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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001820
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】押し当て部材および振動情報取得装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/24 20060101AFI20221226BHJP
   F17D 5/02 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
G01M3/24 E
F17D5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102794
(22)【出願日】2021-06-21
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521195043
【氏名又は名称】株式会社弘栄ドリームワークス
(71)【出願人】
【識別番号】516040866
【氏名又は名称】BoCo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】船橋 吾一
(72)【発明者】
【氏名】菅原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 益実
(72)【発明者】
【氏名】福永 康二
【テーマコード(参考)】
2G067
3J071
【Fターム(参考)】
2G067AA13
2G067BB26
2G067CC02
2G067DD13
3J071EE05
3J071EE30
3J071EE38
3J071FF01
(57)【要約】
【課題】被押し当て面よりも奥側にて生じている漏水の検知をより安定的に行えるようにする。
【解決手段】押し当て部材100には、(B)、(C)に示すように、複数の突出部120が設けられている。この突出部120の各々は、対向部110の外周縁111((C)参照)に接続されている。また、突出部120の各々は、(B)に示すように、対向部110から地面に向かって突出する。突出部120の突出方向における先端縁121((D)参照)が、地面に接触する部分であり、この先端縁121が、曲率を有し地面側に向かって凸となる形状を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被押し当て面に押し当てられ、当該被押し当て面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動を当該被押し当て面から受ける押し当て部材であり、
前記被押し当て面に接触する部分が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有している押し当て部材。
【請求項2】
前記被押し当て面に対向して配置される対向部と、
前記対向部に接続され、当該対向部から前記被押し当て面に向かって突出する突出部と、
を備え、
前記突出部の突出方向における先端縁が、前記被押し当て面に接触する前記部分であり、当該先端縁が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有している、
請求項1に記載の押し当て部材。
【請求項3】
前記突出部は、突出方向における長さよりも、幅方向における長さの方が大きい請求項2に記載の押し当て部材。
【請求項4】
前記突出部は、幅方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、
前記突出部の前記一端部から前記他端部の全域に亘って、前記先端縁に曲率が付与されている請求項2又は3に記載の押し当て部材。
【請求項5】
前記突出部は、複数設けられ、
前記対向部は、板状に形成され且つ前記被押し当て面に対向するように配置され、
前記対向部の周方向において、前記突出部が一定の間隔で配置されている請求項2乃至4の何れかに記載の押し当て部材。
【請求項6】
前記押し当て部材は、板金に対する曲げ加工により形成され、前記対向部と前記突出部とが一体となっている請求項2乃至5の何れかに記載の押し当て部材。
【請求項7】
被押し当て面に押し当てられ、当該被押し当て面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動を当該被押し当て面から受ける押し当て部材と、
前記押し当て部材が受けた振動を電気信号に変換する変換部と、
を備え、
前記押し当て部材のうちの、前記被押し当て面に接触する部分が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有している振動情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し当て部材および振動情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、漏水探索をするとき、棒状部の先端部分を、埋設された管路または管路の給水栓、止水栓、仕切弁、消火栓などの弁設備に接触させる処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144067公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地面などの被押し当て面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水の検知にあたっては、例えば、押し当て部材を被押し当て面に押し当てる。これにより、漏水に起因して生じ被押し当て面まで伝わってきた振動が、この押し当て部材に伝わり、この押し当て部材を介し、漏水の検知を行える。
ここで、押し当て部材と被押し当て面との接触が不安定であると、押し当て部材が受ける振動が変動しやすく、漏水の検知が不安定となる。
本発明の目的は、被押し当て面よりも奥側にて生じている漏水の検知をより安定的に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される押し当て部材は、被押し当て面に押し当てられ、当該被押し当て面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動を当該被押し当て面から受ける押し当て部材であり、前記被押し当て面に接触する部分が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有している押し当て部材である。
ここで、前記被押し当て面に対向して配置される対向部と、前記対向部に接続され、当該対向部から前記被押し当て面に向かって突出する突出部と、を備え、前記突出部の突出方向における先端縁が、前記被押し当て面に接触する前記部分であり、当該先端縁が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有しているようにしてもよい。
また、前記突出部は、突出方向における長さよりも、幅方向における長さの方が大きいようにしてもよい。
また、前記突出部は、幅方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、前記突出部の前記一端部から前記他端部の全域に亘って、前記先端縁に曲率が付与されているようにしてもよい。
また、前記突出部は、複数設けられ、前記対向部は、板状に形成され且つ前記被押し当て面に対向するように配置され、前記対向部の周方向において、前記突出部が一定の間隔で配置されているようにしてもよい。
また、前記押し当て部材は、板金に対する曲げ加工により形成され、前記対向部と前記突出部とが一体となっているようにしてもよい。
また、本発明を振動情報取得装置として捉えた場合、本発明が適用される振動情報取得装置は、被押し当て面に押し当てられ、当該被押し当て面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動を当該被押し当て面から受ける押し当て部材と、前記押し当て部材が受けた振動を電気信号に変換する変換部と、を備え、前記押し当て部材のうちの、前記被押し当て面に接触する部分が、曲率を有し当該被押し当て面側に向かって凸となる形状を有している振動情報取得装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、被押し当て面よりも奥側にて生じている漏水の検知をより安定的に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(A)、(B)は、振動情報取得装置を説明する図である。
図2】(A)~(D)は、押し当て部材を説明する図である。
図3】押し当て部材の製造工程の一部を示した図である。
図4】押し当て部材の比較例を示した図である。
図5】(A)、(B)は、押し当て部材の比較例を示した図である。
図6】突出部と地面との接触の状態を示した図である。
図7】(A)、(B)は、突出部の変形例を説明する図である。
図8】(A)、(B)は、突出部の他の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1(A)、(B)は、本実施形態にかかる振動情報取得装置1を説明する図である。
図1(A)は、振動情報取得装置1の全体構成を示した図である。
図1(A)に示すように、本実施形態の振動情報取得装置1には、配管などの被検知対象に接触配置されこの被検知対象からの振動を受ける棒状部10が設けられている。
この棒状部10は、図中下方に位置する一端部10Aが、配管などに接触配置される。棒状部10は、この配管にて生じている漏水に起因する振動を、この配管から受ける。
【0009】
さらに、本実施形態では、棒状部10の他端部10Bが、変換部20に接続されている。
本実施形態では、棒状部10が被検知対象から受けた振動が、棒状部10を介して、この変換部20へ伝達される。変換部20は、棒状部10から伝達されてきた振動を電気信号に変換する。
また、本実施形態では、棒状部10の他端部10B側に、この棒状部10の外径よりも外径が大きい筒状部材30が取り付けられている。作業者は、この筒状部材30を握って、棒状部10の操作を行う。
【0010】
さらに、本実施形態では、変換部20に接続された接続ケーブル40と、この接続ケーブル40に接続された装置本体部50とが設けられている。
本実施形態では、接続ケーブル40によって、変換部20と装置本体部50とが電気的に接続されている。
装置本体部50には、スマートフォンやタブレット端末などにより構成される端末装置(不図示)が装着される。
【0011】
本実施形態では、変換部20から出力され接続ケーブル40を介して装置本体部50へ送信された電気信号(振動についての情報)を、端末装置が受信する。
これにより、作業者は、端末装置にて起動されているアプリケーション上で、振動についての情報の参照を行える。この場合、作業者は、端末装置を参照することで、配管における漏水についての情報を得られる。
【0012】
また、本実施形態では、符号1Aで示すように、棒状部10の先端側に位置する一端部10Aに対して、必要に応じて取り付けられる、アタッチメントとしての押し当て部材100が設けられている。
図1の符号1Aでは、棒状部10の一端部10Aに対して押し当て部材100が取り付けられた状態を示している。
【0013】
例えば、地面の下に、配管が存在し、地面の下の配管にて生じている漏水の検知の際には、この押し当て部材100が、地面に対して押し当てられる。
押し当て部材100には、径方向における中心に、内周面に雌ねじが形成された貫通孔101が形成されている。本実施形態では、この貫通孔101に対して、外周面に雄ねじが形成された、棒状部10の一端部10Aが入れられて、押し当て部材100への棒状部10の取り付けが行われる。
【0014】
押し当て部材100は、ステンレスなど、例えば、金属材料により構成される。
押し当て部材100は、地面に押し当てられ、この地面の下方に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動をこの地面から受ける。
言い換えると、押し当て部材100は、被押し当て面の一例としての地面の手前側からこの地面に向かって進出し、この地面に対して押し当てられる。押し当て部材100は、この押し当て部材100の進出方向において地面よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動をこの地面から受ける。
なお、本実施形態では、被押し当て面が地面である場合を一例に説明するが、その他に、被押し当て面としては、壁面や天井なども挙げられる。被押し当て面が壁面や天井の場合、押し当て部材100は、この壁面や天井よりも奥側に位置する配管にて生じている漏水に起因する振動をこの壁面や天井から受ける。
そして、本実施形態では、押し当て部材100が受けた振動が、棒状部10を介して、変換部20に伝達され、変換部20では、振動が電気信号に変換される。
【0015】
そして、本実施形態では、振動についてのこの電気信号が、変換部20から出力され、接続ケーブル40を介して装置本体部50へ送信される。そして、この電気信号を、装置本体部50に装着された端末装置が受信する。
これにより、端末装置にて起動されているアプリケーション上で、押し当て部材100を介して得た、振動についての情報の参照を行える。
言い換えると、このアプリケーション上で、地面の下方に位置する配管にて生じている漏水についての情報の参照を行える。
なお、本実施形態では、押し当て部材100が受けた振動が、棒状部10を介して、変換部20に伝達される構成であるが、これに限らず、図1(B)に示すように、棒状部10を省略し、変換部20に対して、押し当て部材100を直接固定してもよい。
【0016】
図2(A)~(D)は、押し当て部材100を説明する図である。図2(A)は上面図であり、図2(B)は正面図であり、図2(C)は下面図である。図2(D)は、突出部を拡大した図である。
本実施形態の押し当て部材100は、図2(A)~(C)に示すように、地面に対向して配置される対向部110を備える。
【0017】
この対向部110は、図2(A)に示すように、六角形の形状を有する。また、対向部110は、板状に形成されている。また、対向部110は、図2(B)に示すように、地面との間に間隙を有した状態で配置される。
本実施形態では、対向部110が、六角形である場合を一例に説明するが、対向部110は、三角形、四角形、五角形、七角形、八角形、円形、楕円形など、六角形以外の形状としてもよい。
【0018】
また、押し当て部材100には、図2(B)、(C)に示すように、複数の突出部120が設けられている。この突出部120の各々は、対向部110の外周縁111(図2(C)参照)に接続されている。
また、突出部120の各々は、図2(B)に示すように、対向部110から地面に向かって突出する。
【0019】
本実施形態では、図2(D)の符号2Xで示すように、押し当て部材100のうちの地面に接触する部分が、曲率を有し地面側に向かって凸となる形状を有している。
具体的には、本実施形態では、突出部120の突出方向における先端縁121が、地面に接触する部分であり、この先端縁121が、曲率を有し地面側に向かって凸となる形状を有している。
【0020】
突出部120の各々は、図2(D)に示すように、突出方向における長さL1よりも、幅方向における長さL2の方が大きい。
ここで、突出部120の突出方向における長さL1とは、対向部110と突出部120との接続部115(図2(B)参照)を始点とした場合において、この始点から、突出部120の突出方向における先端部122までの長さをいう。
また、突出部120の幅方向における長さL2とは、突出部120の突出方向と直交する方向における長さであって、突出部120の根本における長さをいう。
【0021】
突出部120の各々は、図2(D)に示すように、幅方向における位置が互いに異なる一端部120Aおよび他端部120Bを有する。
本実施形態では、突出部120のこの一端部120Aから他端部120Bの全域に亘って、先端縁121に曲率が付与されている。
【0022】
また、本実施形態では、図2(C)に示すように、突出部120は、複数設けられている。本実施形態では、図2(C)に示すように、対向部110の周方向において、複数設けられた突出部120が、一定の間隔で配置されている。
より具体的には、本実施形態では、対向部110の周方向において、複数設けられた突出部120は、120°おきに配置されている。
また、本実施形態では、複数設けられた突出部120は、同一の円周R上に配置されている。
【0023】
なお、本実施形態では、突出部120が3つ設けられている場合を一例に説明するが、突出部120の数は、特に制限されない。
突出部120の数は、2としてもよいし、4以上としてもよい。また、突出部120は、1つであってもよい。
突出部120を1つとする場合は、対向部110を設けず、例えば、突出部120に相当する部分を、直接、棒状部10(図1参照)の一端部10Aに取り付けるようにしてもよい。
また、突出部120を1つとする場合は、突出部120に相当する部分と棒状部10とを一体化し、棒状部10の先端に、突出部120に相当する部分を設けるようにしてもよい。
【0024】
また、本実施形態では、突出部120が3つ設けられているため、突出部120が120°おきに配置されているが、例えば、突出部120が、2つ設けられる場合は、突出部120は、180°おきに配置することが好ましい。
また、例えば、突出部120が、4つ設けられる場合は、突出部120は、90°おきに配置することが好ましい。
突出部120の設置数が2以上である場合は、対向部110の周方向において、複数設けられた突出部120が、一定の間隔で配置されるようにすることが好ましい。
言い換えると、突出部120の設置数が2以上である場合は、対向部110の周方向において、複数設けられた突出部120が、一定の角度毎に配置されるようにすることが好ましい。
【0025】
また、本実施形態では、上記の通り、押し当て部材100は、ステンレス等の金属材料により構成されている。
また、本実施形態では、押し当て部材100は、板金に対する曲げ加工により形成され、対向部110と突出部120とが一体となっている。
より具体的には、本実施形態では、押し当て部材100を形成するための材料210は、図3(押し当て部材の製造工程の一部を示した図)に示すように、当初、略正三角形の形状を有している。
押し当て部材100は、略正三角形の形状を有するこの部材の頂部の部分を、この部材の一方の面側に折り曲げることで形成する。
【0026】
図4図5(A)、(B)は、押し当て部材100の比較例を示した図である。なお、図4は、押し当て部材100の比較例の正面図を示している。
この比較例では、図4に示すように、突出部120の先端縁121に、対向部110の延び方向に沿って延びる直線部120Sが設けられている。
この比較例では、突出部120と地面とが、図5(A)に示す状態で接触し、また、突出部120と地面とが、図5(B)に示す状態で接触することが起こりうる。
【0027】
具体的には、地面に、砂利や小石等の様々な堆積物が存在し、この堆積物の各々の向きや形状が異なることによって、突出部120の各々と地面との接触状態が、図5(A)、(B)に示すように、振動の測定時毎に異なるようになる事態が生じうる。
図5(A)では、突出部120と地面との接触面積が小さくなり、図5(B)では、突出部120と地面との接触面積が大きくなる。
この場合、振動の測定時毎に、押し当て部材100に伝わる振動が変動し、測定結果が異なる事態が生じうる。
【0028】
言い換えると、この場合、地面の下方にて生じている漏水の状態が変動していないにも関わらず、押し当て部材100に伝わる振動が変動し、測定結果が異なる事態が生じうる。
言い換えると、この場合、地面の同一の箇所に対して、押し当て部材100を押し当てているにも関わらず、突出部120と地面との接触状態が、測定の都度変化し、測定結果が変動する事態が生じうる。
【0029】
これに対し、本実施形態では、上記の直線部120Sが設けられている場合に比べ、測定結果の変動が生じにくくなる。
具体的には、本実施形態では、図6(本実施形態の突出部120と地面との接触の状態を示した図)の(A)、(B)に示すように、突出部120と地面との関係が、測定時毎に異なる場合であっても、突出部120と地面との間における接触面積に差が生じにくくなる。
この場合、押し当て部材100に伝わる振動が、測定時毎に異なることが抑制され、測定結果の変動が抑制される。言い換えると、同一の箇所を測定しているにも関わらず、押し当て部材100に伝わる振動が変化するという事態が生じにくくなり、測定結果の変動が抑制される。
【0030】
図7(A)、(B)は、突出部120の変形例を説明する図である。
なお、図7(A)では、図2(D)にて示した突出部120を再び示し、図7(B)では、突出部120の変形例を示している。
突出部120は、図7(A)に示す形状に限らず、図7(B)に示す形状としてもよい。
図7(B)に示す形状では、突出部120の幅方向における長さL2よりも、突出部120の突出方向における長さL1の方が大きい。
【0031】
突出部120は、図7(A)に示す形状に限らず、図7(B)に示す形状としてもよい。
図7(B)に示す形状であっても、上記と同様、突出部120と地面との間における接触面積が測定時毎に異なるようになる、という事態が生じにくくなる。
また、図示は省略するが、突出部120の幅方向における長さL2と、突出部120の突出方向における長さL1とを等しくしてもよい。
【0032】
なお、図7(A)に示す形状とした方が、図7(B)に示す形状とする場合に比べ、押し当て部材100が受ける振動の大きさが大きくなりやすく、漏水の検知の精度を高めやすい。
具体的には、図7(A)に示す形状の方が、先端縁121の曲率が小さく、図7(B)に示す形状に比べ、突出部120と地面との接触面積が大きくなりやすい。
接触面積が大きい場合、地面からの振動が、突出部120に対してより伝わりやすくなり、押し当て部材100全体が受ける振動が大きくなりやすい。
そして、この場合、押し当て部材100全体が受ける振動が小さい場合に比べ、漏水の検知の精度を高めやすい。
【0033】
図8(A)、(B)は、突出部120の他の変形例を示した図である。
上記の図2(D)にて示した実施形態では、突出部120の周縁のほぼ全ての部分に、曲率が付与された態様を説明した。
これに限らず、例えば、図8(A)の符号8A、8Bで示すように、突出部120の周縁128のうちの、突出部120の側部129の部分に、直線状の部分を設けるようにしてもよい。
【0034】
また、図2(D)にて示した実施形態では、突出部120の先端縁121の全域にわたって、曲率が付与された形状であった。
これに限らず、図8(B)に示すように、先端縁121の頂部120Xの部分のみに曲率を付与し、先端縁121のうちの、頂部120Xの両脇の部分に、直線状の部位120Yを設けるようにしてもよい。
図8(B)に示すこの変形例であっても、先端縁121の全ての部分が直線状に形成されている場合に比べ(図4、5にて示した比較例に比べ)、突出部120と地面との間における接触面積が振動の測定時毎に異なるようになる、という事態が生じにくくなる。
【0035】
(その他)
上記の構成は、作業者が、棒状部10(図1参照)を直接自身の耳に押し当てて、漏水の検知を行う場合にも適用できる。
作業者が、棒状部10を直接自身の耳に押し当てる場合において、この棒状部10の先端に、図2図7(B)、図8(A)、(B)にて示した突出部120を備えた押し当て部材100を取り付けるようにすれば、作業者は、漏水の検知をより精度よく行える。
【符号の説明】
【0036】
1…振動情報取得装置、20…変換部、100…押し当て部材、110…対向部、120…突出部、120A…一端部、120B…他端部、121…先端縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8