(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181914
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】サーマルプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/345 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
B41J2/345 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095311
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 吾郎
【テーマコード(参考)】
2C065
【Fターム(参考)】
2C065GA01
2C065GB01
2C065KB02
2C065KB06
2C065KB07
2C065KB13
(57)【要約】
【課題】 大型化を回避しつつ共通配線の低抵抗化を図ることが可能なサーマルプリントヘッドを提供すること。
【解決手段】 基板1と、基板1の主面10側に支持され、且つ主走査方向xに配列された複数の発熱部31を含む抵抗体層3と、基板1の主面10側に支持され、且つ複数の発熱部31に導通する主面配線層4と、基板1の裏面13側に支持され、且つ複数の発熱部31に導通する裏面配線層5と、を備え、主面配線層4は、複数の発熱部31に対して副走査方向yのy1側に位置し且つ複数の発熱部31に個別に導通する複数の個別配線42と、複数の発熱部31に対して副走査方向yのy2側に位置し且つ複数の発熱部31に導通する共通配線41と、を含み、基板1は、複数の発熱部31に対して副走査方向yのy2側に位置し且つ厚さ方向zに貫通する第1貫通部15を有し、主面配線層4の共通配線41と裏面配線層6とは、第1貫通部15を通して導通している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板と、
前記基板の前記主面側に支持され、且つ主走査方向に配列された複数の発熱部を含む抵抗体層と、
前記基板の前記主面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する主面配線層と、
前記基板の前記裏面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する裏面配線層と、を備え、
前記主面配線層は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の一方側に位置し且つ前記複数の発熱部に個別に導通する複数の個別配線と、前記複数の発熱部に対して副走査方向の他方側に位置し且つ前記複数の発熱部に導通する共通配線と、を含み、
前記基板は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記他方側に位置し且つ厚さ方向に貫通する第1貫通部を有し、
前記主面配線層の前記共通配線と前記裏面配線層とは、前記第1貫通部を通して導通している、サーマルプリントヘッド。
【請求項2】
前記基板は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記一方側に位置し且つ厚さ方向に貫通する第2貫通部を有し、
前記主面配線層は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記一方側に位置する共通接続部をさらに含み、
前記主面配線層の前記共通接続部と前記裏面配線層とは、前記第2貫通部を通して導通している、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項3】
前記第1貫通部は、前記裏面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面側から前記主面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第1部を含む、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項4】
前記第2貫通部は、前記裏面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面側から前記主面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第2部を含む、請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項5】
前記第1貫通部は、前記主面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面側から前記裏面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第3部を含む、請求項4に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項6】
前記第2貫通部は、前記主面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面側から前記裏面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第4部を含む、請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項7】
前記第1部が、前記主面に繋がっている、請求項4に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項8】
前記第2部が、前記主面に繋がっている、請求項7に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項9】
前記基板の前記主面側に支持された主面絶縁層と、
前記基板の前記裏面側に支持された裏面絶縁層と、をさらに備え、
前記主面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる第1貫通孔を有し、
前記裏面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる第2貫通孔を有する、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項10】
前記主面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第2貫通部に重なる第3貫通孔を有し、
前記裏面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第2貫通部に重なる第4貫通孔を有する、請求項9に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項11】
前記主面配線層は、前記第1貫通部に進入する第1進入部を有する、請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項12】
前記主面配線層は、前記第2貫通部に進入する第2進入部を有する、請求項11に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項13】
前記裏面配線層は、前記第1貫通部に進入する第3進入部を有する、請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項14】
前記裏面配線層は、前記第2貫通部に進入する第4進入部を有する、請求項13に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項15】
前記基板の前記裏面側に支持された裏面保護層をさらに備え、
前記裏面保護層は、前記第1貫通部を埋める第1充填部を含む、請求項1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項16】
前記基板を支持する支持面を有する放熱部材をさらに備え
放熱板は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる溝部を有する、請求項1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項17】
請求項1に記載のサーマルプリントヘッドを備える、サーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーマルプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーマルプリントヘッドの一例が開示されている。当該サーマルプリントヘッドは、単結晶半導体からなる基板、当該基板の上に配置された抵抗体層、および当該抵抗体層の上に設けられた配線層を備える。配線層に電流が流れると、抵抗体層の複数の発熱部が発熱する。これにより、感熱紙などの記録媒体に印字がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配線層は、複数の発熱部に導通する共通配線を含む。共通配線は、副走査方向において複数の共通配線を超える導通経路を含む。このような導通経路の低抵抗化を図るべく大面積化を採用すると、サーマルプリントヘッド全体の大型化を招来してしまう。
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、大型化を回避しつつ共通配線の低抵抗化を図ることが可能なサーマルプリントヘッドを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供されるサーマルプリントヘッドは、厚さ方向において、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板と、前記基板の前記主面側に支持され、且つ主走査方向に配列された複数の発熱部を含む抵抗体層と、前記基板の前記主面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する主面配線層と、前記基板の前記裏面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する裏面配線層と、を備え、前記主面配線層は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の一方側に位置し且つ前記複数の発熱部に個別に導通する複数の個別配線と、前記複数の発熱部に対して副走査方向の他方側に位置し且つ前記複数の発熱部に導通する共通配線と、を含み、前記基板は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記他方側に位置し且つ厚さ方向に貫通する第1貫通部を有し、前記主面配線層の前記共通配線と前記裏面配線層とは、前記第1貫通部を通して導通している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、大型化を回避しつつ共通配線の低抵抗化を図ることが可能なサーマルプリントヘッドを提供することができる。
【0008】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの要部平面図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの要部拡大平面図である。
【
図7】
図7は、
図1のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図1のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図11】
図11は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図12】
図12は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図13】
図13は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図14】
図14は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図15】
図15は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図16】
図16は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図17】
図17は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図18】
図18は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図19】
図19は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例を示す要部断面図である。
【
図20】
図20は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの第1変形例を示す要部断面図である。
【
図21】
図21は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部断面図である。
【
図22】
図22は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部断面図である。
【
図23】
図23は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。
【
図24】
図24は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示において「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。
【0013】
図1~
図8に基づき、本発明の第1実施形態にかかるサーマルプリントヘッドについて説明する。本実施形態のサーマルプリントヘッドA10は、後述するサーマルプリンタB10の主要部をなす。サーマルプリントヘッドA10は、要部および付随部により構成される。サーマルプリントヘッドA10の要部は、基板1、主面絶縁層2、抵抗体層3、主面配線層4、主面保護層5、裏面絶縁層6、裏面配線層7および裏面保護層8を備える。サーマルプリントヘッドA10の付随部は、配線基板701、放熱部材9、複数の駆動素子703、複数の第1ワイヤ704、複数の第2ワイヤ705、封止樹脂706およびコネクタ707を備える。ここで、
図1においては、主面保護層5、複数の第1ワイヤ704、複数の第2ワイヤ705、および封止樹脂706の図示を省略している。
図2および
図3においては、主面保護層5の図示を省略している。
【0014】
これらの図において、本開示の厚さ方向を厚さ方向zと定義する。厚さ方向zの一方側をz1側、他方側をz2側と称する。また、厚さ方向zと直交する一方向を主走査方向xと定義する。主走査方向xの一方側をx1側、他方側をx2側と称する場合がある。また、厚さ方向zおよび主走査方向xと直交する方向を副走査方向yと定義する。副走査方向yの一方側をy1側、他方側をy2側と称する。
【0015】
基板1は、
図4に示すように、サーマルプリントヘッドA10の要部をなす。サーマルプリントヘッドA10においては、基板1は、放熱部材9の支持面91に支持されている。配線基板701は、副走査方向yにおいて基板1のy1側に位置する。配線基板701は、基板1と同じく放熱部材9に固定されている。基板1の上には、抵抗体層3の一部をなし、かつ主走査方向xに配列された複数の発熱部31(詳細は後述)が形成されている。複数の発熱部31は、配線基板701に搭載された複数の駆動素子703により選択的に発熱する。複数の駆動素子703は、コネクタ707を介して外部から送信される印字信号にしたがって駆動する。
【0016】
さらに、本発明にかかるサーマルプリンタB10は、
図4に示すように、サーマルプリントヘッドA10と、プラテンローラ79とを備える。サーマルプリンタB10において、プラテンローラ79は、感熱紙などの記録媒体を送り出すローラ状の機構である。プラテンローラ79が記録媒体を複数の発熱部31に押し当てることにより、当該複数の発熱部31が当該記録媒体に印字を行う。サーマルプリンタB10においては、プラテンローラ79に代えて、ローラ状ではない機構を採用できる。当該機構は、平坦な面を有する。ここで、平坦な面には、小さい曲率を有する曲面が含まれる。サーマルプリンタB10においては、プラテンローラ79のようなローラ状の機構と、当該機構とを含めて「プラテン」と呼ぶ。
【0017】
基板1は、
図1に示すように、厚さ方向zに視て主走査方向xに延びる帯状である。基板1は、半導体材料を含む。当該半導体材料は、ケイ素(Si)を組成とする単結晶材料を含む。本実施形態の基板1は、ケイ素(Si)を主成分とする。
【0018】
図5~
図8に示すように、基板1は、主面10および裏面13を有する。基板1の結晶構造に基づく主面10および裏面13の面方位は、ともに(100)面である。主面10は、厚さ方向zのz1側を向く。裏面13は、厚さ方向zのz2側を向く。
図4に示すように、サーマルプリントヘッドA10においては、主面10が示すプラテンローラ79に対向し、かつ裏面13が放熱部材9に対向する。基板1は、凸部12、第1貫通部15および第2貫通部16を有する。
【0019】
凸部12は、主面10から厚さ方向zに膨出している。凸部12は、主走査方向xに沿って延びている。
図5~
図7に示すように、凸部12は、頂面121、および一対の傾斜面122を有する。頂面121は、厚さ方向zにおいて主面10から離れて位置し、かつ主面10に対して平行である。一対の傾斜面122は、副走査方向yにおいて互いに離れて位置する。一対の傾斜面122は、頂面121および主面10につながっている。一対の傾斜面122は、主面10から頂面121にかけて互いに近づくように主面10に対して傾斜している。主面10に対する一対の傾斜面122の各々の傾斜角は、ともに同一であり、たとえば54.7°である。
【0020】
第1貫通部15は、凸部12(および後述の複数の発熱部31)に対して副走査方向yのy2側に位置している。第1貫通部15は、基板1を厚さ方向zに貫通しており、主面10および裏面13に繋がっている。
【0021】
第1貫通部15の個数および具体的な大きさおよび配置は、何ら限定されない。
図1に示す例においては、基板1は、複数の第1貫通部15を有する。複数の第1貫通部15は、主走査方向xに互いに離隔して配置されている。これらの第1貫通部15の個数は、複数の発熱部31の個数よりも少ない。本例とは異なり、厚さ方向zに視て主走査方向xに長く延びた形状(いわゆるスリット形状)の第1貫通部15が設けられていてもよい。
【0022】
図5~
図7に示すように、本実施形態の第1貫通部15は、第1部151および第3部152を含む。
【0023】
第1部151は、裏面13に繋がっており、裏面13に開口する部分である。第1部151は、厚さ方向zにおいて裏面13側(z2側)から主面10側(z1側)に向かうほど、厚さ方向zと直交する断面(主走査方向xおよび副走査方向yに沿う断面)の大きさが小さくなる形状である。第1部151の内面の裏面13に対する傾斜角は、たとえば54.7°である。第1部151は、厚さ方向zに視てたとえば矩形状であり、全体として四角錐形状である。第1部151の裏面13における開口の形状は、たとえば矩形状である。第1部151の厚さ方向zの大きさは、たとえば基板1の厚さ方向zの厚さの半分以上である。
【0024】
第3部152は、主面10および第1部151に繋がっており、主面10に開口する部分である。第3部152は、厚さ方向zにおいて主面10側(z1側)から裏面13側(z2側)に向かうほど、厚さ方向zと直交する断面(主走査方向xおよび副走査方向yに沿う断面)の大きさが小さくなる形状である。第3部152の内面の主面10に対する傾斜角は、たとえば54.7°である。第3部152は、厚さ方向zに視てたとえば矩形状であり、全体として四角錐形状である。第3部152の主面10における開口の形状は、たとえば矩形状である。第3部152の厚さ方向zの大きさは、たとえば基板1の厚さ方向zの厚さの半分以下であり、第1部151の厚さ方向zの大きさよりも小さい。また、第3部152の主面10における開口の大きさは、第1部151の裏面13における開口の大きさよりも小さい。
【0025】
第2貫通部16は、凸部12(および後述の複数の発熱部31)に対して副走査方向yのy1側に位置している。第2貫通部16は、基板1を厚さ方向zに貫通しており、主面10および裏面13に繋がっている。
【0026】
第2貫通部16の個数および具体的な大きさおよび配置は、何ら限定されない。
図1に示す例においては、基板1は、複数の第2貫通部16を有する。複数の第2貫通部16は、主走査方向xに互いに離隔して配置されている。第2貫通部16は、主走査方向xにおいて個別配線42の間に配置されている。これらの第2貫通部16の個数は、複数の発熱部31の個数よりも少なく、本例においては、複数の第1貫通部15よりも少ない。本例とは異なり、厚さ方向zに視て主走査方向xに長く延びた形状(いわゆるスリット形状)の第2貫通部16が設けられていてもよい。
【0027】
図6および
図8に示すように、本実施形態の第2貫通部16は、第2部161および第4部162を含む。
【0028】
第2部161は、裏面13に繋がっており、裏面13に開口する部分である。第2部161は、厚さ方向zにおいて裏面13側(z2側)から主面10側(z1側)に向かうほど、厚さ方向zと直交する断面(主走査方向xおよび副走査方向yに沿う断面)の大きさが小さくなる形状である。第2部161の内面の裏面13に対する傾斜角は、たとえば54.7°である。第2部161は、厚さ方向zに視てたとえば矩形状であり、全体として四角錐形状である。第2部161の裏面13における開口の形状は、たとえば矩形状である。第2部161の厚さ方向zの大きさは、たとえば基板1の厚さ方向zの厚さの半分以上である。また、本実施形態においては、第2部161と第1部151は、ほぼ同じ大きさである。
【0029】
第4部162は、主面10および第2部161に繋がっており、主面10に開口する部分である。第4部162は、厚さ方向zにおいて主面10側(z1側)から裏面13側(z2側)に向かうほど、厚さ方向zと直交する断面(主走査方向xおよび副走査方向yに沿う断面)の大きさが小さくなる形状である。第4部162の内面の主面10に対する傾斜角は、たとえば54.7°である。第4部162は、厚さ方向zに視てたとえば矩形状であり、全体として四角錐形状である。第4部162の主面10における開口の形状は、たとえば矩形状である。第4部162の厚さ方向zの大きさは、たとえば基板1の厚さ方向zの厚さの半分以下であり、第2部161の厚さ方向zの大きさよりも小さい。また、第4部162の主面10における開口の大きさは、第2部161の裏面13における開口の大きさよりも小さい。本実施形態においては、第4部162と第3部152は、ほぼ同じ大きさである。
【0030】
主面絶縁層2は、
図5~
図8に示すように、基板1を主面10側から覆っている。主面絶縁層2により、基板1は、抵抗体層3および主面配線層4に対して電気絶縁されている。主面絶縁層2は、たとえば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を原材料とした二酸化ケイ素(SiO
2)からなる。主面絶縁層2の厚さの例は、1μm以上15μm以下である。
【0031】
本実施形態の主面絶縁層2は、主面部20、凹状部21、凹状部22および凸状部23を含む。主面部20は、基板1の主面10を覆う部位であり、主走査方向xおよび副走査方向yに沿った平坦な形状である。凹状部21は、基板1の第3部152を覆う部位であり、厚さ方向zのz2側に凹んだ形状である。凹状部22は、基板1の第4部162を覆う部位であり、厚さ方向zのz2側に凹んだ形状である。凸状部23は、基板1の凸部12を覆う部位であり、厚さ方向zのz1側に凸状の形状である。
【0032】
図7に示すように、主面絶縁層2の凹状部21には第1貫通孔24が形成されている。第1貫通孔24は、凹状部21を厚さ方向zに貫通した部位である。第1貫通孔24は、厚さ方向zに視て第3部152(第1貫通部15)に重なり、さらに、厚さ方向zに視て第3部152と第1部151との境界に囲まれている。
【0033】
図8に示すように、主面絶縁層2の凹状部22には第3貫通孔25が形成されている。第3貫通孔25は、凹状部22を厚さ方向zに貫通した部位である。第3貫通孔25は、厚さ方向zに視て第4部162(第2貫通部16)に重なり、さらに、厚さ方向zに視て第4部162と第2部161との境界に囲まれている。
【0034】
裏面絶縁層6は、
図5~
図8に示すように、基板1を裏面13側から覆っている。裏面絶縁層6により、基板1は、裏面配線層7に対して電気絶縁されている。裏面絶縁層6は、たとえば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を原材料とした二酸化ケイ素(SiO
2)からなる。裏面絶縁層6の厚さの例は、1μm以上15μm以下である。
【0035】
本実施形態の裏面絶縁層6は、裏面部60、凹状部61および凹状部62を含む。裏面部60は、基板1の裏面13を覆う部位であり、主走査方向xおよび副走査方向yに沿った平坦な形状である。凹状部61は、基板1の第1部151を覆う部位であり、厚さ方向zのz1側に凹んだ形状である。凹状部62は、基板1の第2部161を覆う部位であり、厚さ方向zのz1側に凹んだ形状である。
【0036】
図7に示すように、裏面絶縁層6の凹状部61には第2貫通孔63が形成されている。第2貫通孔63は、凹状部61を厚さ方向zに貫通した部位である。第2貫通孔63は、厚さ方向zに視て第1部151(第1貫通部15)に重なり、さらに、厚さ方向zに視て第1部151と第3部152との境界に囲まれている。
【0037】
図8に示すように、裏面絶縁層6の凹状部62には第4貫通孔64が形成されている。第4貫通孔64は、凹状部62を厚さ方向zに貫通した部位である。第4貫通孔64は、厚さ方向zに視て第2部161(第2貫通部16)に重なり、さらに、厚さ方向zに視て第2部161と第4部162との境界に囲まれている。
【0038】
抵抗体層3は、
図5~
図8に示すように、基板1の主面10の上に形成されている。抵抗体層3は、主面絶縁層2に接している。これにより、サーマルプリントヘッドA10において、抵抗体層3は、主面絶縁層2によって基板1と絶縁されている。抵抗体層3は、たとえば窒化タンタル(TaN)からなる。抵抗体層3の厚さの例は、0.02μm以上0.1μm以下である。
【0039】
図2、
図3および
図7に示すように、抵抗体層3は、複数の発熱部31を含む。抵抗体層3において、複数の発熱部31は、主面配線層4から露出する部分である。複数の発熱部31に対して主面配線層4から選択的に通電されることによって、複数の発熱部31は、個別に発熱し、記録媒体を局所的に加熱する。複数の発熱部31は、主走査方向xに配列されている。複数の発熱部31のうち、主走査方向xにおいて隣り合う2つの発熱部31は、互いに離れて位置する。基板1の凸部12において、複数の発熱部31は、頂面121に形成されている。
図4に示すように、サーマルプリンタB10において、複数の発熱部31は、プラテンローラ79に対向している。凸部12において、複数の発熱部31は、頂面121と、一対の傾斜面122とのいずれかとを跨いで形成されてもよい。
【0040】
図7および
図8に示すように、本実施形態の抵抗体層3は、進入部38および進入部39を有する。進入部38は、主面絶縁層2の第1貫通孔24および裏面絶縁層6の第2貫通孔63に進入する部位である。進入部39は、主面絶縁層2の第3貫通孔25および裏面絶縁層6の第4貫通孔64に進入する部位である。
【0041】
主面配線層4は、
図5~
図8に示すように、抵抗体層3の上に形成されている。主面配線層4は、抵抗体層3の複数の発熱部31に通電するための導電経路をなしている。主面配線層4の電気抵抗率は、抵抗体層3の電気抵抗率よりも小である。主面配線層4は、たとえば銅(Cu)からなる金属層である。主面配線層4の厚さの例は、0.3μm以上2.0μm以下である。この他、主面配線層4は、抵抗体層3の上に積層されたチタン(Ti)層と、当該チタン層の上に積層された銅層との2つの金属層からなる構成でもよい。この場合のチタン層の厚さの例は、0.1μm以上0.2μm以下である。
【0042】
図2に示すように、主面配線層4は、共通配線41、および複数の個別配線42を含む。共通配線41は、抵抗体層3の複数の発熱部31に対して副走査方向yの一方側に位置する。複数の個別配線42は、複数の発熱部31に対して副走査方向yの他方側に位置する。
図3に示すように、厚さ方向zに視て、共通配線41と複数の個別配線42とに挟まれた抵抗体層3の複数の領域が、複数の発熱部31である。
【0043】
図2および
図3に示すように、共通配線41は、基部411、および複数の延出部412を有する。副走査方向yにおいて、基部411は、抵抗体層3の複数の発熱部31から最も離れて位置する。基部411は、厚さ方向zに視て主走査方向xに延びる帯状である。複数の延出部412は、基部411の副走査方向yにおけるy1側の端部から、複数の発熱部31に向けてy1側に延びる帯状である。複数の延出部412は、主走査方向xに沿って配列されている。複数の延出部412の各々の一部は、基板1の一対の傾斜面122のうち、副走査方向yのy2側に位置する傾斜面122の上に形成されている。したがって、共通配線41の一部は、一対の傾斜面122のいずれかの上に形成されている。共通配線41においては、基部411から複数の延出部412を介して複数の発熱部31に電流が流れる。
【0044】
図2および
図3に示すように、複数の個別配線42の各々は、基部421および延出部422を有する。副走査方向yにおいて、基部421は、y1側に位置する。複数の個別配線42の基部421は、主走査方向xに対して千鳥配置となるように配列されている。延出部422は、基部421の副走査方向yのy2側の端部から、複数の発熱部31に向けて副走査方向yのy2側に延びる帯状である。複数の個別配線42の延出部422は、主走査方向xに沿って配列されている。複数の個別配線42の各々の延出部422は、基板1の一対の傾斜面122のうち、副走査方向yのy1側に位置する傾斜面122の上に形成されている。したがって、複数の個別配線42の各々の一部は、一対の傾斜面122のいずれかの上に形成されている。複数の個別配線42の各々においては、複数の発熱部31のいずれかから延出部422を介して基部421に電流が流れる。厚さ方向zに視て、複数の発熱部31の各々は、複数の個別配線42の延出部422のいずれかと、共通配線41の複数の延出部412のいずれかとに挟まれている。
【0045】
主面配線層4は、
図6に示すように、共通接続部43をさらに有する。共通接続部43は、厚さ方向zに視て第2貫通部16と重なる位置に配置されている。共通接続部43は、個別配線42から離隔している。
【0046】
図7および
図8に示すように、本実施形態の主面配線層4は、進入部48および進入部49を有する。進入部48は、主面絶縁層2の第1貫通孔24および裏面絶縁層6の第2貫通孔63に進入する部位である。進入部49は、主面絶縁層2の第3貫通孔25および裏面絶縁層6の第4貫通孔64に進入する部位である。
【0047】
裏面配線層7は、
図5~
図8に示すように、裏面絶縁層6の上に形成されている。裏面配線層7は、主面配線層4の共通配線41と共通接続部43とを導通させる導電経路をなしている。裏面配線層7の電気抵抗率は、たとえば抵抗体層3の電気抵抗率よりも小である。裏面配線層7は、たとえば銅(Cu)からなる金属層である。裏面配線層7の厚さの例は、0.3μm以上2.0μm以下である。この他、裏面配線層7は、抵抗体層3の上に積層されたチタン(Ti)層と、当該チタン層の上に積層された銅層との2つの金属層からなる構成でもよい。この場合のチタン層の厚さの例は、0.1μm以上0.2μm以下である。裏面配線層7が設けられる領域は、何ら限定されない。裏面配線層7の面積が大きいことが、低抵抗化に有利であり、好ましくは、厚さ方向zに視て基板1の裏面13の全体と裏面配線層7とが重なる。
【0048】
本実施形態の裏面配線層7は、裏面部70、凹状部71および凹状部72を有する。
【0049】
裏面部70は、厚さ方向zに視て基板1の裏面13に重なる部位である。裏面部70は、主走査方向xおよび副走査方向yに沿った平坦な形状である。
【0050】
凹状部71は、厚さ方向zに視て第1貫通部15(第1部151)に重なる部位である。凹状部71は、厚さ方向zのz1側に凹んだ形状である。
図7に示すように、凹状部71は、抵抗体層3の進入部38と接している。また、他の例においては、凹状部71は、主面配線層4の進入部48と接していてもよい。これにより、裏面配線層7は、第1貫通部15を通じて主面配線層4の共通配線41と導通している。また、図示された例においては、裏面配線層7は、主面絶縁層2の第1貫通孔24および裏面絶縁層6の第2貫通孔63を通じて主面配線層4の共通配線41と導通している。
【0051】
凹状部72は、厚さ方向zに視て第2貫通部16(第2部161)に重なる部位である。凹状部72は、厚さ方向zのz1側に凹んだ形状である。
図8に示すように、凹状部72は、抵抗体層3の進入部39と接している。また、他の例においては、凹状部72は、主面配線層4の進入部49と接していてもよい。これにより、裏面配線層7は、第2貫通部16を通じて主面配線層4の共通接続部43と導通している。また、図示された例においては、裏面配線層7は、主面絶縁層2の第3貫通孔25および裏面絶縁層6の第4貫通孔64を通じて主面配線層4の共通接続部43と導通している。
【0052】
主面保護層5は、
図5~
図8に示すように、基板1の一部と、抵抗体層3の複数の発熱部31、および主面配線層4とを覆っている。主面保護層5は、電気絶縁性を有する。主面保護層5は、ケイ素をその組成に含む。主面保護層5は、たとえば、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)および炭化ケイ素(SiC)のいずれかを含む。あるいは、主面保護層5は、これらの物質のうち複数種類からなる積層体でもよい。主面保護層5の厚さの例は、1.0μm以上10μm以下である。サーマルプリンタB10において、記録媒体は、
図4に示すプラテンローラ79により複数の発熱部31を覆う主面保護層5の領域に押し当てられる。
【0053】
裏面保護層8は、
図5~
図8に示すように、基板1の裏面13側(厚さ方向zにおけるz2側)において、裏面絶縁層6を覆っている。裏面保護層8の材質は何ら限定されず、種々の絶縁材料が用いられる。このような絶縁材料としては、たとえば二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)および炭化ケイ素(SiC)、または各種樹脂材料や接着材料が挙げられる。
【0054】
本例の裏面保護膜層8は、裏面部80、第1充填部81および第2充填部82を含む。裏面部80は、厚さ方向zに視て裏面13と重なる部位である。裏面部80は、平坦な形状である。
【0055】
第1充填部81は、基板1の第1貫通部15の第1部151に充填された部位である。第1充填部81の形状は何ら限定されず、図示された例においては第1部151の形状に対応して四角錐形状である。
【0056】
第2充填部82は、基板1の第2貫通部16の第2部161に充填された部位である。第2充填部82の形状は何ら限定されず、図示された例においては第2部161の形状に対応して四角錐形状である。
【0057】
配線基板701は、
図1および
図4に示すように、副走査方向yにおいて基板1のy1側に位置する。
図1に示すように、厚さ方向zに視て、複数の個別配線42は、副走査方向yにおいて抵抗体層3の複数の発熱部31と、配線基板701との間に位置する。本実施形態においては、厚さ方向zに視て、配線基板701の面積は、基板1の面積よりも大である。さらに、厚さ方向zに視て、配線基板701は、主走査方向xを長手方向とする矩形状である。配線基板701は、たとえばPCB基板である。配線基板701には、複数の駆動素子703、およびコネクタ707が搭載されている。
【0058】
複数の駆動素子703は、
図1および
図4に示すように、電気絶縁性を有するダイボンディング材(図示略)を介して配線基板701の上に搭載されている。複数の駆動素子703の各々は、種々の回路が構成された半導体素子である。複数の駆動素子703の各々には、複数の第1ワイヤ704の各々の一端と、複数の第2ワイヤ705の各々の一端とが接合されている。複数の第1ワイヤ704の他端は、複数の個別配線42の基部421に対して個別に接合されている。複数の第2ワイヤ705の各々の他端は、配線基板701に設けられ、かつコネクタ707に導通する配線(図示略)に接合されている。これにより、印字信号、制御信号、および抵抗体層3の複数の発熱部31に供給される電圧が、外部からコネクタ707を介して複数の駆動素子703に入力される。複数の駆動素子703は、これらの電気信号に基づき、複数の個別配線42に電圧を選択的に印加させる。これにより、複数の発熱部31が選択的に発熱する。また、
図6および
図8に示すように、一部の第1ワイヤ704の一端が、共通接続部43に接合されている。この第1ワイヤ704の他端は、配線基板701の配線パターンの適所に接合されている。
【0059】
封止樹脂706は、
図4に示すように、複数の駆動素子703、複数の第1ワイヤ704、および複数の第2ワイヤ705と、基板1および配線基板701の各々の一部とを覆っている。封止樹脂706は、電気絶縁性を有する。封止樹脂706は、たとえば黒色の合成樹脂である。
【0060】
コネクタ707は、
図1および
図4に示すように、配線基板701の副走査方向yのy1側の端部に搭載されている。コネクタ707は、サーマルプリンタB10に接続される。コネクタ707は、複数のピン(図示略)を有する。当該複数のピンの一部は、配線基板701において、複数の第2ワイヤ705が接合された配線(図示略)に導通している。さらに、当該複数のピンの別の一部は、配線基板701において、共通接続部43および裏面配線層7を介して、共通配線41の基部411に導通する配線(図示略)に導通している。
【0061】
放熱部材9は、
図4に示すように、基板1を支持している。また、放熱部材9は、配線基板701を支持している。裏面13は、放熱部材9の支持面91に対向している。基板1は、放熱部材9に接合されている。基板1と放熱部材9との接合手法は、何ら限定されず、接着剤、接着テープ等を用いた手法が適宜採用される。裏面保護層8は、基板1と放熱部材9とを接合するための接着剤によって構成されていてもよい。あるいは、基板1の裏面13側において主面絶縁層2を覆う均一な保護膜を形成した後に、第1貫通部15および第2貫通部16を埋めるように上述の接着剤を配置することにより、上述の裏面部80、第1充填部81および第2充填部82を含む裏面保護層8を形成してもよい。
【0062】
配線基板701は、たとえば、ねじなどの締結部材により放熱部材9に固定されている。サーマルプリントヘッドA10の使用時において、抵抗体層3の複数の発熱部31から発生した熱の一部は、基板1を介して放熱部材9に伝導される。放熱部材9に伝導された熱は、外部へと放熱される。放熱部材9は、たとえばアルミニウム(Al)からなる。
【0063】
次に、
図9~
図19に基づき、サーマルプリントヘッドA10の製造方法の一例について説明する。ここで、
図9~
図19の断面位置は、サーマルプリントヘッドA10の要部を示す
図6の断面位置と同一である。なお、サーマルプリントヘッドA10の製造方法における各工程の具体的な処理や順序等は、適宜変更可能である。
【0064】
まず、
図9に示すように、基板1を用意する。基板1は、半導体材料からなる。当該半導体材料は、ケイ素を組成とする単結晶材料を含む。基板1は、シリコンウエハである。厚さ方向zに対して直交する方向において、複数の基板1にそれぞれ相当する領域が複数個連なったものが、基板1に相当する。基板1は、表面100および裏面13を有する。表面100および裏面13は、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。基板1の結晶構造に基づく表面100および裏面13の面方位は、ともに(100)面である。
【0065】
次いで、
図10に示すように、凸部12を形成する。凸部12の形成は、たとえば表面100のうち頂面121に相当する領域と裏面13とにマスク層(図示略)を形成し、水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチングを施す。このエッチングは、異方性である。これにより、頂面121および一対の傾斜面122を有する凸部12と主面10とが形成される。一対の傾斜面122の主面10に対する傾斜角は、たとえば54.7°である。
【0066】
次いで、
図11に示すように、第3部152および第4部162を形成する。第3部152および第4部162の形成は、たとえば第3部152および第4部162となるべき領域を除く領域にマスク層(図示略)を形成し、水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチングを施す。これにより、第3部152および第4部162が形成される。この工程の完了時においては、第3部152および第4部162は、主面10から厚さ方向zのz2側に凹む凹部である。
【0067】
次いで、
図12に示すように、主面絶縁層2を形成する。主面絶縁層2の形成は、たとえば、プラズマCVDによりオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を原料ガスとして形成された二酸化ケイ素(SiO
2)の薄膜を複数回にわたって厚さ方向zのz1側から積層させることによって形成される。
【0068】
次いで、
図13に示すように、第1部151および第2部161を形成する。第1部151および第2部161の形成は、たとえば第1部151および第4部162となるべき領域を除く領域にマスク層(図示略)を形成し、水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチングを施す。このエッチングにおいては、たとえば、主面絶縁層2が、エッチングストップ層として機能する。これにより、第1部151および第2部161が形成される。この工程の完了時において、第1部151と第3部152とが繋がることにより、第1貫通部15が形成される。また、第2部161と第4部162とが繋がることにより、第2貫通部16が形成される。
【0069】
次いで、
図14に示すように、裏面絶縁層6を形成する。主面絶縁層2の形成は、たとえば、プラズマCVDによりオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を原料ガスとして形成された二酸化ケイ素(SiO
2)の薄膜を複数回にわたって厚さ方向zのz2側から積層させることによって形成される。
【0070】
次いで、
図15に示すように、裏面絶縁層6を形成する。裏面絶縁層6の形成は、たとえばスパッタリング法を用いて、厚さ方向zのz2側から銅(Cu)の層を成膜することによって行う。また、銅(Cu)の成膜に先立ち、チタン(Ti)の薄膜を形成しておいてもよい。
【0071】
次いで、
図16に示すように、主面絶縁層2の第1貫通孔24および第3貫通孔25と、裏面絶縁層6の第2貫通孔63および第4貫通孔64とを形成する。これらの貫通孔の形成は、たとえば反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によって行う。あるいは、ウエットエッチングを用いて行ってもよい。この際、裏面配線層7には、貫通孔は設けられていない。
【0072】
次いで、
図17に示すように、抵抗体層3および主面配線層4を形成する。抵抗体層3の形成は、たとえば厚さ方向zのz1側からスパッタリング法により窒化タンタル(TaN)の薄膜を主面絶縁層2に積層させる。次に、主面配線層4の形成は、たとえば抵抗体層3上に、厚さ方向zのz1側からスパッタリング法によって銅(Cu)の層を成膜することによって行う。また、銅(Cu)の成膜に先立ち、チタン(Ti)の薄膜を形成しておいてもよい。これにより、
図7および
図8を参照して説明した抵抗体層3の進入部38および進入部39と、主面配線層4の進入部48および進入部49とが形成される。
【0073】
次いで、
図18に示すように、抵抗体層3および主面配線層4に対してパターニングを施す。このパターニングは、抵抗体層3および主面配線層4の適所にマスク層を形成した後に、ウエットエッチング等によって行う。これにより、共通配線41、複数の個別配線42および複数の共通接続部43を有する主面配線層4と、複数の発熱部31を有する抵抗体層3とが得られる。
【0074】
次いで、
図19に示すように、主面保護層5を形成する。主面保護層5の形成は、たとえば、厚さ方向zのz1側からプラズマCVDにより窒化ケイ素の薄膜を積層させ、この薄膜に配線開口51等を適宜形成することにより行う。
【0075】
この後は、たとえば、基板1を主走査方向xおよび副走査方向yに沿って切断することにより、複数の基板1に個片化する。また、この切断に先立ち、裏面保護層8を形成しておいても良い。次いで、配線基板701に複数の駆動素子703、およびコネクタ707を搭載する。次いで、基板1および配線基板701を放熱部材9に接合する。次いで、基板1、複数の駆動素子703および配線基板701に対して複数の第1ワイヤ704、および複数の第2ワイヤ705の接合を行う。そして、基板1および配線基板701に対して、駆動素子703、複数の第1ワイヤ704、および複数の第2ワイヤ705を覆う封止樹脂706の形成を行う。以上の工程を経ることによって、サーマルプリントヘッドA10が得られる。
【0076】
次に、サーマルプリントヘッドA10の作用について説明する。
【0077】
裏面配線層7は、第1貫通部15を通じて主面配線層4の共通配線41に導通している。裏面配線層7を共通配線41に導通する導通経路として利用することにより、複数の発熱部31に対して副走査方向yのy1側に位置する箇所に共通配線41を導通させるための導通経路を基板1の主面10側(厚さ方向zにおけるz1側)に配置する必要がない。このため、主面10における主面配線層4の配置をよりコンパクトにすることができる。また、裏面配線層7が設けられる基板1の裏面13側は、複数の発熱部31や個別配線42等を配置する必要がない。このため、裏面配線層7を配置するための領域を潤沢に確保することが可能である。したがって、サーマルプリントヘッドA10の大型化を回避しつつ共通配線41を含む導通経路の低抵抗化を図ることができる。
【0078】
第1貫通部15は、第1部151および第3部152を含む。第3部152は、第1部151よりも、厚さ方向zの大きさが小さく、主面10における開口面積が、裏面13における第1部151の開口面積よりも小さい。これにより、基板1の主面10側において第1貫通部15を設けるために確保すべき領域の面積を縮小することが可能であり、サーマルプリントヘッドA10の小型化に好ましい。
【0079】
サーマルプリントヘッドA10においては、複数の第1貫通部15が設けられている。これは、共通配線41を含む導通経路の低抵抗化に好ましい。
【0080】
第2貫通部16は、第2部161および第4部162を含む。第4部162は、第2部161よりも、厚さ方向zの大きさが小さく、主面10における開口面積が、裏面13における第2部161の開口面積よりも小さい。これにより、基板1の主面10側において第2貫通部16を設けるために確保すべき領域の面積を縮小することが可能であり、サーマルプリントヘッドA10の小型化に好ましい。
【0081】
サーマルプリントヘッドA10においては、複数の第2貫通部16が設けられている。これは、共通配線41を含む導通経路の低抵抗化に好ましい。
【0082】
第1部151(第1貫通部15)および第2部161(第2貫通部16)と支持面91(放熱部材9)との間には、第1充填部81および第2充填部82が充填されている。これにより、基板1と放熱部材9との間に意図しない空間が存在することを抑制することができる。この結果、サーマルプリントヘッドA10の動作時に基板1の温度が上昇した際に、基板1と放熱部材9との間において過度な圧力上昇が生じることを回避することができる。
【0083】
図20~
図24は、本開示の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0084】
図20は、サーマルプリントヘッドA10の第1変形例を示している。本変形例のサーマルプリントヘッドA11は、裏面保護層8が、上述の第1充填部81および第2充填部82を有していない。裏面保護層8は、たとえば全体がほぼ一様な厚さに仕上げられている。このため、第1貫通部15(第1部151)と放熱部材9との間には、空間が存在している。また、第2貫通部16(第2部161)と放熱部材9との間には、空間が存在している。
【0085】
本変形例の放熱部材9には、溝部92が形成されている。溝部92は、支持面91から厚さ方向zのz2側に凹んでいる。溝部92は、厚さ方向zに視て第1貫通部15(第1部151)および第2貫通部16(第2部161)と重なる。また、溝部92は、放熱部材9の主走査方向xの端部または副走査方向yの端部に到達している。すなわち、溝部92は、放熱部材9の外部に開口している。
【0086】
本変形例によっても、サーマルプリントヘッドA11の大型化を回避しつつ共通配線41を含む導通経路の低抵抗化を図ることができる。また、本変形例においては、第1貫通部15(第1部151)および第2貫通部16(第2部161)と放熱部材9の支持面91との間に空間が存在するが、これらの空間は、溝部92を介して放熱部材9の外部に繋がっている。これにより、サーマルプリントヘッドA11の動作時に、基板1の温度が上昇した場合に、膨張した気体(空気)をサーマルプリントヘッドA11の外部に放出することが可能であり、第1貫通部15(第1部151)および第2貫通部16(第2部161)と放熱部材9の支持面91との間に空間の圧力が過度に高くなってしまうことを回避することができる。
【0087】
図21~
図24は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示している。本実施形態のサーマルプリントヘッドA20は、主に第1貫通部15および第2貫通部16の構成が、上述した実施形態と異なっている。
【0088】
本実施形態の第1貫通部15は、第1部151を有しており、上述の第3部152を有していない。このため、第1貫通部15が主面10側に開口する開口面積は、上述の実施形態における第3部152の開口面積よりも小さい。
【0089】
また、本実施形態の第2貫通部16は、第2部161を有しており、上述の第4部162を有していない。このため、第2貫通部16が主面10側に開口する開口面積は、上述の実施形態における第4部162の開口面積よりも小さい。
【0090】
また、
図23に示すように、本実施形態においては、裏面配線層7が第3進入部73を有しており、抵抗体層3の進入部38や主面配線層4の進入部48が設けられていない。第3進入部73は、裏面配線層7の一部であって、主面絶縁層2の第1貫通孔24および裏面絶縁層6の第2貫通孔63に進入した部位である。第3進入部73は、抵抗体層3に接している。これにより、裏面配線層7は、主面配線層4の共通配線41に導通している。
【0091】
また、
図24に示すように、本実施形態においては、裏面配線層7が第4進入部74を有しており、抵抗体層3の進入部39や主面配線層4の進入部49が設けられていない。第4進入部74は、裏面配線層7の一部であって、主面絶縁層2の第3貫通孔25および裏面絶縁層6の第4貫通孔64に進入した部位である。第1ワイヤ704は、抵抗体層3に接している。これにより、裏面配線層7は、主面配線層4の共通接続部43に導通している。
【0092】
裏面配線層7が第3進入部73および第4進入部74を有する構成は、たとえば、抵抗体層3および主面配線層4を形成した後に、主面絶縁層2および裏面絶縁層6に第1貫通孔24、第3貫通孔25、第2貫通孔63および第4貫通孔64を形成し、その後に裏面配線層7を形成した場合に実現されうる。
【0093】
本実施形態によっても、サーマルプリントヘッドA20の大型化を回避しつつ共通配線41を含む導通経路の低抵抗化を図ることができる。また、第1貫通部15において第1部151が主面10に繋がり、第2貫通部16において第2部161が主面10に繋がることにより、主面10における第1貫通部15の開口面積および第2貫通部16の開口面積を、より縮小することが可能である。これにより、サーマルプリントヘッドA20の小型化をさらに促進することができる。
【0094】
本開示に係るサーマルプリントヘッドは、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係るサーマルプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0095】
付記1.
厚さ方向において、互いに反対側を向く主面および裏面を有する基板と、
前記基板の前記主面側に支持され、且つ主走査方向に配列された複数の発熱部を含む抵抗体層と、
前記基板の前記主面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する主面配線層と、
前記基板の前記裏面側に支持され、且つ前記複数の発熱部に導通する裏面配線層と、を備え、
前記主面配線層は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の一方側に位置し且つ前記複数の発熱部に個別に導通する複数の個別配線と、前記複数の発熱部に対して副走査方向の他方側に位置し且つ前記複数の発熱部に導通する共通配線と、を含み、
前記基板は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記他方側に位置し且つ厚さ方向に貫通する第1貫通部を有し、
前記主面配線層の前記共通配線と前記裏面配線層とは、前記第1貫通部を通して導通している、サーマルプリントヘッド。
付記2.
前記基板は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記一方側に位置し且つ厚さ方向に貫通する第2貫通部を有し、
前記主面配線層は、前記複数の発熱部に対して副走査方向の前記一方側に位置する共通接続部をさらに含み、
前記主面配線層の前記共通接続部と前記裏面配線層とは、前記第2貫通部を通して導通している、付記1に記載のサーマルプリントヘッド。
付記3.
前記第1貫通部は、前記裏面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面側から前記主面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第1部を含む、付記2に記載のサーマルプリントヘッド。
付記4.
前記第2貫通部は、前記裏面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面側から前記主面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第2部を含む、付記3に記載のサーマルプリントヘッド。
付記5.
前記第1貫通部は、前記主面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面側から前記裏面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第3部を含む、付記4に記載のサーマルプリントヘッド。
付記6.
前記第2貫通部は、前記主面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面側から前記裏面側に向かうほど前記厚さ方向と直交する断面の大きさが小さくなる第4部を含む、付記5に記載のサーマルプリントヘッド。
付記7.
前記第1部が、前記主面に繋がっている、付記4に記載のサーマルプリントヘッド。
付記8.
前記第2部が、前記主面に繋がっている、付記7に記載のサーマルプリントヘッド。
付記9.
前記基板の前記主面側に支持された主面絶縁層と、
前記基板の前記裏面側に支持された裏面絶縁層と、をさらに備え、
前記主面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる第1貫通孔を有し、
前記裏面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる第2貫通孔を有する、付記2ないし8のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
付記10.
前記主面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第2貫通部に重なる第3貫通孔を有し、
前記裏面絶縁層は、前記厚さ方向に視て前記第2貫通部に重なる第4貫通孔を有する、付記9に記載のサーマルプリントヘッド。
付記11.
前記主面配線層は、前記第1貫通部に進入する第1進入部を有する、付記10に記載のサーマルプリントヘッド。
付記12.
前記主面配線層は、前記第2貫通部に進入する第2進入部を有する、付記11に記載のサーマルプリントヘッド。
付記13.
前記裏面配線層は、前記第1貫通部に進入する第3進入部を有する、付記10に記載のサーマルプリントヘッド。
付記14.
前記裏面配線層は、前記第2貫通部に進入する第4進入部を有する、付記13に記載のサーマルプリントヘッド。
付記15.
前記基板の前記裏面側に支持された裏面保護層をさらに備え、
前記裏面保護層は、前記第1貫通部を埋める第1充填部を含む、付記1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
付記16.
前記基板を支持する支持面を有する放熱部材をさらに備え
放熱板は、前記厚さ方向に視て前記第1貫通部に重なる溝部を有する、付記1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
付記17.
付記1ないし16のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドを備える、サーマルプリンタ。
【符号の説明】
【0096】
A10,A11,A20:サーマルプリントヘッド
B10 :サーマルプリンタ
1 :基板
2 :主面絶縁層
3 :抵抗体層
4 :主面配線層
5 :主面保護層
6 :裏面絶縁層
7 :裏面配線層
8 :裏面保護層
9 :放熱部材
10 :主面
12 :凸部
13 :裏面
15 :第1貫通部
16 :第2貫通部
20 :主面部
21 :凹状部
22 :凹状部
23 :凸状部
24 :第1貫通孔
25 :第3貫通孔
31 :発熱部
38,39:進入部
41 :共通配線
42 :個別配線
43 :共通接続部
48,49:進入部
51 :配線開口
60 :裏面部
61,62:凹状部
63 :第2貫通孔
64 :第4貫通孔
70 :裏面部
71,72:凹状部
73 :第3進入部
74 :第4進入部
79 :プラテンローラ
80 :裏面部
81 :第1充填部
82 :第2充填部
91 :支持面
92 :溝部
100 :表面
121 :頂面
122 :傾斜面
151 :第1部
152 :第3部
161 :第2部
162 :第4部
411 :基部
412 :延出部
421 :基部
422 :延出部
701 :配線基板
703 :駆動素子
704 :第1ワイヤ
705 :第2ワイヤ
706 :封止樹脂
707 :コネクタ
x :主走査方向
y :副走査方向
z :厚さ方向