IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空間浄化装置 図1
  • 特開-空間浄化装置 図2
  • 特開-空間浄化装置 図3
  • 特開-空間浄化装置 図4
  • 特開-空間浄化装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182024
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】空間浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20231219BHJP
   F24F 8/20 20210101ALI20231219BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231219BHJP
【FI】
A61L9/12
F24F8/20
F24F8/80 260
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095389
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】白井 伊久真
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】福本 将秀
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真司
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA06
4C180EA58X
4C180GG03
4C180GG13
4C180HH05
(57)【要約】
【課題】バブリング方式による空間浄化装置において、気泡に含ませる除菌成分ガス濃度を向上させる技術を提供する。
【解決手段】貯留部10は、除菌成分を含む水溶液を貯留する。通水管30は、貯留部10から流入した除菌成分を含む水溶液が貯留部10へ循環するように配管される。空気混合ポンプ40は、貯留部10に貯留する除菌成分を含む水溶液を通水管30へ放出する。空気混合ポンプ40は、貯留部10に貯留する除菌成分を含む水溶液と、外部から取り込んだ空気とを混合し、気泡を含む水溶液として通水管30へ放出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌成分を含む水溶液を貯留する貯留部と、
前記貯留部から流入した前記除菌成分を含む水溶液が前記貯留部へ循環するように配管された通水管と、
前記貯留部に貯留する前記除菌成分を含む水溶液を前記通水管へ放出する空気混合ポンプと、
を備え、
前記空気混合ポンプは、前記貯留部に貯留する前記除菌成分を含む水溶液と、外部から取り込んだ空気とを混合し、気泡を含む水溶液として前記通水管へ放出する空間浄化装置。
【請求項2】
前記空気混合ポンプは、前記気泡を含む水溶液を前記通水管へ放出する速度を調整可能である請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項3】
前記通水管を流通する前記気泡を含む水溶液を加熱する加熱部をさらに備える請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項4】
前記通水管の途中から、前記気泡を含む水溶液を前記貯留部へ吐出可能である吐出部をさらに備える請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項5】
前記通水管は、
前記貯留部から前記除菌成分を含む水溶液を流入するための第1端部と、
前記気泡を含む水溶液を前記貯留部に吐出する第2端部と、
を備え、
前記第2端部は、前記第1端部よりも上側に配置され、
前記通水管は、前記第1端部側から前記第2端部側に向かって、上側への傾斜を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個室空間などの除菌に用いられる空間浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、居住空間などを除菌し、感染症のリスクを低減させる装置として、次亜塩素酸を含む水溶液(例えば、次亜塩素酸水)中に空気をバブリングして気泡を発生させ、浮上した気泡に含まれる次亜塩素酸ガスを空気とともに対象空間に放出する空気調和機(空間浄化装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-305100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バブリング方式による従来の空間浄化装置は、発生した気泡が浮力によって液面に向かって浮上する過程で気泡内に除菌成分を含んだガスを取り込む。そのため、除菌成分を含んだ水溶液との十分な気液接触時間が確保できない場合には、必要な除菌成分ガス濃度の確保が難しいという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、バブリング方式による空間浄化装置において、気泡に含ませる除菌成分ガス濃度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の空間浄化装置は、除菌成分を含む水溶液を貯留する貯留部と、貯留部から流入した除菌成分を含む水溶液が貯留部へ循環するように配管された通水管と、貯留部に貯留する除菌成分を含む水溶液を通水管へ放出する空気混合ポンプと、を備える。空気混合ポンプは、貯留部に貯留する除菌成分を含む水溶液と、外部から取り込んだ空気とを混合し、気泡を含む水溶液として通水管へ放出する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、バブリング方式による空間浄化装置において、気泡に含ませる除菌成分ガス濃度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例に係る空間浄化装置の内部構成を示す図である。
図2図2は、図1の通水管の別の構成を示す図である。
図3図3は、変形例1に係る空間浄化装置の構成を示す図である。
図4図4は、変形例2に係る空間浄化装置の構成を示す図である。
図5図5は、変形例3に係る空間浄化装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施例は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。また、実施例において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
本開示の実施例について添付図面を参照して説明する。図1は、空間浄化装置100の内部構成を示す。空間浄化装置100は、貯留部10及び筐体20を含む。貯留部10は、接続部12と総称される第1接続部12aと第2接続部12b、開口14と総称される第1開口14aと第2開口14b、及び開口16を含む。筐体20は、接続部22と総称される第1接続部22aと第2接続部22b、境界板24、空間26と総称される第1空間26aと第2空間26b、吸込口28と総称される第1吸込口28aと第2吸込口28b、通水管30、空気混合ポンプ40、エリミネータ42、送風ファン50、内部風路52、開口54、混合部56、及び吹出口58を含む。
【0012】
空間浄化装置100の外枠は、貯留部10と筐体20との組合せにより構成される。貯留部10は、筐体20に対して着脱可能である。貯留部10は、中空の箱形形状を有する容器であり、上側の蓋部に開口16を有する。貯留部10は、除菌成分を含む水溶液である次亜塩素酸水溶液2を内部に貯留する。次亜塩素酸水溶液2は、次亜塩素酸を含んだ水溶液である。次亜塩素酸水溶液2は、例えば、5~7程度の水素イオン濃度(pH)を有し、高濃度次亜塩素酸水溶液を希釈して生成される。
【0013】
貯留部10における筐体20側の側面には第1接続部12aが配置され、第1接続部12aの上側には第2接続部12bが配置される。貯留部10の内部において、第1接続部12aには第1開口14aが設けられ、第2接続部12bには第2開口14bが設けられる。貯留部10の外部において、第1接続部12aは、筐体20の側面に設けられた第1接続部22aに着脱可能であり、第2接続部12bは、筐体20の側面に設けられた第2接続部22bに着脱可能である。第1接続部12aが第1接続部22aに接続され、かつ第2接続部12bが第2接続部22bに接続されることによって、貯留部10は筐体20に接続される。
【0014】
筐体20の内部には水平方向に広がる境界板24が設けられる。境界板24は、筐体20の内部空間を下側の第1空間26aと上側の第2空間26bに分離する。第1空間26aの側面には、前述の第1接続部22aと第2接続部22bが上下方向に並んで設けられるとともに、第1吸込口28aが設けられる。第1吸込口28aは、第1空間26aと連通する開口部であり、空間浄化装置100の外部の空気を第1空間26aに取り込むための取込口である。
【0015】
第1空間26aの内部には、中空のチューブである通水管30が配管される。通水管30の第1端部32aは、第1接続部22aに接続され、通水管30は、第1接続部22aと第1接続部12aに設けられた貫通孔(図示せず)を介して第1開口14aにつながる。また、通水管30の第2端部32bは、第2接続部22bに接続され、通水管30は、第2接続部22bと第2接続部12bに設けられた貫通孔(図示せず)を介して第2開口14bにつながる。このような構成により、第1開口14aから通水管30を通って第2開口14bに至る経路が形成される。
【0016】
通水管30の途中には空気混合ポンプ40が配置される。空気混合ポンプ40は、内部にモータを備え、モータが回転動作することによって、貯留部10から空気混合ポンプ40に向かう次亜塩素酸水溶液2の流れが生じる。具体的には、モータの回転動作によって、貯留部10の次亜塩素酸水溶液2は、第1開口14aから吸い込まれ、第1端部32aを介して通水管30内に流入して空気混合ポンプ40の内部に取り込まれる。また、モータの回転動作によって、第1吸込口28aからの外部の空気も空気混合ポンプ40の内部に取り込まれる。空気混合ポンプ40は、内部で次亜塩素酸水溶液2と空気とを攪拌して混合し、空気を微細化して気泡4とし、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2として通水管30の第2端部32b側へ放出する。空気混合ポンプ40は、内部で次亜塩素酸水溶液2と空気とを混合しながら、空気を微細化して気泡4として生成しているともいえる。空気混合ポンプ40の内部での攪拌と混合の過程で、空気(気泡4)には次亜塩素酸ガスを含ませている。気泡4は、外部から吸い込まれた空気が泡状に微細化された空気であり、次亜塩素酸水溶液2によって空気が閉じ込められた状態となっている。
【0017】
通水管30では、略水平方向に延びる直進部36と、直進部36から上側に向かって延びる屈曲部38とが繰り返される。この構成により、通水管30は、第1端部32aから第2端部32bに向かって蛇行しながら延びる。通水管30が蛇行の形状を有することによって、通水管30の長さが長くされる。空気混合ポンプ40から放出された気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、通水管30を移動して、第2端部32bを介して第2開口14bから貯留部10に吐出される。このように、通水管30は、第1開口14aから流入した次亜塩素酸水溶液2を第2開口14bに循環させる。
【0018】
気泡4は、次亜塩素酸水溶液2に含まれる次亜塩素酸(及び水分)を内部の空気に取り込みながら通水管30を流通して貯留部10の内部で浮上する。その後、気泡4は、次亜塩素酸水溶液2の液面まで浮上すると弾けてなくなる。気泡4内の空気は、空気内に含まれていた次亜塩素酸(及び水分)とともに、貯留部10の内部における液面の上側の空間の空気と混合される。次亜塩素酸水溶液2は、気泡4が通水管30を流通する過程と、気泡4が貯留部10内で浮力により液中を流通する過程で、気泡4の内部に次亜塩素酸(次亜塩素酸ガス)を含ませる役割を有する。本実施例では、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、通水管30を移動するので、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が空気混合ポンプ40から放出されてから液面に到達するまでの時間が長くされる。気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が液面に到達するまでの時間が長くされることによって、気泡4内に次亜塩素酸を取り込むために必要な気液接触時間が確保される。その結果、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が増加する。
【0019】
第2空間26bの側面には第2吸込口28bが設けられ、第2吸込口28bとは反対側の側面には吹出口58が設けられる。第2吸込口28bは、第2空間26bと連通する開口部であり、外部の空気を第2空間26bに取り込むための取込口である。第2空間26bの内部には送風ファン50が配置される。送風ファン50が動作することによって、第2吸込口28bから第2空間26bに空気が取り込まれ、内部風路52に空気が流通される。
【0020】
送風ファン50と吹出口58は、内部風路52によって連通接続される。また、内部風路52の下側面には開口54が設けられ、開口54は貯留部10の開口16に接続される。これにより、内部風路52と貯留部10は連通される。開口54と開口16との接続部分にはエリミネータ42が配置される。エリミネータ42は、貯留部10内において気泡4が液面で弾けることで生じる水滴などを取り除く多孔質の部材である。エリミネータ42は、次亜塩素酸ガスを含む空気を流通させるものの、水滴などを取り除く。これにより、内部風路52への水滴の飛散、空間浄化装置100から外部への水滴の噴霧が防止される。
【0021】
混合部56は、内部風路52の一部であり、混合部56において、開口54から供給される次亜塩素酸ガスを含む空気と、送風ファン50から放出された空気とが混合される。混合部56にて混合された次亜塩素酸ガスを含む空気は、内部風路52を通じて吹出口58から外部に吹き出される。吹出口58は、内部風路52が外部と連通する開口部であり、次亜塩素酸ガスを含む空気を空間浄化装置100から外部に吹き出すための部材である。
【0022】
前述のごとく、本実施例では、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、蛇行形状の通水管30を移動するので、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が空気混合ポンプ40から放出されてから液面に到達するまでの時間が長くなり、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が増加する。ここで、空気混合ポンプ40は、気泡4を含む水溶液を通水管30へ放出する速度を調整可能である。速度を調整することによって、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が調整される。具体的に説明すると、速度が遅くなると、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が液面に到達するまでの時間が長くなることによって、気液接触時間が長くなり、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が増加する。一方、速度が速くなると、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が液面に到達するまでの時間が短くなることによって、気液接触時間が短くなり、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が減少する。
【0023】
以上の構成による空間浄化装置100の動作を説明する。空間浄化装置100では、送風ファン50が動作すると、基本的な空気の流れとして、外部の空気は、第2吸込口28bから第2空間26bに吸い込まれ、第2空間26bに吸い込まれた空気は、内部風路52を流通して、空気として吹出口58から外部に放出される。
【0024】
一方、空気混合ポンプ40が動作を開始すると、外部の空気は、第1吸込口28aから第1空間26aに吸い込まれるとともに、貯留部10内の次亜塩素酸水溶液2が第1開口14aから通水管30に吸い込まれる。空気混合ポンプ40では、外部からの空気と次亜塩素酸水溶液2とが攪拌及び混合される。空気混合ポンプ40内の空気は、次亜塩素酸水溶液2との攪拌及び混合の過程で微細化される。微細化された空気は、気泡4として次亜塩素酸水溶液2とともに、通水管30内を移動し、第2開口14bから貯留部10の次亜塩素酸水溶液2中に吐出される。
【0025】
吐出された気泡4は、浮力の影響を受けて次亜塩素酸水溶液2内を液面に向けて浮上していく。浮上した気泡4は、液面に到達すると破裂して貯留部10内の空気と混ざり合う。混ざり合った空気には、次亜塩素酸ガスが含まれる。空気は、エリミネータ42を通過して内部風路52の混合部56に導出される。混合部56に導出された空気(次亜塩素酸ガスを含む空気)は、内部風路52を流通する空気と混合され、次亜塩素酸ガスを含む空気として吹出口58から外部に放出される。
【0026】
通水管30の形状は、図1に限定されない。図2は、通水管30の別の構成を示す。通水管30では、図1と同様に、直進部36と屈曲部38とが繰り返される。図1の直進部36は略水平方向に延びる。一方、図2の直進部36は、第1端部32a側から第2端部32b側に向かって、上側への傾斜を持ちながら延びる。直進部36がこのような形状を有することによって、空気混合ポンプ40が停止した場合に直進部36内に気泡4が存在しても、当該気泡4は浮力により第2端部32bの方向に進み、直進部36内に残留する気泡4の数が減少する。残留する気泡4の数が減少するので、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量を調整する際に調整の精度が向上される。また、通水管30の形状は螺旋形状であってもよい。
【0027】
(変形例1)
図3は、空間浄化装置100の構成を示す。空間浄化装置100では、図1の構成に対して加熱部60が追加される。加熱部60は、第1空間26aにおいて通水管30を覆うように配置される。加熱部60は、例えばヒータであり、通水管30を流通する気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2を加熱する。加熱部60による加熱によって、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2の温度が上昇し、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2における飽和溶解度も上昇する。その結果、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量がさらに増加する。
【0028】
(変形例2)
図4は、空間浄化装置100の構成を示す。空間浄化装置100では、図1の構成に対して、第3接続部12c、第4接続部12d、第3開口14c、第4開口14d、第3接続部22c、第4接続部22d、及び吐出部62と総称される第1吐出部62aと第2吐出部62bと第3吐出部62cを含む。第3接続部12cと第4接続部12dも接続部12と総称され、第3開口14cと第4開口14dも開口14と総称され、第3接続部22cと第4接続部22dも接続部22と総称される。
【0029】
貯留部10における筐体20側の側面には、第1接続部12aの上側に第3接続部12cが配置され、第3接続部12cの上側、かつ第2接続部12bに下側に第4接続部12dが配置される。貯留部10の内部において、第3接続部12cには第3開口14cが設けられ、第4接続部12dには第4開口14dが設けられる。貯留部10の外部において、第3接続部12cは、筐体20の側面に設けられた第3接続部22cに着脱可能であり、第4接続部12dは、筐体20の側面に設けられた第4接続部22dに着脱可能である。
【0030】
通水管30は、第3接続部22cの近傍において分岐して第3接続部22cに接続されるとともに、第4接続部22dの近傍においても分岐して第4接続部22dに接続される。通水管30と第3接続部22cとの境界部分には第1吐出部62aが配置される。第1吐出部62aは、通水管30を開閉可能な弁であり、第1吐出部62aが閉じられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第3開口14cから吐出されない。一方、第1吐出部62aが開けられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第3開口14cから貯留部10に吐出される。
【0031】
通水管30と第4接続部22dとの境界部分には第2吐出部62bが配置される。第2吐出部62bは、通水管30を開閉可能な弁であり、第2吐出部62bが閉じられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第4開口14dから吐出されない。一方、第2吐出部62bが開けられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第4開口14dから貯留部10に吐出される。
【0032】
通水管30と第2接続部22bとの境界部分には第3吐出部62cが配置される。第3吐出部62cは、通水管30を開閉可能な弁であり、第3吐出部62cが閉じられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第2開口14bから吐出されない。一方、第3吐出部62cが開けられている場合、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2は、第2開口14bから貯留部10に吐出される。
【0033】
このように、第1吐出部62aまたは第2吐出部62bが開けられ、かつ第3吐出部62cが閉じられることによって、通水管30の途中から、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が貯留部10に吐出される。通水管30の途中から、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が貯留部10に吐出されると、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が液面に到達するまでの時間が短くなることによって、気液接触時間が短くなり、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が減少する。つまり、第1吐出部62aまたは第2吐出部62bの開閉によって、気泡4に含ませる次亜塩素酸の量が調整される。図4の第1吐出部62aと第2吐出部62bの代わりに、通水管30の分岐部分において流通方向を切り替える「切替部」が設けられてもよい。
【0034】
(変形例3)
図5は、空間浄化装置100の構成を示す。空間浄化装置100では、図1の空間浄化装置100における貯留部10と第1空間26aが一体化されて貯留部10とされる。貯留部10には、通水管30及び空気混合ポンプ40が次亜塩素酸水溶液2に浸漬されるように配置される。また、通水管30の第1端部32aには第1開口14aが設けられ、第2端部32bには第2開口14bが設けられる。また、空気混合ポンプ40には、上下方向に延びる空気導入部64が接続される。空気導入部64は、中空のチューブであり、空気混合ポンプ40が動作することによって第1空間26aの空気を空気混合ポンプ40に導入する。空間浄化装置100の動作は、これまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0035】
本実施例によれば、次亜塩素酸水溶液2と空気とを混合させてから通水管30を介して貯留部10に吐出するので、気泡4を含む通水管30の移動距離を長くできる。また、気泡4を含む通水管30の移動距離が長くなるので、気液接触時間を長くできる。また、気液接触時間が長くなるので、バブリング方式による空間浄化装置100において、気泡4に含ませる次亜塩素酸ガスの濃度を向上できる。また、空気混合ポンプ40において、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2を通水管30へ放出する速度を調整可能であるので、気液接触時間を調整できる。また、気液接触時間が調整されるので、気泡4に含ませる次亜塩素酸ガスの濃度を調整できる。
【0036】
また、加熱部60により、通水管30を流通する気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2を加熱するので、気泡4内への次亜塩素酸ガスの揮発速度を上昇できる。また、吐出部62により、気泡4を含む次亜塩素酸水溶液2が通水管30の途中から貯留部10へ吐出されるので、気液接触時間を調整できる。また、通水管30の直進部36を、第1端部32a側から第2端部32b側に向かって上側へ傾斜させるので、気泡4が通水管30内で接合し空気だまりを作ることを抑制できる。また、空気だまりを作ることが抑制されるので、気液接触時間の調整の精度を向上できる。また、通水管30及び空気混合ポンプ40を次亜塩素酸水溶液2に浸漬させるので、構成の自由度を向上できる。
【0037】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の空間浄化装置(100)は、除菌成分を含む水溶液を貯留する貯留部(10)と、貯留部(10)から流入した除菌成分を含む水溶液が貯留部(10)へ循環するように配管された通水管(30)と、貯留部(10)に貯留する除菌成分を含む水溶液を通水管(30)へ放出する空気混合ポンプ(40)と、を備える。空気混合ポンプ(40)は、貯留部(10)に貯留する除菌成分を含む水溶液と、外部から取り込んだ空気とを混合し、気泡を含む水溶液として通水管(30)へ放出する。
【0038】
空気混合ポンプ(40)は、気泡を含む水溶液を通水管(30)へ放出する速度を調整可能であってもよい。
【0039】
通水管(30)を流通する気泡を含む水溶液を加熱する加熱部(60)をさらに備えてもよい。
【0040】
通水管(30)の途中から、気泡を含む水溶液を貯留部(10)へ吐出可能である吐出部(62)をさらに備えてもよい。
【0041】
通水管(30)は、貯留部(10)から除菌成分を含む水溶液を流入するための第1端部(32a)と、気泡を含む水溶液を貯留部(10)に吐出する第2端部(32b)と、を備えてもよい。第2端部(32b)は、第1端部(32a)よりも上側に配置され、通水管(30)は、第1端部(32a)側から第2端部(32b)側に向かって、上側への傾斜を有してもよい。
【0042】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
実施例と変形例1から3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば任意の組合せによる効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0044】
2 次亜塩素酸水溶液、 4 気泡、 10 貯留部、 12 接続部、 14,16 開口、 20 筐体、 22 接続部、 24 境界板、 26 空間、 28 吸込口、 30 通水管、 32 端部、 36 直進部、 38 屈曲部、 40 空気混合ポンプ、 42 エリミネータ、 50 送風ファン、 52 内部風路、 54 開口、 56 混合部、 58 吹出口、 60 加熱部、 62 吐出部、 64 空気導入部、 100 空間浄化装置。
図1
図2
図3
図4
図5