(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181921
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20231218BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231218BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231218BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H05B47/165
H02J7/00 H
H02J7/00 Q
H02J7/00 302C
H02J7/02 G
H02J9/06 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095320
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 功
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠
(72)【発明者】
【氏名】新井 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎吾
【テーマコード(参考)】
3K273
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
3K273AA03
3K273BA30
3K273BA32
3K273BA37
3K273DA07
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA17
3K273EA18
3K273EA22
3K273EA37
3K273EA38
3K273EA40
3K273FA11
3K273FA15
3K273FA30
3K273FA40
3K273FA41
3K273GA03
3K273GA06
3K273GA25
5G015FA18
5G015GB01
5G015JA41
5G015JA56
5G015KA01
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB04
5G503EA09
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1を構成する電池ユニット200は、二次電池である主電池12a及び二次電池又は一次電池である副電池12bを含む。制御部17は、主電池12aを稼働電池、副電池12bを予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路13の充電先かつ点灯回路14への放電元となる電池であり、前記予備電池は、前記稼働電として機能する電池に代わって、少なくとも点灯回路14への放電元となり得る電池である。制御部17は、前記稼働電池として機能している主電池12aと、前記予備電池として機能している副電池12bとの間で、状況により機能を切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
二次電池である主電池と二次電池又は一次電池である副電池とを含む電池ユニットと、
常用電源の通電期間に、前記常用電源から給電される常用電力で前記電池ユニットを充電する充電回路と、
前記常用電源の停電期間に、前記電池ユニットから放電される非常用電力で前記光源を点灯させる点灯回路と、
前記電池ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記主電池を前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となる稼働電池、前記副電池を前記主電池に代わって少なくとも前記点灯回路への放電元となり得る予備電池、としてそれぞれ機能させ、
前記稼働電池として機能している前記主電池と、前記予備電池として機能している前記副電池と、の間で状況により機能を切り替える、
照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記状況に関する状況情報を取得する取得部と、
前記状況情報が予め決められた条件を満たした場合に、前記稼働電池として機能している前記主電池と、前記予備電池として機能している前記副電池と、の間で機能を切り替える切替処理を行う切替部と、を備える、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記状況は、少なくとも前記主電池の劣化状況であり、
前記制御部は、前記主電池の劣化状況を点検する主点検処理を少なくとも行う点検部を更に備え、
前記状況情報は、現在の時間に関する時間情報を含み、
前記条件は、前記現在の時間が前記主点検処理を行う時間であるという点検時間条件を含み、
前記切替部は、前記時間情報が前記点検時間条件を満たした場合に、前記稼働電池として機能している前記主電池と、前記予備電池として機能している前記副電池と、の間で機能を切り替える第1切替処理を行い、
前記点検部は、前記第1切替処理の後に前記主点検処理を行い、
前記取得部は、前記主点検処理の結果を基に、前記主電池について合格か不合格かを示す主点検結果データを取得し、
前記条件は、前記主点検結果データが前記合格を示すという主点検結果条件を更に含み、
前記切替部は、前記主点検結果データが前記主点検結果条件を満たす場合に、前記予備電池として機能している前記主電池と、前記稼働電池として機能している前記副電池と、の間で機能を切り替える第2切替処理を更に行う、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記主点検処理は、前記第1切替処理によって、前記主電池が、前記稼働電池として機能している稼働電池状態から前記予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、前記主電池に前記点灯回路への放電を開始させる放電処理、及び前記放電の開始から所定時間の経過後に前記主電池の放電電圧が閾値以上か否かを判定する判定処理を含み、
前記取得部は、前記判定処理によって、前記放電電圧が前記閾値以上であると判定された場合に前記合格を示す前記主点検結果データを取得し、前記放電電圧が前記閾値未満であると判定された場合に前記不合格を示す前記主点検結果データを取得する、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記主点検処理の後、前記予備電池として機能している前記主電池への充電を開始させ、
前記切替部は、前記主電池への前記充電の完了後、前記第2切替処理を行う、
請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記点検部は、前記主点検結果データが前記主点検結果条件を満たさない場合、前記第2切替処理を行った後、前記副電池の劣化状況を点検する副点検処理を更に行う、
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記副点検処理の結果を基に、前記副電池について合格か不合格かを示す副点検結果データを取得し、
前記条件は、前記副点検結果データが前記合格を示すという副点検結果条件を更に含み、
前記切替部は、前記副点検結果データが前記副点検結果条件を満たす場合に、前記第1切替処理を更に行う、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記副点検結果データが前記副点検結果条件を満たさない場合に、前記予備電池として機能している前記副電池への充電を開始させる、
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記点検部は、前記主点検処理の前の前記第1切替処理の更に前に、前記予備電池として機能している前記副電池に対して前記副点検処理を行う、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記副電池が前記稼働電池として機能している稼働電池状態で、前記充電回路に前記副電池を満充電まで充電させ、
前記副電池が前記稼働電池状態から前記予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、前記充電回路に前記副電池への充電を停止させる、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項11】
前記切替部は、
前記常用電源が停電した場合に、前記主電池及び前記副電池のうち前記稼働電池として機能している電池に前記制御部への放電を行わせ、
前記稼働電池として機能している電池の放電電圧が基準電圧以下となった場合に、前記稼働電池として機能している電池に代えて、前記予備電池として機能している電池に前記点灯回路への放電を行わせる、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項12】
前記副電池は、前記主電池と同じ容量の又は前記主電池より容量が小さい二次電池である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記副電池は、一次電池である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記副電池は、前記主電池と比べて、動作温度範囲の下限側がより低温である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記副電池は、前記主電池と比べて、動作温度範囲の上限側がより高温である、
請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関し、より詳細には、非常用照明として機能する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源と、二次電池と、常用電源が通電している通電期間に常用電源から供給される常用電力で二次電池を充電する充電回路と、常用電源が停電している停電期間に二次電池から放電される非常用電力で光源を点灯させる点灯回路と、を備える非常用照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような従来の照明装置では、例えば、低温又は高温等の過酷な環境で使用されると、二次電池の劣化が速く進み、非常用照明に求められる信頼性(例えば、法で定められた点灯時間)の確保が困難となる可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明装置は、光源と、電池ユニットと、充電回路と、点灯回路と、制御部と、を備える。前記電池ユニットは、主電池と副電池とを含む。前記主電池は二次電池であり、前記副電池は二次電池又は一次電池である。前記充電回路は、常用電源の通電期間に、前記常用電源から給電される常用電力で前記電池ユニットを充電する。前記点灯回路は、前記常用電源の停電期間に、前記電池ユニットから放電される非常用電力で前記光源を点灯させる。前記制御部は、前記電池ユニットを制御する。前記制御部は、前記主電池を稼働電池、前記副電池を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、前記充電回路の充電先かつ前記点灯回路への放電元となる電池である。前記予備電池は、前記主電池に代わって少なくとも前記点灯回路への放電元となり得る電池である。前記制御部は、前記稼働電池として機能している前記主電池と、前記予備電池として機能している前記副電池との間で、状況により機能を切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の照明装置は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の照明装置を構成する処理ユニットの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図3は、同上の処理ユニットの動作の一部を説明するためのタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、同上の処理ユニットの動作の他の一部を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、同上の処理ユニットの動作のその他の一部を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)概要
最初に、
図1を参照して本開示の概要を説明する。本開示の実施形態に係る照明装置1は、非常用照明として機能する装置である。本実施形態でいう非常用照明とは、常用電源2の通電期間に常用電源2からの常用電力で電池ユニット200を充電し、常用電源2の停電時に電池ユニット200からの非常用電力で光源11を点灯させる照明である。
【0010】
非常用照明は、例えば、建築基準法で規定された非常灯であるが、消防法で規定された誘導灯でもよい。非常用照明は、停電から一定時間以上、点灯し続けることが求められる。停電後に点灯し続ける時間(以下では、単に「点灯時間」と記す場合がある)として、例えば、非常灯の場合は30分(又は60分)、誘導灯の場合は20分が規定されている(以下では、法で規定された点灯時間を「法定時間」と記す)。
【0011】
本実施形態の照明装置1では、電池ユニット200に二次電池である主電池12aと二次電池又は一時電池である副電池12bとが含まれており、処理ユニット100が、主電池12aを充電回路13の充電先かつ点灯回路14への放電元となる稼働電池、副電池12bを稼働電池として機能する電池に代わって少なくとも点灯回路14への放電元となり得る予備電池、としてそれぞれ機能させる。そして、処理ユニット100は、稼働電池として機能している主電池12aと、予備電池として機能している副電池12bとの間で、各種の状況により機能を切り替える。
【0012】
このような主電池12a及び副電池12bの間での機能の切り替えにより、照明装置1は、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
(2)要部
次に、
図1を参照して照明装置1の要部を説明する。照明装置1は、光源11と、電池ユニット200と、充電回路13と、点灯回路14と、処理ユニット100と、を備える。
【0014】
(2-1)光源
光源11は、点灯回路14によって点灯される。本実施形態における光源11は、非常用光源であり、常用電源2の停電時に電池ユニット200からの非常用電力で点灯し、常用電源2の通電時に消灯する。
【0015】
(2-2)電池ユニット
電池ユニット200は、充電回路13によって充電され、点灯回路14に放電する。本実施形態における電池ユニット200は、常用電力で充電され、非常用電力を放電する。常用電力とは、常用電源2から給電される電力であり、非常用電力とは、常用電源2の停電時に光源11を点灯させるための電力である。
【0016】
(2-2-1)主電池及び副電池
詳しくは、電池ユニット200は、主電池12aと副電池12bとを含む。主電池12aは二次電池であり、副電池12bは二次電池又は一次電池である。
【0017】
本実施形態における副電池12bは、例えば、主電池12aと同じ容量の、又は主電池12aより容量が小さい、二次電池である。このような、充電及び放電が可能な小容量の副電池12bにより、コストの増加を抑制しつつ、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0018】
ただし、副電池12bは、一次電池でもよい。このような、放電のみ可能な使い切りの副電池12bにより、コストの増加を抑制しつつ、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0019】
(2-3)充電回路
充電回路13は、電池ユニット200を充電する。本実施形態における充電回路13は、常用電源2の通電期間に常用電源2から給電される常用電力で電池ユニット200を充電する。
【0020】
詳しくは、充電回路13には、交流を直流に変換する電力変換回路(コンバータ)が含まれており、常用電源2からの常用電力は、電力変換回路で交流から直流に変換された後、電池ユニット200に出力される。電池ユニット200は、充電回路13からの直流の電力で充電される。
【0021】
(2-3-1)常用電源
常用電源2は、常用電力を供給(給電)する。本実施形態における常用電源2は、充電回路13に常用電力を給電する。常用電源2は、具体的には、例えば、商用電源(商用の電力系統)である。
【0022】
(2-3-2)通電期間及び通電状態
通電期間とは、常用電源2が通電状態にある期間である。通電状態とは、常用電源2が通電している状態である。
【0023】
(2-4)点灯回路
点灯回路14は、常用電源2の停電期間に電池ユニット200から放電される非常用電力で光源11を点灯させる。
【0024】
(2-4-1)停電期間及び停電状態
停電期間とは、常用電源2が停電状態にある期間である。停電状態とは、常用電源が停電している状態である。
【0025】
(2-5)処理ユニット
処理ユニット100は、制御部17、記憶部10及び表示部18(いずれも後述)の機能を実現する。
【0026】
詳しくは、処理ユニット100は、プロセッサ及びメモリ(いずれも図示しない)と、計測デバイスと、表示デバイスとを含む。メモリにはプログラム等が格納され、プロセッサがメモリ内のプログラム等に基づいて動作し、メモリの制御を行い、計測デバイス及び表示デバイスと協働することで、制御部17、記憶部10及び表示部18の機能が実現される。
【0027】
(2-5-1)計測デバイス
また、処理ユニット100は、計測デバイス(図示しない)を更に含む。計測デバイスは、常用電源2から充電回路13への給電に関する計測、及び電池ユニット200からの放電に関する計測、などを行うデバイスである。計測デバイスは、例えば、電池ユニット200を構成する主電池12a及び副電池12bの各々からの放電電圧を計測するための2つの電圧センサ等である。
【0028】
(2-5-2)表示デバイス
本実施形態における処理ユニット100は、表示デバイスを更に含む。ここでの表示デバイスは、電池ユニット200に関するエラー表示を行うためのデバイスである。表示デバイスは、例えば、モニタや表示ランプ等である。
【0029】
表示部18の機能は、プロセッサ及びメモリ並びに表示デバイスで実現される。ただし、エラー表示は必須ではなく、エラー表示を行わない場合、表示デバイスはなくてよい。
【0030】
(2-5-3)処理ユニット100の動作電力
本実施形態における処理ユニット100(制御部17等)は、電池ユニット200から放電される非常用電力で動作する。ただし処理ユニット100は、常用電源2の停電期間のみ、電池ユニット200からの非常用電力で動作し、常用電源2の通電期間は、常用電力(例えば、充電回路13から電池ユニット200への直流の電力の一部)で動作してもよい。または、処理ユニット100は、電池ユニット200とは別の二次電池又は一次電池(いずれも図示しない)で動作しても構わない。
【0031】
(2-6)制御部
制御部17は、電池ユニット200を制御する。
【0032】
詳しくは、制御部17は、電池ユニット200を構成する主電池12a及び副電池12bのうち、主電池12aを稼働電池、副電池12bを予備電池、としてそれぞれ機能させる。
【0033】
(2-6-1)稼働電池及び予備電池
稼働電池とは、充電回路13の充電先かつ点灯回路14への放電元となる電池である。このような電池は、二次電池である。
【0034】
予備電池とは、稼働電池として機能する電池に代わって、少なくとも点灯回路14への放電元となり得る電池である。このような電池は、二次電池又は一次電池である。
【0035】
本実施形態における予備電池は、稼働電池として機能する電池に代わって充電回路13の充電先かつ点灯回路14への放電元となり得る電池、つまり二次電池である。ただし、予備電池は、稼働電池として機能する電池に代わって、点灯回路14への放電元となり得るが、充電先とはならない電池、つまり一次電池でもよい。
【0036】
(2-6-2)状況による機能の切り替え
制御部17は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)と、の間で状況により機能を切り替える。
【0037】
(2-6-3)状況
状況は、例えば、劣化状況である。
【0038】
(2-6-3a)劣化状況
劣化状況とは、電池の劣化の状況(劣化の進み具合)である。本実施形態における劣化状況は、少なくとも主電池12aの劣化に関する状況である。劣化状況は、例えば、主電池12a及び副電池12bの各々の劣化状況でもよい。
【0039】
劣化は、充放電の繰り返しによる劣化であり、例えば、放電時間が短くなる、放電電圧が低下する、といった現象である。劣化状況は、充放電回数、積算充電時間などに依存する。
【0040】
(2-6-3b)劣化と関連する物理量
または、状況は、劣化と関連する各種の物理量であってもよい。劣化と関連する物理量は、例えば、劣化の原因となる物理量でもよいし、劣化の結果として変化する物理量でもよい。劣化の原因となる物理量は、例えば、時間、温度などであり、劣化の結果として変化する物理量は、例えば、電圧などである。
【0041】
時間は、例えば、日時、期間などである。日時は、日付及び時刻の少なくとも一方である。期間は、例えば、前回の切り替えからの経過時間である。
【0042】
温度は、例えば、気温、電池ユニット200の温度、季節などである。なお、季節は、期間の一種でもある。
【0043】
電圧は、例えば、主電池12a及び副電池12bのうち、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)の点灯回路14への放電電圧である。
【0044】
(2-7)利点
このように、本実施形態では、主電池12aが稼働電池、副電池12bが予備電池として機能している状態において、主電池12aと副電池12bとの間で状況により機能の切り替えを行うことで、例えば、非常用照明としての機能を維持しながら、主電池12aの点検を行える。また、点検結果に基づく切り替えによって、主電池12aの故障(例えば、劣化)の際に副電池12bで点灯時間の確保を図ることができ、ひいては、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
(3)詳細
次に、
図1~
図5を参照して照明装置1の詳細を説明する。
【0046】
(3-1)制御部の詳細
制御部17は、
図1に示されるように、取得部171と、切替部172とを備える。
【0047】
(3-1-1)取得部:状況情報の取得
取得部171は、状況情報を取得する。状況情報とは、状況に関する情報である。状況は、例えば、稼働電池として機能する電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能する電池(通常、副電池12b)と、の間での機能切り替えのトリガとなる状況である。
【0048】
(3-1-1a)電池間での機能切り替えのトリガとなる状況に関する状況情報
この種の状況に関する状況情報は、例えば、時間に関する時間情報、温度に関する温度情報、電圧に関する電圧情報などである。
【0049】
時間情報は、例えば、日時に関する日時情報、期間に関する期間情報などである。期間情報は、例えば、経過時間に関する経過時間時情報、季節に関する季節情報などである。
【0050】
温度情報は、例えば、気温に関する気温情報、季節に関する季節情報などである。または、温度情報は、温度の推定が可能な情報でもよい。温度の推定が可能な情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)で取得される緯度・経度情報、使用環境が温暖地か寒冷地かを示す情報、などである。
【0051】
電圧情報は、例えば、放電電圧に関する放電電圧情報である。
【0052】
(3-1-1b)その他の状況情報
ただし、取得部171は、上記のような、電池間での機能の切り替えのトリガとなる状況に関する状況情報に限らず、例えば、稼働電池として機能している電池から点灯回路14への電力供給の開始のトリガとなる状況に関する状況情報、を更に取得してもよい。この種の状況は、通常、停電であるが、停電の原因となる状況(例えば、漏電、地震など)でもよい。
【0053】
従って、状況情報は、例えば、停電に関する停電情報でもよい。停電情報は、例えば、停電の発生を示す情報であるが、これに限らず、停電の発生を検知可能な情報であればよい。停電の発生を検知可能な情報は、例えば、常用電源2の電圧(又は充電回路13の充電電圧)などに関する情報である。
【0054】
なお、前述した放電電圧情報は、例えば、稼働電池として機能している電池から点灯回路14に電力供給を行う状態から、予備電池として機能している電池から点灯回路14に電力供給を行う状態への移行、のトリガともなり得る。
【0055】
(3-1-2)切替部:電池間での機能の切り替え
切替部172は、取得部171が取得した状況情報が予め決められた条件(以下、単に「条件」と記す)を満たした場合に切替処理を行う。なお、条件については後述する。
【0056】
(3-1-2a)切替処理
切替処理とは、主電池12a及び副電池12bのうち、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)と、の間で機能を切り替える処理である。
【0057】
このように、取得部171が状況情報を取得し、切替部172は、取得された状況情報が条件を満たした場合に機能を切り替える。こうして、状況情報が条件を満たす場合に切替処理を行うことで、各種の状況及び各種の条件に基づく切り替えが行える。
【0058】
(3-1-2b)主電池及び副電池の劣化状況
この場合における機能の切り替えのトリガとなる状況は、例えば、主電池12a及び副電池12bのうち、少なくとも稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)の劣化状況であり、好ましくは、主電池12a及び副電池12bの各々の劣化状況である。
【0059】
(3-2)点検部:劣化状況の点検
制御部17は、点検部173を更に備える。点検部173は、点検処理を行う。
【0060】
(3-2-1)点検処理
点検処理とは、電池の劣化を点検する処理である。点検処理は、通常、主電池12aの劣化状況を点検する処理であるが、副電池12bの劣化状況を点検する処理でもよい。
【0061】
この場合における状況情報は、時間情報を含む。時間情報は、現在の時間に関する情報であり、例えば、現在日時を示す現在日時情報、又は前回の点検処理の実行からの経過時間を示す経過時間情報である。
【0062】
(3-2-1a)主点検処理
詳しくは、点検部173は、主点検処理を少なくとも行う。主点検処理とは、主電池12aの劣化状況を点検する点検処理である。なお、点検処理の詳細については後述する。
【0063】
(3-2-1b)副点検処理
本実施形態における点検部173は、副点検処理を更に行う。副点検処理とは、副電池12bの劣化状況を点検する点検処理である。
【0064】
(3-2-2)点検時間条件
条件は、点検時間条件を含む。点検時間条件は、現在の時間が主点検処理を行う時間である、という条件である。
【0065】
(3-2-3)第1切替処理 切替部172は、取得部171が取得した時間情報が点検時間条件を満たした場合に、第1切替処理を行う。
【0066】
第1切替処理は、稼働電池として機能している主電池12aと、予備電池として機能している副電池12bと、の間で機能を切り替える処理である。
【0067】
(3-2-3a)点検時間情報
例えば、記憶部10に、点検時間情報が記憶されている。点検時間情報は、点検部173が主点検処理を行う時間に関する情報である。点検時間情報は、点検例えば、1つ以上の点検日時の集合、又は点検周期を示す情報である。点検日時とは、点検を行う日時である。点検周期とは、点検を行う周期である。
【0068】
切替部172は、記憶部10に記憶されている点検時間情報に基づいて、取得部171が取得した時間情報が点検時間条件を満たすか否かを判断し、時間情報が点検時間条件を満たした場合に、第1切替処理を行う。
【0069】
(3-2-3b)第1切替処理後の主点検処理及び主点検結果データの取得
点検部173は、第1切替処理の後に、主点検処理を行う。取得部171は、点検部173による主点検処理の結果を基に、主点検結果データを取得する。
【0070】
(3-2-3c)主点検結果データ
主点検結果データとは、主点検処理の結果に関するデータである。主点検結果データは、例えば、合格か不合格かを示すデータである。
【0071】
(3-2-3d)主点検結果条件
条件は、主点検結果条件を更に含む。主点検結果条件は、主点検結果データが合格を示す、という条件である。
【0072】
切替部172は、取得部171が取得した主点検結果データが主点検結果条件を満たす場合に、第2切替処理を行う。
【0073】
(3-2-3e)第2切替処理
第2切替処理は、予備電池として機能している主電池12aと、稼働電池として機能している副電池12bと、の間で機能を切り替える処理である。
【0074】
このように、第1切替処理よって主電池12aは予備電池となり、予備電池となった主電池12aに対して主点検処理が行われる。そして、主点検処理の結果が合格の場合、第2切替処理によって、主電池12aは稼働電池に、副電池12bは予備電池に、それぞれ復帰する。これにより、主電池12aが合格の場合は、主電池12aを稼働電池として機能させ続けることが可能となる。
【0075】
(3-2-4)点検処理の詳細:放電処理及び判定処理
点検処理は、放電処理及び判定処理を少なくとも含む。
【0076】
(3-2-4a)放電処理
点検処理を構成する放電処理は、第1切替処理によって、例えば、主電池12aが、稼働電池として機能している稼働電池状態から予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、主電池12aに点灯回路14への放電を開始させる処理である。
【0077】
(3-2-4b)判定処理
判定処理は、放電処理による放電の開始から所定時間の経過後に、予備電池として機能している電池(例えば、主電池12a)の放電電圧が閾値以上か否か、を判定する処理である。
【0078】
取得部171は、判定処理によって放電電圧が閾値以上であると判定された場合に、合格を示す点検結果データ(例えば、主点検結果データ)を取得する。また、取得部171は、放電電圧が閾値未満であると判定された場合に、不合格を示す点検結果データ(例えば、主点検結果データ)を取得する。
【0079】
これにより、予備電池として機能している電池(例えば、主電池12a)について合格/不合格を示す点検結果データ(例えば、主点検結果データ)を取得できる。
【0080】
(3-2-5)第2切替処理前の主電池に対する充電
制御部17は、主点検処理(判定処理)の後、予備電池として機能している主電池12aへの充電を開始させる。そして、主電池12aへの充電の完了後、切替部172は、第2切替処理を行う。充電の完了後とは、例えば、開始から所定時間が経過した時点である。
【0081】
こうして、第2切替処理の前に、予備電池として機能している主電池12aについて、主点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0082】
(3-2-6)第2切替処理後の副点検処理
点検部173は、取得部171が取得した主点検結果データが主点検結果条件を満たさない場合、第2切替処理を行った後、副点検処理を更に行う。
【0083】
このように、予備電池として機能している主電池12aについての主点検結果が不合格の場合は、第2切替処理の後、新たに予備電池となった副電池(つまり、第2切替処理の前に稼働電池であった副電池12bについて、副点検処理が更に行われる。
【0084】
従って、主電池12a及び副電池12bに対応する2つの点検結果の取得が可能となり、当該2つの点検結果を基に、主電池12a及び副電池12bの劣化状況に応じて点灯時間の確保を図ることができる。
【0085】
(3-2-7)副点検結果データ
取得部171は、点検部173による副点検処理の結果を基に、副点検結果データを取得する。副点検結果データとは、副電池12bについて合格か不合格かを示すデータである。
【0086】
(3-2-8)副点検結果条件
条件は、副点検結果条件を更に含む。副点検結果条件は、副点検結果データが合格を示す、という条件である。
【0087】
切替部172は、取得部171が取得した副点検結果データが副点検結果条件を満たす場合に、第1切替処理を更に行う。
【0088】
このように、第2切替処理後の副点検処理による副点検結果データが副点検結果条件を満たす場合(つまり、第2切替処理によって新たに予備電池となった副電池12bが合格の場合)は、第1切替処理が再び行われ、それによって、当該第1切替処理前に稼働電池であった副電池12bが、再び稼働電池に戻る。従って、2つの点検結果を基に、第1切替処理によって新たに稼働電池となった主電池12aが不合格の場合でも、新たに予備電池となった副電池12bが合格であれば、再度の第1切替処理によって副電池12bが予備電池から駆動電池に復帰するので、点灯時間の確保を図ることができる。
【0089】
(3-2-9)副電池が不合格の場合の副電池充電
制御部17は、点検部173による副点検処理の結果を基に取得部171が取得した副点検結果データが副点検結果条件を満たさない場合に、前記予備電池として機能している副電池12bへの充電を開始させる。
【0090】
このように、第1切替処理の後の主点検処理の結果が不合格の場合、第2切替処理が行われ、それによって予備電池状態となった副電池12bに対して副点検処理が行われる。そして、副点検処理の結果が不合格の場合、副電池12bへの充電が開始される。
【0091】
なお、副点検処理の結果が不合格の場合、再度の第1切替処理は行われず、主電池12aは稼働電池状態、副電池12bは予備電池状態、のまま維持される。
【0092】
(3-3)表示部:エラー表示
(3-3-1)主電池不合格時のエラー表示
表示部18は、取得部171が取得した主点検結果データが主点検結果条件を満たさない場合に、主電池12aについてエラー表示を行う。
【0093】
このエラー表示は、主電池12aが劣化している旨の表示であり、例えば“主電池が劣化しています”や“主電池を交換してください”等の文字列、又は主電池の劣化を示唆するアイコン画像などである。これにより、主電池12aが劣化している状況の認識の容易化が図られる。
【0094】
(3-3-2)副電池不合格時のエラー表示
また、表示部18は、取得部171が取得した副点検結果データが副点検結果条件を満たさない場合に、副電池12bについてエラー表示を行う。このエラー表示は、副電池12bが劣化している旨の表示であり、例えば“副電池を交換してください”等の文字列又はアイコン画像などである。これにより、主電池12aが劣化している状況の認識の容易化が図られる。
【0095】
(3-4)副点検処理の実行タイミングの変形例
なお、点検部173は、例えば、主点検処理の前の第1切替処理の更に前に、予備電池として機能している副電池12bに対して副点検処理を行ってもよい。
【0096】
この変形例によれば、第1切替処理の前に、予備電池として機能している副電池12bについて、副点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0097】
(3-5)稼働電池状態の副電池の充電、及び予備電池状態への変化に応じた充電停止
制御部17は、副電池12bが稼働電池として機能している稼働電池状態で、充電回路13に副電池12bを満充電まで充電させる。そして、制御部17は、副電池12bが稼働電池状態から予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、充電回路13に副電池12bへの充電を停止させる。
【0098】
これによって、副電池12bを適時稼働させつつ、副電池12bの劣化の抑制を図ることができる。その結果、照明装置1の非常用照明としての信頼性の向上が図られる。
【0099】
(3-6)停電に応じた放電開始、及び電圧低下に応じた放電元の切り替え
切替部172は、常用電源2が停電した場合に、主電池12a及び副電池12bのうち稼働電池として機能している電池に点灯回路14への放電を行わせる。そして、切替部172は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)の放電電圧が基準電圧以下となった場合に、稼働電池として機能している電池に代えて、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)に点灯回路14への放電を行わせる。
【0100】
このような切り替えによって、非常用電源として機能すると共に、主電池12aが過放電状態となることを回避しつつ、点灯期間の延長を図ることができる。
【0101】
(3-7)時間情報及び点検時間条件の第1具体例:現在日時情報及び点検日時条件
本例では、時間情報は、現在日時情報を含む。現在日時情報とは、現在日時を示す情報である。現在日時情報は、例えば、〇年〇月〇日〇時〇分〇秒といった、時分秒も含む情報であるが、日付のみを示す情報でもよい。なお、現在日時情報は、例えば、プロセッサの内蔵時計等から取得される。
【0102】
点検時間条件は、点検日時条件である。点検日時条件は、現在日時が予め決められた1つ以上の点検日時の各々に達した、という条件である。点検日時とは、点検処理を行う日時であり、例えば、△年△月△日といった日付を示す情報であるが、時分秒まで含む情報でもよい。
【0103】
切替部172は、取得部171が取得する現在日時情報が切替日時条件を満たした場合に、第1切替処理を行う。現在日時情報が点検日時条件を満たした場合とは、通常、現在日時情報が示す現在日時が、点検日時条件を構成する1つ以上の点検日時のいずれかに到達した時点であるが、到達時点よりも後の時点でもよい。
【0104】
具体的には、例えば、点検日時が△年△月△日の場合、日付が△年△月△日に変わった時点で、主電池12a及び副電池12bのうち予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)について点検が行われ、点検結果が合格の場合に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)との間で機能の切り替えが行われる。
【0105】
このように、本例では、時間情報は現在日時情報を含み、条件は点検日時条件を含み、現在日時情報が点検日時条件を満たした場合に点検処理が行われる。従って、本例によれば、現在日時が点検日時となったタイミングで第1切替処理を行い、そして、第1切替処理の後、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に対して主点検処理を行うことができる。
【0106】
(3-8)時間情報及び点検時間条件の第2具体例:経過時間情報及び点検周期条件
時間情報は、経過時間情報を含む。経過時間情報は、前回の点検処理から現在までの経過時間を示す情報である。
【0107】
点検時間条件は、点検周期条件である。点検周期条件は、経過時間が予め決められた点検周期に達した、という条件である。点検周期は、例えば、1か月、半月等である。
【0108】
切替部172は、経過時間情報が周期条件を満たした場合に、第1切替処理を行う。具体的には、例えば、点検周期が1か月の場合は、1か月が経過するごとに、主電池12a及び副電池12bのうち予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)について点検が行われ、点検結果が合格の場合に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)との間で機能の切り替えが行われる。
【0109】
このように、本例では、時間情報は経過時間情報を含み、条件は点検周期条件を含み、経過時間情報が点検周期条件を満たした場合に第1切替処理が行われる。従って、本例によれば、前回の点検処理から一定時間が経過したタイミングで第1切替処理を行い、そして、第1切替処理の後、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に対して主点検処理を行うことができる。
【0110】
(3-9)状況情報及び条件の変形例
以上では、状況情報が時間情報、条件が点検時間条件である場合を説明したが、状況情報及び条件は、以下のような各種の変形例が可能である。
【0111】
(3-9-1)状況情報及び条件の第1変形例:温度情報及び温度範囲条件
本例では、主電池12a及び副電池12bは、互いに異なる動作温度範囲を有する。異なる動作温度範囲は、例えば、“0度~60度”(以下、「第1範囲」と記す)、“-10度~50度”(「第2範囲」)、“10度~70度”(「第3範囲」)などである。なお、第1~第3範囲は例示に過ぎず、例えば、低温側の下限値が-40度、高温側の上限値が80度の範囲で、様々な異なる動作温度範囲の選択が可能である。
【0112】
状況情報は、温度情報を含む。温度情報は、現在の温度に関する情報である。
【0113】
条件は、温度範囲条件である。温度範囲条件は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)が有する動作温度範囲と比べて、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)の動作温度範囲が、温度情報の示す温度に、より適している、という条件である。
【0114】
切替部172は、温度情報が温度範囲条件を満たす場合に、切替処理を行う。例えば、記憶部10に、上記のような動作温度範囲に関する動作温度範囲情報が格納されており、切替部172は、記憶部10に記憶されている動作温度範囲情報に基づいて、取得部171が取得した温度情報が温度範囲条件を満たす場合に、切替処理を行う。具体的には、例えば、主電池12aが通常型(後述)、副電池12bが低温対応型(後述)であり、気温が0度を下回った場合、稼働電池は、通常型である主電池12aから、低温対応型である副電池12bに切り替わる。
【0115】
このように、本例では、主電池12a及び副電池12bは異なる動作温度範囲を有し、状況情報は温度情報を含み、現在の温度により適した動作温度範囲を有する電池(例えば、副電池12b)が稼働電池となるように、電池間で機能の切り替えが行われる。
【0116】
この変形例によれば、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、主電池12a及び副電池12bの劣化の抑制を図ることができる。
【0117】
(3-9-2)状況情報及び条件の第2変形例:季節情報及び冬季条件
本例では、主電池12a及び副電池12bのいずれか1つ(通常、副電池12b)は、低温対応型である。低温対応型では、動作温度範囲の下限側が、通常型と比べてより低温である。通常型の電池(通常、主電池12a)の動作温度範囲は、例えば、上記第1範囲(0度~60度)であり、低温対応型の電池(通常、副電池12b)の動作温度範囲は、例えば上記第2範囲(-20度~50度)である。
【0118】
状況情報は、季節情報を含む。季節情報は、現在の季節に関する情報である。
【0119】
条件は、冬季条件である。冬季条件は、現在の季節が冬季である、という条件である。
【0120】
切替部172は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)が低温対応型ではなく、かつ季節情報が冬季条件を満たす場合に、切替処理を行う。
【0121】
季節情報が冬季条件を満たす場合に行われる切替処理は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)と、の間で機能を切り替える処理である。
【0122】
例えば、記憶部10に、主電池12a及び副電池12bの各々が低温対応型か否かを示す低温対応型情報が格納されており、切替部172は、取得部171が取得した季節情報が冬季条件を満たす場合に、記憶部10に記憶されている低温対応型情報を用いて、切替処理を行う。
【0123】
具体的には、例えば、季節が冬季に入ると、稼働電池は、通常型である主電池12aから、低温対応型である副電池12bに切り替わる。
【0124】
ただし、例えば、状況情報が、寒冷地か否かを示す情報を更に含んでもよく、使用環境が寒冷地でない場合、季節が冬季に入っても、稼働電池は、通常型である主電池12aから、低温対応型である副電池12bには切り替わらず、主電池12aのままでもよい。
【0125】
このように、本例では、主電池12a,及び副電池12bの1つ(通常、副電池12b)は、動作温度範囲の下限側が通常型と比べてより低温である低温対応型であり、温度情報は季節情報を含み、温度範囲条件は冬季条件を含む。そして、季節情報が冬季条件を満たす場合に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)と、の間で機能が切り替わる。
【0126】
この変形例によれば、季節が冬季となったことに応じて、予備電池として機能している低温対応型の電池(通常、副電池12b)が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、主電池12a,及び副電池12bの劣化の抑制を図ることができる。
【0127】
(3-9-3)状況情報及び条件の第3変形例:季節情報及び夏季条件
本例では、主電池12a及び副電池12bのいずれか1つ(通常、副電池12b)は、高温対応型である。高温対応型では、動作温度範囲の上限側が通常型と比べてより高温である。通常型の電池(通常、主電池12a)の動作温度範囲は、例えば、上記第1範囲(0度~60度)であり、高温対応型の電池(通常、副電池12b)の動作温度範囲は、例えば上記第3範囲(10度~70度)である。
【0128】
状況情報は、季節情報を含み、条件は、夏季条件である。夏季条件は、現在の季節が夏季である、という条件である。
【0129】
切替部172は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)が高温対応型ではなく、かつ季節情報が夏季条件を満たす場合に、切替処理を行う。
【0130】
例えば、記憶部10に、主電池12a及び副電池12bの各々が高温対応型か否かを示す高温対応型情報が格納されており、切替部172は、取得部171が取得した季節情報が夏季条件を満たす場合に、記憶部10に記憶されている高温対応型情報を用いて、切替処理を行う。
【0131】
具体的には、例えば、季節が夏季に入ると、稼働電池は、通常型である主電池12aから、高温応型である副電池12bに切り替わる。
【0132】
ただし、例えば、状況情報が、灼熱地か否かを示す情報を更に含んでもよく、使用環境が灼熱地でない場合、季節が夏季に入っても、稼働電池は、通常型である主電池12aから、高温対応型である副電池12bには切り替わらず、主電池12aのままでもよい。
【0133】
季節情報が夏季条件を満たす場合に行われる切替処理は、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している高温対応型の電池(通常、副電池12b)と、の間で機能を切り替える処理である。
【0134】
このように、本例では、主電池12a,及び副電池12bの1つ(通常、副電池12b)は、動作温度範囲の上限限側が通常型と比べてより高温である高温対応型であり、温度情報は季節情報を含み、温度範囲条件は夏季条件を含む。そして、季節情報が夏季条件を満たす場合に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)と、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)と、の間で機能が切り替わる。
【0135】
この変形例によれば、季節が夏季となったことに応じて、予備電池として機能している高温対応型の電池(通常、副電池12b)が、新たな稼働電池となるような切り替えを行うことで、主電池12a,及び副電池12bの劣化の抑制を図ることができる。
【0136】
(3-9-4)稼働電池から点灯回路14への電力供給の開始のトリガとなる状況
点灯回路14への電力供給開始のトリガとなる状況は、前述したように停電である。
【0137】
状況情報は、例えば、停電情報及び放電電圧情報を含む。
【0138】
停電情報は、前述したように、常用電源2の停電に関する情報であり、例えば、充電回路13の一次側に設けられた電圧センサの計測結果を基に、取得部171によって取得される。
【0139】
放電電圧情報は、稼働電池として機能している電池(宇雨情、主電池12a)の点灯回路14への放電電圧に関する情報である。放電電圧情報は、例えば、電池ユニット200の二次側に設けられた電圧センサでの計測結果を基に、取得部171によって取得される。
【0140】
切替部172は、停電情報を基に停電発生(つまり、通電状態から停電状態への変化)が検知された場合に、主電池12a,及び副電池12bのうち、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に点灯回路14への放電を開始させる。
【0141】
そして、切替部172は、点灯回路14への放電の開始後、放電電圧情報を基に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)の放電電圧が基準電圧以下となったことが検知された場合に、主電池12a及び副電池12bのうち、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に代えて、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)に、点灯回路14への放電を開始させる。
【0142】
このように、停電情報を基に停電発生が検知された場合に稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に点灯回路14への放電を開始させ、放電開始後、放電電圧情報を基に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)の放電電圧が基準電圧以下となった場合に、稼働電池として機能している電池(通常、主電池12a)に代えて、予備電池として機能している電池(通常、副電池12b)に、点灯回路14への放電を開始させる。
【0143】
これによって、稼働電池として機能している電池が過放電状態となることを回避しつつ、点灯期間の延長を図ることができる。
【0144】
(3-10)照明装置の動作
次に、照明装置1の動作について、
図2のフローチャート及び
図3~
図5のタイミングチャートを用いて説明する。
【0145】
照明装置1を構成する処理ユニット100は、例えば、
図2のフローチャートに従って動作する。なお、
図2のフローチャートの処理は、例えば、照明装置1の設置が完了した後、最初の通電に応じて開始される。また、
図2のフローチャートの処理は、
図3~
図5のタイミングチャートに示された、主電池12a及び副電池12bの各々の状態変化及び充放電動作、に対応している。
【0146】
処理が開始されると、処理ユニット100を構成する制御部17が初期設定を行う(ステップS1)。ここでは、主電池12a(電池識別子“No.1”で識別される電池)が稼働電池、副電池12b(電池識別子“No.2”で識別される電池)が予備電池、として機能するように設定される。そして、制御部17は、稼働電池として機能するように設定した主電池12aへの充電を開始させる。主電池12aが満充電状態となると、制御部17は、主電池12aへの充電をトリクル充電(自然放電を補うように絶えず微小電流で充電する方式:
図3参照)に移行させる。
【0147】
初期設定が完了すると、制御部17を構成する取得部171が時間情報を取得する(ステップS2)。なお、時間情報以外の状況情報が取得されてもよい。
【0148】
次に、切替部172が、ステップS1で取得された時間情報が点検時間条件を満たすか否かを判断する(ステップS3)。なお、条件は、点検時間条件以外の条件でもよい。時間情報が点検時間条件を満たしていないと判断された場合、処理はステップS2に戻る。
【0149】
ステップS3で時間情報が点検時間条件を満たした(点検時間条件満足:
図3参照)と判断された場合、切替部172は、第1切替処理を行い、稼働電池として機能している主電池12aと、予備電池として機能している副電池12bと、の間で機能を切り替える(ステップS3a)。これによって、例えば、
図3に示すように、主電池12aは予備電池として機能している状態となり、副電池12bは稼働電池として機能している状態となる。そして、稼働電池として機能する状態となった副電池12bへの充電が開始される一方、予備電池として機能する状態となった主電池12aから放電が開始される。
【0150】
第1切替処理の後、点検部173は、予備電池として機能している主電池12aについて点検処理(すなわち、主点検処理)を行う(ステップS4)。主点検処理では、
図3に示すように、予備電池として機能している主電池12aへの充電が開始され、主電池12aが満充電状態となった後、主電池12aからの放電が開始される。そして、放電開始から所定時間が経過した時点での放電電圧が基準電圧以上か否かが判断される。
【0151】
次に、切替部172は、ステップS4での主点検結果(放電電圧が基準電以上か否かの判断結果)を基に、予備電池として機能している主電池12aが合格か否かを判断する(ステップS5)。具体的には、放電電圧が基準電圧以上であれば合格、基準電圧未満であれば不合格と判断される。不合格と判断された場合、処理はステップS9(後述)に進む。
【0152】
ステップS5で合格と判断された場合、制御部17は、予備電池として機能している主電池12aへの充電を充電回路13に命じて開始させる(ステップS6)。これによって、例えば、
図3に示すように、主電池12aが点検で合格と判断された後、主電池12aへの充電が開始される。
【0153】
ステップS6での充電開始後、主電池12aが満充電状態となると、切替部172は、第2切替処理を行う(ステップS7)。これによって、例えば、
図3に示すように、予備電池として機能している主電池12a及び稼働電池として機能している副電池12bの間で機能が切り替わり、主電池12aは稼働電池、副電池12bは稼働電池として機能する状態となる。そして、稼働電池として機能する状態となった主電池12aへの充電が開始される。
【0154】
ステップS7での第2切替処理の後、制御部17は、予備電池として機能している副電池12bへの充電を停止させる(ステップS8)。
図3の例では、ステップS3aでの第1切替処理の後に開始された副電池12bへの充電(又はそれに続くトリクル充電)は、ステップS8で停止される。その後、処理はステップS2に戻る。
【0155】
ステップS5で不合格と判断された場合、表示部18は、予備電池として機能している主電池12aについてエラー表示(
図4参照)を行う(ステップS9)。例えば、“主電池は劣化しています”等の文字列が表示されてもよい。
【0156】
その後、制御部17は、主電池12aへの充電を開始させる(ステップS10)。
【0157】
ステップS10での充電開始の後、主電池12aが満充電状態となると、切替部172は、第2切替処理を行う(ステップS11)。これによって、例えば、
図4に示すように、予備電池として機能している主電池12a及び稼働電池として機能している副電池12bの間で機能が切り替わり、主電池12aは稼働電池、副電池12bは予備電池として機能する状態となる。そして、稼働電池として機能する状態となった主電池12aへのトリクル充電が開始される。
【0158】
ステップS11での第2切替処理の後、点検部173は、予備電池として機能している副電池12bについて点検処理(すなわち、副点検処理)を行う(ステップS12)。この副点検処理では、例えば、
図4に示すように、予備電池として機能している副電池12bへの充電が開始され、副電池12bが満充電状態となった後、副電池12bから点灯回路14への放電が開始される。そして、放電開始から所定時間が経過した時点での放電電圧が基準電以上か否かが判断される。ここで不合格と判断された場合、処理はステップS16(後述)に進む。
【0159】
ステップS13で合格と判断された場合、制御部17は、予備電池として機能している副電池12bへの充電を開始させる(ステップS14)。これによって、例えば、
図4に示すように、副点検処理で副電池12bが合格と判断された後、副電池12bへの充電が開始される。
【0160】
ステップS14での充電開始の後、予備電池として機能している副電池12bが満充電状態となると、切替部172は、再び第1切替処理を行う(ステップS15)。これによって、例えば、
図4に示すように、稼働電池として機能していた主電池12a及び予備電池として機能していた副電池12bの間で機能が再度切り替わり、主電池12aは予備電池、副電池12bは稼働電池として機能する状態に移行する。第2切替処理の後に開始されたトリクル充電は、主電池12aが予備電池として機能する状態となった後も継続される。その後、処理はステップS2に戻る。
【0161】
ステップS13で不合格と判断された場合、表示部18は、予備電池として機能している副電池12bについてエラー表示(
図5参照)を行う(ステップS16)。ここでは、例えば、“副電池も劣化しています”等の文字列が表示されてもよい。
【0162】
その後、制御部17は、予備電池として機能している副電池12bへの充電を開始させる(ステップS17)。これによって、例えば、
図5に示すように、副点検処理で副電池12bが不合格と判断された後、副電池12bへの充電が開始される。これによって、主電池12aへのトリクル充電と並行して、副電池12bへの充電(及びそれに続くトリクル充電:図示しない)も行われる状態となる。その後、処理はステップS2に戻る。
【0163】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明装置(1)は、光源(11)と、電池ユニット(200)と、充電回路(13)と、点灯回路(14)と、制御部(17)と、を備える。電池ユニット(200)は、主電池(12a)と副電池(12b)とを含む。主電池(12a)は二次電池であり、副電池(12b)は二次電池又は一次電池である。充電回路(13)は、常用電源(2)の通電期間に、常用電源(2)から給電される常用電力で電池ユニット(200)を充電する。点灯回路(14)は、常用電源(2)の停電期間に、電池ユニット(200)から放電される非常用電力で光源(11)を点灯させる。制御部(17)は、電池ユニット(200)を制御する。制御部(17)は、主電池(12a)を稼働電池、副電池(12b)を予備電池、としてそれぞれ機能させる。前記稼働電池は、充電回路(13)の充電先かつ点灯回路(14)への放電元となる電池である。前記予備電池は、主電池(12a)に代わって少なくとも点灯回路(14)への放電元となり得る電池である。制御部(17)は、前記稼働電池として機能している主電池(12a)と、前記予備電池として機能している副電池(12b)との間で、状況により機能を切り替える。
【0164】
この態様によれば、主電池(12a)が稼働電池、副電池(12b)が予備電池として機能している状態において、主電池(12a)と副電池(12b)との間で状況により機能の切り替えを行うことで、例えば、非常用照明としての機能を維持しながら、主電池(12a)の点検を行える。また、点検結果に基づく切り替えによって、主電池(12a)の故障(例えば、劣化)時に副電池(12b)で点灯時間の確保を図ることができ、ひいては、非常用照明としての信頼性の向上を図ることができる。
【0165】
第2の態様に係る照明装置(1)では、第1の態様において、制御部(17)は、取得部(171)と、切替部(172)と、を備える。取得部(171)は、前記状況に関する状況情報を取得する。切替部(172)は、前記状況情報が予め決められた条件を満たした場合に切替処理を行う。前記切替処理は、前記稼働電池として機能している主電池(12a)と、前記予備電池として機能している副電池(12b)と、の間で機能を切り替える処理である。
【0166】
この態様によれば、状況情報が条件を満たす場合に切替処理を行うことで、各種の状況及び各種の条件に基づく切り替えが行える。
【0167】
第3の態様に係る照明装置(1)では、第2の態様において、前記状況は、少なくとも主電池(12a)の劣化状況である。制御部(17)は、点検部(173)を更に備える。点検部(173)は、主点検処理を少なくとも行う。前記主点検処理は、主電池(12a)の劣化状況を点検する処理である。前記状況情報は、時間情報を含む。前記時間情報は、現在の時間に関する情報である。前記条件は、点検時間条件を含む。前記点検時間条件は、前記現在の時間が前記主点検処理を行う時間である、という条件である。切替部(172)は、前記時間情報が前記点検時間条件を満たした場合に、第1切替処理を行う。前記第1切替処理は、前記稼働電池として機能している主電池(12a)と、前記予備電池として機能している副電池(12b)と、の間で機能を切り替える処理である。点検部(173)は、前記第1切替処理の後に前記主点検処理を行う。取得部(171)は、前記主点検処理の結果を基に、主点検結果データを取得する。前記主点検結果データは、主電池(12a)について合格か不合格かを示すデータである。前記条件は、主点検結果条件を更に含む。前記主点検結果条件は、前記主点検結果データが合格を示す、という条件である。切替部(172)は、前記主点検結果データが前記主点検結果条件を満たす場合に、第2切替処理を更に行う。前記第2切替処理は、前記予備電池として機能している主電池(12a)と、前記稼働電池として機能している副電池(12b)と、の間で機能を切り替える処理である。
【0168】
この態様によれば、第1切替処理よって主電池(12a)は予備電池となり、予備電池となった主電池(12a)に対して主点検処理が行われる。そして、主点検処理の結果が合格の場合、第2切替処理によって、主電池(12a)は稼働電池に、副電池(12b)は予備電池に、それぞれ復帰する。これにより、主電池(12a)が合格の場合は、主電池(12a)を稼働電池として機能させ続けることが可能となる。
【0169】
第4の態様に係る照明装置(1)では、第3の態様において、前記主点検処理は、放電処理及び判定処理を含む。前記放電処理は、前記第1切替処理によって、前記主電池(12a)が、前記稼働電池として機能している稼働電池状態から、前記予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、主電池(12a)に点灯回路(14)への放電を開始させる処理である。前記判定処理は、前記放電の開始から所定時間の経過後に主電池(12a)の放電電圧が閾値以上か否かを判定する処理である。取得部(171)は、前記判定処理によって、前記放電電圧が前記閾値以上であると判定された場合に、前記合格を示す前記主点検結果データを取得する。また、取得部(171)は、前記放電電圧が前記閾値未満であると判定された場合に、前記不合格を示す前記主点検結果データを取得する。
【0170】
この態様によれば、稼働電池として機能している主電池(12a)を一時的に予備電池として機能させた後、稼働電池として機能する状態に戻すことで、非常用照明としての機能を損なうことなく、主電池(12a)について合格/不合格を示す判定結果データを取得できる。
【0171】
第5の態様に係る照明装置(1)では、第3又は第4の態様において、制御部(17)は、前記主点検処理の後、前記予備電池として機能している主電池(12a)への充電を開始させる。切替部(172)は、主電池(12a)への前記充電の完了後、前記第2切替処理を行う。
【0172】
この態様によれば、第2切替処理の前に、予備電池として機能している主電池(12a)について主点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0173】
第6の態様に係る照明装置(1)では、第5の態様において、点検部(173)は、前記主点検結果データが前記主点検結果条件を満たさない場合、前記第2切替処理を行った後、副点検処理を更に行う。前記副点検処理は、副電池(12b)の劣化状況を点検する処理である。
【0174】
この態様によれば、予備電池として機能している主電池(12a)についての主点検結果が不合格の場合は、第2切替処理の後、新たに予備電池となった副電池(つまり、第2切替処理の前に稼働電池であった副電池12b)について副点検処理が更に行われる。従って、主電池(12a)及び副電池(12b)に対応する2つの点検結果の取得が可能となり、当該2つの点検結果を基に、主電池(12a)及び副電池(12b)の劣化状況に応じて点灯時間の確保を図ることができる。
【0175】
なお、第3~第6のいずれかの態様において、照明装置(1)は、表示部(18)を更に備えていてもよい。表示部(18)は、前記主点検結果データが前記主点検結果条件を満たさない場合に、主電池(12a)についてエラー表示を行う。これにより、主電池(12a)が劣化している状況の認識の容易化が図られる。
【0176】
第7の態様に係る照明装置(1)では、第6の態様において、取得部(171)は、前記副点検処理の結果を基に、副点検結果データを取得する。前記副点検結果データは、副電池(12b)について合格か不合格かを示すデータである。前記条件は、副点検結果条件を更に含む。前記副点検結果条件は、前記副点検結果データが前記合格を示す、という条件である。切替部(172)は、前記副点検結果データが前記副点検結果条件を満たす場合に、前記第1切替処理を更に行う。
【0177】
この態様によれば、第2切替処理後の副点検処理による副点検結果データが副点検結果条件を満たす場合(つまり、第2切替処理によって新たに予備電池となった副電池12bが合格の場合)は、第1切替処理が再び行われ、それによって、当該第1切替処理前に稼働電池であった副電池(12b)が、再び稼働電池に戻る。従って、2つの点検結果を基に、第1切替処理によって新たに稼働電池となった主電池(12a)が不合格の場合でも、新たに予備電池となった副電池(12b)が合格であれば、再度の第1切替処理によって副電池(12b)が予備電池から駆動電池に復帰するので、点灯時間の確保を図ることができる。
【0178】
第8の態様に係る照明装置(1)では、第7の態様において、制御部(17)は、前記副点検結果データが前記副点検結果条件を満たさない場合に、前記予備電池として機能している副電池(12b)への充電を開始させる。
【0179】
この態様によれば、第1切替処理の後の主点検処理の結果が不合格の場合、第2切替処理が行われ、それによって予備電池状態となった副電池(12b)に対して副点検処理が行われる。そして、副点検処理の結果が不合格の場合、副電池(12b)への充電が開始される。
【0180】
なお、副点検処理の結果が不合格の場合、再度の第1切替処理は行われず、主電池(12a)は稼働電池状態、副電池(12b)は予備電池状態のまま維持される。
【0181】
なお、第7又は第8の態様において、照明装置(1)は、表示部(18)を更に備えていてもよい。表示部(18)は、前記副点検結果データが前記副点検結果条件を満たさない場合に、副電池(12b)についてエラー表示を行う。これにより、副電池(12b)の状況の認識の容易化が図られる。
【0182】
第9の態様に係る照明装置(1)では、第6の態様において、点検部(173)は、前記主点検処理の前の前記第1切替処理の更に前に、前記予備電池として機能している副電池(12b)に対して前記副点検処理を行う。
【0183】
この態様によれば、第1切替処理の前に、予備電池として機能している副電池(12b)について、副点検処理及び充電処理を完了させることができる。
【0184】
第10の態様に係る照明装置(1)では、第4の態様において、制御部(17)は、副電池(12b)が前記稼働電池として機能している稼働電池状態で、充電回路(13)に副電池(12b)を満充電まで充電させる。そして、制御部(17)は、副電池(12b)が前記稼働電池状態から前記予備電池として機能している予備電池状態に変化したことに応じて、充電回路(13)に副電池(12b)への充電を停止させる。
【0185】
この態様によれば、副電池(12b)を適時稼働させつつ、副電池(12b)の劣化の抑制を図ることができる。その結果、非常用照明としての信頼性の向上が図られる。
【0186】
第11の態様に係る照明装置(1)では、第2~第10のいずのいずれかの態様において、切替部(172)は、前記常用電源(2)が停電した場合に、主電池(12a)及び副電池(12b)のうち前記稼働電池として機能している電池に点灯回路(14)への放電を行わせる。そして、切替部(172)は、前記稼働電池として機能している電池の放電電圧が基準電圧以下となった場合に、前記稼働電池として機能している電池に代えて、前記予備電池として機能している電池に点灯回路(14)への放電を行わせる。
【0187】
この態様によれば、主電池(12a)が過放電状態となることを回避しつつ、点灯期間の延長を図ることができる。その結果、非常用照明としての信頼性の向上が図られる。
【0188】
第12の態様に係る照明装置(1)では、第1~第11のいずのいずれかの態様において、副電池(12b)は、主電池(12a)と同じ容量の又は主電池(12a)より容量が小さい二次電池である。
【0189】
この態様によれば、充電及び放電が可能な小容量の副電池により、コスト増を抑制しつつ、信頼性の向上を図ることができる。
【0190】
第13の態様に係る照明装置(1)では、第1~第11のいずのいずれかの態様において、副電池(12b)は、一次電池である。
【0191】
この態様によれば、放電可能かつ充電不可の一次電池である副電池により、コスト増を抑制しつつ、信頼性の向上を図ることができる。
【0192】
第14の態様に係る照明装置(1)では、第1~第11のいずのいずれかの態様において、前記副電池(12b)は、前記主電池(12a)と比べて、動作温度範囲の下限側がより低温である。
【0193】
この態様によれば、寒冷地等の低温な環境下で、主電池(12a)及び副電池(12b)の劣化の抑制を図ることができる。
【0194】
第15の態様に係る照明装置(1)では、第1~第11のいずのいずれかの態様において、前記副電池(12b)は、前記主電池(12a)と比べて、動作温度範囲の上限側がより高温である。
【0195】
この態様によれば、灼熱地等の高温な環境下で、主電池(12a)及び副電池(12b)の劣化の抑制を図ることができる。
【符号の説明】
【0196】
1 照明装置
10 記憶部
11 光源
12a 主電池
12b 副電池
13 充電回路
14 点灯回路
17 制御部
171 取得部
172 切替部
173 点検部
18 表示部
2 常用電源
100 処理ユニット
200 電池ユニット