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特開2023-182004組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182004
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/02 20060101AFI20231218BHJP
   F16F 7/12 20060101ALI20231218BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20231218BHJP
   E04B 2/56 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
E04H9/02 321C
F16F7/12
F16F15/02 Z
E04B2/56 643A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132091
(22)【出願日】2023-08-14
(31)【優先権主張番号】202210664555.0
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523309598
【氏名又は名称】中▲鐵▼一局集▲團▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521362302
【氏名又は名称】海南大学
(71)【出願人】
【識別番号】523309602
【氏名又は名称】中▲鐵▼一局集▲團▼建筑安装工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 云
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 奉超
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲東▼雷
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲海▼▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 宏
(72)【発明者】
【氏名】王 保平
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 玉博
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲偉▼▲嵐▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】雷 ▲龍▼▲剛▼
【テーマコード(参考)】
2E002
2E139
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
2E002FA04
2E002FB08
2E002MA12
2E139AA01
2E139AB14
2E139AC19
2E139AC26
2E139BA02
2E139BD22
3J048AA06
3J048AC06
3J048BC09
3J048BE10
3J048EA38
3J066AA26
3J066BA03
3J066BD07
3J066BF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造に関する。
【解決手段】フレーム柱3の数は少なくとも2本であり、フレーム柱3の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本のフレーム柱3の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレート2が固定され、エネルギー散逸機構6の数は複数であり、エネルギー散逸機構6は対向する2つの埋め込みアンカプレート2の間に取り外し可能に接続され、フレーム/接続ビーム1は2本のフレーム柱3の間に固定され、低強度可撓性充填体5は隣り合うフレーム柱の間の隙間内に充填される。本発明において、縦方向接続を行う場合、相応的なフレーム柱3を接続すればよく、また、大きな地震があった時、柱3は曲げ変形し、エネルギー散逸機構6は、上下にずれる弾塑性変形エネルギー散逸が生じて、地震後、柱3は基本的に降伏しなく又は弾性状態にあり、損傷したエネルギー散逸機構6を取り外して交換できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造であって、
フレーム柱(3)であって、前記フレーム柱(3)の数は少なくとも2本であり、前記フレーム柱(3)の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本の前記フレーム柱(3)の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレート(2)が固定されているフレーム柱(3)と、
エネルギー散逸機構(6)であって、前記エネルギー散逸機構(6)の数は複数であり、前記エネルギー散逸機構(6)は対向する2つの前記埋め込みアンカプレート(2)の間に取り外し可能に接続されるエネルギー散逸機構(6)と、
2本の前記フレーム柱(3)の間に固定されるフレーム/接続ビーム(1)と、
隣り合う前記フレーム柱(3)の間の隙間内に充填される低強度可撓性充填体(5)と、を含むことを特徴とする組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項2】
前記埋め込みアンカプレート(2)と前記フレーム柱(3)側壁との貼合面には複数本の第1アンカボルト(7)が垂直に固定され、前記第1アンカボルト(7)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定されることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項3】
前記埋め込みアンカプレート(2)には複数の予備穴(9)が開けられ、前記予備穴(9)内側にはネジが加工されており、前記エネルギー散逸機構(6)の両端はボルト(8)によって前記予備穴(9)にネジ締めされて接続されることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項4】
前記エネルギー散逸機構(6)は剪断降伏型又は屈曲降伏型ダンパであることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項5】
前記フレーム柱(3)の底端の外側壁の周囲には被覆鋼板(4)が固定され、前記被覆鋼板(4)の内側壁の間には第2アンカボルト(13)が固定されて接続され、前記第2アンカボルト(13)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定されることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項6】
前記フレーム柱(3)の柱脚の内部には延性繊維コンクリート(12)が打設され、前記延性繊維コンクリート(12)は鋼繊維コンクリート、ポリエチレン繊維コンクリート又はポリエチレングリコール繊維コンクリート、或いはいくつかの繊維を組み合わせたコンクリートを含むことを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項7】
前記低強度可撓性充填体(5)はポリウレタン発泡プラスチック、発泡コンクリート、外包石膏ボード又はオートクレーブ気泡コンクリート平板であることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項8】
前記フレーム柱(3)は鋼管コンクリート柱、形鋼コンクリート柱又は鉄筋コンクリート柱であることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項9】
前記フレーム柱(3)が鉄筋コンクリート柱である場合、前記鉄筋コンクリート柱の内部にはフープ筋(11)及び縦筋(10)が埋め込まれるように固定されていることを特徴とする請求項8に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項10】
前記鉄筋コンクリート柱の内部には鋼管(14)が埋め込まれるように固定され、前記鋼管(14)の外側にはスパイラル筋が巻回されて溶接されていることを特徴とする請求項9に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土木工学及び建築分野内の耐震壁構造組立の技術分野に関して、より具体的に、組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造に関している。
【背景技術】
【0002】
組立式建築は部品工場によるプレハブ生産、現場の組立式取付をモードとし、標準設計、工場生産、組立施工、一体内装及び情報管理を特徴とし、研究開発設計、生産製造、現場組立などの各事業分野を統合して、建築製品の省エネ、環境にやさしく、全サイクル価値最大化の持続可能な発展を実現する新型建築生産方式である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
研究の発展及び社会の住宅に対する需要の継続的な増加に連れて、プレキャスト組立式耐震壁構造建築は間違いなく建築業の発展の新たなチャンスである。その主な技術の1つとして、耐震壁は、耐風及び耐震の効果を発揮することを主な作用とし、現在、耐震壁部品の間の縦方向接続形態の研究は大きな進歩があったとはいえ、組立式耐震壁構造部品の縦方向接続の従来の接続形態は何れもいくつかの欠陥及び制約を有する。
【0004】
従って、如何に耐震壁の耐震性能を向上して、組立式耐震壁構造部品の縦方向接続の欠陥及び制約を解決するかということは、当業者にとって解決しようとする問題である。
【0005】
これに鑑みると、上記技術問題を解決するために、本発明は組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術案を採用し、
組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造であって、
フレーム柱であって、前記フレーム柱の数は少なくとも2本であり、前記フレーム柱の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本の前記フレーム柱の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレートが固定されているフレーム柱と、
エネルギー散逸機構であって、前記エネルギー散逸機構の数は複数であり、前記エネルギー散逸機構は対向する2つの前記埋め込みアンカプレートの間に取り外し可能に接続されるエネルギー散逸機構と、
2本の前記フレーム柱の間に固定されるフレーム/接続ビームと、
隣り合う前記フレーム柱の間の隙間内に充填される低強度可撓性充填体と、を含む。
【0007】
上記技術案によれば、本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造は縦方向接続を行う場合、相応的なフレーム柱を接続すればよく、また、大きな地震があった時、柱は曲げ変形して、エネルギー散逸機構は、上下にずれる弾塑性変形エネルギー散逸が生じて、地震後、柱は基本的に降伏しなく又は弾性状態にあり、損傷したエネルギー散逸機構を取り外して交換すればよく、伝統の組立式耐震壁の縦方向接続方式より、本発明はより簡単且つ確実であり、優れた耐震性能を備え、地震後、修復及びエネルギー散逸機構の交換がより容易になる。
【0008】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記埋め込みアンカプレートと前記フレーム柱側壁との貼合面には複数本の第1アンカボルトが垂直に固定され、前記第1アンカボルトは前記フレーム柱の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される。フレーム柱にコンクリートを打設する前、細い鋼線を使用して第1アンカボルトを相応的な位置のフープ筋又は縦筋に固縛して、フレーム柱に埋め込んで、当該過程は工場で完成される。
【0009】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記埋め込みアンカプレートには複数の予備穴が開けられ、前記予備穴内側にはネジが加工され、前記エネルギー散逸機構の両端はボルトによって前記予備穴にネジ締めされて接続される。予備穴のサイズ、位置及び数はエネルギー散逸機構の取付孔に対応すべきであり、アンカプレートのサイズ及び形状もエネルギー散逸機構に対応すべきである。
【0010】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記エネルギー散逸機構は降伏型ダンパ、屈曲降伏型ダンパ又は他のタイプのダンパであり、隣り合う前記フレーム柱の間の各層には少なくとも1つが設けられるべきである。隣り合う2つのフレーム柱の間のピッチはエネルギー散逸機構によって決定され、十分な取付空間を確保しなければならない。
【0011】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記フレーム柱の底端の外側壁の周囲には被覆鋼板が固定され、前記被覆鋼板の内側壁の間には第2アンカボルトが固定されて接続され、前記第2アンカボルトは前記フレーム柱の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される。被覆鋼板によって柱脚の圧縮耐荷力及び延性を強化させ、被覆鋼板は第2アンカボルトによって各本のフレーム柱の周囲に緊密に包まれ、フレーム柱にコンクリートを打設する前、細い鋼線を使用して第2アンカボルトを柱のフープ筋又は縦筋に固縛して、柱脚に埋め込んでおり、当該過程は工場で完成されるべきである。
【0012】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記フレーム柱の柱脚の内部には延性繊維コンクリートが打設され、前記延性繊維コンクリートは鋼繊維コンクリート、ポリエチレン繊維コンクリート又はポリエチレングリコール繊維コンクリート、或いはいくつかの繊維を組み合わせたコンクリートを含む。
【0013】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記低強度可撓性充填体はポリウレタン発泡プラスチック、発泡コンクリート、外包石膏ボード又はオートクレーブ気泡コンクリート平板である。
【0014】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記フレーム柱は鋼管コンクリート柱、形鋼コンクリート柱又は鉄筋コンクリート柱である。
【0015】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記フレーム柱は鉄筋コンクリート柱である場合、前記鉄筋コンクリート柱の内部にはフープ筋及び縦筋が埋め込まれるように固定されている。
【0016】
好ましくは、上記組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造において、前記鉄筋コンクリート柱の内部には鋼管が埋め込まれるように固定され、前記鋼管の外側にはスパイラル筋が巻回されて溶接されている。
【発明の効果】
【0017】
上記の技術案から分かるように、従来技術に対して、本発明は組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造を開示して提供し、以下の有益な効果を具備する:
1、本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造によれば、プレキャスト作業は何れも工場内で完成され、工場によるプレキャストが完成した後、施工現場に搬送されて組み立てられ、従来の組立式耐震壁の縦方向接続に存在する欠陥及び制約をよく解決する。
2、本発明によれば、大きな地震後、柱は基本的に降伏しなく又は弾性状態にあり、損傷したエネルギー散逸機構を取り外して交換すればよく、組立式建築の地震後の修復能力を大幅に向上する。
3、本発明の現場操作が簡単であり、施工速度が速く、施工効率が高く、連結点構造設計が大幅に簡略化され、工場によるプレキャストを便利にして交換及び取り外しを容易にする。
4、本発明が提供する組立式耐震壁の縦方向接続方式は、伝統の組立式耐震壁の縦方向接続方式と異なり、具体的に、当該組立式延性エネルギー散逸耐震壁が縦方向接続を行う場合、相応的なフレーム柱を接続すればよく、接続の速度及び品質は何れも大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、提供された図面に基づいて他の図面を取得できる。
【0019】
図1】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造の構造模式図である。
図2】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造におけるA柱の埋め込みアンカプレート箇所の断面模式図である。
図3】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造におけるA柱の埋め込みアンカプレート箇所の側面図である。
図4】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造におけるB柱の埋め込みアンカプレート箇所の断面模式図である。
図5】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造における各柱脚箇所の断面図である。
図6】本発明が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造における各柱脚箇所の平面図である。
図7図1の断面1―1の断面図である。
図8図1の断面2―2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として取得した他の全ての実施例は何れも本発明の保護範囲に属する。
【0021】
図1図8を参照し、本発明の実施例は組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造を開示し、
組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造は、
フレーム柱3であって、フレーム柱3の数は少なくとも2本であり、フレーム柱3の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本のフレーム柱3の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレート2が固定されているフレーム柱3と、
エネルギー散逸機構6であって、エネルギー散逸機構6の数は複数であり、対向する2つの埋め込みアンカプレート2の間に取り外し可能に接続されるエネルギー散逸機構6と、
2本のフレーム柱3の間に固定されるフレーム/接続ビーム1と、
隣り合うフレーム柱3の間の隙間内に充填される低強度可撓性充填体5と、を含む。
【0022】
上記技術案をさらに最適化するために、埋め込みアンカプレート2とフレーム柱3側壁との貼合面には複数本の第1アンカボルト7が垂直に固定され、第1アンカボルト7はフレーム柱3の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される。
【0023】
上記技術案をさらに最適化するために、埋め込みアンカプレート2には複数の予備穴9が開けられ、予備穴9内側にはネジが加工され、エネルギー散逸機構6の両端はボルト8によって予備穴9にネジ締めされて接続される。
【0024】
上記技術案をさらに最適化するために、エネルギー散逸機構6は剪断降伏型又は屈曲降伏型ダンパである。
【0025】
上記技術案をさらに最適化するために、フレーム柱3の底端の外側壁の周囲には被覆鋼板4が固定され、被覆鋼板4の内側壁の間には第2アンカボルト13が固定されて接続され、第2アンカボルト13はフレーム柱3の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される。
【0026】
上記技術案をさらに最適化するために、フレーム柱3の柱脚の内部には延性繊維コンクリート12が打設され、延性繊維コンクリート12は鋼繊維コンクリート、ポリエチレン繊維コンクリート又はポリエチレングリコール繊維コンクリート、或いはいくつかの繊維を組み合わせたコンクリートを含む。
【0027】
上記技術案をさらに最適化するために、低強度可撓性充填体5はポリウレタン発泡プラスチック、発泡コンクリート、外包石膏ボード又はオートクレーブ気泡コンクリート平板である。
【0028】
上記技術案をさらに最適化するために、フレーム柱3は鋼管コンクリート柱、形鋼コンクリート柱又は鉄筋コンクリート柱である。
【0029】
本実施例が提供するフレーム柱3が鉄筋コンクリート柱である場合、鉄筋コンクリート柱の内部にはフープ筋11及び縦筋10が埋め込まれるように固定されている。
【0030】
上記技術案をさらに最適化するために、鉄筋コンクリート柱の内部には鋼管14が埋め込まれるように固定され、鋼管14の外側にはスパイラル筋が巻回されて溶接される。
【0031】
本実施例が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造のプレキャスト作業は工場で完成され、工場は、相応的なフレーム/接続ビーム1及びフレーム柱3をプレキャストして、フレーム柱3に埋め込まれた第1アンカボルト7、埋め込みアンカプレート2、第2アンカボルト13及び被覆鋼板4をプレキャストすればよく、他の組立及び充填などの作業は何れも施工現場で完成される。その過程は以下の通り、まず、工場は提供された設計図に従って、必要なフレーム柱3、フレーム/接続ビーム1、フレーム柱3上の相応的な位置の埋め込み対象となる第1アンカボルト7、埋め込みアンカプレート2、第2アンカボルト13及び被覆鋼板4を何れも予め埋め込んでおり、埋め込みアンカプレート2の一方はフレーム/接続ビーム1に設けられ、他方は前の埋め込みアンカプレート2の下方の所定距離に設けられ、ニーズに応じて順に増えて、柱脚には延性繊維コンクリートが打設される。製造が完成した後、施工現場に搬送されて組み立てられ、施工現場で、まず、各層のフレーム/接続ビーム1とフレーム柱3とを組み立てから、ボルト8を使用して交換可能なエネルギー散逸機構6を隣り合う2本のフレーム柱3における予備の埋め込みアンカプレート2に取り付け、最後、隣り合う2つのフレーム柱3の間の空隙に低強度可撓性材料を充填する。
【0032】
本実施例が提供する組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造によれば、大きな地震の時、柱は曲げ変形して、エネルギー散逸機構6は、上下にずれる弾塑性変形エネルギー散逸が生じて、地震後、柱は基本的に降伏しなく又は弾性状態にあり、損傷したエネルギー散逸機構6を取り外して交換すればよく、その具体的な交換方法は以下の通り、即ち、地震後、損傷したエネルギー散逸機構6のボルト8及び損傷したエネルギー散逸機構6を全部的に取り外して、新しい同じエネルギー散逸機構6及びボルト8を相応的な位置に取り付ければよい。
【0033】
本明細書において各実施例に対して漸進方式で記載し、各実施例は主に他の実施例との相違点を説明し、各実施例の間の同様又は類似の部分について互いに参照すればよい。実施例が開示した装置に対して、実施例が開示した方法に対応するため、その記載は簡単であり、関連するところについて、方法部分の説明を参照すればよい。
【0034】
開示された実施例に対する上記説明によって、当業者は本発明を実現し又は使用できる。これらの実施例に対する多種の補正は当業者にとって自明であり、本明細書に定義された一般的な原理は本発明の精神又は範囲から逸脱しない場合、他の実施例において実現されることができる。従って、本発明は本明細書に記載されたこれらの実施例に限定されず、本明細書が開示した原理及び新規特点と一致する最も幅広い範囲に合う。
【符号の説明】
【0035】
1 フレーム/接続ビーム
2 埋め込みアンカプレート
3 フレーム柱
4 被覆鋼板
5 低強度可撓性充填体
6 エネルギー散逸機構
7 第1アンカボルト
8 ボルト
9 予備穴
10 縦筋
11 フープ筋;
12 延性繊維コンクリート;
13 第2アンカボルト;
14 鋼管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造であって、
フレーム柱(3)であって、前記フレーム柱(3)の数は少なくとも2本であり、前記フレーム柱(3)の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本の前記フレーム柱(3)の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレート(2)が固定されており、前記埋め込みアンカプレート(2)には複数の予備穴(9)が開けられ、前記予備穴(9)内側にはネジが加工されており、前記埋め込みアンカプレート(2)と前記フレーム柱(3)側壁との貼合面には複数本の第1アンカボルト(7)が垂直に固定され、前記第1アンカボルト(7)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される、前記フレーム柱(3)と、
前記フレーム柱(3)の底端の外側壁の周囲に固定された被覆鋼板(4)であって、前記被覆鋼板(4)の内側壁の間には第2アンカボルト(13)が固定されて接続され、前記第2アンカボルト(13)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される、前記被覆鋼板(4)と、
エネルギー散逸機構(6)であって、前記エネルギー散逸機構(6)の数は複数であり、前記エネルギー散逸機構(6)は対向する2つの前記埋め込みアンカプレート(2)の間に取り外し可能に接続され、前記エネルギー散逸機構(6)の両端はボルト(8)によって前記予備穴(9)にネジ締めされて接続される、前記エネルギー散逸機構(6)と、
2本の前記フレーム柱(3)の間に固定されるフレーム/接続ビーム(1)と、
隣り合う前記フレーム柱(3)の間の隙間内に充填される低強度可撓性充填体(5)と、を含むことを特徴とする組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項2】
前記エネルギー散逸機構(6)は剪断降伏型又は屈曲降伏型ダンパであることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項3】
前記フレーム柱(3)の柱脚の内部には延性繊維コンクリート(12)が打設され、前記延性繊維コンクリート(12)は鋼繊維コンクリート、ポリエチレン繊維コンクリート又はポリエチレングリコール繊維コンクリート、或いはいくつかの繊維を組み合わせたコンクリートを含むことを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項4】
前記低強度可撓性充填体(5)はポリウレタン発泡プラスチック、発泡コンクリート、外包石膏ボード又はオートクレーブ気泡コンクリート平板であることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項5】
前記フレーム柱(3)は鋼管コンクリート柱、形鋼コンクリート柱又は鉄筋コンクリート柱であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項6】
前記フレーム柱(3)が鉄筋コンクリート柱である場合、前記鉄筋コンクリート柱の内部にはフープ筋(11)及び縦筋(10)が埋め込まれるように固定されていることを特徴とする請求項に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項7】
前記鉄筋コンクリート柱の内部には鋼管(14)が埋め込まれるように固定され、前記鋼管(14)の外側にはスパイラル筋が巻回されて溶接されていることを特徴とする請求項に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造であって、
フレーム柱(3)であって、前記フレーム柱(3)の数は少なくとも2本であり、前記フレーム柱(3)の底端は基礎面に固定され、隣り合う2本の前記フレーム柱(3)の対向する側壁には複数の埋め込みアンカプレート(2)が固定されており、前記埋め込みアンカプレート(2)には複数の予備穴(9)が開けられ、前記予備穴(9)内側にはネジが加工されており、前記埋め込みアンカプレート(2)と前記フレーム柱(3)側壁との貼合面には複数本の第1アンカボルト(7)が垂直に固定され、前記第1アンカボルト(7)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される、前記フレーム柱(3)と、
前記フレーム柱(3)の底端の外側壁の周囲に固定された被覆鋼板(4)であって、前記被覆鋼板(4)の内側壁の間には第2アンカボルト(13)が固定されて接続され、前記第2アンカボルト(13)は前記フレーム柱(3)の内部のコンクリート内に埋め込まれるように固定される、前記被覆鋼板(4)と、
エネルギー散逸機構(6)であって、前記エネルギー散逸機構(6)の数は複数であり、前記エネルギー散逸機構(6)は対向する2つの前記埋め込みアンカプレート(2)の間に取り外し可能に接続され、前記エネルギー散逸機構(6)の両端はボルト(8)によって前記予備穴(9)にネジ締めされて接続される、前記エネルギー散逸機構(6)と、
2本の前記フレーム柱(3)の間に固定されるフレーム/接続ビーム(1)と、
隣り合う前記フレーム柱(3)の間の隙間内に充填される低強度可撓性充填体(5)と、を含み、
前記低強度可撓性充填体(5)、前記エネルギー散逸機構(6)、及び前記フレーム/接続ビーム(1)は、地面から低い順に配置されていることを特徴とする組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項2】
前記エネルギー散逸機構(6)は剪断降伏型又は屈曲降伏型ダンパであることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項3】
前記フレーム柱(3)の柱脚の内部には延性繊維コンクリート(12)が打設され、前記延性繊維コンクリート(12)は鋼繊維コンクリート、ポリエチレン繊維コンクリート又はポリエチレングリコール繊維コンクリート、或いはいくつかの繊維を組み合わせたコンクリートを含むことを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項4】
前記低強度可撓性充填体(5)はポリウレタン発泡プラスチック、発泡コンクリート、外包石膏ボード又はオートクレーブ気泡コンクリート平板であることを特徴とする請求項1に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項5】
前記フレーム柱(3)は鋼管コンクリート柱、形鋼コンクリート柱又は鉄筋コンクリート柱であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項6】
前記フレーム柱(3)が鉄筋コンクリート柱である場合、前記鉄筋コンクリート柱の内部にはフープ筋(11)及び縦筋(10)が埋め込まれるように固定されていることを特徴とする請求項5に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。
【請求項7】
前記鉄筋コンクリート柱の内部には鋼管(14)が埋め込まれるように固定され、前記鋼管(14)の外側にはスパイラル筋が巻回されて溶接されていることを特徴とする請求項6に記載の組立式延性エネルギー散逸耐震壁構造。