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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181986
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】半導体素子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301X
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095039
(22)【出願日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0071639
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0063664
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596180076
【氏名又は名称】韓國電子通信研究院
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】218,Gajeong-ro Yuseong-gu Daejeon 34129,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】キム、サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ドンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジナ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョンウ
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ワンジュ
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA40
5F140BA01
5F140BB05
5F140BB06
5F140BC12
5F140BD07
5F140BD11
5F140BD13
5F140BE09
5F140BF01
5F140BF05
5F140BF07
5F140BF42
5F140BG27
5F140BG36
5F140BH27
5F140BK18
5F140CB04
5F140CC03
5F140CC11
5F140CC12
5F140CE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チャネル積層型GAA-FET素子の製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、基板上にシリコンゲルマニウム層と、シリコン層とが交互に積層された交互層110を形成するステップと、基板上に突出したフィン構造を形成するように交互層をパターニング及びエッチングした後、フィン構造を有する交互層の表面及び側壁上にシリコン窒化膜112を形成するステップと、シリコン窒化膜を挟んで交互層上にダミーゲート113とシリコン酸化膜114とを順次に形成した後、ダミーゲートの側壁にゲートスペーサ115を形成するステップと、上部に露出するシリコン窒化膜をエッチングした後、シリコン酸化膜をハードマスクとして用いて交互層をエッチングするステップと、エッチングされた交互層のシリコン層及びシリコンゲルマニウム層のうちシリコンゲルマニウム層の側壁に内部スペーサを選択的に形成するステップと、を含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子の製造方法において、前記製造方法は、
基板上にシリコンゲルマニウム層とシリコン層とが交互に積層された交互層(alternating layers)を形成するステップ(図2)と、
前記基板上に突出したフィン(Fin)構造を形成するように前記交互層をパターニングおよびエッチングした後、前記フィン構造を有する前記交互層の表面および側壁上にシリコン窒化膜を形成するステップと、
前記シリコン窒化膜を挟んで前記交互層上にダミーゲート(dummy gate)とシリコン酸化膜とを順次に形成した後、前記ダミーゲートの側壁にゲートスペーサを形成するステップと、
上部に露出する前記シリコン窒化膜をエッチングした後、前記シリコン酸化膜をハードマスクとして用いて前記交互層をエッチングするステップと、
前記エッチングされた交互層のシリコン層およびシリコンゲルマニウム層のうち前記シリコンゲルマニウム層の側壁に内部スペーサ(inner spacer)を選択的に形成するステップとを含む半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記交互層を形成するステップは、
エピタキシャル成長(epitaxial growth)工程により、第1温度で前記シリコンゲルマニウム層と前記シリコン層とを順次に成長させるステップと、
前記シリコンゲルマニウム層と前記シリコン層とを、前記第1温度より低い第2温度に冷却させるステップと、
前記エピタキシャル成長工程により、前記第1温度で前記シリコン層上に他のシリコンゲルマニウム層と他のシリコン層とを順次に成長させるステップと、
前記冷却工程により、前記他のシリコンゲルマニウム層と前記他のシリコン層とを前記第2温度に冷却させるステップと
を含む、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1温度は、500℃~800℃であり、前記第2温度は、300℃~400℃である、請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記シリコン窒化膜は、後続工程でゲート電極とソース/ドレインとの間の短絡を遮断する機能を有する、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記ゲートスペーサを形成するステップは、
熱酸化工程(thermal oxidation process)により、前記ダミーゲートの側壁にゲートスペーサを形成するステップである、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記内部スペーサを形成するステップ(図12および13)は、
前記エッチングされた交互層のシリコンゲルマニウム層およびシリコン層の側壁にシリコン酸化膜を形成するステップと、
前記シリコン層の側壁が露出するまで前記シリコン酸化膜をエッチングするステップと、
前記シリコン層の側壁が露出した状態で、前記シリコンゲルマニウム層の側壁に残っている前記シリコン酸化膜を前記内部スペーサとして形成するステップと
を含む、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記シリコンゲルマニウム層およびシリコン層の側壁にシリコン酸化膜を形成するステップは、
熱酸化工程(thermal oxidation process)により、前記シリコンゲルマニウム層およびシリコン層の側壁に前記シリコン酸化膜を成長させるステップである、請求項6に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記シリコンゲルマニウム層およびシリコン層の側壁にシリコン酸化膜を形成するステップは、
湿式酸化(wet oxidation)工程により、前記シリコンゲルマニウム層およびシリコン層の側壁に前記シリコン酸化膜を成長させるステップである、請求項6に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
前記シリコンゲルマニウム層の側壁に形成された前記シリコン酸化膜は、前記シリコンゲルマニウム層の中心方向に第1幅に成長し、前記シリコン層の側壁に形成された前記シリコン酸化膜は、前記シリコン層の中心方向に前記第1幅より小さい第2幅に成長する、請求項8に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項10】
前記湿式酸化工程は、800℃以下で行われ、好ましくは、700℃~800℃で行われる、請求項8に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項11】
前記シリコン酸化膜をエッチングするステップは、
ウェットエッチング工程により、前記シリコン酸化膜をエッチングするステップである、請求項6に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
前記シリコン層の側壁が露出するまで前記シリコン酸化膜をエッチングするステップにおいて、前記シリコン窒化膜と前記シリコン酸化膜のエッチング選択比(etching selectivity)によって、前記シリコン窒化膜はほとんどエッチングされず、前記エッチングされないシリコン窒化膜の両端部は、前記シリコン層の側壁を基準として突出する、請求項6に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項13】
前記突出したシリコン窒化膜の両端部は、後続工程で形成されるゲート電極とソース/ドレインとの間の短絡を防止する絶縁体として用いられる、請求項12に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項14】
前記内部スペーサ(inner spacer)を形成するステップにおいて、前記内部スペーサは、犠牲層(sacrificial layer)として用いられる前記シリコンゲルマニウム層を除去する後続工程により形成される前記シリコン層間の空間を支持する構造体として役割を果たす、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項15】
前記内部スペーサ(inner spacer)を形成するステップにおいて、前記内部スペーサは、前記交互層に含まれたシリコン層であって、チャネル層として用いられる前記シリコン層によるチャネル長を決定する構造体として役割を果たす、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項16】
前記内部スペーサ(inner spacer)を選択的に形成するステップの後、
前記シリコン層と前記基板をシード層として用いてソース/ドレインを形成するステップと、
前記ソース/ドレインと前記ダミーゲートとを覆うシリコン酸化膜を形成するステップと、
前記ダミーゲートの表面が露出するように前記シリコン酸化膜を研磨(polishing)するステップと、
前記露出したダミーゲートを除去するステップと、
前記ダミーゲートの除去によって露出する前記シリコン窒化膜を除去するステップと、
前記シリコン層の間に形成された前記シリコンゲルマニウム層を選択的に除去するステップと、
前記シリコン酸化膜の表面上に、前記ダミーゲートの除去によって露出する前記シリコン酸化膜の側壁上に、および前記シリコンゲルマニウム層の除去によって露出する前記シリコン層それぞれのすべての面上にゲート誘電体層を形成するステップと、
前記ゲート誘電体層上にゲート電極を形成するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項17】
前記シリコン窒化膜をエッチングして除去するステップにおいて、前記シリコン酸化膜によって、前記シリコン酸化膜の内部に突出した前記シリコン窒化膜の両端部は除去されない、請求項16に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項18】
前記シリコン窒化膜の両端部は、
前記ゲート電極と前記ソース/ドレインとの間の間隔を維持する役割を果たす、請求項17に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項19】
前記シリコン窒化膜の両端部は、
前記ゲート電極と前記ソース/ドレインとの間の短絡を防止する絶縁体として役割を果たす、請求項17に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項20】
基板と、
前記基板上に配置された複数のソース/ドレインと、
前記基板上に配置され、チャネル層として役割を果たすシリコン層であって、隣接した前記ソース/ドレインの間に積層された前記シリコン層と、
前記シリコン層の上部および前記シリコン層の間に形成された空間に配置されるゲート電極と、
前記空間を支持する内部スペーサと、
前記シリコン層の上部に配置された前記ゲート電極と前記ソース/ドレインとの間の短絡を遮断する絶縁体と
を含む半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子およびその製造方法に関し、より詳しくは、ゲート-オール-アラウンド(Gate-All-Around:GAA)電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)で設計された半導体素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平面構造の半導体素子が有する構造的限界を克服するために、立体構造のFin-FET技術が導入された。Fin-FETは、ヒレ(Fin)とFETとの合成語であって、ゲートがチャネルの一部面(例、3面)を取り囲む構造を有する。このような構造によりゲートとチャネルとの間の接点面積が増加するため、素子の大きさの増加なしに、動作速度と生産性を向上させ、消費電力を低減することができる。また、Fin-FET技術は、CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)の大きさの調節を容易にする。
【0003】
CMOSアーキテクチャとファウンドリーの面から、Fin-FET技術は、さらに改善されたゲートオールアラウンド(Gate All Around;GAA)-FET技術へ進化しつつある。GAA-FETは、ゲートがチャネルの全面(例、4面)を取り囲む構造であって、接点面積がFin-FETに比べてより増加するため、Fin-FET技術に比べて大きさが小さくなりながらもより優れた電流駆動能力を提供し、電源オフ状態でリーク電流を著しく低減できるという利点を提供する。
【0004】
このようなGAA-FET素子の製造は極めて難しく、特に、数十ナノメートル以下の厚さを有するチャネルが積層されたGAA-FET素子の製造では超高難度工程が必要であるが、依然としてこれに関する研究開発は不十分であるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開番号:10-2016-0099445(公開日:2016年8月22日、発明の名称:積層型ゲートオールアラウンドFINFETおよびその形成方法{TACKED GATE-ALL-AROUND FINFET AND METHOD FORMING THE SAME})
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した問題点を解決するための本発明は、半導体素子の製造方法であって、より詳しくは、超高難度工程を必要とするチャネル積層型GAA-FET素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するための、本発明の一態様による半導体素子の製造方法は、基板上にシリコンゲルマニウム層とシリコン層とが交互に積層された交互層(alternating layers)を形成するステップと、前記基板上に突出したフィン(Fin)構造を形成するように前記交互層をパターニングおよびエッチングした後、前記フィン構造を有する前記交互層の表面および側壁上にシリコン窒化膜を形成するステップと、前記シリコン窒化膜を挟んで前記交互層上にダミーゲート(dummy gate)とシリコン酸化膜とを順次に形成した後、前記ダミーゲートの側壁にゲートスペーサを形成するステップと、上部に露出する前記シリコン窒化膜をエッチングした後、前記シリコン酸化膜をハードマスクとして用いて前記交互層をエッチングするステップと、前記エッチングされた交互層のシリコン層およびシリコンゲルマニウム層のうち前記シリコンゲルマニウム層の側壁に内部スペーサ(inner spacer)を選択的に形成するステップとを含む。
【0008】
本発明の他の態様による半導体素子は、基板上に配置された複数のソース/ドレインと、前記基板上に配置され、チャネル層として役割を果たすシリコン層であって、隣接した前記ソース/ドレインの間に積層された前記シリコン層と、前記シリコン層の上部および前記シリコン層の間に形成された空間に配置されるゲート電極と、前記空間を支持する内部スペーサと、前記シリコン層の上部に配置された前記ゲート電極と前記ソース/ドレインとの間の短絡を遮断する絶縁体とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、犠牲層として用いられるシリコンゲルマニウム層と、チャネル層として用いられるシリコン層とを繰り返し成長する過程で発生する応力を低減するための方法として低温繰り返し冷却工程を用いることにより、欠陥のない単結晶シリコン層(single crystal silicon layer)を積層することができる。これによって、チャネル層として用いられるシリコン層の積層個数を増やすことができ、駆動電流を向上させ、リーク電流を低減することができる。
【0010】
また、犠牲層(Sacrificial Layer)として用いられるシリコンゲルマニウム層の両側壁に内部スペーサ(inner spacer)を形成することにより、シリコンゲルマニウム層の除去によって形成されるシリコン層間の空間を支持することができる。
【0011】
また、前記内部スペーサを熱酸化工程により容易に形成することにより、チャネル長(Channel Length)を容易に調節することができる。
【0012】
さらに、熱酸化工程によるゲルマニウムの凝縮現象によってシリコンゲルマニウム層のモル分率が増加し、これによってシリコンゲルマニウム層を選択的に容易にエッチングすることができる。
【0013】
なお、シリコン層の上部に形成されるシリコン窒化膜を除去する過程でシリコン窒化膜が完全に除去されず、シリコン窒化膜の両端部が維持されることにより、前記シリコン窒化膜の両端部によってゲート電極とソース/ドレインとの間の短絡を容易に遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例による半導体素子の3次元構造を示す斜視図である。
図2図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図3図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図4図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図5図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図6図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図7図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図8図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図9図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図10図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図11図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図12図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図13図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図14図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図15図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図16図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図17図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図18図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図19図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図20図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図21図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
図22図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、単に本実施例は本発明の開示が完全となるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全文にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
【0016】
本明細書において、層または膜などのある物質膜が他の物質膜または基板「上」にあると言及された場合に、そのある物質膜は他の物質膜または基板上に直接形成されるか、またはそれらの間にさらに他の物質膜が介在してもよいことを意味する。
【0017】
また、本明細書の多様な実施例において、第1、第2、第3などの用語が物質膜または工程段階を記述するために使われたが、これは単にある特定の物質膜または工程段階を他の物質膜または他の工程段階と区別させるために使われただけであり、これらの用語によって限定されてはならない。
【0018】
本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0019】
また、本明細書で記述する実施例は、本発明の理想的な例示図である斜視図および/または断面図を参照して説明される。図面において、膜および領域の厚さは技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。よって、製造技術および/または許容誤差などによって例示図の形態が変形可能である。したがって、本発明の実施例は、図示の特定の形態に制限されるのではなく、製造工程によって生成される形態の変化も含む。例えば、直角で示されたエッチング領域は、ラウンドまたは所定の曲率を有する形態であってもよい。したがって、図面に例示された領域は概略的な属性を有し、図面に例示された領域の形状は素子の領域の特定の形態を例示するためのものであり、発明の範疇を制限するためのものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施例による半導体素子の3次元構造を示す斜視図である。
【0021】
図1を参照すれば、本発明の実施例による半導体素子は、fin-FET素子から進化したチャネル積層型GAA(Gate-All-Around)-FET素子であってもよい。
【0022】
GAA-FET素子で設計された前記半導体素子は、基板101と、前記基板101上に配置された複数のソース/ドレイン117と、前記基板101上に配置されるチャネル層(channel layers)として隣接した前記ソース/ドレイン117の間に積層された複数のシリコン層103、105、107、109と、前記シリコン層103、105、107、109の上部および前記シリコン層(silicon layers)103、105、107、109の間に形成された空間に配置されるゲート電極120と、前記空間を支持する内部スペーサ(inner spacer)116’と、前記シリコン層103、105、107、109の上部に配置された前記ゲート電極120と前記ソース/ドレイン117との間の短絡を遮断(防止)する絶縁体(insulator)112とを含む。
【0023】
ゲート電極120は、前記シリコン層103、105、107、109の上部および前記シリコン層103、105、107、109の間に形成された空間に配置されることにより、チャネル層として用いられるシリコン層103、105、107、109を取り囲む構造で構成される。
【0024】
ゲート電極120は、隣接したソース/ドレイン117を共有することにより、GAA-FET素子で構成される。前記GAA-FET素子と他のGAA-FET素子は、素子分離(Shallow Trench Isolation;STI)膜(STI膜)111によって分離される。
【0025】
前記シリコン層103、105、107、109の間に形成された空間を支持する前記内部スペーサ116’は、シリコン酸化膜(silicon oxide film)(第3シリコン酸化膜)であってもよいし、前記ゲート電極120と前記ソース/ドレイン117との間の短絡を遮断する絶縁体112は、シリコン窒化膜(silicon nitride film)であってもよい。絶縁体112は、後述するエッチング工程により板状の薄膜から一字状の薄膜に加工される。
【0026】
一方、図1中、参照番号118は、基板101の全面を覆うシリコン酸化膜(第4シリコン酸化膜)であって、図1では、前記半導体素子の内部3次元構造を明確に示すために透明な構成で示した。図1中、参照番号119は、ゲート誘電体層である。ゲート誘電体層(gate dielectric layer)119は、ゲート電極120とチャネル層として用いられるシリコン層103、105、107、109との間に配置される。
【0027】
以下、図1に示された半導体素子の製造方法を、図2図22を参照して詳しく説明する。図1では、4つのシリコン層103、105、107、109を示しているが、図面の簡略化のために、図2図22では、3つのシリコン層103、105、107だけが示されることに留意しなければならない。
【0028】
図2図22は、図1に示された切断線A-A’およびB-B’に沿った断面図である。
【0029】
まず、図2を参照すれば、基板101上にシリコンゲルマニウム層(silicon germanium layer)102とシリコン層(silicon layer)103とが交互に積層された交互層(alternating layers)110を形成する工程が行われる。
【0030】
基板101は、シリコン、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウムなどを含む半導体基板であってもよい。また、基板101は、シリコン基板(silicon substrate)、Si-On-Insulator(SOI)基板を含み、p型あるいはn型であるか、真性シリコン基板(intrinsic silicon substrate)を含む。
【0031】
基板101上にシリコンゲルマニウム層102とシリコン層103とが連続して成長する。シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103は、数十ナノメートル以下の厚さを有する薄膜(thin film)であってもよい。例えば、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103の厚さは、約5nmと約8nmとの間の範囲であってもよい。シリコンゲルマニウム層102のゲルマニウムパーセンテージ(germanium percentage)(原子パーセンテージ:atomic percentage)は、約25パーセントと約35パーセントとの間の範囲内にあり得るが、これより高いか低いゲルマニウムパーセンテージが用いられる。
【0032】
シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103は、同一のチャンバで前記基板101をシード層(seed layer)とするエピタキシャル成長(epitaxial growth)工程により形成される。この場合、シリコンゲルマニウム層102は、SiGe(Si1-xGe;xは0~1)エピ層(epitaxial layer:epi layer)と称され、シリコン層103は、Siエピ層と称される。
【0033】
エピタキシャル成長(epitaxial growth)工程は、例えば、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)工程、ALD(Atomic layer deposition)工程またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)工程を含む。
【0034】
シリコンゲルマニウム層102は、後続工程で選択的にエッチングされる犠牲層(Sacrificial Layer)として用いられ、シリコン層103は、GAA-FET素子のチャネル層として用いられる。この場合、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103との繰り返し成長回数は、GAA-FET素子のチャネル層の個数と同一である。チャネル層として用いられるシリコン層103は、半導体層(semiconductor layer)と称されることもある。
【0035】
シリコンとゲルマニウムの格子定数(lattice constant)の差は約4.3%程度である。これによって、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103との繰り返し成長時に応力(stress)が発生する。この状態で、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103が臨界厚さを超えると、累積された歪みエネルギー(strain energy)を放出して応力が緩和される。この過程で、界面転位(interfacial dislocation)が生成され、素子の性能が低下し、リーク電流が発生する。
【0036】
シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103との繰り返し成長回数は増加するほど、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103に印加される応力が大きくなり、転位密度が増加する。これによって、GAA-FET素子のシリコンチャネルの数が制限される問題が発生する。
【0037】
このような問題を解決するために、本実施例では、シリコンゲルマニウム層102とシリコン層103との繰り返し成長時に発生する応力を低減するための方法として、低温繰り返し冷却工程(low-termperature recurring cooling process)が提案される。
【0038】
低温繰り返し冷却工程は、第1温度でシリコンゲルマニウム層102とシリコン層103とを連続して成長した後、前記成長したシリコンゲルマニウム層102とシリコン層103を前記第1温度より低い第2温度に冷却させ、再度、前記第1温度で他のシリコンゲルマニウム層104と他のシリコン層105とを連続して成長させる工程である。すなわち、低温繰り返し冷却工程は、シリコンゲルマニウム層とシリコン層の成長と冷却を繰り返すことを意味する。
【0039】
このような低温繰り返し冷却工程は、シリコンとゲルマニウムの熱膨張係数の差を利用したもので、SiGeとシリコンとの間の応力を緩和するのに効果がある。ここで、成長温度である前記第1温度は、例えば、500℃~800℃であり、冷却温度である前記第2温度は、例えば、300℃~400℃であってもよい。
【0040】
シリコンゲルマニウム層とシリコン層の成長は、ランプヒーティング(lamp heating)による輻射熱(radiant heat)を利用するCVD工程で行うことが好ましく、ランプヒーティングにより急速冷却および急速加熱が可能である。
【0041】
SiGeとシリコンの成長が、CVD工程ではない、ALD工程やMBE工程により行われる場合、エピ成長が完了した後、RTA(Rapid thermal annealing)装置により急速冷却および急速加熱が可能である。
【0042】
このように、本発明では、シリコンゲルマニウム層とシリコン層との繰り返し成長時に発生する応力を低減するために、低温繰り返し冷却工程を用いてシリコンゲルマニウム層とシリコン層とを繰り返し成長させることにより、欠陥のない単結晶シリコン層を積層することができ、また、シリコン層の積層個数を増やすことができる。これによって、駆動電流を向上させることができ、リーク電流を低減することができる。
【0043】
図2では、シリコンゲルマニウム層とシリコン層とを3回繰り返し成長した場合を示しているが、これに限定するものではない。したがって、シリコンゲルマニウム層とシリコン層との繰り返し成長回数は4回以上であってもよい。
【0044】
図3~6を参照すれば、前記基板101上に突出したフィン(Fin)構造を形成するように前記交互層110をパターニングおよびエッチングする工程(図3、4、5)を進行させた後、前記フィン構造を有する前記交互層110の表面および側壁上にシリコン窒化膜(silicon nitride film)を形成する工程(図6)が行われる。
【0045】
具体的には、図3を参照すれば、フィン構造は、前記交互層110をパターニングおよびエッチングしてトレンチ(trench)30を形成することにより達成できる。トレンチ30は、トレンチの位置を選定した後に行われるフォト(photolithography)工程、エッチング工程および前記フォト工程で生成されたフォトレジスト膜(photoresist film)を除去するアッシング(ashing)工程などを順次に進行させて形成される。
【0046】
次に、図4を参照すれば、前記交互層を覆うと同時に、前記トレンチ30に素子分離膜(Shallow Trench Isolation film:STI film)111を形成するSTI工程が行われる。
【0047】
STI工程は、前記トレンチ30に素子分離膜を満たすための蒸着工程と、前記素子分離膜111の表面段差を除去するための平坦化工程(Chemical Mechanical Polishing:CMP)とを含む。蒸着工程は、CVD、Atomospheric Pressure CVD(APCVD)、Low Pressure CVD(LPCVD)、Plasma Enhanced CVD(PECVD)、High DensityまたはPlasma CVDであってもよい。平坦化工程は、交互層110の表面が露出しない水準で素子分離膜111の表面段差を除去するように行われる。交互層110の表面は、交互層110内で最上段シリコン層107の表面である。素子分離膜111は、シリコン酸化膜(SiO)であってもよい。
【0048】
次に、図5を参照すれば、交互層110の側壁が露出するように素子分離膜111を除去する工程が行われる。このために、ウェットエッチング(wet etching)工程が利用できる。
【0049】
次に、図6を参照すれば、素子分離膜の表面、交互層110の表面と側壁および基板101の全面にシリコン窒化膜(SiあるいはSiN)112を形成する工程が行われる。シリコン窒化膜112は、CVD、APCVD、LPCVDまたはPECVDを含む蒸着工程により形成される。シリコン窒化膜112は、後続工程でゲート電極とソース/ドレインとの間の短絡を遮断する役割と、シリコン層103、105、107によるチャネル形成のための選択的エッチング工程において重要な役割として用いられる。
【0050】
図7~9を参照すれば、前記シリコン窒化膜112を挟んで前記交互層110上にダミーゲート(dummy gate)113と第1シリコン酸化膜114とを順次に形成した後(図7および8)、前記ダミーゲート113の側壁にゲートスペーサを形成する工程(図9)が行われる。
【0051】
具体的には、図7を参照すれば、シリコン窒化膜112の全面にダミーゲート113を形成する。したがって、シリコン窒化膜112を挟んで前記交互層110上にダミーゲート113が形成される。ダミーゲート113は、CVD、APCVD、LPCVDまたはPECVDを含む蒸着工程により形成される。ダミーゲート113は、ポリシリコン(Poly silicon:Poly-Si)、シリコンゲルマニウム(Silicon Germanium:SiGe)、非晶質シリコン(Amorphous Silicon)であってもよいし、第1シリコン酸化膜114に対して高いエッチング選択比(etching selectivity)を有する他の物質であってもよい。次に、ダミーゲート113の全面に第1シリコン酸化膜114が形成される。第1シリコン酸化膜114は、CVD、APCVD、LPCVDまたはPECVDを含む蒸着工程により形成される。
【0052】
次に、図8を参照すれば、シリコン層103、105、107においてチャネル層として用いられる領域を除いた残りの領域に対応するダミーゲート113と第1シリコン酸化膜114をエッチングする工程が行われる。前記残りの領域に対応するダミーゲート113と第1シリコン酸化膜114は、例えば、フォトリソグラフィ工程およびドライエッチング工程によりエッチングされる。切断線A-A’の視点から眺めたダミーゲート113と第1シリコン酸化膜114のエッチング幅Wは、切断線B-B’の視点から眺めたダミーゲート113と第1シリコン酸化膜114のエッチング幅Wより大きく設定される。
【0053】
次に、図9を参照すれば、図8のエッチング工程により露出するダミーゲート113の側壁にゲートスペーサ115を形成する工程が行われる。ゲートスペーサ115は、例えば、熱酸化工程(thermal oxidation process)により形成される。ゲートスペーサ115は、シリコン酸化膜であってもよい。ゲートスペーサ115であるシリコン酸化膜は、ダミーゲート113上に形成された第1シリコン酸化膜114と区分するために第2シリコン酸化膜と称される。ゲートスペーサ115の幅は、シリコン層103、105、107のチャネル幅を考慮して設定可能である。
【0054】
図10および11を参照すれば、ダミーゲート113の側壁にゲートスペーサ115を形成した後、上部に露出するシリコン窒化膜112を選択的にエッチングした後(図10)、ダミーゲート113上に形成された第1シリコン酸化膜114をハードマスク(hard mask)として用いて前記交互層110をエッチングする工程(図11)が行われる(図11)。
【0055】
図10中、シリコン窒化膜112は、例えば、ドライまたはウェットエッチング工程によりエッチングされ、好ましくは、ドライエッチング工程によりエッチングされ、シリコン窒化膜112のエッチングにより交互層110の一部表面が上部に露出する。交互層110の一部表面は、最上段に配置されたシリコン層107の一部表面を意味する。
【0056】
図11中、フォトリソグラフィ工程なしに、ダミーゲート113上に形成された第1シリコン酸化膜114をハードマスクとして用いて前記交互層110をエッチングする工程が行われる。この時、ダミーゲート113の側壁に形成された第2シリコン酸化膜であるゲートスペーサ115も、ハードマスクとして用いられる。これによって、前記交互層110のエッチング時に、前記ダミーゲート113の側壁は露出しない。
【0057】
図12および13を参照すれば、前記エッチングされた交互層110のシリコン層103、105、107およびシリコンゲルマニウム層102、104、106のうち前記シリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に内部スペーサ(inner spacer)116’を選択的に形成する工程が行われる。
【0058】
具体的には、図12を参照すれば、前記エッチングされた交互層110のシリコンゲルマニウム層102、104および106とシリコン層103、105、107の側壁にシリコン酸化膜116を形成する工程が行われる。この時、同一の工程で基板101上にもシリコン酸化膜116が形成される。用語の区分のために、シリコンゲルマニウム層102、104および106とシリコン層103、105、107の側壁および基板101上に形成されたシリコン酸化膜を「第3シリコン酸化膜」と称する。
【0059】
第3シリコン酸化膜116は、熱酸化工程(thermal oxidation process)により形成される。熱酸化工程は、湿式酸化(Wet Oxidation)工程または乾式酸化(Dry Oxidation)工程であってもよいし、好ましくは、湿式酸化工程であってもよい。湿式酸化工程は、例えば、シリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106の幅を精密に調節するために、800℃以下で行われ、好ましくは、700℃~800℃で行われる。
【0060】
乾式酸化工程では、シリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106との間の酸化速度の差がほとんどない。しかし、湿式酸化工程では、シリコンゲルマニウム層102、104、106の酸化速度がシリコン層103、105、107の酸化速度に比べて高い。これはシリコンゲルマニウム層102、104、106に含まれたゲルマニウム成分に起因し、ゲルマニウムのモル分率(mole fraction)が高いほど、第3シリコン酸化膜116の成長速度は増加する。シリコンゲルマニウム層の酸化工程において、ゲルマニウム成分は、酸化過程に参加しない。これによって、ゲルマニウム成分は、シリコンゲルマニウム層内で凝縮され、酸化工程が進行するにつれ、シリコンゲルマニウム層のゲルマニウムのモル分率は増加する。
【0061】
これによって、同一の時間で前記シリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に形成された前記第3シリコン酸化膜116は、前記シリコンゲルマニウム層102、104、106の中心方向に第1幅Wに成長し、前記シリコン層103、105、107の側壁に形成された前記第3シリコン酸化膜116は、前記シリコン層103、105、107の中心方向に前記第1幅Wより短い第2幅Wに成長する。
【0062】
湿式酸化工程では、シリコン層103、105、106の側壁に成長する第3シリコン酸化膜116の成長速度と、シリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に成長する第3シリコン酸化膜116の成長速度とは異なるが、各シリコン酸化膜116は、非常に正確な幅に形成される。したがって、湿式酸化工程は、シリコン酸化膜116が成長した後、残っているシリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106の幅を精密に調節するという面から、乾式酸化工程より有利である。また、湿式酸化工程は、ゲルマニウムの拡散によってシリコン層とシリコンゲルマニウム層との間の境界が曖昧になる現象を防止できるという面から、乾式酸化工程より有利である。
【0063】
図13を参照すれば、第3シリコン酸化膜116がシリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に互いに異なる幅に成長すれば、シリコン層103、105、107の側壁が露出するまで第3シリコン酸化膜116をエッチングする工程が行われる。すなわち、第3シリコン酸化膜116のエッチング工程は、シリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に形成された第3シリコン酸化膜が残っている状態で中止される。ここで、前記シリコン層103、105、107の側壁が露出した状態で、前記シリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に残っている前記第3シリコン酸化膜116が前記内部スペーサ116’になる。
【0064】
シリコン層103、105、106の側壁が露出するまで行われる第3シリコン酸化膜116のエッチング工程は、例えば、ドライエッチング工程またはウェットエッチング工程であってもよいし、好ましくは、ウェットエッチング工程であってもよい。
【0065】
第3シリコン酸化膜116のエッチング工程は、ダミーゲート113の側壁に形成された第2シリコン酸化膜であるゲートスペーサ115が完全に除去されない水準で行われる。また、第3シリコン酸化膜116のエッチング工程は、ダミーゲート113上に形成された第1シリコン酸化膜114も完全に除去されない水準で行われる。
【0066】
内部スペーサ(inner spacer)116’は、犠牲層(sacrificial layer)として用いられるシリコンゲルマニウム層102、104、106を除去する後続工程で、シリコン層103、105、107によるチャネル長(Channel Length)を決定する。
【0067】
また、内部スペーサ116’は、チャネル層として用いられるシリコン層103、105、107を支持する役割を果たす。すなわち、内部スペーサ116’は、前記シリコンゲルマニウム層102、104、106を除去する後続工程(図19)により形成されるシリコン層間の空間(図19の19)を支持する構造体として用いられる。
【0068】
一方、シリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106の側壁に形成された第3シリコン酸化膜116のエッチング工程で、シリコン窒化膜112は、第1シリコン酸化膜114および第3シリコン酸化膜116に対する高いエッチング選択比によってほとんどエッチングされない。これによって、切断線A-Aの視点から眺めると、前記エッチングされないシリコン窒化膜112の両端部13は、前記シリコン層103、105、107の側壁を基準として突出する。前記突出したシリコン窒化膜の両端部13は、後続工程で形成されるゲート電極とソース/ドレインとの間の短絡を防止(遮断)する絶縁体として用いられる。
【0069】
図14を参照すれば、前記内部スペーサ116’を形成した後、シリコン層103、105、107とシリコンゲルマニウム層102、104、106とを含む交互層の両側に、前記シリコン層103、105、107とシリコン材質の基板101をシード層(seed layer)として用いてソース/ドレイン(Source/Drain:S/D)117を形成する工程が行われる。
【0070】
ソース/ドレイン117は、選択的エピタキシャル成長(selective epitaxial growth)工程により形成される。選択的エピタキシャル成長工程は、例えば、素子タイプ(n型FETまたはp型FET)によって、n型不純物またはp型不純物をドーピングするイオン注入(Ion implantation)工程を含むことができる。
【0071】
ソース/ドレイン117を選択的に成長させるための物質は、例えば、シリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)および/またはシリコンカーバイド(Silicon Carbide:SiC)などが使用できる。また、本発明の実施例によるソース/ドレイン117は、シリコン層103、105、107とシリコン材質の基板101をシード層(seed layer)として用いるため、互いに異なる成長地点で成長を始めて出会う形態に成長する。したがって、ソース/ドレイン117は、多結晶形態に成長できる。
【0072】
図15を参照すれば、前記ソース/ドレインと前記ダミーゲート113とを覆うシリコン酸化膜118を形成する工程が行われる。前述した第1シリコン酸化膜114、ゲートスペーサ115として用いられる第2シリコン酸化膜および内部スペーサ116’として用いられる第3シリコン酸化膜と区分するために、前記シリコン酸化膜118は、第4シリコン酸化膜と称する。第4シリコン酸化膜118は、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)工程、CVD工程またはALD(Atomic Layer Deposition)工程などを含む蒸着工程により形成される。ここで、PVD工程は、熱蒸発法(thermal evaporation)、電子ビーム蒸発法(e-bean evaporation)、スパッタリング(sputtering)を含み、CVD工程は、thermal CVD、PE(Plasma Enhanced)CVD、AP(Atmospheric Pressure)CVD、LP(Low pressure)CVDなどを含む。
【0073】
図16を参照すれば、前記ダミーゲート113の表面が露出するように前記第4シリコン酸化膜118を研磨(polishing)する工程が行われる。第4シリコン酸化膜118は、CMP工程により研磨される。
【0074】
図17を参照すれば、前記露出したダミーゲート113を除去する工程が行われる。前記ダミーゲート113は、第4シリコン酸化膜118とシリコン窒化膜112に対して高いエッチング選択比を有するエッチング工程により除去される。エッチング工程は、例えば、ウェットエッチング工程またはドライエッチング工程であってもよい。
【0075】
図18を参照すれば、前記ダミーゲート113の除去によって上部に露出するシリコン窒化膜112を除去するエッチング工程が行われる。シリコン窒化膜112の除去は、第4シリコン酸化膜118に対して高いエッチング選択比を有するエッチング工程により行われる。この時、第4シリコン酸化膜118にカバーされるシリコン窒化膜112の両端部13は、第4シリコン酸化膜118によってエッチングされない。エッチング工程により除去されないシリコン窒化膜112の両端部13は、第4シリコン酸化膜118の内部に突出する。前記突出したシリコン窒化膜112の両端部13は、後続工程で形成されるゲート電極(図22の120)とソース/ドレイン117との間の間隔を維持する役割を果たすと同時に、ゲート電極(図22の120)とソース/ドレイン117との間の短絡を防止する絶縁体として役割を果たす。一方、シリコン窒化膜112を除去するためのエッチング工程は、例えば、ドライエッチング工程またはウェットエッチング工程であってもよい。ゲート電極(図22の120)とソース/ドレイン117との間の間隔を精密に制御するために、精密なエッチングに有利なドライエッチング工程を用いてシリコン窒化膜112を除去することが好ましい。
【0076】
図19を参照すれば、シリコン窒化膜112の除去が完了すれば、前記シリコン層103、105、107の間に形成された前記シリコンゲルマニウム層(図18の102、104、106)を選択的に除去する工程が行われる。前記シリコンゲルマニウム層(図18の102、104、106)の除去は、例えば、ドライエッチング工程またはウェットエッチング工程を含むエッチング工程により行われる。シリコンゲルマニウム層(図18の102、104、106)のエッチング工程は、切断線B-B’の視点から眺める時、シリコン層103、105、107の側壁と第4シリコン酸化膜118の側壁との間に形成された空間20を通して投入されるエッチング物質(例、エッチング液またはエッチング気体など)などによって行われる。
【0077】
図20を参照すれば、前記シリコンゲルマニウム層(図18の102、104、106)の除去が完了すれば、前記第4シリコン酸化膜118、前記シリコンゲルマニウム層(図18の102、104、106)の除去によって露出する前記シリコン層103、105、107のすべての面および内部スペーサ116’の内側壁上にゲート誘電体層119を形成する工程が行われる。ゲート誘電体層119は、シリコン酸化物(silicon oxide)、シリコン窒化物(silicon nitride)、またはhigh-k誘電体物質(high-k dielectric material)(Hf、Zr、Al、La、Mg、Ba、Ti、Pb、またはこれら組み合わせの金属酸化物およびシリケート(silicate))であってもよい。ゲート誘電体層119は、例えば、ALD(Atomic layer deposition)工程などを含む蒸着工程により形成される。
【0078】
図21を参照すれば、ゲート誘電体層119の形成が完了すれば、ゲート誘電体層119上にゲート電極120を形成する工程が行われる。ゲート電極120の材料は、例えば、Ti、Al、Cu、W、およびこれらの組み合わせであってもよい。ゲート電極120は、例えば、ALD工程または電解/無電解めっき(electro/eletroless deposition)工程により形成される。
【0079】
図22を参照すれば、ゲート電極120の形成が完了すれば、CMP工程を用いてゲート電極120と第4シリコン酸化膜の厚さを同一に形成する工程が行われる。例えば、CMP工程は、第4シリコン酸化膜118の表面が露出する時に中止できる。ゲート電極120に対するCMP工程の完了によってGAA-FET素子が完成する。
【0080】
上述した実施例による製造方法により製造された半導体素子は、多様な形態の半導体パッケージ(semiconductor package)で実現できる。例えば、本発明の実施例による半導体素子は、PoP(Package on Package)、Ball grid arrays(BGAs)、Chip scale packages(CSPs)、Plastic Leaded Chip Carrier(PLCC)、Plastic Dual In-Line Package(PDIP)、Die in Waffle Pack、Die in Wafer Form、Chip On Board(COB)、Ceramic Dual In-Line Package(CERDIP)、Plastic Metric Quad Flat Pack(MQFP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、Small Outline(SOIC)、Shrink Small Outline Package(SSOP)、Thin Small Outline(TSOP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、System In Package(SIP)、Multi Chip Package(MCP)、Wafer-level Fabricated Package(WFP)、Wafer-Level Processed Stack Package(WSP)などの方式でパッケージングされる。
【0081】
以上の発明の詳細な説明は、開示された実施態様で本発明を制限しようとする意図ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で多様な他の組み合わせ、変更および環境で使用可能である。添付した特許請求の範囲は他の実施態様も含むと解釈されなければならない。
図1
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