(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181960
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】チケット管理システム、チケット管理方法、発券サーバ、発券方法、認証サーバ及び認証方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20231218BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20231218BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231218BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20231218BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/64
G06Q50/10
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175915
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2022555806の分割
【原出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】坂口 統
(72)【発明者】
【氏名】古城 寿也
(72)【発明者】
【氏名】波多江 智弘
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L049CC18
5L055AA73
(57)【要約】 (修正有)
【課題】チケットを利用するユーザの生体情報の登録負担を軽減する会員システム及び方法を提供する。
【解決手段】会員システム(1)は、会員情報管理システム(10)及びチケット管理システム(20)を備える。会員情報管理システム(10)は、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベース(11)を有する。チケット管理システム(20)は、チケットを発券し、発券したチケットを購入した会員の生体情報とチケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベース(21)を有する。会員情報管理システム(10)は、会員がチケットを購入すると、会員データベース(11)において、チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す読出部(12)と、生体情報と購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を、チケット管理システム(20)に送信する登録要求部(13)とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証対象者の生体情報を取得する取得手段と、
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行う認証手段と、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、前記チケットIDを用いて、生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する判定手段と、を有する
チケット管理システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記チケットIDに対応付けられたチケットの属性情報を読み出し、前記生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
請求項1に記載のチケット管理システム。
【請求項3】
認証対象者の生体情報を取得し、
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行い、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、前記チケットIDを用いて、生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
チケット管理方法。
【請求項4】
前記チケットIDに対応付けられたチケットの属性情報を読み出し、前記生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
請求項3に記載のチケット管理方法。
【請求項5】
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報と、認証対象者の生体情報とを用いた生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから読み出された前記生体認証にかかるチケットIDを取得する取得手段と、
取得した前記チケットIDを用いて、生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する判定手段と、を有する
発券サーバ。
【請求項6】
前記判定手段は、前記チケットIDに対応付けられたチケットの属性情報を読み出し、前記生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
請求項5に記載の発券サーバ。
【請求項7】
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報と、認証対象者の生体情報とを用いた生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから読み出された前記生体認証にかかるチケットIDを取得し、
取得した前記チケットIDを用いて、生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
発券方法。
【請求項8】
前記チケットIDに対応付けられたチケットの属性情報を読み出し、前記生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する
請求項7に記載の発券方法。
【請求項9】
認証対象者の生体情報を取得する取得手段と、
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行う認証手段と、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、読み出した前記チケットIDを出力する出力手段と、を有する
認証サーバ。
【請求項10】
認証対象者の生体情報を取得し、
チケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行い、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、読み出した前記チケットIDを出力する
認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、会員システム、会員情報管理システム、会員情報管理方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認証を利用してチケットを利用するユーザの本人確認を実施する方法が提案されている。例えば特許文献1には、チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、サーバ記憶部に記憶される特徴量データを用いて、ユーザが当該チケットの正当な保有者であるか否かを判定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本人確認に顔認証を利用するために顔情報の事前登録が必須であるところ、ユーザが複数のチケット販売システムを利用するためには、個々のチケット販売システムに対して顔情報を登録しなければならず、手間がかかっていた。またユーザが複数のチケット販売システムを利用する場合に限らず、会員情報を管理するシステムとチケット販売システムとが分離されている場合にも、同様に顔情報の登録の手間がかかる。尚、顔認証のための顔情報に限らず、その他の生体認証のための生体情報についても同様の課題がある。またチケット販売システムに限らず、生体認証によりその人物が所定の権利を有する人物かを確認する他のシステムについても同様の課題がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題に鑑み、チケットを利用するユーザの生体情報の登録負担を軽減できる会員システム、会員情報管理システム、会員情報管理方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる会員システムは、会員情報管理システム及びチケット管理システムを備える。会員情報管理システムは、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースを有する。チケット管理システムは、チケットを発券するシステムである。チケット管理システムは、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有する。
前記会員情報管理システムは、会員がチケットを購入すると、前記会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す読出手段と、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を、前記チケット管理システムに送信する登録要求手段とを有する。
【0007】
本開示の一態様にかかる会員情報管理システムは、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースと、会員がチケットを購入すると、前記会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す読出手段と、チケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する登録要求手段とを備える。チケット管理システムは、チケットを発券するシステムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有する。
【0008】
本開示の一態様にかかる会員情報管理方法は、会員がチケットを購入すると、会員情報管理システムが備える会員データベースであって、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出し、チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有するチケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する。
【0009】
本開示の一態様にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、会員がチケットを購入すると、会員情報管理システムが備える会員データベースであって、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す機能と、チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有するチケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する機能とをコンピュータに実現させるプログラムが格納される。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、チケットを利用するユーザの生体情報の登録負担を軽減できる会員システム、会員情報管理システム、会員情報管理方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1にかかる会員システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1にかかる会員システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図3】実施形態2にかかる会員システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2にかかる会員情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2にかかるチケット管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態2にかかる会員端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態2にかかる会員登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】実施形態2にかかるチケット購入時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】実施形態2にかかる顔情報の更新時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】実施形態2にかかる顔情報の利用停止時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】実施形態2にかかるチケット利用時のチケット管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】実施形態3にかかる会員システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
まず本開示の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1にかかる会員システム1の全体構成を示すブロック図である。会員システム1は、会員に対してチケットを販売し、会員が購入したチケットの情報を管理するためのコンピュータシステムである。
【0014】
会員システム1は、会員情報管理システム10及びチケット管理システム20を備える。
【0015】
会員情報管理システム10は、会員情報を管理する1又は複数の装置を含むコンピュータシステムである。会員情報管理システム10は、会員データベース(DB)11と、読出部12と、登録要求部13とを備える。
【0016】
会員DB11は、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶するデータベースである。会員は、会員として事前に登録されているユーザである。ここで生体情報は、後述の生体認証で用いる情報である。生体情報は、チケット管理システム20が発券したチケットを会員が利用する場合に、本人確認のために用いられる情報であってよい。生体認証は、顔認証、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、歩容認証又はその他の生体認証である。したがって生体情報は、顔情報、虹彩情報、静脈情報、歩容情報又はその他の生体情報である。以下の説明では、生体情報は顔情報であるとするがこれに限らない。顔情報は、顔画像そのもの、又は顔画像から抽出した特徴量に関する情報である。会員IDは会員を識別する情報であり、例えば会員番号である。
【0017】
読出部12は、読出手段とも称する。読出部12は、会員がチケットを購入すると、会員DB11において、チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた顔情報を読み出す。
【0018】
登録要求部13は、登録要求手段とも称する。登録要求部13は、顔情報と、購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を、チケット管理システム20に送信する。チケットIDは、チケットを識別する情報であり、例えば発券番号であってもよいし、発券番号とチケット種別とを組み合わせた情報であってもよい。
【0019】
チケット管理システム20は、チケットを発券し、発券したチケットに関する情報を管理する、1又は複数の装置を含むコンピュータシステムである。チケット管理システム20は、会員情報管理システム10とは互いに独立した、異なるシステムである。例えばチケット管理システム20は、会員情報管理システム10とは運営主体や管理者が異なってよい。一例としてチケット管理システム20の管理者は、会員情報管理システム10のサービスに加盟する加盟者である。尚、チケット管理システム20は、会員情報管理システム10が管理する会員DB11に自由にはアクセスできないようになっていてよい。
【0020】
チケット管理システム20はチケットDB21を備える。チケットDB21は、発券したチケットを購入した会員の顔情報と当該チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するデータベースである。チケット管理システム20は、チケットDB21を用いて発券済のチケットに関する情報を管理する。
【0021】
尚、チケットは電子チケットであってよく、チケットを発券するとは、電子チケットのチケットIDを発行することを含んでよい。
【0022】
図2は、実施形態1にかかる会員システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。まず会員情報管理システム10は、会員からチケットの購入の申し出を受けた場合、チケット管理システム20にチケットの発券要求を送信する(S10)。このとき会員情報管理システム10は、申し出をした会員の会員IDをチケット管理システム20に送信する。
【0023】
チケットの発券要求を受信したチケット管理システム20は、チケットIDを発行し、これによりチケットを発券する(S11)。そしてチケット管理システム20は、チケットを発券したことを会員情報管理システム10に通知する(S12)。このときチケット管理システム20は、チケットIDと会員IDとを関連づけた情報を会員情報管理システム10に送信する。
【0024】
通知を受けた会員情報管理システム10の読出部12は、会員DB11において、チケットの発券を申し出た会員の会員IDに対応付けられた顔情報を読み出す(S13)。尚、読出部12は、チケットの発券を申し出た会員と別の会員がチケットを利用することが予定されている場合は、当該別の会員の会員IDに対応付けられた顔情報を読み出す。例えば親が子のためにチケットの発券を申し出た場合は、読出部12は、子の会員IDに対応付けられた子の顔情報を読み出す。
【0025】
そして会員情報管理システム10の登録要求部13は、読み出した顔情報とチケットIDとを関連づけた情報を登録要求に含めて、当該登録要求をチケット管理システム20に送信する(S14)。
【0026】
登録要求を受信したチケット管理システム20は、登録要求に含まれる顔情報とチケットIDとを対応付けて、チケットDB21に登録する(S15)。
【0027】
尚、会員情報管理システム10において、発券されたチケットIDと、購入した会員との対応付けができていれば、S10で会員情報管理システム10が会員IDを送信すること、そしてS12でチケット管理システム20が会員IDを送信することは必須ではない。つまり、チケット管理システム20が会員IDを保持することは必須ではない。
【0028】
また会員情報管理システム10はチケットの決済処理を実施してもよい。決済のタイミングは、特に限定されないが、発券要求をチケット管理システム20に送信する前であってもよいし、発券した旨の通知を受けた後であってもよいし、登録要求をチケット管理システム20に送信した後であってもよい。
【0029】
また会員は、チケット管理システム20に対してチケットの購入を申し出ることができるようになっていてもよい。この場合、チケット管理システム20は会員から直接会員IDの提供を受けてよい。そしてS10に示す処理は省略されてよい。この場合、チケット管理システム20は会員情報管理システム10に会員がチケットを購入したことを通知してよい。またチケット管理システム20は会員情報管理システム10に対してチケットの決済処理の要求を送信してもよいし、自システム内でチケットの決済処理を実施してもよい。
【0030】
このように実施形態1によれば、会員が会員情報管理システム10に顔情報を登録していれば、会員が購入したチケットを管理するチケット管理システム20が、会員情報管理システム10に登録されている顔情報を利用できるようになる。したがって会員は、個々のシステムに顔情報を登録することを回避できる。これによりチケットを利用する会員の顔情報の登録負担を軽減できる。
【0031】
上記効果は、会員情報管理システム10とチケット管理システム20の運営主体や管理者が異なる場合、互いに共有できる情報が制限されている場合、又は会員システム1に複数のチケット管理システム20が存在する場合に顕著になる。
【0032】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2について説明する。実施形態2は実施形態1の具体例である。本実施形態2でも生体情報は顔情報であるとして説明するがこれに限らない。
図3は、実施形態2にかかる会員システム1aの全体構成を示すブロック図である。
【0033】
会員システム1aは、実施形態1の会員システム1の一例である。会員システム1aは、会員が顔認証を利用して所定の空間内に入場する又は所定の空間から退場するために用いられる。本実施形態2では、所定の空間は、駅の改札、空港のゲート、コンサートホールや遊園地のゲート、又は駐車場のゲート等の入退場ゲートによって画定された空間であるが、これに限らない。会員システム1aは、会員情報管理システム10aと、チケット管理システム20aと、会員端末30とを備え、これらがネットワークNを介して通信可能になっている。ネットワークNは、有線又は無線の通信ネットワークである。
【0034】
会員情報管理システム10aは、実施形態1の会員情報管理システム10の一例である。例えば会員情報管理システム10aは、サーバ装置である。会員情報管理システム10aは会員登録処理を実施する。そして会員情報管理システム10aは、会員毎に、会員ID及び会員の顔情報に加えて、会員の口座情報等の会員情報を管理する。
【0035】
会員情報管理システム10aは、会員がチケットの購入を申し出て、チケット管理システム20aからチケットが発券された旨の通知を受けた場合、自己が保持する会員の顔情報をチケット管理システム20aに提供する。チケットは、各種交通機関の乗車券や各種施設の入場券であってよい。チケットは定期券やフリーパスであってもよい。
【0036】
尚、会員端末30が会員情報管理システム10aにログインする場合、会員情報管理システム10aはパスワード認証や顔認証を実施してよい。
【0037】
チケット管理システム20aは、実施形態1のチケット管理システム20の一例である。チケット管理システム20aは、発券サーバ22と、顔認証サーバ24と、認証端末26とを備える。
【0038】
発券サーバ22は、チケットを発券する装置である。具体的には発券サーバ22は、会員がチケットの購入を申し出た場合、チケットIDを発行してチケットを発券する。また発券サーバ22は、発券したチケットのチケット情報を管理する。チケット情報は、チケットID及びチケットの属性情報を含んでよい。
【0039】
顔認証サーバ24は、生体認証サーバの一例である。顔認証サーバ24は、チケットを利用する予定である会員の顔情報とチケットIDとを記憶する装置である。顔認証サーバ24は、会員がチケットを利用する場合に、認証端末26から受信した情報と自己が保持する顔情報とに基づいて顔認証を実施する。そして顔認証サーバ24は、会員が有するチケットのチケットIDを特定する。
【0040】
認証端末26は、所定の空間内に入場しようとする人物又は所定の空間から退場しようとする人物を認証する、KIOSK端末又はタブレット等の端末装置である。例えば認証端末26は、入退場ゲートの近傍に設置される。チケットを利用しようとする人物は入退場ゲートに接近する。認証端末26は、入退場ゲートに接近した人物を撮影し、撮影画像に含まれる人物の顔領域に対する顔認証を顔認証サーバ24に要求する。そして認証端末26は、顔認証サーバ24による顔認証が成功し、かつその会員が有するチケットが有効なものである場合は、入退場ゲートを開放するように制御する。一方、認証端末26は、顔認証サーバ24による顔認証が失敗した場合や、その会員が有するチケットが無効なものである場合は、入退場ゲートを閉鎖するように制御する。尚、認証端末26は入退場ゲートと一体的に構成されていてもよい。
【0041】
会員端末30は、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の、会員が使用する端末装置である。会員端末30は、会員の操作により会員情報管理システム10aに会員登録を要求する。また会員端末30は、会員の操作により会員情報管理システム10aにチケットの購入の申し出を送信する。
【0042】
[会員情報管理システム10a]
図4は、実施形態2にかかる会員情報管理システム10aの構成を示すブロック図である。会員情報管理システム10aは、記憶部100と、メモリ101と、通信部102と、制御部103とを備える。
【0043】
記憶部100は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部100は、プログラム1001と、会員DB1002と、登録履歴1003とを記憶する。プログラム1001は、会員情報管理システム10aによる処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0044】
会員DB1002は、実施形態1の会員DB11の一例である。会員DB1002は、会員IDに対応付けて会員の顔情報及び会員情報を記憶する。実施形態2では顔情報は、登録用の顔画像である登録画像から抽出した顔特徴量に関する情報である。しかし顔情報は登録画像そのものであってもよい。会員情報は、会員の属性情報や口座情報を含む情報である。
【0045】
登録履歴1003は、チケット管理システム20aが保持する顔情報DB2402に、会員の顔情報が登録されているか否かを記憶する。例えば登録履歴1003は、会員IDと、チケットIDと、顔情報DB2402への顔情報の登録有無を示す情報とを対応付けて記憶する。
【0046】
メモリ101は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部103の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部102は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0047】
制御部103は、会員情報管理システム10aの各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部103は、記憶部100からプログラム1001をメモリ101へ読み込ませ、プログラム1001を実行する。これにより制御部103は、第1登録部1031、決済部1032、読出部1033、登録要求部1034、及び管理部1035の機能を実現する。
【0048】
第1登録部1031は、第1登録手段とも称する。第1登録部1031は、会員端末30からの会員登録要求に応じて会員登録処理を実施する。特に第1登録部1031は、会員登録要求に含まれる登録画像から顔領域の特徴量を抽出し、これにより生成された顔情報を、会員IDに対応付けて会員DB1002に登録する。
【0049】
決済部1032は、決済手段とも称する。決済部1032は、ログイン済の会員端末30からチケットの購入の申し出を受信した場合、会員DB1002の会員情報を用いて当該チケットの決済処理を実施する。
【0050】
読出部1033は、実施形態1の読出部12の一例である。読出部1033は、ログイン済の会員端末30からチケットの購入の申し出を受信した場合、チケット管理システム20aにチケットの発券要求を送信する。そして読出部1033は、チケット管理システム20aからチケットが発券された旨の通知をチケットIDとともに受信したことに応じて、会員DB1002において、チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた顔情報を読み出す。
【0051】
登録要求部1034は、実施形態1の登録要求部13の一例である。登録要求部1034は、顔情報の登録要求をチケット管理システム20に送信する。登録要求には、読出部1033が読み出した顔情報に対して、チケット管理システム20aが発行したチケットIDを関連付けた情報が含まれる。
【0052】
管理部1035は、管理手段とも称する。管理部1035は、チケット管理システム20aとの間のデータ送受信の履歴を記録し、管理する。例えば管理部1035は、顔認証サーバ24の顔情報DB2402に顔情報が登録されているかを会員毎に登録履歴1003に記録する記録手段として機能する。
【0053】
尚、管理部1035は、会員毎に、購入したチケットの有効期限を管理してよい。具体的には、管理部1035は、登録履歴1003にチケットの有効期限を記録し、登録履歴1003に記録された有効期限が経過したか否かを所定のタイミングで判定してよい。この場合、登録要求部1034は、チケットの有効期限が経過したと管理部1035が判定したことに応じて、チケットを購入した会員の顔情報を顔情報DB2402から削除するようにチケット管理システム20aに要求してよい。顔情報はプライバシー性の高い個人情報であるところ、これによりチケット管理システム20aが保持する顔情報を必要最低限に抑えることができる。
【0054】
[チケット管理システム20a]
図5は、実施形態2にかかるチケット管理システム20aの構成を示すブロック図である。チケット管理システム20aは、発券サーバ22と、顔認証サーバ24と、認証端末26とを備える。
【0055】
(発券サーバ22)
発券サーバ22は、記憶部220と、メモリ221と、通信部222と、制御部223とを備える。
【0056】
記憶部220は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部220は、プログラム2201及びチケット情報DB2202を記憶する。プログラム2201は、発券サーバ22による処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0057】
チケット情報DB2202は、発券されたチケットに関する情報を記憶するデータベースである。例えばチケット情報DB2202は、チケットIDとチケットの属性情報とを対応付けて記憶する。
【0058】
メモリ221は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部223の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部222は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0059】
制御部223は、発券サーバ22の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部223は、記憶部220からプログラム2201をメモリ221へ読み込ませ、プログラム2201を実行する。これにより制御部223は、発券部2231及び管理部2232の機能を実現する。
【0060】
発券部2231は、発券手段とも称する。発券部2231は、会員情報管理システム10aからチケットの発券要求を受信したことに応じて、チケットIDを発行してチケットを発券する。そして発券部2231は、発券した旨をチケットIDとともに会員情報管理システム10aに通知する。
【0061】
管理部2232は、管理手段とも称する。管理部2232は、発券部2231が発券したチケットのチケットIDとチケットの属性情報とを対応付けてチケット情報DB2202に登録する。尚、管理部2232は、チケットの有効期限が経過したことに応じて、チケットを購入した会員の顔情報を顔情報DB2402から削除するように顔認証サーバ24に要求してよい。これによりチケット管理システム20aに保持する顔情報を必要最低限に抑えることができる。この場合、顔認証サーバ24の第2登録部2431が会員の顔情報を顔情報DB2402から削除する。このとき管理部2232は、第2登録部2431から削除完了通知を受けたことに応じて、会員端末及び会員情報管理システム10aに顔情報を削除したことを通知してよい。あるいは第2登録部2431が、会員端末及び会員情報管理システム10aに顔情報を削除したことを通知してもよい。
【0062】
(顔認証サーバ24)
顔認証サーバ24は、記憶部240と、メモリ241と、通信部242と、制御部243とを備える。
【0063】
記憶部240は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部240は、プログラム2401及び顔情報DB2402を記憶する。プログラム2401は、顔認証サーバ24の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0064】
顔情報DB2402は、実施形態1のチケットDB21の一例である。顔情報DB2402は、チケットを利用する予定である会員の顔情報とチケットIDとを対応付けて記憶する。
【0065】
メモリ241は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部243の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部242は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0066】
制御部243は、顔認証サーバ24の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部243は、記憶部240からプログラム2401をメモリ241へ読み込ませ、プログラム2401を実行する。これにより制御部243は、第2登録部2431及び認証部2432の機能を実現する。
【0067】
第2登録部2431は、第2登録手段とも称する。第2登録部2431は、会員情報管理システム10aから顔情報の登録要求を受信したことに応じて、登録要求に含まれる顔情報を、購入したチケットのチケットIDに対応付けて顔情報DB2402に登録する。
【0068】
また第2登録部2431は、会員情報管理システム10a又は発券サーバ22から顔情報の削除要求を受信した場合、顔情報DB2402に登録されている、削除要求にかかる顔情報を削除する。
【0069】
認証部2432は、認証手段とも称する。認証部2432は、認証端末26から認証要求を受信したことに応じて、顔情報DB2402に登録される顔情報を用いて、認証要求に含まれる顔画像について顔認証を行う。認証部2432は、顔認証に成功した場合、顔情報DB2402から顔認証にかかるチケットIDを読み出す。そして認証部2432は顔認証結果を認証端末26に送信する。このとき認証部2432は、顔認証に成功した場合は、成功した旨と、読み出したチケットIDとを認証端末26に送信し、顔認証に失敗した場合は、失敗した旨を認証端末26に送信する。
【0070】
(認証端末26)
認証端末26は、記憶部260と、メモリ261と、通信部262と、カメラ264と、制御部263とを備える。
【0071】
記憶部260は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部260は、プログラム2601を記憶する。プログラム2601は、認証端末26による処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0072】
メモリ261は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部263の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部262は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0073】
カメラ264は、制御部263の制御に応じて撮影を行う撮影装置である。カメラ264は、認証対象者の顔を撮影し、これにより顔画像を生成する。認証対象者は、入退場ゲートを通過しようとする者であり、例えば入退場ゲートを基準とする所定範囲内の領域に侵入した者である。
【0074】
制御部263は、認証端末26の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部263は、記憶部260からプログラム2601をメモリ261へ読み込ませ、プログラム2601を実行する。これにより制御部263は、取得部2631、認証要求部2632、判定部2633、及び開閉部2634の機能を実現する。
【0075】
取得部2631は、取得手段とも称する。取得部2631は、認証対象者の生体情報を取得する。具体的には取得部2631は、カメラ264の撮影を制御し、カメラ264が撮影した顔画像を取得する。
【0076】
認証要求部2632は、認証要求手段とも称する。認証要求部2632は、取得部2631が取得した顔画像に対する顔認証要求を顔認証サーバ24に送信する。例えば認証要求部2632は、顔認証要求に顔画像を含ませてもよいし、顔画像から抽出した顔特徴量を含ませてもよい。そして認証要求部2632は、顔認証サーバ24から顔認証結果を取得する。顔認証に成功した場合、認証要求部2632は顔認証結果からチケットIDを取り出す。
【0077】
判定部2633は、判定手段とも称する。判定部2633は、顔認証に成功した場合、顔認証結果に含まれるチケットIDを用いて顔認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する。具体的には判定部2633は、チケットIDを用いて発券サーバ22に対してチケットの属性情報(例えば有効期限や乗車区間)を問合せ、発券サーバ22からの回答に基づいてチケットが有効であるかを判定する。
【0078】
開閉部2634は、開閉手段とも称する。開閉部2634は、入退場ゲートの開閉を制御する。開閉部2634は、顔認証が成功し、かつチケットが有効であると判定された場合、入退場ゲートを開放する。ここで入退場ゲートはフラップを有するタイプと、フラップを有さないタイプとに分けられる。入退場ゲートがフラップを有する場合は、入退場ゲートを開放又は閉鎖することは、フラップを開状態又は閉状態に回転又は摺動させることであってもよいし、解錠又は施錠することであってもよい。また入退場ゲートがフラップの有無に関わらず、入退場ゲートを開放又は閉鎖することは単に通過許否を表示又は音声出力することであってよい。
【0079】
図6は、実施形態2にかかる会員端末30の構成を示すブロック図である。会員端末30は、カメラ310と、記憶部320と、通信部330と、表示部340と、入力部350と、制御部360とを備える。
【0080】
カメラ310は、制御部360の制御に応じて撮影を行う撮影装置である。記憶部320は、会員端末30の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。通信部330は、ネットワークNとの通信インタフェースである。表示部340は、表示装置である。入力部350は、会員からの入力を受け付ける入力装置である。表示部340及び入力部350は、タッチパネルのように一体的に構成されていてよい。制御部360は、会員端末30が有するハードウェアの制御を行う。
【0081】
図7は、実施形態2にかかる会員登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず会員端末30は、会員の操作によりその会員を撮影する(S20)。そして会員端末30は、撮影により生成した登録画像と会員情報とを会員登録要求に含ませて、会員情報管理システム10aに送信する(S21)。
【0082】
会員情報管理システム10aの第1登録部1031は、会員登録要求に含まれる登録画像から顔領域を検出する(S22)。次に第1登録部1031は、顔領域から特徴点を抽出し、特徴点に基づいて顔情報を生成する(S23)。次に第1登録部1031は、会員IDを新規で発行する(S24)。このとき第1登録部1031は、発行した会員IDを会員端末30に通知してよい。次に第1登録部1031は、発行した会員IDに対応付けて、生成した顔情報と会員登録要求に含まれる会員情報とを、会員DB1002に登録する(S25)。これにより顔情報及び会員情報の登録が完了する。尚、第1登録部1031は、顔情報に代えて又は加えて登録画像を、発行した会員IDに対応付けて会員DB1002に登録してもよい。
【0083】
図8は、実施形態2にかかるチケット購入時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0084】
まず会員端末30は、会員情報管理システム10aにログインし、チケットの購入の申し出を会員情報管理システム10aに送信する(S30)。尚、会員端末30は、ログイン時又はチケットの購入の申し出時に会員IDを会員情報管理システム10aに送信する。
【0085】
次に会員情報管理システム10aの読出部1033は、チケットの発券要求をチケット管理システム20aの発券サーバ22に送信する(S31)。発券サーバ22の発券部2231は、発券要求に応じてチケットIDを発行してチケットを発券する(S32)。そして発券部2231は、発行したチケットIDを会員情報管理システム10aに送信する(S33)。これにより発券部2231は、チケットを発券したことを会員情報管理システム10aに通知する。
【0086】
次に会員情報管理システム10aの読出部1033は、会員DB1002において申し出にかかる会員の会員IDに対応付けられた顔情報を読み出す(S34)。また決済部1032は、会員DB1002において申し出にかかる会員の会員IDに対応付けられた口座情報を読み出し、チケット購入にかかる決済を実施する(S35)。次に登録要求部1034は、顔情報の登録要求を、発券サーバ22を介して顔認証サーバ24に送信する(S36)。このとき登録要求には、顔情報に加えてチケットIDが含まれている。尚、登録要求部1034は、顔情報の登録要求を、発券サーバ22を介さずに直接顔認証サーバ24に送信してもよい。
【0087】
次に顔認証サーバ24の第2登録部2431は、顔情報の登録要求を受信したことに応じて、登録要求に含まれる顔情報とチケットIDとを対応付けて顔情報DB2402に登録する(S37)。そして第2登録部2431は、登録が完了した旨を会員情報管理システム10aに通知する(S38)。
【0088】
会員情報管理システム10aの管理部1035は、通知を受けたことに応じて、会員ID、チケットID及び顔情報DBへの登録があることを示す情報を登録履歴1003に記録する(S39)。
【0089】
このように会員が会員情報管理システム10aに登録用の顔情報を提供すれば、会員情報管理システム10aは必要に応じて顔情報をチケット管理システム20aに共有する。これによりチケットを利用する会員の顔情報の登録負担を軽減できる。
【0090】
尚、会員の顔は時間の経過とともに変化する。このとき会員情報管理システム10aは、顔情報の登録から所定時間経過した場合に会員端末30に更新を促す通知を行ってよい。会員端末30が通知に応じて顔情報の更新要求を会員情報管理システム10aに送信した場合、会員情報管理システム10aの第1登録部1031は、会員DB1002に登録された会員の顔情報を更新してよい。また会員端末30が通知の有無に関わらず自発的に顔情報の更新要求を送信した場合も、第1登録部1031は同様に顔情報を更新してよい、そして登録要求部1034は、更新対象となる会員の顔情報がチケット管理システム20aの顔情報DB2402に登録されている場合、顔情報DB2402に登録されている会員の顔情報を新たに取得した顔情報に更新するようにチケット管理システム20aに要求してよい。これにより会員情報管理システム10aとチケット管理システム20aとで顔情報が連携している会員については、会員の操作なくチケット管理システム20aにおける顔情報の更新が行われることになる。
【0091】
図9は、実施形態2にかかる顔情報の更新時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず会員端末30は、更新にかかる登録画像を含む顔情報の更新要求を、会員情報管理システム10aに送信する(S40)。尚、会員端末30は、ログイン時又は更新要求時に会員IDを会員情報管理システム10aに送信する。
【0092】
会員情報管理システム10aの第1登録部1031は、顔情報の更新要求に含まれる登録画像から顔領域を検出する(S41)。そして第1登録部1031は、顔領域から特徴点を抽出し、特徴点に基づいて顔情報を生成する(S42)。次に第1登録部1031は、会員DB1002において、顔情報の更新要求に含まれる会員IDに対応付けられた顔情報を、S42で生成した顔情報に更新する(S43)。
【0093】
次に登録要求部1034は、登録履歴1003を参照し、更新にかかる会員の顔情報が顔情報DB2402に登録されているかを判定する(S44)。本例では、顔情報DB2402への登録があったとする。この場合、登録要求部1034は、登録履歴1003から当該会員が有するチケットIDを特定する(S45)。そして登録要求部1034は、顔情報の更新要求を顔認証サーバ24に送信する(S46)。このとき更新要求には、更新にかかる顔情報と、特定したチケットIDとが含まれてよい。尚、登録要求部1034は、顔情報の更新要求を、発券サーバ22を介して顔認証サーバ24に送信してもよい。
【0094】
顔認証サーバ24の第2登録部2431は、更新要求を受信したことに応じて、顔情報DB2402において、更新要求に含まれるチケットIDに対応付けられた顔情報を、更新要求に含まれる顔情報に更新する(S47)。
【0095】
これによりチケット管理システム20aは、会員情報管理システム10aの会員DB1002に登録された最新の顔情報を利用できる。会員は会員情報管理システム10aに対して更新にかかる顔画像を提供すればチケット管理システム20aに提供する必要がない。したがってチケットを利用する会員の顔情報の更新負担が軽減する。
【0096】
また会員情報管理システム10aは、会員が退会した場合や顔情報の利用停止を要求した場合には、会員DB1002の顔情報を削除してよい。例えば会員情報管理システム10aの第1登録部1031は、会員端末30から、退会又は顔情報の利用停止にかかる要求を受信したことに応じて、会員DB1002に登録された会員の顔情報を削除してよい。そして登録要求部1034は、退会又は顔情報の利用停止にかかる会員が顔情報DB2402に顔情報が登録されている会員である場合、顔情報DB2402に登録されている会員の顔情報を削除するようにチケット管理システム20aに要求してよい。
【0097】
図10は、実施形態2にかかる顔情報の利用停止時の会員情報管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0098】
まず会員端末30は、顔情報の利用停止要求を会員情報管理システム10aに送信する(S50)。このとき会員端末30は会員情報管理システム10aに会員IDも送信する。
【0099】
会員情報管理システム10aの第1登録部1031は、会員DB1002において、会員IDに対応付けられた顔情報を削除する(S51)。
【0100】
次に登録要求部1034は、登録履歴1003を参照し、利用停止にかかる会員の顔情報が顔情報DB2402に登録されているかを判定する(S52)。本例では、顔情報DB2402への登録があったとする。この場合、登録要求部1034は、登録履歴1003から当該会員が有するチケットIDを特定する(S53)。そして登録要求部1034は、顔情報の削除要求を顔認証サーバ24に送信する(S54)。このとき削除要求には、特定したチケットIDが含まれてよい。
【0101】
顔認証サーバ24の第2登録部2431は、削除要求を受信したことに応じて、顔情報DB2402において、削除要求に含まれるチケットIDに対応付けられた顔情報を削除する(S55)。
【0102】
削除要求に応じてチケット管理システム20aの顔情報DB2402に登録された顔情報を削除することにより、会員情報管理システム10aがチケット管理システム20aに共有する顔情報を必要最低限に抑えることができる。
【0103】
尚、S51に示す会員情報管理システム10aの顔情報(マスタ)の削除は、S55に示すチケット管理システム20aの顔情報の削除の後に行われてもよい。例えば第1登録部1031は、顔認証サーバ24の第2登録部2431から削除完了通知を受信したことに応じて、会員DB1002において、会員IDに対応付けられた顔情報を削除してよい。
【0104】
次に会員がチケットを利用する場合のチケット管理処理について説明する。
図11は、実施形態2にかかるチケット利用時のチケット管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず認証端末26のカメラ264は、入退場ゲートに人物が近づいた人物を撮影する(S60)。これにより取得部2631は認証用の撮影画像を取得する。次に認証要求部2632は、撮影画像の顔領域についての顔認証要求を顔認証サーバ24に送信する(S61)。顔認証要求には撮影画像が含まれる。具体的には、認証端末26のカメラ264は常時入退場ゲート付近を撮影しており、撮影画像に顔が含まれていることを検知したことに応じて、撮影画像を顔認証サーバ24に送信する。
【0105】
顔認証サーバ24の認証部2432は、顔認証要求を受信したことに応じて、顔照合を行う(S62)。具体的には認証部2432は、撮影画像から顔領域を検出し、顔領域から特徴点を抽出し、特徴点に基づいて顔情報を生成する。そして認証部2432は、取得した顔情報を、顔情報DB2402に登録された顔情報と照合する。ここで顔情報が一致した、つまり顔情報の一致度が所定値以上であったとする。この場合、認証部2432は、顔情報が一致した会員が有するチケットIDを特定し(S63)、顔認証に成功した旨とチケットIDとを顔認証結果として認証端末26に返信する(S64)。尚、一致する顔情報が顔情報DB2402に登録されていない場合は、認証部2432は、顔認証に失敗した旨を顔認証結果として認証端末26に返信してよい。
【0106】
次に認証端末26の判定部2633は、顔認証に成功した旨の顔認証結果を受信したことに応じて、顔認証結果に含まれるチケットIDを用いて顔認証に成功した会員のチケットの有効性を発券サーバ22に問い合わせる(S65)。
【0107】
問合せを受けた発券サーバ22の管理部2232は、チケット情報DB2202を参照し、チケットIDに対応付けられたチケットの属性情報を読み出し、有効性を判定する(S66)。例えばチケットが有効期限切れである場合、会員が入場資格を有していない場合、又はチケットの乗車区間が認証端末26の入退場ゲートから入場可能な区間ではない場合、管理部2232はチケットが無効であると判定する。一方チケットが有効期限内であり、会員が入場資格を満たしており、乗車区間が認証端末26の入退場ゲートから入場可能な区間である場合、管理部2232はチケットが有効であると判定する。本例ではチケットが有効であるとする。
【0108】
この場合、管理部2232は認証端末26の判定部2633に判定結果を送信する(S67)。これにより判定部2633は、チケットが有効であると判定する。そして開閉部2634は入退場ゲートを開放する(S68)。尚、認証端末26の開閉部2634は、判定部2633を介さずに、管理部2232からの判定結果の回答に基づいて入退場ゲートを開放又は閉鎖してもよい。この場合、S67において管理部2232は認証端末26の管理部2232に判定結果を送信してよい。
【0109】
上述の通りS60~S62において(1)撮影、(2)撮影画像内の人物検知、(3)特徴量抽出、(4)顔照合が行われるところ、(1)~(4)のうち認証端末26が担う範囲は様々であってよい。例えば認証端末26は(1)のみを担ってよいし、(1)~(3)を担ってもよい。また顔認証サーバ24から顔情報とチケットIDのセットを認証端末26に配布することで、認証端末26が(1)~(4)までを行ってもよい。
【0110】
尚、S65~S67において、認証端末26が発券サーバ22にチケットの有効性の問合せを行い、発券サーバ22から直接判定結果を取得した。しかしこれに代えて、顔認証サーバ24が発券サーバ22にチケットの有効性の問合せを行い、発券サーバ22から取得した判定結果を認証端末26に通知してもよい。
【0111】
このようにチケット管理システム20aは、顔認証に加えてチケットの有効性を確認することで、入退場ゲートを訪問した人物が入退場可能な人物かを判定する。したがってチケットが無効であるにも関わらず人物を入退場させる事態を回避できる。尚、チケット情報を扱う発券サーバ22と顔情報を扱う顔認証サーバ24の運営主体や管理者が異なる場合や、互いに共有できる情報が制限されている場合であっても、上述の例のように都度有効性を問合せることで、容易に有効性を判定できる。
【0112】
<実施形態3>
尚、1の会員情報管理システムに対して複数のチケット管理システムが存在してもよい。実施形態3では、会員情報管理システムは主システムとして機能し、各チケット管理システムは副システムとして機能してよい。
【0113】
図12は、実施形態3にかかる会員システム1bの全体構成を示すブロック図である。会員システム1bは、会員情報管理システム10aと、第1チケット管理システム20a-1と、第2チケット管理システム20a-2と、会員端末30とを備える。
【0114】
実施形態3の会員情報管理システム10aは、実施形態2の会員情報管理システム10aと同様の構成を有する。また実施形態3の第1及び第2チケット管理システム20a-1,20a-2の各々は、実施形態2のチケット管理システム20aと同様の構成を有する。但し第1及び第2チケット管理システム20a-1,20a-2は、互いに独立したシステムであってよい。例えば第1及び第2チケット管理システム20a-1,20a-2は、扱うチケットの種別が互いに異なるか、運営主体や管理者が互いに異なってよい。
【0115】
会員システム1bにおいては、顔情報は、会員情報管理システム10aを起点として、会員のチケット購入に応じてそのチケットを管理する副システムに自動で共有される。したがって会員は各副システムに顔情報を登録する必要はない。これにより会員システム1bは、副システムの数を増やしても、顔情報の登録負担の軽減効果を得ることが可能となる。
【0116】
尚、本開示は、任意の処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することが可能である。
【0117】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0118】
尚、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば実施形態2では、チケット管理システム20aが複数の装置(つまり発券サーバ22、顔認証サーバ24及び認証端末26)を含んでいたが、チケット管理システム20aは1つの装置で構成されていてもよい。また実施形態1~3では、会員情報管理システム10,10a及びチケット管理システム20,20aが互いに独立した異なるシステムであったが、同一の管理者が運営する1つのシステムであってもよい。
【0119】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースを有する会員情報管理システムと、
チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有する、チケット管理システムと
を備え、
前記会員情報管理システムは、
会員がチケットを購入すると、前記会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す読出手段と、
前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を、前記チケット管理システムに送信する登録要求手段と
を有する
会員システム。
(付記2)
前記会員情報管理システムは、会員が購入したチケットの有効期限を管理する管理手段を備え、
前記登録要求手段は、チケットの有効期限が経過したことに応じて、前記チケットを購入した会員の生体情報を前記チケットデータベースから削除するように前記チケット管理システムに要求する
付記1に記載の会員システム。
(付記3)
前記会員情報管理システムは、
会員毎に、前記チケットデータベースに生体情報が登録されているかを記録する記録手段と、
会員が使用する会員端末から生体情報の更新要求を受信したことに応じて、前記会員データベースに登録された前記会員の生体情報を更新する第1登録手段と
を備え、
前記登録要求手段は、更新要求元の前記会員が前記チケットデータベースに生体情報が登録されていると記録されている会員である場合、前記チケットデータベースに登録されている前記会員の生体情報を前記更新にかかる生体情報に更新するように前記チケット管理システムに要求する
付記1又は2に記載の会員システム。
(付記4)
前記第1登録手段は、会員が使用する会員端末から、退会又は生体情報の利用停止にかかる要求を受信したことに応じて、前記会員データベースに登録された前記会員の生体情報を削除し、
前記登録要求手段は、要求元の前記会員が前記チケットデータベースに生体情報が登録されていると記録されている会員である場合、前記チケットデータベースに登録されている前記会員の生体情報を削除するように前記チケット管理システムに要求する
付記3に記載の会員システム。
(付記5)
前記チケット管理システムは、前記会員情報管理システムから前記登録要求を受信したことに応じて、前記登録要求に含まれる生体情報を前記購入したチケットのチケットIDに対応付けて前記チケットデータベースに登録する第2登録手段を備える
付記1から4のいずれか一項に記載の会員システム。
(付記6)
前記チケット管理システムは、
認証対象者の生体情報を取得する取得手段と、
前記チケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行う認証手段と、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、前記チケットIDを用いて生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する判定手段と
を有する
付記1から5のいずれか一項に記載の会員システム。
(付記7)
会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースと、
会員がチケットを購入すると、前記会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す読出手段と、
チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有する、チケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する登録要求手段と
を備える会員情報管理システム。
(付記8)
会員が購入したチケットの有効期限を管理する管理手段を備え、
前記登録要求手段は、チケットの有効期限が経過したことに応じて、前記チケットを購入した会員の生体情報を前記チケットデータベースから削除するように前記チケット管理システムに要求する
付記7に記載の会員情報管理システム。
(付記9)
会員がチケットを購入すると、会員情報管理システムが備える会員データベースであって、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出し、
チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有するチケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する
会員情報管理方法。
(付記10)
会員がチケットを購入すると、会員情報管理システムが備える会員データベースであって、会員の生体情報と会員IDとを対応付けて記憶する会員データベースにおいて、前記チケットを購入した会員の会員IDに対応付けられた生体情報を読み出す機能と、
チケットを発券するチケット管理システムであって、発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースを有するチケット管理システムに、前記生体情報と前記購入したチケットのチケットIDとを関連付けた登録要求を送信する機能と
をコンピュータに実現させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記11)
認証対象者の生体情報を取得する取得手段と、
発券したチケットを購入した会員の生体情報と前記チケットのチケットIDとを対応付けて記憶するチケットデータベースに登録される生体情報を用いて、取得した前記生体情報について生体認証を行う認証手段と、
前記生体認証に成功した場合、前記チケットデータベースから前記生体認証にかかるチケットIDを読み出し、前記チケットIDを用いて生体認証に成功した会員のチケットが有効であるかを判定する判定手段と
を備えるチケット管理システム。
(付記12)
会員情報管理システムからチケットを購入した会員の生体情報の登録要求を受信したことに応じて、前記登録要求に含まれる生体情報を前記購入したチケットのチケットIDに対応付けて前記チケットデータベースに登録する第2登録手段を備える
付記11に記載のチケット管理システム。
【符号の説明】
【0120】
1,1a 会員システム
10,10a 会員情報管理システム
11 会員DB
12 読出部
13 登録要求部
20,20a チケット管理システム
21 チケットDB
22 発券サーバ
24 顔認証サーバ
26 認証端末
30 会員端末
100 記憶部
1001 プログラム
1002 会員DB
1003 登録履歴
101 メモリ
102 通信部
103 制御部
1031 第1登録部
1032 決済部
1033 読出部
1034 登録要求部
1035 管理部
220 記憶部
2201 プログラム
2202 チケット情報DB
221 メモリ
222 通信部
223 制御部
2231 発券部
2232 管理部
240 記憶部
2401 プログラム
2402 顔情報DB
241 メモリ
242 通信部
243 制御部
2431 第2登録部
2432 認証部
260 記憶部
2601 プログラム
261 メモリ
262 通信部
263 制御部
2631 取得部
2632 認証要求部
2633 判定部
2634 開閉部
264 カメラ
310 カメラ
320 記憶部
330 通信部
340 表示部
350 入力部
360 制御部