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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182115
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/02 20060101AFI20231219BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20231219BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F25D25/02 C
F25D11/00 101W
F25D23/00 302M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095526
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 泰芳
(72)【発明者】
【氏名】藤原 啓司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 司
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA04
3L045EA02
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA14
3L345BB01
3L345CC05
3L345DD54
3L345GG22
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
【課題】庫内冷気を循環させやすくすることのできるペルチェ式の冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫1は、冷蔵室10と、ペルチェ素子31を含む冷却部30と、冷蔵室10の背面に配置され、冷却部30と接触するよう設けられている冷却板13と、冷蔵室10内を上下に仕切る棚板12とを備えている。棚板12は、冷蔵室10の左右方向の何れか一方の側に配置され、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部12aと、切り欠き部12aとは左右方向の反対側であって、切り欠き部12aよりも前方側に設けられている開口部12bとを有している。開口部12bの開口面積は、切り欠き部12aの切り欠き面積よりも小さくなっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵室と、
ペルチェ素子を含み、前記冷蔵室の背面側に設けられている冷却部と、
前記冷蔵室の背面に配置され、前記冷却部と接触するよう設けられている冷却板と、
前記冷蔵室内を上下に仕切る棚板と
を備え、
前記棚板は、
前記冷蔵室の左右方向の何れか一方の側に配置され、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部と、
前記切り欠き部とは前記左右方向の反対側であって、前記切り欠き部よりも前方側に設けられている開口部とを
有し、
前記開口部の開口面積は、前記切り欠き部の切り欠き面積よりも小さくなっている、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵室内における、前記切り欠き部が配置されている側の上面には、前記冷蔵室内にイオンを放出するイオン発生器が配置されている、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記イオン発生器は、前記冷蔵室の上面部に設けられている凹部内に配置され、
前記イオン発生器には、前記切り欠き部が設けられている側の左右方向の端部にイオン発生部が設けられており、
前記凹部内において、前記イオン発生器の周囲には空間が設けられている、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記イオン発生器は、前記冷蔵室内の前方側の上面に配置されている、
請求項2または3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェ素子を用いて冷却を行う冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の中には、ペルチェ素子を用いて庫内の冷却を行うものがある。このペルチェ式の冷蔵庫は、圧縮機などを含む冷凍サイクルを設ける必要がないため、小型化および静音化を実現することができる。
【0003】
特許文献1には、収納物を所定温度に保存するための断熱容器と、ペルチェ素子、利用側熱交換面部および熱源側熱交換面部からなり、断熱容器内を所定温度に保持可能に前記断熱容器の後壁に配設されたサーモモジュールとを備えている保存庫が開示されている。サーモモジュール10は、断熱容器1の後壁に形成されている収納穴内に配設されている。サーモモジュール10と内箱2との間には、熱伝導性のよいアルミ系合金の伝熱ブロック11が介在されており、この伝熱ブロック11は、内箱2にねじ止めにより熱伝導される状態に接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-314939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献に記載の冷蔵庫は、例えば、伝熱ブロック11のような熱伝導性のよい伝熱部材を庫内の壁に配置し、この伝熱部材から庫内へ伝わる冷気を自然対流させることによって庫内を冷却している。すなわち、冷凍サイクルを用いて庫内の冷却を行う冷蔵庫のように、庫内へ冷気を送り出すためのファンなどは設けられていない。
【0006】
そのため、冷蔵庫内を上下に仕切る棚板などが設けられている場合には、棚板によって庫内の自然対流が阻害され、庫内の隅々にまで冷気が行き渡らない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明では、庫内冷気を循環させやすくすることのできるペルチェ式の冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面にかかる冷蔵庫は、冷蔵室と、ペルチェ素子を含み、前記冷蔵室の背面側に設けられている冷却部と、前記冷蔵室の背面に配置され、前記冷却部と接触するよう設けられている冷却板と、前記冷蔵室内を上下に仕切る棚板とを備えている。前記棚板は、前記冷蔵室の左右方向の何れか一方の側に配置され、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部と、前記切り欠き部とは前記左右方向の反対側であって、前記切り欠き部よりも前方側に設けられている開口部とを有し、前記開口部の開口面積は、前記切り欠き部の切り欠き面積よりも小さくなっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一局面によれば、庫内冷気を循環させやすくすることのできるペルチェ式の冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態にかかる冷蔵庫の外観構成を示す斜視図である。
図2図1に示す冷蔵庫の内部構成を示す断面模式図である。
図3図1に示す冷蔵庫の冷蔵室内の構成を示す正面図である。
図4図1に示す冷蔵庫の冷蔵室内の構成を示す斜視図である。
図5図2に示す冷蔵庫のA-A線部分の構成を示す断面模式図である。
図6】第1の実施形態にかかる冷蔵庫の冷蔵室内における空気の流れを示す模式図である。
図7】比較例の冷蔵庫の冷蔵室内における空気の流れを示す模式図である。
図8】一実施形態の冷蔵庫に備えられているイオン発生器の内部構成を示す模式図である。
図9】一実施形態の冷蔵庫に備えられているイオン発生器の内部構成を示す模式図である。
図10】第3の実施形態にかかる冷蔵庫の冷蔵室内の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
<第1の実施形態>
(冷蔵庫の全体構成)
先ず、第1の実施形態にかかる冷蔵庫1の全体構成を説明する。図1には、冷蔵庫1の外観構成を示す。図2には、冷蔵庫1の内部構成を示す。図2は、冷蔵庫1の縦断面図である。
【0013】
冷蔵庫1は、ペルチェ素子を用いて庫内の冷却を行う冷蔵庫である。冷蔵庫1の外形は、主として、断熱容器50と、扉11と、背面カバー54と、ドレンパン55とで形成されている。断熱容器50は、主として、外箱51と、内箱52と、断熱材53とを備えている。
【0014】
本実施形態では、扉11が設けられている面を冷蔵庫の正面または前面と呼ぶ。そして、前面を基準にして、冷蔵庫1を通常の状態で設置した場合に存在する位置に基づいて、冷蔵庫1の各面を、上面、側面、背面、及び底面とする。また、冷蔵庫1を設置面に載置した状態で、冷蔵庫1の上下の方向のことを、冷蔵庫1(または、断熱容器50など)の上下方向という。また、冷蔵庫1を設置面に載置した状態で、冷蔵庫1を正面から見て前後の方向のことを、冷蔵庫1(または、断熱容器50など)の前後方向という。
【0015】
外箱51は、例えば、鋼板などの金属材料で形成されている。内箱52は、例えば、プラスチックなどの樹脂材料で形成されている。外箱51と内箱52との間の空間には、断熱材53が設けられている。断熱材53は、例えば、発泡ウレタンフォームで形成されている。
【0016】
断熱容器50の内部には、冷蔵室10が設けられている。扉11は、冷蔵室10の前面を覆うように設けられている。冷蔵室10の内壁は、主に内箱52で形成されている。冷蔵室10の各面を、上面10a、左側面10b、右側面10c、背面10d、および下面10eとする。
【0017】
冷蔵室10内には、庫内を上下に仕切る棚板12が設けられている。一例では、棚板12は、冷蔵室10の上下方向の略中央部に配置されている。冷蔵室10の背面には、冷却板13が設けられている。冷却板13は、例えば、熱伝導性がよく腐食に強いアルミ系金属板で形成されている。冷却板13の背面側には、冷却部30が配置されている。
【0018】
冷蔵室10の上面10aには、イオン発生器40が設けられている。イオン発生器40は、正(+)イオン(例えば、H(HO)(mは任意の自然数))および負(-)イオン(例えば、O (HO)(nは任意の自然数))の少なくとも何れかを発生する。イオン発生器40から発生したイオンは、イオン風として冷蔵室10内へ送出される。冷蔵室10内にイオン発生器40が備えられていることで、冷蔵室10内の消臭および除菌などを行うことができる。
【0019】
背面カバー54は、断熱容器50の背面を覆うように断熱容器50に対して取り付けられている。背面カバー54の内部は、機械室56となっている。機械室56内には、ペルチェ素子31などを含む冷却部30、および電装ユニット(図示せず)などが設けられている。
【0020】
断熱容器50の底部には、ドレンパン55が設けられている。ドレンパン55には、冷蔵室10で結露した水などの液体が溜まる。
【0021】
冷却部30は、主として、ペルチェ素子31、ヒートシンク34などを備えている。ペルチェ素子31は、例えば、略直方体形状を有している。ペルチェ素子31の一方の面(具体的には、前面)は、利用側熱交換面部32となっており、他方の面(具体的には、背面)は、熱源側熱交換面部33となっている。
【0022】
ペルチェ素子31に、所定の方向の電流が印加されると、一方の面で吸熱が起こり、他方の面で発熱が起こる。本実施形態では、前面側の利用側熱交換面部32で吸熱が起こり、表面の温度が低下する。そして、背面側の熱源側熱交換面部33で発熱が起こり、表面の温度が上昇する。
【0023】
利用側熱交換面部32は、冷蔵室10の背面壁を形成している冷却板13と接触している。これにより、利用側熱交換面部32で生じる冷熱が、冷却板13に伝達される。そして、冷却板13に伝わった冷熱によって、冷蔵室10内が冷やされる。
【0024】
熱源側熱交換面部33の背面側にはヒートシンク34が設けられている。ヒートシンク34は、熱源側熱交換面部33と接触するように配置されている。これにより、熱源側熱交換面部33で発生した熱を効率的に放出することができる。
【0025】
(冷蔵室内の構成)
続いて、冷蔵室10内の構成について説明する。図3は、冷蔵室10内の構成を示す正面図である。図4は、冷蔵室10内の構成を示す斜視図である。
【0026】
冷蔵室10内には、庫内を上下に仕切る棚板12が設けられている。図4などに示すように、棚板12には、正面から見て右側に、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部12aが設けられている。また、棚板12には、正面から見て左側に、前方側から後方側へ切り欠かれている第2切り欠き部(開口部)12bが設けられている。
【0027】
第2切り欠き部12bの切り欠き面積(開口面積)は、切り欠き部12aの切り欠き面積よりも小さくなっている。また、第2切り欠き部12bは、切り欠き部12aよりも前方側に配置されている。
【0028】
なお、切り欠き部12aおよび第2切り欠き部12bの配置位置は、左右逆になっていてもよい。また、第2切り欠き部12bは、切り欠き形状ではなく、開口部であってもよい。
【0029】
冷蔵室10内の左右何れかの端部に切り欠き面積のより大きな切り欠き部12aが設けられていることで、冷蔵室10内の容積が小さい場合であっても、背の高い収容物80(例えば、1リットルの牛乳パック、2リットルのペットボトルなど)を配置することができる。
【0030】
そして、棚板12の左右何れか一方に開口面積のより大きな切り欠き部12aを設け、かつ、他方の前方側に開口面積のより小さな第2切り欠き部12bを設けることで、冷蔵室10内で上面側から見て斜め方向の気流を発生させることができる。これにより、冷蔵室内の側方の端部の方にまで冷気を循環させやすくすることができる。
【0031】
冷蔵室10の上面10aには、イオン発生器40が設けられている。イオン発生器40は、冷蔵室10の上面10aの一部を抉るようにして形成されている凹部16内に配置されている。
【0032】
本実施形態では、イオン発生器40は、冷蔵室10内の右側寄りの位置に配置されている。言い換えると、イオン発生器40は、切り欠き部12aが形成されている側の冷蔵室10の上面10aに配置されている。
【0033】
このように、切り欠き部12aの上方にイオン発生器40が設けられていることで、切り欠き部12aに収まるように配置された背の高い収容物80の上方に、多くのイオンを供給することができる。例えば、収容物80が開封された牛乳パックである場合には、上方の開封箇所に雑菌が付着している可能性がある。このような場合に、牛乳パックの開封箇所にイオン発生器40からのイオンが効率的に供給されるため、雑菌の増殖を抑制することができる。
【0034】
また、イオン発生器40が、左右方向の中央部ではなく、左右何れかに片寄った位置に配置されていることで、2つの切り欠き部12aおよび12bによって冷蔵室10内に生じ得る斜め方向の冷気の流れに、イオン風X(図3など参照)を効率よく合流させることができる。
【0035】
図5には、図2に示す冷蔵庫1のA-A線部分の断面構成を示す。図5に示すように、イオン発生器40は、冷蔵室10内の前方側に配置されている。そして、棚板12の切り欠き部12aの上方へ向けで側方方向に(具体的には、右側面10cへ向けて)イオンを放出する。
【0036】
図6には、冷蔵室10内における空気の流れを模式的に示す。図7には、比較対象として、切り欠き部を有していない棚板912を備える冷蔵室910内の空気の流れを模式的に示す。図6および図7では、自然対流の流れを破線の矢印で示す。また、図6および図7では、イオン発生器40からのイオンを含むイオン風を矢印Xで示す。
【0037】
冷蔵室10および冷蔵室910内で発生する自然対流の多くは、冷却板13で冷却された温度のより低い空気が下方へ移動することを起点として発生すると考えられる。
【0038】
切り欠き部が設けられていない比較例の冷蔵室910内では、棚板12によって自然対流が遮断され、棚板12の上方領域および下方領域のそれぞれにおいて、後方側で下降気流が生じる。このように、冷蔵室910内では、棚板12によって上方領域と下方領域とで別々の対流が生じるため、対流が小さい傾向にある。
【0039】
イオン発生器40は、冷蔵室910の前方側で右側面10cへ向けてイオンを放出する。しかし、冷蔵室910内のイオンが放出された領域では、自然対流が弱い。また、冷蔵室10のより前方側(間口部付近)では、上昇気流が生じているため、下へ流れるイオン風がさらに弱められる可能性がある。そのため、冷蔵室10内では、イオン流が弱く、イオンの拡散や空気の流れが弱い傾向にある。
【0040】
これに対して、冷蔵室10では、図6に示すように、切り欠き部12aを通じて、右上後方から前側中央への斜め方向の気流が形成される。さらに、下降した気流は庫内で温められて、棚板12の左側に設けられている第2切り欠き部12bから上方へと流れる。そして、イオン発生器40からのイオン風Xの流れは、自然対流の流れ方向と一致するため、イオンの拡散や空気の流れが促進される。
【0041】
以上のように、本実施形態にかかる冷蔵庫1によれば、冷蔵室10内で斜め方向の気流を発生させることができる。これにより、冷蔵室内の端部の方にまで冷気およびイオンを供給することができる。
【0042】
(イオン発生器の構成)
続いて、イオン発生器40のより詳細な構成について説明する。図8および図9には、冷蔵庫1に備えられているイオン発生器40の内部構成を示す。図8は、図3に示す断熱容器50のB-B線部分の断面模式図である。図9は、図4に示す断熱容器50のC-C線部分の断面模式図である。
【0043】
上述したように、イオン発生器40は、冷蔵室10の上面10aに設けられている凹部16内に配置されている。イオン発生器40の一側面には、イオン発生電極41が設けられている。イオン発生電極41は、プラス電極とマイナス電極とで構成され、それぞれが前方へ向かって突出するように設けられている。本実施形態では、イオン発生電極41は、冷蔵室10の右側面10cの方へ向かって突出している。
【0044】
イオン発生器40の本体部は、収容ケース45内に収容されている。収容ケース45の外形は、凹部16の形状と略同じ形状および寸法となっており、凹部16内に、ほぼ隙間のない状態で収容ケース45が収容されている。
【0045】
収容ケース45の下面には、複数の空気の吹き出し口45aと、複数の空気の吸い込み口45bが設けられている。
【0046】
吹き出し口45aは、収容ケース45内に収められているイオン発生器40のイオン発生電極(イオン発生部)41が配置されている側に設けられている。本実施形態では、吹き出し口45aは、冷蔵室10の右側面10c側に位置している。
【0047】
吸い込み口45bは、イオン発生器40のイオン発生電極41が配置されている側とは反対側に設けられている。本実施形態では、吸い込み口45bは、冷蔵室10の中央側に位置している。
【0048】
また、収容ケース45内には、イオン発生器40の周囲に空間Sが設けられている。このような空間が設けられていることで、イオン発生器40の周囲に、図9の破線矢印で示すような吸い込み口45bから吹き出し口45aへの空気の流れを形成することができる。
【0049】
なお、イオン発生器40の後方側(イオン発生電極41とは反対側)に空間Sが設けられていることで、イオン発生器41内部への空気の吸い込み(図3および図4の矢印Y参照)を促進させることができる。これにより、より強いイオン風Xを形成することができる。
【0050】
(第1の実施形態のまとめ)
以上のように、本実施形態にかかるペルチェ式の冷蔵庫1は、冷蔵室10と、ペルチェ素子31を含む冷却部30と、冷蔵室10の背面に配置され、冷却部30と接触するよう設けられている冷却板13と、冷蔵室10内を上下に仕切る棚板12とを備えている。棚板12は、冷蔵室10の左右方向の何れか一方の側(具体的には、右側)に配置され、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部12aと、切り欠き部12aとは左右方向の反対側(具体的には、左側)であって、切り欠き部12aよりも前方側に設けられている開口部12bとを有している。開口部12bの開口面積は、切り欠き部12aの切り欠き面積よりも小さくなっている。
【0051】
上記のように、棚板12の左右何れか一方により開口面積のより大きな切り欠き部12aを設け、かつ、他方の前方側に開口面積のより小さな第2切り欠き部12bを設けることで、冷蔵室10内で斜め方向の気流を発生させることができる。これにより、冷蔵室内の端部の方にまで冷気を循環させやすくすることのできるペルチェ式の冷蔵庫1が得られる。
【0052】
冷蔵庫1には、切り欠き部12aが配置されている側の冷蔵室10の上面10aに、冷蔵室内にイオンを放出するイオン発生器40が配置されている。イオン発生器40は、冷蔵室の左右何れかの端部(具体的には、右側面10c)の方へイオンを放出するように構成されている。
【0053】
このような構成によれば、2つの切り欠き部12aおよび12bによって冷蔵室10内に生じ得る斜め方向の冷気の流れに、イオン発生器40からのイオンを含む風(イオン風X)を効率よく合流させることができる。これにより、冷蔵室内の端部の方にまで冷気およびイオンを供給することができる。
【0054】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、冷蔵室10内の上面10aの右側に片寄った位置にイオン発生器40が配置されている冷蔵庫1を例に挙げて説明した。しかし、イオン発生器40の配置位置はこれに限定はされない。
【0055】
第2の実施形態にかかる冷蔵庫1では、冷蔵室10内の上面10aの中央部にイオン発生器40が配置されている。なお、イオン発生器40に設けられているイオン発生電極41は、第1の実施形態と同様に、冷蔵室10の左右何れかの側面へ向かって突出していてもよいし、冷蔵室10の前方へ向かって突出していてもよい。より好ましくは、イオン発生電極41は、棚板12の切り欠き部12aが設けられている領域へ向かって突出している。
【0056】
これにより、切り欠き部12aに配置された収容物80の周囲にイオンを放出して、収容物80に付着してる雑菌の増殖を抑制することができる。
【0057】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。図10には、第3の実施形態にかかる冷蔵庫101の冷蔵室10内の構成を示す。第3の実施形態にかかる冷蔵庫101は、イオン発生器を備えていない。この点が、第1の実施形態とは異なる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。そこで、第3の実施形態では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0058】
冷蔵庫101は、冷蔵室10内に棚板12を備えている。第1の実施形態と同様に、棚板12には、棚板12には、正面から見て右側に、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部12aが設けられている。また、棚板12には、正面から見て左側に、前方側から後方側へ切り欠かれている第2切り欠き部(開口部)12bが設けられている。
【0059】
第2切り欠き部12bの切り欠き面積(開口面積)は、切り欠き部12aの切り欠き面積よりも小さくなっている。また、第2切り欠き部12bは、切り欠き部12aよりも前方側に配置されている。
【0060】
上記の構成によれば、冷蔵室10内で斜め方向の気流を発生させることができる。これにより、冷蔵室内の端部の方にまで冷気を循環させやすくすることができる。
【0061】
(まとめ)
本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1、101)は、冷蔵室(例えば、冷蔵室10)と、ペルチェ素子(例えば、ペルチェ素子31)を含み、前記冷蔵室の背面側に設けられている冷却部(例えば、冷却部30)と、前記冷蔵室の背面に配置され、前記冷却部と接触するよう設けられている冷却板(例えば、冷却板13)と、前記冷蔵室内を上下に仕切る棚板(例えば、棚板12)とを備えている。前記棚板は、前記冷蔵室の左右方向の何れか一方の側に配置され、前方側から後方側へ切り欠かれている切り欠き部(例えば、切り欠き部12a)と、前記切り欠き部とは前記左右方向の反対側であって、前記切り欠き部よりも前方側に設けられている開口部(例えば、第2切り欠き部12b)とを有し、前記開口部の開口面積は、前記切り欠き部の切り欠き面積よりも小さくなっている。
【0062】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記冷蔵室(例えば、冷蔵室10)内における、前記切り欠き部(例えば、切り欠き部12a)が配置されている側の上面(例えば、上面10a)には、前記冷蔵室内にイオンを放出するイオン発生器(例えば、イオン発生器40)が配置されていてもよい。
【0063】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記イオン発生器(例えば、イオン発生器40)は、前記冷蔵室(例えば、冷蔵室10)の上面部(例えば、上面10a)に設けられている凹部(例えば、凹部16)内に配置されており、前記イオン発生器には、前記切り欠き部(例えば、切り欠き部12a)が設けられている側の左右方向の端部にイオン発生部(例えば、イオン発生電極41)が設けられており、前記凹部内において、前記イオン発生器の周囲には空間(例えば、空間S)が設けられていてもよい。
【0064】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記イオン発生器(例えば、イオン発生器40)は、前記冷蔵室(例えば、冷蔵室10)内の前方側の上面(例えば、上面10a)に配置されていてもよい。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 :冷蔵庫
10 :冷蔵室
10a :冷蔵室の上面
10b :冷蔵室の左側面
10c :冷蔵室の右側面
10d :冷蔵室の背面
11 :扉
12 :棚板
12a :切り欠き部
12b :第2切り欠き部(開口部)
13 :冷却板
16 :凹部
30 :冷却部
31 :ペルチェ素子
40 :イオン発生器
41 :イオン発生電極(イオン発生部)
45 :収容ケース
50 :断熱容器
51 :外箱
52 :内箱
53 :断熱材
54 :背面カバー
80 :収容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10