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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181920
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20231218BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231218BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231218BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20231218BHJP
【ＦＩ】
H05B47/165
H02J7/00 Q
H02J7/00 H
H02J7/00 302C
H02J7/02 G
H02J9/06 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022095319
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 功
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠
(72)【発明者】
【氏名】新井 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎吾
【テーマコード（参考）】
3K273
5G015
5G503
【Ｆターム（参考）】
3K273AA03
3K273BA30
3K273BA32
3K273BA37
3K273DA07
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA17
3K273EA18
3K273EA22
3K273EA37
3K273EA38
3K273FA11
3K273FA15
3K273FA30
3K273FA41
3K273GA03
3K273GA06
3K273GA25
5G015FA18
5G015GB01
5G015JA41
5G015JA56
5G015KA01
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB04
5G503EA09
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置１を構成する電池ユニット２００は、各々二次電池である複数の電池（第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂ）を含む。制御部１７は、前記複数の電池うち、一の電池（例えば、第１電池１２ａ）を稼働電池、他の１つ以上の電池の各々（例えば、第２電池１２ｂ）を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となる電池であり、前記予備電池は、前記稼働電として機能する電池に代わって、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となり得る電池である。制御部１７は、前記稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池（例えば、第２電池１２ｂ）との間で、状況により機能を切り替える。
【選択図】 図１
【解決手段】照明装置１を構成する電池ユニット２００は、各々二次電池である複数の電池（第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂ）を含む。制御部１７は、前記複数の電池うち、一の電池（例えば、第１電池１２ａ）を稼働電池、他の１つ以上の電池の各々（例えば、第２電池１２ｂ）を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となる電池であり、前記予備電池は、前記稼働電として機能する電池に代わって、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となり得る電池である。制御部１７は、前記稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池（例えば、第２電池１２ｂ）との間で、状況により機能を切り替える。
【選択図】 図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
各々二次電池である複数の電池を含む電池ユニットと、
常用電源の通電期間に、前記常用電源から給電される常用電力で前記電池ユニットを充電する充電回路と、
前記常用電源の停電期間に、前記電池ユニットから放電される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路と、
前記電池ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の電池のうち、一の電池を前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となる稼働電池、他の１つ以上の電池の各々を前記稼働電池として機能する電池に代わって前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となり得る予備電池、としてそれぞれ機能させ、
前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池との間で、状況により機能を切り替える、
照明装置。
各々二次電池である複数の電池を含む電池ユニットと、
常用電源の通電期間に、前記常用電源から給電される常用電力で前記電池ユニットを充電する充電回路と、
前記常用電源の停電期間に、前記電池ユニットから放電される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路と、
前記電池ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の電池のうち、一の電池を前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となる稼働電池、他の１つ以上の電池の各々を前記稼働電池として機能する電池に代わって前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となり得る予備電池、としてそれぞれ機能させ、
前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池との間で、状況により機能を切り替える、
照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記状況に関する状況情報を取得する取得部と、
前記状況情報が予め決められた条件を満たした場合に、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池と、の間で機能を切り替える切替処理を行う切替部と、を備える、
請求項１に記載の照明装置。
前記状況に関する状況情報を取得する取得部と、
前記状況情報が予め決められた条件を満たした場合に、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池と、の間で機能を切り替える切替処理を行う切替部と、を備える、
請求項１に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の電池は、第１電池及び第２電池であり、
前記切替処理は、前記第１電池及び前記第２電池のうち、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
前記切替処理は、前記第１電池及び前記第２電池のうち、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
【請求項4】
前記状況は、前記第１電池及び前記第２電池のうち少なくとも前記予備電池として機能している電池の劣化状況であり、
前記制御部は、前記予備電池として機能している電池の劣化状況を点検する点検処理を行う点検部を更に備え、
前記状況情報は、現在の時間に関する時間情報を含み、
前記条件は、前記現在の時間が前記切替処理を行う時間であるという切替時間条件を含み、
前記点検部は、前記時間情報が前記切替時間条件を満たした場合に前記点検処理を行い、
前記取得部は、前記点検処理の結果を基に、前記予備電池として機能している電池について合格か不合格を示す点検結果データを取得し、
前記条件は、前記点検結果データが合格を示すという点検結果条件を更に含み、
前記切替部は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たす場合に、前記切替処理を行う、
請求項３に記載の照明装置。
前記制御部は、前記予備電池として機能している電池の劣化状況を点検する点検処理を行う点検部を更に備え、
前記状況情報は、現在の時間に関する時間情報を含み、
前記条件は、前記現在の時間が前記切替処理を行う時間であるという切替時間条件を含み、
前記点検部は、前記時間情報が前記切替時間条件を満たした場合に前記点検処理を行い、
前記取得部は、前記点検処理の結果を基に、前記予備電池として機能している電池について合格か不合格を示す点検結果データを取得し、
前記条件は、前記点検結果データが合格を示すという点検結果条件を更に含み、
前記切替部は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たす場合に、前記切替処理を行う、
請求項３に記載の照明装置。
【請求項5】
前記点検処理は、前記予備電池として機能している電池への前記充電回路による充電が完了している状態で、前記予備電池として機能している電池に前記点灯回路への放電を開始させる放電処理、及び、前記放電の開始から所定時間の経過後に、前記予備電池として機能している電池の放電電圧が閾値以上か否かを判定する判定処理、を少なくとも含み、
前記取得部は、前記判定処理によって前記放電電圧が前記閾値以上であると判定された場合に前記合格を示す前記点検結果データを取得し、前記放電電圧が前記閾値未満であると判定された場合に前記不合格を示す前記点検結果データを取得する、
請求項４に記載の照明装置。
前記取得部は、前記判定処理によって前記放電電圧が前記閾値以上であると判定された場合に前記合格を示す前記点検結果データを取得し、前記放電電圧が前記閾値未満であると判定された場合に前記不合格を示す前記点検結果データを取得する、
請求項４に記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記点検処理の後、前記予備電池として機能している電池への充電を開始させ、
前記切替部は、前記予備電池として機能している電池への充電が完了した後、前記切替処理を行う、
請求項４又は５に記載の照明装置。
前記切替部は、前記予備電池として機能している電池への充電が完了した後、前記切替処理を行う、
請求項４又は５に記載の照明装置。
【請求項7】
前記切替部は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合にも前記切替処理を行い、
前記点検部は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合における前記切替処理の後、前記予備電池として機能している電池について前記点検処理を更に行う、
請求項６に記載の照明装置。
前記点検部は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合における前記切替処理の後、前記予備電池として機能している電池について前記点検処理を更に行う、
請求項６に記載の照明装置。
【請求項8】
前記切替部は、前記切替処理の後に、前記予備電池として機能している電池について更に行われた前記点検処理による前記点検結果データが前記点検結果条件を満たす場合に、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している電池と、の間で機能を再度切り替える再切替処理を行う、
請求項７に記載の照明装置。
請求項７に記載の照明装置。
【請求項9】
前記時間情報は、現在日時を示す現在日時情報を含み、
前記切替時間条件は、前記現在日時が予め決められた１つ以上の切替日時の各々に達したという切替日時条件であり、
前記切替部は、前記現在日時情報が前記切替日時条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項４に記載の照明装置。
前記切替時間条件は、前記現在日時が予め決められた１つ以上の切替日時の各々に達したという切替日時条件であり、
前記切替部は、前記現在日時情報が前記切替日時条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項４に記載の照明装置。
【請求項10】
前記時間情報は、前回の前記切替処理から現在までの経過時間を示す経過時間情報を含み、
前記切替時間条件は、前記経過時間が予め決められた切替周期に達したという切替周期条件であり、
前記切替部は、前記経過時間情報が前記切替周期条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項４に記載の照明装置。
前記切替時間条件は、前記経過時間が予め決められた切替周期に達したという切替周期条件であり、
前記切替部は、前記経過時間情報が前記切替周期条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項４に記載の照明装置。
【請求項11】
前記複数の電池は、互いに異なる動作温度範囲を有し、
前記状況情報は、現在の温度に関する温度情報を含み、
前記条件は、前記稼働電池として機能している電池が有する動作温度範囲と比べて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち少なくとも１つの電池の動作温度範囲が、前記温度情報の示す前記温度により適しているという温度範囲条件であり、
前記切替部は、前記温度情報が前記温度範囲条件を満たす場合に前記切替処理を行う、
請求項２に記載の照明装置。
前記状況情報は、現在の温度に関する温度情報を含み、
前記条件は、前記稼働電池として機能している電池が有する動作温度範囲と比べて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち少なくとも１つの電池の動作温度範囲が、前記温度情報の示す前記温度により適しているという温度範囲条件であり、
前記切替部は、前記温度情報が前記温度範囲条件を満たす場合に前記切替処理を行う、
請求項２に記載の照明装置。
【請求項12】
前記複数の電池のいずれか１つは、動作温度範囲の下限側が通常型と比べてより低温である低温対応型であり、
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、前記現在の季節が冬季である、という冬季条件であり、
前記切替部は、前記稼働電池として機能している電池が前記低温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に前記切替処理を行い、
前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち前記低温対応型の電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、前記現在の季節が冬季である、という冬季条件であり、
前記切替部は、前記稼働電池として機能している電池が前記低温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に前記切替処理を行い、
前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち前記低温対応型の電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
【請求項13】
前記複数の電池のいずれか１つは、動作温度範囲の上限側が通常型と比べてより高温である高温対応型であり、
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、前記現在の季節が夏季である、という夏季条件であり、
前記切替部は、前記稼働電池として機能している電池が前記高温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に前記切替処理を行い、
前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち前記高温対応型の電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、前記現在の季節が夏季である、という夏季条件であり、
前記切替部は、前記稼働電池として機能している電池が前記高温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に前記切替処理を行い、
前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち前記高温対応型の電池と、の間で機能を切り替える処理である、
請求項２に記載の照明装置。
【請求項14】
前記複数の電池は、互いに同じ動作温度範囲を有し、
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で劣化が均等の状態に近づく、という同等劣化条件であり、
前記切替部による前記季節情報を用いた前記切替処理の履歴に関する履歴情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記切替部は、前記履歴情報を基に、前記季節情報が前記同等劣化条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項２に記載の照明装置。
前記状況情報は、現在の季節に関する季節情報を含み、
前記条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で劣化が均等の状態に近づく、という同等劣化条件であり、
前記切替部による前記季節情報を用いた前記切替処理の履歴に関する履歴情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記切替部は、前記履歴情報を基に、前記季節情報が前記同等劣化条件を満たした場合に前記切替処理を行う、
請求項２に記載の照明装置。
【請求項15】
前記履歴情報は、冬季の積算稼働時間を含み、
前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で前記冬季の積算稼働時間が均等の状態に近づく、という冬季稼働時間条件を含む、
請求項１４に記載の照明装置。
前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で前記冬季の積算稼働時間が均等の状態に近づく、という冬季稼働時間条件を含む、
請求項１４に記載の照明装置。
【請求項16】
前記履歴情報は、夏季の積算稼働時間を更に含み、
前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で更に前記夏季の積算稼働時間も均等の状態に近づく、という夏季稼働時間条件を更に含む、
請求項１５に記載の照明装置。
前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池の間で更に前記夏季の積算稼働時間も均等の状態に近づく、という夏季稼働時間条件を更に含む、
請求項１５に記載の照明装置。
【請求項17】
前記状況情報は、前記常用電源の停電に関する停電情報、及び前記稼働電池として機能している電池の前記点灯回路への放電電圧に関する放電電圧情報を含み、
前記切替部は、
前記停電情報を基に停電発生が検知された場合に、前記複数の電池のうち、前記稼働電池として機能している電池に前記点灯回路への放電を開始させ、
前記点灯回路への放電の開始後、前記放電電圧情報を基に、前記稼働電池として機能している電池の放電電圧が基準電圧以下となったことが検知された場合に、前記稼働電池として機能している電池に代えて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池に前記点灯回路への放電を開始させる、
請求項２に記載の照明装置。
前記切替部は、
前記停電情報を基に停電発生が検知された場合に、前記複数の電池のうち、前記稼働電池として機能している電池に前記点灯回路への放電を開始させ、
前記点灯回路への放電の開始後、前記放電電圧情報を基に、前記稼働電池として機能している電池の放電電圧が基準電圧以下となったことが検知された場合に、前記稼働電池として機能している電池に代えて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池に前記点灯回路への放電を開始させる、
請求項２に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関し、より詳細には、非常用照明として機能する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、光源と、二次電池と、常用電源が通電している通電期間に常用電源から供給される常用電力で二次電池を充電する充電回路と、常用電源が停電している停電期間に二次電池から放電される非常用電力で光源を点灯させる点灯回路と、を備える非常用照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１２－１１３８７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１に開示されているような従来の照明装置では、例えば、低温又は高温等の過酷な環境で使用されると、二次電池の劣化が速く進み、非常用照明に求められる信頼性（例えば、法で定められた点灯時間）の確保が困難となる可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明装置は、光源と、電池ユニットと、充電回路と、点灯回路と、制御部と、を備える。前記電池ユニットは、複数の電池を含む。前記複数の電池は、各々二次電池である。前記充電回路は、常用電源の通電期間に、前記常用電源から給電される常用電力で前記電池ユニットを充電する。前記点灯回路は、前記常用電源の停電期間に、前記電池ユニットから放電される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記制御部は、前記電池ユニットを制御する。前記制御部は、前記複数の電池のうち、一の電池を稼働電池、他の１つ以上の電池の各々を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となる電池である。前記予備電池は、前記稼働電池として機能する電池に代わって前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となり得る電池である。前記制御部は、前記稼働電池として機能している電池と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池のうち一の電池との間で、状況により機能を切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の照明装置は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
（１）概要
最初に、図１を参照して本開示の概要を説明する。本開示の実施形態に係る照明装置１は、非常用照明として機能する装置である。本実施形態でいう非常用照明とは、常用電源２の通電期間に常用電源２からの常用電力で電池ユニット２００を充電し、常用電源２の停電時に電池ユニット２００からの非常用電力で光源１１を点灯させる照明である。
最初に、図１を参照して本開示の概要を説明する。本開示の実施形態に係る照明装置１は、非常用照明として機能する装置である。本実施形態でいう非常用照明とは、常用電源２の通電期間に常用電源２からの常用電力で電池ユニット２００を充電し、常用電源２の停電時に電池ユニット２００からの非常用電力で光源１１を点灯させる照明である。
【0010】
非常用照明は、例えば、建築基準法で規定された非常灯であるが、消防法で規定された誘導灯でもよい。非常用照明は、停電から一定時間以上、点灯し続けることが求められる。停電後に点灯し続ける時間（以下では、単に「点灯時間」と記す場合がある）として、例えば、非常灯の場合は３０分（又は６０分）、誘導灯の場合は２０分が規定されている（以下では、法で規定された点灯時間を「法定時間」と記す）。
【0011】
本実施形態の照明装置１では、電池ユニット２００に各々二次電池である複数の電池（例えば、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂ）が含まれており、処理ユニット１００が、そのうち１つ（例えば、第１電池１２ａ）を充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４の放電元となる稼働電池、他の１つ以上の電池のうち１つ（例えば、第２電池１２ｂ）を稼働電池として機能する電池に代わって充電先かつ放電元となり得る予備電池、としてそれぞれ機能させる。そして、処理ユニット１００は、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池のうち１つ（第２電池１２ｂ）との間で、各種の状況により機能を切り替える。
【0012】
このような複数の電池間での機能の切り替えにより、照明装置１は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
（２）要部
次に、図１を参照して照明装置１の要部を説明する。照明装置１は、光源１１と、電池ユニット２００と、充電回路１３と、点灯回路１４と、処理ユニット１００と、を備える。
次に、図１を参照して照明装置１の要部を説明する。照明装置１は、光源１１と、電池ユニット２００と、充電回路１３と、点灯回路１４と、処理ユニット１００と、を備える。
【0014】
（２－１）光源
光源１１は、点灯回路１４によって点灯される。本実施形態における光源１１は、非常用光源であり、常用電源２の停電時に電池ユニット２００からの非常用電力で点灯し、常用電源２の通電時に消灯する。
光源１１は、点灯回路１４によって点灯される。本実施形態における光源１１は、非常用光源であり、常用電源２の停電時に電池ユニット２００からの非常用電力で点灯し、常用電源２の通電時に消灯する。
【0015】
（２－２）電池ユニット
電池ユニットは、充電回路１３によって充電され、点灯回路１４に放電する。本実施形態における電池ユニット２００は、常用電力で充電され、非常用電力を放電する。常用電力とは、常用電源２から給電される電力であり、非常用電力とは、常用電源２の停電時に光源１１を点灯させるための電力である。
電池ユニットは、充電回路１３によって充電され、点灯回路１４に放電する。本実施形態における電池ユニット２００は、常用電力で充電され、非常用電力を放電する。常用電力とは、常用電源２から給電される電力であり、非常用電力とは、常用電源２の停電時に光源１１を点灯させるための電力である。
【0016】
詳しくは、電池ユニット２００は、複数の電池を含む。複数の電池は、各々二次電池である。
【0017】
電池ユニット２００を構成する複数の電池は、本実施形態では、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂである。以下では、電池ユニット２００を構成する複数の電池を、「複数の電池（第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂ）」、又は「複数の電池（１２ａ，１２ｂ）」のように記す場合がある。ただし、電池ユニット２００を構成する電池の数は、２つに限らず、３つ以上でもよい。
【0018】
（２－３）充電回路
充電回路１３は、電池ユニット２００を充電する。本実施形態における充電回路１３は、常用電源２の通電期間に常用電源２から給電される常用電力で電池ユニット２００を充電する。詳しくは、充電回路１３には、交流を直流に変換する電力変換回路（コンバータ）が含まれており、常用電源２からの常用電力は、電力変換回路で交流から直流に変換された後、電池ユニット２００に出力される。電池ユニット２００は、充電回路１３からの直流の電力で充電される。
充電回路１３は、電池ユニット２００を充電する。本実施形態における充電回路１３は、常用電源２の通電期間に常用電源２から給電される常用電力で電池ユニット２００を充電する。詳しくは、充電回路１３には、交流を直流に変換する電力変換回路（コンバータ）が含まれており、常用電源２からの常用電力は、電力変換回路で交流から直流に変換された後、電池ユニット２００に出力される。電池ユニット２００は、充電回路１３からの直流の電力で充電される。
【0019】
（２－３－１）常用電源
常用電源２は、常用電力を供給（給電）する。本実施形態における常用電源２は、充電回路１３に常用電力を給電する。常用電源２は、具体的には、例えば、商用電源（商用の電力系統）である。
常用電源２は、常用電力を供給（給電）する。本実施形態における常用電源２は、充電回路１３に常用電力を給電する。常用電源２は、具体的には、例えば、商用電源（商用の電力系統）である。
【0020】
（２－３－２）通電期間及び通電状態
通電期間とは、常用電源２が通電状態にある期間である。通電状態とは、常用電源２が通電している状態である。
通電期間とは、常用電源２が通電状態にある期間である。通電状態とは、常用電源２が通電している状態である。
【0021】
（２－４）点灯回路
点灯回路１４は、常用電源２の停電期間に電池ユニット２００から放電される非常用電力で光源１１を点灯させる。
点灯回路１４は、常用電源２の停電期間に電池ユニット２００から放電される非常用電力で光源１１を点灯させる。
【0022】
（２－４－１）停電期間及び停電状態
停電期間とは、常用電源２が停電状態にある期間である。停電状態とは、常用電源が停電している状態である。
停電期間とは、常用電源２が停電状態にある期間である。停電状態とは、常用電源が停電している状態である。
【0023】
（２－５）処理ユニット
処理ユニット１００は、制御部１７、記憶部１０及び表示部１８（いずれも後述）の機能を実現する。
処理ユニット１００は、制御部１７、記憶部１０及び表示部１８（いずれも後述）の機能を実現する。
【0024】
詳しくは、処理ユニット１００は、プロセッサ及びメモリ（いずれも図示しない）と、計測デバイスと、表示デバイスとを含む。メモリにはプログラム等が格納され、プロセッサがメモリ内のプログラム等に基づいて動作し、メモリの制御を行い、計測デバイス及び表示デバイスと協働することで、制御部１７、記憶部１０及び表示部１８の機能が実現される。
【0025】
（２－５－１）計測デバイス
また、処理ユニット１００は、計測デバイス（図示しない）を更に含む。計測デバイスは、常用電源２から充電回路１３への給電に関する計測、及び電池ユニット２００からの放電に関する計測、などを行うデバイスである。計測デバイスは、例えば、電池ユニット２００を構成する複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々からの放電電圧を計測するための複数の電圧センサ等である。
また、処理ユニット１００は、計測デバイス（図示しない）を更に含む。計測デバイスは、常用電源２から充電回路１３への給電に関する計測、及び電池ユニット２００からの放電に関する計測、などを行うデバイスである。計測デバイスは、例えば、電池ユニット２００を構成する複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々からの放電電圧を計測するための複数の電圧センサ等である。
【0026】
（２－５－２）表示デバイス
本実施形態における処理ユニット１００は、表示デバイスを更に含む。ここでの表示デバイスは、電池ユニット２００に関するエラー表示を行うためのデバイスである。表示デバイスは、例えば、モニタや表示ランプ等である。
本実施形態における処理ユニット１００は、表示デバイスを更に含む。ここでの表示デバイスは、電池ユニット２００に関するエラー表示を行うためのデバイスである。表示デバイスは、例えば、モニタや表示ランプ等である。
【0027】
表示部１８の機能は、プロセッサ及びメモリ並びに表示デバイスで実現される。ただし、エラー表示は必須ではなく、エラー表示を行わない場合、表示デバイスはなくてよい。
【0028】
（２－５－３）処理ユニット１００の動作電力
本実施形態における処理ユニット１００（制御部１７等）は、電池ユニット２００から放電される非常用電力で動作する。ただし処理ユニット１００は、常用電源２の停電期間のみ、電池ユニット２００からの非常用電力で動作し、常用電源２の通電期間は、常用電力（例えば、充電回路１３から電池ユニット２００への電力の一部）で動作してもよい。または、処理ユニット１００は、電池ユニット２００とは別の二次電池又は一次電池（いずれも図示しない）で動作しても構わない。
本実施形態における処理ユニット１００（制御部１７等）は、電池ユニット２００から放電される非常用電力で動作する。ただし処理ユニット１００は、常用電源２の停電期間のみ、電池ユニット２００からの非常用電力で動作し、常用電源２の通電期間は、常用電力（例えば、充電回路１３から電池ユニット２００への電力の一部）で動作してもよい。または、処理ユニット１００は、電池ユニット２００とは別の二次電池又は一次電池（いずれも図示しない）で動作しても構わない。
【0029】
（２－６）制御部
制御部１７は、電池ユニット２００を制御する。
制御部１７は、電池ユニット２００を制御する。
【0030】
詳しくは、制御部１７は、電池ユニット２００を構成する複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、一の電池（例えば、第１電池１２ａ）を稼働電池、他の１つ以上の電池の各々（例えば、第２電池１２ｂ）を予備電池、としてそれぞれ機能させる。
【0031】
（２－６－１）稼働電池及び予備電池
稼働電池とは、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となる電池である。
稼働電池とは、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となる電池である。
【0032】
予備電池とは、稼働電池として機能する電池に代わって、充電回路１３の充電先かつ点灯回路１４への放電元となり得る電池である。
【0033】
（２－６－２）状況による機能の切り替え
制御部１７は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち一の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で状況により機能を切り替える。
制御部１７は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち一の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で状況により機能を切り替える。
【0034】
（２－６－３）状況
状況は、例えば、劣化状況である。
状況は、例えば、劣化状況である。
【0035】
（２－６－３ａ）劣化状況
劣化状況とは、電池の劣化の状況である。本実施形態における劣化状況は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）各々の劣化に関する状況である。劣化は、充放電の繰り返しによる劣化であり、例えば、放電時間が短くなる、放電電圧が低下する、といった現象である。劣化状況（劣化の進み具合）は、充放電回数、積算充電時間などに依存する。
劣化状況とは、電池の劣化の状況である。本実施形態における劣化状況は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）各々の劣化に関する状況である。劣化は、充放電の繰り返しによる劣化であり、例えば、放電時間が短くなる、放電電圧が低下する、といった現象である。劣化状況（劣化の進み具合）は、充放電回数、積算充電時間などに依存する。
【0036】
（２－６－３ｂ）劣化と関連する物理量
または、状況は、劣化と関連する各種の物理量であってもよい。劣化と関連する物理量は、例えば、劣化の原因となる物理量でもよいし、劣化の結果として変化する物理量でもよい。劣化の原因となる物理量は、例えば、時間、温度などであり、劣化の結果として変化する物理量は、例えば、電圧などである。
または、状況は、劣化と関連する各種の物理量であってもよい。劣化と関連する物理量は、例えば、劣化の原因となる物理量でもよいし、劣化の結果として変化する物理量でもよい。劣化の原因となる物理量は、例えば、時間、温度などであり、劣化の結果として変化する物理量は、例えば、電圧などである。
【0037】
時間は、例えば、日時、期間などである。日時は、日付及び時刻の少なくとも一方である。期間は、例えば、前回の切り替えからの経過時間である。
【0038】
温度は、例えば、気温、電池ユニット２００の温度、季節などである。なお、季節は、期間の一種でもある。
【0039】
電圧は、例えば、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）の点灯回路１４への放電電圧である。
【0040】
（２－６－３ｃ）機能の切り替えの履歴
または、状況は、例えば、温度や時間といった、電池の劣化原因となる物理量に基づく機能の切り替えの履歴でもよい。
または、状況は、例えば、温度や時間といった、電池の劣化原因となる物理量に基づく機能の切り替えの履歴でもよい。
【0041】
（２－７）利点
このように、本実施形態では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち１つ（例えば、第１電池１２ａ）が稼働電池、他の１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）が予備電池として機能している状態において、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池のうち１つ（第２電池１２ｂ）との間で、各種の状況（例えば、電池の劣化状況、又は劣化と関連する時間、温度、電圧等の物理量）により機能を切り替えることで、例えば、非常用照明としての機能を維持しながら、切替後に稼働電池として機能する電池（第２電池１２ｂ）の点検を行える。また、点検結果に基づく切り替えによって、点灯時間の確保を図ることができる。さらに、使用環境に起因する電池劣化の抑制を図ることができ、ひいては、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
このように、本実施形態では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち１つ（例えば、第１電池１２ａ）が稼働電池、他の１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）が予備電池として機能している状態において、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池のうち１つ（第２電池１２ｂ）との間で、各種の状況（例えば、電池の劣化状況、又は劣化と関連する時間、温度、電圧等の物理量）により機能を切り替えることで、例えば、非常用照明としての機能を維持しながら、切替後に稼働電池として機能する電池（第２電池１２ｂ）の点検を行える。また、点検結果に基づく切り替えによって、点灯時間の確保を図ることができる。さらに、使用環境に起因する電池劣化の抑制を図ることができ、ひいては、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0042】
【0043】
（３－１）制御部の詳細
制御部１７は、図１に示されるように、取得部１７１と、切替部１７２とを備える。
制御部１７は、図１に示されるように、取得部１７１と、切替部１７２とを備える。
【0044】
（３－１－１）取得部：状況情報の取得
取得部１７１は、状況情報を取得する。状況情報とは、状況に関する情報である。状況は、例えば、前述したような、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での機能切り替えのトリガとなる状況である。
取得部１７１は、状況情報を取得する。状況情報とは、状況に関する情報である。状況は、例えば、前述したような、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での機能切り替えのトリガとなる状況である。
【0045】
（３－１－１ａ）電池間での機能切り替えのトリガとなる状況に関する状況情報
この種の状況に関する状況情報は、例えば、時間に関する時間情報、温度に関する温度情報、電圧に関する電圧情報などである。
この種の状況に関する状況情報は、例えば、時間に関する時間情報、温度に関する温度情報、電圧に関する電圧情報などである。
【0046】
時間情報は、例えば、日時に関する日時情報、期間に関する期間情報などである。期間情報は、例えば、経過時間に関する経過時間時情報、季節に関する季節情報などである。
【0047】
温度情報は、例えば、気温に関する気温情報、季節に関する季節情報などである。または、温度情報は、温度の推定が可能な情報でもよい。温度の推定が可能な情報は、例えば、ＧＰＳ（Global Positioning System）で取得される緯度・経度情報、使用環境が温暖地か寒冷地かを示す情報、などである。
【0048】
電圧情報は、例えば、放電電圧に関する放電電圧情報である。
【0049】
（３－１－１ｂ）その他の状況情報
ただし、取得部１７１は、上記のような、電池間での機能の切り替えのトリガとなる状況に関する状況情報に限らず、例えば、稼働電池として機能している電池から点灯回路１４への電力供給の開始のトリガとなる状況に関する状況情報、を更に取得してもよい。この種の状況は、通常、停電であるが、停電の原因となる状況（例えば、漏電、地震など）でもよい。
ただし、取得部１７１は、上記のような、電池間での機能の切り替えのトリガとなる状況に関する状況情報に限らず、例えば、稼働電池として機能している電池から点灯回路１４への電力供給の開始のトリガとなる状況に関する状況情報、を更に取得してもよい。この種の状況は、通常、停電であるが、停電の原因となる状況（例えば、漏電、地震など）でもよい。
【0050】
従って、状況情報は、例えば、停電に関する停電情報でもよい。停電情報は、例えば、停電の発生を示す情報であるが、これに限らず、停電の発生を検知可能な情報であればよい。停電の発生を検知可能な情報は、例えば、常用電源２の電圧（又は充電回路１３の充電電圧）などに関する情報である。
【0051】
なお、前述した放電電圧情報は、例えば、稼働電池として機能している電池から点灯回路１４に電力供給を行う状態から、予備電池として機能している電池から点灯回路１４に電力供給を行う状態への移行、のトリガともなり得る。
【0052】
（３－１－２）切替部：電池間での機能の切り替え
切替部１７２は、取得部１７１が取得した状況情報が予め決められた条件（以下、単に「条件」と記す）を満たした場合に切替処理を行う。なお、条件については後述する。
切替部１７２は、取得部１７１が取得した状況情報が予め決められた条件（以下、単に「条件」と記す）を満たした場合に切替処理を行う。なお、条件については後述する。
【0053】
（３－１－２ａ）切替処理
切替処理とは、複数の電池（第１電池１２ａ，第２電池１２ｂ）のうち、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち一の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
切替処理とは、複数の電池（第１電池１２ａ，第２電池１２ｂ）のうち、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち一の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0054】
このように、取得部１７１が状況情報を取得し、切替部１７２は、取得された状況情報が条件を満たした場合に機能を切り替える。こうして、状況情報が条件を満たす場合に切替処理を行うことで、各種の状況及び各種の条件に基づく切り替えが行える。
【0055】
（３－１－２ｂ）第１電池及び第２電池の間での機能の切り替え
前述したように、本実施形態において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂである。以下では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）が第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂである場合を説明する。
前述したように、本実施形態において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂである。以下では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）が第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂである場合を説明する。
【0056】
切替処理とは、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0057】
このように、複数の電池は、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂであり、切替部１７２は、取得された状況情報が予め決められた条件を満たした場合に、第１電池１２ａと第２電池１２ｂとの間で機能を切り替える切替処理を行う。こうして、２つの電池（１２ａ，１２ｂ）間で機能の切り替えを行うことで、より簡易に、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0058】
（３－１－２ｃ）第１電池及び第２電池の劣化状況
この場合における機能の切り替えのトリガとなる状況は、例えば、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、少なくとも予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）の劣化状況であり、好ましくは、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの各々の劣化状況である。
この場合における機能の切り替えのトリガとなる状況は、例えば、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、少なくとも予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）の劣化状況であり、好ましくは、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの各々の劣化状況である。
【0059】
（３－２）点検部：劣化状況の点検
制御部１７は、点検部１７３を更に備える。点検部１７３は、点検処理を行う。
制御部１７は、点検部１７３を更に備える。点検部１７３は、点検処理を行う。
【0060】
（３－２－１）点検処理
点検処理とは、電池の劣化を点検する処理である。本実施形態における点検処理は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）の劣化状況を点検する処理である。
点検処理とは、電池の劣化を点検する処理である。本実施形態における点検処理は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）の劣化状況を点検する処理である。
【0061】
この場合における状況情報は、時間情報を含む。時間情報は、現在の時間に関する情報であり、例えば、現在日時を示す現在日時情報、又は前回の点検処理の実行からの経過時間を示す経過時間情報である。
【0062】
（３－２－２）切替時間条件
条件は、例えば、切替時間条件を含む。切替時間条件は、現在の時間が切替処理を行う時間である、という条件である。
条件は、例えば、切替時間条件を含む。切替時間条件は、現在の時間が切替処理を行う時間である、という条件である。
【0063】
点検部１７３は、時間情報が切替時間条件を満たした場合に、点検処理を行う。
【0064】
例えば、記憶部１０に、切替時間情報が格納されている。切替時間情報は、切替部１７２が切替処理を行う時間に関する情報であり、例えば、１つ以上の切替日時の集合、又は切替周期を示す情報である。切替日時とは、切り替えを行う日時である。切替周期とは、切り替えを行う周期である。
【0065】
点検部１７３は、例えば、記憶部１０に記憶されている切替時間情報に基づいて、取得部１７１が取得した時間情報が切替時間条件を満たした場合に、点検処理を行う。
【0066】
取得部１７１は、点検処理の結果を基に、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）について点検結果データを取得する。
【0067】
（３－２－３）点検結果データ
点検結果データとは、点検処理の結果に関するデータである。点検結果データは、例えば、合格か不合格かを示すデータである。
点検結果データとは、点検処理の結果に関するデータである。点検結果データは、例えば、合格か不合格かを示すデータである。
【0068】
（３－２－４）点検結果条件
条件は、点検結果条件を更に含む。点検結果条件は、点検結果データが合格を示す、という条件である。
条件は、点検結果条件を更に含む。点検結果条件は、点検結果データが合格を示す、という条件である。
【0069】
切替部１７２は、点検結果データが点検結果条件を満たす場合に、切替処理を行う。
【0070】
このように、切替時間条件が満たされる（例えば、現在日時が所定日時になる、又は前回の切替処理から一定時間が経過する）と、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）に対して点検処理が行われ、点検処理の結果が合格の場合に、切替処理が行われる結果、予備電池として機能していた電池（第２電池１２ｂ）が稼働電池となり、稼働電池として機能していた電池（第１電池１２ａ）が稼働電池となる。これにより、時間に基づく的確なタイミングでの切り替えが可能となる。
【0071】
（３－２－５）点検処理の詳細：放電処理及び判定処理
点検処理は、放電処理及び判定処理を少なくとも含む。
点検処理は、放電処理及び判定処理を少なくとも含む。
【0072】
（３－２－５ａ）放電処理
点検処理を構成する放電処理は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）への充電回路１３による充電が完了している状態で、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）に点灯回路１４への放電を開始させる処理である。
点検処理を構成する放電処理は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）への充電回路１３による充電が完了している状態で、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）に点灯回路１４への放電を開始させる処理である。
【0073】
充電が完了している状態とは、充電先の電池に蓄電されている電力量が基準値に達している状態であり、通常、満充電状態である。
【0074】
（３－２－５ｂ）判定処理
判定処理は、放電処理による放電の開始から所定時間の経過後に、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）の放電電圧が閾値以上か否か、を判定する処理である。
判定処理は、放電処理による放電の開始から所定時間の経過後に、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）の放電電圧が閾値以上か否か、を判定する処理である。
【0075】
取得部１７１は、判定処理によって放電電圧が閾値以上であると判定された場合に、合格を示す点検結果データを取得する。また、取得部１７１は、放電電圧が閾値未満であると判定された場合に、不合格を示す点検結果データを取得する。
【0076】
これにより、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）について合格／不合格を示す点検結果データを取得できる。
【0077】
（３－２－６）点検処理の変形例
なお、点検処理は、予備電池として機能している電池への充電回路１３による充電を開始させる充電処理、を更に含んでもよい。前述した放電処理は、充電処理によって開始された充電の完了後に開始される。
なお、点検処理は、予備電池として機能している電池への充電回路１３による充電を開始させる充電処理、を更に含んでもよい。前述した放電処理は、充電処理によって開始された充電の完了後に開始される。
【0078】
（３－２－７）切替前の点検及び充電
制御部１７は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）についての点検処理の後、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）への充電を開始させる。
制御部１７は、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）についての点検処理の後、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）への充電を開始させる。
【0079】
切替部１７２は、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）への充電が完了した後、切替処理を行う。
【0080】
充電が完了した後（充電完了後）とは、満充電状態となった時点、又はそれ以降であり、通常、満充電状態となった時点である。満充電状態となった時点は、例えば、充電開始から所定時間が経過した時点でもよいし、充電先の電池に蓄電された電力量が予め決められた電力量に達した時点でもよい。
【0081】
これにより、切替処理の前に、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）について点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0082】
（３－２－８）切替後の更なる点検
切替部１７２は、点検部１７３の点検結果を基に取得部１７１が取得した点検結果データが点検結果条件を満たさない場合にも、切替処理を行う。
切替部１７２は、点検部１７３の点検結果を基に取得部１７１が取得した点検結果データが点検結果条件を満たさない場合にも、切替処理を行う。
【0083】
点検部１７３は、取得された点検結果データが点検結果条件を満たさない場合における切替処理の後、予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）について、点検処理を更に行う。
【0084】
このように、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）についての点検結果が不合格の場合は、切替処理の後、新たに予備電池となった電池（つまり、切替前に稼働電池であった第１電池１２ａ）について点検処理が更に行われる。
【0085】
従って、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂに対応する２つの点検結果の取得が可能となり、当該２つの点検結果を基に、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの劣化状況に応じて点灯時間の確保を図ることができる。
【0086】
（３－２－９）切替後の点検で合格の場合の再切替
切替部１７２は、切替処理の後に、予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）について更に行われた点検処理による点検結果データが点検結果条件を満たす場合に、再切替処理を行う。
切替部１７２は、切替処理の後に、予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）について更に行われた点検処理による点検結果データが点検結果条件を満たす場合に、再切替処理を行う。
【0087】
再切替処理は、稼働電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）と、予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、の間で機能を再度切り替える処理である。
【0088】
このように、切替処理後の点検処理による点検結果データが点検結果条件を満たす場合（つまり、切替処理によって新たに予備電池となった第１電池１２ａが合格の場合）は、再切替処理が行われ、それによって、切替処理前に稼働電池であった電池（第１電池１２ａ）が、再び稼働電池に戻る。
【0089】
従って、２つの点検結果を基に、切替処理によって新たに稼働電池となった第２電池１２ｂが不合格の場合でも、新たに予備電池となった第１電池１２ａが合格であれば、第１電池１２ａが再切替処理によって予備電池から駆動電池に復帰するので、点灯時間の確保を図ることができる。
【0090】
（３－２－１０）点検又は更なる点検で不合格の場合のエラー表示
表示部１８は、点検結果データが点検結果条件を満たさない場合に、予備電池として機能している電池（１２ａ，１２ｂ）についてエラー表示を行う。
表示部１８は、点検結果データが点検結果条件を満たさない場合に、予備電池として機能している電池（１２ａ，１２ｂ）についてエラー表示を行う。
【0091】
エラー表示は、電池が劣化している旨の表示であり、例えば“第１電池が劣化しています”や“第２電池を交換してください”等の文字列、又は電池の劣化を示唆するアイコン画像などである。
【0092】
このように、切替処理の前に行われた点検処理による点検結果データが点検結果条件を持たさない場合、当該点検処理の時点で予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）についてエラー表示が行われる。
【0093】
また、切替処理の後に行われた更なる点検処理の結果も不合格の場合、当該更なる点検処理の時点で予備電池として機能している電池（つまり、新たに予備電池状態となった第２電池１２ｂ）についても、エラー表示が行われる。これにより、２つの電池（１２ａ，１２ｂ）の状況の認識の容易化が図られる。
【0094】
（３－３）時間情報及び切替時間条件の第１具体例：現在日時情報及び切替日時条件
本例では、時間情報は、現在日時情報を含む。現在日時情報とは、現在日時を示す情報である。現在日時情報は、例えば、〇年〇月〇日〇時〇分〇秒といった、時分秒も含む情報であるが、日付のみを示す情報でもよい。なお、現在日時情報は、例えば、プロセッサの内蔵時計等から取得される。
本例では、時間情報は、現在日時情報を含む。現在日時情報とは、現在日時を示す情報である。現在日時情報は、例えば、〇年〇月〇日〇時〇分〇秒といった、時分秒も含む情報であるが、日付のみを示す情報でもよい。なお、現在日時情報は、例えば、プロセッサの内蔵時計等から取得される。
【0095】
切替時間条件は、切替日時条件である。切替日時条件は、現在日時が予め決められた１つ以上の切替日時の各々に達した、という条件である。切替日時とは、切替処理を行う日時であり、例えば、△年△月△日といった日付を示す情報であるが、時分秒まで含む情報でもよい。
【0096】
切替部１７２は、取得部１７１が取得する現在日時情報が切替日時条件を満たした場合に、切替処理を行う。現在日時情報が切替日時条件を満たした場合とは、通常、現在日時情報が示す現在日時が、切替日時条件を構成する１つ以上の切替日時のいずれかに到達した時点であるが、到達時点よりも後の時点でもよい。
【0097】
具体的には、例えば、切替日時が△年△月△日の場合、日付が△年△月△日に変わった時点で、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）について点検が行われ、点検結果が合格の場合に、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）との間で機能の切り替えが行われる。
【0098】
このように、本例では、時間情報は現在日時情報を含み、条件は切替日時条件を含み、現在日時情報が切替日時条件を満たした場合に切替処理が行われる。従って、本例によれば、現在日時が切替日時となったタイミングで切替処理を行うことができる。
【0099】
（３－４）時間情報及び切替時間条件の第２具体例：経過時間情報及び切替周期条件
時間情報は、経過時間情報を含む。経過時間情報は、前回の切替処理から現在までの経過時間を示す情報である。
時間情報は、経過時間情報を含む。経過時間情報は、前回の切替処理から現在までの経過時間を示す情報である。
【0100】
切替時間条件は、切替周期条件である。切替周期条件は、経過時間が予め決められた切替周期に達した、という条件である。切替周期は、例えば、１年、半年等である。
【0101】
切替部１７２は、経過時間情報が切替周期条件を満たした場合に、切替処理を行う。具体的には、例えば、切替周期が１年の場合は、１年が経過するごとに、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）について点検が行われ、点検結果が合格の場合に、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）との間で機能の切り替えが行われる。
【0102】
このように、本例では、時間情報は経過時間情報を含み、条件は切替周期条件を含み、経過時間情報が切替周期条件を満たした場合に切替処理が行われる。従って、本例によれば、前回の切替処理から一定時間が経過したタイミングで切替処理を行うことができる。
【0103】
（３－５）状況情報及び条件の変形例
以上では、状況情報が時間情報、条件が切替時間である場合を説明したが、状況情報及び条件は、以下のような各種の変形例が可能である。
以上では、状況情報が時間情報、条件が切替時間である場合を説明したが、状況情報及び条件は、以下のような各種の変形例が可能である。
【0104】
（３－５－１）状況情報及び条件の第１変形例：温度情報及び温度範囲条件
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに異なる動作温度範囲を有する。異なる動作温度範囲は、例えば、“０度～６０度”（以下、「第１範囲」と記す）、“－１０度～５０度”（「第２範囲」）、“１０度～７０度”（「第３範囲」）などである。なお、第１～第３範囲は例示に過ぎず、例えば、低温側の下限値が－４０度、高温側の上限値が８０度の範囲で、様々な異なる動作温度範囲の選択が可能である。
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに異なる動作温度範囲を有する。異なる動作温度範囲は、例えば、“０度～６０度”（以下、「第１範囲」と記す）、“－１０度～５０度”（「第２範囲」）、“１０度～７０度”（「第３範囲」）などである。なお、第１～第３範囲は例示に過ぎず、例えば、低温側の下限値が－４０度、高温側の上限値が８０度の範囲で、様々な異なる動作温度範囲の選択が可能である。
【0105】
状況情報は、温度情報を含む。温度情報は、現在の温度に関する情報である。
【0106】
条件は、温度範囲条件である。温度範囲条件は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）が有する動作温度範囲と比べて、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち少なくとも１つの電池（第２電池１２ｂ）の動作温度範囲が、温度情報の示す温度に、より適している、という条件である。
【0107】
なお、前述のように、本実施形態では、複数の電池は第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂであり、この場合における条件は、「第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、稼働電池として機能している電池が有する動作温度範囲と比べて、予備電池として機能している電池の動作温度範囲が、温度情報の示す温度により適している」、という条件である。
【0108】
切替部１７２は、温度情報が温度範囲条件を満たす場合に、切替処理を行う。例えば、記憶部１０に、上記のような動作温度範囲に関する動作温度範囲情報が格納されており、切替部１７２は、記憶部１０に記憶されている動作温度範囲情報に基づいて、取得部１７１が取得した温度情報が温度範囲条件を満たす場合に、切替処理を行う。具体的には、例えば、気温が０度を下回った場合、稼働電池は、通常型である第１電池１２ａから、低温対応型である第２電池１２ｂに切り替わる。
【0109】
なお、電池の数が３つ以上であり、予備電池として機能している電池が複数あり、当該複数の電池のうち２つ以上の電池が、稼働電池として機能している電池の動作温度範囲と比べて、温度情報の示す温度により適した動作温度範囲を有する場合、切替部１７２は、当該２つ以上の電池のうち、温度情報の示す温度に最も適した動作温度範囲を有する電池との間で、機能の切り替えを行う。
【0110】
このように、本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は異なる動作温度範囲を有し、状況情報は温度情報を含み、現在の温度により適した動作温度範囲を有する電池（例えば、第２電池１２ｂ）が稼働電池となるように、電池間で機能の切り替えが行われる。
【0111】
この変形例によれば、予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、温度情報が示す温度に最も適する動作温度範囲を有する電池（第２電池１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0112】
（３－５－２）状況情報及び条件の第２変形例：季節情報及び冬季条件
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、低温対応型である。低温対応型では、動作温度範囲の下限側が、通常型と比べてより低温である。通常型の電池（例えば、第１電池１２ａ）の動作温度範囲は、例えば、上記第１範囲（０度～６０度）であり、低温対応型の電池（第２電池１２ｂ）の動作温度範囲は、例えば上記第２範囲（－２０度～５０度）である。
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、低温対応型である。低温対応型では、動作温度範囲の下限側が、通常型と比べてより低温である。通常型の電池（例えば、第１電池１２ａ）の動作温度範囲は、例えば、上記第１範囲（０度～６０度）であり、低温対応型の電池（第２電池１２ｂ）の動作温度範囲は、例えば上記第２範囲（－２０度～５０度）である。
【0113】
状況情報は、季節情報を含む。季節情報は、現在の季節に関する情報である。
【0114】
条件は、冬季条件である。冬季条件は、現在の季節が冬季である、という条件である。
【0115】
切替部１７２は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）が低温対応型ではなく、かつ季節情報が冬季条件を満たす場合に、切替処理を行う。
【0116】
季節情報が冬季条件を満たす場合に行われる切替処理は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち低温対応型の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0117】
例えば、記憶部１０に、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々が低温対応型か否かを示す低温対応型情報が格納されており、切替部１７２は、取得部１７１が取得した季節情報が冬季条件を満たす場合に、記憶部１０に記憶されている低温対応型情報を用いて、切替処理を行う。
【0118】
具体的には、例えば、季節が冬季に入ると、稼働電池は、通常型である第１電池１２ａから、低温対応型である第２電池１２ｂに切り替わる。
【0119】
ただし、例えば、状況情報が、寒冷地か否かを示す情報を更に含んでもよく、使用環境が寒冷地でない場合、季節が冬季に入っても、稼働電池は、通常型である第１電池１２ａから、低温対応型である第２電池１２ｂには切り替わらず、第１電池１２ａのままでもよい。
【0120】
このように、本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、動作温度範囲の下限側が通常型と比べてより低温である低温対応型であり、温度情報は季節情報を含み、温度範囲条件は冬季条件を含む。そして、季節情報が冬季条件を満たす場合に、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち低温対応型の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能が切り替わる。
【0121】
この変形例によれば、季節が冬季となったことに応じて、予備電池として機能している１つ以上の電池（第２電池１２ｂ）のうち低温対応型の電池（第２電池１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0122】
（３－５－３）状況情報及び条件の第３変形例：季節情報及び夏季条件
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、高温対応型である。高温対応型では、動作温度範囲の上限側が通常型と比べてより高温である。通常型の電池（例えば、第１電池１２ａ）の動作温度範囲は、例えば、上記第１範囲（０度～６０度）であり、高温対応型の電池（第２電池１２ｂ）の動作温度範囲は、例えば上記第３範囲（１０度～７０度）である。
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、高温対応型である。高温対応型では、動作温度範囲の上限側が通常型と比べてより高温である。通常型の電池（例えば、第１電池１２ａ）の動作温度範囲は、例えば、上記第１範囲（０度～６０度）であり、高温対応型の電池（第２電池１２ｂ）の動作温度範囲は、例えば上記第３範囲（１０度～７０度）である。
【0123】
状況情報は、季節情報を含み、条件は、夏季条件である。夏季条件は、現在の季節が夏季である、という条件である。
【0124】
切替部１７２は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）が高温対応型ではなく、かつ季節情報が夏季条件を満たす場合に、切替処理を行う。
【0125】
例えば、記憶部１０に、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々が高温対応型か否かを示す高温対応型情報が格納されており、切替部１７２は、取得部１７１が取得した季節情報が夏季条件を満たす場合に、記憶部１０に記憶されている高温対応型情報を用いて、切替処理を行う。
【0126】
具体的には、例えば、季節が夏季に入ると、稼働電池は、通常型である第１電池１２ａから、高温応型である第２電池１２ｂに切り替わる。
【0127】
ただし、例えば、状況情報が、灼熱地か否かを示す情報を更に含んでもよく、使用環境が灼熱地でない場合、季節が夏季に入っても、稼働電池は、通常型である第１電池１２ａから、高温対応型である第２電池１２ｂには切り替わらず、第１電池１２ａのままでもよい。
【0128】
季節情報が夏季条件を満たす場合に行われる切替処理は、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（第２電池１２ｂ）のうち高温対応型の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0129】
このように、本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の１つ（例えば、第２電池１２ｂ）は、動作温度範囲の上限限側が通常型と比べてより高温である高温対応型であり、温度情報は季節情報を含み、温度範囲条件は夏季条件を含む。そして、季節情報が夏季条件を満たす場合に、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のうち高温対応型の電池（第２電池１２ｂ）と、の間で機能が切り替わる。
【0130】
この変形例によれば、季節が夏季となったことに応じて、予備電池として機能している１つ以上の電池（第２電池１２ｂ）のうち高温対応型の電池（第２電池１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0131】
（３－５－４）状況情報及び条件の第４変形例：季節情報及び同等劣化条件
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに同じ動作温度範囲を有する。
本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに同じ動作温度範囲を有する。
【0132】
状況情報は、季節情報を含む。季節情報は、現在の季節に関する情報である。
【0133】
条件は、同等劣化条件である。同等劣化条件とは、切り替えによって複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で劣化が均等の状態に近づく、という条件である。
【0134】
記憶部１０は、履歴情報を記憶する。
【0135】
履歴情報は、切替部１７２による季節情報を用いた切替処理の履歴に関する情報である。履歴情報は、例えば、複数の期間情報と、複数の期間情報にそれぞれ対応する複数の組情報と、を含む。複数の期間情報は、例えば、“２０２０年１月”、“２０２０年２月”・・・“２０２２年４月”などである。複数の組情報の各々は、季節情報（春／夏／秋／冬）、電池識別子（Ｎｏ．１／Ｎｏ．２）及びフラグ（稼働／予備）を含む。
【0136】
なお、履歴情報は、例えば、取得部１７１が取得した状況情報、及び切替部１７２による切替結果などに、制御部１７によって作成され、記憶部１０によって記憶される。
【0137】
切替部１７２は、記憶部１０に記憶されている履歴情報を基に、季節情報が同等劣化条件を満たすか否かを判断し、季節情報が同等劣化条件を満たした場合に切替処理を行う。
【0138】
このように、本例では、複数の電池（第１電池１２ａ，第２電池１２ｂ）は、同じ動作温度範囲を有し、状況情報は季節情報を含み、履歴情報を基に、複数の電池（第１電池１２ａ，第２電池１２ｂ）の間で劣化が均等の状態に近づくような切り替えが行われる。
【0139】
この変形例によれば、冬季の積算稼働時間が均等に近づくような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での劣化のばらつきの抑制を図ることができる。
【0140】
（３－５－４ａ）履歴情報及び同等劣化条件の第１具体例
本例において、履歴情報は、冬季の積算稼働時間を更に含む。積算稼働時間とは、稼働時間を積算した結果である。稼働時間とは、稼働電池として機能している時間である。
本例において、履歴情報は、冬季の積算稼働時間を更に含む。積算稼働時間とは、稼働時間を積算した結果である。稼働時間とは、稼働電池として機能している時間である。
【0141】
例えば、制御部１７によって、「（３－５－４）状況情報及び条件の第４変形例」で説明したような、複数の期間情報と、複数の期間情報にそれぞれ対応する複数の組情報と、を含む履歴情報（以下、「元の履歴情報」と記す）を基に、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々について、稼働時間が季節ごとに積算され、積算稼働時間が取得される。
【0142】
本例の履歴情報は、元の履歴情報と、それを基に複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の各々について取得された、季節ごとの積算稼働時間と、を含む。
【0143】
冬季の積算稼働時間は、４つの季節に対応する４つの積算結果のうち、冬季に対応する積算結果である。
【0144】
同等劣化条件は、冬季稼働時間条件を含む。冬季稼働時間条件は、切り替えによって複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で冬季の積算稼働時間が均等の状態に近づく、という条件である。
【0145】
このように、本例では、温度情報は季節情報を含み、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で、冬季の積算稼働時間が均等な状態に近づくような切り替えが行われる。
【0146】
この変形例によれば、冬季の積算稼働時間が均等に近づくような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での劣化のばらつきの抑制を図ることができる。
【0147】
（３－５－４ｂ）履歴情報及び同等劣化条件の第２具体例
本例における履歴情報は、「（３－５－４ａ）履歴情報及び同等劣化条件の第１具体例」における履歴情報において、夏季の積算稼働時間を更に含む。
本例における履歴情報は、「（３－５－４ａ）履歴情報及び同等劣化条件の第１具体例」における履歴情報において、夏季の積算稼働時間を更に含む。
【0148】
同等劣化条件は、夏季稼働時間条件を更に含む。夏季稼働時間条件は、切り替えによって複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で更に夏季の積算稼働時間も均等の状態に近づく、という条件である。
【0149】
このように、本例では、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で、更に夏季の積算稼働時間も均等な状態に近づくような切り替えが行われる。
【0150】
この変形例によれば、冬季の積算稼働時間が均等に近づくだけでなく、夏季の積算稼働時間も均等に近づくような切り替えを行うことで、劣化のばらつきの更なる抑制を図ることができる。
【0151】
（３－５－５）稼働電池から点灯回路１４への電力供給の開始のトリガとなる状況
点灯回路１４への電力供給開始のトリガとなる状況は、前述したように停電である。
点灯回路１４への電力供給開始のトリガとなる状況は、前述したように停電である。
【0152】
状況情報は、例えば、停電情報及び放電電圧情報を含む。
【0153】
停電情報は、前述したように、常用電源の停電に関する情報であり、例えば、充電回路１３の一次側に設けられた電圧センサの計測結果を基に、取得部１７１によって取得される。
【0154】
放電電圧情報は、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）の点灯回路１４への放電電圧に関する情報である。放電電圧情報は、例えば、電池ユニット２００の二次側に設けられた電圧センサでの計測結果を基に、取得部１７１によって取得される。
【0155】
切替部１７２は、停電情報を基に停電発生（つまり、通電状態から停電状態への変化）が検知された場合に、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、稼働電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）に点灯回路１４への放電を開始させる。
【0156】
そして、切替部１７２は、点灯回路１４への放電の開始後、放電電圧情報を基に、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）の放電電圧が基準電圧以下となったことが検知された場合に、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂのうち、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）に代えて、予備電池として機能している電池（第２電池１２ｂ）に、点灯回路１４への放電を開始させる。
【0157】
このように、停電情報を基に停電発生が検知された場合に稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）に点灯回路１４への放電を開始させ、放電開始後、放電電圧情報を基に、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）の放電電圧が基準電圧以下となった場合に、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）に代えて、予備電池として機能している１つ以上の電池（例えば、第２電池１２ｂ）のいずれか１つ（第２電池１２ｂ）に、点灯回路１４への放電を開始させる。
【0158】
これによって、稼働電池として機能している電池が過放電状態となることを回避しつつ、点灯期間の延長を図ることができる。その結果、照明装置１の非常用照明としての信頼性の向上が図られる。
【0159】
【0160】
照明装置１を構成する処理ユニット１００は、例えば、図２のフローチャートに従って動作する。なお、図２のフローチャートの処理は、例えば、照明装置１の設置が完了した後、最初の通電に応じて開始される。また、図２のフローチャートの処理は、図３～図５のタイミングチャートに示された、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの各々の状態変化及び充放電動作、に対応している。
【0161】
処理が開始されると、処理ユニット１００を構成する制御部１７が初期設定を行う（ステップＳ１）。ここでは、第１電池１２ａ（電池識別子“Ｎｏ．１”で識別される電池）が稼働電池、第２電池１２ｂ（電池識別子“Ｎｏ．２”で識別される電池）が予備電池、として機能するように設定される。そして、制御部１７は、稼働電池として機能するように設定した第１電池１２ａへの充電を開始させる。第１電池１２ａが満充電状態となると、制御部１７は、第１電池１２ａへの充電をトリクル充電（自然放電を補うように絶えず微小電流で充電する方式：図３参照）に移行させる。
【0162】
初期設定が完了すると、制御部１７を構成する取得部１７１が状況情報を取得する（ステップＳ２）。本例で取得される状況情報は、例えば、時間情報であるが、これに限らない。
【0163】
次に、切替部１７２が、ステップＳ１で取得された状況情報が条件を満たすか否かを判断する（ステップＳ３）。ここでの条件は、例えば、切替時間条件であるが、これに限らない。状況情報が条件を満たしていないと判断された場合、処理はステップＳ２に戻る。
【0164】
ステップＳ３で状況情報が条件を満たした（切替時間条件満足：図３参照）と判断された場合、点検部１７３は、予備電池として機能している電池（当初は、第２電池１２ｂ）について点検処理を行う（ステップＳ４）。初回の点検処理では、図３に示すように、予備電池として機能している第２電池１２ｂへの充電が開始され、第２電池１２ｂが満充電状態となった後、第２電池１２ｂからの放電が開始される。そして、放電開始から所定時間が経過した時点での放電電圧が基準電圧以上か否かが判断される。
【0165】
次に、切替部１７２は、ステップＳ４での点検結果（放電電圧が基準電以上か否かの判断結果）を基に、予備電池として機能している電池（ここでは、第２電池１２ｂ）が合格か否かを判断する（ステップＳ５）。具体的には、放電電圧が基準電圧以上であれば合格、基準電圧未満であれば不合格と判断される。不合格と判断された場合、処理はステップＳ９（後述）に進む。
【0166】
ステップＳ５で合格と判断された場合、制御部１７は、予備電池として機能している電池（当初は、第２電池１２ｂ）への充電を充電回路１３に命じて開始させる（ステップＳ６）。これによって、例えば、図３に示すように、第２電池１２ｂが点検で合格と判断された後、第２電池１２ｂへの充電が開始される。
【0167】
ステップＳ６での充電開始後、第２電池１２ｂが満充電状態となると、切替部１７２は、切替処理を行う（ステップＳ７）。これによって、例えば、図３に示すように、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの間で機能が切り替わり、第１電池１２ａは予備電池、第２電池１２ｂは稼働電池として機能する状態となる。
【0168】
ステップＳ７での切り替えの後、制御部１７は、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）への充電を停止させる（ステップＳ８）。図３の例では、ステップＳ１の初期設定後に開始された第１電池１２ａへのトリクル充電は、ステップＳ８で停止される。その後、処理はステップＳ２に戻る。
【0169】
ステップＳ５で不合格と判断された場合、表示部１８は、予備電池として機能している電池（ここでは、第２電池１２ｂ）についてエラー表示（図４参照）を行う（ステップＳ９）。例えば、“第２電池は劣化しています”等の文字列が表示されてもよい。
【0170】
その後、制御部１７は、予備電池として機能している電池（ここでは、第２電池１２ｂ）への充電を開始させる（ステップＳ１０）。
【0171】
ステップＳ１０での充電開始の後、第２電池１２ｂが満充電状態となると、切替部１７２は、切替処理を行う（ステップＳ１１）。これによって、例えば、図４に示すように、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの間で機能が切り替わり、第１電池１２ａは予備電池、第２電池１２ｂは稼働電池として機能する状態となる。
【0172】
ステップＳ１１での切り替えの後、点検部１７３は、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）について点検処理を行う（ステップＳ１２）。この点検処理では、例えば、図４に示すように、予備電池として機能している第１電池１２ａへの充電が開始され、第１電池１２ａが満充電状態となった後、第１電池１２ａから点灯回路１４への放電が開始される。そして、放電開始から所定時間が経過した時点での放電電圧が基準電以上か否かが判断される。ここで不合格と判断された場合、処理はステップＳ１６（後述）に進む。
【0173】
ステップＳ１３で合格と判断された場合、制御部１７は、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）への充電を開始させる（ステップＳ１４）。これによって、例えば、図４に示すように、点検で第１電池１２ａが合格と判断された後、第１電池１２ａへの充電が開始される。
【0174】
ステップＳ１４での充電開始の後、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）が満充電状態となると、切替部１７２は、再切替処理を行う（ステップＳ１５）。これによって、例えば、図４に示すように、第１電池１２ａ及び第２電池１２ｂの間で機能が再度切り替わり、第１電池１２ａは稼働電池、第２電池１２ｂは予備電池として機能する状態に復帰する。その後、処理はステップＳ２に戻る。
【0175】
ステップＳ１３で不合格と判断された場合、表示部１８は、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）についてエラー表示（図５参照）を行う（ステップＳ１６）。ここでは、例えば、“第１電池も劣化しています”等の文字列が表示されてもよい。
【0176】
その後、制御部１７は、予備電池として機能している電池（ここでは、第１電池１２ａ）への充電を開始させる（ステップＳ１７）。これによって、例えば、図５に示すように、第１電池１２ａへの充電が開始され、第１電池１２ａが満充電状態となると、制御部１７は、第１電池１２ａへの充電をトリクル充電に移行させる。その後、処理はステップＳ２に戻る。
【0177】
（４）まとめ
本開示の第１の態様に係る照明装置（１）は、光源（１１）と、電池ユニット（２００）と、充電回路（１３）と、点灯回路（１４）と、制御部（１７）と、を備える。電池ユニット（２００）は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）を含む。複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、各々二次電池である。充電回路（１３）は、常用電源（２）の通電期間に、常用電源（２）から給電される常用電力で電池ユニット（２００）を充電する。点灯回路（１４）は、常用電源（２）の停電期間に、電池ユニット（２００）から放電される非常用電力で光源（１１）を点灯させる。制御部（１７）は、電池ユニット（２００）を制御する。制御部（１７）は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、一の電池（１２ａ）を稼働電池、他の１つ以上の電池（１２ｂ）の各々（１２ｂ）を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路（１３）の充電先かつ点灯回路（１４）への放電元となる電池である。前記予備電池は、前記稼働電池として機能する電池（１２ａ）に代わって充電回路（１３）の充電先かつ点灯回路（１４）への放電元となり得る電池である。制御部（１７）は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち一の電池（１２ｂ）との間で、状況により機能を切り替える。
本開示の第１の態様に係る照明装置（１）は、光源（１１）と、電池ユニット（２００）と、充電回路（１３）と、点灯回路（１４）と、制御部（１７）と、を備える。電池ユニット（２００）は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）を含む。複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、各々二次電池である。充電回路（１３）は、常用電源（２）の通電期間に、常用電源（２）から給電される常用電力で電池ユニット（２００）を充電する。点灯回路（１４）は、常用電源（２）の停電期間に、電池ユニット（２００）から放電される非常用電力で光源（１１）を点灯させる。制御部（１７）は、電池ユニット（２００）を制御する。制御部（１７）は、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、一の電池（１２ａ）を稼働電池、他の１つ以上の電池（１２ｂ）の各々（１２ｂ）を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路（１３）の充電先かつ点灯回路（１４）への放電元となる電池である。前記予備電池は、前記稼働電池として機能する電池（１２ａ）に代わって充電回路（１３）の充電先かつ点灯回路（１４）への放電元となり得る電池である。制御部（１７）は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち一の電池（１２ｂ）との間で、状況により機能を切り替える。
【0178】
この態様によれば、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち１つ（例えば、第１電池１２ａ）が稼働電池、他（例えば、第２電池１２ｂ）が予備電池として機能している状態において、稼働電池として機能している電池（第１電池１２ａ）と、予備電池として機能している１つ以上の電池（第２電池１２ｂ）のうち１つ（第２電池１２ｂ）との間で、状況（例えば、電池の劣化状況、又は劣化と関連する時間、温度、電圧等の物理量）により機能を切り替えることで、例えば、非常用照明としての機能を維持しながら、切替後に稼働電池として機能する電池（第２電池１２ｂ）の点検を行える。また、点検結果に基づく切り替えによって、点灯時間の確保を図ることができる。さらに、使用環境に起因する電池劣化の抑制を図ることができ、ひいては、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0179】
第２の態様に係る照明装置（１）では、第１の態様において、制御部（１７）は、取得部（１７１）と、切替部（１７２）と、を備える。取得部（１７１）は、前記状況に関する状況情報を取得する。切替部（１７２）は、前記状況情報が予め決められた条件を満たした場合に切替処理を行う。前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち一の電池（１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0180】
この態様によれば、状況情報が条件を満たす場合に切替処理を行うことで、各種の状況及び各種の条件に基づく切り替えが行える。
【0181】
第３の態様に係る照明装置（１）では、第２の態様において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、第１電池（１２ａ）及び第２電池（１２ｂ）である。前記切替処理は、第１電池（１２ａ）及び第２電池（１２ｂ）のうち、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0182】
この態様によれば、２つの電池（１２ａ，１２ｂ）間で機能の切り替えを行うことで、より簡易に、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0183】
第４の態様に係る照明装置（１）では、第３の態様において、前記状況は、第１電池（１２ａ）及び第２電池（１２ｂ）のうち少なくとも前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）の劣化状況である。制御部（１７）は、点検部（１７３）を更に備える。点検部（１７３）は、点検処理を行う。前記点検処理は、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）の劣化状況を点検する処理である。前記状況情報は、時間情報を含む。前記時間情報は、現在の時間に関する情報である。前記条件は、切替時間条件を含む。前記切替時間条件は、前記現在の時間が前記切替処理を行う時間である、という条件である。点検部（１７３）は、前記時間情報が前記切替時間条件を満たした場合に、前記点検処理を行う。取得部（１７１）は、前記点検処理の結果を基に、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）について点検結果データを取得する。前記点検結果データは、合格か不合格を示データである。前記条件は、点検結果条件を更に含む。前記点検結果条件は、前記点検結果データが合格を示す、という条件である。切替部（１７２）は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たす場合に、前記切替処理を行う。
【0184】
この態様によれば、切替時間条件が満たされる（例えば、現在日時が所定日時になる、又は前回の切替処理から一定時間が経過する）と、予備電池として機能している電池（例えば第２電池）に対して点検処理が行われ、点検処理の結果が合格の場合に、切替処理が行われる結果、予備電池として機能していた電池（例えば、第２電池１２ｂ）が稼働電池となり、稼働電池として機能していた電池（例えば、第１電池１２ａ）が予備電池となる。これにより、時間に基づく的確なタイミングでの切り替えが可能となる。
【0185】
第５の態様に係る照明装置（１）では、第４の態様において、前記点検処理は、放電処理及び判定処理を少なくとも含む。前記放電処理は、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）への充電回路（１３）による充電が完了している状態で、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）に点灯回路（１４）への放電を開始させる処理である。前記判定処理は、前記放電の開始から所定時間の経過後に、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）の放電電圧が閾値以上か否かを判定する処理である。取得部（１７１）は、前記判定処理によって前記放電電圧が前記閾値以上であると判定された場合に、前記合格を示す前記点検結果データを取得する。また、前記取得部（１７１）は、前記放電電圧が前記閾値未満であると判定された場合に、前記不合格を示す前記点検結果データを取得する。
【0186】
この態様によれば、予備電池として機能している電池（１２ｂ）について合格／不合格を示す点検結果データを取得できる。
【0187】
第６の態様に係る照明装置（１）では、第４又は第５の態様において、制御部（１７）は、前記点検処理の後、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）への充電を開始させる。前記切替部（１７２）は、前記予備電池として機能している電池（１２ｂ）への充電が完了した後、前記切替処理を行う。
【0188】
この態様によれば、切替処理の前に、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）について点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0189】
第７の態様に係る照明装置（１）では、第６の態様において、切替部（１７２）は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合にも、前記切替処理を行う。点検部（１７３）は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合における前記切替処理の後、前記予備電池として機能している電池（１２ａ）について、前記点検処理を更に行う。
【0190】
この態様によれば、予備電池として機能している電池（例えば、第２電池１２ｂ）についての点検結果が不合格の場合は、切替処理の後、新たに予備電池となった電池（つまり、切替前に稼働電池であった第１電池１２ａ）について点検処理が更に行われる。従って、第１電池（１２ａ）及び第２電池（１２ｂ）に対応する２つの点検結果の取得が可能となり、当該２つの点検結果を基に、第１電池（１２ａ）及び第２電池（１２ｂ）の劣化状況に応じて点灯時間の確保を図ることができる。
【0191】
第８の態様に係る照明装置（１）では、第７の態様において、切替部（１７２）は、前記切替処理の後に、前記予備電池として機能している電池（１２ａ）について更に行われた前記点検処理による前記点検結果データが前記点検結果条件を満たす場合に、再切替処理を行う。前記再切替処理は、前記稼働電池として機能している電池（１２ｂ）と、前記予備電池として機能している電池（１２ａ）と、の間で機能を再度切り替える処理である。
【0192】
この態様によれば、切替処理後の点検処理による点検結果データが点検結果条件を満たす場合（つまり、切替処理によって新たに予備電池となった第１電池１２ａが合格の場合）は、再切替処理が行われ、それによって、切替処理前に稼働電池であった電池（第１電池１２ａ）が、再び稼働電池に戻る。従って、２つの点検結果を基に、切替処理によって新たに稼働電池となった第２電池（１２ｂ）が不合格の場合でも、新たに予備電池となった第１電池（１２ａ）が合格であれば、第１電池（１２ａ）が再切替処理によって予備電池から駆動電池に復帰するので、点灯時間の確保を図ることができる。
【0193】
なお、第４～第８のいずれかの態様において、照明装置（１）は、表示部（１８）を更に備えていてもよい。表示部（１８）は、前記点検結果データが前記点検結果条件を満たさない場合に、前記予備電池として機能している電池（１２ａ，１２ｂ）についてエラー表示を行う。
【0194】
この態様によれば、切替処理の前に行われた点検処理による点検結果データが点検結果条件を持たさない場合、当該点検処理の時点で予備電池として機能している電池（例えば、第１電池１２ａ）についてエラー表示が行われる。また、切替処理の後に行われた点検処理の結果も不合格の場合、当該点検処理の時点で予備電池として機能している電池（つまり、新たに予備電池状態となった第２電池１２ｂ）についても、エラー表示が行われる。これにより、２つの電池（１２ａ，１２ｂ）の状況の認識の容易化が図られる。
【0195】
第９の態様に係る照明装置（１）では、第４の態様において、前記時間情報は、現在日時情報を含む。前記現在日時情報は、現在日時を示す情報である。前記切替時間条件は、切替日時条件である。前記切替日時条件は、前記現在日時が予め決められた１つ以上の切替日時の各々に達した、という条件である。切替部（１７２）は、前記現在日時情報が前記切替日時条件を満たした場合に、前記切替処理を行う。
【0196】
この態様によれば、現在日時が切替日時となったタイミングで切替処理を行うことができる。
【0197】
第１０の態様に係る照明装置（１）では、第４の態様において、前記時間情報は、経過時間情報を含む。前記経過時間情報は、前回の前記切替処理から現在までの経過時間を示す情報である。前記切替時間条件は、切替周期条件である。前記切替周期条件は、前記経過時間が予め決められた切替周期に達した、という条件である。切替部（１７２）は、前記経過時間情報が前記切替周期条件を満たした場合に、前記切替処理を行う。
【0198】
この態様によれば、前回の切替処理から一定時間が経過したタイミングで切替処理を行うことができる。
【0199】
第１１の態様に係る照明装置（１）では、第２の態様において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに異なる動作温度範囲を有する。前記状況情報は、温度情報を含む。前記温度情報は、現在の温度に関する情報である。前記条件は、温度範囲条件である。前記温度範囲条件は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）が有する動作温度範囲と比べて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ａ）のうち少なくとも１つの電池（１２ａ）の動作温度範囲が、前記温度情報の示す前記温度により適している、という条件である。切替部（１７２）は、前記温度情報が前記温度範囲条件を満たす場合に、前記切替処理を行う。
【0200】
この態様によれば、予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、温度情報が示す温度に最も適する動作温度範囲を有する電池（１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0201】
第１２の態様に係る照明装置（１）では、第２の態様において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（１２ｂ）は、低温対応型である。前記低温対応型では、動作温度範囲の下限側が、通常型と比べてより低温である。前記状況情報は、季節情報を含む。前記季節情報は、現在の季節に関する情報である。前記条件は、冬季条件である。前記冬季条件は、前記現在の季節が冬季である、という条件である。切替部（１７２）は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）が前記低温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に、前記切替処理を行う。前記季節情報が前記冬季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち前記低温対応型の電池（１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0202】
この態様によれば、季節が冬季となったことに応じて、予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち低温対応型の電池（１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0203】
第１３の態様に係る照明装置（１）では、第２の態様において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のいずれか１つ（１２ｂ）は、高温対応型である。前記高温対応型では、動作温度範囲の上限側が通常型と比べてより高温である。前記状況情報は、季節情報を含む。前記季節情報は、現在の季節に関する情報である。前記条件は、夏季条件である。前記夏季条件は、前記現在の季節が夏季である、という条件である。切替部（１７２）は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）が前記高温対応型ではなく、かつ前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に、前記切替処理を行う。前記季節情報が前記夏季条件を満たす場合に行われる前記切替処理は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）と、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち前記高温対応型の電池（１２ｂ）と、の間で機能を切り替える処理である。
【0204】
この態様によれば、季節が夏季となったことに応じて、予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち高温対応型の電池（１２ｂ）が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の劣化の抑制を図ることができる。
【0205】
第１４の態様に係る照明装置（１）では、第２の態様において、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）は、互いに同じ動作温度範囲を有する。前記状況情報は、季節情報を含む。前記季節情報は、現在の季節に関する情報である。前記条件は、切り替えによって複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で劣化の進行が同等に近づく、という同等劣化条件である。照明装置（１）は、記憶部（１０）を更に備える。記憶部（１０）は、履歴情報を記憶する。前記履歴情報は、切替部（１７２）による前記季節情報を用いた前記切替処理の履歴に関する情報である。切替部（１７２）は、前記履歴情報を基に、前記季節情報が前記同等劣化条件を満たした場合に前記切替処理を行う。
【0206】
この態様によれば、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での劣化のばらつきの抑制を図ることができる。
【0207】
第１５の態様に係る照明装置（１）では、第１４の態様において、前記履歴情報は、冬季の積算稼働時間を含む。前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で前記冬季の積算稼働時間が均等の状態に近づく、という冬季稼働時間条件を含む。
【0208】
この態様によれば、冬季の積算稼働時間が均等に近づくような切り替えを行うことで、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間での劣化のばらつきの抑制を図ることができる。
【0209】
第１６の態様に係る照明装置（１）では、第１５の態様において、前記履歴情報は、夏季の積算稼働時間を更に含む。前記同等劣化条件は、切り替えによって前記複数の電池（１２ａ，１２ｂ）の間で更に前記夏季の積算稼働時間も均等の状態に近づく、という冬季稼働時間条件を含む。
【0210】
この態様によれば、夏季の積算稼働時間が均等に近づくような切り替えを行うことで、劣化のばらつきの更なる抑制を図ることができる。
【0211】
第１７の態様に係る照明装置（１）では、第２～第１６のいずれかの態様において、前記状況情報は、停電情報及び放電電圧情報を含む。前記停電情報は、前記常用電源の停電に関する情報である。前記放電電圧情報は、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）の点灯回路（１４）への放電電圧に関する情報である。切替部（１７２）は、前記停電情報を基に停電発生が検知された場合に、複数の電池（１２ａ，１２ｂ）のうち、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）に点灯回路（１４）への放電を開始させる。そして、切替部（１７２）は、点灯回路（１４）への放電の開始後、前記放電電圧情報を基に、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）の放電電圧が基準電圧以下となったことが検知された場合に、前記稼働電池として機能している電池（１２ａ）に代えて、前記予備電池として機能している１つ以上の電池（１２ｂ）のうち一の電池（１２ｂ）に、点灯回路（１４）への放電を開始させる。
【0212】
この態様によれば、稼働電池として機能している電池が過放電状態となることを回避しつつ、点灯期間の延長を図ることができる。その結果、非常用照明としての信頼性の向上が図られる。
【符号の説明】
【0213】
１ 照明装置
１０ 記憶部
１１ 光源
１２ａ 第１電池
１２ｂ 第２電池
１３ 充電回路
１４ 点灯回路
１７ 制御部
１７１ 取得部
１７２ 切替部
１７３ 点検部
１８ 表示部
２ 常用電源
１００ 処理ユニット
２００ 電池ユニット
１０ 記憶部
１１ 光源
１２ａ 第１電池
１２ｂ 第２電池
１３ 充電回路
１４ 点灯回路
１７ 制御部
１７１ 取得部
１７２ 切替部
１７３ 点検部
１８ 表示部
２ 常用電源
１００ 処理ユニット
２００ 電池ユニット
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】