(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181925
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電源装置、照明装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20231218BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231218BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20231218BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20231218BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231218BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231218BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231218BHJP
【FI】
F21V23/00 150
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V23/00 120
F21V23/00 160
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095324
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、配線長の短縮化を図ることである。
【解決手段】電源装置E1は、電源ユニット2と、無線通信ユニットC1と、取付部材4と、を備える。無線通信ユニットC1は、アンテナ部31及び無線回路部30を有する。取付部材4は、電源ユニット2が取り付けられる。電源ユニット2は、電源基板25と、電源ケース20と、を有する。電源ケース20は、長尺の箱状に形成され、電源基板25を収容して取付部材4の取付面に取り付けられる。無線通信ユニットC1は、アンテナ部31及び無線回路部30が形成された回路基板32と、回路基板32を収容して電源ケース20と結合されるケース33と、を有する。ケース33は、電源ケース20の短手方向の一端に結合される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電力を電力変換して負荷に出力する電源ユニットと、
電磁波を空間に発射し、又は空間より電磁波を受け取るアンテナ部及び前記アンテナ部を介して前記電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部を有する無線通信ユニットと、
前記電源ユニットが取り付けられる取付部材と、
を備え、
前記取付部材は、前記負荷が取り付けられる第1面と反対の第2面側に前記電源ユニットが取り付けられ、
前記電源ユニットは、
前記電力変換を行うプリント回路が形成された電源基板と、
長尺の箱状に形成され、前記電源基板を収容して前記取付部材に取り付けられる電源ケースと、
を有し、
前記無線通信ユニットは、
前記アンテナ部及び前記無線回路部が形成された回路基板と、
前記回路基板を収容して前記電源ケースと結合されるケースと、
を有し、
前記ケースは、前記電源ケースの短手方向の一端に結合される、
電源装置。
【請求項2】
前記回路基板は、前記アンテナ部が形成された面を前記取付部材の前記第2面に対して傾けた姿勢で前記ケースに収容される、
請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記第2面から前記第1面に貫通する穴を有する、
請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項4】
前記ケースの一部であって、前記回路基板のうちで前記アンテナ部が形成されている部分が収容されている前記一部は、前記穴を通して前記取付部材の前記第1面から突出している、
請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記回路基板は、その厚み方向を前記電源ケースの短手方向に一致させるように前記ケースに収容される、
請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項6】
前記回路基板は、前記電源ケースの短手方向に沿った前記ケースの幅方向の中央に配置される、
請求項5記載の電源装置。
【請求項7】
前記回路基板は、前記電源ケースの短手方向に沿った前記ケースの幅方向の一端に配置される、
請求項5記載の電源装置。
【請求項8】
前記回路基板は、その厚み方向を前記電源ケースの長手方向に一致させるように前記ケースに収容される、
請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項9】
前記ケースは、前記電源ケースに取り付けられた状態で前記電源ケースと対向する面が開口している、
請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項10】
外部電源と電気的に接続される電源端子部を更に有し、
前記電源端子部は、前記電源ケースの長手方向の一端に配置される、
請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項11】
前記回路基板は、その厚み方向を前記取付部材の厚み方向に沿わせるように前記ケースに収容される、
請求項1記載の電源装置。
【請求項12】
前記ケースの一部が前記電源ケース内に収容される、
請求項11記載の電源装置。
【請求項13】
請求項1又は2の電源装置と、
前記電源装置の前記負荷となる光源と、
を備え、
前記光源は、前記取付部材の第1面に取り付けられ、
前記電源装置は、前記第1面と反対の前記取付部材の第2面に取り付けられる、
照明装置。
【請求項14】
請求項4の電源装置と、
前記電源装置の前記負荷となる光源と、
透光性を有し、前記光源を覆うように前記取付部材に取り付けられるカバーと、
を備え、
前記光源は、前記取付部材の第1面に取り付けられ、
前記電源装置は、前記第1面と反対の前記取付部材の第2面側に取り付けられ、
前記ケースの前記一部は、前記カバーの外に露出する、
照明装置。
【請求項15】
請求項13の照明装置と、
前記照明装置を支持する器具本体と、
を備える、
照明器具。
【請求項16】
照明装置と、
前記照明装置を支持する器具本体と、
を備え、
前記照明装置は、
請求項1又は2の電源装置と、
前記取付部材に取り付けられて前記電源装置から給電される光源と、
を備え、
前記電源装置は、前記器具本体に支持される、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置、照明装置及び照明器具に関し、より詳細には、無線通信機能を有する電源装置、当該電源装置を備えた照明装置、及び当該照明装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明器具を例示する。特許文献1記載の照明器具(以下、従来例という。)は、LEDモジュールと、LEDモジュールを点灯制御する点灯回路と、点灯回路に接続され、他の照明器具又は照明制御機器と無線通信を行う無線通信ユニットと、を備える。
【0003】
無線通信ユニットは、板金に固定された無線通信ユニットケースと、無線通信ユニットケース内に収納された無線通信モジュール基板と、無線通信モジュール基板上に設けられたアンテナとを有する。無線通信モジュール基板は、板金と平行となるように無線通信ユニットケースに備えられる基板固定機構によって固定される。
【0004】
上記従来例は、アンテナが設けられた無線通信モジュール基板を、照明器具の板金から10mm以上の空間距離を確保して配置することによって、アンテナ周辺の電波の回り込むスペースを確保してアンテナ特性を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来例では、点灯回路と無線通信モジュールが離れた状態で照明器具の板金に固定されているので、点灯回路と無線通信モジュールを電気的に接続する配線の長さ(配線長)が長くなっていた。
【0007】
本開示の目的は、配線長の短縮化を図ることができる電源装置、照明装置及び照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る電源装置は、電源ユニットと、無線通信ユニットと、取付部材と、を備える。前記電源ユニットは、入力電力を電力変換して負荷に出力する。前記無線通信ユニットは、電磁波を空間に発射し、又は空間より電磁波を受け取るアンテナ部及び前記アンテナ部を介して前記電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部を有する。前記取付部材は、前記電源ユニットが取り付けられる。前記取付部材は、前記負荷が取り付けられる第1面と反対の第2面側に前記電源ユニットが取り付けられる。前記電源ユニットは、前記電力変換を行うプリント回路が形成された電源基板と、長尺の箱状に形成され、前記電源基板を収容して前記取付部材に取り付けられる電源ケースと、を有する。前記無線通信ユニットは、前記アンテナ部及び前記無線回路部が形成された回路基板と、前記回路基板を収容して前記電源ケースと結合されるケースと、を有する。前記ケースは、前記電源ケースの短手方向の一端に結合される。
【0009】
本開示の一態様に係る照明装置は、前記電源装置と、前記電源装置の前記負荷となる光源と、を備える。前記光源は、前記取付部材の第1面に取り付けられる。前記電源装置は、前記第1面と反対の前記取付部材の第2面に取り付けられる。
【0010】
本開示の一態様に係る照明装置は、前記電源装置と、前記電源装置の前記負荷となる光源と、透光性を有し、前記光源を覆うように前記取付部材に取り付けられるカバーと、を備える。前記光源は、前記取付部材の第1面に取り付けられる。前記電源装置は、前記第1面と反対の前記取付部材の第2面側に取り付けられる。前記ケースの前記一部は、前記カバーの外に露出する。
【0011】
本開示の一態様に係る照明器具は、前記照明装置と、前記照明装置を支持する器具本体と、を備える。
【0012】
本開示の一態様に係る照明器具は、照明装置と、前記照明装置を支持する器具本体と、を備える。前記照明装置は、前記電源装置と、前記取付部材に取り付けられて前記電源装置から給電される光源と、を備える。前記電源装置は、前記器具本体に支持される。
【発明の効果】
【0013】
本開示の電源装置、照明装置及び照明器具は、配線長の短縮化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具及び本開示の実施形態に係る照明装置である光源ユニットの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の光源ユニットの回路ブロック図である。
【
図4】
図4Aは、同上の光源ユニットの横断面図である。
図4Bは、同上の光源ユニットの縦断面図である。
【
図5】
図5Aは、同上の光源ユニットの水平方向の断面図である。
図5Bは、同上の光源ユニットの垂直方向の断面図である。
図5Cは、同上の光源ユニットの更に別の構造の横断面図である。
【
図6】
図6は、同上の照明器具の器具本体と同上の光源ユニットにおける電源装置の正面図である。
【
図7】
図7は、同上の無線通信ユニットの要部の断面図である。
【
図8】
図8Aは、同上の電源装置の変形例1の横断面図である。
図8Bは、同上の電源装置の変形例1の縦断面図である。
図8Cは、同上の電源装置の変形例1の横断面図である。
【
図9】
図9は、同上の電源装置の変形例2の一部省略した横断面図である。
【
図10】
図10Aは、同上の電源装置の変形例3における無線通信ユニットのケースの断面図である。
図10Bは、同上の電源装置の変形例3における無線通信ユニットの別のケースの断面図である。
【
図11】
図11Aは、同上の電源装置の変形例4の一部省略した下面図である。
図11Bは、同上の電源装置の変形例4の一部省略した下面図である。
図11Cは、同上の電源装置の変形例4の一部省略した下面図である。
図11Dは、同上の電源装置の変形例4の一部省略した下面図である。
図11Eは、同上の電源装置の変形例4の一部省略した下面図である。
【
図12】
図12Aは、同上の電源装置の変形例5の一部省略した下面図である。
図12Bは、同上の電源装置の変形例5の一部省略した下面図である。
【
図13】
図13Aは、同上の電源装置の変形例6の縦断面図である。
図13Bは、同上の電源装置の変形例6の横断面図である。
図13Cは、同上の電源装置の変形例6を含む光源ユニットの横断面図である。
【
図14】
図14Aは、同上の電源装置の変形例7の横断面図である。
図14Bは、同上の電源装置の変形例7の縦断面図である。
【
図15】
図15Aは、同上の電源装置の変形例8の横断面図である。
図15Bは、同上の電源装置の変形例8の横断面図である。
【
図16】
図16Aは、同上の電源装置の変形例9の横断面図である。
図16Bは、同上の電源装置の変形例9の横断面図である。
図16Cは、同上の電源装置の変形例9の横断面図である。
図16Dは、同上の電源装置の変形例9の縦断面図である。
【
図17】
図17は、同上の電源装置の変形例10を含む照明器具の横断面図である。
【
図18】
図18Aは、同上の電源装置の変形例10を含む照明器具の横断面図である。
図18Bは、同上の電源装置の変形例10を含む照明器具の横断面図である。
【
図19】
図19は、同上の電源装置の変形例11を含む照明器具の横断面図である。
【
図20】
図20は、同上の電源装置の変形例12を含む照明器具の横断面図である。
【
図21】
図21は、同上の電源装置の変形例13を含む照明器具の横断面図である。
【
図22】
図22は、本開示の別の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図23】
図23は、本開示の別の実施形態に係る照明装置である光源ユニットの平面図である。
【
図24】
図24は、本開示の更に別の実施形態に係る照明器具の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態に係る電源装置、照明装置、及び照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0016】
(1)概要
実施形態に係る電源装置E1は、電源ユニット2と、無線通信ユニットC1と、取付部材4と、を備える(
図2参照)。
【0017】
電源ユニット2は、入力電力を電力変換して負荷に出力する。負荷は、例えば、LEDなどの照明用の光源である。ただし、負荷は、有機エレクトロルミネッセンス素子、レーザダイオードなどのLED以外の光源でもよいし、光源以外であっても構わない。
【0018】
取付部材4は、負荷(光源)が取り付けられる第1面40Aと反対の第2面(40B)側に電源ユニット2が取り付けられる。電源ユニット2は、電力変換を行うプリント回路が形成された電源基板25と、長尺の箱状に形成され、電源基板25を収容して取付部材4に取り付けられる電源ケース20と、を有する。なお、電源ケース20は、取付部材4の第2面40Bに直接取り付けられてもよい。あるいは、電源ケース20は、後述するように取付部材4の第2面40Bに対して垂直方向に突出する側板41に取り付けられることで「第2面側」に取り付けられても構わない。
【0019】
無線通信ユニットC1は、アンテナ部31及び無線回路部30と、アンテナ部31及び無線回路部30が形成された回路基板32と、回路基板(32)を収容して電源ケース20と結合されるケース33と、を有する。
【0020】
アンテナ部31は、電磁波を空間に発射し、又は空間より電磁波を受け取る。無線回路部30は、アンテナ部31を介して電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う。回路基板32は、アンテナ部31及び無線回路部30が形成される。なお、本実施形態において、無線回路部30が無線信号の媒体として利用する電磁波は、電波でもよいし、赤外光及び可視光などの電波以外の電磁波でも構わない。
【0021】
無線通信ユニットC1のケース33は、電源ケース20の短手方向の一端に結合される。ゆえに、実施形態に係る電源装置E1は、上述した従来例と比較して、無線通信ユニットC1と電源ユニット2を電気的に接続するための配線の配線長の短縮化を図ることができる。その結果、実施形態に係る電源装置E1は、配線から漏れるノイズの低減、及び配線の接続作業の作業性の向上を図ることができる。しかも、実施形態に係る電源装置E1は、電源ケース20の短手方向の一端にケース33を結合するので、電源ケース20の長手方向の一端にケース33を結合する場合に比べて、長手方向の寸法の大型化を抑制することができる。
【0022】
また、実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)は、実施形態に係る電源装置E1と、実施形態に係る電源装置E1の負荷となる光源(LEDモジュール1)と、を備える。光源(LEDモジュール1)は、取付部材4の第1面に取り付けられる。電源装置E1は、第1面と反対の取付部材4の第2面に取り付けられる。
【0023】
しかして、実施形態に係る照明装置は、配線長の短縮化を図ることができる。
【0024】
さらに、実施池板に係る照明器具B1は、実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)と、実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)を支持する器具本体9と、を備える。
【0025】
しかして、実施形態に係る照明器具B1は、配線長の短縮化を図ることができる。
【0026】
(2)詳細
(2-1)照明器具
まず、実施形態に係る照明器具B1(以下、照明器具B1と略す。)について説明する。
【0027】
照明器具B1は、
図1及び
図2に示すように、実施形態に係る照明装置、すなわち、光源ユニットA1(以下、光源ユニットA1と略す。)と、光源ユニットA1を支持する器具本体9とを備える。光源ユニットA1は、天井に直付けされる器具本体9に着脱可能に取り付けられる。ただし、器具本体9は、天井に埋め込まれても構わない。あるいは、器具本体9は、壁に直付けされてもよいし、壁に埋め込まれてもよい。
【0028】
器具本体9は、下面が開放された長尺箱状の収容部90と、収容部90の長手方向に沿った両側の開口端縁より斜め上向きに突出する一対の反射板91と、収容部90及び一対の反射板91の長手方向の両端に設けられた一対のエンド板92とを備える(
図2参照)。なお、収容部90と一対の反射板91は、金属板が打ち抜き加工及び曲げ加工されることで一体に形成される。
【0029】
器具本体9は、収容部90の底面に設けられている複数の取付穴900のうちの少なくともいずれか二つの取付穴900に吊りボルト(不図示)がそれぞれ挿通され、それらの吊りボルトにナット(不図示)が締め付けられることで天井に設置される。また、収容部90の底面に設けられている複数の電源穴901のうちのいずれか一つの電源穴901に電源線が挿通される。ただし、複数の照明器具B1が設置される場合、別の電源穴901に送り配線用の別の電源線が挿通されることがある。
【0030】
収容部90の底面に端子台902が取り付けられている。端子台902は電源ケーブル903と電気的に接続されている。電源ケーブル903の先端には、電源コネクタ904が設けられている。
【0031】
しかして、器具本体9の電源穴901に挿通された電源線は、端子台902と電気的に接続され、端子台902、電源ケーブル903及び電源コネクタ904を介して、光源ユニットA1の電源ユニット2と電気的に接続される。
【0032】
(2-2)光源ユニット
光源ユニットA1は、LEDモジュール1と、実施形態に係る電源装置E1(以下、電源装置E1と略す。)と、カバー7と、を備える(
図2参照)。なお、本実施形態において、電源装置E1の構成要素である取付部材4は、光源ユニットA1の構成要素でもある。
【0033】
(2-2-1)LEDモジュール
LEDモジュール1は、多数のLED10と、基板11と、を備えている。基板11は、長尺の長方形板状に形成されている。多数のLED10は、基板11の表面(下面)における短手方向の中央に、基板11の長手方向に沿って等間隔かつ一列に並べて実装されている(
図2参照)。
【0034】
(2-2-2)取付部材
取付部材4は、金属板(例えば、鋼板)が加工されることによって長尺の角とい状に形成されている。取付部材4は、長尺の長方形板状の底板40と、底板40の長手方向に沿った両端から上向きに立ち上がる一対の側板41とを有している。LEDモジュール1は、底板40から切り起こされている複数の爪42(
図4A参照) によって底板40の下面(第1面40A)に取り付けられる。ただし、取付部材4は、アルミ又はアルミ合金の押出成形で形成されてもよいし、金属板以外の材料、例えば、合成樹脂で形成されてもよい。
【0035】
(2-2-3)カバー
カバー7は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって半円筒形状に形成されている(
図2参照)。また、カバー7は、長手方向に沿って上向きに突出する一対の突壁70を有している。カバー7は、一対の突壁70の間に取付部材4を収容し、取付部材4の一対の側板41の先端(上端)に、一対の突壁70の先端(上端)に形成されている引掛部が引掛けられることで取付部材4に取り付けられる。なお、カバー7は、石英ガラスなどの無機ガラスで形成されても構わない。
【0036】
(2-2-4)電源装置
電源装置E1は、電源ユニット2と、無線通信ユニットC1と、を備える(
図2参照)。
【0037】
(2-2-4-1)電源ユニット
電源ユニット2は、点灯回路21と、点灯回路21を収容する電源ケース20と、を有する(
図2参照)。
【0038】
点灯回路21は、長方形状の絶縁基板に配線用の導体が印刷されたプリント配線板からなる電源基板25と、電源基板25の表裏両面にそれぞれ実装された複数の回路部品26と、を有している(
図2参照)。つまり、点灯回路21は、プリント回路で構成されている。
【0039】
図3に点灯回路21の回路構成を示す。点灯回路21は、電力変換回路210、定電流回路211、制御回路212などを備える。
【0040】
電力変換回路210は、例えば、ダイオードブリッジのような整流回路、昇圧チョッパ回路(力率改善回路)などを有する。電力変換回路210は、電源端子部22を通して外部電源P1から供給される交流電力を直流電力に変換する。外部電源P1は、例えば、商用の電力系統であり、実効値100V又は200Vの交流電圧・交流電流を供給する。ただし、電力変換回路210は、昇圧チョッパ回路に代えて、降圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路、フライバックコンバータなどの力率改善機能を有するスイッチング電源回路を備えてもよい。
【0041】
定電流回路211は、例えば、降圧チョッパ回路(バックコンバータ)を有する。定電流回路211は、電力変換回路210から出力される直流電圧を降圧してLEDモジュール1に印加し、かつ、LEDモジュール1に流れる直流電流を調整する。ただし、定電流回路211は、降圧チョッパ回路に代えて、種々のチョッパ回路、シリーズレギュレータなどを備えてもよい。
【0042】
制御回路212は、例えば、マイクロコントローラを有する。制御回路212は、電力変換回路210の出力電圧を一定の直流電圧に維持するように電力変換回路210を制御する。さらに、制御回路212は、定電流回路211からLEDモジュール1に供給される直流電流を目標値に一致させるように、定電流回路211の降圧チョッパ回路を制御する。なお、制御回路212は、無線通信ユニットC1から信号用コネクタ5を介して受け取る調光信号に応じて、LEDモジュール1に供給する直流電流の目標値を変更する。
【0043】
ここで、電源端子部22は、電源基板25の長手方向の一端に実装されている(
図2参照)。なお、実施形態における電源端子部22は、電源コネクタ904が挿抜可能に接続されるコネクタであるが、電源コネクタ904の代わりに電線の導体が電気的に接続される端子台でもよい。あるいは、電源端子部は、点灯回路21から引き出された口出し線であり、電源ケーブル903の導体とはんだ接続されても構わない。なお、電源端子部22の構成は、上述した構成以外の構成も含む。
【0044】
電源ケース20は、長方形状の底壁200と、底壁200の長手方向の両端から、底壁200の短手方向に沿って下向きに突出する一対の第1側壁201と、を有する(
図2参照)。また、電源ケース20は、底壁200の短手方向の両端から、底壁200の長手方向に沿って下向きに突出する一対の第2側壁202を有する(
図4A、4B参照)。すなわち、電源ケース20は、底壁200の前方(下方)に開口部204を有する長尺の箱形に形成されている。また、電源ケース20は、片方の第2側壁202の先端から外向きに突出する固定片203を有している(
図4A参照)。固定片203は、角とい状に形成されている。
【0045】
電源ケース20は、底壁200と電源基板25が略平行となるように電源基板25を収容する(
図4A参照)。電源ケース20は、一対の第2側壁202から切り起こされた複数の爪205を有し、これら複数の爪205の間に挟むようにして電源基板25を支持する。なお、電源端子部22の差込口は、一方の第1側壁201に設けられた窓穴を通して電源ケース20の外に突出する。
【0046】
電源ユニット2は、電源ケース20の開口部204を取付部材4に向けるように、光源ユニットA1の取付部材4の上面(第2面)に取り付けられる(
図4A参照)。具体的には、片方の第2側壁202及び固定片203が取付部材4の各側板41にねじ止めされることによって、電源ケース20が取付部材4に固定される。ただし、電源ケース20の取付部材4に対する固定方法はねじ止めに限定されず、例えば、かしめなどの適宜の固定方法が採用可能である。また、取付部材4に取り付けられた状態において、電源ケース20の開口部204が取付部材4の底板40で塞がれる。
【0047】
(2-2-4-2)無線通信ユニット
無線通信ユニットC1は、無線回路部30と、アンテナ部31と、無線回路部30及びアンテナ部31が形成された回路基板32と、回路基板32を収容するケース33と、を有する(
図3-
図5参照)。回路基板32は、4角形の絶縁基板に配線用の導体が印刷されたプリント配線板からなる(
図4A、4B参照)。つまり、無線回路部30は、プリント回路で構成されている。なお、回路基板32の端部に、信号用コネクタ5のプラグ51が実装されている。そして、回路基板32に実装されているプラグ51と電源基板25に実装されているコネクタ213が、ケース33の底面に設けられた穴に挿通されたケーブル52を介して機械的かつ電気的に接続される(
図5参照)。なお、回路基板32の形状は4角形に限定されず、4角形以外の多角形、円形、などの種々の形状を含む。
【0048】
アンテナ部31は、電磁波(例えば、920MHz帯又は2.4GHz帯の電波)を空間に発射し、かつ、空間より電磁波を受け取るように構成される。アンテナ部31は、例えば、回路基板32に印刷された導体で形成された、いわゆるパターンアンテナである。ただし、アンテナ部31はパターンアンテナに限定されず、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)、チップアンテナ、ロッドアンテナ、フィルムアンテナなどでも構わない。
【0049】
ここで、回路基板32の実装面は、アンテナ部31が設けられる領域(第1の領域S1)と、無線回路部30が実装される領域(第2の領域S2)と、に分けられる(
図4B参照)。第1の領域S1と第2の領域S2は、回路基板32の実装面を短手方向に沿って分割した領域である。
【0050】
無線回路部30は、アンテナ部31で受け取る電波から無線信号を取り出し、当該無線信号から制御情報を取得する。さらに、無線回路部30は、当該制御情報を調光信号に変換し、変換した調光信号を、信号用コネクタ5を介して点灯回路21(制御回路212)に伝送する。
【0051】
点灯回路21は、無線通信ユニットC1から受け取る調光信号に応じて、制御回路212からLEDモジュール1に供給される直流電流の目標値を変更することによって、LEDモジュール1を点滅(点灯と消灯の切替え)及び調光する。なお、LEDモジュール1が光色の異なる複数種類のLEDを有する場合においては、点灯回路21は、各色のLEDに供給する直流電流の目標値を変更することによってLEDモジュール1から放射される光(照明光)を調色することも可能である。
【0052】
ケース33は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂によって箱状に形成されている(
図4-
図5参照)。ただし、ケース33の一部又は全部が金属で形成されても構わない。ケース33は、6つの壁330を有している。第1の壁330Aは、平面視で4角形状に形成されて第6の壁330Fと対向する。第2の壁330B、第3の壁330C、第4の壁330D及び第5の壁330Eは、第1の壁330A及び第6の壁330Fの各々4つの辺から1つずつ同一方向に突出して角筒を形成する。なお、第2の壁330Bと第3の壁330Cが対向し、第4の壁330Dと第5の壁330Eが対向する。
【0053】
ケース33は、ケース33内において、回路基板32の第1の領域S1の少なくとも一部を支持する支持部335を有する。支持部335は、第5の壁330Eの内側面から第4の壁330Dに向かって起立する一対の突壁で構成されている(
図4A、4B参照)。一対の突壁は、4角形の平板状に形成されている。一対の突壁は、回路基板32の厚みよりも小さくない間隔を空けて平行に対向している(
図4A参照)。
【0054】
しかして、支持部335は、第1の領域S1の少なくとも一部を一対の突壁の間に挟むようにして回路基板32を支持する。つまり、支持部335に支持された回路基板32は、第5の壁330Eに対して立てられた状態でケース33に収容される。なお、支持部335に支持された回路基板32の端面と第4の壁330Dの内側面の間には、支持部335の高さ(第5の壁330Eの内側面から突壁の先端までの距離)よりも十分に小さい隙間があいている(
図4A、4B参照)。言い換えると、支持部335の高さ寸法は、ケース33の高さ方向における回路基板32とケース33(の第4の壁330D)との距離よりも大きい。したがって、回路基板32が第4の壁330Dに近付く向きに移動しても支持部335から外れるおそれがない。また、支持部335が回路基板32を厚み方向から挟んで支持するので、支持部335によって回路基板32に与えられるダメージの低減を図ることができる。
【0055】
ケース33は、ねじ止め、かしめ、引掛け、接着などの適宜の方法で電源ケース20に結合される。
【0056】
(2-3)照明器具の設置
照明器具B1は、以下のような手順で室内の天井に設置される。
【0057】
まず、天井から引き出された電源線が器具本体9の電源穴901を通して収容部90内に引き込まれた後、天井に設けられた吊りボルトに対して器具本体9が取り付けられる。それから、電源穴901から引き込まれた電源線が端子台902と電気的に接続される。
【0058】
次に、電源ケーブル903の電源コネクタ904が電源ユニット2の電源端子部22に差込接続された後、電源ユニット2が収容部90に収容されるように光源ユニットA1が器具本体9に取り付けられる。なお、器具本体9に対する光源ユニットA1の取付構造については、従来周知であるから詳細な説明及び図示を省略する。
【0059】
以上の手順で照明器具B1が天井に設置される。
【0060】
ここで、電源ユニット2の電源ケース20は、電源端子部22と点灯回路21を電源ケース20の長手方向に並べ、かつ、電源ケース20の長手方向の一端に電源端子部22を配置して収容している(
図6参照)。そのため、光源ユニットA1は、器具本体9に取り付けられた状態において、器具本体9の収容部90に取り付けられている端子台902の近くに電源端子部22を配置することにより(
図6参照)、電源ケーブル903の短縮化を図ることができる。また、収容部90に設けられている複数の取付穴900の間に電源ケース20が配置される(
図6参照)。ゆえに、光源ユニットA1は、器具本体9の取付穴900に挿通される吊りボルトと電源ケース20の間の距離を十分に離すことができる(
図6参照)。その結果、光源ユニットA1は、吊りボルトと電源ケース20の間に十分な絶縁距離を取ることができる。
【0061】
(2-4)照明器具の動作
器具本体9の端子台902と接続される電源線は、例えば、室内の壁に設置されたスイッチ(以下、壁スイッチと呼ぶ。)によって通電が入切される。つまり、照明器具B1(光源ユニットA1)は、壁スイッチが操作されることで点灯状態と消灯状態に交互に切替えられる。
【0062】
また、照明器具B1(光源ユニットA1)は、壁スイッチを介して通電されている状態において、図示しないリモートコントローラ(以下、リモコンと略す。)から送信される無線信号によって点滅及び調光(又は調光と調色)の遠隔制御が可能である。
【0063】
リモコンは、例えば、人による操作入力を受け付けるとともに、受け付けた操作入力に対応する制御情報を生成する。さらに、リモコンは、生成した制御情報を含む無線信号を送信する。リモコンで生成される制御情報は、照明器具B1(光源ユニットA1)の点灯と消灯の切替え指示、及び調光レベルの指示などである。
【0064】
リモコンから送信される無線信号は、光源ユニットA1の無線通信ユニットC1で受信される。無線通信ユニットC1は、無線信号に含まれる制御情報を調光信号に変換し、変換した調光信号を、信号用コネクタ5を介して点灯回路21(制御回路212)に伝送する。なお、調光信号は、例えば、光源ユニットA1の定格点灯時の光量を100%とし、0%から100%の任意の値に対応している。ただし、制御情報が消灯から点灯への切替え指示のときは調光信号が100%に設定され、制御情報が点灯から消灯への切替え指示のときは調光信号が0%に設定される。
【0065】
点灯回路21は、無線通信ユニットC1から受け取る調光信号に応じて、制御回路212がLEDモジュール1に供給する直流電流の目標値を変更することによって、LEDモジュール1を点滅(点灯と消灯の切替え)及び調光(又は調色)する。なお、制御回路212は、調光信号が0%に設定された場合、電力変換回路210及び定電流回路211を停止することでLEDモジュール1を消灯する。
【0066】
ここで、アンテナ部31が電波を受信及び送信する際の感度は、アンテナ部31が形成されている回路基板32の表面(実装面)と垂直な方向(法線方向)が最も高くなる。つまり、無線通信ユニットC1は、天井面に対して回路基板32の法線方向がほぼ平行となるように設置されるので、リモコンから送信される無線信号の受信可能な範囲を天井面と平行な方向(水平方向)に広げることができる。これにより、光源ユニットA1及び照明器具B1は、リモコンによる遠隔制御(点滅及び調光、調色)の範囲を拡大して使い勝手の向上を図ることができる。
【0067】
なお、無線通信ユニットC1が受信する無線信号の送信元は、上述したリモコンに限定されない。例えば、電波などの電磁波を媒体とする無線信号を送信可能な機器、例えば、無線通信機能を有する壁スイッチ、スマートフォン、タブレットPC、などでも構わない。あるいは、リモコンなどから送信される無線信号を中継する中継器、若しくは、他の照明器具に設けられた、中継機能付きの無線通信ユニットなどで中継される無線信号を無線通信ユニットC1で受信することも可能である。つまり、光源ユニットA1及び照明器具B1は、無線通信の範囲を拡大して使い勝手の向上を図ることができる。
【0068】
ところで、光源ユニットA1の取付部材4が金属材料で形成されているため、取付部材4を電磁的に通過してアンテナ部31に到達する無線信号(電波)は減衰してしまう。特に、アンテナ部31のパターン形成面(回路基板32の表面)から取付部材4(側板41)までの距離が短いと無線信号(電波)の減衰が増大することが知られている。したがって、上記距離は、例えば、4mm以上であることが望ましい。ただし、上記距離の下限値は、アンテナ部31の電波の出力の大きさ、電波の周波数帯、取付部材4の材料の種類、取付部材4の厚み、などに応じて変化する。
【0069】
また、
図4Aに示すように、アンテナ部31の回路基板32から電源ケース20の固定片203までの距離D1は、無線信号(電波)の減衰を抑制するために1mm以上であることが望ましい。ただし、距離D1の下限値は、アンテナ部31の電波の出力の大きさ、電波の周波数帯、取付部材4の材料の種類、取付部材4の厚み、などに応じて変化する。
【0070】
(2-5)実施形態の利点
上述のように電源装置E1は、無線通信ユニットC1のケース33を、電源ユニット2の電源ケース20の短手方向の一端に結合させるので、電源ユニット2と無線通信ユニットC1を電気的に接続するための配線の配線長を短くできる。その結果、電源装置E1は、配線から漏れるノイズの低減、及び配線の接続作業の作業性の向上を図ることができる。なお、電源ユニット2と無線通信ユニットC1を電気的に接続するための配線が電源ケース20及びケース33の内部に収容可能である(
図5A、5B参照)。そのため、電源装置E1は、光源ユニットA1を器具本体9に取り付ける際に配線が取付部材4と器具本体9の間に挟まれることが防止できる。さらに、無線通信ユニットC1のケース33が電源ケース20の短手方向の一端に結合されるため、電源装置E1は、電源ケース20の長手方向における小型化を図ることができる。さらに、電源装置E1は、その厚み方向を電源ケース20の短手方向に一致させるように回路基板32をケース33に収容する(
図4A参照)。そのため、電源装置E1は、電源ケース20の短手方向における更なる小型化を図ることができる。なお、回路基板32は、その厚み方向を電源ケース20の長手方向に一致させる向きでケース33内に収容されても構わない(
図5C参照)。
【0071】
また、電源ケース20の短手方向に沿ったケース33の幅方向の中央に回路基板32を配置しているので(
図4A参照)、ケース33が金属製である場合、ケース33の側面とアンテナ部31の距離(水平方向の距離)がほぼ均一となる。その結果、電源装置E1は、ケース33による電波の減衰を抑えて無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0072】
ところで、アンテナ部31から発射される電磁波、及びアンテナ部31が空間より受け取る電磁波は、いずれも回路基板32の厚み方向が最も強くなる。したがって、アンテナ部31が形成された面を取付部材4の第2面40B(底板40の上面)に対して傾けた姿勢で回路基板32がケース33に収容されることにより、金属製の取付部材4によって電磁波が減衰することを抑制できる。ここで、「取付部材4の第2面40Bに対して傾けた姿勢」とは、回路基板32のアンテナ部31が形成された面が取付部材4の第2面40Bと平行にならない姿勢を意味する。なお、「傾けた姿勢」には、回路基板32のアンテナ部31が形成された面と取付部材4の第2面40Bが垂直になる姿勢も含まれる。
【0073】
しかして、電源装置E1は、アンテナ部31が形成された面を取付部材4の第2面40Bに対して平行となる姿勢で回路基板32がケース33に収容される場合に比べて、無線性能の向上を図ることができる。また、照明器具B1が天井に設置された状態において、回路基板32が天井面に対して起立した(約90度傾いた)状態でケース33に収容されている。そのため、照明器具B1(電源装置E1及び光源ユニットA1)は、アンテナ部31が無線信号の電磁波(電波)を受信可能な範囲を水平方向に広げることにより、無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0074】
ところで、ケース33の第5の壁330Eの外側面に保持部334が設けられている(
図4B参照)。保持部334は、L字形に形成されて第5の壁330Eの外側面(取付部材4と対向する面)から突出する。保持部334は、電線L1(例えば、電源ユニット2からLEDモジュール1に給電するための電線など)を、第5の壁330Eとの間に挟んで保持することができる。しかして、無線通信ユニットC1は、ケース33に設けられた保持部334で電線L1を保持するので、光源ユニットA1の組立作業の作業性の向上を図ることができる。なお、保持部334は、例えば、第2の壁330B又は第3の壁330Cと第4の壁330Dとの境界部分に形成される凹所であっても構わない(
図7参照)。
【0075】
(3)変形例
次に、実施形態に係る電源装置E1、光源ユニットA1、及び照明器具B1の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する各変形例の基本構成は実施形態に係る電源装置E1、光源ユニットA1、及び照明器具B1と共通である。したがって、各変形例の説明において、実施形態に係る電源装置E1、光源ユニットA1及び照明器具B1と共通する構成については同一の符号を付して適宜図示及び説明を省略する。
【0076】
(3-1)変形例1
変形例1の電源装置E1は、無線通信ユニットC1の回路基板32の両面にアンテナ部31及び無線回路部30を構成する回路部品が実装される点に特徴がある(
図8参照)。
【0077】
変形例1における無線通信ユニットC1の回路基板32は両面プリント配線板であり、片方の面に無線通信用の集積回路30Aを含む複数の部品30Bが実装され(
図8A、
図8B参照)、もう片方の面にその他の部品が実装されている(
図8B、
図8C参照)。また、アンテナ部31は、回路基板32の両面に形成されている(
図8A、
図8C参照)。なお、回路基板32の両面に形成されたアンテナ部31は、回路基板32に形成されるスルーホールを介して電気的に接続される。ただし、回路基板32の両面に形成されるアンテナ部31は、スルーホールを介して電気的に接続されずに独立したアンテナであっても構わない。
【0078】
しかして、変形例1の電源装置E1は、回路基板32を両面プリント配線板とすることにより、無線通信ユニットC1の小型化を図ることができる。
【0079】
(3-2)変形例2
変形例2の電源装置E1は、電源ケース20の短手方向に沿ったケース33の幅方向の一端に回路基板32が配置される点に特徴がある(
図9参照)。
【0080】
変形例2において、回路基板32を支持する支持部335は、ケース33の第2の壁330B(第3の壁330Cでもよい。)と並行するように第5の壁330Eの内側面から立ち上がる1つの突壁で構成される。なお、突壁(支持部335)は、回路基板32の厚みよりも小さくない間隔を空けて第2の壁330Bと対向する。そして、支持部335は、第1の領域S1の少なくとも一部を突壁とケース33の壁(第2の壁330B)の間に挟むようにして回路基板32を支持する。
【0081】
無線通信ユニットC1のケース33は、取付部材4を挟んでLEDモジュール1の基板11と対向しており、基板11の表面(下面)には複数のLED10を電気的に接続する導体が形成されている。
【0082】
しかして、変形例2の電源装置E1は、基板11の表面において配線用の導体が形成された領域S3と上下方向(取付部材4の底板40の厚み方向)に重ならない位置にアンテナ部31(回路基板32)を配置している。その結果、変形例2の電源装置E1は、LEDモジュール1の導体による電波の減衰を抑制し、無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0083】
(3-3)変形例3
変形例3の電源装置E1は、無線通信ユニットC1のケース33に開口が設けられるとともに、当該開口を塞ぐ蓋を有する点に特徴がある。
【0084】
図10Aに示すように、平板状に形成された蓋338Aがケース33の開口面の周縁部分に回転可能に取り付けられている。蓋338Aは、回路基板32が開口面からケース33内に収容された後、ケース33の開口面を塞ぐ位置まで回転させられる。なお、蓋338Aは、ケース33の開口面を塞ぐ位置でケース33に固定されることが好ましい。
【0085】
あるいは、
図10Bに示すように、平板状に形成された蓋338Bに突片3380が設けられて、ケース33の開口面に突片3380を挿入するようにして蓋338Bがケース33に取り付けられる。なお、蓋338Bは、ケース33の開口面を塞いだ状態でケース33に固定されることが好ましい。
【0086】
しかして、変形例3の電源装置E1は、無線通信ユニットC1のケース33の開口面を蓋338A、338Bで塞いでいるので、電源ケース20に取り付けられる以前からケース33内への異物の侵入を防ぐことができる。
【0087】
(3-4)変形例4
変形例4の電源装置E1は、取付部材4のアンテナ部31と対向する位置に、第2面40Bから第1面40Aに貫通する穴46を有する点に特徴がある(
図11参照)。
【0088】
穴46は、長方形状に形成される(
図11A-
図11C参照)。長方形状の穴46は、回路基板32の厚み及び幅よりも大きい寸法に形成される(
図11A参照)。ただし、長方形状の穴46は、回路基板32の厚みよりも大きく、かつ幅よりも小さい寸法に形成されてもよい(
図11B参照)。あるいは、長方形状の穴46は、その長手方向が回路基板32の厚み方向と並行になるように形成されてもよい(
図11C参照)。
【0089】
また、穴46は、円形に形成されてもよい(
図11D、
図11E参照)。円形の穴46は、1つでもよいし(
図11D参照)、複数でもよい(
図11E参照)。円形の穴46の直径は、回路基板32の厚みよりも大きく、かつ、回路基板32の幅よりも小さい寸法であることが好ましい。なお、穴46は、取付部材4の第1面40AにおいてLEDモジュール1の基板11で塞がれてもよい。基板11が合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料で形成されていれば、穴46を通過する電波(電磁波)は、ほぼ減衰せずに基板11を通過することが可能である。穴46が基板11で塞がれることにより、穴46を通して取付部材4の下面側に異物が侵入することを防止できる。なお、ケース33を形成する材料と同程度以上の電磁波を透過可能である材料で形成された部材、例えば、合成樹脂製のテープなどで穴46を塞ぐことにより、虫などの侵入を防止することが好ましい。
【0090】
しかして、変形例4の電源装置E1は、取付部材4を貫通する穴46を、取付部材4のアンテナ部31と対向する位置に有するので、穴46を通過することによって電磁波の減衰が抑制される。その結果、変形例4の電源装置E1は、無線通信ユニットC1における電磁波の送信又は受信の感度(無線性能)の向上を図ることができる。
【0091】
(3-5)変形例5
変形例5の電源装置E1は、取付部材4のアンテナ部31と対向しない位置に、第2面40Bから第1面40Aに貫通する穴46を有する点に特徴がある(
図12参照)。
【0092】
穴46は、長方形状に形成されてもよいし(
図12A参照)、円形に形成されてもよい(
図12B参照)。また、穴46は1つでもよいし(
図12A参照)、複数でもよい(
図12B参照)。なお、穴46は、取付部材4の第1面40AにおいてLEDモジュール1の基板11で塞がれてもよい。基板11が合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料で形成されていれば、穴46を通過する電波(電磁波)は、ほぼ減衰せずに基板11を通過することが可能である。穴46が基板11で塞がれることにより、穴46を通して取付部材4の下面側に異物が侵入することを防止できる。なお、ケース33を形成する材料と同程度以上の電磁波を透過可能である材料で形成された部材、例えば、合成樹脂製のテープなどで穴46を塞ぐことにより、虫などの侵入を防止することが好ましい。
【0093】
しかして、変形例5の電源装置E1は、変形例4の電源装置E1と同様に、穴46を通過することによって電磁波の減衰が抑制されるので、無線通信ユニットC1における電磁波の送信又は受信の感度(無線性能)の向上を図ることができる。ただし、変形例5の電源装置E1は、取付部材4のアンテナ部31と対向しない位置に穴46が設けられているので、変形例4の電源装置E1と比較して、無線性能の向上の度合いが若干低くなる可能性がある。
【0094】
(3-6)変形例6
変形例6の電源装置E1は、取付部材4に対する無線通信ユニットC1のケース33の取付構造に特徴がある。
【0095】
変形例6の電源装置E1において、取付部材4はケース33の一部が挿通される穴46を有している(
図13A、13B参照)。穴46は、取付部材4の底板40においてLEDモジュール1が存在しない領域で底板40を貫通している(
図13B参照)。
【0096】
回路基板32は、厚み方向から見てT字形に形成されている(
図13A参照)。ケース33は、第5の壁330Eから突出して回路基板32の一部を収容する収容突部34を有する。収容突部34の内部空間は、第5の壁330Eを貫通してケース33の内部空間とつながっている。
【0097】
収容突部34に収容される回路基板32の一部は、T字形の脚の部分であって、アンテナ部31が形成されている第1の領域S1を含む(
図13A参照)。なお、回路基板32は、T字形の脚の部分が収容突部34に収容されることでケース33に支持される。
【0098】
ケース33は、穴46に収容突部34を挿通した状態で電源ケース20に取り付けられる(
図13A及び
図13B参照)。つまり、無線通信ユニットC1のアンテナ部31が穴46を通して底板40の下方に突出する。なお、底板40の下方に突出する収容突部34はカバー7内に収容されてもよい。ただし、
図13Cに示すように、底板40の下方に突出する収容突部34は、カバー7の外に露出しても構わない。
【0099】
しかして、変形例6の電源装置E1は、アンテナ部31を取付部材4の穴46に挿通させて取付部材4の下方に露出させるので、アンテナ部31から発射される電磁波又はアンテナ部31が受け取る電磁波が金属製の取付部材4で減衰しにくくなる。その結果、変形例6の電源装置E1は、無線通信ユニットC1における電磁波の送信又は受信の感度(無線性能)の向上を図ることができる。
【0100】
(3-7)変形例7
変形例7の電源装置E1(無線通信ユニットC1)は、支持部335に対する回路基板32の移動を規制する規制部336をケース33に有する点に特徴がある(
図14A、
図14B参照)。
【0101】
規制部336は、支持部335を構成する一対の突壁のうち、回路基板32の反実装面(回路基板32の表面のうちでアンテナ部31が形成されていない方の表面。以下、裏面と呼ぶ。)と対向する1つの突壁の側面に設けられる(
図14A参照)。規制部336は、三角柱の前端に三角錐をつなげたような形状に形成され、突壁の側面から回路基板32の裏面に向かって突出している。しかして、規制部336が設けられることにより、支持部335を構成する一対の突壁の間の隙間が部分的に狭くなる。そのため、回路基板32の端部が規制部336と他方の突壁(規制部336が設けられていない方の突壁)の間に圧入されるので、支持部335に支持された回路基板32の移動が規制部336によって規制される。また、規制部336の前端が三角錐状に形成されているため、回路基板32の端部が挿入される際、回路基板32の挿入方向の先端が規制部336の先端に引掛かりにくいという利点がある。
【0102】
なお、規制部336は、回路基板32の実装面(表面)と対向する突壁の側面に設けられてもよい。この場合、規制部336は、回路基板32の第1の領域S1においてアンテナ部31が形成されていない箇所と接するように形成されることが好ましい。ただし、第1の領域S1のアンテナ部31がレジストで保護されている場合、規制部336は、第1の領域S1においてアンテナ部31が形成されている箇所と接するように形成されても構わない。
【0103】
(3-8)変形例8
変形例8の電源装置E1(無線通信ユニットC1)は、それぞれが回路基板32を支持可能である複数の支持部335をケース33に有する点に特徴がある(
図15A及び
図15B参照)。変形例8の無線通信ユニットC1では、第5の壁330Eの内側面から3組の突壁が突出している。各組の一対の突壁がそれぞれ1つの支持部335を構成している。ただし、3組の突壁の高さはすべて同じであってもよいし、少なくとも1組の突壁の高さが他の組の突壁の高さと異なっていてもよい。
【0104】
回路基板32は、3つの支持部335のうちから選択された1つの支持部335に支持される。例えば、取付部材4の一対の側板41の間に無線通信ユニットC1が配置される場合、それぞれの側板41と回路基板32との距離が最も大きくなるように、中央の支持部335に回路基板32を支持させることが好ましい(
図15A参照)。また、取付部材4の側板41が底板40の片側のみに設けられている場合、側板41から最も離れた支持部335に回路基板32を支持させることが好ましい(
図15B参照)。
【0105】
しかして、変形例8の電源装置E1は、光源ユニットA1の取付部材4の形状に合わせてケース33内における回路基板32の位置を変更できるので、部品の共通化による製造コストの削減を図ることができる。
【0106】
(3-9)変形例9
変形例9の照明装置(光源ユニットA1)は、ケース33の内と外をつなぐ穴340を有する点に特徴がある(
図16参照)。
【0107】
穴340は、例えば、収容突部34の側面に設けられる(
図16A参照)。なお、穴340を通して回路基板32の第1の領域S1のアンテナ部31が収容突部34の外に露出することが好ましい。
【0108】
また、穴340は、収容突部34の底面に設けられてもよい(
図16B参照)。さらに、アンテナ部31が形成されている回路基板32の一部が、収容突部34の底面の穴340を通して収容突部34の外に突出しても構わない(
図16C参照)。
【0109】
しかして、ケース33の穴340を電磁波が通過することにより、穴340以外の壁を通過する場合に比較して電磁波の減衰を抑制することができる。その結果、変形例9の光源ユニットA1は、無線通信ユニットC1による電磁波の送信又は受信の感度の向上を図ることができる。なお、穴340は、電磁波が通過が可能な材料(例えば、合成樹脂)で形成された部材で覆われても構わない。これにより、変形例9の光源ユニットA1は、ケース33内への異物の侵入を阻止することができる。
【0110】
(3-10)変形例10
変形例10の電源装置E1は、無線通信ユニットC1のケース33内に収容される回路基板32の向き(姿勢)に特徴がある(
図17参照)。
【0111】
変形例10の電源装置E1において、回路基板32は、その厚み方向を取付部材4の底板40の厚み方向(上下方向)と一致させる向き(姿勢)でケース33内に収容される(
図17参照)。ただし、回路基板32は、アンテナ部31が形成されている面を取付部材4の底板40に対向させることが好ましい。なお、回路基板32は、ケース33の第1の壁330A及び第6の壁330Fからそれぞれ突出する一対の支持部335に支持される。
【0112】
また、ケース33の第5の壁330Eと回路基板32との距離は、4mm以上であることが好ましく、
図15Aに示すように、回路基板32を底板40に近付けてケース33の高さ寸法を小さくしても構わない。あるいは、回路基板32の表面(実装面)のうちでアンテナ部31が形成されていない表面を上に向ければ(
図15B参照)、ケース33の高さ寸法を更に小さくすることも可能である。
【0113】
しかして、変形例10の電源装置E1は、その厚み方向を取付部材4の底板40の厚み方向と一致させる向き(姿勢)で回路基板32をケース33内に収容するので、無線通信ユニットC1の薄型化を図ることができる。
【0114】
(3-11)変形例11
変形例11の電源装置E1は、ケース33の一部が電源ケース20内に収容される点に特徴がある(
図19参照)。
【0115】
すなわち、電源ケース20の第2側壁202の下部に溝(切欠)が設けられ、この溝を通してケース33の一部が電源ケース20内に収容されている(
図19参照)。ただし、ケース33の一部は、第2側壁202を貫通する穴を通して電源ケース20内に収容されても構わない。
【0116】
しかして、変形例11の電源装置E1は、ケース33の一部を電源ケース20内に収容させているので、配線長の更なる短縮化を図ることができ、かつ、電源ケース20の短手方向に沿った寸法の小型化を図ることができる。
【0117】
(3-12)変形例12
変形例12の照明器具B1は、無線通信ユニットC1のケース33の一部を器具本体9の外に露出させることに特徴がある(
図20参照)。
【0118】
すなわち、器具本体9の収容部90の長手方向に沿った片方の側面及び当該側面と対向する片方の反射板91のそれぞれに貫通穴が設けられ、これらの貫通穴を通してケース33の一部が器具本体9の外(反射板91の外)に露出している。なお、無線通信ユニットC1の構成は、変形例11における無線通信ユニットC1の構成と共通である。
【0119】
しかして、変形例12の照明器具B1は、無線通信ユニットC1のケース33の一部を器具本体9の外に露出させるので、金属製の器具本体9による電波の減衰を抑制して無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0120】
(3-13)変形例13
変形例13の電源装置E1は、変形例10において、回路基板32とは別の基板(アンテナ基板35)にアンテナ部31が形成され、そのアンテナ部31の一部を、取付部材4に設けられた穴46に挿通する点に特徴がある。
【0121】
アンテナ部31(アンテナ基板35)は、
図21に示すように、回路基板32の表面(下面)における端部から下向きに突出するように起立した状態でケース33内に収容される。ただし、ケース33は、アンテナ基板35の一部を収容して下向きに突出する収容突部34を有しており、収容突部34内にアンテナ部31(アンテナ基板35)の一部が収容される。
【0122】
穴46は、取付部材4の底板40における短手方向の一端部分に設けられている。そして、ケース33は、収容突部34を穴46に挿通した状態で電源ケース20に結合される(
図21参照)。つまり、無線通信ユニットC1のアンテナ部31が穴46を通して底板40の下方に突出する。
【0123】
しかして、変形例13の電源装置E1は、アンテナ部31を取付部材4の穴46に挿通させて取付部材4の下方に露出させるので、アンテナ部31から発射される電磁波又はアンテナ部31が受け取る電磁波が金属製の取付部材4で減衰しにくくなる。その結果、変形例13の電源装置E1は、無線通信ユニットC1における電磁波の送信又は受信の感度(無線性能)の向上を図ることができる。
【0124】
(3-14)変形例14
変形例14の電源装置E1は、無線通信ユニットC1が、LEDモジュール1の照明制御に関わる情報を含む無線信号の受信だけでなく、その他の情報を含む無線信号の受信及び送信を行う点に特徴がある。
【0125】
例えば、無線通信ユニットC1は、光源ユニットA1の使用状態に関する情報を含む無線信号を送信してもよい。光源ユニットA1の使用状態に関する情報とは、例えば、使用が開始された時期(日付)、累積点灯時間、電源装置E1又はLEDモジュール1の異常の発生、電源装置E1又はLEDモジュール1の寿命の診断結果、点灯していた時間帯、消費電力などである。あるいは、無線通信ユニットC1は、光源ユニットA1又は器具本体9に設けられたセンサの検知情報を含む無線信号を送信してもよい。センサの検知情報とは、例えば、人感センサによる人の存否の検知情報、明るさセンサによる明るさ(照度)の検知情報等である。または、無線通信ユニットC1は、光源ユニットA1の識別情報を含む無線信号を送信しても構わない。光源ユニットA1の識別情報とは、光源ユニットA1の製造ロットの番号、光源ユニットA1の品種に対応した型番などである。
【0126】
上述した各種の情報(照明制御に関わる情報以外の情報)は、照明器具B1を他の機器と連動させる用途に使用されてもよい。照明器具B1と連動される他の機器は、例えば、テレビ受像機、ワイヤレススピーカー又はスマートスピーカーなどの音響機器、エアコンディショナ、空気清浄器などの空調・空質機器、セキュリティ機器、防災機器などである。
【0127】
(4)別の実施形態
以下に説明する実施形態(以下、実施形態2と呼ぶ。)に係る照明装置(光源ユニットA2)及び照明器具B2は、これまで説明した実施形態(以下、実施形態1と呼ぶ。)に係る照明装置(光源ユニットA1)及び照明器具B1と形状が異なっている。すなわち、実施形態1に係る光源ユニットA1と照明器具B1は、いずれも平面視で長尺な形状に形成されている。これに対して実施形態2に係る光源ユニットA2と照明器具B2は、いずれも平面視で略正方形に形成されている。
【0128】
照明器具B2は、光源ユニットA2と、光源ユニットA2を支持する器具本体9Bと、を備える。
【0129】
(4-1)器具本体
器具本体9Bは、
図22に示すように、下面が開口した直方体形状の収容部93と、2つの底面が開放された4角すい台状の反射部材94と、を有する。収容部93は、反射部材94の上端部と連結されている。
【0130】
(4-2)光源ユニット
光源ユニットA2は、LEDモジュールと、LEDモジュールが取り付けられる取付部材4Bを含む電源装置E2と、LEDモジュールを覆うように取付部材4Bに取り付けられるカバー7Bと、2つの取付具95と、を備える(
図22及び
図23参照)。
【0131】
図示は省略するが、LEDモジュールは、正方形状の基板の実装面(下面)に多数のLEDが縦横に並べて実装されて構成されている。
【0132】
取付部材4Bは、正方形状の形成された取付板400Bと、取付板400Bの周縁(4つの辺)からそれぞれ下向きに突出する4つの側板と、を有する。ただし、取付板400Bと4つの側板は、金属製の板材が曲げ加工されて一体に形成されることが好ましい。なお、LEDモジュールは、ねじ止めなどの適宜の方法で取付板400Bの下面に取り付けられる。
【0133】
2つの取付具95は同一の構成を有している。各取付具95は、取付ばね950と、取付ばね950を取付板400Bに取り付けるための取付金具951と、を有する(
図23参照)。2つの取付ばね950は、対応する取付金具951により、取付板400Bの上面において対向する2つの辺のそれぞれの中央部に1つずつ取り付けられる。
【0134】
カバー7Bは、
図22に示すように、正方形状の底部71と、底部71の周縁(4辺)から上向きに立ち上がる周壁部72と、を有する。底部71と周壁部72は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって一体に形成される。なお、カバー7Bの表面は、シボ加工又は拡散剤の混入等によって光を拡散するように構成されることが好ましい。
【0135】
カバー7Bは、取付部材4Bの内側に周壁部72の上端を収めるようにして取付部材4Bに取り付けられる(
図22参照)。
【0136】
電源装置E2は、電源ユニット2Bと、無線通信ユニットC2と、を備える。電源ユニット2Bは、点灯回路を構成する電源基板25B、電源基板25Bを収容する電源ケース20Bなどを有する。電源ケース20Bは、金属製の板材によって長尺の箱状に形成されている(
図23参照)。電源ケース20Bは、取付部材4Bの取付板400Bの天面に取り付けられる(
図23参照)。ただし、電源装置E2は、上述した実施形態1及びその変形例1-14のいずれかと共通の構成を有してもよい。
【0137】
無線通信ユニットC2は、回路基板と、回路基板を収容するケース33Bと、を有する。ケース33Bは、合成樹脂材料によって直方体状に形成されている(
図23参照)。無線通信ユニットC1のケース33Bは、電源ケース20Bの短手方向の一端に結合される。
【0138】
上述のように構成される光源ユニットA2は、取付部材4Bを器具本体9Bの収容部90に収容した状態で2つの取付具95によって器具本体9Bに着脱可能に取りつけられる(
図22参照)。
【0139】
実施形態2に係る照明装置(光源ユニットA2)及び照明器具B2は、実施形態1に係る照明装置(光源ユニットA1)及び照明器具B1と同様に、配線長の短縮化を図ることができる。
【0140】
(4-3)実施形態3
上述した実施形態1、2に係る照明装置(光源ユニットA1、A2)及び照明器具B1、B2は、いずれも電源装置E1、E2が取付部材4に取り付けられている。
【0141】
これに対して実施形態3に係る照明装置(光源ユニットA3)及び照明器具B3は、
図24に示すように電源装置E1を器具本体9Cに取り付けている。なお、図示は省略しているが、実施形態2に係る照明装置(光源ユニットA2)及び照明器具B2においても、器具本体9Bに電源装置E2を取り付けても構わない。
【0142】
実施形態3に係る照明装置(光源ユニットA3)及び照明器具B3においても、実施形態1、2に係る照明装置(光源ユニットA1、A2)及び照明器具B1、B2と同様に、無線通信ユニットC1;C2の小型化を図ることができる。
【0143】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ユニット(2;2B)と、無線通信ユニット(C1;C2)と、取付部材(4;4B)と、を備える。電源ユニット(2;2B)は、入力電力を電力変換して負荷(LEDモジュール1)に出力する。無線通信ユニット(C1;C2)は、アンテナ部(31)及び無線回路部(30)を有する。アンテナ部(31)は、電磁波を空間に発射し、又は空間より電磁波を受け取る。無線回路部(30)は、アンテナ部(31)を介して電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う。取付部材(4;4B)は、電源ユニット(2;2B)が取り付けられる。取付部材(4;4B)は、負荷が取り付けられる第1面(40A)と反対の第2面(40B)側に電源ユニット(2;2B)が取り付けられる。電源ユニット(2;2B)は、電源基板(25;25B)と、電源ケース(20;20B)と、を有する。電源基板(25;25B)は、電力変換を行うプリント回路が形成される。電源ケース(20;20B)は、長尺の箱状に形成され、電源基板(25;25B)を収容して取付部材(4;4B)に取り付けられる。無線通信ユニット(C1;C2)は、アンテナ部(31)及び無線回路部(30)が形成された回路基板(32)と、回路基板(32)を収容して電源ケース(20;20B)と結合されるケース(33;33B)と、を有する。ケース(33;33B)は、電源ケース(20;20B)の短手方向の一端に結合される。
【0144】
第1の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)の短手方向の一端にケース(33;33B)が結合されるので、回路基板(32)と電源基板(25;25B)を電気的に接続する配線の配線長の短縮化を図ることができる。
【0145】
本開示の第2の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、アンテナ部(31)が形成された面を取付部材(4;4B)の第2面(40B)に対して傾けた姿勢でケース(33;33B)に収容されることが好ましい。
【0146】
第2の態様に係る電源装置(E1;E2)は、取付部材(4;4B)によって電磁波が減衰することを抑制して無線性能の向上を図ることができる。
【0147】
本開示の第3の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る電源装置(E1;E2)において、取付部材(4;4B)は、第2面(40B)から第1面(40A)に貫通する穴(46)を有することが好ましい。
【0148】
第3の態様に係る電源装置(E1;E2)は、穴(46)を通過することによって電磁波の減衰が抑制されるので、無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0149】
本開示の第4の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る電源装置(E1;E2)において、ケース(33)の一部であって、回路基板(32)のうちでアンテナ部(31)が形成されている部分(第1の領域S1)が収容されている一部(収容突部34)は、穴(46)を通して取付部材(4;4B)の第1面(40A)から突出していることが好ましい。
【0150】
第4の態様に係る電源装置(E1;E2)は、アンテナ部(31)から発射される電磁波又はアンテナ部(31)が受け取る電磁波が取付部材(4;4B)で減衰しにくくなり、無線通信ユニット(C1;C2)における電磁波の送信又は受信の感度(無線性能)の向上を図ることができる。
【0151】
本開示の第5の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、その厚み方向を電源ケース(20;20B)の短手方向に一致させるようにケース(33)に収容されることが好ましい。
【0152】
第5の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)の短手方向に沿った幅寸法を短縮することができる。
【0153】
本開示の第6の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、電源ケース(20;20B)の短手方向に沿ったケース(33)の幅方向の中央に配置されることが好ましい。
【0154】
第6の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)の短手方向の両側に電磁的な障壁(取付部材4の一対の側板41)が存在する場合、それらの障壁による電磁波の減衰を抑えて無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0155】
本開示の第7の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、電源ケース(20;20B)の短手方向に沿ったケース(33)の幅方向の一端に配置されることが好ましい。
【0156】
第7の態様に係る電源装置(E1;E2)は、無線性能の更なる向上を図ることができる。
【0157】
本開示の第8の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、その厚み方向を電源ケース(20;20B)の長手方向に一致させるようにケース(33)に収容されることが好ましい。
【0158】
第8の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)の長手方向に沿ったケース(33)の幅寸法を短縮することができる。
【0159】
本開示の第9の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1-第8のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る電源装置(E1;E2)において、ケース(33)は、電源ケース(20;20B)に取り付けられた状態で電源ケース(20;20B)と対向する面が開口していることが好ましい。
【0160】
第9の態様に係る電源装置(E1;E2)は、ケース(33)の開口を電源ケース(20;20B)で塞ぐことができて組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0161】
本開示の第10の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1-第9の態様のいずれかとの組合せにより実現され得る。第10の態様に係る電源装置(E1;E2)は、外部電源(P1)と電気的に接続される電源端子部(22)を更に有することが好ましい。電源端子部(22)は、電源ケース(20;20B)の長手方向の一端に配置されることが好ましい。
【0162】
第10の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)内の配線長の短縮化を図ることができる。
【0163】
本開示の第11の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第11の態様に係る電源装置(E1;E2)において、回路基板(32)は、その厚み方向を取付部材(4;4B)の厚み方向に沿わせるようにケース(33)に収容されることが好ましい。
【0164】
第11の態様に係る電源装置(E1;E2)は、取付部材(4;4B)の厚み方向に沿った寸法の小型化を図ることができる。
【0165】
本開示の第12の態様に係る電源装置(E1;E2)は、第11の態様との組合せにより実現され得る。第12の態様に係る電源装置(E1;E2)において、ケース(33)の一部が電源ケース(20;20B)内に収容されることが好ましい。
【0166】
第12の態様に係る電源装置(E1;E2)は、電源ケース(20;20B)の短手方向に沿った寸法の小型化を図ることができる。
【0167】
本開示の第13の態様に係る照明装置(光源ユニットA1;A2)は、第1-第12のいずれかの態様に係る電源装置(E1;E2)と、電源装置(E1;E2)の負荷となる光源(LEDモジュール1)と、を備える。光源は、取付部材(4;4B)の第1面に取り付けられる。電源装置(E1;E2)は、第1面と反対の取付部材(4;4B)の第2面に取り付けられる。
【0168】
第13の態様に係る照明装置は、配線長の短縮化を図ることができる。
【0169】
本開示の第14の態様に係る照明装置は、第4の態様に係る電源装置(E1;E2)と、電源装置(E1;E2)の負荷となる光源(LEDモジュール1)と、透光性を有し、光源を覆うように取付部材(4;4B)に取り付けられるカバー(7)と、を備える。光源は、取付部材(4;4B)の第1面(40A)に取り付けられる。電源装置(E1;E2)は、第1面(40A)と反対の取付部材(4;4B)の第2面(40B)側に取り付けられる。ケース(33)の一部(収容突部34)は、カバー(7)の外に露出する。
【0170】
第14の態様に係る照明装置は、配線長の短縮化を図ることができる。
【0171】
本開示の第15の態様に係る照明器具(B1;B2)は、第1から第13のいずれかの態様に係る照明装置と、第1から第13のいずれかの態様に係る照明装置を支持する器具本体(9;9B)と、を備える。
【0172】
第15の態様に係る照明器具(B1;B2)は、配線長の短縮化を図ることができる。
【0173】
本開示の第16の態様に係る照明器具(B3)は、照明装置(光源ユニットA3)と、照明装置を支持する器具本体(9C)と、を備える。照明装置は、電源装置(E1;E2)と、取付部材(4)に取り付けられて電源装置(E1;E2)から給電される光源(LEDモジュール1)と、を備える。電源装置(E1;E2)は、器具本体(9C)に支持される。
【0174】
第16の態様に係る照明器具(B3)は、配線長の短縮化を図ることができる。
【符号の説明】
【0175】
A1;A2 光源ユニット(照明装置)
B1;B2 照明器具
C1;C2 無線通信ユニット
E1;E2 電源装置
1 LEDモジュール(光源)
2;2B 電源ユニット
4;4B 取付部材
9;9B 器具本体
20;20B 電源ケース
25;25B 電源基板
30 無線回路部
31 アンテナ部
32 回路基板
33;33B ケース
34 収容突部
46 穴