(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182023
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】除菌機能付き除湿装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20231219BHJP
F24F 8/20 20210101ALI20231219BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20231219BHJP
F24F 1/0083 20190101ALI20231219BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F24F8/20
F24F8/80 200
F24F1/0083
A61L9/01 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095388
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】松本 伎朗
(72)【発明者】
【氏名】南口 勝
(72)【発明者】
【氏名】福本 将秀
【テーマコード(参考)】
4C180
4D052
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA06
4C180EA58X
4C180GG11
4C180MM10
4D052AA08
4D052BA04
4D052BB09
(57)【要約】
【課題】次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することが可能な除菌機能付き除湿装置を提供する。
【解決手段】除菌機能付き除湿装置2は、圧縮機9aと放熱器9bと膨張器9cと吸熱器9dとを含んで構成される冷凍サイクル9によって流通する空気を除湿する除湿部と、流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部11と、内部の第一熱交換風路10aを流れる空気と第二熱交換風路10bを流れる空気との間で熱交換する熱交換器10と、吸込口5から吸い込んだ空気の第一部分(第一気流3a)が、吸熱器9d、第一熱交換風路10aの順に流通する第一除湿経路7と、吸込口5から吸い込んだ空気の第二部分(第二気流3b)が、第二熱交換風路10b、次亜塩素酸気化部11の順に流通する第二除湿経路8とを備える。第一除湿経路7を流通した空気と第二除湿経路8を流通した空気とを吹出口6から外部に吹き出す。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の空気を吸い込む吸込口と、
圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、
内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、
第一熱交換風路と前記第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、前記第一熱交換風路を流れる空気と前記第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、
前記除湿部を通過した空気を前記外部に吹き出す吹出口と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、前記吸熱器、前記第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、前記第二熱交換風路、前記次亜塩素酸気化部の順に流通する第二除湿経路と、
を備え、
前記第一除湿経路を流通した空気と前記第二除湿経路を流通した空気とを前記吹出口から前記外部に吹き出す、除菌機能付き除湿装置。
【請求項2】
前記放熱器は、前記第一除湿経路における前記第一熱交換風路の下流側に配置される、請求項1に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項3】
前記第一除湿経路を流通した空気と前記第二除湿経路を流通した空気とを混合して前記吹出口から前記外部に吹き出す、請求項2に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項4】
前記第一除湿経路における前記吸熱器の上流側と、前記第一除湿経路における前記第一熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項2に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項5】
前記第二除湿経路における前記熱交換器の上流側と、前記第一除湿経路における前記第一熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項2に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項6】
前記第二熱交換風路を流通する風量が、前記第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい、請求項2に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項7】
前記第一除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、
前記第二除湿経路に空気を流通させる第二送風機と、
をさらに備え、
前記第二送風機は、前記第二除湿経路における前記次亜塩素酸気化部の上流側に配置される、請求項6に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項8】
外部の空気を吸い込む吸込口と、
圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、
内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、
第一熱交換風路と前記第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、前記第一熱交換風路を流れる空気と前記第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、
前記除湿部を通過させた空気を前記外部に吹き出す吹出口と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、前記吸熱器、前記次亜塩素酸気化部、前記第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、前記第二熱交換風路を流通する第二除湿経路と、
を備え、
前記第一除湿経路を流通した空気と前記第二除湿経路を流通した空気とを前記吹出口から前記外部に吹き出す除菌機能付き除湿装置。
【請求項9】
前記放熱器は、前記第二除湿経路における前記第二熱交換風路の下流側に配置される、請求項8に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項10】
前記第一除湿経路を流通した空気と前記第二除湿経路を流通した空気とを混合して前記吹出口から前記外部に吹き出す、請求項9に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項11】
前記第一除湿経路における前記吸熱器の上流側と、前記第二除湿経路における前記第二熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項9に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項12】
前記第二除湿経路における前記熱交換器の上流側と、前記第二除湿経路における前記第二熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項9に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項13】
前記第二熱交換風路を流通する風量が、前記第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい、請求項9に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項14】
前記第一除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、
前記第二除湿経路に空気を流通させる第二送風機と、
をさらに備え、
前記第二送風機は前記第二除湿経路における前記次亜塩素酸気化部の上流側に配置される、請求項13に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項15】
外部の空気を吸い込む吸込口と、
圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、
内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、
第一熱交換風路と前記第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、前記第一熱交換風路を流れる空気と前記第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、
前記除湿部を通過させた空気を前記外部に吹き出す吹出口と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、前記吸熱器、前記第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、
前記吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、前記第二熱交換風路を流通する第二除湿経路と、
前記第一除湿経路において前記吸熱器を流通した前記第一部分の一部が、前記次亜塩素酸気化部を流通する次亜塩素酸気化経路と、
を備え、
前記第一除湿経路を流通した空気と、前記第二除湿経路を流通した空気と、前記次亜塩素酸気化部を流通した空気とを前記吹出口から前記外部に吹き出す、除菌機能付き除湿装置。
【請求項16】
前記第一除湿経路を流通した空気と、前記第二除湿経路を流通した空気と、前記次亜塩素酸気化経路を流通した空気とを混合する混合部をさらに備え、
前記混合部で混合された空気を前記吹出口から前記外部に吹き出す、請求項15に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項17】
前記放熱器は、前記混合部の上流側において前記第一除湿経路及び前記第二除湿経路に跨って配置される、請求項16に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項18】
前記第一除湿経路における前記吸熱器の上流側と、前記第一除湿経路における前記第一熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項17に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項19】
前記第二除湿経路における前記熱交換器の上流側と、前記第一除湿経路における前記第一熱交換風路の下流側であって前記放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える、請求項17に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項20】
前記第二熱交換風路を流通する風量が、前記第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい、請求項17に記載の除菌機能付き除湿装置。
【請求項21】
前記第一除湿経路及び前記第二除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、
前記次亜塩素酸気化経路に空気を流通させる第二送風機と、
をさらに備え、
前記第二送風機は、前記次亜塩素酸気化経路における前記次亜塩素酸気化部の上流側に配置される、請求項6に記載の除菌機能付き除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住空間などに用いられる除湿装置に関し、特に除菌機能付き除湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、居住空間の湿度を低下させ、快適性を増すものとして除湿装置が実用化されている。特に、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置として、例えば、特許文献1に記載の除湿装置が知られている。
【0003】
【0004】
図5に示すように、従来の除湿装置100は、空気吸込口101から本体ケース102内に吸い込んだ空気(空気X、空気Y)を、除湿部103を通過させた後に、空気吹出口104から本体ケース102外に吹き出す構成となっている。除湿部103は、圧縮機105、放熱器106、膨張器107、吸熱器108の順に連結した冷凍サイクルと、吸熱器108と放熱器106との間に配置され、第一流路109を流れる空気Xと第二流路110を流れる空気Yとの間で熱交換する熱交換器111と、を備えている。
【0005】
そして、第一流路109を流れる空気Xは、吸熱器108で冷却されて結露が発生する。この結露の発生により生じた結露水は回収される。一方、第二流路110を流れる空気Yは、吸熱器108によって冷却された空気Xと熱交換して冷却されて結露が発生する。この結露の発生により生じた結露水もまた回収される。これにより、従来の除湿装置100では、高い除湿性能を確保している。
【0006】
一方で、近年、感染症に対する予防意識が高まっており、感染症リスク低減のための除菌装置として、次亜塩素酸水から次亜塩素酸を気化させて放出するものなどが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、従来の除湿装置100に対して、次亜塩素酸を気化させて放出する除菌装置を連結して構成すると、除菌装置が次亜塩素酸の気化に伴って水を気化させるため、つまり除湿した空気を加湿することになるため、全体として除湿量が低下してしまうことが懸念される。
【0009】
そこで本発明は、上記課題を解決するものであり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することが可能な除菌機能付き除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係る除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、第二熱交換風路、次亜塩素酸気化部の順に流通する第二除湿経路と、を備え、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【0011】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、次亜塩素酸気化部、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、第二熱交換風路を流通する第二除湿経路とを備え、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【0012】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、第二熱交換風路を流通する第二除湿経路と、第一除湿経路において吸熱器を流通した第一部分の一部が、次亜塩素酸気化部を流通する次亜塩素酸気化経路とを備え、第一除湿経路を流通した空気と、第二除湿経路を流通した空気と、次亜塩素酸気化経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することが可能な除菌機能付き除湿装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置の居住空間への設置例を示す概念図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置の構成を示す概略側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置の構成を示す概略側面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置の構成を示す概略側面図である。
【
図5】
図5は、従来の除湿装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の第二部分が、第二熱交換風路、次亜塩素酸気化部の順に流通する第二除湿経路とを備え、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【0016】
こうした構成によれば、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第一部分が、第一除湿経路を流通する。その過程で、空気の第一部分は、吸熱器を通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温となった空気は、第一熱交換風路を流通し、その後吹出口から外部に吹き出される。また、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第二部分が、第二除湿経路を流通する。その過程で、空気の第二部分は、第二熱交換風路を流通し、第一熱交換風路を流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。そして、第二熱交換風路を通過した低温空気は、次亜塩素酸気化部を流通し、次亜塩素酸ガスを付加された後、吹出口から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、除菌機能付き除湿装置では、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0017】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、放熱器は、第一除湿経路における第一熱交換風路の下流側に配置される。これにより、外部の空気よりも低温の空気を放熱器に流通させることができるため、放熱器での放熱を促進し、吸熱器をより低温にできる。その結果、第二熱交換風路を通過した空気(吸熱器を通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0018】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを混合して吹出口から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路における吸熱器の上流側と、第一除湿経路における第一熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える。こうした構成によれば、吸熱器を流通する風量を抑えつつ、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。さらに、吸熱器を流通する風量を抑えることで、吸熱器の吸熱を抑制し、吸熱器はより低温になる。その結果、第二熱交換風路を通過した空気(吸熱器を通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0020】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、第二除湿経路における第二熱交換風路の上流側と、第一除湿経路における第一熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備えてもよい。こうした構成によれば、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。その結果、第二熱交換風路を通過した空気(吸熱器を通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0021】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、第二熱交換風路を流通する風量が、第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができる。その結果、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0022】
また、本発明に係る除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、第二除湿経路に空気を流通させる第二送風機と、をさらに備え、第二送風機は、第二除湿経路における次亜塩素酸気化部の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路及び第二除湿経路に外部の空気を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気を外部に吹き出すことができる。また、第一除湿経路及び第二除湿経路のそれぞれに送風機が配置されることで、第一熱交換風路及び第二熱交換風路を流通する風量を、容易にそれぞれ独立して調整することができ、第二熱交換風路を流通する風量を、第一熱交換風路を流通する風量よりも小さくすることができる。
【0023】
本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、次亜塩素酸気化部、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の他の第二部分が、第二熱交換風路を流通する第二除湿経路とを備え、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【0024】
こうした構成によれば、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第一部分が、第一除湿経路を流通する。その過程で、空気の第一部分は、吸熱器を通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温となった空気が次亜塩素酸気化部を流通し、次亜塩素酸ガスが付加される。そして、次亜塩素酸ガスが付加された低温空気は、第一熱交換風路を流通し、その後吹出口から外部に吹き出される。また、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第二部分が、第二除湿経路を流通する。その過程で、第二部分は、第二熱交換風路を流通し、第一熱交換風路を流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。その後、第二熱交換風路を流通した空気は、吹出口から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、別の除菌機能付き除湿装置では、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0025】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、放熱器は、第二除湿経路における第二熱交換風路の下流側に配置される。これにより、外部の空気よりも低温の空気を放熱器に流通させることができるため、放熱器での放熱を促進し、吸熱器をより低温にできる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0026】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路を流通した空気と第二除湿経路を流通した空気とを混合して吹出口から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路における吸熱器の上流側と、第二除湿経路における第二熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える。こうした構成によれば、第二熱交換風路を流通する風量を抑えつつ、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路を流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0028】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、第二除湿経路における第二熱交換風路の上流側と、第二除湿経路における第二熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備えてもよい。こうした構成によれば、第二熱交換風路を流通する風量を抑えつつ、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路を流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0029】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、第二熱交換風路を流通する風量が、第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気をより低温にすることができる。その結果、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0030】
また、本発明に係る別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、第二除湿経路に空気を流通させる第二送風機と、をさらに備え、第二送風機は、第二除湿経路における次亜塩素酸気化部の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路及び第二除湿経路に外部の空気を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気を外部に吹き出すことができる。また、第一除湿経路及び第二除湿経路のそれぞれに送風機が配置されることで、第一熱交換風路及び第二熱交換風路を流通する風量を、容易にそれぞれ独立して調整することができ、二熱交換風路を流通する風量を、第一熱交換風路を流通する風量よりも小さくすることができる。
【0031】
本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置は、外部の空気を吸い込む吸込口と、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルによって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部と、第一熱交換風路と第一熱交換風路とは独立した第二熱交換風路とを有し、第一熱交換風路を流れる空気と第二熱交換風路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口と、吸込口から吸い込んだ空気の第一部分が、吸熱器、第一熱交換風路の順に流通する第一除湿経路と、吸込口から吸い込んだ空気の他の第二部分が、第二熱交換風路を流通する第二除湿経路と、第一除湿経路において吸熱器を流通した第一部分の一部が、次亜塩素酸気化部を流通する次亜塩素酸気化経路とを備え、第一除湿経路を流通した空気と、第二除湿経路を流通した空気と、次亜塩素酸気化経路を流通した空気とを吹出口から外部に吹き出す。
【0032】
こうした構成によれば、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第一部分が、第一除湿経路を流通する。その過程で、空気の第一部分は、吸熱器を通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温になった空気の第一部分の一部は、次亜塩素酸気化経路を流通し、その過程で、次亜塩素酸気化部を流通し、次亜塩素酸ガスを付加される。その後、次亜塩素酸ガスを付加された空気は吹出口から外部に吹き出される。また、吸熱器を通過し、低温になった空気の第一部分の残りは、第一熱交換風路を流通し、その後吹出口から外部に吹き出される。また、吸込口から吸い込んだ外部の空気の第二部分が、第二除湿経路を流通する。その過程で、第二部分は、第二熱交換風路を流通し、第一熱交換風路を流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。その後、第二熱交換風路を通過した空気は吹出口から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、さらに別の除菌機能付き除湿装置では、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0033】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路を流通した空気と、第二除湿経路を流通した空気と、次亜塩素酸気化経路を流通した空気とを混合する混合部をさらに備え、混合部で混合された空気を吹出口から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0034】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、放熱器は、混合部の上流側において第一除湿経路及び第二除湿経路に跨って配置される。こうした構成によれば、外部の空気よりも低温の空気を放熱器に流通させることができるため、放熱器での放熱を促進し、吸熱器をより低温にできる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。
【0035】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路における吸熱器の上流側と、第一除湿経路における第一熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備える。こうした構成によれば、吸熱器及び第二熱交換風路を流通する風量を抑えつつ、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。さらに、吸熱器を流通する風量を抑えることで、吸熱器の吸熱を抑制し、吸熱器はより低温になる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路を流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0036】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、第二除湿経路における第二熱交換風路の上流側と、第一除湿経路における第一熱交換風路の下流側であって放熱器の上流側との間を連通接続するバイパス風路をさらに備えてもよい。こうした構成によれば、吸熱器及び第二熱交換風路を流通する風量を抑えつつ、吸熱器を流通した空気の量に対して放熱器を流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器の放熱が促進され、吸熱器はより低温になる。さらに、吸熱器を流通する風量を抑えることで、吸熱器の吸熱を抑制し、吸熱器はより低温になる。その結果、吸熱器を通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路を流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0037】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、第二熱交換風路を流通する風量が、第一熱交換風路を流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路を流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路を流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路を通過した空気をより低温にすることができる。その結果、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0038】
また、本発明に係るさらに別の除菌機能付き除湿装置では、第一除湿経路及び第二除湿経路に空気を流通させる第一送風機と、次亜塩素酸気化経路に空気を流通させる第二送風機と、をさらに備え、第二送風機は、次亜塩素酸気化経路における次亜塩素酸気化部の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路、第二除湿経路、及び次亜塩素酸気化経路に外部の空気を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気を外部に吹き出すことができる。また、次亜塩素酸気化部の下流側に送風機がないことで、次亜塩素酸気化部で付加された次亜塩素酸ガスを、送風機で消費することなく、効率的に外部に吹き出すことができる。
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0040】
(実施の形態1)
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2の概略について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2の居住空間1への設置例を示す概略側面図である。
図2は、除菌機能付き除湿装置2の構成を示す概略側面図である。
【0041】
図1に示す通り、除菌機能付き除湿装置2は、居住空間1の天面1aの裏側に設置される。除菌機能付き除湿装置2は、居住空間1の空気3を取り込み、取り込んだ空気3を除湿し、次亜塩素酸ガスを付加した後、除湿され、次亜塩素酸ガスが付加された空気4として居住空間1に放出する。つまり、除菌機能付き除湿装置2は、居住空間1を除湿するとともに、居住空間1に次亜塩素酸ガスを供給して除菌する装置と言える。なお、除菌機能付き除湿装置2は、特に図示していないが、外部電源に接続されるとともに、給水経路及び排水経路と接続されている。
【0042】
空気3は、居住空間1から除菌機能付き除湿装置2に取り込まれる空気である。
図1の矢印は、空気3の主な流れを示す。
【0043】
空気4は、除菌機能付き除湿装置2から居住空間1に吹き出される空気である。
図1の矢印は、空気4の主な流れを示す。詳細は後述するが、空気4は、除菌機能付き除湿装置2内で除湿及び除菌された空気である。また、空気4は、次亜塩素酸ガスを含むので、居住空間1の壁面などを除菌する空気とも言える。
【0044】
次に、除菌機能付き除湿装置2の具体的な構成について説明する。
【0045】
図2に示す通り、除菌機能付き除湿装置2は、吸込口5、吹出口6、第一除湿経路7、第二除湿経路8、冷凍サイクル9、熱交換器10、次亜塩素酸気化部11、バイパス風路12、第一送風機13a、及び第二送風機13bを備えている。冷凍サイクル9は、圧縮機9a、放熱器9b、膨張器9c、及び吸熱器9dを含む。
【0046】
吸込口5は、居住空間1の空気3を除菌機能付き除湿装置2に取り込むための取込口であり、居住空間1の天面1aに配置される。
【0047】
吹出口6は、除菌機能付き除湿装置2に取り込んだ空気を空気4として居住空間1に供給するための吹出口であり、居住空間1の天面1aに配置される。
【0048】
第一除湿経路7は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第一部分(第一気流3a)が、冷凍サイクル9の吸熱器9d、熱交換器10の第一熱交換風路10a、冷凍サイクル9の放熱器9b、第一送風機13aの順に流通する風路であり、吸込口5と吹出口6とを連通接続するように配置される。言い換えれば、第一除湿経路7には、上流側から、吸込口5、冷凍サイクル9の吸熱器9d、熱交換器10の第一熱交換風路10a、冷凍サイクル9の放熱器9b、第一送風機13a、及び吹出口6がこの順に設置されている。
【0049】
第二除湿経路8は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第二部分(第二気流3b)が、熱交換器10の第二熱交換風路10b、第二送風機13b、次亜塩素酸気化部11の順に流通する風路であり、吸込口5と吹出口6とを連通接続するように配置される。言い換えれば、第二除湿経路8には、上流側から、吸込口5、熱交換器10の第二熱交換風路10b、第二送風機13b、次亜塩素酸気化部11、及び吹出口6がこの順に設置されている。
【0050】
第一除湿経路7と第二除湿経路8とは、熱交換器10部分を共有するものの、吸込口5から吹出口6に至る分岐風路であるとも言える。
【0051】
ここで、空気3の第一部分である第一気流3aは、吸込口5から吸い込んだ空気3の一部の流れであり、空気3の第二部分である第二気流3bは、吸込口5から吸い込んだ空気3の残りの流れである。第一気流3a及び第二気流3bの各風量等については後述する。
【0052】
冷凍サイクル9は、圧縮機9a、放熱器9b、膨張器9c、及び吸熱器9dを備えて構成される。冷凍サイクル9は、圧縮機9aと放熱器9bと膨張器9cと吸熱器9dとをこの順序で環状に連結して構成される。冷凍サイクルを構成する各機器の連結には、銅管がよく用いられ、溶接方式で連結される。冷凍サイクルには、例えば、冷媒として代替フロン(HFC134a)が利用される。なお、冷凍サイクル9は、装置内部を流通する空気を除湿する「除湿部」とも言える。
【0053】
圧縮機9aは、冷凍サイクルにおける低温・低圧の冷媒ガス(作動媒体ガス)を圧縮し、圧力を高めて高温化する機器である。本実施の形態では、圧縮機9aは、冷媒ガスの温度を45℃程度にまで高温化している。なお、圧縮機9aは、第一除湿経路7及び第二除湿経路8の外側に配置されている。
【0054】
放熱器9bは、圧縮機9aによって高温・高圧となった冷媒ガスと空気との間で熱交換することによって、熱を外部(冷凍サイクル外)に放出させる機器である。放熱器9bは、第一除湿経路7における熱交換器10(熱交換器10の第一熱交換風路10a)の下流側であって、第一送風機13aの上流側に配置される。放熱器9bでは、導入される冷媒ガスの温度(45℃程度)が空気の温度より高いため、熱交換すると、空気は昇温され、冷媒ガスは冷却される。このとき、冷媒ガスは、高圧下で凝縮されて液化する。なお、放熱器9bは、凝縮器ともいう。
【0055】
膨張器9cは、放熱器9bによって液化した高圧の冷媒を減圧して低温・低圧の液体とする機器である。なお、膨張器9cは、第一除湿経路7及び第二除湿経路8の外側に配置されている。また、膨張器9cは、膨張弁ともいう。
【0056】
吸熱器9dは、膨張器9cを流通した冷媒が空気から熱を奪って蒸発し、液状の冷媒を低温・低圧の冷媒ガスとする機器である。吸熱器9dは、第一除湿経路7における熱交換器10(熱交換器10の第一熱交換風路10a)の上流側に配置される。吸熱器9dでは、導入される冷媒の温度が空気の温度より低いため、熱交換すると、空気が冷却され、冷媒が昇温される。なお、吸熱器9dは、蒸発器ともいう。
【0057】
熱交換器10は、顕熱型の熱交換素子を備えた熱交換器である。熱交換器10の内部には、所定の方向に流れる第一熱交換風路10aと、第一熱交換風路10aと略直交する方向に空気が流れる第二熱交換風路10bとを備える。第一熱交換風路10aでは、内部を流れる空気(第一気流3a)と、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)との間で熱交換がされる。同様に、第二熱交換風路10bでは、内部を流れる空気(第二気流3b)と、第一熱交換風路10aを流通する空気(第一気流3a)との間で熱交換がされる。熱交換器10は、
図2に示すように、第一除湿経路7と第二除湿経路8とが交差する位置に配置される。このとき、第一熱交換風路10aは、第一除湿経路7における吸熱器9dの下流側であって、放熱器9b上流側に配置される。また、第二熱交換風路10bは、第二除湿経路8における次亜塩素酸気化部11(及び第二送風機13b)の上流側に配置される。第一熱交換風路10aには、第一除湿経路7を流通する空気(第一気流3a)が流通し、第二熱交換風路10bには、第二除湿経路8を流通する空気(第二気流3b)が流通する。なお、第二気流3bは、後述するように、その一部が第三気流3cとなって分割されるが、一部が分割された後も第二気流3bと称して説明する。
【0058】
次亜塩素酸気化部11は、内部を流通する空気(第二気流3b)に次亜塩素酸ガスを付加する機器である。次亜塩素酸気化部11は、第二除湿経路8における第二熱交換風路10b(及び第二送風機13b)の下流側に配置される。次亜塩素酸気化部11は、遠心破砕ユニット及び次亜塩素酸水槽を有する。次亜塩素酸気化部11は、モータを用いて遠心破砕ユニットを回転させ、次亜塩素酸水槽に貯水されている次亜塩素酸水を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、微細化された水とともに次亜塩素酸を気化させる。これにより、次亜塩素酸気化部11を流通する空気には、微細化された水とともに次亜塩素酸ガスが付加される。
【0059】
バイパス風路12は、吸込口5から吸い込んだ第二気流3bの一部(第三気流3c)を、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側であって放熱器9bの上流側となる位置に導入する風路である。本実施の形態では、バイパス風路12は、第二除湿経路8における熱交換器10の上流側と、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するように配置される。
【0060】
第一送風機13aは、第一除湿経路7及びバイパス風路12に空気を流通させるための送風ファンである。第一送風機13aは、第一除湿経路7における放熱器9bの下流側に配置される。第一送風機13aが動作することにより、第一除湿経路7内に第一気流3aが流通し、バイパス風路12内に第三気流3cが流通する。
【0061】
第二送風機13bは、第二除湿経路8に空気を流通させるための送風ファンである。第二送風機13bは、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって次亜塩素酸気化部11の上流側に配置される。第二送風機13bが動作することにより、第二除湿経路8内に第二気流3bが流通する。
【0062】
次に、除菌機能付き除湿装置2の内部を流通する空気の流れと、除湿の動作及び次亜塩素酸気化の動作について説明する。
【0063】
図2に示すように、吸込口5から取り込んだ空気3は、第一除湿経路7に流入する第一気流3aと、第二除湿経路8に流入する第二気流3bとに分割される。第二気流3bは、熱交換器10の上流側で一部が第三気流3cとしてさらに分割される。そして、第三気流3cは、バイパス風路12を流通し、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側であって放熱器9bの上流側となる位置に導入され、第一気流3aに合流する。ここで、第一気流3aは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第一部分」に相当し、第二気流3bは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第二部分」に相当する。本実施の形態では、空気3の温度は27℃であり、相対湿度は60%であり、風量は450m
3/hである。
【0064】
第一気流3aは、第一送風機13aの動作によって第一除湿経路7を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第一気流3aの風量は180m3/hである。
【0065】
第一気流3a(温度27℃、相対湿度60%、風量180m3/h)は、吸込口5から除菌機能付き除湿装置2に取り込まれた後に、第一除湿経路7を流通していき、吸熱器9dを流通することで冷却される。これにより、第一気流3aの温度が露点温度以下となり、第一気流3aが結露するので、第一気流3aに含まれる水分が除去される。つまり、吸熱器9dを流通することによって、第一気流3aに対する除湿がなされる。本実施の形態では、吸熱器9dを流通した第一気流3aの温度は10℃となり、相対湿度は95%となる。
【0066】
その後、第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量180m3/h)は、熱交換器10の第一熱交換風路10aを流通し、後述する第二熱交換風路10bを流通する第二気流3bと熱交換することで、昇温される。ただし、このとき、第一気流3aの温度は、第二熱交換風路10bを流通する前の第二気流3bの温度(除菌機能付き除湿装置2外の空気3の温度)よりは低温となる。本実施の形態では、第一熱交換風路10aを流通した第一気流3aの温度は18℃となり、相対湿度は55%となる。
【0067】
その後、第一気流3a(温度18℃、相対湿度55%、風量180m3/h)は、後述する第三気流3c(温度27℃、相対湿度60%、風量120m3/h)と合流することで風量を増加させる。本実施の形態では、第三気流3cの風量を120m3/hとしている。その結果、第一気流3aの温度は22℃となり、相対湿度は60%となり、風量は300m3/hとなる。
【0068】
その後、第一気流3a(温度22℃、相対湿度60%、風量300m3/h)は、放熱器9bを流通する。これにより、吸熱器9dにおいて吸熱されるエネルギーと、圧縮機9aにおいて冷凍サイクル9内の冷媒を循環させるためのエネルギーとに相当する熱量が、放熱器9bから第一気流3aに排熱される。その結果、第一気流3aは昇温される。本実施の形態では、放熱器9bを流通した第一気流3aの温度は45℃となり、相対湿度は16%となる。
【0069】
その後、第一気流3a(温度45℃、相対湿度16%、風量300m3/h)は、第一送風機13aを流通し、後述する第二気流3bと合流した後に、吹出口6から外部に吹き出される。
【0070】
第二気流3bは、第二送風機13bによって第二除湿経路8を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第二気流3bの風量は270m3/hとする。
【0071】
第二気流3b(温度27℃、相対湿度60%、風量270m3/h)は、吸込口5から除菌機能付き除湿装置2に取り込まれた後に、一部が分割されて第三気流3cとしてバイパス風路12に流入することで、風量が減少する。本実施の形態では、前述の通り、第三気流3cの風量を120m3/hとしているので、第二気流3bの風量は150m3/hとなる。
【0072】
その後、第二気流3b(温度27℃、相対湿度60%、風量150m3/h)は、熱交換器10の第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量180m3/h)と熱交換することで、冷却される。これにより、第二気流3bの温度が露点温度以下となり、第二気流3bが結露するので、第二気流3bに対する除湿がなされる。つまり、第二熱交換風路10bを流通することによって、第二気流3bに対する除湿がなされる。このとき、第二熱交換風路10bを流通する風量(150m3/h)は、第一熱交換風路10aを流通する風量(180m3/h)よりも小さい。本実施の形態では、第二熱交換風路10bを流通した第二気流3bの温度は20℃となり、相対湿度は85%となる。
【0073】
その後、第二気流3b(温度20℃、相対湿度85%、風量150m3/h)は、第二送風機13bを流通し、次亜塩素酸気化部11を流通する。これにより、第二気流3bは、次亜塩素酸ガスが付加される。また、同時に加湿される。しかしながら、次亜塩素酸気化部11に導入される第二気流3bは、低温高湿な空気であるため、例えば、同様の条件で運転する従来の除湿装置100から吹き出される空気を次亜塩素酸気化部に導入した場合よりも、次亜塩素酸気化部における加湿は抑制される。本実施の形態では、次亜塩素酸気化部11を流通した第二気流3bの温度は18℃となり、相対湿度は98%となる。
【0074】
その後、第二気流3b(温度18℃、相対湿度98%、風量150m3/h)は、前述した第一気流3a(温度45℃、相対湿度16%、風量300m3/h)と合流した後に、空気4として吹出口6から外部に吹き出される。本実施の形態では、吹出口6から外部に吹き出される空気4の温度は36℃となり、相対湿度は30%となり、風量450m3/hとなる。このとき、除湿量は33L/日となる。
【0075】
また、従来の除湿装置100に、本実施の形態と同様に空気を流通させ、その空気吹出口104から吹き出される空気を次亜塩素酸気化部11に流通させて外部に吹き出した場合、その吹出空気の温度は33℃となり、相対湿度は40%となり、除湿量は9L/日となる。つまり、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2は、従来の除湿装置100と次亜塩素酸気化部11とを連結した場合と比較して、約3.7倍の除湿効果を得ることができる。
【0076】
以上、本実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2によれば、以下の効果を享受することができる。
【0077】
(1)除菌機能付き除湿装置2は、外部の空気3を吸い込む吸込口5と、圧縮機9aと放熱器9bと膨張器9cと吸熱器9dとを含んで構成される冷凍サイクル9によって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気(第二気流3b)に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部11と、第一熱交換風路10aと第一熱交換風路10aとは独立した第二熱交換風路10bとを有し、第一熱交換風路10aを流れる空気(第一気流3a)と第二熱交換風路10bを流れる空気(第二気流3b)との間で熱交換する熱交換器10と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口6と、吸込口5から吸い込んだ空気の第一部分(第一気流3a)が、吸熱器9d、第一熱交換風路10aの順に流通する第一除湿経路7と、吸込口5から吸い込んだ空気の第二部分(第二気流3b)が、第二熱交換風路10b、次亜塩素酸気化部11の順に流通する第二除湿経路8とを備え、第一除湿経路7を流通した空気と第二除湿経路8を流通した空気とを吹出口6から外部に吹き出す。
【0078】
こうした構成によれば、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第一部分(第一気流3a)が、第一除湿経路7を流通する。その過程で、空気3の第一部分(第一気流3a)は、吸熱器9dを通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温となった空気は第一熱交換風路10aを流通し、その後吹出口6から外部に吹き出される。また、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第二部分(第二気流3b)が、第二除湿経路8を流通する。その過程で、空気3の第二部分(第二気流3b)は、第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。そして、第二熱交換風路10bを通過した低温空気は、次亜塩素酸気化部11を流通し、次亜塩素酸ガスを付加された後、吹出口6から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部11には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、除菌機能付き除湿装置2では、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0079】
(2)除菌機能付き除湿装置2では、放熱器9bは、第一除湿経路7における第一熱交換風路10aの下流側に配置される。これにより、外部の空気3よりも低温の空気を放熱器9bに流通させることができるため、放熱器9bでの放熱を促進し、吸熱器9dをより低温にできる。その結果、第二熱交換風路10bを通過した空気(吸熱器9dを通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり、次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0080】
(3)除菌機能付き除湿装置2では、第一除湿経路7を流通した空気と第二除湿経路8を流通した空気とを混合して吹出口6から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0081】
(4)除菌機能付き除湿装置2では、第二除湿経路8における熱交換器10の上流側と、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するバイパス風路12をさらに備える。こうした構成によれば、吸熱器9dを流通する風量を抑えつつ、吸熱器9dを流通した空気の量に対して放熱器9bを流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器9bの放熱が促進され、吸熱器9dはより低温になる。さらに、吸熱器9dを流通する風量を抑えることで、吸熱器9dの吸熱を抑制し、吸熱器9dはより低温になる。その結果、第二熱交換風路10bを通過した空気(吸熱器9dを通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり、次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0082】
(5)除菌機能付き除湿装置2では、第二熱交換風路10bを流通する風量が、第一熱交換風路10aを流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路10bを流通する空気を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができる。その結果、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0083】
(6)除菌機能付き除湿装置2では、第一除湿経路7に空気を流通させる第一送風機13aと、第二除湿経路8に空気を流通させる第二送風機13bとを備え、第二送風機13bは、第二除湿経路8における次亜塩素酸気化部11の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路7及び第二除湿経路8に外部の空気3を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気4を外部に吹き出すことができる。また、次亜塩素酸気化部11の下流側に送風機(第二送風機13b)がないことで、次亜塩素酸気化部11で付加された次亜塩素酸ガスを、送風機で消費することなく、効率的に外部に吹き出すことができる。また、第一除湿経路7及び第二除湿経路8のそれぞれに送風機が配置されることで、第一熱交換風路10a及び第二熱交換風路10bを流通する風量を、容易にそれぞれ独立して調整することができ、第二熱交換風路10bを流通する風量を、第一熱交換風路10aを流通する風量よりも小さくすることができる。
【0084】
(実施の形態2)
図3を参照して、本実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aの構成を示す概略側面図である。
【0085】
本発明の実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aもまた、取り込んだ空気3を除湿し、次亜塩素酸ガスを付加した後、除湿され、次亜塩素酸ガスが付加された空気4として放出する装置である。除菌機能付き除湿装置2aでは、放熱器9b、次亜塩素酸気化部11、バイパス風路12a、第一送風機13a、及び第二送風機13bの配置が異なる点で実施の形態1と異なる。これ以外の除菌機能付き除湿装置2aの構成は、実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0086】
図3に示す通り、除菌機能付き除湿装置2aは、吸込口5、吹出口6、第一除湿経路7、第二除湿経路8、冷凍サイクル9、熱交換器10、次亜塩素酸気化部11、バイパス風路12a、第一送風機13a、及び第二送風機13bを備えている。冷凍サイクル9は、圧縮機9a、放熱器9b、膨張器9c、及び吸熱器9dを含む。
【0087】
以下に、除菌機能付き除湿装置2aの構成における実施の形態1との差分について説明する。
【0088】
第一除湿経路7は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第一部分(第一気流3a)が、冷凍サイクル9の吸熱器9d、第一送風機13a、次亜塩素酸気化部11、熱交換器10の第一熱交換風路10aの順に流通する風路である。言い換えれば、第一除湿経路7には、上流側から、吸込口5、冷凍サイクル9の吸熱器9d、第一送風機13a、次亜塩素酸気化部11、熱交換器10の第一熱交換風路10a、及び吹出口6がこの順に設置されている。
【0089】
第二除湿経路8は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第二部分(第二気流3b)が、熱交換器10の第二熱交換風路10b、冷凍サイクル9の放熱器9b、第二送風機13bの順に流通する風路である。言い換えれば、第二除湿経路8には、吸込口5、熱交換器10の第二熱交換風路10b、冷凍サイクル9の放熱器9b、第二送風機13b、及び吹出口6がこの順に設置されている。
【0090】
冷凍サイクル9の放熱器9bは、第二除湿経路8に配置される。より詳細には、放熱器9bは、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって第二送風機13bの上流側に配置される。
【0091】
次亜塩素酸気化部11は、第一除湿経路7に配置される。より詳細には、次亜塩素酸気化部11は、第一除湿経路7における吸熱器9dの下流側であって第一熱交換風路10aの上流側に配置される。
【0092】
バイパス風路12aは、吸込口5から取り込んだ第一気流3aの一部(第四気流3d)を、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって放熱器9bの上流側となる位置に導入する風路である。本実施の形態では、バイパス風路12aは、第一除湿経路7における吸熱器9dの上流側と、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するように配置される。
【0093】
第一送風機13aは、第一除湿経路7における吸熱器9dの下流側であって次亜塩素酸気化部11の上流側に配置される。第一送風機13aが動作することにより、第一除湿経路7内に第一気流3aが流通する。
【0094】
第二送風機13bは、第二除湿経路8における放熱器9bの下流側に配置される。第二送風機13bが動作することにより、第二除湿経路8内に第二気流3bが流通し、バイパス風路12a内に第四気流3dが流通する。
【0095】
次に、除菌機能付き除湿装置2aの内部を流通する空気の流れと、除湿の動作及び次亜塩素酸気化の動作について説明する。
【0096】
図3に示すように、吸込口5から取り込んだ空気3は、第一除湿経路7に流入する第一気流3aと、第二除湿経路8に流入する第二気流3bとに分割される。第一気流3aは、吸熱器9dの上流側で一部が第四気流3dとしてさらに分割される。そして、第四気流3dは、バイパス風路12aを流通し、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって放熱器9bの上流側となる位置に導入され、第二気流3bに合流する。ここで、第一気流3aは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第一部分」に相当し、第二気流3bは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第二部分」に相当する。本実施の形態では、空気3の温度は27℃であり、相対湿度は60%であり、風量は400m
3/hである。
【0097】
第一気流3aは、第一送風機13aの動作によって第一除湿経路7を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第一気流3aの風量は280m3/hである。
【0098】
第一気流3a(温度27℃、相対湿度60%、風量280m3/h)は、吸込口5から除菌機能付き除湿装置2aに取り込まれた後に、一部が分割されて第四気流3dとしてバイパス風路12aに流入することで、風量が減少する。本実施の形態では、第四気流3dの風量を130m3/hとしている。その結果、第一気流3aの風量は150m3/hとなる。
【0099】
その後、第一気流3a(温度27℃、相対湿度60%、風量150m3/h)は、吸熱器9dを流通することで冷却される。これにより、第一気流3aの温度が露点温度以下となり、第一気流3aが結露するので、第一気流3aに含まれる水分が除去される。つまり、吸熱器9dを流通することによって、第一気流3aに対する除湿がなされる。本実施の形態では、吸熱器9dを流通した第一気流3aの温度は10℃となり、相対湿度は95%となる。
【0100】
その後、第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量150m3/h)は、第一送風機13aを流通し、次亜塩素酸気化部11を流通する。これにより、第一気流3aは、次亜塩素酸ガスが付加される。また、同時に加湿される。しかしながら、次亜塩素酸気化部11に導入される第一気流3aは、低温高湿な空気であるため、例えば、同様の条件で運転する従来の除湿装置100から吹き出される空気を次亜塩素酸気化部に導入した場合よりも、次亜塩素酸気化部における加湿は抑制される。本実施の形態では、次亜塩素酸気化部11を流通した第一気流3aの温度は10℃となり、相対湿度は99%となる。
【0101】
その後、第一気流3a(温度10℃、相対湿度99%、風量150m3/h)は、熱交換器10の第一熱交換風路10aを流通し、第二熱交換風路10bを流通する第二気流3bと熱交換することで、昇温される。本実施の形態では、第一熱交換風路10aを流通した第一気流3aの温度は18℃となり、相対湿度は55%となる。
【0102】
その後、第一気流3a(温度18℃、相対湿度55%、風量150m3/h)は、第二気流3bと合流した後に、吹出口6から外部に吹き出される。
【0103】
第二気流3bは、第二送風機13bの動作によって第二除湿経路8を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第一気流3aの風量は120m3/hとする。
【0104】
第二気流3b(温度27℃、相対湿度60%、風量120m3/h)は、吸込口5から除菌機能付き除湿装置2に取り込まれた後に、第二除湿経路8を流通していき、熱交換器10の第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量150m3/h)と熱交換することで、冷却される。これにより、第二気流3bの温度が露点温度以下となり、第二気流3bが結露するので、第二気流3bに対する除湿がなされる。つまり、第二熱交換風路10bを流通することによって、第二気流3bに対する除湿がなされる。本実施の形態では、第二熱交換風路10bを流通した第二気流3bの温度は20℃となり、相対湿度は85%となる。
【0105】
その後、第二気流3b(温度20℃、相対湿度85%、風量120m3/h)は、第四気流3d(温度27℃、相対湿度60%、風量130m3/h)と合流することで風量を増加させる。その結果、第一気流3aの温度は23℃となり、相対湿度は73%となり、風量は250m3/hとなる。
【0106】
その後、第二気流3b(温度23℃、相対湿度73%、風量250m3/h)は、放熱器9bを流通する。これにより、吸熱器9dにおいて吸熱されるエネルギーと、圧縮機9aにおいて冷凍サイクル9内の冷媒を循環させるためのエネルギーとに相当する熱量が、放熱器9bから第二気流3bに排熱される。その結果、第二気流3bは昇温される。本実施の形態では、放熱器9bを流通した第二気流3bの温度は45℃となり、相対湿度は20%となる。
【0107】
その後、第二気流3b(温度45℃、相対湿度20%、風量250m3/h)は、第一気流3a(温度18℃、相対湿度55%、風量150m3/h)と合流した後に、空気4として吹出口6から外部に吹き出される。本実施の形態では、吹出口6から外部に吹き出される空気4の温度は36℃となり、相対湿度は30%となり、風量は400m3/hとなる。このとき、除湿量は37L/日となる。
【0108】
従来の除湿装置100と次亜塩素酸気化部11とを連結した場合では、除湿量が9L/日であるので、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2aは、約4.1倍の除湿効果を得ることができる。
【0109】
以上、本実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aによれば、以下の効果を享受することができる。
【0110】
(1a)除菌機能付き除湿装置2aは、外部の空気3を吸い込む吸込口5と、圧縮機9aと放熱器9bと膨張器9cと吸熱器9dとを含んで構成される冷凍サイクル9によって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気(第一気流3a)に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部11と、第一熱交換風路10aと第一熱交換風路10aとは独立した第二熱交換風路10bとを有し、第一熱交換風路10aを流れる空気(第一気流3a)と第二熱交換風路10bを流れる空気(第二気流3b)との間で熱交換する熱交換器10と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口6と、吸込口5から吸い込んだ空気の第一部分(第一気流3a)が、吸熱器9d、次亜塩素酸気化部11、第一熱交換風路10aの順に流通する第一除湿経路7と、吸込口5から吸い込んだ空気の第二部分(第二気流3b)が、第二熱交換風路10bを流通する第二除湿経路8とを備え、第一除湿経路7を流通した空気(第一気流3a)と第二除湿経路8を流通した空気(第二気流3b)とを吹出口6から外部に吹き出す。
【0111】
こうした構成によれば、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第一部分(第一気流3a)が、第一除湿経路7を流通する。その過程で、空気3の第一部分(第一気流3a)は、吸熱器9dを通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温となった空気が次亜塩素酸気化部11を流通し、次亜塩素酸ガスが付加される。そして、次亜塩素酸ガスが付加された低温空気は、第一熱交換風路10aを流通し、その後吹出口6から外部に吹き出される。また、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第二部分(第二気流3b)が、第二除湿経路8を流通する。その過程で、空気3の第二部分(第二気流3b)は、第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。その後、第二熱交換風路10bを流通した空気(第二気流3b)は、吹出口6から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部11には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、除菌機能付き除湿装置2aでは、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0112】
(2a)除菌機能付き除湿装置2aでは、放熱器9bは、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側に配置される。これにより、外部の空気3よりも低温の空気(第二気流3b)を放熱器9bに流通させることができるため、放熱器9bでの放熱を促進し、吸熱器9dをより低温にできる。その結果、吸熱器9dを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0113】
(3a)除菌機能付き除湿装置2aでは、第一除湿経路7を流通した空気と第二除湿経路8を流通した空気とを混合して吹出口6から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0114】
(4a)除菌機能付き除湿装置2aでは、第一除湿経路7における吸熱器9dの上流側と、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するバイパス風路12aをさらに備える。こうした構成によれば、第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えつつ、吸熱器9dを流通した空気の量に対して放熱器9bを流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器9bの放熱が促進され、吸熱器9dはより低温になる。その結果、吸熱器9dを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気(第二気流3b)がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0115】
(5a)除菌機能付き除湿装置2aでは、第二熱交換風路10bを流通する風量が、第一熱交換風路10aを流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気(第二気流3b)をより低温にすることができる。その結果、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0116】
(6a)除菌機能付き除湿装置2aでは、第一除湿経路7に空気を流通させる第一送風機13aと、第二除湿経路8に空気を流通させる第二送風機13bとを備え、第二送風機13bは、第二除湿経路8における次亜塩素酸気化部11の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路7及び第二除湿経路8に外部の空気3を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気4を外部に吹き出すことができる。また、次亜塩素酸気化部11の下流側に送風機(第一送風機13a)がないことで、次亜塩素酸気化部11で付加された次亜塩素酸ガスを、送風機で消費することなく、効率的に外部に吹き出すことができる。また、第一除湿経路7及び第二除湿経路8のそれぞれに送風機が配置されることで、第一熱交換風路10a及び第二熱交換風路10bを流通する風量を、容易にそれぞれ独立して調整することができ、第二熱交換風路10bを流通する風量を、第一熱交換風路10aを流通する風量よりも小さくすることができる。
【0117】
(実施の形態3)
図4を参照して、本実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bの構成を示す概略側面図である。
【0118】
本発明の実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bもまた、取り込んだ空気3を除湿し、次亜塩素酸ガスを付加した後、除湿され、次亜塩素酸ガスが付加された空気4として放出する装置である。除菌機能付き除湿装置2bは、次亜塩素酸気化経路14及び混合部15をさらに備え、放熱器9b、次亜塩素酸気化部11、第一送風機13a、及び第二送風機13bの配置が異なる点で実施の形態1と異なる。これ以外の除菌機能付き除湿装置2bの構成は、実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0119】
図4に示す通り、除菌機能付き除湿装置2bは、吸込口5、吹出口6、第一除湿経路7、第二除湿経路8、冷凍サイクル9、熱交換器10、次亜塩素酸気化部11、バイパス風路12、第一送風機13a、第二送風機13b、次亜塩素酸気化経路14、及び混合部15を備えている。冷凍サイクル9は、圧縮機9a、放熱器9b、膨張器9c、及び吸熱器9dを含む。
【0120】
以下に、除菌機能付き除湿装置2bの構成における実施の形態1との差分について説明する。
【0121】
図4に示す通り、除菌機能付き除湿装置2bは、次亜塩素酸気化経路14と、混合部15をさらに備える。
【0122】
第一除湿経路7は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第一部分(第一気流3a)が、冷凍サイクル9の吸熱器9d、熱交換器10の第一熱交換風路10a、冷凍サイクル9の放熱器9b、第一送風機13a、混合部15の順に流通する風路である。言い換えれば、第一除湿経路7には、上流側から、吸込口5、冷凍サイクル9の吸熱器9d、熱交換器10の第一熱交換風路10a、冷凍サイクル9の放熱器9b、第一送風機13a、及び混合部15がこの順に設置されている。
【0123】
第二除湿経路8は、吸込口5から吸い込んだ空気3の第二部分(第二気流3b)が、熱交換器10の第二熱交換風路10b、冷凍サイクル9の放熱器9b、第一送風機13a、混合部15の順に流通する風路である。言い換えれば、第二除湿経路8には、上流側から、吸込口5、熱交換器10の第二熱交換風路10b、第一送風機13a、及び混合部15がこの順に設置されている。
【0124】
冷凍サイクル9の放熱器9bは、混合部15の前段部分において第一除湿経路7及び第二除湿経路8に跨って配置される。より詳細には、放熱器9bは、第一除湿経路7における熱交換器10(熱交換器10の第一熱交換風路10a)の下流側であって第一送風機13aの上流側に配置されるとともに、第二除湿経路8における熱交換器10(熱交換器10の第二熱交換風路10b)の下流側であって第一送風機13aの上流側に配置される。
【0125】
第一送風機13aは、混合部15の前段部分であって放熱器9bの下流側に配置される。第一送風機13aが動作することにより、第一除湿経路7内に第一気流3aが流通し、第二除湿経路8内に第二気流3bが流通し、バイパス風路12内に第三気流3cが流通する。つまり、第一送風機13aは、第一除湿経路7と流通する第一気流3aと、第二除湿経路8を流通する第二気流3b(第三気流3cを含む)とを混合して混合部15に放出しているとも言える。
【0126】
次亜塩素酸気化経路14は、内部を流通する空気(第五気流3e)に次亜塩素酸ガスを付加するための風路である。次亜塩素酸気化経路14は、第一除湿経路7における吸熱器9dの下流側であって第一熱交換風路10aの上流側と、混合部15との間を連通接続するように配置される。そして、次亜塩素酸気化経路14には、上流側から、第一除湿経路7の分岐開口部、第二送風機13b、次亜塩素酸気化部11、及び混合部15がこの順に設置されている。つまり、次亜塩素酸気化経路14には、第一除湿経路7において吸熱器9dを流通した第一気流3aの一部(第五気流3e)が、第二送風機13b、次亜塩素酸気化部11、混合部15の順に流通する。
【0127】
次亜塩素酸気化部11は、次亜塩素酸気化経路14に配置される。より詳細には、次亜塩素酸気化部11は、次亜塩素酸気化経路14における第二送風機13bの下流側に配置される。
【0128】
第二送風機13bは、次亜塩素酸気化経路14における次亜塩素酸気化経路14の上側に配置される。第二送風機13bが動作することにより次亜塩素酸気化経路14内に第五気流3eが流通する。つまり、第二送風機13bは、次亜塩素酸気化経路14を流通する第五気流3eを混合部15に放出しているとも言える。
【0129】
混合部15は、第一除湿経路7を流通した空気(第一気流3a)と、第二除湿経路8を流通した空気(第三気流3cを含む第二気流3b)と、次亜塩素酸気化経路14を流通した空気(第五気流3e)とを混合し、吹出口6に誘導するための風路である。混合部15は、第一除湿経路7と吹出口6との間、第二除湿経路8と吹出口6との間、及び次亜塩素酸気化経路14と吹出口6との間を連通接続する風路であるとも言える。そして、混合部15では、第一気流3a、第二気流3b(第三気流3cを含む)、及び第五気流3eが混合され、吹出口6から外部に空気4として吹き出される。
【0130】
次に、除菌機能付き除湿装置2bの内部を流通する空気の流れと、除湿の動作及び次亜塩素酸気化の動作について説明する。
【0131】
図4に示すように、吸込口5から取り込んだ空気3は、第一除湿経路7に流入する第一気流3aと、第二除湿経路8に流入する第二気流3bに分割される。第一気流3aは、吸熱器9dの下流側であって熱交換器10の上流側で一部が第五気流3eとしてさらに分割される。その後、第一気流3aは、第一除湿経路7を流通していき、混合部15に導入され、第二気流3b及び第五気流3eに合流する。また、第五気流3eは、次亜塩素酸気化経路14を流通していき、混合部15に導入され、第一気流3a及び第二気流3bに合流する。第二気流3bは、熱交換器10の上流側で一部が第三気流3cとしてさらに分割される。その後、第二気流3bは、第二除湿経路8を流通していき、混合部15に導入され、第一気流3a及び第五気流3eに合流する。第三気流3cは、バイパス風路12を流通し、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側に導入され、第二気流3bに合流する。ここで、第一気流3aは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第一部分」に相当し、第二気流3bは請求項の「吸込口から吸い込んだ空気の第二部分」に相当し、第五気流3eは請求項の「吸熱器を流通した第一部分の一部」に相当する。本実施の形態では、空気3の温度は27℃であり、相対湿度は60%であり、風量は420m
3/hである。
【0132】
第一気流3aは、第一送風機13aの動作によって第一除湿経路7を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第一気流3aの風量は200m3/hである。
【0133】
その後、第一気流3a(温度27℃、相対湿度60%、風量200m3/h)は、吸熱器9dを流通することで冷却される。これにより、第一気流3aの温度が露点温度以下となり、第一気流3aが結露するので、第一気流3aに含まれる水分が除去される。つまり、吸熱器9dを流通することによって、第一気流3aに対する除湿がなされる。本実施の形態では、吸熱器9dを流通した第一気流3aの温度は10℃となり、相対湿度は95%となる。
【0134】
その後、第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量200m3/h)は、一部が分割されて第五気流3eとして次亜塩素酸気化経路14に流入することで、風量が減少する。本実施の形態では、第五気流3eの風量を100m3/hとしている。その結果、第一気流3aの風量は100m3/hとなる。
【0135】
その後、第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量100m3/h)は、熱交換器10の第一熱交換風路10aを流通し、第二熱交換風路10bを流通する第二気流3bと熱交換することで、昇温される。本実施の形態では、第一熱交換風路10aを流通した第一気流3aの温度は22℃となり、相対湿度は50%となる。
【0136】
その後、第一気流3a(温度22℃、相対湿度50%、風量100m3/h)は、第三気流3c(温度27℃、相対湿度60%、風量140m3/h)と合流することで風量を増加させる。その結果、第一気流3aの温度は25℃となり、相対湿度は57%となり、風量は240m3/hとなる。
【0137】
その後、第一気流3a(温度25℃、相対湿度57%、風量240m3/h)は、放熱器9b及び第一送風機13aを流通して、混合部15に導入される。
【0138】
一方、第一気流3aの一部が分離した第五気流3e(温度10℃、相対湿度95%、風量100m3/h)は、第二送風機13bを流通し、次亜塩素酸気化部11を流通する。これにより、第五気流3eは、次亜塩素酸ガスが付加される。また、同時に加湿される。しかしながら、次亜塩素酸気化部11に導入される第五気流3eは、低温高湿な空気であるため、例えば、同様の条件で運転する従来の除湿装置100から吹き出される空気を次亜塩素酸気化部に導入した場合よりも、次亜塩素酸気化部における加湿は抑制される。本実施の形態では、次亜塩素酸気化部11を流通した第五気流3eの温度は10℃となり、相対湿度は99%となる。
【0139】
その後、第五気流3e(温度10℃、相対湿度99%、風量100m3/h)は、混合部15に導入され、混合気流(第一気流3a及び第二気流3b)に合流する。
【0140】
第二気流3bは、第一送風機13aの動作によって第二除湿経路8を流通する気流である。本実施の形態では、吸込口5から取り込んだ時点での第二気流3bの風量は220m3/hである。
【0141】
第二気流3b(温度27℃、相対湿度60%、風量220m3/h)は、吸込口5から除菌機能付き除湿装置2aに取り込まれた後に、一部が分割されて第三気流3cとしてバイパス風路12に流入することで、風量が減少する。本実施の形態では、第三気流3cの風量を140m3/hとしている。その結果、第二気流3bの風量は80m3/hとなる。
【0142】
その後、第二気流3b(温度27℃、相対湿度60%、風量80m3/h)は、熱交換器10の第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する第一気流3a(温度10℃、相対湿度95%、風量100m3/h)と熱交換することで、冷却される。これにより、第二気流3bの温度が露点温度以下となり、第二気流3bが結露するので、第二気流3bに対する除湿がなされる。つまり、第二熱交換風路10bを流通することによって、第二気流3bに対する除湿がなされる。本実施の形態では、第二熱交換風路10bを流通した第二気流3bの温度は20℃となり、相対湿度は85%となる。
【0143】
その後、第二気流3b(温度20℃、相対湿度85%、風量80m3/h)は、混合部15に導入される。
【0144】
本実施の形態では、放熱器9bは、混合部15の前段部分において第一除湿経路7及び第二除湿経路8に跨って配置されている。このため、放熱器9bには、第一除湿経路7を流通した第一気流3aと第二除湿経路8を流通した第二気流3bとが合流した混合気流が流通する。混合気流は、第一気流3a(温度25℃、相対湿度57%、風量240m3/h)と、第二気流3b(温度20℃、相対湿度85%、風量80m3/h)とが合流した気流であるので、放熱器9bに流入する前の混合気流の温度は23℃となり、相対湿度は63%となり、風量は320m3/hとなっていると見なすことができる。
【0145】
そして、混合気流(温度23℃、相対湿度63%、風量320m3/h)は、放熱器9bを流通する。これにより、吸熱器9dにおいて吸熱されるエネルギーと、圧縮機9aにおいて冷凍サイクル内の冷媒を循環させるためのエネルギーとに相当する熱量が、放熱器9bから混合気流に排熱される。その結果、混合気流は昇温される。本実施の形態では、放熱器9bを流通した混合気流の温度は45℃となり、相対湿度は20%となる。
【0146】
その後、混合気流(温度45℃、相対湿度20%、風量320m3/h)は、第一送風機13aを流通した後、混合部15内において第五気流3e(温度10℃、相対湿度99%、風量100m3/h)と合流する。その結果、混合部15内の気流の温度は37℃となり、相対湿度は27%となり、風量は420m3/hとなる。
【0147】
その後、混合部15内の気流(温度37℃、相対湿度27%、風量420m3/h)は、空気4として吹出口6から外部に吹き出される。このとき、除湿量は33L/日となる。
【0148】
従来の除湿装置100と次亜塩素酸気化部11とを連結した場合では、除湿量が9L/日であるので、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2bは、約3.7倍の除湿効果を得ることができる。
【0149】
以上、本実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bによれば、以下の効果を享受することができる。
【0150】
(1b)除菌機能付き除湿装置2bは、外部の空気3を吸い込む吸込口5と、圧縮機9aと放熱器9bと膨張器9cと吸熱器9dとを含んで構成される冷凍サイクル9によって内部を流通する空気を除湿する除湿部と、内部を流通する空気(第五気流3e)に次亜塩素酸ガスを付加する次亜塩素酸気化部11と、第一熱交換風路10aと第一熱交換風路10aとは独立した第二熱交換風路10bとを有し、第一熱交換風路10aを流れる空気(第一気流3a)と第二熱交換風路10bを流れる空気(第二気流3b)との間で熱交換する熱交換器10と、除湿部を通過させた空気を外部に吹き出す吹出口6と、吸込口5から吸い込んだ空気の第一部分(第一気流3a)が、吸熱器9d、第一熱交換風路10aの順に流通する第一除湿経路7と、吸込口5から吸い込んだ空気の第二部分(第二気流3b)が、第二熱交換風路10bを流通する第二除湿経路8と、第一除湿経路7において吸熱器9dを流通した第一部分の一部(第五気流3e)が、次亜塩素酸気化部11を流通する次亜塩素酸気化経路14とを備え、第一除湿経路7を流通した空気(第一気流3a)と、第二除湿経路8を流通した空気(第二気流3b)と、次亜塩素酸気化経路14を流通した空気(第五気流3e)とを吹出口6から外部に吹き出す。
【0151】
こうした構成によれば、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第一部分(第一気流3a)が、第一除湿経路7を流通する。その過程で、空気3の第一部分(第一気流3a)は、吸熱器9dを通過して低温となり、結露、つまり除湿される。そして、低温になった第一部分の一部(第五気流3e)は、次亜塩素酸気化経路14を流通し、その過程で、次亜塩素酸気化部11を流通し、次亜塩素酸ガスを付加される。その後、次亜塩素酸ガスを付加された空気(第五気流3e)は、吹出口6から外部に吹き出される。また、吸熱器9dを通過し、低温になった第一部分の残り(第一気流3a)は、第一熱交換風路10aを流通し、その後吹出口6から外部に吹き出される。また、吸込口5から吸い込んだ外部の空気3の第二部分(第二気流3b)が、第二除湿経路8を流通する。その過程で、空気3の第二部分(第二気流3b)は、第二熱交換風路10bを流通し、第一熱交換風路10aを流通する低温空気と熱交換することで低温となり、結露、つまり除湿される。その後、第二熱交換風路10bを通過した空気(第二気流3b)は、吹出口6から外部に吹き出される。その結果、装置内部を流通する空気を除湿しつつ、次亜塩素酸気化部11には、低温な、水分が気化しにくい空気を導入できるため、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、除菌機能付き除湿装置2bでは、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0152】
(2b)除菌機能付き除湿装置2bでは、第一除湿経路7を流通した空気(第一気流3a)と、第二除湿経路8を流通した空気(第二気流3b)と、次亜塩素酸気化経路14を流通した空気(第五気流3e)とを混合する混合部15を備え、混合部15で混合された空気を吹出口6から外部に吹き出す。これにより、温度及び湿度などのムラが抑制された空気を外部に吹き出すことができ、より快適な空気の吹き出しが可能となる。
【0153】
(3b)除菌機能付き除湿装置2bでは、放熱器9bは、混合部15の上流側において第一除湿経路7及び第二除湿経路8に跨って配置される。こうした構成によれば、外部の空気3よりも低温の空気を放熱器9bに流通させることができるため、放熱器9bでの放熱を促進し、吸熱器9dをより低温にできる。その結果、吸熱器9dを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。
【0154】
(4b)除菌機能付き除湿装置2bでは、第二除湿経路8における熱交換器10の上流側と、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側との間を連通接続するバイパス風路12bを備える。こうした構成によれば、吸熱器9d及び第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えつつ、吸熱器9dを流通した空気の量に対して放熱器9bを流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器9bの放熱が促進され、吸熱器9dはより低温になる。さらに、吸熱器9dを流通する風量を抑えることで、吸熱器9dの吸熱を抑制し、吸熱器9dはより低温になる。その結果、吸熱器9dを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0155】
(5b)除菌機能付き除湿装置2bでは、第二熱交換風路10bを流通する風量が、第一熱交換風路10aを流通する風量よりも小さい。これにより、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気をより低温にすることができる。その結果、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【0156】
(6b)除菌機能付き除湿装置2bでは、第一除湿経路7及び第二除湿経路8に空気を流通させる第一送風機13aと、次亜塩素酸気化経路14に空気を流通させる第二送風機13bとを備え、第二送風機13bは、次亜塩素酸気化経路14における次亜塩素酸気化部11の上流側に配置される。こうした構成によれば、第一除湿経路7、第二除湿経路8、及び次亜塩素酸気化経路14に外部の空気を流通させ、装置内で除湿及び次亜塩素酸ガスの付加を施した空気を外部に吹き出すことができる。また、次亜塩素酸気化部11の下流側に送風機(第二送風機13b)がないことで、次亜塩素酸気化部11で付加された次亜塩素酸ガスを、送風機で消費することなく、効率的に外部に吹き出すことができる。
【0157】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0158】
本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2、2a、2bでは、吸込口5と吹出口6とをそれぞれ一つずつ備えているが、これに限られない。例えば、第一除湿経路7に空気を取り込む吸込口と、第二除湿経路8に空気を取り込む吸込口とをそれぞれ設けてもよい。もしくは、第一除湿経路7を流通する空気を吹き出す吹出口と、第二除湿経路8を流通する空気を吹き出す吹出口とをそれぞれ設けてもよい。このようにすることで、第一除湿経路7及び第二除湿経路8の取り回しの制約が減り、装置の小型化あるいは圧力損失の低減などの効果を享受することができる。
【0159】
また、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2、2a、2bでは、次亜塩素酸気化部11として遠心破砕ユニットを用いたが、これに限られない。例えば、次亜塩素酸水を含ませた気化フィルタを用いてもよい。このようにしても、内部を流通する空気に次亜塩素酸ガスを付加することができ、同様の効果を享受することができる。
【0160】
また、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2、2a、2bでは、第一送風機13aと第二送風機13bの2つの送風機を備えたが、これに限られない。例えば、1つの送風機を、吸込口5に近接して、第一除湿経路7と第二除湿経路8とに跨るように配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0161】
また、本実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2では、第一送風機13aを、第一除湿経路7における放熱器9bの下流側に配置したが、これに限られない。例えば、第一送風機13aを、第一除湿経路7におけるバイパス風路12との連通接続部の下流側であって放熱器9bの上流側に配置してもよい。もしくは、バイパス風路12を設置しない場合には、第一送風機13aを、第一除湿経路7内のどこに配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0162】
また、本実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aでは、第一送風機13aを、第一除湿経路7における吸熱器9dの下流側であって次亜塩素酸気化部11の上流側に配置したが、これに限られない。例えば、第一送風機13aを、第一除湿経路7における吸熱器9dの上流側に配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0163】
また、本実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bでは、第一送風機13aを、混合部15の前段部分に配置したが、これに限られない。例えば、第一送風機13aを、混合部15の前段部分に配置した放熱器9bの近傍に配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0164】
また、本実施の形態3に係る除菌機能付き除湿装置2bでは、第一送風機13aと第二送風機13bの2つの送風機を備えたが、これに限られない。例えば、第一除湿経路7内と、第二除湿経路8内と、次亜塩素酸気化経路14内とにそれぞれ送風機を設けてもよい。このようにしても、同様の効果を享受することがでる。
【0165】
また、本実施の形態1に係る除菌機能付き除湿装置2では、第二送風機13bを、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側であって次亜塩素酸気化部11の上流側に配置したが、これに限られない。例えば、第二送風機13bを、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの上流側に配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0166】
また、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2、2bでは、バイパス風路12を、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの上流側と、第一除湿経路7における第一熱交換風路10aの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するように配置したが、これに限られない。例えば、外部の空気を取り込む吸込口を別途設けて、別途設けた吸込口と、第一除湿経路7における熱交換器10の下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するようにバイパス風路を配置してもよい。このようにしても、同様の効果を享受することができる。
【0167】
また、本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置2、2bでは、バイパス風路12に代えて、第一除湿経路7における吸熱器9dの上流側と、第一除湿経路7における第一熱交換風路10aの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するようにバイパス風路を配置してもよい。こうした構成によっても、バイパス風路12と同様、吸熱器9dを流通した空気の量に対して放熱器9bを流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器9bの放熱が促進され、吸熱器9dはより低温になる。その結果、第二熱交換風路10bを通過した空気(吸熱器を通過した低温空気と熱交換することで冷却された空気)、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。
【0168】
また、本実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aでは、バイパス風路12aを、第一除湿経路7における吸熱器9dの上流側と、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するように配置したが、これに限られない。例えば、外部の空気を取り込む吸込口を別途設けて、別途設けた吸込口と、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するようにバイパス風路を配置してもよい。
【0169】
また、本実施の形態2に係る除菌機能付き除湿装置2aでは、バイパス風路12aに代えて、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの上流側と、第二除湿経路8における第二熱交換風路10bの下流側であって放熱器9bの上流側との間を連通接続するようにバイパス風路を配置してもよい。こうした構成によっても、バイパス風路12aと同様、第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えつつ、吸熱器9dを流通した空気の量に対して放熱器9bを流通する空気の量を増加できる。これにより、放熱器9bの放熱が促進され、吸熱器9dはより低温になる。その結果、吸熱器9dを通過した空気、つまり次亜塩素酸気化部11に導入される空気をより低温にすることができ、次亜塩素酸気化部11における加湿を抑制することができる。つまり、次亜塩素酸を気化させて放出することに伴う除湿性能の低下を抑制することができる。さらに、第二熱交換風路10bを流通する風量を抑えることで、第二熱交換風路10bを流通する空気(第二気流3b)を、相対的に多量の第一熱交換風路10aを流通する低温空気で冷却できるため、第二熱交換風路10bを通過した空気がより低温になり、結露量、つまり除湿量を増加させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本実施の形態に係る除菌機能付き除湿装置は、除湿による空間の快適性向上と除菌による感染症リスクの低減を両立するものであり、室内空間などを除湿しつつ除菌する装置として有用である。
【符号の説明】
【0171】
1 居住空間
1a 天面
2 除菌機能付き除湿装置
2a 除菌機能付き除湿装置
2b 除菌機能付き除湿装置
3 空気
3a 第一気流
3b 第二気流
3c 第三気流
3d 第四気流
3e 第五気流
4 空気
5 吸込口
6 吹出口
7 第一除湿経路
8 第二除湿経路
9 冷凍サイクル
9a 圧縮機
9b 放熱器
9c 膨張器
9d 吸熱器
10 熱交換器
10a 第一熱交換風路
10b 第二熱交換風路
11 次亜塩素酸気化部
12 バイパス風路
12a バイパス風路
12b バイパス風路
13a 第一送風機
13b 第二送風機
14 次亜塩素酸気化経路
15 混合部
100 除湿装置
101 空気吸込口
102 本体ケース
103 除湿部
104 空気吹出口
105 圧縮機
106 放熱器
107 膨張器
108 吸熱器
109 第一流路
110 第二流路
111 熱交換器
X 空気
Y 空気