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特開2023-181951改善された信号伝送路を有する電波装置テストシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181951
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】改善された信号伝送路を有する電波装置テストシステム
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/10 20060101AFI20231218BHJP
   H01Q 13/02 20060101ALI20231218BHJP
   H01P 5/103 20060101ALI20231218BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20231218BHJP
   H01Q 21/20 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G01R29/10 E
G01R29/10 A
H01Q13/02
H01P5/103 F
H01Q21/24
H01Q21/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106554
(22)【出願日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0071431
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0071438
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522264607
【氏名又は名称】ナショナル ラジオ リサーチ エージェンシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,カン ウク
(72)【発明者】
【氏名】オ,スン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン ベ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,サム ヨン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA08
5J021AB07
5J021JA05
5J021JA10
5J045AA03
5J045CA01
5J045DA01
5J045EA02
5J045JA14
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、複数の周波数帯域に対して電波装置の放射性能を高速で測定することができる電波装置テストシステムを提供することにある。
【解決手段】電波装置テストシステムは、電波装置(radio wave device)を固定するための固定部と、前記固定部を制御して前記電波装置の回転を制御するように構成されるポジショナシステムと、前記電波装置の位置が中心点となるアーチ構造物と、前記アーチ構造物に所定の間隔で離隔して配置され、前記電波装置からのRF信号を受信する複数のプローブと、前記複数のプローブのそれぞれに位置し、前記RF信号に対してデジタル変換を遂行して前記RF信号をI/Q(In-phase/Quadrature)データに変換し、前記I/Qデータから強度および位相情報を検出する複数の受信モジュールと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波装置(radio wave device)を固定するための固定部と、
前記固定部を制御して前記電波装置の回転を制御するように構成されるポジショナシステムと、
前記電波装置の位置が中心点となるアーチ構造物と、
前記アーチ構造物に所定の間隔で離隔して配置され、前記電波装置からのRF信号を受信する複数のプローブと、
前記複数のプローブのそれぞれに配置され、前記RF信号に対してデジタル変換を行い、前記RF信号をI/Q(In-phase/Quadrature)データに変換し、前記I/Qデータから強度および位相情報を検出する複数の受信モジュールと、を備える、
電波装置テストシステム。
【請求項2】
前記複数の受信モジュールから前記強度および前記位相情報を受信し、前記強度および前記位相情報に基づいて前記電波装置の放射性能を測定する制御装置を、さらに備える、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記プローブの指向性を制御するための機械的制御ユニット、および前記電波装置の放射特性を算出するメイン制御ユニットを含む、請求項2に記載の電波装置テストシステム。
【請求項4】
前記ポジショナシステムは、
前記電波装置を方位角方向に回転させる方位角ポジショナ(Azimuth Positioner)、および、
前記電波装置を仰角方向(Elevation direction)に回転させるゴニオメーター(Goniometer)を含む、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項5】
前記受信モジュールのそれぞれは、
前記プローブから入力されたRF信号をIF(中間周波数)信号に変換する周波数ダウンコンバータ、および、
前記IF信号を前記I/Qデータに変換し、前記I/Qデータから前記強度と前記位相情報を検出する信号処理部を、含む、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項6】
前記受信モジュールのそれぞれは、
隣接する受信モジュールから強度および位相情報を受信し、これを他の隣接する受信モジュールまたは制御装置に伝達することができるデジタル通信部を含む、請求項5に記載の電波装置テストシステム。
【請求項7】
前記それぞれの受信モジュールは、検出された強度および位相情報を隣接する受信モジュールに伝達し、隣接する受信モジュールは別の隣接する受信モジュールに伝達するか、またはメイン制御ユニットに伝達する、請求項5に記載の電波装置テストシステム。
【請求項8】
前記プローブは、円形ホーン(Circular horn)の形状を有する、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項9】
前記複数のプローブは、複数のチャネルに対応してグループ化され、
前記複数のチャネルは、それぞれ異なる周波数帯域に対応される、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項10】
前記アーチ構造物は、その外側に取り付けられた電波吸収体を含む、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項11】
前記複数のプローブのそれぞれは、下記の数1の式によって決定されたビーム幅を有し、
【数1】
ここで、Dは前記電波装置のサイズであり、Rは前記アーチ構造物のアーチ半径である、
請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項12】
前記プローブは、
断面が円形の導波管が形成され、前記導波管は仰角方向にビーム幅が増加する開口面を含む本体と、
前記開口面の内側面に十文字に交差するようにペアで形成されたツーペアーズオブリッジ(Two pairs of ridges)と、
前記2ペアーズのリッジのうちの第1ペアのリッジに連結される第1導体と、
前記2ペアーズのリッジのうちの第2ペアのリッジに連結される第2導体と、
前記第1導体および前記第2導体に連結された給電点と、を含む、請求項1に記載の電波装置テストシステム。
【請求項13】
2つの導体は、前記給電点からそれぞれ延長され、互いに交差するように配置される、請求項12に記載の電波装置テストシステム。
【請求項14】
2つの導体の端部は、前記プローブの前記本体の中心を通って延長される溝に配置される、請求項12に記載の電波装置テストシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波装置テストシステムに関する。より具体的には、本発明は、電波装置の放射性能を高速で測定することができるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線トラフィックの増加、大容量データ伝送などの電波資源の需要が急増するにつれて、速い時間内にアンテナなどの電波装置の性能を高速で測定することのできる技術の必要性が増大している。
【0003】
特に、最近の5Gなどの通信環境において、新技術のアンテナは、複数のアンテナ素子に基づいて多重ビームフォーミングを行う特性を有している。
【0004】
しかしながら、そのようなアンテナ測定(テスト)のためには、従来の方法のように1つまたはいくつかのプローブを移動しながらアンテナの信号放射性能を測定する方法は、かなりの時間と資源が所要されるしかない。
【0005】
図1は、従来のアンテナ測定方法の一例を説明するための図である。
【0006】
図1は、最近の高周波帯域におけるアンテナ測定に広く使用されている近傍界測定(Near-Field Antenna Measurement)法のアンテナ性能測定方法を説明している。
【0007】
図1に示すように、IEEE std 1720から推奨している近傍界測定法は、測定面の形態に応じて平面形(planar、プレナー)、円筒形(cylindrical、シリンダー)および球形(spherical、スフェリカル)の測定法など大きく3つに分けられる。
【0008】
プラナー近傍界測定法は、AUT(antenna under test:被測定アンテナ)の前方の2次元平面上の近接電界測定を行う。しかし、プラナー近傍界測定法で測定できる放射パターンは、アンテナ前方の一部のみが得られるという欠点がある。
【0009】
シリンドゥリカル近傍界測定法は、AUTを中心に円筒面上の位置で測定を行う測定方法である。地面に水平な平面は、三次元全方向測定が可能であり、地面に垂直な平面は、プローブの駆動距離以内だけ測定が可能であり、平面測定装置に比べて比較的広い範囲の放射パターンが得られるものの、全方向測定は不可能である。
【0010】
スフェリカル近傍界測定法は、AUTから一定の距離だけ離れた距離上の位置で球表面に対する測定を行う測定方法である。球面座標上のすべての点で測定可能であり、三次元全方向の放射パターンを測定することができる。なお、測定により求められた近接電界は、フーリエ変換を基本とした計算過程を通じて遠距離電界に変換してAUTの遠距離電界を獲得することができる。このようなことから、現在ミリ波帯域で使用されるアンテナである多重アレイアンテナの特徴のビームフォーミング技術は、測定するのに最も適した測定方法であると判断される。
【0011】
このようなアンテナ性能測定方法は、アンテナの指向性や放射パターンに応じて選択的に用いられる。
【0012】
従来のアンテナ性能測定方法は、通常、被測定アンテナAUTが出力する信号を受信するためのプローブを所定のグリッドポイント毎に移動しながら、被測定アンテナAUTが出力する信号を受信し、これを分析して放射性能(放射パターン、信号強度など)を測定する。なお、円筒形および球形の測定方法の場合、プローブの移動とともに被測定アンテナAUTを回転させながら測定を行うこともあり、必要に応じて設置して全球(sphere)に該当するグリッドポイント別信号受信を行うこともある。
【0013】
しかし、このような従来の方法だけでは前述したようにかなりの時間と資源(リソース)が所要されるしかなく、1つの周波数帯域に相応するアンテナのみに対してテストが可能である。他の周波数帯域のアンテナに対するテストを行うためには他の周波数帯域を測定することができる、別個の測定システムでテストを遂行しなければならないという問題がある。
【0014】
なお、アンテナごとに出力が異なることができるものの、このときテスト環境を適応的に変更することが容易でない問題が存在しており、独立的(自主的)に信号を放射するアンテナ(機器)の場合、リファレンス位相の測定を必要とするが、このためのリファレンスプローブを効果的に配置して活用するのにも問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0093759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、複数の周波数帯域に対して電波装置の放射性能を高速で測定することができる電波装置テストシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態による電波装置テストシステムは、電波装置(radio wave device)を固定するための固定部と、前記固定部を制御して前記電波装置の回転を制御するように構成されるポジショナシステムと、前記電波装置の位置が中心点となるアーチ構造物と、前記アーチ構造物に所定の間隔で離隔して配置され、前記電波装置からのRF信号を受信する複数のプローブと、前記複数のプローブのそれぞれに位置し、前記IF信号に対してデジタル変換を遂行して前記IF信号をI/Q(In-phase/Quadrature)データに変換し、前記I/Qデータから強度および位相情報を検出する複数の受信モジュールと、を備える。
【0018】
前記電波装置テストシステムは、前記複数の受信モジュールから前記強度および位相情報を受信し、前記強度および位相情報に基づいて前記電波装置の放射性能を測定する制御装置と、をさらに備え得る。
【0019】
前記制御装置は、前記プローブの指向性を制御するための機械的制御ユニット、および前記電波装置の放射特性を算出するメイン制御ユニットを含み得る。
【0020】
前記ポジショナシステムは、前記電波装置を方位角方向に回転させる方位角ポジショナ(Azimuth Positoner)、および電波装置を仰角方向(Elevation direction)に回転させるゴニオメータ(Goniometer)を含み得る。
【0021】
前記受信モジュールのそれぞれは、前記プローブから入力される前記RF信号をIF(中間周波数)信号に変換する周波数ダウンコンバータ、および前記IF信号を前記I/Qデータに変換し、前記I/Qデータから前記強度および位相情報を検出する信号処理部を含み得る。前記受信モジュールのそれぞれは、隣接する受信モジュールから強度および位相情報を受信し、それを他の隣接する受信モジュールまたは制御装置に伝達することができるデジタル通信部を含み得る。
【0022】
前記プローブは、円形ホーン(Circular horn)の形状を有し得る。
【0023】
前記複数のプローブは、複数のチャネルに対応してグループ化され、前記複数のチャネルは、それぞれ異なる周波数帯域に対応すされる。
【0024】
前記アーチ構造物は、その外側に付着された電波吸収体を含み得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、アーチ構造物のそれぞれに複数のプローブを配置することによって、複数の周波数帯域に対して電波装置の放射性能を高速で測定することができる。
【0026】
なお、本発明の実施形態によれば、複数のアレイ型受信プローブが設置されて同時測定を行い、各プローブには個別に受信モジュールが取り付けられ、受信RF信号をデジタルデータに変換してから制御装置に伝達するため、受信モジュールと制御装置との間の接続ケーブルによるノイズがRF信号に流入されない。
【0027】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面についての簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来のアンテナ電波の測定方法を説明するための図である。
図2】発明の一実施形態における電波装置テストシステムの概略的な構造を示すための図である。
図3】本発明の一実施形態によるアーチ構造物の正面図および斜視図を示している図である。
図4】本発明の一実施形態によるプローブが装着されたアーチ構造物の一部を拡大した図である。
図5】本発明の一実施形態による受信モジュールのブロック図を示す。
図6】本発明の一実施形態によるビーム幅導出根拠およびプローブ開口面径の算出を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態によるクアッドリッジ構造を有するプローブの上面図および断面図を示す。
図8図7のプローブを0°、45°および90°で切断した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多様な実施形態を有し得るが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳しく説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想および技術的範囲に含まれるすべての変換、等価物及び代替物を含むと理解されるべきである。本発明の説明において、関連される公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をぼかすことができると判定される場合、その詳細な説明は省略する。
【0030】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用され得るが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。
【0031】
本発明において、使用された用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示していると判定されない限り、複数の表現を含む。
【0032】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在あるいは追加の可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
【0033】
なお、本明細書においては、ある1つの構成要素が他の構成要素にデータを「転送」する場合には、前記構成要素は、前記他の構成要素に前記データを直接転送することもでき、少なくとも1つの他の構成要素を介して、前記データを他の構成要素に転送することもできるのを意味する。逆に、ある1つの構成要素が他の構成要素にデータを「直接転送」する場合には、前記構成要素から他の構成要素を介さずに前記他の構成要素に、前記データが転送されることを意味する。
【0034】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を中心に本発明を詳しく説明する。各図に示されている同じ参照符号は同じ部材を表す。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態における電波装置テストシステムの概略的構造を示すための図である。
【0036】
図2を参照すると、前記電波装置テストシステム1000は、測定装置および制御装置を含む。
【0037】
測定装置は、電波装置(Radio wave device)が放射する信号を受信することができる。電波装置は、電波を放出する装置であり、例えば、被測定アンテナ(Antenna Under Test:AUT)であり得る。測定装置は、電波装置が出力する信号を受信し、受信された信号の強度(Amplitude)および位相(phase)情報を検出して制御装置に送る。
【0038】
制御装置は、前記測定装置から受信信号の強度および位相情報を受信し、受信信号の強度および位相情報に基づいて、電波装置のアンテナ利得、アンテナ放射パターンおよび総放射電力(Total Radiated Power)を算出することができる。
【0039】
具体的には、電波装置テストシステム1000の測定装置は、アーチ構造物100、複数のプローブ120、固定部300およびポジショナシステム400を含み得る。
【0040】
測定装置は、所定の電波暗室(Anechoic chamber)内に実装される。
【0041】
電波暗室の内壁および底部には、電波吸収体(例えば、ピラミッド型電波吸収体)が多数設けられて電波装置が放射する信号が電波暗室内で反射されないようにできる。電波吸収体は、測定時に電波暗室内部の反射電界を減らす役割をする。吸収体の反射率は周波数によって異なるため、電波暗室の利用周波数に応じて適切な仕様の吸収体を選択することができる。
【0042】
一方、測定装置は、複数のプローブ120を含み、複数のプローブ120はアーチ構造物100に設置される。各プローブ120は、放射パターンを有するアンテナである。各プローブ120は、所定の周波数帯域の信号を受信できるように設計される。
【0043】
図3Aおよび図3Bは、本発明の一実施形態によるアーチ構造物の正面図および斜視図を示す図である。
【0044】
図3Aおよび図3Bを参照すると、アーチ構造物100はアーチ形状のフレーム構造であり、複数のプローブがアーチ構造物100に一定の角度間隔で設置される。複数のプローブは、複数のチャネルに対応してグループ化されてもよい。複数のチャネルは、それぞれ異なる周波数帯域に対応される。
【0045】
例えば、複数のプローブ120は、4°間隔でアーチ構造物100に装着される。例えば、84個のプローブは、アーチ構造物100にアーチ形状に配置されるように取り付けられる。
【0046】
このように設けられた複数のプローブ120は、制御装置200の制御によって同時に電波装置から放射される信号を受信することができる。
【0047】
本発明の一実施形態によってプローブが取り付けられたアーチ構造物の一部を拡大した図である。
【0048】
図4に示すように、複数のプローブ120がアーチ構造物100に取り付けられている。前記プローブの位置は固定されてもよい。そして、アーチ構造物100にプローブが取り付けられる位置は、予め所定の間隔で配置されてもよい。
【0049】
他の実施形態によれば、プローブの位置を可変にすることができる。例えば、アーチ構造物100にアーチフレームの幅方向に所定の溝が形成され、前記溝にプローブが締結されたままで溝に沿ってスライディングすることができる。この場合、アーチ構造物100に結合されるプローブの位置を変更することができる。
【0050】
アーチ構造物100の外側には電波吸収体が取り付けられる。
【0051】
一方、本発明の一実施形態では、説明の便宜上、アーチ構造物100が1つのアーチを含む場合を例として説明しているが、2つ以上のアーチを含み得る。この場合、アーチ構造物100は、2つ以上のアーチが内側にスフィア空間を形成するように配置されてもよい。なお、アーチ構造物100に設けられるアーチのそれぞれは、アーチ構造物100が形成するスフィア空間の外周に該当することができ、アーチのそれぞれは、いずれか1つの周波数帯域に相応するように設けられる。アーチのそれぞれがある1つの周波数帯域に対応するということは、ある1つのアーチは特定の周波数帯域のテストに用いられ、他のアーチは他の周波数帯域のテストに用いられることを意味し得る。アーチ構造物100の外壁にも同様に電波吸収体が設けられ、テスト対象のアンテナ10から出力される信号の反射を抑制できるようにする。
【0052】
電波装置10は、前記アーチ構造物100が形成するアーチ空間内部に位置し、RF信号を放射することができる。
【0053】
具体的には、 電波装置10は、ポジショナシステム400上の固定部300に搭載または設置される。ポジショナシステム400は、制御装置200の制御に応じて固定部300の動きを制御する装置であり得る。
【0054】
ポジショナシステム400は、電波装置10を正確な角度位置に配置させることができる。このためには、ポジショナシステム400は、電波装置10を方位角方向に回転させる方位角ポジショナ(Azimuth Positioner)、および電波装置10を仰角方向(Elevation direction)に回転させるゴニオメーター(Goniometer)を含み得る。
【0055】
前記電波装置10は、所定の固定部200によって取り付けられ、前記固定部200は、ポジショナシステム400によって回転される。
【0056】
前記固定部300は、電波装置10を固定できるように実装されればよい。前記固定部300の外部には電波吸収体が取り付けられる。他の実施形態によれば、前記固定部300は、電波の反射特性の低い材料で形成される。
【0057】
前記固定部200の動きは、ポジショナシステム400により制御される。
【0058】
ポジショナシステム400は、前記固定部300の動きを制御して電波装置10が方位角方向に回転するようにするか、または仰角(elevation)方向に回転するようにできる。
【0059】
前記ポジショナシステム400は、制御ユニットの制御下で前記電波装置10を方位角方向に回転させながらテストを行うことができ、スフィア上でサンプリング間隔が広い場合に、前記ポジショナシステム400を介して仰角方向にテスト対象のアンテナ10を一定の角度で回転させ、テスト対象のアンテナ10を傾けた後、前記方位角方向に回転させることで、空間上でより狭いサンプリング間隔を有する位置から入力信号を獲得できる効果を有することもできる。
【0060】
一方、図示されていないが、電波暗室(Anechoic chamber)の人間の移動経路のためのウォークウェーを設置することができる。ウォークウェー20もまた電波吸収体で形成されることが好ましい。
【0061】
電波装置10によって放射されるRF信号は、アーチ構造物100に配置されたプローブによって受信される。
【0062】
各プローブ120は、2つの偏波(H-pol、V-pol)に該当するRF信号を受信モジュール130に伝達することができる。具体的には、各プローブは、垂直偏波(Vertical Polarization)および水平偏波(Horizo ntal Polarization)の二重偏波特性を有し得る。
【0063】
各プローブ120によって受信されたRF信号は、後述するような該当プローブに位置する受信モジュール130に伝達されてもよい。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態による受信モジュールのブロック図を示す。
【0065】
受信モジュール130は、該当プローブ120に配置している。すなわち、プローブ120は受信モジュール130に直接隣接して配置される。すなわち、プローブ120は、別個の接続ケーブルなしで受信モジュール130に連結される。
【0066】
受信モジュール130は、プローブ120によって受信される垂直偏波信号(vertically polarized signal)と水平偏波信号(horizontal polarized signal)との間をスイッチングして受信するように構成されてもよい。
【0067】
受信モジュール130は、プローブ120からRF信号を受信すると、RF信号をIF信号に変換し、前記IF信号に対してデジタル変換を行い、IF信号をI/Q(In-phase/Quadrature)データに変換する。受信モジュール130は、前記I/Q(in-phase/quadrature)データから強度(amplitude)および位相(phase)情報を検出し、検出された強度および位相情報を電波暗室の外部、例えば、メイン制御ユニット220に伝達することができる。
【0068】
受信モジュール130は、検出された強度および位相情報を直接にメイン制御ユニットに送らずに、隣接する受信モジュールに伝達し、隣接する受信モジュールがメイン制御ユニット220に伝達するようにすることもできる。
【0069】
このためには、受信モジュール130は、前記プローブから入力された前記RF信号をIF(中間周波数)信号に変換する周波数ダウンコンバータ132、並びに前記IF信号をI/Qデータに変換し、前記I/Qデータから強度および位相情報を検出する信号処理部134を含む。
【0070】
したがって、プローブ120によって受信されるRF信号が電波装置の性能測定のためにメイン制御ユニット220に送られないため、受信モジュール130に接続ケーブルによるノイズがRF信号に流入されない。
【0071】
このように、本発明の実施形態によれば、プローブ120に接続ケーブルなしで受信モジュール130が接続されているため、プローブ120によって受信されたRF信号は、 接続ケーブルによるノイズがRF信号に流入されずに、受信モジュール130に伝達される。なお、受信モジュール130は、受信されたRF信号をデジタル信号、例えば、I/Q(Quadrature-phase)データに変換して制御装置200に伝達するため、アナログ信号の伝達により発生するノイズの流入を防止することができる。なお、本発明の実施形態によれば、前記電波装置10と制御装置200との間に低雑音(ノイズ)増幅器を具備する必要がない。
【0072】
一方、前記制御装置200は、RF信号の強度(amplitude)および位相(phase)情報を受信し、RF信号の強度および位相情報に基づいて電波装置10の放射性能を算出することができる。すなわち、制御装置200は、電波装置10の放射性能(例えば、放射パターン、強度など)を導出することができる。
【0073】
RF信号の強度および位相情報に基づいて、電波装置10の放射性能を導出するためのアルゴリズムは広く知られていることから、本明細書では詳しい説明は省略することにする。
【0074】
この場合、制御装置200は、管理者端末500と通信を行うことができる。図2では、前記制御装置200と前記管理者端末500が別個の装置で実現される一例を示しているが、必要に応じて前記管理者端末500と前記制御装置200は一つの物理的装置で実現されうることを本発明の技術分野における通常の専門家は、容易に推論することができるであろう。
【0075】
一方、制御装置200は、電波装置テストシステム1000に設けられた他の構成を制御することができる。
【0076】
このためには、制御装置200は、本明細書で定義されている機能を実施するためのプロセッサおよびストレージ媒体を含み得る。プロセッサは、所定のプログラム(ソフトウェアコード)を実行する演算装置であり得る。プロセッサは、ベンダー(Vendor)モバイルプロセッサ、マイクロプロセッサ、CPU、シングルプロセッサ、マルチプロセッサなどの多様な名称で命名される。
【0077】
前記プロセッサは、プログラムを駆動して本発明の技術的思想に必要なデータ処理(例えば、他の構成の制御、放射性能の導出など)を行うことができることに対して、本発明の技術分野における通常の専門家は、容易に推論できるであろう。
【0078】
前記ストレージ媒体は、本発明の技術的思想を実施するためのプログラムが記憶・設置される装置を意味することができる。実施形態によれば、前記ストレージ媒体は、複数の異なる物理装置に分割されてもよい。実施形態によれば、前記ストレージ媒体の一部は、前記プロセッサの内部に存在することもできる。前記ストレージ媒体は、実施形態に応じてハードディスク、SSD(Solid State Disk)、光ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、および/または他の多様な種類のストレージ媒体で実施され、必要に応じて前記制御装置200に着脱式に実施されることもある。
【0079】
前記制御装置200は、コンピュータ、ノートブック、サーバなどのデータ処理装置で実施されるものの、これに限定されず、前記プログラムを実行するデータ処理能力がある、どのようなデータ処理装置(例えば、モバイル端末など)でも実現される。
【0080】
なお、前記制御装置200は、前記プロセッサ、前記ストレージ媒体、および前記制御装置200に設けられる多様な周辺装置(例えば、入出力装置、ディスプレイ装置、オーディオ装置など)とこれらの装置を連結するための通信インターフェース(例えば、通信バスなど)が具備されうることに対して、本発明の技術分野における平均的な専門家は、容易に推論することができるであろう。
【0081】
制御装置200は、プローブ120の位置を制御するための機械的制御ユニット210、および電波装置の放射特性を計算するメイン制御ユニット220を含み得る。
【0082】
機械的制御ユニット210は、プローブの指向性を制御することができる。例えば、機械的制御ユニット210は、ゴニオメーター(図示せず)を介してプローブ120の方向を制御することができる。
【0083】
メイン制御ユニット220は、プローブ120の少なくとも1つの給電点(Feeding point)121aまたは121bに給電してプローブ120がRF信号を受信するように制御する。
【0084】
なお、メイン制御ユニット220は、受信モジュール130で電波装置から放射されたRF信号の強度(amplitude)および位相(phase)情報を検出し、検出された強度および位相情報を電波暗室の外部、例えば、メイン制御部220に送ることができる。
【0085】
一方、プローブ120は、プローブの直径がアーチ構造物100上の配置および受信モジュール130との連結性を考慮して35mm以内、長さが70mm以内になるように設計される。プローブ120は、受信モジュール130にコネクタ(図示せず)を介して接続される。コネクタとして40GHzまでの信号を送ることのできる2.92mm(K)コネクタを使用することができる。プローブ120は、動作周波数帯域が24.0~29.5GHzであり、ポートマッチングは-7dB以下になり、ポートアイソレーション(port isolation:ポート隔離度)は-20dB以下になるように設計される。
【0086】
3-dBのビーム幅は28°に決定されており、ビーム対称性を確保するために、メインビームの3-dBのビーム幅領域内で1dB以下の利得差を示さなければならない。クロスポラライゼイション(cross polarization:交差偏波)は、-20dBになるように設計される。
【0087】
上記したプローブの要件を表1のようにまとめる。
【0088】
【表1】
【0089】
前で提示した3-dBビーム幅の計算根拠を図5を参照して説明する。
【0090】
図6は、本発明の一実施形態によるビーム幅導出根拠およびプローブ開口面径計算を説明するための図である。
【0091】
図6に示すように、電波装置10が置かれた平面を正面から眺めるように、プローブ120が位置していると仮定すれば、プローブ開口面の中心と電波装置の両端からなる二等辺三角形を描くことができる。
【0092】
プローブ120のビーム幅は、二等辺三角形において開口面の中心を頂点とする角度を三角関数により求めて決定した。電波装置10のサイズが0.5mであり、アーチ半径が1mである場合、プローブのビーム幅は約28.1°であり、これをまとめると下の数1の式の通りである。
【0093】
【数1】
【0094】
ここで、電波装置10のサイズDは0.5mであり、アーチ半径Rは1mである。
【0095】
プローブ120のビーム幅が計算されたため、また設計すべき開口面のサイズを計算することができる。電磁波放射(electromagnetic radiation)の横モード(transverse mode)とは、放射の伝播方向に垂直な(すなわち、横)平面における放射の特定の電磁気場パターンを指し、円形導波管ではTM(Transverse Magnetic)11モードが主モードであるため、計算式によって空気中での波長を求め、その値を波長の計算式に代入すると、次の数2の式のように、開口面のサイズは約22.2mmでなければならない。
【0096】
したがって、プローブ120の開口面の半径dは、次の数2の式の通りに計算される。
【0097】
【数2】
【0098】
前記数2の式において、cは光の速度で、fは受信周波数で、λは波長である。また、dは、プローブの開口面の半径である。
【0099】
円形導波管の側面に穴を開け、そこにコネクタを挿入して電源を供給する。十分な長さの円形導波管を維持した後は、断面の直径を線形に変化させ、前で計算した開口面の直径まで拡大する。
【0100】
円形導波管の伝播モードは、導波管の直径に応じて遮断周波数が決定される。遮断周波数とは、導波管内に電磁気エネルギーが進行することができる最小周波数を意味し、その計算式は次の数3の式の通りである。
【0101】
【数3】
【0102】
上記式において、m、nはモードを示すものであり、dは導波管の直径、cは真空中の光束(3×10m/s)である。モードによる定数xmn は、ベッセル関数の微分方程式Jmn′(xmn)=0の根であり、TE(Transverse electric)モードとTMモードについては以下のように知られている。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
前記表2および表3から、円形導波管の主モードは、遮断周波数が最も低いTE11モードであることが分かる。前記表2および前記表3、並びに前記数3の式を用いて、プローブの要求される周波数帯域(24~29.5GHz)で動作するための導波管の直径を決定するようにする。代表的には、いくつかの直径値とそれに応じた各モードの遮断周波数を求めると次のようになる。
【0106】
【表4】
【0107】
TE11モードの観点から、導波管の直径は、7.5mm以上のときに、要求周波数帯域を含むことが分かる。しかし、導波管の直径が8.5mmになると、TE11モードだけでなくTM01モードも形成される。この場合、2つのモードが同時に進行するため、導波管内の電磁気場分布とホーンアンテナの性能が歪曲される可能性がある。したがって、TE11モードのみを考慮するためには、TM01モードの遮断周波数が要求周波数帯域より高くなければならないため、製作エラーなどを考慮して導波管の直径は、7.8mmを基準に設計する。
【0108】
一方、プローブは、-20dBのクロスポラライゼイション(交差偏波)を満たすためにクアッドリッジ構造を有し得る。
【0109】
図7は、本発明の一実施形態によるクアッドリッジ構造を有するプローブの上面図および断面図を示し、図8は、図7のプローブを0°、45°および90°で切断した断面図を示す。
【0110】
図7および図8を参照すると、プローブ120は、断面が円形である導波管が形成された本体を含む。導波管は、仰角方向にビーム幅が増加する開口面を含む。導波管は、前記開口面の内側面に十文字に交差するようにペアで形成されるツーペアーズオブリッジ(Two pairs of ridges)を含む。リッジは、指数関数的テーパードカーブ(exponential tapered curve)を有するように設計されてもよい。4つのリッジは、互いに対向する2つのリッジを含むツーペアーズ(two pairs)を構成する。
【0111】
図6に示されている本実施形態では、プローブは、製作単価のために線形に広がるように設計されている。
【0112】
プローブ120は、給電のための給電点(Feeding points)121aおよび121bを含んでいる。なお、プローブ120は、前記2ペアーズのリッジのうちの第1ペアのリッジに連結される第1導体、および前記2ペアーズのリッジのうちの第2ペアのリッジに連結される第2導体を含む。
【0113】
前記給電点121aおよび121bは、前記第1導体および前記第2導体に連結される。前記給電点121aおよび121bを介して給電を行うことができる。
【0114】
給電点(Feeding points)121aおよび121bからそれぞれ延長される2つの導体は、互いに交差するように配置され、導体の端部はプローブの本体の中心を通って延長された溝125に配置される。このようにすることで、導体端部で発生する放射によるカップリングを減らすことができる。
【0115】
具体的には、ポジショナシステム400上の固定部300に搭載または設置される。ポジショナシステム400は、制御装置200の制御に応じて固定部300の動きを制御する装置であり得る。
【0116】
ポジショナシステム400は、電波装置10を正確な角度位置に配置することができる。このためには、ポジショナシステム400は、電波装置10を方位角方向に回転させる方位角ポジショナ(Azimuth Positioner)、および電波装置10を仰角方向(Elevation direction)に移動させるゴニオメーター(Goniometer)を含み得る。
【0117】
前記電波装置10は、所定の固定部200によって装着され、前記固定部200はポジショナシステム400によって回転され得る。
【0118】
前記固定部200は、電波装置10を固定することができるように実装されればよい。前記固定部200の外部には電波吸収体を取り付けることができる。他の実施形態によれば、前記固定部200は、電波の反射特性の低い材料で形成され得る。
【0119】
前記固定部200の動きは、ポジショナシステム400によって制御される。
【0120】
ポジショナシステム400は、後述するように、固定部200の動きを制御して電波装置10が方位角方向に回転するようにするか、または仰角方向に回転するようにできる。
【0121】
前記ポジショナシステム400は、制御ユニットの制御下で前記電波装置10を方位角方向に回転させながらテストを行うことができ、スフィア上でサンプリング間隔が広い場合に、 前記ポジショナシステム400を介して仰角方向に電波装置10、すなわち被測定アンテナ10を一定角度回転させて電波装置10を傾けた後、前記方位角方向に回転させることにより、空間上でより狭いサンプリング間隔を有する位置から入力信号を獲得する効果を有することもできる。
【0122】
一方、図示していないが、電波暗室(Anechoic chamber)内の人間の移動経路のためのウォークウェーを設置することができる。ウォークウェー20もやはり電波吸収体で形成されることが好ましい。
【0123】
電波装置10によって放射されるRF信号は、アーチ構造物100に配置されるプローブによって受信される。
【0124】
各プローブ120は、2つの偏波(H-pol、V-pol)に該当するRF信号を受信モジュール130に伝達することができる。具体的には、各プローブは、垂直偏波(Vertical Polarization)および水平偏波(Horizo ntal Polarization)の二重偏波特性を有し得る。
【0125】
各プローブ120によって受信されたRF信号は、後述するような該当プローブに位置する受信モジュール130に伝達されてもよい。
【0126】
受信モジュール130は、該当するプローブ120に位置している。すなわち、プローブ120は、受信モジュール130に直接隣接して配置される。すなわち、プローブ120は、別途の接続ケーブルなしで受信モジュール130に連結される。
【0127】
受信モジュール130は、プローブ120によって受信される垂直偏波信号(vertically polarized signal)と水平偏波信号(horizontal polarized signal)との間をスイッチングして受信するように構成されてもよい。
【0128】
受信モジュール130は、プローブ120からRF信号を受信すると、RF信号をIF信号に変換し、IF信号をI/Q(Quadrature-phase)データにデジタル変換する。受信モジュール130は、I/Q(Quadrature-phase)データから強度(amplitude)および位相(phase)情報を検出し、検出された強度および位相情報を電波暗室の外部、例えば、メイン制御部220に送ることができる。
【0129】
このように、本発明の実施形態によれば、プローブ120に直接受信モジュール130が連結されているため、プローブ120によって受信されたRF信号は、 接続ケーブルによるノイズがRF信号に流入されずに、受信モジュール130に伝達される。なお、受信モジュール130は、受信されたRF信号をデジタル信号に変換して制御装置200に伝達するため、アナログ信号の伝達により発生するノイズの流入を防止することができる。なお、本発明の実施形態によれば、前記電波装置10と制御ユニット200との間に低雑音(ノイズ)増幅器などを具備する必要はない。
【0130】
本発明の範囲は、前記した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8