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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182083
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/22 20160101AFI20231219BHJP
【FI】
H02K11/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095484
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 進通
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB04
5H611PP07
5H611QQ01
5H611RR05
5H611UA08
(57)【要約】
【課題】シャフトから速度計の計測部に電流が流れるのを抑制可能な新規な構成の回転電機を得る。
【解決手段】回転電機は、収容体と、ステータと、ロータと、シャフトと、速度計24と、回り止め部25と、を備える。速度計24は、回転部と、計測部100と、を有する。回転部は、シャフトと結合されシャフトと一体に回転中心軸まわりに回転可能である。計測部100は、シャフトと相対回転可能にシャフトに接続され、回転部を用いてシャフトの回転速度を計測する。回り止め部25は、計測部100と収容体との間に介在し、計測部100の回り止めをし、計測部100と収容体とを電気的に絶縁している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容体と、
前記収容体に収容され、前記収容体に固定されたステータと、
前記収容体に収容され、前記ステータに対して回転中心軸まわりに回転可能なロータと、
一部が前記収容体に収容され、前記ロータと結合され前記ロータと一体に前記回転中心軸まわりに回転可能なシャフトと、
前記シャフトと結合され前記シャフトと一体に前記回転中心軸まわりに回転可能な回転部と、前記シャフトと相対回転可能に前記シャフトに接続され、前記回転部を用いて前記シャフトの回転速度を計測する計測部と、を有した速度計と、
前記計測部と前記収容体との間に介在し、前記計測部の回り止めをし、前記計測部と前記収容体とを電気的に絶縁した回り止め部と、
を備えた回転電機。
【請求項2】
前記収容体は、前記シャフトが入れられた孔が設けられた外壁を有し、
前記速度計は、前記外壁の外側の前記シャフトに設けられ、
前記回り止め部は、前記外壁に面した棒部材と、前記棒部材と結合され前記計測部と前記収容体とを電気的に絶縁した絶縁体と、を有し、前記外壁の外側に位置した、
請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記絶縁体は、前記棒部材と前記計測部との間に介在した、
請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記絶縁体は、前記棒部材と前記外壁との間に介在した、
請求項2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャフトの回転速度を計測する速度計がシャフトに取り付けられた回転電機が知られている。シャフトの一部は、収容体に収容されている。速度計は、シャフトと一体に回転可能な回転部と、シャフトと相対回転可能にシャフトに接続され、回転部を用いてシャフトの回転速度を計測する計測部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62-180766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機では、例えば、シャフトと収容体との間に軸電圧と呼ばれる電圧が発生し、電流が流れることがある。この電流がシャフトに取り付けられた速度計の計測部に流れるのを抑制できれば有益である。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、シャフトから速度計の計測部に電流が流れるのを抑制可能な新規な構成の回転電機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る回転電機は、収容体と、前記収容体に収容され、前記収容体に固定されたステータと、前記収容体に収容され、前記ステータに対して回転中心軸まわりに回転可能なロータと、一部が前記収容体に収容され、前記ロータと結合され前記ロータと一体に前記回転中心軸まわりに回転可能なシャフトと、前記シャフトと結合され前記シャフトと一体に前記回転中心軸まわりに回転可能な回転部と、前記シャフトと相対回転可能に前記シャフトに接続され、前記回転部を用いて前記シャフトの回転速度を計測する計測部と、を有した速度計と、前記計測部と前記収容体との間に介在し、前記計測部の回り止めをし、前記計測部と前記収容体とを電気的に絶縁した回り止め部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、シャフトから速度計の計測部に電流が流れるのを抑制可能な新規な構成の回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態の回転電機を概略的に示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態の回転電機を概略的に示す正面図である。
図3図3は、第1の実施形態の速度計を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態の回り止め部における速度計側結合部を概略的に示す側面図である。
図5図5は、第1の実施形態の回り止め部における収容体側結合部を概略的に示す側面図である。
図6図6は、第2の実施形態の回り止め部における収容体側結合部を概略的に示す側面図である。
図7図7は、第2の実施形態の回り止め部における速度計側結合部を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0010】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の回転電機10を概略的に示す断面図である。回転電機10は、いわゆる全閉外扇型回転電機であり、例えば電動機又は発電機として利用される。なお、回転電機10は、この例に限られない。
【0012】
回転電機10は、ステータ11と、ロータ12と、筐体13と、シャフト14と、複数(一例として二つ)の軸受15と、内扇21と、外扇22と、外扇カバー23と、速度計24と、回り止め部25とを有する。本実施形態では、外扇カバー23と筐体13とによって、収容体26が構成されている。なお、回転電機10は、この例に限られない。
【0013】
ステータ11は、固定子鉄心31と、固定子巻線32とを有する。固定子鉄心31は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成されている。回転中心軸Axは、回転電機10におけるロータ12及びシャフト14の回転の中心であり、例えばシャフト14の中心を通る仮想的な直線である。固定子巻線32は、固定子鉄心31に設けられたスロットを貫通して、当該固定子鉄心31に取り付けられている。
【0014】
本明細書において、便宜上、軸方向、径方向、及び周方向が定義される。軸方向は、回転中心軸Axに沿う方向である。径方向は、回転中心軸Axと直交する方向である。周方向は、回転中心軸Axまわりに回転する方向である。
【0015】
軸方向は、第1の軸方向Da1と、第2の軸方向Da2とを含む。第1の軸方向Da1は、回転中心軸Axに沿う一方向である。第2の軸方向Da2は、第1の軸方向Da1の反対方向である。
【0016】
ロータ12は、回転子鉄心41と、導体42とを有する。回転子鉄心41は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成され、固定子鉄心31の内側に配置されている。導体42は、互いに周方向に間隔を介して配置されている。導体42は、例えば、回転子鉄心41を軸方向に貫通する導体バーと、全ての導体バーの軸方向における端部に結合された短絡リングとを有する。
【0017】
筐体13は、フレーム51と、二つの軸受ブラケット52,53と、複数の放熱フィン54とを有する。フレーム51は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成されている。ステータ11及びロータ12は、フレーム51の内側に配置されている。固定子鉄心31は、フレーム51に固定されている。
【0018】
フレーム51は、内面51aと、外面51bと、複数のボス51cとを有する。内面51aは、筐体13の内部に向く。外面51bは、内面51aの反対側に位置し、筐体13の外部に向く。ボス51cは、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の近傍において、外面51bから筐体13の外部に突出している。複数のボス51cは、周方向に間隔を介して配置されている。
【0019】
軸受ブラケット52は、第1の軸方向Da1におけるフレーム51の端部に取り付けられている。軸受ブラケット53は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部に取り付けられている。軸受ブラケット52,53は、フレーム51の内部の空間を塞いでいる。軸受ブラケット52,53のそれぞれは、対応する軸受15を支持している。
【0020】
筐体13の内部に、閉空間Siが設けられている。筐体13は、閉空間Siにステータ11及びロータ12を収容している。筐体13は、閉空間Siと、当該閉空間Siの外部との間を、略気密に封止している。なお、閉空間Siは、筐体13に取り付けられる冷却器のような装置によってフレーム51の外部まで拡張されても良い。閉空間Siには、空気のような冷却用気体が満たされている。
【0021】
複数の放熱フィン54は、例えば、フレーム51の外面51bから筐体13の外部に突出している。複数の放熱フィン54のそれぞれは、略軸方向に延びている。放熱フィン54は、軸受ブラケット52,53から突出しても良いし、他の方向に延びても良い。
【0022】
シャフト14は、回転中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成されている。シャフト14は、筐体13の内部と外部とに亘って延びている。シャフト14は、中部14aと、二つの外延部14b,14cとを有する。
【0023】
中部14aは、筐体13の内部に位置するシャフト14の一部である。中部14aは、二つの外延部14b,14cの間に位置する。軸方向における中部14aの両端部は、軸受15によって支持される。これにより、シャフト14は、回転中心軸Axまわりに回転可能に軸受15に支持される。
【0024】
外延部14b,14cは、筐体13の外部に位置するシャフト14の一部である。外延部14bは、第1の軸方向Da1における中部14aの端から、軸受ブラケット52を越えて筐体13の外部に突出している。外延部14cは、第2の軸方向Da2における中部14aの端から、軸受ブラケット53を越えて筐体13の外部へ突出している。
【0025】
外延部14bは、例えば、フランジ、キー溝、又はスプラインが設けられ、外部の機器に回転を伝達可能に結合される。これにより、回転電機10は、当該外部の機器にトルクを出力し、又は外部の機器からトルクを入力される。
【0026】
シャフト14の中部14aは、ロータ12の回転子鉄心41に結合される。ロータ12及びシャフト14は、ステータ11に対して回転中心軸Axまわりに一体的に回転することができる。
【0027】
また、シャフト14は、複数の部材の組み合わせによって構成されている。シャフト14は、中部14a、外延部14b、及び外延部14cの一部を含む第1の部材16と、外延部14cの一部を含む第2の部材102とを有する。第1の部材16と第2の部材102とは、嵌め合い等によって互いに固定されている。
【0028】
内扇21は、筐体13の閉空間Siにおいて、シャフト14の中部14aに結合されている。内扇21は、シャフト14と一体的に回転中心軸Axまわりに回転することができる。内扇21は、回転することで、閉空間Siに冷却用気体の気流を生じさせる。当該気流は、例えば、ステータ11とロータ12との間を略軸方向に通過し、ステータ11及びロータ12を冷却する。
【0029】
筐体13に、閉空間Siで冷却用気体を循環させるための種々の構造が設けられても良い。例えば、筐体13は、内扇21に隣接するとともに、回転する内扇21へ冷却用気体を導入するダクトを有しても良い。また、筐体13に、ステータ11及びロータ12を通過した冷却用気体を内扇21の近傍へ戻す流路が設けられても良い。
【0030】
外扇22は、筐体13の外部でシャフト14の外延部14cに結合されている。これにより、外扇22は、ロータ12、シャフト14、及び内扇21と一体に、回転中心軸Axまわりに回転することができる。外扇22は、例えば、略径方向の気流を生じる遠心ファンである。
【0031】
外扇カバー23は、筐体13の外部に位置し、外扇22を覆う。外扇カバー23は、例えば、金属により作られている。外扇カバー23は、端壁61と、周壁62と、ガイド63とを有する。端壁61は、外壁の一例である。なお、外扇カバー23は、この例に限られない。
【0032】
端壁61は、筐体13、シャフト14、及び外扇22から第2の軸方向Da2に離間した位置に配置されている。端壁61は、例えば、回転中心軸Axと略直交する略円盤状に形成される。端壁61の外径は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の外径よりも長く、且つ軸受ブラケット53の外径よりも長い。なお、端壁61の形状は、この例に限られない。
【0033】
端壁61は、内面61aと、外面61bとを有する。内面61aは、第1の軸方向Da1に向く。内面61aは、間隔を介して筐体13、シャフト14、及び外扇22に向く。外面61bは、内面61aの反対側に位置し、第2の軸方向Da2に向く。
【0034】
周壁62は、端壁61の外縁からおおよそ第1の軸方向Da1に延びる略円筒状に形成されている。周壁62の内径は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の外径よりも長く、且つ軸受ブラケット53の外径よりも長い。
【0035】
周壁62は、軸受ブラケット53と、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部とを囲む。周壁62は、フレーム51の外面51b及び軸受ブラケット53から、径方向に離間している。これにより、周壁62と筐体13との間に、隙間Gが形成される。周壁62は、例えば、ボルト65によって、フレーム51のボス51cに固定されている。
【0036】
端壁61及び周壁62は、筐体13の軸受ブラケット53と、シャフト14の外延部14cと、外扇22と、を覆う。外扇カバー23は、軸受ブラケット53と、端壁61と、周壁62とに囲まれた流路空間Scを形成(規定、区画)する。シャフト14の外延部14cと外扇22とは、流路空間Scに配置されている。端壁61の内面61aは、流路空間Scの内部に向く。
【0037】
端壁61の中央部には、孔70が設けられている。孔70は、端壁61を軸方向に貫通し、端壁61の内面61a及び外面61bに開口している。孔70には、シャフト14が入れられている。
【0038】
外扇カバー23には、複数の吸気口71が設けられる。本実施形態において、吸気口71は、端壁61に設けられる。吸気口71は、端壁61を軸方向に貫通し、端壁61の内面61a及び外面61bに開口している。これにより、吸気口71は、流路空間Scと、当該流路空間Scの外部とを連通する。なお、吸気口71は、周壁62に設けられても良い。
【0039】
図2は、第1の実施形態の回転電機10を概略的に示す正面図である。図2に示すように、複数の吸気口71のそれぞれは、孔70の周囲に形成されている。各吸気口71は、長孔状に形成されている。なお、吸気口71の形状は、他の形状であっても良い。
【0040】
図1に示すように、第2の軸方向Da2における流路空間Scの端部は、複数の吸気口71を通じて外部に連通する。また、第1の軸方向Da1における流路空間Scの端部は、隙間Gを通じて外部に連通する。
【0041】
外扇22は、回転することにより、吸気口71から流路空間Scに外気を吸引することができる。回転する外扇22によって生じた外気の気流は、例えば、隙間Gを通って流路空間Scの外部へ放出され、フレーム51の外面51bに沿って流れる。
【0042】
外気の気流は、放熱フィン54に沿って流れることで、フレーム51と熱交換を行う。これにより、外気の気流は、当該フレーム51を介して、フレーム51に結合されたステータ11及び閉空間Siの冷却用気体を冷却する。
【0043】
ガイド63は、流路空間Scに設けられる。ガイド63は、例えば、吸気口71から吸引された外気を外扇22に導く流路と、外扇22により送られた外気を隙間Gに導く流路と、を形成する。
【0044】
図1に示すように、速度計24は、外扇カバー23における端壁61の外側のシャフト14に設けられている。速度計24は、ロータリーエンコーダの例であるが、これに限定されない。
【0045】
図3は、第1の実施形態の速度計24を概略的に示す斜視図である。図3に示すように、速度計24は、計測部100と、回転板104とを有する。回転板104は、回転部の一例である。
【0046】
回転板104は、シャフト14の第2の部材102と結合され、シャフト14と一体に回転中心軸Axまわりに回転可能である。回転板104には、複数のスリット104aがシャフト14に対して放射状に形成されている。
【0047】
計測部100は、シャフト14と相対回転可能にシャフト14に接続され、回転板104を用いてシャフト14の回転速度を計測する。具体的には、計測部100は、ケース101と、発光部105と、レンズ106と、固定板107と、受光部108と、を有する。ケース101には、シャフト14の第2の部材102が挿入されている。ケース101は、複数(一例として二つ)の軸受103によってシャフト14と相対回転可能に接続されている。ケース101内には、発光部105、レンズ106、回転板104、固定板107、及び受光部108が収容されている。また、ケース101には、結合部109が設けられている。
【0048】
発光部105と受光部108とは、回転板104を介して軸方向に対向して配置されている。また、発光部105と回転板104との間にレンズ106が配置され、回転板104と受光部108との間に固定板107が配置されている。固定板107には、複数のスリット107aが形成されている。
【0049】
発光部105は、受光部108に向けて光を出射する。発光部105は、例えば発光ダイオードである。受光部108は、発光部105から出射されレンズ106と回転板104とのスリット104aと固定板107のスリット107aとを通過した光を受光する。受光部108は、例えば、フォトトランジスタである。回転板104がシャフト14と一体に回転している場合には、受光部108が受光する光の明暗(照度)が繰り返し変化する。すなわち、受光部108が光パルス信号を受信する。計測部100の算出部は、受光部108が受信した光パルス信号に基づいて、公知の方法でシャフト14の回転速度を算出する。なお、速度計24は、上記の構成に限定されない。
【0050】
図1及び図2に示すように、回り止め部25は、速度計24の計測部100と収容体26にける外扇カバー23の端壁61との間に介在している。回り止め部25は、計測部100を端壁61に固定している。すなわち、回り止め部25は、計測部100の回り止めをしている。回り止め部25は。固定部とも称される。また、回り止め部25は、計測部100と収容体26とを電気的に絶縁している。
【0051】
回り止め部25は、棒部材121と、速度計側結合部122と、収容体側結合部123とを有する。回り止め部25は、ブラケットとも称される。
【0052】
棒部材121は、速度計24側の一端部121aと、収容体26側の他端部121bとを有する。棒部材121は、端壁61に面し、端壁61に沿って延びている。棒部材121は、金属材料によって作られている。棒部材121は、支え棒とも称される。
【0053】
図4は、第1の実施形態の回り止め部25における速度計側結合部122を概略的に示す側面図である。図4に示すように、速度計側結合部122は、棒部材121の一端部121aと、速度計24とを結合(固定)している。
【0054】
詳細には、速度計側結合部122は、継手131と、絶縁体132とを有する。継手131は、棒部材121の一端部121aに固定されている。
【0055】
絶縁体132は、例えば板状に形成されている。絶縁体132は、電気的絶縁性を有する材料によって作られている。例えば、絶縁体132は、ゴムや合成樹脂材料、碍子等によって作られている。絶縁体132は、計測部100と収容体26とを電気的に絶縁している。絶縁体132は、ボルト133と、ボルト133と結合したナット134とによって、継手131ひいては棒部材121の一端部121aに固定されている。また、絶縁体132は、ボルト135と、ボルト135と結合した雌ネジ部136とによって、速度計24の結合部109に結合(固定)されている。雌ネジ部136は、結合部109に一体に設けられている。
【0056】
図5は、第1の実施形態の回り止め部25における収容体側結合部123を概略的に示す側面図である。図5に示すように、収容体側結合部123は、継手141を有する。継手141は、棒部材121の他端部121bに固定されている。継手141は、ボルト145と、ボルト145と結合したナット146とによって、外扇カバー23の端壁61に固定されている。継手141と端壁61との間には、筒部材147が設けられている。筒部材147には、ボルト145の軸部が入れられている。
【0057】
以上のように、本実施形態の回転電機10は、収容体26と、ステータ11と、ロータ12と、シャフト14と、速度計24と、回り止め部25と、を備える。ステータ11は、収容体26に収容され、収容体26に固定されている。ロータ12は、収容体26に収容され、ステータ11に対して回転中心軸Axまわりに回転可能である。シャフト14は、一部が収容体26に収容されている。シャフト14は、ロータ12と結合されロータ12と一体に回転中心軸Axまわりに回転可能である。速度計24は、回転板104(回転部)と、計測部100と、を有する。回転板104は、シャフト14と結合されシャフト14と一体に回転中心軸Axまわりに回転可能である。計測部100は、シャフト14と相対回転可能にシャフト14に接続され、回転板104を用いてシャフト14の回転速度を計測する。回り止め部25は、計測部100と収容体26との間に介在し、計測部100の回り止めをし、計測部100と収容体26とを電気的に絶縁している。
【0058】
このような構成によれば、回り止め部25が計測部100と収容体26とを電気的に絶縁しているので、シャフト14と収容体26との間に、軸電圧が発生しても、計測部100を介して電流が流れることが抑制される。すなわち、計測部100に電流が流れるのが抑制される。
【0059】
ここで、比較例として、計測部100に電流が流れるのを抑制するためにシャフト14に絶縁部を設けることが考えられる。比較例では、シャフト14を二つの分割体が結合された構成とし、二つの分割体の一方に凹部を設け他方に凹部に嵌まる凸部を設ける。次に、凹部に絶縁材を充填する。次に、絶縁材が硬化した後に絶縁材にボルト用の孔を設ける。そして、凹部と凸部とで絶縁材を挟んだ状態で、凹部、凸部、及び絶縁材のそれぞれの孔を貫通したボルトによって、凹部と凸部とを締結する。上記において、凹部及び凸部には、各種の表面処理が施される。このような比較例では、シャフト14の構成が複雑であるとともに、シャフト14の製造工程が複雑化する。これに対して、本実施形態では、回り止め部25が計測部100と収容体26とを電気的に絶縁しているので、計測部100に電流が流れるのを抑制するためにシャフト14に絶縁部を設ける必要がない。よって、シャフト14の構成が複雑化するのを抑制することができる。したがって、シャフト14の製造工程が複雑化するのを抑制することができ、シャフト14の生産性を向上させることができる。
【0060】
また、収容体26は、端壁61(外壁)を有する。端壁61には、孔70が設けられている。孔70には、シャフト14が入れられた孔70が設けられている。速度計24は、端壁61の外側のシャフト14に設けられている。回り止め部25は、棒部材121と、絶縁体132とを有し、端壁61の外側に位置している。棒部材121は、端壁61に面している。絶縁体132は、棒部材121と結合され計測部100と収容体26とを電気的に絶縁している。
【0061】
このような構成によれば、速度計24及び回り止め部25が端壁61の外側に位置しているので、速度計24及び回り止め部25のメンテナンスがしやすい。
【0062】
また、絶縁体132は、棒部材121と計測部100との間に介在している。
【0063】
このような構成によれば、絶縁体132が棒部材121と端壁61との間に設けられる構成に比べて、棒部材121と端壁61との間の構造を簡素にしやすい。
【0064】
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態の回り止め部25における収容体側結合部123を概略的に示す側面図である。図7は、第2の実施形態の回り止め部25における速度計側結合部122を概略的に示す側面図である。
【0065】
図6及び図7に示すように、本実施形態は、回り止め部25の構成が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、速度計側結合部122と収容体側結合部123とのうち収容体側結合部123に絶縁体142が設けられている。
【0066】
図6に示すように、収容体側結合部123は、継手141と、絶縁体142とを有する。継手141は、棒部材121の他端部121bに固定されている。
【0067】
絶縁体142は、例えば板状に形成されている。絶縁体142は、電気的絶縁性を有する材料によって作られている。例えば、絶縁体142は、ゴムや合成樹脂材料、碍子等によって作られている。絶縁体142は、計測部100と収容体26とを電気的に絶縁している。絶縁体142は、ボルト143と、ボルト143と結合したナット144とによって、継手141ひいては棒部材121の他端部121bに固定されている。また、絶縁体142は、ボルト145と、ボルト145と結合したナット146とによって、外扇カバー23の端壁61に結合(固定)されている。絶縁体142と端壁61との間には、筒部材147が設けられている。筒部材147には、ボルト145の軸部が入れられている。
【0068】
図7に示すように、速度計側結合部122は、継手131を有する。継手131は、棒部材121の一端部121aに固定されている。継手131は、ボルト135と、ボルト135と結合した雌ネジ部136とによって、速度計24の結合部109に固定されている。
【0069】
以上のように、本実施形態では、絶縁体142は、棒部材121と端壁61との間に介在している。
【0070】
このような構成によれば、絶縁体142が棒部材121と計測部100との間に設けられる構成に比べて、棒部材121と計測部100との間の構造を簡素にしやすい。
【0071】
なお、上記実施形態では、回転電機10が内扇21及び外扇22を備えた例が示されたが、これに限定されない。例えば、内扇21及び外扇22の一方又は両方が設けられていなくても良い。
【0072】
また、上記実施形態では、速度計24が収容体26の外側に位置した例が示されたが、これに限定されない。例えば、速度計24が収容体26の内側に位置していても良い。
【0073】
また、上記実施形態では、回り止め部25において、速度計側結合部122と、収容体側結合部123とが棒部材121によって接続された例が示されたが、これに限定されない。例えば、速度計側結合部122と、収容体側結合部123とが板部材によって接続されていても良い。ここで、棒部材121及び板部材は、速度計側結合部122と収容体側結合部123とを接続する接続部材とも称される。
【0074】
また、上記実施形態において、シャフト14に摺動するアースブラシを設けても良い。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
10…回転電機、11…ステータ、12…ロータ、14…シャフト、24…速度計、25…回り止め部、26…収容体、61…端壁(外壁)、70…孔、100…計測部、104…回転板(回転部)、121…棒部材、132,142…絶縁体、Ax…回転中心軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7