までの距離は、右上外フラップ32の基端縁から縦切目線41Rの先端までの距離とほぼ同一である。
【0066】
右前内フラップ36は、その隅部に右切欠部50R設けられている。右切欠部50Rは、右前内フラップ36の右端縁(
図1における上端縁)の一部を先端から基端に向かってL字形状に切り欠くことで形成されている。右切欠部50Rの奥行は、右開口部45Rの奥行とほぼと同一である。
【0067】
図2における右前内フラップ36の裏面には、包装箱1を組み立てる際に接着剤が塗布されることで右下部接着領域62R及び右上部接着領域63Rが形成される。
【0068】
右下部接着領域62Rは、右前内フラップ36の左側に配置されている。また、右上部接着領域63Rは、右前内フラップ36の右側、具体的には、右開口部45Rと右切欠部50Rとの間に配置されている。
【0069】
左後内フラップ37は、その先端部の中央左寄りに、左後内フラップ37を先端から基端に向かって切り欠いた左開口部45Lが設けられている。
【0070】
左開口部45Lは、略U字形状であって、より具体的には、扁平な略五角形状の2つの左蓋部40Lを左右半分に切った形状、すなわち左側の左蓋部40Lと近似した形状である。それゆえ、左開口部45Lは、
図2における横幅が縦切目線41Lの長さとほぼ同一であり、奥行が左蓋用折目線43Lの先端から縦切目線41Lまでの距離とほぼと同一である。
【0071】
また、
図2に示すように、左開口部45Lの左端から左後内フラップ37の左端(正確には、左後内フラップ37の基端側の左端の延長線であって、後述する左切欠部50Lを切り欠く前の左端)までの距離は、左上外フラップ31の基端縁から縦切目線41Lの先端までの距離とほぼ同一である。
【0072】
左後内フラップ37は、その隅部に左切欠部50L設けられている。左切欠部50Lは、左後内フラップ37の左端縁(
図1における上端縁)の一部を先端から基端に向かってL字形状に切り欠くことで形成されている。左切欠部50Lの奥行は、左開口部45Lの奥行とほぼと同一である。
【0073】
図2における左後内フラップ37の裏面には、包装箱1を組み立てる際に接着剤が塗布されることで左下部接着領域62L及び左上部接着領域63Lが形成される。
【0074】
左下部接着領域62Lは、左後内フラップ37の右側に配置されている。また、左上部接着領域63Lは、左後内フラップ37の左側、具体的には、左開口部45Lと左切欠部50Lとの間に配置されている。
【0075】
右後内フラップ38は、その先端部の中央左寄りに、右後内フラップ38を先端から基端に向かって切り欠いた右開口部45Rが設けられている。
【0076】
右開口部45Rは、略U字形状であって、より具体的には、扁平な略五角形状の2つの右蓋部40Rを左右半分に切った形状、すなわち右側の右蓋部40Rと近似した形状である。それゆえ、右開口部45Rは、
図2における横幅が縦切目線41Rの長さとほぼ同一であり、奥行が右蓋用折目線43Rの先端から縦切目線41Rまでの距離とほぼと同一である。
【0077】
また、
図2に示すように、右開口部45Rの左端から右後内フラップ38の左端(正確には、右後内フラップ38の基端側の左端の延長線であって、後述する右切欠部50Rを切り欠く前の左端)までの距離は、右上外フラップ32の基端縁から縦切目線41Rの先端までの距離とほぼ同一である。
【0078】
右後内フラップ38は、その隅部に右切欠部50R設けられている。右切欠部50Rは、右後内フラップ38の左端縁(
図1における上端縁)の一部を先端から基端に向かってL字形状に切り欠くことで形成されている。右切欠部50Rの奥行は、右開口部45Rの奥行とほぼと同一である。
【0079】
図2における右後内フラップ38の裏面には、包装箱1を組み立てる際に接着剤が塗布されることで右下部接着領域62R及び右上部接着領域63Rが形成される。
【0080】
右下部接着領域62Rは、右後内フラップ38の右側に配置されている。また、右上部接着領域63Rは、右後内フラップ38の左側、具体的には、右開口部45Rと右切欠部50Rとの間に配置されている。
【0081】
次に、以上の
図2に示す段ボール板紙10から、
図1に示す包装箱1を組み立てる手順について説明する。
【0082】
まず、作業者によって、段ボール板紙10が例えば台(図示せず)に載置され、複数のボトル(図示せず)が底板22上に整列させた状態で載置される。
【0083】
次いで、底板22の前側に配置されている前側板23が胴部折目線aで折り曲げられ、底板22の後側に配置されている後側板24が胴部折目線aで折り曲げられる。これにより、前側板23と後側板24を底板22に対して起立させる。
【0084】
次いで、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38が、胴部2の内方に向かって、前側板23及び後側板24に対し直角に折り曲げられる。
【0085】
このとき、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38の基端縁から先端縁までの長さ(
図2の上下方向の長さ)は、天板21及び底板22の幅の半分とほぼ同一の長さに形成されているため、左前内フラップ35及び左後内フラップ37(同様に、右前内フラップ36及び右後内フラップ38)の先端縁は突き合わされる。
【0086】
次いで、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38の外面下部(左下部接着領域62L及び右下部接着領域62R)に接着剤が塗布され、左下外フラップ33及び右下外フラップ34が上方に折り曲げられる。
【0087】
これにより、左下外フラップ33の内面が、接着剤を介して左前内フラップ35及び左後内フラップ37の外面に固定され、右下外フラップ34の内面が、接着剤を介して右前内フラップ36及び右後内フラップ38の外面に固定される。
【0088】
次いで、後側板24の上側に配置されている接着片25が胴部折目線aで底板22と平行に折り曲げられる。次いで、接着片25の外面の接着領域61に接着剤が塗布され、前側板23の上側に配置されている天板21が胴部折目線aで底板22と平行に折り曲げられる。
【0089】
これにより、天板21の内面が、接着剤を介して接着片25の外面に固定される。これにより、胴部2が組み立てられる。
【0090】
次いで、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38の外面上部(左上部接着領域63L及び右上部接着領域63R)に接着剤が塗布され、左上外フラップ31及び右上外フラップ32が下方に折り曲げられる。
【0091】
これにより、左上外フラップ31の内面が、接着剤を介して左前内フラップ35及び左後内フラップ37の外面に固定され、胴部2の左側の開放端が閉塞され、左閉塞部3Lが形成される。同様に、右上外フラップ32の内面が、接着剤を介して右前内フラップ36及び右後内フラップ38の外面に固定され、胴部2の右側の開放端が閉塞され、右閉塞部3Rが形成される。
【0092】
またこのとき、左上外フラップ31に設けられた2つの左蓋部40Lと、左前内フラップ35に設けられた左開口部45L及び左後内フラップ37に設けられた左開口部45Lとは、高さ、幅、及び、天板21からの距離がいずれもほぼ同一であり、かつ、ともに近似した扁平な略五角形状であるため、左前内フラップ35に設けられた左開口部45L及び左後内フラップ37に設けられた左開口部45Lの外側に左上外フラップ31に設けられた2つの左蓋部40Lがほぼ重複して重ねられる。
【0093】
以上により、ボトルを収容した包装箱1の組み立てが終了し、
図1に示す状態の包装箱1が完成する。
【0094】
次に、本実施形態の包装箱1の作用・効果について説明する。
【0095】
本実施形態の包装箱1では、例えば、左上部接着領域63Lは、左手穴部4Lよりも上方に設けられている。
【0096】
そのため、応力が集中する左上外フラップ31の基端縁及び左前内フラップ35及び左後内フラップ37に対して、その3つのフラップの上端縁と接着剤にて固定されている位置とに挟まれる領域の外側に周辺が座屈しやすい左手穴部4Lが配置されることになる。これにより、左手穴部4Lの周辺が座屈しにくくなる(右上部接着領域63Rも同様。)。
【0097】
本実施形態の包装箱1では、他の包装箱1が上に積み重ねられたとき、例えば、天板21を介して左前内フラップ35及び左後内フラップ37の上端縁がこの重量を受ける際に、左手穴部4Lの上方の左前内フラップ35及び左後内フラップ37の上端縁は左切欠部50Lによって切り欠かれている。そのため、左前内フラップ35及び左後内フラップ37の左開口部45Lが形成されている位置に対して荷重を伝達されにくい(右前内フラップ36及び右後内フラップ38も同様)。
【0098】
その結果、左開口部45Lの周囲(特に、横隣り)に対してその分の荷重を伝達させることもないので、左前内フラップ35及び左後内フラップ37の左開口部45Lの周辺が座屈しにくくなる(右開口部45Rも同様。)。
【0099】
また、左切欠部50Lの幅は、左開口部45Lの幅とほぼと同一であるため、左開口部45Lの真上にあるべき左前内フラップ35及び左後内フラップ37の上端縁はすべて左切欠部50Lによって切り欠かれている(右切欠部50Rも同様。)。
【0100】
このため、上に積み重ねられた包装箱1からの荷重が左前内フラップ35及び左後内フラップ37の左開口部45Lが形成されている位置にほとんど伝達されない。これにより、左前内フラップ35及び左後内フラップ37の左開口部45Lの周辺をより座屈しにくくすることができる(右開口部45Rも同様。)。
【0101】
本実施形態の包装箱1では、例えば、左前内フラップ35に設けられた左開口部45Lは、単なるU字形状ではなく、扁平な略五角形状の2つの左蓋部40Lを左右半分に切った形状になっている(右開口部45Rも同様。)。
【0102】
つまり、左開口部45Lの上端縁側が左前内フラップ35の先端から基端に向かって、左前内フラップ35の上端縁から離れる方向に傾斜しているため、一般的なU字形状に切り欠かれるよりも、左前内フラップ35の上端縁と左開口部45Lの上端縁とに挟まれる部分(切り欠かれていない残部)を左前内フラップ35の基端に向かうにつれて幅広とすることができる(右開口部45Rも同様。)。
【0103】
したがって、他の包装箱1が上に積み重ねられた場合に、左開口部45Lの周辺に対して左開口部45Lの分の荷重がかかったとしても、左前内フラップ35を座屈しにくくすることができる(右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38も同様。)。
【0104】
本実施形態の包装箱1では、例えば、左前内フラップ35に設けられた左開口部45L及び左後内フラップ37に設けられた左開口部45Lの外側に左上外フラップ31に設けられた2つの左蓋部40Lが重ねられているため、2つの左開口部45Lを通じて包装箱1の内部に異物が入り込むことを防止できる(右開口部45Rも同様。)。
【0105】
また、左蓋部40Lは、左開口部45L及び左開口部45Lの外側でほぼ重複しており、包装箱1の内方に押し込むことで左手穴部4Lとして容易に開口できる。これにより、包装箱1は左手穴部4Lを有するため、持ち運びやすい(右蓋部40Rも同様)。
【0106】
また、左蓋部40Lは、左蓋用切目線41L、42L及び44Lに挟まれた領域が、左上外フラップ31の先端縁の一部も含めて、左蓋用折目線43Lで包装箱1の内方に折り返される。つまり、本実施形態の包装箱1では、左上外フラップ31のできるだけ先端寄りに左蓋部40Lを設けているため、左蓋部40Lよりも左上外フラップ31の基端側に配置される必要のある左上部接着領域63Lも比較的左上外フラップ31の先端側に配置することができる。よって、包装箱1によれば、左上外フラップ31の先端部付近が包装箱1の外方に捲れ上がりにくくなる(右蓋部40Rも同様。)。
【0107】
以上説明した作用・効果により、本実施形態の包装箱1によれば、ケースの外観を低下しにくくすることができる。
【0108】
次に、本実施形態の変形例にかかる包装箱1について説明する。なお、以下では、左側の左閉塞部3L、左上外フラップ31、左前内フラップ35、左手穴部4Lなどを例に説明するが、これに対応する右側のフラップ、右閉塞部3Rについても同様の変形例とすることができる。
【0109】
上記本実施形態では、材質として段ボール板紙10を例に説明したが、材質は、折り曲げて組み立て可能であれば、ボール紙又は薄い合成樹脂板であってもよい。
【0110】
上記本実施形態では、包装箱1は、背の高いボトルが収容されることを想定しているため、閉塞部3において横幅よりも高さが大きいものを例に説明したが、背の低いボトルや飲料缶などを収容するために、閉塞部の横幅よりも高さが小さいものであってもよい。
【0111】
上記本実施形態では、
図2に示すように、左上外フラップ31、右上外フラップ32、左下外フラップ33、右下外フラップ34、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38の基端縁から先端縁までの長さ(
図2の上下方向の長さ)は、すべてほぼ同一であるものを例に説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、各内フラップよりも各外フラップのほうが長くてもよく、逆に各内フラップよりも各外フラップのほうが短くてもよく、上外フラップと下外フラップとの長さが異なっていてもよく、ひいてはすべてのフラップの長さが異なっていてもよい。
【0112】
上記本実施形態では、
図2に示すように、左前内フラップ35、右前内フラップ36、左後内フラップ37及び右後内フラップ38は、その基端縁から先端縁までの長さ(
図2の上下方向の長さ)は、天板21及び底板22の幅の半分とほぼ同一の長さに形成されることで、例えば、左前内フラップ35の先端縁と左後内フラップ37の先端縁とが突き合わされるものを例に説明したが、当該基端縁から先端縁までの長さが天板21及び底板22の幅の半分より短いショートフラップでもよく、天板21及び底板22の幅の半分より長いオーバーフラップでもよい。
【0113】
上記本実施形態では、左手穴部4Lは、左前内フラップ35、左後内フラップ37及び左上外フラップ31を貫通するものとして説明したが、本発明はこれに限られない。
【0114】
すなわち、左手穴部4Lは、上述したとおり、内フラップがショートフラップのときに左上外フラップ31のみを貫通して設けるものであってもよく、左上外フラップ31が外側で重ねられている左前内フラップ35及び左後内フラップ37の少なくとも一方と、左上外フラップ31とをあわせて貫通して設けてもよい。
【0115】
そのため、左閉塞部3Lに左手穴部4Lを1つ設けたものを例に説明したが、左前内フラップ35と左上外フラップ31とを貫通する1つ目の左手穴部4Lと、左後内フラップ37と左上外フラップ31とを貫通する2つ目の左手穴部4Lとを設けるようにするなどして、左閉塞部3Lに左手穴部4Lを2つ以上設けてもよい(右手穴部4Rも同様)。
【0116】
上記本実施形態では、左手穴部4Lは、左上外フラップ31と、これが重ねられている左前内フラップ35及び左後内フラップ37とに亘って、それぞれ扁平な略五角形状に形成されているものを例に説明したが、左手穴部4Lの形状はこれに限られず、一般的な角丸四角形状、四角形状などの他の多角形状、あるいは円形状であってもよく、蓋部や開口部は、この形状の選択に応じた形状にすればよい。
【0117】
また、上記本実施形態では、1つの左手穴部4Lを2つの左蓋部40Lで塞ぐものを例に説明したが、蓋部の数に限定はなく、例えば、一般的な角丸四角形状の左手穴部4Lを角丸四角形状の1つの蓋部で塞いでもよい。もっとも、左蓋部40Lは、省略可能であり、左手穴部4Lは開口したままであってもよい。
【0118】
上記本実施形態では、左手穴部4Lは、左上外フラップ31の先端部の左右方向中央部に設けられているものを例に説明したが、左蓋部40Lの位置はこれに限られず、例えば、左上外フラップ31の中央部に設けてもよく、上述のように2つ以上設ける場合には左上外フラップ31の左右両側に設けてもよい。
【0119】
左切欠部50Lは、左前内フラップ35の上端縁の一部を切り欠くことで形成されているものを例に説明したが、左前内フラップ35の上端縁の全部を切り欠くことで形成されているものでもよい。
【0120】
また、左切欠部50Lは、左前内フラップ35の上端縁を先端から基端に向かって切り欠くことで形成されているものを例に説明したが、左前内フラップ35の上端縁の前後方向中間部を切り欠くことで形成されているものでもよい。
【0121】
また、左切欠部50Lは、左前内フラップ35の上端縁をL字形状に切り欠くことで形成されているものを例に説明したが、「コ」の字形状、半円形状に切り欠くことで形成されているものでもよい。
【0122】
上記本実施形態では、左上部接着領域63Lの下端が左手穴部4Lの上端よりも上方に設けられているものを例に説明したが、本発明はこれに限られない。すなわち、左上部接着領域63Lは、その上端が左手穴部4Lの上端よりも上方に設けられていればよいので、その下端が左手穴部4Lの上端よりも下方に設けられていてもよい。
【0123】
なお、上記本実施形態では、固定する手段として接着材を例に説明したが、固定する手段は、両面粘着テープであってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…包装箱
10…段ボール板紙
21…天板
22…底板
23…前側板
24…後側板
25…接続片
31…左上外フラップ
32…右上外フラップ
33…左下外フラップ
34…右下外フラップ
35…左前内フラップ
36…右前内フラップ
37…左後内フラップ
38…右後内フラップ
4…手穴部
4L…左手穴部
4R…右手穴部
40L…左蓋部
40R…右蓋部
41L…縦切目線(左蓋用切目線)
41R…縦切目線(右蓋用切目線)
42L…横切目線(左蓋用切目線)
42R…横切目線(右蓋用切目線)
43L…左蓋用折目線
43R…右蓋用折目線
44L…左蓋用切目線
44R…右蓋用切目線
45L…左開口部
45R…右開口部
50L…左切欠部
50R…右切欠部
a…胴部折目線
b1…上外フラップ折目線
b2…下外フラップ折目線
c1…前内フラップ折目線
c2…後内フラップ折目線
61…接続部接着領域
62L…左下部接着領域
62R…右下部接着領域
63L…左上部接着領域
63R…右上部接着領域