(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182013
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】リニアガイド
(51)【国際特許分類】
F16C 29/06 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
F16C29/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095361
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】星野 京延
(72)【発明者】
【氏名】福永 正人
(72)【発明者】
【氏名】水戸 幸治
(72)【発明者】
【氏名】澤田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】青山 陽一
(72)【発明者】
【氏名】下土 敬由
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA02
3J104AA23
3J104AA34
3J104AA63
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104DA16
3J104EA01
3J104EA07
(57)【要約】
【課題】リニアガイドを用いて小型のステージを製造すること。
【解決手段】本発明のリニアガイド1は、単一のレール3と、レール3に対して相対移動可能な単一のブロック4と、レール3又はブロック4の一方に回転可能に取り付けられる送りねじ軸5と、レール3又はブロック4の他方に設けられ、送りねじ軸5に螺合する雌ねじを有するトルク発生部材7と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のレールと、
前記レールに対して相対移動可能な単一のブロックと、
前記レール又は前記ブロックの一方に回転可能に取り付けられる送りねじ軸と、
前記レール又は前記ブロックの他方に設けられ、前記送りねじ軸に螺合する雌ねじを有するトルク発生部材と、を備えるリニアガイド。
【請求項2】
前記レールに転動体を介して前記ブロックが組み付けられ、
前記レールの左右の側面に転動体転走部が形成され、
前記ブロックは、前記レールの上面に対向するウェブ部と、前記レールの左右の側面に対向し、転動体転走部が形成される左右の袖部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
【請求項3】
前記トルク発生部材は、前記ブロックに固定される保持部材に保持され、
前記レールには、前記保持部材との干渉を避けるための第1切欠き部が形成されると共に、前記送りねじ軸が入り、前記保持部材が入ることができず、前記第1切欠き部よりも幅が狭い第2切欠き部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアガイド。
【請求項4】
前記トルク発生部材は、前記ブロックに固定され、前記送りねじ軸に螺合する雌ねじを有する保持部材に保持され、
前記送りねじ軸を用いて、前記トルク発生部材の通し穴に前記雌ねじを加工することを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアガイド。
【請求項5】
前記保持部材には、前記トルク発生部材の一方側に前記雌ねじが形成され、前記トルク発生部材の他方側に前記送りねじ軸が入る通し穴が形成されることを特徴とする請求項4に記載のリニアガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ、光学機器、電子機器、精密機器等の位置調節に用いられるリニアガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ等の位置調節に送りねじを使用したステージが用いられる(特許文献1参照)。ステージは、土台に取り付けられる固定部品と、センサ等に取り付けられる摺動部品と、を備える。摺動部品には、あり溝が形成される。固定部品には、摺動部品のあり溝に嵌まるありが形成される。摺動部品は、固定部品に対して摺動可能である。
【0003】
固定部品には、送りねじ軸が回転可能に設けられる。摺動部品には、送りねじ軸に螺合する雌ねじ筒が設けられる。送りねじ軸に取り付けられたハンドルを回転させると、固定部品に対して摺動部品が送りねじ軸の軸方向に移動する。このため、摺動部品に取り付けられたセンサ等の位置調節を行うことができる。
【0004】
固定部品には、摺動固定ねじが螺合する。摺動部品の位置調節が終わった後、摺動固定ねじを固定部品にねじ込むと、摺動部品のあり溝の壁部が固定部品のありに向かって倒れて、固定部品のありを押す。このため、位置調節後の摺動部品の位置を固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のステージにおいては、位置調節後に摺動固定ねじを操作する必要がある。この操作に手間がかかるし、この操作により摺動部品の微小な位置ずれが生じていた。また、摺動部品の位置を固定するための構造が複雑なので、ステージを小型化しにくかった。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、リニアガイドを用いて小型のステージを製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、単一のレールと、前記レールに対して相対移動可能な単一のブロックと、前記レール又は前記ブロックの一方に回転可能に取り付けられる送りねじ軸と、前記レール又は前記ブロックの他方に設けられ、前記送りねじ軸に螺合する雌ねじを有するトルク発生部材と、を備えるリニアガイドである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リニアガイドを用いて小型のステージを製造することができる。また、トルク発生部材によって位置調節後のブロックの位置を固定できるので、ブロックの位置を固定するための摺動固定ねじ等も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態のリニアガイドの斜視図である。
【
図2】上記第1の実施形態のリニアガイドの分解斜視図である。
【
図3】上記第1の実施形態のリニアガイドの送りねじ軸に沿った断面図である。
【
図4】上記第1の実施形態のリニアガイドの循環路の断面図である。
【
図5】上記第1の実施形態のリニアガイドを直角に重ねたX-Yステージの斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態のリニアガイドの斜視図である。
【
図7】上記第2の実施形態のリニアガイドの分解斜視図である。
【
図8】上記第2の実施形態のリニアガイドの送りねじ軸に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて、本発明のリニアガイドを詳細に説明する。ただし、本発明のリニアガイドは種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
(第1の実施形態)
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態のリニアガイド1の斜視図、
図2はリニアガイド1の分解斜視図、
図3は送りねじ軸5に沿ったリニアガイド1の断面図、
図4はリニアガイド1の循環路の断面図を示す。
【0013】
図1及び
図2に示すように、リニアガイド1は、単一のレール3と、単一のブロック4と、レール3に回転可能に取り付けられる送りねじ軸5と、ブロック4に設けられるトルク発生部材7と、を備える。レール3とブロック4には、製品として販売されている既存のリニアガイドのものを用いることができる。
【0014】
なお、以下では説明の便宜上、水平面に配置したリニアガイド1をレール3の長さ方向から見た方向、すなわち
図1、
図2の前後、左右、上下の各方向を用いて、各部の構成を説明する。もちろん、リニアガイド1の配置はこれに限られるものではない。
【0015】
図2に示すように、レール3は、直線的に延びる。レール3には、送りねじ軸5が回転可能に取り付けられる。レール3の延びる方向と送りねじ軸5の軸方向は同一である。
【0016】
レール3は、上面、左右一対の側面を有する。レール3の上面には、ボルト等の締結部材(図示せず)を用いてレール3を土台に締結するための取付穴9が形成される。レール3の左右の側面には、転動体転走部3aが形成される。レール3には、ボール等の転動体10(
図4参照)を介してブロック4が相対移動可能に組み付けられる。ブロック4の相対移動に伴い、転動体10がレール3の転動体転走部3aを転走する(
図4参照)。
【0017】
図2に示すように、レール3の一端部には、ボルト等の締結部材11を用いて支持板12が固定される。支持板12には、送りねじ軸5が通る通し穴12aが形成される。送りねじ軸5には、ナット13が螺合する。送りねじ軸5の頭部(操作部5a)とナット13との間でワッシャ14を介して支持板12を挟むことで、送りねじ軸5が支持板12に回転可能に支持される。送りねじ軸5は、その一端部のみが片持ち支持されていて、その両端部が両持ち支持されてはいない。
【0018】
送りねじ軸5は、頭部(操作部5a)と、雄ねじ5bと、を備える。操作部5aには、六角レンチやドライバが係合する。送りねじ軸5は、手動により回転させることができる。
【0019】
レール3には、保持部材6との干渉を避けるための第1切欠き部15が形成される。また、レール3には、送りねじ軸5が入る第2切欠き部16が形成される。第1切欠き部15は、底のない貫通穴状である(
図3参照)。第2切欠き部16は、底のある溝状である(
図3参照)。第2切欠き部16は、第1切欠き部15の軸方向の両端に形成される。第1切欠き部15と第2切欠き部16により、送りねじ軸5はレール3に接触していない。第2切欠き部16の幅は、第1切欠き部15の幅よりも狭く、保持部材6は第2切欠き部16に入ることができない。
【0020】
図1に示すように、ブロック4は、レール3に相対移動可能に組み付けられる。ブロック4は、レール3の上面に対向するウェブ部4-1と、レール3の左右の側面に対向する左右の袖部4-2と、を有する。左右の袖部4-2に、転動体転走部21a(
図4参照)が形成される。
【0021】
図2に示すように、ブロック4は、ブロック本体21と、ブロック本体21の前後方向の両端部に取り付けられる一対の蓋部材22と、を備える。
図4に示すように、ブロック本体21には、転動体転走部21aが形成されると共に、転動体転走部21aと平行に戻し路Bが形成される。ブロック本体21の転動体転走部21aとレール3の転動体転走部3aとの間に負荷路Aが形成される。蓋部材22には、負荷路Aと戻し路Bに接続される略U字状のターン路Cが形成される。負荷路A、戻し路B、ターン路Cによって循環路が構成される。循環路には、複数の転動体10が循環可能に配置される。
【0022】
図2に示すように、ブロック4には、保持部材6が固定される。保持部材6には、トルク発生部材7が保持される。保持部材6の上面には、ボルト等の締結部材24に螺合するねじ穴25が形成される。ブロック4には、ブロック4に保持部材6を締結するための取付穴4aが形成される。
【0023】
保持部材6は、略円筒状であると共に、左右の側面6aが平坦に形成される。これにより。保持部材6が入るレール3の第1切欠き部15の幅を狭くして、レール3の強度を確保することができる。
図3に示すように、ブロック4の下面には、インローにより保持部材6を位置合わせするための凹部4bが形成される。なお、位置決めピン等により保持部材6をブロック4に位置合わせしてもよい。
【0024】
図2に示すように、保持部材6には、送りねじ軸5の軸方向と直交する方向に延びる収容穴6bが形成される。収容穴6bは、断面円形であり、保持部材6を上下方向に貫通する。収容穴6bには、略円柱状のトルク発生部材7が収容される。
【0025】
図3に示すように、保持部材6には、トルク発生部材7の一方側に送りねじ軸5に螺合する雌ねじ6cが形成される。また、保持部材6には、トルク発生部材7の他方側に送りねじ軸5が入る通し穴6dが形成される。通し穴6dの内面は円筒状であり、内径は送りねじ軸5の外径よりも大きい。
【0026】
保持部材6の収容穴6bには、トルク発生部材7が収容される。トルク発生部材7は、樹脂製である。トルク発生部材7は、保持部材6の収容穴6bに挿入されるだけでもよいし、接着剤を用いて収容穴6bに固定されてもよい。
【0027】
図2に示すように、リニアガイド1の組み立て前には、トルク発生部材7には、送りねじ軸5の軸方向に延びる通し穴7aが形成されている。通し穴7aの内面は円筒状であり、雌ねじが形成されていない。通し穴7aの内径は、送りねじ軸5のねじ山の外径よりも小さく、好ましくは送りねじ軸5の谷底の径よりも小さい。
【0028】
図3に示すように、リニアガイド1の組立て時に、保持部材6の雌ねじ6cに螺合する送りねじ軸5を用いて、トルク発生部材7の通し穴7aの内面に雌ねじ7bを加工(例えば転造)する。すなわち、送りねじ軸5を回転させることによって、送りねじ軸5をトルク発生部材7の通し穴7aにねじ込み、通し穴7aの内面に雌ねじ7bを加工する。
【0029】
トルク発生部材7の雌ねじ7bは、送りねじ軸5のねじ山の両側のフランクに隙間なく密着する。このため、リニアガイド1の軸方向のガタを除去することができる。また。送りねじ軸5を回転させようとすると、トルク発生部材7によって送りねじ軸5の回転に抵抗するトルクが発生する。このため、位置調節後のブロック4の位置を固定することができる。
【0030】
図2に示すように、ブロック4の上面には、レール3の取付穴9に挿入される締結部材(図示せず)が通る通し穴4cが形成される。ブロック4の通し穴4cは、レール3の取付穴9と同一のピッチで形成される。また、ブロック4の上面には、センサ等の搭載物を固定するためのねじ穴4d,4eが形成される。
図5に示すように、ねじ穴4eは、リニアガイド1の上に別のリニアガイド1を直角に重ねて、X-Yステージ1,1を製造するためにも使用することができる。このねじ穴4eのピッチは、レール3の取付穴9のピッチと等しい。
【0031】
以上に本実施形態のリニアガイド1の構成を説明した。本実施形態のリニアガイド1によれば以下の効果を奏する。
【0032】
リニアガイド1を用いて小型のステージを製造することができる。トルク発生部材7によって位置調節後のブロック4の位置を固定できるので、ブロック4の位置を固定するための摺動固定ねじ等も不要になる。
【0033】
ブロック4を断面コ字状に形成し、ブロック4の左右の袖部4-2に転動体転走部21aを形成するので、リニアガイド1の案内精度と剛性を高めることができる。
【0034】
レール3に保持部材6が入る第1切欠き部15を形成すると共に、第1切欠き部15よりも幅が狭く、送りねじ軸5が入る第2切欠き部16を形成するので、切欠き部15,16によってレール3の剛性が低下するのを抑えることができる。
【0035】
ブロック4に保持部材6を固定し、保持部材6にトルク発生部材7を保持させるので、ブロック4の高さ方向の寸法が小さくても、ブロック4にトルク発生部材7を設けることができる。
【0036】
保持部材6に送りねじ軸5に螺合する雌ねじ6cを形成するので、送りねじ軸5を用いてトルク発生部材7の通し穴7aに雌ねじ7bを加工することができる。
【0037】
保持部材6の、トルク発生部材7の一方側に雌ねじ6cを形成し、トルク発生部材7の他方側に通し穴6dを形成するので、トルク発生部材7に雌ねじ7bを高精度に形成することができる。
【0038】
レール3に取付穴9を形成し、ブロック4に締結部材を通す通し穴4cを形成するので、ブロック4のストロークが小さくても(すなわちレール3の上面に取付穴9が露出しなくても)、レール3を土台に取り付けることができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態に具現化できる。
【0040】
上記実施形態では、転動体としてボールを用いているが、ローラを用いることもできる。
【0041】
上記実施形態では、転動体の循環方式が無限循環であるが、有限循環にすることもできる。
【0042】
上記実施形態では、案内方式が転がり案内であるが、すべり案内にすることもできる。
(第2の実施形態)
【0043】
図6ないし
図8は、本発明の第2の実施形態のリニアガイド31を示す。
図6はリニアガイド31の斜視図、
図7はリニアガイド31の分解斜視図、
図8は送りねじ軸5に沿ったリニアガイド31の断面図である。
【0044】
図7に示すように、第2の実施形態のリニアガイド31も第1の実施形態のリニアガイド1と同様に、単一のレール33と、単一のブロック34と、送りねじ軸5と、トルク発生部材7と、を備える。
【0045】
第1の実施形態のリニアガイド1では、送りねじ軸5がレール3に回転可能に取り付けられるのに対し、第2の実施形態のリニアガイド31では、送りねじ軸5がブロック34に回転可能に取り付けられる。また、第1の実施形態のリニアガイド1では、トルク発生部材7がブロック4に設けられるのに対し、第2の実施形態のリニアガイド31では、トルク発生部材7がレール33に設けられる。
【0046】
レール33の基本構成は、第1の実施形態のレール3と略同一である。すなわち、
図7に示すように、レール33の左右の側面には、転動体転走部33aが形成される。レール33には、ボール等の転動体10を介してブロック34が相対移動可能に組み付けられる。レール33の上面には、レール33を土台に取り付けるための取付穴35が形成される。
【0047】
レール33には、トルク発生部材7が収容される収容穴33bが形成される。この収容穴33bは、送りねじ軸5の軸方向と直交する方向に延びる。
図8に示すように、レール33には、トルク発生部材7の一方側に送りねじ軸5に螺合する雌ねじ33cが形成され、トルク発生部材7の他方側に送りねじ軸5が入る通し穴33dが形成される。
図7に示すように、レール33の一端部には、ブロック34と一緒に移動する支持板37との干渉を避けるための切欠き部33eが形成される。
【0048】
トルク発生部材7の構成は、第1の実施形態のトルク発生部材7と略同一である。送りねじ軸5の構成も第1の実施形態の送りねじ軸5と略同一である。
図8に示すように、リニアガイド31の組立て時に、レール33の雌ねじ33cに螺合する送りねじ軸5を用いて、トルク発生部材7の通し穴7a(
図7参照)の内面に雌ねじ7bを形成する。
【0049】
図6に示すように、ブロック34の基本構成は、第1の実施形態のブロック4と略同一である。すなわち、ブロック34は、レール33の上面に対向するウェブ部34-1と、レール33の左右の側面に対向する左右の袖部34-2と、を有する。左右の袖部34-2には、レール33の転動体転走部33aに対向する転動体転走部が形成される。
【0050】
図7に示すように、ブロック34の一端部には、ボルト等の締結部材38を用いて支持板37が固定される。支持板37には、送りねじ軸5が回転可能に支持される。ナット13、ワッシャ14の構成は、第1の実施形態と略同一である。また、ブロック34の上面に形成されるねじ穴34e,34d、通し穴34cの構成も、第1の実施形態と略同一である。
【0051】
図8に示すように、送りねじ軸5を回転させると、送りねじ軸5がレール33に対して軸方向に移動し、送りねじ軸5と一緒にブロック34が軸方向に移動する。送りねじ軸5の回転を停止すると、トルク発生部材7によってブロック34の位置が固定される。
【0052】
第2の実施形態のリニアガイド31によれば、以下の効果を奏する。
リニアガイド31を用いて小型のステージを製造することができる。トルク発生部材7によって位置調節後のブロック34の位置を固定できるので、ブロック34の位置を固定するための摺動固定ねじ等も不要になる。
【0053】
ブロック34を断面コ字状に形成し、ブロック34の左右の袖部34-2に転動体転走部を形成するので、リニアガイド31の案内精度と剛性を高めることができる。
【0054】
レール33の、トルク発生部材7の一方側に雌ねじ33cを形成し、トルク発生部材7の他方側に通し穴33dを形成するので、トルク発生部材7に雌ねじ33cを高精度に形成することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…リニアガイド、3…レール、3a…転動体転走部、4…ブロック、4-1…ブロックのウェブ部、4-2…ブロックの袖部、4c…ブロックの通し穴、5…送りねじ軸、6…保持部材、6c…保持部材の雌ねじ、6d…保持部材の通し穴、7…トルク発生部材、7a…トルク発生部材の通し穴、7b…トルク発生部材の雌ねじ、9…レールの取付穴、10…転動体、15…レールの第1切欠き部、16…レールの第2切欠き部、21a…ブロックの転動体転走部、31…リニアガイド、33…レール、33a…レールの転動体転走部、33c…レールの雌ねじ、33d…レールの通し穴、34…ブロック、34-1…ブロックのウェブ部、34-2…ブロックの袖部、35…レールの取付穴