(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182158
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20231219BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
H02M3/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095603
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩道
【テーマコード(参考)】
3L051
5H730
【Fターム(参考)】
3L051BJ10
5H730AA13
5H730AS01
5H730BB21
5H730CC01
5H730DD02
5H730EE01
5H730EE07
5H730EE73
5H730ZZ01
5H730ZZ04
5H730ZZ11
5H730ZZ12
(57)【要約】
【課題】整流回路が見込み交換されることのない回路のメンテナンス性に優れた空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室内機10は、整流回路34と、スイッチング電源回路37と、第1基板31と、第2基板32とを備える。整流回路34は、交流電圧を整流して、整流電圧を出力する。スイッチング電源回路37は、整流電圧に基づく直流電源電圧を負荷に供給する。第1基板31には、整流回路34が配置される。第2基板32は、第1基板31とは異なる基板である。第2基板32には、スイッチング電源回路37が配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を整流して、整流電圧を出力する整流回路と、
前記整流電圧に基づく直流電源電圧を負荷に供給する電源回路と、
前記整流回路が配置される第1基板と、
前記第1基板とは異なる基板であって、前記電源回路が配置される第2基板と
を備える、空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記第1基板を収容する第1収容部と、
前記第1収容部とは異なる収容部であって、前記第2基板を収容する第2収容部と
をさらに備える、請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記第2収容部は、室内機本体の前面側に配置される、請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記負荷を制御する制御回路と、
前記第1基板及び前記第2基板とは異なる基板であって、前記制御回路が配置される第3基板と
をさらに備える、請求項3に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記第2収容部は前記第3基板を収容する、請求項4に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記第2基板と、前記第3基板とが水平方向に並列に配置される、請求項5に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記第1収容部は前記室内機本体の水平方向の一方側に配置され、前記第2基板は前記第3基板よりも前記第1収容部に近い側に配置される、請求項6に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
前記制御回路と異なる位置に配置され、前記電源回路を覆う電磁シールドをさらに備える、請求項5に記載の空気調和機の室内機。
【請求項9】
交流電圧を整流して、整流電圧を出力する整流回路と、
前記整流電圧に基づく直流電源電圧を負荷に供給する電源回路と、
前記負荷を制御する制御回路と
を備え、
室内機本体における前記交流電圧の入力側から、前記整流回路、前記電源回路、及び、前記制御回路の順で配置される、空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、電源回路基板を収納する電装部固定部分と、制御回路基板を収納する電装部可動部分と、を備える空気調和機の室内機が開示されている。特許文献1の空気調和機の室内機では、電源回路基板を具備する電装部固定部分と、制御回路基板を具備する電装部可動部分と、が分離して設置されている。特許文献1の空気調和機の室内機では、電装部固定部分と、電装部可動部分とを分離することで、筐体を大きくすることなく、電装部可動部分を大きくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の空気調和機の室内機では、交流電圧を整流して、整流電圧を出力する整流回路と、整流電圧に基づく直流電源電圧を負荷に供給する電源回路と、が同一の基板に配置されている。そのため、従来の空気調和機の室内機では、比較的壊れ難く故障の判別が容易な整流回路と、比較的壊れ易い電源回路と、が同一の基板に配置されている。それゆえに、電源回路のみが壊れている場合であっても、壊れていない整流回路が電源回路と一緒に見込み交換されることとなり、整流回路及び電源回路のメンテナンス性が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、整流回路が見込み交換されることのない回路のメンテナンス性に優れた空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、空気調和機の室内機は、整流回路と、電源回路と、第1基板と、第2基板とを備える。整流回路は、交流電圧を整流して、整流電圧を出力する。電源回路は、整流電圧に基づく直流電源電圧を負荷に供給する。第1基板には、整流回路が配置される。第2基板は、第1基板とは異なる基板である。第2基板には、電源回路が配置される。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明によると、整流回路が見込み交換されることなく、整流回路及び電源回路のメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態における空気調和機の室内機の斜視図である。
【
図2】実施形態における空気調和機の室内機の内部構成を示す断面図である。
【
図3】実施形態における空気調和機の室内機の回路構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態における空気調和機の室内機の第1電装ボックス及び第2電装ボックスの取付構造を示す分解斜視図である。
【
図5】実施形態における空気調和機の室内機の第1電装ボックス及び第2電装ボックスの電装ボックスベースの取付構造を示す斜視図である。
【
図6】実施形態における空気調和機の室内機の各基板の配置を示す正面図である。
【
図7】別実施形態における空気調和機の室内機の各基板の配置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態における空気調和機の室内機について、図面を参照して説明する。
【0010】
まず、実施形態における空気調和機の室内機10について説明する。
図1は、実施形態における空気調和機の室内機10の斜視図である。
図2は、実施形態における空気調和機の室内機10の内部構成を示す断面図である。
図3は、実施形態における空気調和機の室内機10の回路構成を示すブロック図である。
【0011】
図1、
図2及び
図3に示すように、空気調和機の室内機10は、本体11(「室内機本体」の一例)と、送風機12と、熱交換器13と、電装ユニット30と、を主に備える。
【0012】
本体11は、送風機12と、熱交換器13と、電装ユニット30と、を収容する。本体11は、オープンカバー14と、底面カバー15と、背面カバー16と、第1サイドカバー17と、第2サイドカバー18と、を有する。
【0013】
オープンカバー14は、室内機10の前方側に位置する。オープンカバー14は、室内機10の前面側において開閉する。底面カバー15は、室内機10の下方側に位置する。背面カバー16は、室内機10の後方側に位置する。第1サイドカバー17は、室内機10の左右方向の一方側(室内機10に向かって右側)に位置する。第1サイドカバー17は、本体11に対して着脱可能に構成されている。第2サイドカバー18は、室内機10の左右方向の他方側(室内機10に向かって左側)に位置する。第2サイドカバー18は、本体11に対して着脱可能に構成されている。
【0014】
本体11は、吸込口19と、吹出口20と、を有する。吸込口19は、室内機10の上面側において、背面カバー16からオープンカバー14に向けて延びるように開口して設けられている。吸込口19では、室内の空気が室内機10内に吸い込まれる。吹出口20は、室内機10の下面側(底面カバー15)に設けられている。吹出口20では、送風機12によって吐き出された空気が室内機10外へ吹き出される。吸込口19と熱交換器13との間には、フィルター21が着脱可能に配置されている。
【0015】
フィルター21は、吸込口19から吸い込まれた室内の空気に含まれる塵埃を除去する。フィルター21は、室内機10の前面側から後面側に向けて延設されるフィルターガイドフレーム22によって保持される。室内機10の前面側下部には、フィルター21から除去された塵埃を収容するダストボックス24が設けられている。ダストボックス24は、上面が開放された箱状に形成される。ダストボックス24は、フィルターガイドフレーム22の前側の下部に設けられる。
【0016】
次に、空気調和機の室内機10の電装ユニット30について説明する。
図4は、実施形態における空気調和機の室内機10の第1電装ボックス43及び第2電装ボックス50の取付構造を示す分解斜視図である。
図5は、実施形態における空気調和機の室内機10の第1電装ボックス43及び第2電装ボックス50の電装ボックスベース51の取付構造を示す斜視図である。
図6は、実施形態における空気調和機の室内機10の各基板の配置を示す正面図である。
【0017】
電装ユニット30は、送風機12、熱交換器13等の運転を制御する。
図3に示すように、電装ユニット30は、AC(Alternating Current)電源36からの交流電圧を整流及び平滑化して直流電源電圧に変換する。そして、電装ユニット30は、直流電源電圧をチョッピング(切り分け)して交流電圧を生成する。さらに、電装ユニット30は、生成した交流電圧を整流及び平滑化して直流電源電圧を生成し、降圧された直流電源電圧をリレー、モーター等の第1負荷41a、第2負荷41b及び第3負荷41cに供給する。
【0018】
電装ユニット30は、整流回路34と、平滑回路35と、スイッチング電源回路37(「電源回路」の一例)と、第1負荷制御回路42a(「制御回路」の一例)と、第2負荷制御回路42b(「制御回路」の一例)と、第3負荷制御回路42c(「制御回路」の一例)と、を備える。
【0019】
整流回路34は、AC電源36からの交流電圧を整流して、整流電圧を出力する回路である。整流回路34は、4つのダイオード(不図示)をブリッジ状に接続してなる全波整流回路、又は1つのダイオード(不図示)からなる半波整流回路である。
【0020】
平滑回路35は、整流回路34において整流された整流電圧を平滑する回路である。平滑回路35は、コンデンサー(不図示)を含む。平滑回路35では、整流回路34において整流された整流電圧をコンデンサーによって平滑し、直流電源電圧を出力する。
【0021】
スイッチング電源回路37は、整流電圧に基づく直流電源電圧を第1負荷41a、第2負荷41b及び第3負荷41cに供給する回路である。詳しくは、スイッチング電源回路37は、平滑回路35において平滑された高電圧の直流電源電圧をチョッピング(切り分け)して交流電圧を生成する。さらに、スイッチング電源回路37は、生成した交流電圧を整流及び平滑化して直流電源電圧を生成し、低電圧の直流電源電圧として二次側の第1負荷41a、第2負荷41b及び第3負荷41cに出力する。ここで、二次側とは、スイッチング電源回路37のトランス回路38におけるトランス38aを境とした下流側をいう。なお、一次側とは、スイッチング電源回路37のトランス回路38におけるトランス38aを境とした上流側をいう。
【0022】
具体的には、スイッチング電源回路37は、トランス回路38と、スイッチングIC(Integrated Circuit)40等の回路素子とを有する。
【0023】
トランス回路38は、高周波トランス等のトランス38aと、第1負荷電源回路39aと、第2負荷電源回路39bと、第3負荷電源回路39cとを含む。
【0024】
トランス38aは、スイッチングIC40にて生成された交流電圧を、第1負荷電源回路39a、第2負荷電源回路39b、及び第3負荷電源回路39cに出力する。第1負荷電源回路39a、第2負荷電源回路39b、及び第3負荷電源回路39cは、トランス38aからの交流電圧に基づいて、互いに異なるレベルの直流電源電圧を生成する。
【0025】
具体的には、第1負荷電源回路39aは、整流ダイオード等の整流回路(不図示)と、コンデンサー等の平滑回路(不図示)とを含む。第1負荷電源回路39aでは、整流回路(不図示)が、トランス38aから出力された交流電圧を整流する。平滑回路(不図示)が、整流回路(不図示)において整流された整流電圧を平滑して、低電圧の直流電源電圧を生成する。平滑回路(不図示)において生成された直流電源電圧は、第1負荷制御回路42aを介して第1負荷41aに供給される。
【0026】
第2負荷電源回路39bは、第1負荷電源回路39aと同様にして、低電圧の直流電源電圧を生成し、低電圧の直流電源電圧を、第2負荷制御回路42bを介して第2負荷41bに供給する。また、第3負荷電源回路39cは、第1負荷電源回路39aと同様にして、低電圧の直流電源電圧を生成し、低電圧の直流電源電圧を、第3負荷制御回路42cを介して第3負荷41cに供給する。
【0027】
スイッチングIC40は、トランジスター等のスイッチング素子を含む。スイッチングIC40は、スイッチング素子をON/OFFすることで、平滑回路35において平滑された高電圧の直流電源電圧をチョッピング(切り分け)して、交流電圧を生成する。
【0028】
第1負荷制御回路42aは、第1負荷41aを制御する回路である。第1負荷制御回路42aは、第1負荷電源回路39aに接続されるとともに、第1負荷41aに接続される。第2負荷制御回路42bは、第2負荷41bを制御する回路である。第2負荷制御回路42bは、第2負荷電源回路39bに接続されるとともに、第2負荷41bに接続される。第3負荷制御回路42cは、第3負荷41cを制御する回路である。第3負荷制御回路42cは、第3負荷電源回路39cに接続されるとともに、第3負荷41cに接続される。
【0029】
電装ユニット30は、第1基板31と、第2基板32と、第3基板33と、を備える。
【0030】
第1基板31には、整流回路34と、平滑回路35と、が配置される。すなわち、第1基板31には、交流電圧を整流及び平滑して直流電源電圧に変換するまでの回路が配置される。
【0031】
第2基板32は、第1基板31とは異なる基板である。第2基板32には、スイッチング電源回路37が配置される。すなわち、整流回路34と、スイッチング電源回路37と、が異なる基板(第1基板31及び第2基板32)に配置される。第2基板32には、高電圧の直流電源電圧を低電圧の直流電源電圧に変換する回路、及び変換された直流電源電圧を下流側の負荷(第1負荷41a、第2負荷41b、第3負荷41c)に供給する回路が配置される。
【0032】
このように、整流回路34と、スイッチング電源回路37と、が異なる基板(第1基板31及び第2基板32)に配置されることで、スイッチング電源回路37が壊れた場合であっても、スイッチング電源回路37が配置されている第2基板32のみを交換すれば良いため(第1基板31及び第2基板32を一括して交換する必要がないため)、整流回路34が見込み交換されることがない。そのため、整流回路34及びスイッチング電源回路37のメンテナンス性を向上させることができる。また、第1基板31の交換コストを下げることができる。
【0033】
第3基板33は、第1基板31及び第2基板32とは異なる基板である。第3基板33には、第1負荷41aと、第2負荷41bと、第3負荷41cと、第1負荷制御回路42aと、第2負荷制御回路42bと、第3負荷制御回路42cと、が配置される。すなわち、整流回路34と、スイッチング電源回路37と、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cと、が異なる基板(第1基板31、第2基板32及び第3基板33)に配置される。
【0034】
このように、スイッチング電源回路37と、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cと、が異なる基板(第2基板32及び第3基板33)に配置されることで、高電圧回路であるスイッチング電源回路37と、低電圧回路である第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cとの間でのトラッキングを防止することができる。また、高電圧回路であるスイッチング電源回路37のパターンを、低電圧回路である第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cから距離を取って形成する必要がない。同様に、低電圧回路である第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cのパターンを、高電圧回路であるスイッチング電源回路37から距離を取って形成する必要がない。さらに、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cを容易に交換することができる。
【0035】
図4及び
図5に示すように、電装ユニット30は、第1電装ボックス43(「第1収容部」の一例)と、第2電装ボックス50(「第2収容部」の一例)と、を備える。第1電装ボックス43は、整流回路34を収容する。具体的には、第1電装ボックス43は、整流回路34が配置される第1基板31を収容する。第1電装ボックス43は、第1基板31を収容可能な金属製の箱体である。第1電装ボックス43は、ベース44と、蓋45と、を有する。第1電装ボックス43では、ベース44に第1基板31を載置した状態でベース44に蓋45を被せることで、第1基板31全体に電磁シールドが形成される。このように、第1基板31を第1電装ボックス43に収容することで、整流回路34に対して電磁シールドが形成される。第1電装ボックス43は、ボックス支持部46の上端側に配置される。ボックス支持部46は、本体11における室内機10の左右方向(水平方向)の一方側(室内機10に向かって右側)に設けられている。具体的には、ボックス支持部46は、室内機10の左右方向の一方側に位置するフィルターガイドフレーム22の側方に設けられる。ボックス支持部46は、第1サイドカバー17によって覆われている。ボックス支持部46は、第1電装ボックス43を載置可能な平板状の部材によって構成される。ボックス支持部46は、平板状の部材を傾斜させて配置される。
【0036】
ボックス支持部46には、第1電装ボックス43より下方に端子ボックス47が固定されている。端子ボックス47は、箱状の部材によって構成されている。端子ボックス47には、AC電源36(
図3参照)に接続されるコンセントケーブル(不図示)が接続される端子(不図示)と、第1基板31に接続されるライン(不図示)が接続される端子(不図示)等が収容される。
【0037】
第2電装ボックス50は、第1電装ボックス43とは異なる収容部である。第2電装ボックス50は、スイッチング電源回路37を収容する。具体的には、第2電装ボックス50は、スイッチング電源回路37が配置される第2基板32と、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cが配置される第3基板33と、を収容する。第2電装ボックス50は、本体11の前面側に配置される。具体的には、第2電装ボックス50は、本体11に配置されるフィルター21の前端側の位置に配置される。第2電装ボックス50は、フィルターガイドフレーム22の前側であって、ダストボックス24の上方に固定される。第2電装ボックス50は、オープンカバー14によって覆われている。第2電装ボックス50は、オープンカバー14を本体11に対して開くことで、室内機10の前面側から視認可能となる。第2電装ボックス50は、電装ボックスベース51と、電装ボックスカバー52と、を含む。
【0038】
電装ボックスベース51は、第2基板32と第3基板33とを保持する部分である。電装ボックスベース51は、第2基板32と第3基板33とを載置可能な長尺状のトレー状部材によって構成されている。電装ボックスベース51は、第1保持部53と、第2保持部54と、を含む。
【0039】
第1保持部53は、第2基板32を載置して保持する部分である。第1保持部53は、電装ボックスベース51の一方側に設けられる。ここで、電装ボックスベース51の一方側とは、第2電装ボックス50を本体11に取り付けた際に、室内機10の左右方向の一方側(室内機10に向かって右側)となる側をいう。第1保持部53は、第2基板32(金属ケース55)を保持可能な矩形状の枠体によって構成されている。
【0040】
第2保持部54は、第3基板33を載置して保持する部分である。第2保持部54は、電装ボックスベース51の他方側に設けられる。すなわち、第2保持部54は、第1保持部53と水平方向に並列に設けられる。つまり、第1保持部53に保持される第2基板32と、第2保持部54に保持される第3基板33とが水平方向に並列に配置される。ここで、電装ボックスベース51の他方側とは、第2電装ボックス50を本体11に取り付けた際に、室内機10の左右方向の他方側(室内機10に向かって左側)となる側をいう。第2保持部54は、第3基板33の角部或いは縁部を保持可能な突起によって構成されている。
【0041】
このように、第1保持部53が電装ボックスベース51の一方側に設けられ、第2保持部54が電装ボックスベース51の他方側に設けられることで、第1保持部53が第2保持部54よりも第1電装ボックス43に近い側(室内機10の水平方向の一方側)に配置されることとなる。すなわち、第1保持部53に保持される第2基板32が、第2保持部54に保持される第3基板33よりも第1電装ボックス43に近い側(室内機10の水平方向の一方側)に配置される。このように第2基板32及び第3基板33が配置されることで、上流側の回路(整流回路34)から下流側の回路(第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42c)への方向、又はその逆の方向にスムーズに動いて作業を行うことができる。
【0042】
電装ボックスカバー52は、電装ボックスベース51を覆う蓋部である。電装ボックスカバー52は、長尺状の平板部材によって構成されている。電装ボックスカバー52は、電装ボックスベース51の前面側に固定される。電装ボックスカバー52は、電装ボックスベース51に固定されることで、第2基板32及び第3基板33を電装ボックスベース51の前面側から覆う。室内機10では、本体11の前面側のオープンカバー14を開き、且つ第2電装ボックス50の電装ボックスカバー52を取り外すことで、電装ボックスベース51内の第2基板32及び第3基板33を確認することができる。
【0043】
このように、スイッチング電源回路37が、整流回路34が収容される第1電装ボックス43とは異なる第2電装ボックス50に収容されることから、スイッチング電源回路37を確認するために、整流回路34が収容される第1電装ボックス43を覆う第1サイドカバー17或いは第1電装ボックス43の蓋45を外す必要がない。すなわち、スイッチング電源回路37を確認するために第2電装ボックス50の電装ボックスカバー52を外した場合であっても、整流回路34を第1電装ボックス43内に収容したままの状態にできる。そのため、整流回路34を第1電装ボックス43によって保護しながらスイッチング電源回路37のメンテナンスを行うことができる。なお、整流回路34の異常はスイッチング電源回路37の入力を確認すれば判別できるため、整流回路34を視認し易い位置(例えば、本体11の前面側)に配置する必要はない。
【0044】
また、本体11の前面側に配置される第2電装ボックス50内に、第2基板32を収容することで、回路のメンテナンス時に比較的優先して確認されるスイッチング電源回路37が、確認し易い本体11の前面側に配置されることとなる。このため、第2基板32(スイッチング電源回路37)を本体11の側面側(例えば、第2サイドカバー18側にあるボックス支持部46)に設けた場合と比べて、第2基板32の着脱作業を容易に行うことができる。それゆえに、スイッチング電源回路37のメンテナンス性を向上させることができる。同様に、第2電装ボックス50内に第3基板33を収容することで、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cが、確認し易い本体11の前面側に配置されることとなる。このため、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cが壊れた場合に、第3基板33のみを容易に着脱することができる。
【0045】
さらに、
図6に示すように、第2電装ボックス50において、第2基板32を第1保持部53に配置し、第3基板33を第2保持部54に配置することで、スイッチング電源回路37と、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cとが、本体11の前面側において、水平方向に並列に配置される。スイッチング電源回路37と、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cとが、水平方向に並列に配置されることで、回路のメンテナンス時に比較的優先して確認されるスイッチング電源回路37並びに第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cが、電流の流れと一致した方向に連続して配置されることとなるため、上流側の回路(スイッチング電源回路37)から下流側の回路(第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42c)への方向、又はその逆の方向にスムーズに動いて作業を行うことができる。そのため、スイッチング電源回路37並びに第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cのメンテナンス性を向上させることができる。
【0046】
さらにまた、第2電装ボックス50において、第2基板32を第1保持部53に配置し、第3基板33を第2保持部54に配置することで、第2基板32と第3基板33とは、離隔している。第2基板32と第3基板33とが、離隔していることから、メンテナンス時に、第2基板32に配置されるスイッチング電源回路37と、第3基板33に配置される第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cと、を迷うことなく見分けることができる。すなわち、メンテナンス時における作業対象の視認性を向上させることができる。また、高電圧回路であるスイッチング電源回路37と、低電圧回路である第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cとの間でのトラッキングを防止することができる。
【0047】
さらにまた、第2基板32は、金属ケース55に収容された状態で第1保持部53に保持される。金属ケース55は、第2基板32を収容可能な金属製の箱体である。金属ケース55は、ベース部(不図示)と、蓋部(不図示)と、を有する。金属ケース55では、ベース部に第2基板32を載置した状態でベース部に蓋部を被せることで、第2基板32全体に電磁シールドが形成される。このように、第2基板32を金属ケース55に収容することで、スイッチング電源回路37に対して電磁シールドが形成される。さらに、第2基板32が収容された金属ケース55を第1保持部53に配置することで、室内機10は、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cと異なる位置に配置され、スイッチング電源回路37を覆う電磁シールドが、第2電装ボックス50内に備えられることとなる。スイッチング電源回路37に対して電磁シールドを形成することで、スイッチング電源回路37の機能を保った状態で他の回路(例えば、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42c)のメンテナンスを行うことができる。そのため、回路のメンテナンス性を向上させることができる。
【0048】
以上のように、本発明の実施形態によると、整流回路34と、スイッチング電源回路37とが、異なる基板(第1基板31及び第2基板32)に配置されていることから、スイッチング電源回路37が壊れた場合であっても、スイッチング電源回路37が配置されている第2基板32のみを交換すれば良いため、整流回路34が見込み交換されることがない。そのため、整流回路34及びスイッチング電源回路37のメンテナンス性を向上させることができる。
【0049】
なお、本発明の実施形態では、
図6に示すように、整流回路34が配置される第1基板31を第1電装ボックス43に収容してボックス支持部46に配置するとともに、スイッチング電源回路37が配置される第2基板32を第2電装ボックス50の第1保持部53に配置しているが、これに限定されるものではなく、
図7に示すように、第1基板31(第1電装ボックス43)及び第2基板32(金属ケース55)を第2電装ボックス50の第1保持部53に配置しても構わない。ここで、
図7は、別実施形態における空気調和機の室内機10Aの各基板の配置を示す正面図である。
【0050】
空気調和機の室内機10Aでは、第1基板31は第1電装ボックス43に収容された状態で第2電装ボックス50の第1保持部53に配置される。また、第2基板32は金属ケース55に収容された状態で第2電装ボックス50の第1保持部53に配置される。これによって、第2電装ボックス50の第1保持部53には、第1基板31が収容された第1電装ボックス43と、第2基板32が収容された金属ケース55と、が水平方向に並列に配置される。このように、第1基板31及び第2基板32を配置することで、各回路が、本体11における端子ボックス47が配置されている側(交流電圧の入力側)から、整流回路34、スイッチング電源回路37、並びに、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cの順で、本体11の前面側において水平方向に並列に配置されることとなる。本体11における交流電圧の入力側から、整流回路34、スイッチング電源回路37、並び、第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42cの順で配置することで、各回路が、電流の流れと一致した方向に連続して配置されることとなるため、一次側の回路(整流回路34)から二次側の回路(第1負荷制御回路42a、第2負荷制御回路42b及び第3負荷制御回路42c)への方向、又はその逆の方向にスムーズに動いて作業を行うことができる。そのため、各回路のメンテナンス性を向上させることができる。ここで、一次側の回路とは、スイッチング電源回路37のトランス回路38におけるトランス38aを境とした高圧側の回路をいう。また、二次側の回路とは、スイッチング電源回路37のトランス回路38におけるトランス38aを境とした低圧側の回路をいう。
【0051】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によると、整流回路及び電源回路のメンテナンス性を向上させることができる。よって、本発明の産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0053】
10 空気調和機の室内機
11 本体(室内機本体)
31 第1基板
32 第2基板
34 整流回路
37 スイッチング電源回路(電源回路)
42a 第1負荷制御回路(制御回路)
42b 第2負荷制御回路(制御回路)
42c 第3負荷制御回路(制御回路)
43 第1電装ボックス(第1収容部)
50 第2電装ボックス(第2収容部)