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特開2023-182114操作制御装置、調理器、操作制御方法、及び操作制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182114
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】操作制御装置、調理器、操作制御方法、及び操作制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20231219BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20231219BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F24C15/00 D
F24C1/00 330Z
F24C7/02 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095524
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】安井 鉄也
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086DA22
(57)【要約】
【課題】調理器の調理メニューに関するメニュー情報の選択操作の操作性を向上させることが可能な操作制御装置、調理器、操作制御方法、及び操作制御プログラムを提供する。
【解決手段】操作制御装置は、調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける受付処理部と、前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させる表示処理部と、前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える切替処理部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させる表示処理部と、
前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える切替処理部と、
を備える操作制御装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記受付処理部が前記第2操作を受け付ける前に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を第1表示モードにより前記表示部に表示させ、前記受付処理部が前記第2操作を受け付けた後に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を前記第1表示モードとは異なる第2表示モードにより前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記メニュー情報に複数の設定対象が含まれる場合において、
前記表示処理部は、前記第1表示モードにおいて、前記回転操作部の所定量の回転に応じて、前記複数の設定対象を第1刻み単位で順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、前記回転操作部の前記所定量の回転に応じて、前記複数の設定対象を前記第1刻み単位とは異なる第2刻み単位で順に表示させる、
請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記切替処理部は、前記受付処理部が前記回転操作部を左回りに所定量回転させた後に所定時間以内に右回りに所定量回転させる前記第2操作を受け付けた場合に、前記第1表示モードを前記第2表示モードに切り替える、
請求項3に記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、現在の刻み単位を表す識別情報を前記表示部に表示させる、
請求項3に記載の操作制御装置。
【請求項6】
前記メニュー情報に、それぞれが前記複数の設定対象を含む複数の調理モードが含まれる場合において、
前記表示処理部は、前記第1表示モードにおいて、前記回転操作部の回転に応じて前記複数の設定対象のうち第1調理モードに対応する設定対象を順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、前記回転操作部の回転に応じて前記複数の設定対象のうち第2調理モードに対応する設定対象を順に表示させる、
請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項7】
前記切替処理部は、前記受付処理部が前記回転操作部を右回りに所定量回転させた後に所定時間以内に左回りに所定量回転させる前記第2操作を受け付けた場合に、前記第1表示モードを前記第2表示モードに切り替える、
請求項6に記載の操作制御装置。
【請求項8】
前記回転操作部はロータリーエンコーダで構成されており、
前記ロータリーエンコーダは、右回り及び左回りに回転可能、かつ押し込み可能に構成されており、
前記表示処理部は、前記ロータリーエンコーダの回転操作に応じて前記メニュー情報を前記表示部に表示させ、
前記受付処理部は、前記ロータリーエンコーダの押下操作に応じて前記メニュー情報を決定する決定操作を受け付ける、
請求項1~7のいずれかに記載の操作制御装置。
【請求項9】
第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部と、表示部と、前記表示部の表示内容を制御する制御部とを備える調理器であって、
前記制御部は、
前記回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、調理メニューに関するメニュー情報を前記表示部に表示させる表示処理部と、
前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える切替処理部と、
を備える調理器。
【請求項10】
一又は複数のプロセッサーが、
調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付けることと、
前記第1操作を受け付けた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させることと、
前記第2操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替えることと、
を実行する操作制御方法。
【請求項11】
調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付けることと、
前記第1操作を受け付けた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させることと、
前記第2操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替えることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための操作制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器において調理メニューなどのメニュー情報を選択するユーザー操作を受け付ける操作制御装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
調理器には複数の調理メニューなどが予め登録されており、ユーザーは複数の調理メニューの中から所望の調理メニューを選択して調理を開始させることが可能である。従来、調理器において、ユーザーがロータリーエンコーダを回転操作して調理メニューなどを選択可能な技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-332684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、調理器は、高機能化に伴い多くの調理メニューの調理を行うことが可能になっている。これに伴い、調理メニューの数、設定項目(時間、温度など)の数が増加し、ユーザーによる操作が煩雑になっている。例えば、ユーザーは、目的の調理メニューに辿り着くまでロータリーエンコーダを長時間操作しなければならない。このように、従来の技術では、調理メニューなどのメニュー情報の選択操作の操作性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、調理器の調理メニューに関するメニュー情報の選択操作の操作性を向上させることが可能な操作制御装置、調理器、操作制御方法、及び操作制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る操作制御装置は、受付処理部と表示処理部と切替処理部とを備える。前記受付処理部は、調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける。前記表示処理部は、前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させる。前記切替処理部は、前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える。
【0007】
本発明の他の態様に係る調理器は、第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部と、表示部と、前記表示部の表示内容を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける受付処理部と、前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、調理メニューに関するメニュー情報を前記表示部に表示させる表示処理部と、前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える切替処理部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係る操作制御方法は、一又は複数のプロセッサーが、調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付けることと、前記第1操作を受け付けた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させることと、前記第2操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替えることと、を実行する方法である。
【0009】
本発明の他の態様に係る操作制御プログラムは、調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付けることと、前記第1操作を受け付けた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させることと、前記第2操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替えることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調理器の調理メニューに関するメニュー情報の選択操作の操作性を向上させることが可能な操作制御装置、調理器、操作制御方法、及び操作制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。
図2図2は、従来の調理メニューの選択方法の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の構成を機能ブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る加熱調理器において利用されるメニュー登録情報の一例を示す図である。
図5A図5Aは、本発明の実施形態に係る加熱調理器におけるメニュー番号の設定方法の一例を示す図である。
図5B図5Bは、本発明の実施形態に係る加熱調理器におけるメニュー番号の設定方法の一例を示す図である。
図6A図6Aは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における時間の設定方法の一例を示す図である。
図6B図6Bは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における時間の設定方法の一例を示す図である。
図6C図6Cは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における時間の設定方法の一例を示す図である。
図7A図7Aは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における調理モードの設定方法の一例を示す図である。
図7B図7Bは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における調理モードの設定方法の一例を示す図である。
図7C図7Cは、本発明の実施形態に係る加熱調理器における調理モードの設定方法の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る加熱調理器で実行される操作制御処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係る加熱調理器で実行される操作制御処理の具体例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る加熱調理器におけるメニュー情報の設定方法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0013】
[加熱調理器1の全体構成]
図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る加熱調理器1の構造について説明する。図1は、加熱調理器1の外観を示す正面図である。加熱調理器1は、本発明の調理器の一例である。
【0014】
図1に示すように、加熱調理器1は、直方体形状の本体ケーシング1aと、本体ケーシング1a内に設けられ、前側に開口2を有する加熱庫3(収容庫)と、加熱庫3の開口2を開閉する扉4とを備えている。
【0015】
本体ケーシング1aの上側かつ後側には、吹出口を有する排気ダクト5が設けられている。本体ケーシング1aの前面の下部には、露受容器6が着脱可能に取り付けられている。露受容器6は、扉4の下側に載置され、扉4の後面(加熱庫3側の表面)及び本体ケーシング1aの前板からの水滴を受けることができるようになっている。また、本体ケーシング1aの前面の下部には、給水タンク7が着脱可能に取り付けられている。
【0016】
扉4は、本体ケーシング1aの前面側に下側の辺を軸に回動可能に設けられている。扉4の前面(加熱庫3側とは反対側の表面)には、耐熱性を有する透明な外ガラス8と、外ガラス8の上側に位置するハンドル9とが設けられている。
【0017】
また、扉4には、外ガラス8の右側に設けられた表示部13と、表示部13の下側に設けられた操作部14とが設けられている。表示部13は、調理メニュー、設定情報(調理モード、時間、温度、出力値(ワット数))などの情報(メニュー情報)を表示する表示パネルである。また、表示部13は、ユーザーによるタッチ操作を受け付け可能なタッチパネル機能を有してもよい。操作部14は、ロータリーエンコーダ141と、押しボタン142とを含んでいる。
【0018】
ロータリーエンコーダ141は、右回り及び左回りに回転可能、かつ押し込み可能に構成されている。ユーザーは、メニュー情報を選択及び決定したり、調理を開始させたりする際にロータリーエンコーダ141を操作する。例えば、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を回転(右回転、左回転)させて、表示部13に表示される調理メニューを切り替える。また、ユーザーは、所望の調理メニューが表示部13に表示された状態でロータリーエンコーダ141を押下する。これにより、調理メニューが決定される。また、ユーザーが各種設定項目の設定を完了してロータリーエンコーダ141を押下すると、設定内容に応じた調理が開始される。
【0019】
押しボタン142は複数個設けられてもよい。複数個の押しボタン142には、例えば、設定情報を取り消したり、調理の途中で調理を止めたりするときなどに押す取り消しボタンが含まれる。
【0020】
加熱庫3内には被加熱物が収容される。加熱調理器1は、マイクロ波、蒸気(過熱蒸気)などを利用して加熱調理を行う。例えば、加熱調理器1は、蒸気発生装置で生成された蒸気をヒータによって加熱し、100℃以上になった過熱蒸気を加熱庫3内に供給する。これにより、加熱庫3内の被加熱物が加熱される。加熱調理器1は、調理メニューに応じて、蒸気の供給量、循環ファンの回転量、加熱時間、庫内温度などを制御して、加熱処理を実行する。
【0021】
ところで、加熱調理器1には、複数の調理メニューに関するメニュー情報が予め登録されており、ユーザーは例えば複数の調理メニューの中から所望の調理メニューを選択する。ここで、調理メニューの数、設定項目(時間、温度など)の数が多いと、ユーザーによる操作が煩雑になる。例えば、ユーザーは、目的の調理メニューに辿り着くまでロータリーエンコーダ141を長時間操作しなければならない。このように、従来の技術では、調理メニューなどのメニュー情報の選択操作の操作性が悪いという問題がある。以下、従来の調理メニューの選択方法の具体例を説明する。
【0022】
図2には、従来の調理メニューの選択方法の一例を示している。図2には、調理メニューのメニュー番号を示している。例えば、ユーザーが目的のメニュー番号「0049」を選択しようとする場合、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させてメニュー番号を切り替えていく。具体的には、メニュー番号「0000」の状態からユーザーがロータリーエンコーダ141を所定量回転させると、メニュー番号が「0001」に切り替わる。
【0023】
ここで、前記所定量は、メニュー番号が一つ繰り上がる又は繰り下がるためのロータリーエンコーダ141の回転量である。なお、ロータリーエンコーダ141は、前記所定量ごとにロータリーエンコーダ141の回転が停止されるクリック方式であってもよい。この場合、ロータリーエンコーダ141が1クリック回転すると、メニュー番号が1つ繰り上がる又は繰り下がる。
【0024】
図2の例では、ユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、メニュー番号が「0001」に切り替わる。このため、ユーザーは、目的のメニュー番号「0049」まで、さらにロータリーエンコーダ141を48クリック回転させる。このように、ユーザーは、初期番号「0000」から目的のメニュー番号「0049」までロータリーエンコーダ141を49クリック回転させなければならず手間がかかる。
【0025】
これに対して、本実施形態に係る加熱調理器1によれば、以下に示すように、加熱調理器1の調理メニューに関するメニュー情報の選択操作の操作性を向上させることが可能である。以下、加熱調理器1による操作制御処理の具体的な構成について説明する。
【0026】
[操作制御処理の具体的構成]
図3に示すように、加熱調理器1は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、加熱部15などを備えている。
【0027】
加熱部15は、加熱庫3内の被加熱物を加熱する加熱処理を実行する。加熱部15には、蒸気発生装置、赤外線センサー、吸気ファン、排気ファン、循環ファン、駆動モータ、ヒータなどが含まれる(不図示)。加熱部15は、制御部11の命令に従って、各部の駆動を制御して加熱処理を実行する。
【0028】
制御部11は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部12は、制御部11に後述の操作制御処理(図8参照)を実行させるための操作制御プログラムなどを記憶する不揮発性メモリなどである。制御部11は、本発明の操作制御装置の一例である。
【0029】
また、記憶部12は、メニュー登録情報D1を記憶する。図4には、メニュー登録情報D1の一例を示している。
【0030】
メニュー登録情報D1は、加熱調理器1において選択可能な調理メニューに関する情報である。メニュー登録情報D1には、調理メニューごとに、「メニュー番号」、「メニュー名」、「モード」などの情報が登録される。前記調理メニューは、食品の種類を示す情報であり、例えば牛乳、野菜、煮物、から揚げ、ローストビーフ、ピザ、鰹のたたき、クリームパン、チーズケーキなどである。また、前記調理メニューには、レンジの出力値(ワット数)が含まれる。前記メニュー番号は、食品の識別情報であり、例えば登録順の番号が付与される。前記メニュー名は、例えば食品の名前、レンジの出力値(ワット数)などである。
【0031】
前記モードは、加熱調理の調理モード(運転モード)を示す情報である。前記モードには、温度及び時間を自動で設定する「自動モード」、温度及び時間を手動で設定する「手動モード」、レンジ調理を行う「レンジモード」、これら全てを含む「全モード」が含まれる。メニュー登録情報D1には、モードごとに、選択可能な調理メニューを表す情報が登録されている。例えば、「全モード」には、全ての調理メニューに「〇」が登録されているため、調理モードが「自動モード」、「手動モード」、「レンジモード」のいずれにも設定されていない場合には、ユーザーは操作画面において全ての調理メニューを選択することが可能となる。
【0032】
また、「自動モード」には、メニュー番号が付された全ての食品に「〇」が登録されているため、調理モードが「自動モード」に設定されている場合には、ユーザーは操作画面において全ての食品を選択することが可能となる。
【0033】
また、「手動モード」には、メニュー番号が付された全ての食品を除いた調理メニュー(レンジの出力値、蒸し物、オーブン、発酵、グリルなど)に「〇」が登録されているため、調理モードが「手動モード」に設定されている場合には、ユーザーは操作画面において食品を除いた調理メニューを選択することが可能となる。
【0034】
また、「レンジモード」には、レンジメニューのみに「〇」が登録されているため、調理モードが「レンジモード」に設定されている場合には、ユーザーは操作画面においてレンジメニュー(レンジの出力値)のみを選択することが可能となる。
【0035】
このように、メニュー登録情報D1には、複数の調理モードのそれぞれに対応する調理メニューが予め登録されている。
【0036】
メニュー登録情報D1は、予め記憶部12に記憶される。例えば、加熱調理器1の製造時にメニュー登録情報D1が記憶部12に記憶されてもよい。また、制御部11は、加熱調理器1がユーザーに納入された後にメニュー登録情報D1を記憶部12に記憶してもよい。さらに、制御部11は、記憶部12に記憶されたメニュー登録情報D1に新たな調理メニューの情報を追加したり、登録された情報を変更したりすることが可能であってもよい。例えば、加熱調理器1が通信手段を備える場合には、制御部11は、インターネットなどのネットワークを介して、サーバー(クラウドサーバなど)からメニュー登録情報D1を記憶部12にダウンロードしたり、調理メニューを追加、変更したりしてもよい。
【0037】
また、他の実施形態として、メニュー登録情報D1などの情報の一部又は全部が、加熱調理器1からアクセス可能なサーバー(クラウドサーバなど)に記憶されてもよい。この場合、制御部11は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の操作制御処理(図8参照)などの各処理を実行してもよい。また、ユーザーが、携帯端末を利用して、メニュー登録情報D1を前記サーバーから加熱調理器1にダウンロードさせてもよい。
【0038】
制御部11は、メニュー登録情報D1に基づいて、表示部13に調理メニューに関するメニュー情報を表示させるとともに、ユーザーからメニュー情報の選択操作を受け付ける。また、制御部11は、ユーザーの選択操作に基づいて被加熱物の加熱処理を実行する。
【0039】
具体的には、制御部11は、図3に示すように、表示処理部111、受付処理部112、設定処理部113、切替処理部114などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記操作制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記操作制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
表示処理部111は、各種情報を表示部13(図1参照)に表示させる。受付処理部112は、ユーザーによる操作部14に対する操作を受け付ける。具体的には、表示処理部111は、メニュー番号、メニュー名、時間、温度、レンジの出力値、調理モードなどの調理メニューに関するメニュー情報を表示部13に表示させる。例えば、表示処理部111は、操作画面を表示部13に表示させ、受付処理部112は、ロータリーエンコーダ141においてユーザーから調理メニュー(メニュー番号、メニュー名など)、時間、温度、レンジの出力値、調理モード(「自動モード」、「手動モード」、「レンジモード」など)の選択操作を受け付ける。
【0041】
具体的には、受付処理部112は、ロータリーエンコーダ141を右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に回転させる通常操作(本発明の第1操作の一例)と、ロータリーエンコーダ141を右回り及び左回りの一方に回転させた後に所定時間以内に他方に回転させる特定操作(本発明の第2操作の一例)とをユーザーから受け付ける。すなわち、受付処理部112は、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させる通常操作、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させる通常操作、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作をそれぞれ受け付ける。
【0042】
表示処理部111は、受付処理部112により前記通常操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報を表示部13に表示させる。
【0043】
切替処理部114は、受付処理部112により前記特定操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える。
【0044】
具体的には、表示処理部111は、受付処理部112が前記特定操作を受け付ける前に前記通常操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を第1表示モードにより表示部13に表示させ、受付処理部112が前記特定操作を受け付けた後に前記通常操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を前記第1表示モードとは異なる第2表示モードにより表示部13に表示させる。例えば、表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141を左回り又は右回りに回転させる前記通常操作に応じて前記第1表示モードにより前記メニュー情報を表示させ、切替処理部114は、受付処理部112がロータリーエンコーダ141を左回りに所定量回転させた後に所定時間以内に右回りに所定量回転させる前記特定操作を受け付けると、前記第1表示モードを前記第2表示モードに切り替える。その後、表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141を左回り又は右回りに回転させる前記通常操作に応じて前記第2表示モードにより前記メニュー情報を表示させる。
【0045】
例えば、前記メニュー情報に複数のメニュー番号(本発明の設定対象の一例)が含まれる場合において、表示処理部111は、前記第1表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の所定量の回転(1クリック)に応じて、複数のメニュー番号を第1刻み単位(例えば1つ単位)で順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の前記所定量の回転(1クリック)に応じて、複数のメニュー番号を第2刻み単位(例えば5つ単位)で順に表示させる。
【0046】
設定処理部113は、加熱処理に関する各種設定項目(パラメータ)を設定する。具体的には、設定処理部113は、受付処理部112がユーザーから受け付けたメニュー情報に基づいて、蒸気の供給量、加熱庫3内の目標温度、設定時間、循環ファンの運転方法などを設定する。例えば、設定処理部113は、ユーザーによるメニュー番号の選択操作、時間(調理時間)の選択操作、調理モードの選択操作などに基づいて、メニュー番号(調理メニュー)、調理時間、調理モードなどを設定する。制御部11は、設定処理部113により各種設定項目が設定され、受付処理部112がユーザーから調理開始指示を受け付けると、加熱部15に加熱処理を実行させる。
【0047】
このように、ロータリーエンコーダ141は、右回り及び左回りに回転可能、かつ押し込み可能に構成されており、表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141の回転操作に応じてメニュー情報を表示部13に表示させ、受付処理部112は、ロータリーエンコーダ141の押下操作に応じて前記メニュー情報を決定する決定操作を受け付ける。
【0048】
以下、メニュー情報の一例であるメニュー番号、時間(調理時間)、及び調理モードのそれぞれの設定方法の具体例を説明する。
【0049】
[メニュー番号の設定方法]
図5A及び図5Bには、メニュー番号の設定方法の一例を示している。ここでは、図2に示す例と同様に、ユーザーは目的のメニュー番号「0049」を選択する。具体的には、メニュー番号「0000」の状態からユーザーは、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間(例えば0.5秒)以内に右回りに回転させる特定操作を行う。受付処理部112は、前記特定操作を受け付ける。
【0050】
なお、表示処理部111は、前記特定操作に応じてロータリーエンコーダ141の回転量(クリック数)に応じたメニュー番号を表示させてもよい。ここでは、メニュー番号の上限値が「0100」に設定されており、ロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、メニュー番号「0099」が表示される。図5Aでは、ユーザーが前記特定操作において、ロータリーエンコーダ141を左回りに2クリック回転させた後に所定時間以内に右回りに2クリック回転させた状態を示している。
【0051】
受付処理部112が前記特定操作を受け付けると、切替処理部114は、メニュー番号の表示モードを切り替える。例えば、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときにメニュー番号を1つ変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときにメニュー番号を2つ以上(図5Aでは5つ)変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第2表示モードに切り替える。
【0052】
切替処理部114により表示モードが前記第2表示モードに切り替えられると、その後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、表示処理部111は、メニュー番号を「0000」から「0005」に切り替える。すなわち、表示処理部111は、メニュー番号「0001」~「00004」を飛ばして「0005」を表示させる。また表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141が1クリック回転するごとに5つ刻みでメニュー番号を順に表示させる。図5Aに示す例では、ユーザーが、さらにロータリーエンコーダ141を8クリック回転させると、表示処理部111は、メニュー番号「0045」を表示させる。
【0053】
続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと(図5B参照)、切替処理部114は、表示モードを前記第2表示モードから前記第1表示モードに切り替える。切替処理部114により表示モードが前記第1表示モードに切り替えられると、その後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、表示処理部111は、メニュー番号を「0045」から「0046」に切り替える。すなわち、表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141の1クリックごとに1つ刻みでメニュー番号を順に表示させる。ユーザーが、さらにロータリーエンコーダ141を3クリック回転させると、表示処理部111は、メニュー番号「0049」を表示させる。続いて、ユーザーがメニュー番号を「0049」に決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、設定処理部113は、メニュー番号を「0049」に設定する。
【0054】
このように、ユーザーの前記特定操作によりメニュー番号を表示する刻み単位を変更することにより、図2に示す例と比較して、ロータリーエンコーダ141の操作回数(回転量)を減少させることができる。よって、メニュー番号の選択操作の操作性を向上させることができる。
【0055】
[時間の設定方法]
図6A図6Cには、時間(調理時間)の設定方法の一例を示している。例えば図5Bにおいて、ユーザーがメニュー番号を「0049」に決定する操作を行うと、制御部11は、メニュー番号を設定し、続いて、ユーザー操作に基づいて時間(調理時間)を設定する処理に移行する。なお、調理モードが「自動モード」に設定されている場合には、制御部11は、ユーザー操作を受け付けることなく、調理メニュー(食品)に予め関連付けられた時間を設定する。
【0056】
ここでは、ユーザーが目的の時間「2分20秒」を選択するものとする。具体的には、時間「0秒」の状態からユーザーは、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作を行う。受付処理部112は、前記特定操作を受け付ける。
【0057】
受付処理部112が前記特定操作を受け付けると、切替処理部114は、時間の表示モードを切り替える。例えば、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を1秒ずつ変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を10秒ずつ変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第2表示モードに切り替える。また、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を10秒ずつ変更する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を1分ずつ変更する第2表示モードに切り替えてもよい。また、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を1分ずつ変更する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を10分ずつ変更する第2表示モードに切り替えてもよい。また、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を10分ずつ変更する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときに時間を1時間ずつ変更する第2表示モードに切り替えてもよい。
【0058】
例えば図6Aに示すように、ユーザーが前記特定操作(図6Aの「特定操作1」)を行った場合に、切替処理部114は、時間の刻み単位を「1秒」から「10秒」に切り替える。さらにユーザーが前記特定操作(図6Aの「特定操作2」)を行った場合に、切替処理部114は、時間の刻み単位を「10秒」から「1分」に切り替える。時間の刻み単位が「1分」に切り替えられると、その後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、表示処理部111は、時間を「0分」から「1分」に切り替える(図6B参照)。表示処理部111は、ロータリーエンコーダ141の1クリックごとに1分刻みで時間を変更させる。ユーザーが、さらにロータリーエンコーダ141を1クリック回転させると、表示処理部111は、時間を「2分」に切り替える。
【0059】
続いて、ユーザーが、前記特定操作(図6Bの「特定操作3」)を行うと、切替処理部114は、時間の刻み単位を「1分」から「10秒」に切り替える。なお、ここでの「特定操作3」は、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作であり、特定操作1、2(図6A参照)とは逆の操作である。このように、切替処理部114は、「左回り回転→右回り回転」の特定操作の場合に、時間の刻み単位を「0秒→10秒→1分→10分→1時間」の順(正順)に切り替え、「右回り回転→左回り回転」の特定操作の場合に、時間の刻み単位を「1時間→10分→1分→10秒→0秒」の順(逆順)に切り替えてもよい。
【0060】
時間の刻み単位が「10秒」に切り替えられると、図6Cに示すように、その後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、表示処理部111は、時間を「2分00秒」から「2分10秒」に切り替える。ユーザーが、さらにロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、表示処理部111は、時間を目的の「2分20秒」に切り替える。続いて、ユーザーが時間を「2分20秒」に決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、設定処理部113は、時間(調理時間)を「2分20秒」に設定する。
【0061】
このように、ユーザーの前記特定操作により時間を表示する刻み単位を変更することにより、ロータリーエンコーダ141の操作回数を減少させることができる。よって、時間の選択操作の操作性を向上させることができる。
【0062】
[調理モードの設定方法]
図7A図7Cには、調理モードの設定方法の一例を示している。例えば、初期設定では、調理モードが「全モード」(「全て」)に設定されている。「全モード」の場合、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を回転(右回転、左回転)させることにより、全ての調理メニューのメニュー情報(図4参照)を順に表示させることができる。ここで、ユーザーは、調理モードを「自動モード」に切り替えたい場合に、前記特定操作を行う。具体的には、図7Aに示すように、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行う。
【0063】
受付処理部112が前記特定操作を受け付けると、切替処理部114は、調理モードを「自動モード」に切り替えるとともに、メニュー情報の表示モードを切り替える。例えば、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を回転させたときに全ての調理メニューを順に表示する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を回転させたときにメニュー番号(食品)のみを順に表示する第2表示モードに切り替える。すなわち、切替処理部114は、メニュー登録情報D1(図4参照)に基づいて、「全モード」に関連付けられた調理メニューを表示する第1表示モードから、「自動モード」に関連付けられた調理メニューを表示する第2表示モードに切り替える。
【0064】
図7Aに示す例では、調理モードが「自動モード」に切り替わると、表示処理部111は、メニュー登録情報D1に登録された全てのメニュー番号をユーザー操作に応じて順に表示させる。ここで、例えば、ユーザーが、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作を行うと、表示処理部111は、上述の[メニュー番号の設定方法](図5A参照)に示したように、メニュー番号を表示する刻み単位を変更する。
【0065】
さらに、調理モードが「自動モード」に切り替わった後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行うと(図7B参照)、切替処理部114は、調理モードを「手動モード」に切り替えるとともに、メニュー情報の表示モードを切り替える。例えば、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を回転させたときにメニュー番号のみを順に表示する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を回転させたときにメニュー番号が付された全ての食品を除いた調理メニュー(レンジの出力値、蒸し物、オーブン、発酵、グリルなど)のみを順に表示する第2表示モードに切り替える。すなわち、切替処理部114は、メニュー登録情報D1(図4参照)に基づいて、「自動モード」に関連付けられた調理メニューを表示する第1表示モードから、「手動モード」に関連付けられた調理メニューを表示する第2表示モードに切り替える。
【0066】
図7Bに示す例では、調理モードが「手動モード」に切り替わると、表示処理部111は、メニュー登録情報D1に登録された調理メニュー(レンジの出力値、蒸し物、オーブン、発酵、グリルなど)をユーザー操作に応じて順に表示させる。ここで、例えば、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させて、レンジの出力値を変更することができる。
【0067】
さらに、「手動モード」に切り替わった後にユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行うと(図7C参照)、切替処理部114は、調理モードを「レンジモード」に切り替えるとともに、メニュー情報の表示モードを切り替える。例えば、切替処理部114は、ロータリーエンコーダ141を回転させたときに調理メニュー(レンジの出力値、蒸し物、オーブン、発酵、グリルなど)のみを順に表示する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を回転させたときにレンジメニューのみを順に表示する第2表示モードに切り替える。すなわち、切替処理部114は、メニュー登録情報D1(図4参照)に基づいて、「手動モード」に関連付けられた調理メニューを表示する第1表示モードから、「レンジモード」に関連付けられた調理メニューを表示する第2表示モードに切り替える。
【0068】
図7Cに示す例では、調理モードが「レンジモード」に切り替わると、表示処理部111は、メニュー登録情報D1に登録されたレンジメニュー(レンジの出力値)をユーザー操作に応じて順に表示させる。ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させて、レンジの出力値を変更することができる。また、ユーザーがレンジの出力値を「500W」に決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、設定処理部113は、調理モードを「レンジモード」に設定し、出力値を「500W」に設定する。
【0069】
このように、ユーザーの前記特定操作により調理モードを変更するとともにメニュー情報の表示内容を変更することにより、ロータリーエンコーダ141の操作回数を減少させることができる。例えば、ユーザーが「レンジモード」の「500W」を設定したい場合に、ロータリーエンコーダ141を前記通常操作で回転させて全てのメニュー情報(図4参照)から順に表示を切り替えていくよりも、先ず前記特定操作を行って調理モードを「レンジモード」に切り替えることにより選択範囲を4つ(200W、500W、600W、1000W)に絞り込み、その後に前記通常操作により目的の「500W」を選択することができる。
【0070】
[操作制御処理]
以下、図8を参照しつつ、加熱調理器1において実行される操作制御処理の手順の一例について説明する。また、以下では、図5A及び図5Bに示した例(上述の[メニュー番号の設定方法])を用いて説明する。例えば、前記操作制御処理は、加熱調理器1に対する所定のユーザー操作に応じて開始される。
【0071】
なお、本発明は、制御部11により前記操作制御処理の一部又は全部を実行する操作制御方法の発明、又は、当該操作制御方法の一部又は全部を制御部11に実行させるための操作制御プログラムの発明として捉えてもよい。また、前記操作制御処理は、一又は複数のプロセッサーによって実行されてもよい。
【0072】
先ず、ステップS1において、制御部11は、メニュー選択画面(操作画面)を加熱調理器1の表示部13(図1参照)に表示させる。例えば、ユーザーが加熱調理器1の電源をONすると、制御部11は、メニュー選択画面を表示させる。また、制御部11は、電源ON時の初期画面として、メニュー選択画面にメニュー番号「0000」を表示させる(図5A参照)。
【0073】
次にステップS2において、制御部11は、ユーザーからロータリーエンコーダ141を右回りに回転させる操作(右回転操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部11は、前記右回転操作を受け付けたと判定すると(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。一方、制御部11は、前記右回転操作を受け付けていないと判定すると(S2:No)、処理をステップS5に移行させる。
【0074】
ステップS3において、制御部11は、ロータリーエンコーダ141の回転量を算出する。なお、所定量ごとにロータリーエンコーダ141の回転が停止されるクリック方式の場合、制御部11は、ロータリーエンコーダ141のクリック数をカウントしてもよい。
【0075】
次にステップS4において、制御部11は、メニュー情報(ここではメニュー番号)を表示させる。具体的には、制御部11は、メニュー登録情報D1(図4参照)を参照して、ロータリーエンコーダ141の前記回転量に対応するメニュー番号を特定し、当該メニュー番号を表示部13に表示させる。例えば、前記回転量が5クリックに相当する場合、制御部11は、メニュー番号「0000」に「5」を加算したメニュー番号「0005」(食品E)を表示させる。
【0076】
ステップS5において、制御部11は、ユーザーからロータリーエンコーダ141を左回りに回転させる操作(左回転操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部11は、前記左回転操作を受け付けたと判定すると(S5:Yes)、処理をステップS6に移行させる。一方、制御部11は、前記左回転操作を受け付けていないと判定すると(S5:No)、処理をステップS9に移行させる。
【0077】
ステップS6において、制御部11は、ロータリーエンコーダ141の回転量を算出する。
【0078】
次にステップS7において、制御部11は、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、制御部11は、前記左回転操作(S5)を受け付けてから経過した経過時間が前記所定時間に到達したか否かを判定する。制御部11は、前記所定時間が経過したと判定すると(S7:Yes)、処理をステップS8に移行させる。一方、制御部11は、前記所定時間が経過していないと判定すると(S7:No)、処理をステップS71に移行させる。
【0079】
ステップS8では、制御部11は、メニュー情報(メニュー番号)を表示させる。具体的には、制御部11は、メニュー登録情報D1(図4参照)を参照して、ロータリーエンコーダ141の前記回転量に対応するメニュー番号を特定し、当該メニュー番号を表示部13に表示させる。例えば、ユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに5クリック回転(S2:Yes)させた後に、左回りに2クリック回転させた場合、制御部11は、メニュー番号「0005」から「2」を減算したメニュー番号「0003」(食品C)を表示させる。また、例えば、ユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに回転させずに(S2:No)、左回りに2クリック回転させた場合、制御部11は、メニュー番号「0000」から「2」を減算したメニュー番号「0099」を表示させる。なお、メニュー番号の上限値は「0100」である(図4参照)。ステップS8の後、制御部11は、処理をステップS9に移行させる。
【0080】
ステップS9では、制御部11は、ユーザーからメニュー情報(メニュー番号)の決定操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、ユーザーがメニュー番号を決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、制御部11は、メニュー番号の決定操作を受け付けて(S9:Yes)、表示中のメニュー番号に設定し、前記操作制御処理を終了する。一方、制御部11は、ユーザーからメニュー番号の決定操作を受け付けない場合(S9:No)、処理をステップS2に移行させる。
【0081】
このように、制御部11は、ユーザーがロータリーエンコーダ141を右回り又は左回りに回転させる通常操作を行っている間は、メニュー番号を1つ刻みで順に表示させる処理を実行する(S4、S8)。
【0082】
これに対して、制御部11は、ステップS7において前記左回転操作(S5)を受け付けてから前記所定時間が経過していないと判定すると(S7:No)、ステップS71において、ユーザーからロータリーエンコーダ141を右回りに回転させる操作(右回転操作)を受け付けたか否かを判定する。すなわち、制御部11は、前記左回転操作を受け付けてから前記所定時間が経過する前に前記右回転操作を受け付けたか否かを判定する。制御部11は、前記左回転操作を受け付けてから前記所定時間が経過する前に前記右回転操作を受け付けたと判定すると(S71:Yes)、処理をステップS72に移行させる。一方、制御部11は、前記左回転操作を受け付けてから前記所定時間が経過する前に前記右回転操作を受け付けていないと判定すると(S71:No)、処理をステップS7に移行させる。このように、制御部11は、前記左回転操作を受け付けると(S5:Yes)、その後の所定時間以内に前記右回転操作を受け付けたか否かを判定する判定処理を、前記所定時間の間継続して実行する(S7、S71)。
【0083】
ステップS72では、制御部11は、メニュー番号を表示する表示モード(刻み単位)を変更する。具体的には、制御部11は、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときにメニュー番号を1つ変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第1表示モードから、ロータリーエンコーダ141を1クリック回転させたときにメニュー番号を2つ以上(図5Aでは5つ)変更(繰り上げ又は繰り下げ)する第2表示モードに切り替える。
【0084】
すなわち、制御部11は、メニュー番号を表示する刻み単位を1つ刻みから5つ刻みに変更する。ステップS72の後、制御部11は、処理をステップS2に移行させる。ステップS2に移行すると、図5Aに示すように、制御部11は、ロータリーエンコーダ141の1クリック(右回転操作、左回転操作)ごとに5つ刻みでメニュー番号を順に表示させる(S4、S8)。
【0085】
制御部11は、以上のようにして、ユーザーのロータリーエンコーダ141に対する前記通常操作及び前記特定操作に基づいて、メニュー情報の表示モード(刻み単位)を切り替える。図8では、前記メニュー番号の設定方法に対応する例を示したが、前記操作制御処理は、時間(調理時間)の設定方法(図6A図6C)、調理モードの設定方法(図7A図7C)において同様に適用可能である。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係る加熱調理器1は、ロータリーエンコーダ141を右回り又は左回りに回転させる第1操作(通常操作)と、ロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる、又は、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる第2操作(特定操作)とをユーザーから受け付ける。また、加熱調理器1は、前記第1操作が受け付けられた場合に、調理メニューに関するメニュー情報を表示部13に表示させる。また、加熱調理器1は、前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える。
【0087】
具体的には、加熱調理器1は、前記第2操作を受け付ける前に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を第1表示モードにより表示部13に表示させ、前記第2操作を受け付けた後に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を第2表示モードにより表示部13に表示させる。
【0088】
例えば、加熱調理器1は、前記第1表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の所定量の回転に応じて、複数のメニュー番号又は時間を第1刻み単位で順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の前記所定量の回転に応じて、複数のメニュー番号又は時間を第2刻み単位で順に表示させる。
【0089】
また例えば、加熱調理器1は、前記第1表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の回転に応じて全メニュー情報のうち第1調理モードに対応するメニュー情報を順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、ロータリーエンコーダ141の回転に応じて全メニュー情報のうち第2調理モードに対応するメニュー情報を順に表示させる。
【0090】
上記の構成によれば、例えば、ユーザーがメニュー番号を選択する場合に、ロータリーエンコーダ141において、メニュー番号を1つずつ切り替えることなく例えば5つ刻みでメニュー番号を切り替えることができるため、目的のメニュー番号に短時間で到達することができる(図5A及び図5B参照)。同様に、例えば、ユーザーが時間(調理時間)を選択する場合に、ロータリーエンコーダ141において、時間を1秒ずつ切り替えることなく例えば1分刻みで時間を切り替えることができるため、目的の時間に短時間で到達することができる(図6A図6C参照)。
【0091】
また、例えば、ユーザーがメニュー番号を選択する場合に、ロータリーエンコーダ141において、メニュー番号を1つずつ切り替えることなく例えば調理モードを切り替えて選択対象を狭めることができるため、目的のメニュー番号に短時間で到達することができる(図7A図7C参照)。また、ユーザーは、メニュー番号、時間、調理モードの設定操作を一つのロータリーエンコーダ141で行うことができる。
【0092】
よって、加熱調理器1の調理メニューに関するメニュー情報の選択操作の操作性を向上させることが可能となる。
【0093】
[選択操作の具体例]
図9には、ユーザーによるメニュー情報の選択操作の一連の流れの一例を示している。ここでは、ユーザーが調理メニューのメニュー番号、温度、時間を選択する場合の選択操作の流れ、及び、表示部13に表示される操作画面の遷移を示している。
【0094】
先ず、ユーザーが電源を投入すると、初期モードの「全モード」の操作画面が表示部13に表示される。具体的には、初期設定されたメニュー番号「0000」が操作画面に表示される(「1.メニュー番号初期表示」)。
【0095】
次に、ユーザーはメニュー番号の選択操作を行う。例えばユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、メニュー番号が1つ繰り上がり、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、メニュー番号が1つ繰り下がる(「2-1.メニュー選択中」)。
【0096】
また、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作を行うと、メニュー番号の表示モードが切り替わり、メニュー番号の刻み単位が1つ刻みから5つ刻みに変更される。その後、例えばユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、メニュー番号が5つ繰り上がり、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、メニュー番号が5つ繰り下がる(「2-2.メニュー選択中」)。続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと、メニュー番号の刻み単位が1つ刻みに戻る(「2-1.メニュー選択中」)。なお、メニュー番号の刻み単位を戻す場合に、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行ってもよい。
【0097】
ユーザーがメニュー番号を決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、メニュー番号が決定される(「3.メニュー決定」)。
【0098】
次に、ユーザーは、温度(調理温度)の選択操作を行う。なお、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行って、調理モードを「手動モード」に切り替える(図7A図7C参照)。調理モードが「手動モード」に切り替わると、ユーザーによる温度設定操作が可能となる。
【0099】
例えばユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、温度が1℃上がり、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、温度が1℃下がる(「4.温度選択中」)。なお、温度の選択操作においても、前記メニュー番号の選択操作と同様に、前記特定操作に基づいて温度の刻み単位が変更されてもよい。
【0100】
ユーザーが温度を決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、温度が決定される(「5.温度決定」)。
【0101】
次に、ユーザーは時間(調理時間)の選択操作を行う。例えばユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、時間が1秒繰り上がり、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、時間が1秒繰り下がる(「6-1.時間選択中」)。
【0102】
また、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作を行うと、時間の表示モードが切り替わり、時間の刻み単位が1秒刻みから10秒刻みに変更される。その後、例えばユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに1クリック回転させると、時間が10秒繰り上がり、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに1クリック回転させると、時間が10秒繰り下がる(「6-2.時間選択中」)。
【0103】
続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと、時間の刻み単位が1分刻みに変更される(「6-3.時間選択中」)。続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと、時間の刻み単位が10分刻みに変更される(「6-4.時間選択中」)。続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと、時間の刻み単位が1時間刻みに変更される(「6-5.時間選択中」)。続いて、ユーザーが再度、前記特定操作を行うと、時間の刻み単位が1秒刻みに戻る(「6-1.時間選択中」)。
【0104】
このように、ユーザーがロータリーエンコーダ141を左回りに回転させた後に所定時間以内に右回りに回転させる特定操作を行うごとに、刻み単位が「1秒→10秒→1分→10分→1時間」の順に切り替わる。これに対して、ユーザーがロータリーエンコーダ141を右回りに回転させた後に所定時間以内に左回りに回転させる特定操作を行った場合には、刻み単位が逆順(「1時間→10分→1分→10秒→1秒」)に切り替える。
【0105】
ユーザーが時間を決定する操作(ロータリーエンコーダ141を押下する操作)を行うと、時間が決定される(「7.時間決定」)。これにより、調理に関するメニュー情報の設定が完了する(「8.設定完了」)。
【0106】
以上のようにして、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141を操作することにより、調理に関する各メニュー情報を簡単かつ短時間で選択及び設定することができる。
【0107】
[他の実施形態]
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。例えば、制御部11(表示処理部111)は、現在の刻み単位を表す識別情報を表示部13に表示させてもよい。例えば図10に示すように、制御部11は、メニュー番号の現在の刻み単位を表す識別情報を操作画面に表示させてもよい。具体的には、メニュー番号の刻み単位が1つ刻みの場合に、制御部11は、刻み単位が1つ刻みであることをユーザーが認識可能な識別マークM1を表示させる。また、メニュー番号の刻み単位が5つ刻みの場合に、制御部11は、刻み単位が5つ刻みであることをユーザーが認識可能な識別マークM2を表示させる。これにより、ユーザーは、ロータリーエンコーダ141の回転量とメニュー番号の変化量との関係を容易に把握することができるため操作性がさらに向上する。
【0108】
なお、制御部11は、刻み単位を表すテキスト情報(「±1」、「±5」など)を操作画面に表示させてもよい。
【0109】
また本発明の他の実施形態として、本発明の回転操作部の回転方向は、左右方向に限定されず、前後方向であってもよい。例えば、本発明の回転操作部は、前後方向にスクロール可能な操作部であってもよい。また本発明の第1方向は前方向であり、本発明の第2方向は後方向であってもよい。
【0110】
上述の実施形態では、ユーザーがメニュー情報を設定する操作を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数のメニュー情報をユーザーに提供する構成に適用することも可能である。例えば、加熱調理器1は、ユーザーによるロータリーエンコーダ141の操作に応じて、複数のレシピの中から所望のレシピをユーザーに提示する構成であってもよい。
【0111】
また本発明の操作制御装置は、調理器に限定されず、他の機器にも適用可能である。前記操作制御装置は、ユーザーが複数の選択対象(メニュー)から所望の選択対象を選択する各種機器に適用することが可能である。
【0112】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0113】
<付記1>
調理器に設けられた第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能な回転操作部を前記第1方向又は前記第2方向に回転させる第1操作と、前記回転操作部を前記第1方向に回転させた後に所定時間以内に前記第2方向に回転させる第2操作とをユーザーから受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部により前記第1操作が受け付けられた場合に、前記調理器の調理メニューに関するメニュー情報を前記調理器の表示部に表示させる表示処理部と、
前記受付処理部により前記第2操作が受け付けられた場合に、前記メニュー情報の表示モードを切り替える切替処理部と、
を備える操作制御装置。
【0114】
<付記2>
前記表示処理部は、前記受付処理部が前記第2操作を受け付ける前に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を第1表示モードにより前記表示部に表示させ、前記受付処理部が前記第2操作を受け付けた後に前記第1操作を受け付けた場合に、前記メニュー情報を前記第1表示モードとは異なる第2表示モードにより前記表示部に表示させる、
付記1に記載操作制御装置。
【0115】
<付記3>
前記メニュー情報に複数の設定対象が含まれる場合において、
前記表示処理部は、前記第1表示モードにおいて、前記回転操作部の所定量の回転に応じて、前記複数の設定対象を第1刻み単位で順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、前記回転操作部の前記所定量の回転に応じて、前記複数の設定対象を前記第1刻み単位とは異なる第2刻み単位で順に表示させる、
付記2に記載の操作制御装置。
【0116】
<付記4>
前記切替処理部は、前記受付処理部が前記回転操作部を左回りに所定量回転させた後に所定時間以内に右回りに所定量回転させる前記第2操作を受け付けた場合に、前記第1表示モードを前記第2表示モードに切り替える、
付記2又は3に記載の操作制御装置。
【0117】
<付記5>
前記表示処理部は、現在の刻み単位を表す識別情報を前記表示部に表示させる、
付記3に記載の操作制御装置。
【0118】
<付記6>
前記メニュー情報に、それぞれが前記複数の設定対象を含む複数の調理モードが含まれる場合において、
前記表示処理部は、前記第1表示モードにおいて、前記回転操作部の回転に応じて前記複数の設定対象のうち第1調理モードに対応する設定対象を順に表示させ、前記第2表示モードにおいて、前記回転操作部の回転に応じて前記複数の設定対象のうち第2調理モードに対応する設定対象を順に表示させる、
付記2~5のいずれかに記載の操作制御装置。
【0119】
<付記7>
前記切替処理部は、前記受付処理部が前記回転操作部を右回りに所定量回転させた後に所定時間以内に左回りに所定量回転させる前記第2操作を受け付けた場合に、前記第1表示モードを前記第2表示モードに切り替える、
付記6に記載の操作制御装置。
【0120】
<付記8>
前記回転操作部はロータリーエンコーダで構成されており、
前記ロータリーエンコーダは、右回り及び左回りに回転可能、かつ押し込み可能に構成されており、
前記表示処理部は、前記ロータリーエンコーダの回転操作に応じて前記メニュー情報を前記表示部に表示させ、
前記受付処理部は、前記ロータリーエンコーダの押下操作に応じて前記メニュー情報を決定する決定操作を受け付ける、
付記1~7のいずれかに記載の操作制御装置。
【符号の説明】
【0121】
1 :加熱調理器
11 :制御部
12 :記憶部
13 :表示部
14 :操作部
15 :加熱部
111 :表示処理部
112 :受付処理部
113 :設定処理部
114 :切替処理部
141 :ロータリーエンコーダ
142 :押しボタン
D1 :メニュー登録情報
M1 :識別マーク
M2 :識別マーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10