(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182031
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20231219BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06F11/34 152
G06F11/07 151
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095404
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植野 研
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ06
5B042MA08
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】異常予兆などの監視対象の特定の状態の検知をより適切に実行できる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、候補生成部と、修正部と、を備える。候補生成部は、一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する。修正部は、予め定められた参照パスを用いて候補を修正し、第1パスを求める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成部と、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記監視対象が第2特定状態であるかを判定する判定期間内に得られた前記監視対象の状態を示す第2ログ情報から、前記第1パスに適合しない逸脱パスを抽出する抽出部と、
前記逸脱パスを用いて、前記第2特定状態の予兆の程度を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコアを用いて前記第2特定状態の予兆を判定する判定部と、
前記スコアと、前記判定部による判定結果と、前記逸脱パスと、のうち一部または全部を可視化する情報を出力する出力制御部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スコア算出部は、前記逸脱パスと、前記判定期間の気象情報と、を用いて前記スコアを算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記スコア算出部は、複数の対象期間それぞれについて前記スコアを算出し、
前記判定部は、複数の前記対象期間について算出された複数の前記スコアの変化を用いて前記第2特定状態の予兆を判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記候補生成部と前記修正部とを備える学習装置と、
前記抽出部と前記スコア算出部と前記判定部と前記出力制御部とを備える予測装置と、
を備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記参照パスは、前記候補から除外するパスとして予め定められた除外パスを含み、
前記修正部は、前記候補から前記除外パスを除外することにより、前記第1パスを求める、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記参照パスは、前記候補に追加するパスとして予め定められた追加パスを含み、
前記修正部は、前記候補に前記追加パスを追加することにより、前記第1パスを求める、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記監視対象は、媒体を搬送する搬送装置であり、
前記状態は、前記媒体が通過する位置を表し、
前記遷移パスは、前記媒体が通過する位置の遷移を表す、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1特定状態は、正常な状態である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2特定状態は、異常な状態である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成ステップと、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成ステップと、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動改札機、郵便区分機、紙幣整理機、複合機(MFP:Multifunction Peripheral)、および、スキャナなどの、媒体を搬送する搬送装置が知られている。媒体は、例えば、乗車券、郵便物、紙幣、および、印刷物である。このような搬送装置は、媒体を搬送するためのローラーが基幹部品として組み込まれている。
【0003】
ローラーが劣化すると、媒体を搬送できなくなるだけでなく、媒体自体を破損することもある。このため、ローラーを含む搬送装置の各部の異常の予兆を検知し、装置のメンテナンスを可能とする異常予兆検知が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2703414号公報
【特許文献2】特開2007-217103号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】PrefixSpan: Mining Sequential Patterns by Prefix-Projected Growth. Jian Pei, Jiawei Han, Behzad Mortazavi-Asl, Helen Pinto, Qiming Chen, Umeshwar Dayal, Meichun Hsu. In Proc. of the 17th International Conference on Data Engineering, 2001.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、異常予兆などの監視対象の特定状態の検知をより適切に実行できる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、候補生成部と、修正部と、を備える。候補生成部は、一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する。修正部は、予め定められた参照パスを用いて候補を修正し、第1パスを求める。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】異常予兆検知の対象となる搬送装置の構成例を示す図。
【
図2】第1の実施形態にかかる情報処理システムのブロック図。
【
図4】実施形態における学習処理のフローチャート。
【
図5】実施形態における異常予兆検知のフローチャート。
【
図7】第2の実施形態にかかる情報処理システムのブロック図。
【
図8】第3の実施形態にかかる情報処理システムのブロック図。
【
図9】実施形態にかかる情報処理システムのハードウェア構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理システム(情報処理装置の一例)の好適な実施形態を詳細に説明する。以下では、媒体を搬送する搬送装置を監視対象とし、監視対象の特定状態の検知を行うシステムに適用した例を説明するが、適用可能なシステムはこれに限られない。搬送装置以外のどのような装置を監視対象としてもよい。また、監視対象の特定状態(第2特定状態)は、例えば異常な状態であるが、これに限られない。
【0010】
上記のように、例えば搬送装置が備えるローラーなどの部品は、使用に伴い劣化する。そこで、長期間の使用に当たっては、交換およびクリーニングなど、適切なローラーのメンテナンスが必要となる。また、搬送制御では、複雑な処理が行われる場合がある。例えば、搬送の異常が発生する恐れがあるときでも、処理中に媒体を少し前に戻してから再度搬送するなどの制御により、異常を極力発生させずに搬送する処理などが行われる。異常予兆検知では、このような複雑な処理を、異常とは区別する必要がある。
【0011】
異常予兆検知の方法としては、設計書の状態遷移図に基づいて異常を検知する方法、および、機械学習モデルを用いる方法などがある。例えば状態遷移図に基づく方法は、発生した異常の程度を示す異常スコアを算出すること、または、限定された異常原因のみに注目して異常を検知することができる。深層学習などの高性能な機械学習モデルを用いる方法は、内部の処理がブラックボックスとなり、検知結果の根拠が判断できない場合がある。すなわち、いずれの方法を用いても、システム全体の挙動の異常を検知しつつ、検知結果の根拠を示すことが困難となる場合があった。
【0012】
以下の実施形態の情報処理システムは、異常を予兆の段階で早期に検知し予兆スコアとして定量化する。また、実施形態の情報処理システムは、予兆の根拠となる制御イベントと異常イベントの系列パターンを検知する異常予兆検知モデルを構築し、異常予兆検知モデルを用いて、正常時の系列パターンからの逸脱度に基づく異常予兆検知を実現する。
【0013】
図1は、異常予兆検知の対象(監視対象)となる搬送装置10の構成例を示す図である。
図1に示すように、搬送装置10は、媒体通過センサ11-1~11-4と、搬送ローラー12-1~12-12と、搬送ベルト13-1~13-6と、を含む。
【0014】
矢印は、媒体を搬送する方向を表す。
図1では、左から右へ媒体が搬送される例が示されている。搬送ベルト13-1~13-6は、媒体を搬送する。
図1では、媒体の例として、投入口に投入された直後の媒体21-1、21-2、および、媒体が排出される側(
図1の右側)に配置される搬送ベルト13-5、13-6により排出された状態の媒体22-1、22-2が示されている。
【0015】
搬送ローラー12-1~12-12は、搬送ベルト13-1~13-6のうち、それぞれ以下に示す搬送ベルトを回転させるためのローラーである。
・搬送ローラー12-1、 12-2 :搬送ベルト13-1
・搬送ローラー12-3、 12-4 :搬送ベルト13-2
・搬送ローラー12-5、 12-6 :搬送ベルト13-3
・搬送ローラー12-7、 12-8 :搬送ベルト13-4
・搬送ローラー12-9、 12-10:搬送ベルト13-5
・搬送ローラー12-11、12-12:搬送ベルト13-6
【0016】
媒体通過センサ11-1~11-4は、媒体の搬送経路上の相互に異なる位置で、媒体が通過したことを検知する。例えば媒体通過センサ11-1は、投入口に投入された媒体の通過を検知する。媒体通過センサ11-2は、搬送ベルト13-1、13-2から、搬送ベルト13-3、13-4に向けて搬送される媒体の通過を検知する。媒体通過センサ11-3は、搬送ベルト13-3、13-4から、搬送ベルト13-5、13-6に向けて搬送される媒体の通過を検知する。媒体通過センサ11-4は、搬送ベルト13-5、13-6から搬送(排出)される媒体の通過を検知する。
【0017】
媒体通過センサ11-n(nは、1、2、3または4)は、それぞれ、発光部11-naと、受光部11-nbと、を含むフォトインタラプタなどにより実現される。媒体通過センサ11-nは、例えば、発光部11-naから照射した光が、受光部11-nbにより受光されなかった場合に、媒体が通過したことを検知する。
【0018】
媒体通過センサ11-nは、一定期間(例えば1秒)ごとに、媒体が通過しているか否かを示す情報をログ(稼働ログ)として記憶する。稼働ログは、監視対象の状態を示すログ情報(第1ログ情報)に相当する。
【0019】
搬送装置10は、重ねて投入された媒体を分離して搬送する機能を備えてもよい。この場合、搬送装置10は、媒体の重なりを検知する他のセンサをさらに備えてもよい。このようなセンサにより、縦に重ねて投入された2つの媒体(
図1では媒体21-1、21-2)が投入口に入れられたことが検知された場合、搬送装置10は、媒体21-1、21-2が媒体通過センサ11-2に到達した時点で、搬送ベルト13-3を逆転させて上部の媒体21-1を下部の媒体21-2から分離し、2つの媒体を1つずつ分離して搬送ベルト13-5、13-6を用いて排出させる。
【0020】
なお
図1の搬送装置10の構成は一例である。少なくとも、媒体が通過する位置(搬送装置の状態の一例)の遷移を表すパス(遷移パスの一例)が、ログなどから取得することができれば、他のどのような構成の搬送装置が用いられてもよい。また、搬送装置の状態は、媒体が通過する位置に限られない。遷移パスとは、監視対象の状態の遷移を表す情報である。
【0021】
以下、各実施形態の情報処理システムについて説明する。情報処理システムは、監視対象となる搬送装置10と同じ地点(拠点、事業所、ビルなど)に設置されてもよいし、搬送装置10の異なる地点に設置され、ネットワーク(インターネットなど)を介して搬送装置10を遠隔監視するように構成されてもよい。
【0022】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態にかかる情報処理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理システム100は、複数の記憶部(正常ログ記憶部121、候補記憶部122、例外パス記憶部123、パス記憶部124、稼働ログ記憶部141、逸脱パス記憶部142、スコア記憶部143と、学習部110と、予測部130と、ディスプレイ151と、を備えている。
【0023】
ディスプレイ151は、情報処理システム100で用いられる各種情報を表示するための表示装置である。ディスプレイ151は、例えば液晶ディスプレイ、および、タッチパネルなどにより実現される。
【0024】
各記憶部は、フラッシュメモリ、メモリカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および、光ディスクなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
【0025】
各記憶部は、物理的に異なる記憶媒体としてもよいし、物理的に同一の記憶媒体の異なる記憶領域として実現してもよい。さらに記憶部のそれぞれは、物理的に異なる複数の記憶媒体により実現してもよい。
【0026】
正常ログ記憶部121は、正常ログを記憶する。正常ログは、搬送装置10について過去に得られた稼働ログのうち、正常稼働していたと想定される一定期間(例えば1か月)に得られた稼働ログを表す。正常ログは、情報処理システム100の外部の装置で生成されてもよいし、情報処理システム100(例えば学習部110)により生成されてもよい。
【0027】
図3は、稼働ログ(正常ログ)のデータ構造の一例を示す図である。
図3に示すように、稼働ログは、時刻と、イベントと、媒体数と、を含む。イベントは、例えば媒体が通過した位置を表す。以下では、媒体通過センサ11-1~11-4それぞれにより媒体の通過が検知される位置を、P1、P2、P3、P4とする。媒体数は、対応する位置を通過した媒体の個数を表す。
【0028】
図2に戻り、候補記憶部122は、学習部110(候補生成部111、後述)により生成された正常パスの候補を記憶する。正常パスは、第1特定状態であると想定される遷移パス(第1パス)を表す。第1特定状態は、例えば正常な状態である。正常パスは、遷移パスのうち頻出するパス、および、頻出しないが正常であるとして予め定められるパスを含む。候補生成部111による候補生成処理の詳細は後述する。
【0029】
例外パス記憶部123は、予め定められた参照パスを記憶する。参照パスは、修正部112が正常パスの候補を修正するときに参照するパスである。参照パスは、例えば、正常パスの候補に対して、例外として追加または除外するパス(以下、例外パス)を表す。
【0030】
パス記憶部124は、修正部112が例外パスを用いて正常パスの候補を修正することにより求めた正常パスを記憶する。正常パスは、異常予兆を検知するための異常予兆検知モデルに相当する。
【0031】
稼働ログ記憶部141は、稼働ログを記憶する。稼働ログ記憶部141が記憶する稼働ログは、予測部130による異常予兆検知の入力データとして用いられる。稼働ログ記憶部141に記憶される稼働ログは、学習部110による学習処理で用いられた正常ログの元となった稼働ログとは別のログでもよいし、同じログを含んでもよい。
【0032】
逸脱パス記憶部142は、逸脱パス記憶する。逸脱パスは、稼働ログのうち、正常パスから逸脱するパスとして予測部130(抽出部131、後述)により抽出されたパスを表す。
【0033】
スコア記憶部143は、逸脱パスを用いて予測部130(スコア算出部132、後述)により算出された、異常の予兆の程度を示す予兆スコアを記憶する。
【0034】
学習部110は、主に正常ログ記憶部121、候補記憶部122、例外パス記憶部123、および、パス記憶部124を用いて、正常パスの候補を生成および修正して正常パスを求める学習処理を実行する。学習部110は、候補生成部111と、修正部112と、を備えている。
【0035】
候補生成部111は、正常パスの候補を生成する。例えば候補生成部111は、正常ログを用いて、正常ログから抽出される遷移パスのうち頻出する遷移パスを正常パスの候補として生成する。例えば候補生成部111は、正常ログから、系列パターン抽出法(例えば非特許文献1)を用いて、媒体が通過する位置の遷移を表す遷移パスを抽出し、抽出した遷移パスのうち、頻度の下限値以上で発生する遷移パスを正常パスの候補として生成する。候補生成部111は、生成した正常パスの候補を候補記憶部122に記憶する。
【0036】
図1に示す搬送装置10の例では、媒体が1つのみであれば、頻出する遷移パスは「P1→P2→P3→P4」となる。媒体が2つ重ねて投入された場合は、「P2→P3→P2→P3」に相当する搬送により2つの媒体が分離される。このため、頻出する遷移パスは「P1→P2→P3→P2→P3→P4」となる。
【0037】
修正部112は、例外パスを用いて正常パスの候補を修正し、正常パスを求める。例外パスは、除外パスと、追加パスと、を含む。除外パスは、正常パスの候補から除外するパスとして予め定められたパスである。追加パスは、正常パスの候補に追加するパスとして予め定められたパスである。例えば修正部112は、正常パスの候補から除外パスを除外することにより候補を修正する。また、修正部112は、正常パスの候補に追加パスを追加することにより候補を修正する。
【0038】
修正部112は、修正により得られた正常パスをパス記憶部124に記憶する。正常パスの候補に除外パスが含まれず、また、追加パスが例外パス記憶部123に記憶されていない場合は、修正部112は、正常パスの候補をそのまま正常パスとしてパス記憶部124に記憶する。
【0039】
除外パスおよび追加パスは、例えば、発生頻度とは無関係に、搬送装置10の加速試験(耐久試験、信頼試験)、設計知識、機械的な特性、および、保守の知見などから事前に求められる。
【0040】
例えば、「P1→P2→P1→P2→P3→P4」のような遷移パスは、P2まで媒体が進んだ後にP1まで戻って処理が進んだことを表す。これは、例えば、途中で搬送ローラー12-5~12-8によって媒体を移動させようとしたが、媒体表面の摩擦力が小さいために、一度P1の位置まで戻してP2に搬送しなおした状況に相当する。このような遷移パスは、必ずしも異常予兆を示すものではなく、機械的な特性に応じて生じうることが予め分かっている正常パスと解釈しうる。このようなパスが、追加パスとして例外パス記憶部123に予め記憶される。
【0041】
逆に、例えば「P1→P2→P2→P3→P4」のように、搬送位置であるP2で媒体がしばらく留まる場合は、ローラーの摩耗などで媒体をうまく搬送できない異常の予兆を示すと解釈することができる。このような遷移パスが頻出する場合、頻出パスの候補として候補記憶部122に記憶されうるが、異常予兆を示すため、候補からは除外する必要がある。そこで本実施形態では、予めこのような異常予兆を示す遷移パスを除外パスとして例外パス記憶部123に記憶しておく。
【0042】
予測部130は、主に稼働ログ記憶部141、逸脱パス記憶部142、および、スコア記憶部143を用いて、異常予兆検知を実行する。異常予兆検知は、正常パスに適合しない(正常パスから逸脱する)逸脱パスを抽出し、逸脱パスに基づく予兆スコアを算出して異常の予兆を検知する処理である。予測部130は、抽出部131と、スコア算出部132と、判定部133と、出力制御部134と、を備えている。
【0043】
抽出部131は、監視対象となる搬送装置10が特定状態(例えば異常)であるかを判定する判定期間内に得られた稼働ログ(第2ログ情報)から、正常パスに適合しない逸脱パスを抽出する。例えば抽出部131は、稼働ログ記憶部141に記憶された稼働ログから、パス記憶部124に含まれている正常パスを抽出し、抽出した正常パス以外の遷移パスとして残った遷移パスを一定期間(例えば1日)ごとに、逸脱パスとして逸脱パス記憶部142に記憶する。
【0044】
例えば「P1→P2→P1→P2→P1→P2→P3→P4」のような遷移パスは、媒体がP2でたびたび繰り返し留まることを示し、パス記憶部124に正常パスとして記憶されていない。このため、抽出部131は、この遷移パスを逸脱パスとして抽出し、逸脱パス記憶部142に記憶する。
【0045】
スコア算出部132は、抽出された逸脱パスを用いて予兆スコアを算出する。例えばスコア算出部132は、一定期間(例えば1日)ごとの投入回数を分母とし、一定期間ごとの逸脱パス記憶部142の系列パスの発生回数を分子として一定期間ごとの予兆スコアを算出し、スコア記憶部143に記憶する。投入回数とは、搬送装置10に媒体を投入した回数を表す。
【0046】
判定部133は、算出された予兆スコアを用いて異常の予兆を判定する。例えば判定部133は、一定期間ごとに、予兆スコアが予め定められた警告閾値を超えたか否かを判定し、一定期間ごとの判定結果を出力制御部134に渡す。
【0047】
予兆の判定方法は上記に限られない。例えば、判定部133は、複数の対象期間について算出された複数の予兆スコアの変化(傾きなど)を用いて異常の予兆を判定してもよい。複数の対象期間は、例えば、現在の判定期間内の期間、および、過去(例えば1か月前)の判定期間内の期間である。例えば判定部133は、過去の予兆スコアに対する現在の予兆スコアの変化量(傾きなど)を求め、変化量が閾値を超えた場合に、異常の予兆があると判定する。現在と過去との時間の差が短いと誤判定が生じるような場合は、差がより長くなるように、対象とする過去の判定期間を決定してもよい。
【0048】
出力制御部134は、情報処理システム100で用いられる各種情報の出力を制御する。例えば出力制御部134は、一定期間ごとの予兆スコア、判定部133による判定結果、および、逸脱パスのうち、一部または全部を可視化する情報を、ディスプレイ151に出力する。
【0049】
上記各部(学習部110、予測部130)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2つ以上を実現してもよい。
【0050】
次に、学習部110により実行される学習処理について説明する。
図4は、第1の実施形態における学習処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
候補生成部111は、正常ログ記憶部121に記憶された過去の正常ログから、頻出する遷移パスを正常パスの候補として抽出し、候補記憶部122に記憶する(ステップS101)。
【0052】
修正部112は、正常パスの候補に、例外パス記憶部123に記憶された除外パスが含まれるか否かを判定する(ステップS102)。含まれる場合(ステップS102:Yes)、修正部112は、除外パスを正常パスの候補から除外する(ステップS103)。
【0053】
正常パスの候補に除外パスが含まれない場合(ステップS102:No)、および、ステップS103の後、修正部112は、例外パス記憶部123に追加パスが記憶されているか否かを判定する(ステップS104)。記憶されている場合(ステップS104:Yes)、修正部112は、追加パスを正常パスの候補に追加する(ステップS105)。
【0054】
追加パスが記憶されていない場合(ステップS104:No)、および、ステップS105の後、学習部110は、学習処理を終了する。
【0055】
次に、予測部130により実行される異常予兆検知について説明する。
図5は、第1の実施形態における異常予兆検知の一例を示すフローチャートである。
【0056】
抽出部131は、稼働ログ記憶部141に記憶されている稼働ログから、正常パスに適合しない逸脱パスを抽出し、逸脱パス記憶部142に記憶する(ステップS201)。スコア算出部132は、抽出された逸脱パスを用いて予兆スコアを算出する(ステップS202)。判定部133は、算出された予兆スコアを用いて異常の予兆を判定する(ステップS203)。出力制御部134は、予兆スコア、判定部133による判定結果、および、逸脱パスなどを可視化するための警告画面を、例えばディスプレイ151に出力する(ステップS204)。
【0057】
図6は、警告画面の一例を示す図である。
図6に示すように、警告画面600は、予兆スコアの変化を表すグラフ601、および、予兆根拠を示す情報602を含む。予兆根拠を示す情報602は、例えば、抽出された逸脱パスを示す情報、および、逸脱パスの発生頻度を示す情報を含む。このような警告画面により、システム全体の挙動の異常を検知しつつ、検知結果の根拠を示すことが可能となる。
【0058】
このように、第1の実施形態にかかる情報処理システムは、正常稼働している期間の稼働ログから正常パスを抽出して異常予兆検知モデルとして記憶しておく。情報処理システムは、監視対象となる期間の稼働ログから、正常パスに対して逸脱する逸脱パスを求めることにより、異常予兆検知を行う。これにより、異常予兆検知をより適切に実行可能となる。
【0059】
本実施形態では、多様な正常稼働状態から逸脱した状態を異常予兆として捉えるとともに、どの程度の異常予兆が生じているかを数値化することができる。すなわち、過去の稼働ログから正常稼働状態を表す正常パスが網羅的に抽出され、監視対象となる新たな稼働ログの状態系列がどの程度正常パスから逸脱しているかを示す予兆スコアが算出される。これにより、例えば限定された異常原因を検知する状態遷移図に基づく方法などとは異なり、未知の異常予兆に対しても予兆スコアを算出可能となる。また、逸脱パスを出力することにより、どの部分がどのようなシステム挙動により異常を起こしているかについても明示可能となる。
【0060】
例えば、予兆スコア、および、予兆の根拠(異常箇所など)が同時に捉えられるため、保守点検および部品交換の意思決定がより容易に実行可能となる。この結果、設備の稼働率向上、および、メンテナンスの効率化が可能となる。
【0061】
また、過去の稼働ログから正常パスを抽出するため、例えば搬送装置10の動作に個体差があるような場合であっても、各搬送装置10の動作に応じた正常パスを抽出することができる。このように抽出された正常パスを用いることにより、より高精度な異常予兆検知が可能となる。
【0062】
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる情報処理システムは、逸脱パスのみでなく追加の情報を用いて予兆スコアを算出する。追加の情報は、例えば気象情報であるが、異常予兆に関連するその他のどのような情報であってもよい。
【0063】
図7は、第2の実施形態にかかる情報処理システム100-2の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理システム100-2は、複数の記憶部(正常ログ記憶部121、候補記憶部122、例外パス記憶部123、パス記憶部124、稼働ログ記憶部141、逸脱パス記憶部142、スコア記憶部143、気象情報記憶部144-2)と、学習部110と、予測部130-2と、ディスプレイ151と、を備えている。
【0064】
第2の実施形態では、気象情報記憶部144-2を追加したこと、および、予測部130-2内のスコア算出部132-2の機能が、第1の実施形態と異なっている。その他の構成および機能は、第1の実施形態にかかる情報処理システム100のブロック図である
図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0065】
気象情報記憶部144-2は、少なくとも、異常を判定する判定期間における、監視対象の搬送装置10が設置されている地点の気象情報を記憶する。気象情報は、気温、湿度、気圧、および、降水量などであるが、その他のどのような気象に関する情報であってもよい。
【0066】
スコア算出部132-2は、逸脱パスおよび気象情報を用いて予兆スコアを算出する。例えばスコア算出部132-2は、第1の実施形態と同様に発生回数/投入回数により求めた値を、搬送装置10が設置されている地点に近い気象台で観測された一定期間ごとの最大湿度で除算することにより予兆スコアを算出する。
【0067】
例えば、湿度が高い場合に一時的に予兆が出やすくなるが、搬送装置10の劣化の進行具合には影響しないような状況がありうる。本実施形態によれば、湿度により補正した予兆スコアを用いることにより、このような状況を加味した異常予兆検知が可能となる。
【0068】
予兆スコアの算出方法が変更される以外の、学習処理の流れ、および、異常予兆検知の流れは、上記実施形態(
図4、
図5)と同様であるため説明を省略する。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、監視対象を遠隔監視する場合の構成例を説明する。
図8は、第3の実施形態にかかる情報処理システム100-3の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、情報処理システム100-3は、学習装置200-3と、予測装置300-3と、が、ネットワーク400-3を介して接続された構成となっている。
【0070】
ネットワーク400-3は、例えばインターネットであるが、その他のどのような形態のネットワークであってもよい。ネットワーク400-3は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、および、無線と有線とが混在したネットワークのいずれであってもよい。
【0071】
学習装置200-3は、主に学習処理に関する機能を備える装置である。学習装置200-3は、例えばクラウド環境上のサーバ装置として構成することができる。
【0072】
学習装置200-3は、正常ログ記憶部121と、候補記憶部122と、例外パス記憶部123と、パス記憶部124と、学習部110と、通信制御部201-3と、を備えている。通信制御部201-3以外の各部は、上記実施形態と同様の機能を備えるため、同一の符号を付し説明を省略する。
【0073】
通信制御部201-3は、予測装置300-3などの外部装置との間の通信を制御する。例えば通信制御部201-3は、学習処理により得られた正常パスを、ネットワーク400-3を介して予測装置300-3に送信する。
【0074】
予測装置300-3は、主に異常予兆検知に関する機能を備える装置である。予測装置300-3は、例えば搬送装置10と同じ地点に設置されるサーバ装置として構成することができる。予測装置300-3は、クラウド環境上のサーバ装置として構成されてもよい。
【0075】
予測装置300-3は、予測部130と、稼働ログ記憶部141、逸脱パス記憶部142、スコア記憶部143と、パス記憶部145-3と、ディスプレイ151と、通信制御部301-3と、を備えている。パス記憶部145-3および通信制御部301-3以外の各部は、上記実施形態と同様の機能を備えるため、同一の符号を付し説明を省略する。
【0076】
パス記憶部145-3は、学習装置200-3から送信された正常パスを記憶する。なお、予測装置300-3内にパス記憶部145-3を備えず、予測部130(抽出部131)が、学習装置200-3のパス記憶部124を参照して逸脱パスを抽出するように構成されてもよい。
【0077】
通信制御部301-3は、学習装置200-3などの外部装置との間の通信を制御する。例えば通信制御部301-3は、学習処理により得られた正常パスを、ネットワーク400-3を介して学習装置200-3から受信する。
【0078】
学習処理の流れ、および、異常予兆検知の流れは、上記実施形態(
図4、
図5)と同様であるため説明を省略する。
【0079】
このように、第3の実施形態にかかる情報処理システムでは、機能を複数の装置に分散する構成を実現できる。
【0080】
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態によれば、異常予兆検知をより適切に実行することができる。
【0081】
次に、第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムのハードウェア構成について
図9を用いて説明する。
図9は、第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムのハードウェア構成例を示す説明図である。
【0082】
第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムは、CPU(Central Processing Unit)51などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)52やRAM(Random Access Memory)53などの記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F54と、各部を接続するバス61を備えている。
【0083】
第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムで実行されるプログラムは、ROM52等に予め組み込まれて提供される。
【0084】
第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
【0085】
さらに、第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0086】
第1から第3の実施形態にかかる情報処理システムで実行されるプログラムは、コンピュータを上述した情報処理システムの各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU51がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0088】
実施形態の構成例について以下に記載する。
(構成例1)
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成部と、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正部と、
を備える情報処理装置。
(構成例2)
前記監視対象が第2特定状態であるかを判定する判定期間内に得られた前記監視対象の状態を示す第2ログ情報から、前記第1パスに適合しない逸脱パスを抽出する抽出部と、
前記逸脱パスを用いて、前記第2特定状態の予兆の程度を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコアを用いて前記第2特定状態の予兆を判定する判定部と、
前記スコアと、前記判定部による判定結果と、前記逸脱パスと、のうち一部または全部を可視化する情報を出力する出力制御部と、
をさらに備える、
構成例1に記載の情報処理装置。
(構成例3)
前記スコア算出部は、前記逸脱パスと、前記判定期間の気象情報と、を用いて前記スコアを算出する、
構成例2に記載の情報処理装置。
(構成例4)
前記スコア算出部は、複数の対象期間それぞれについて前記スコアを算出し、
前記判定部は、複数の前記対象期間について算出された複数の前記スコアの変化を用いて前記第2特定状態の予兆を判定する、
構成例2または3に記載の情報処理装置。
(構成例5)
前記候補生成部と前記修正部とを備える学習装置と、
前記抽出部と前記スコア算出部と前記判定部と前記出力制御部とを備える予測装置と、
を備える、
構成例2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例6)
前記参照パスは、前記候補から除外するパスとして予め定められた除外パスを含み、
前記修正部は、前記候補から前記除外パスを除外することにより、前記第1パスを求める、
構成例2から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例7)
前記参照パスは、前記候補に追加するパスとして予め定められた追加パスを含み、
前記修正部は、前記候補に前記追加パスを追加することにより、前記第1パスを求める、
構成例2から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例8)
前記監視対象は、媒体を搬送する搬送装置であり、
前記状態は、前記媒体が通過する位置を表し、
前記遷移パスは、前記媒体が通過する位置の遷移を表す、
構成例1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例9)
前記第1特定状態は、正常な状態である、
構成例1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例10)
前記第2特定状態は、異常な状態である、
構成例2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(構成例11)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成ステップと、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正ステップと、
を含む情報処理方法。
(構成例12)
コンピュータに、
一定期間内に得られた監視対象の状態を示す第1ログ情報を用いて、前記状態についての頻出する遷移パスを、第1特定状態であると想定される遷移パスである第1パスの候補として生成する候補生成ステップと、
予め定められた参照パスを用いて前記候補を修正し、前記第1パスを求める修正ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0089】
10 搬送装置
100、100-2、100-3 情報処理システム
110 学習部
111 候補生成部
112 修正部
121 正常ログ記憶部
122 候補記憶部
123 例外パス記憶部
124 パス記憶部
130、130-2 予測部
131 抽出部
132、132-2 スコア算出部
133 判定部
134 出力制御部
141 稼働ログ記憶部
142 逸脱パス記憶部
143 スコア記憶部
144-2 気象情報記憶部
145-3 パス記憶部
151 ディスプレイ
200-3 学習装置
201-3 通信制御部
300-3 予測装置
301-3 通信制御部
400-3 ネットワーク