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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182191
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電子部品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20231219BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20231219BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G01J1/02 S
H01L27/146 A
H01L31/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095663
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 英治
【テーマコード(参考)】
2G065
4M118
5F149
5F849
【Fターム(参考)】
2G065AA03
2G065AB02
2G065AB04
2G065BA07
2G065BA09
2G065BB26
2G065BE08
2G065CA27
4M118AB01
4M118CA02
4M118CA09
4M118FA06
4M118GC07
4M118GC08
4M118GC14
5F149AA01
5F149EA02
5F149JA06
5F149JA13
5F149LA01
5F149LA02
5F149XB02
5F849AA01
5F849EA02
5F849JA06
5F849JA13
5F849LA01
5F849LA02
5F849XB02
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上できる電子部品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品1Aは、第1無機膜21と、第1無機膜21を被覆する第2無機膜22と、第1無機膜21を部分的に露出させるように第2無機膜22に形成され、平面視で波線状に湾曲した壁面31を有する開口30と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無機膜と、
前記第1無機膜を被覆する第2無機膜と、
前記第1無機膜を部分的に露出させるように前記第2無機膜に形成され、平面視で波線状に湾曲した壁面を有する開口と、を含む、電子部品。
【請求項2】
有機膜をさらに含み、
前記第1無機膜は、前記有機膜を直接被覆している、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第1無機膜は、前記有機膜よりも薄い、請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
チップと、
前記チップに形成された機能デバイスと、
前記機能デバイスを被覆する層間絶縁膜と、さらに含み、
前記有機膜は、前記層間絶縁膜を被覆している、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記有機膜は、透明樹脂膜を含み、
前記第1無機膜は、前記透明樹脂膜を被覆している、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記壁面は、平面視において第1方向に延びる第1壁面、および、平面視において前記第1方向に交差する第2方向に延びる第2壁面を含み、
前記第1壁面は、平面視において、前記第2方向の一方側に窪んだ第1リセス部および前記第2方向の他方側に突出した第1突出部を有し、
前記第2壁面は、平面視において、前記第1方向の一方側に窪んだ第2リセス部および前記第1方向の他方側に突出した第2突出部を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1壁面は、前記第1リセス部によって形成された端部を有し、
前記第2壁面は、前記第2リセス部によって形成され、前記第1壁面の前記端部に接続された端部を有している、請求項6に記載の電子部品。
【請求項8】
前記壁面は、平面視において一定の波長を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記壁面は、平面視において一定の波幅を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第2無機膜は、前記第1無機膜よりも厚い、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項11】
前記第2無機膜は、1μm以上15μm以下の厚さを有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項12】
前記第2無機膜は、前記開口の周囲に位置する部分おいて前記開口に向けて膜厚が漸減する膜厚漸減部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項13】
前記第2無機膜は、複数の無機膜を含む積層構造を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項14】
前記第2無機膜は、酸化シリコン膜および酸化チタン膜を含む積層構造を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項15】
前記第2無機膜は、光学フィルタ膜として形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項16】
前記第2無機膜は、前記壁面を区画する部分において前記第1無機膜とは反対側に向けて突出した突起部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項17】
第1無機膜を部分的に被覆するように平面視において波線状に湾曲した側壁を有するレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜の前記側壁の少なくとも一部を露出させるように前記第1無機膜および前記レジスト膜を被覆する第2無機膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を除去することにより、平面視で波線状に湾曲した壁面を有し、前記第1無機膜を部分的に露出させる開口を前記第2無機膜に形成する工程と、を含む、電子部品の製造方法。
【請求項18】
前記レジスト膜の除去工程は、前記レジスト膜をレジスト剥離液に浸漬する工程を含む、請求項17に記載の電子部品の製造方法。
【請求項19】
前記レジスト膜の除去工程は、前記レジスト膜に超音波を付与する工程を含む、請求項17に記載の電子部品の製造方法。
【請求項20】
有機膜の上に前記第1無機膜を形成する工程をさらに含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リフトオフ法によって被パターニング膜をパターニングする工程を含む半導体装置の製造方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-29670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態は、信頼性を向上できる電子部品およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、第1無機膜と、前記第1無機膜を被覆する第2無機膜と、前記第1無機膜を部分的に露出させるように前記第2無機膜に形成され、平面視で波線状に湾曲した壁面を有する開口と、を含む、電子部品を提供する。
【0006】
一実施形態は、第1無機膜を部分的に被覆するように平面視において波線状に湾曲した側壁を有するレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜の前記側壁の少なくとも一部を露出させるように前記第1無機膜および前記レジスト膜を被覆する第2無機膜を形成する工程と、前記レジスト膜を除去することにより、平面視で波線状に湾曲した壁面を有し、前記第1無機膜を部分的に露出させる開口を前記第2無機膜に形成する工程と、を含む、電子部品の製造方法を提供する。
【0007】
上述のまたはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面の参照によって説明される実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る電子部品を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す受光領域を示す拡大平面図である。
図3図3は、図2に示すIII-III線に沿う断面図である。
図4図4は、図2に示す開口を含む領域を示す拡大断面図である。
図5図5は、図3に示す開口の一要部を示す拡大平面図である。
図6A図6Aは、図1に示す電子部品の製造方法の一部を示す断面図である。
図6B図6Bは、図6Aの後の工程を示す断面図である。
図6C図6Cは、図6Bの後の工程を示す断面図である。
図6D図6Dは、図6Cの後の工程を示す断面図である。
図6E図6Eは、図6Dの後の工程を示す断面図である。
図7図7は、図6Cに示すレジスト膜のレイアウトを示す拡大平面図である。
図8図8は、図7に示すレジスト膜の一要部を示す拡大平面図である。
図9図9は、図7に示すレジスト膜を示す拡大断面図である。
図10A図10Aは、開口の形成工程を説明するための拡大平面図である。
図10B図10Bは、開口の形成工程を説明するための拡大平面図である。
図10C図10Cは、開口の形成工程を説明するための拡大平面図である。
図10D図10Dは、開口の形成工程を説明するための拡大平面図である。
図11A図11Aは、開口の形成工程を説明するための拡大断面図である。
図11B図11Bは、開口の形成工程を説明するための拡大断面図である。
図11C図11Cは、開口の形成工程を説明するための拡大断面図である。
図11D図11Dは、開口の形成工程を説明するための拡大断面図である。
図12図12は、参考レジスト膜を示す拡大平面図である。
図13図13は、参考レジスト膜を用いた製造工程を示す拡大断面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る電子部品の一要部を示す断面図である。
図15図15は、図14に示す開口を含む領域を示す拡大断面図である。
図16図16は、図14に示す第2無機膜の形成工程を示す拡大断面図である。
図17図17は、第3実施形態に係る電子部品の一要部を示す拡大平面図である。
図18図18は、図17に示すXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図19図19は、第1変形例に係る開口の一要部を示す拡大平面図である。
図20図20は、第2変形例に係る開口の一要部を示す拡大平面図である。
図21図21は、第3変形例に係る開口の一要部を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施形態が詳細に説明される。添付図面は、模式図であり、厳密に図示されたものではなく、縮尺等は必ずしも一致しない。また、添付図面の間で対応する構造には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略または簡略化される。説明が省略または簡略化された構造については、省略または簡略化される前になされた説明が適用される。
【0010】
比較対象(comparison target)が存する説明において「ほぼ(substantially)等しい」等の文言が使用される場合、この文言は、比較対象の数値(形態)と等しい数値(形態)を含む他、比較対象の数値(形態)を基準とする±10%の範囲の数値誤差(形態誤差)も含む。実施形態では「第1」、「第2」、「第3」等の文言が使用されるが、これらは説明順序を明確にするために各構造の名称に付された記号であり、各構造の名称を限定する趣旨で付されていない。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る電子部品1Aを示す平面図である。図2は、図1に示す受光領域6を示す拡大平面図である。図3は、図2に示すIII-III線に沿う断面図である。図4は、図2に示す開口30を含む領域を示す拡大断面図である。図5は、図3に示す開口30の一要部を示す拡大平面図である。
【0012】
電子部品1Aは、光を検知する照度センサ(半導体受光装置)である。たとえば、照度センサは、テレビ、パソコン、カーナビゲーション、タブレット端末(たとえばスマートフォン等)等のディスプレイ装置の表示明度を制御するために当該ディスプレイ装置のセンサ回路部に組み込まれる。
【0013】
図1図5を参照して、電子部品1Aは、この形態(this embodiment)では、直方体形状に形成されたチップ2を含む。チップ2は、Si単結晶を含むSiチップ(半導体チップ)からなる。むろん、チップ2は、ワイドバンドギャップ半導体の単結晶を含むワイドバンドギャップ半導体チップ(たとえばGaNチップまたはSiCチップ)からなっていてもよい。
【0014】
チップ2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する第1~第4側面5A~5Dを有している。第1主面3および第2主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(具体的には長方形状)に形成されている。むろん、チップ2は、平面視において正方形状に形成されていてもよい。
【0015】
第1側面5Aおよび第2側面5Bは、第1主面3に沿う第1方向Xに延び、第1方向Xに交差(具体的には直交)する第2方向Yに対向している。第1側面5Aおよび第2側面5Bは、チップ2の長辺を形成している。第3側面5Cおよび第4側面5Dは、第2方向Yに延び、第1方向Xに対向している。第3側面5Cおよび第4側面5Dは、チップ2の短辺を形成している。
【0016】
電子部品1Aは、第1主面3に設けられた受光領域6を含む。受光領域6は、平面視において第1主面3の長手方向一方側(第3側面5C側)に設けられている。受光領域6は、外部からの入射光を電流に変換する少なくとも1つ(この形態では複数)の受光デバイス7(機能デバイス)を含む。図3等では、複数の受光デバイス7が破線によって簡略化して示されている。
【0017】
複数の受光デバイス7は、入射光に応じた電流を独立して生成するように互いに電気的に独立してチップ2(第1主面3)に形成されている。複数の受光デバイス7は、第1主面3の表層部や第1主面3上の領域を利用して形成される。複数の受光デバイス7は、フォトダイオードおよびフォトトランジスタのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0018】
複数の受光デバイス7は、この形態では、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて配列されている。この形態では、平面視において16個の受光デバイス7が4行4列の行列状に配列され、1個の受光デバイス7が16個のデバイス群に対して第1主面3の長手方向他方側(第4側面5D側)に配置されている。受光デバイス7のレイアウト(個数、配置箇所、平面積等)は、検知すべき入射光の波長域や入射光の検知精度等に応じて適宜調節される。
【0019】
複数の受光デバイス7は、この形態では、赤色光の第1波長域λ1を検知する少なくとも1つ(この形態では複数)の第1受光デバイス7A、緑色光の第2波長域λ2を検知する少なくとも1つ(この形態では複数)の第2受光デバイス7B、青色光の第3波長域λ3を検知する少なくとも1つ(この形態では複数)の第3受光デバイス7C、および、赤外光の第4波長域λ4を検知する少なくとも1つ(この形態では1つ)の第4受光デバイス7Dを含む。
【0020】
第1受光デバイス7Aは、赤色光に対応した電流を生成する。第2受光デバイス7Bは、緑色光に対応した電流を生成する。第3受光デバイス7Cは、青色光に対応した電流を生成する。第4受光デバイス7Dは、赤外光に対応した電流を生成する。第4受光デバイス7Dで生成された電流は、第1~第3受光デバイス7A~7Cで生成された電流に対するリファレンス電流として使用されてもよい。
【0021】
複数の第1受光デバイス7Aは、第1行および第2行の第1列目および第4列目、ならびに、第3行および第4行の第2列目に配置されている。複数の第2受光デバイス7Bは、第1行および第2行の第2列目、ならびに、第3行および第4行の第3列目に配置されている。複数の第3受光デバイス7Cは、第1行および第2行の第3列目、ならびに、第3行および第4行の第1列目および第4列目に配置されている。
【0022】
第4受光デバイス7Dは、第1~第3受光デバイス7Cを含むデバイス群に対して第1主面3の長手方向他方側(第4側面5D側)に配置され、第1方向Xに当該デバイス群に対向している。第4受光デバイス7Dは、第1~第3受光デバイス7A~7Cの平面積よりも大きい平面積を有している。
【0023】
電子部品1Aは、第1主面3において受光領域6とは異なる領域に設けられた回路領域8を含む。回路領域8は、平面視において受光領域6に対して第1主面3の長手方向他方側(第4側面5D側)に設けられ、第1方向Xに受光領域6に対向している。回路領域8は、ロジック回路を含む。ロジック回路は、各受光デバイス7に電気的に接続され、各受光デバイス7の電流を入射光の成分に応じた出力信号に変換するように構成されている。ロジック回路は、絶縁ゲート型のトランジスタ(たとえばCMOS)等を含む電子回路によって構成されていてもよい。
【0024】
電子部品1Aは、第1主面3を被覆する層間絶縁膜9を含む。層間絶縁膜9は、受光領域6において複数の受光デバイス7を被覆し、回路領域8においてロジック回路を被覆している。層間絶縁膜9は、平坦な絶縁主面を有していることが好ましい。層間絶縁膜9は、チップ2の第1~第4側面5A~5Dに連なる絶縁側壁を有していてもよい。
【0025】
層間絶縁膜9は、この形態では、複数の絶縁膜が積層された積層構造を有している。複数の絶縁膜は、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。層間絶縁膜9は、この形態では、複数の酸化シリコン膜を含む積層構造を有している。層間絶縁膜9の厚さ(総厚さ)は、1μm以上10μm以下であってもよい。層間絶縁膜9の厚さは、4μm以上8μm以下であることが好ましい。
【0026】
電子部品1Aは、層間絶縁膜9内に配置された複数の配線10を含む。複数の配線10は、層間絶縁膜9内において多層配線を形成するように複数のビア電極(図示せず)を介して多段に積層配置されている。複数の配線10は、複数の受光デバイス7への光の入射を助長するように平面視において複数の受光デバイス7の間の領域に引き回されている。
【0027】
つまり、複数の配線10は、平面視において複数の受光デバイス7を露出させている。複数の配線10は、複数の受光デバイス7およびロジック回路に選択的に電気的に接続されている。複数の配線10は、複数の受光デバイス7で生成された電流をロジック回路に伝達する配線10を含む。また、複数の配線10は、外部からの電気信号を複数の受光デバイス7やロジック回路に伝達する配線10を含む。また、複数の配線10は、ロジック回路で生成された出力信号を他の領域に伝達する配線10を含む。
【0028】
電子部品1Aは、層間絶縁膜9内に配置された複数のパッド電極11を含む。複数のパッド電極11は、多層配線構造の最上配線としてそれぞれ形成されている。パッド電極11は、複数の配線10の一構成要素とみなされてもよい。複数のパッド電極11は、この形態では、平面視において受光領域6に対して第1主面3の長手方向一方側(第3側面5C側)に設けられている。
【0029】
複数のパッド電極11は、平面視において第2方向Yに間隔を空けて配列され、第1方向Xに受光領域6を挟んで回路領域8に対向している。複数のパッド電極11は、平面視において多角形状(この形態では四角形状)にそれぞれ形成されている。複数のパッド電極11は、ビア電極(図示せず)を介して層間絶縁膜9内の対応する配線10にそれぞれ電気的に接続されている。
【0030】
各パッド電極11は、ライン状に延びる配線10に接続され、当該ライン状の配線10にビア電極が接続される構成を有していてもよい。複数のパッド電極11は、対応する配線10を介して外部からの電気信号をロジック回路等に伝達し、対応する配線10を介してロジック回路等からの出力信号を外部に伝達する。
【0031】
電子部品1Aは、層間絶縁膜9を被覆する下地無機絶縁膜12を含む。下地無機絶縁膜12は、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。下地無機絶縁膜12は、層間絶縁膜9(具体的には層間絶縁膜9の最上絶縁膜)とは異なる絶縁体からなることが好ましい。下地無機絶縁膜12は、この形態では、窒化シリコン膜からなる単層構造を有している。
【0032】
下地無機絶縁膜12は、層間絶縁膜9の絶縁主面の全面を被覆していることが好ましい。下地無機絶縁膜12は、平坦な絶縁主面を有していることが好ましい。下地無機絶縁膜12は、チップ2の第1~第4側面5A~5Dに連なる絶縁側壁を有していてもよい。下地無機絶縁膜12は、0.1μm以上2μm以下の厚さを有していてもよい。下地無機絶縁膜12の厚さは、0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
【0033】
電子部品1Aは、複数のパッド電極11を露出させる複数のパッド開口13を含む。複数のパッド開口13は、複数のパッド電極11を露出させるように下地無機絶縁膜12および層間絶縁膜9の一部を貫通している。つまり、複数のパッド開口13の壁面は、下地無機絶縁膜12および層間絶縁膜9の一部によってそれぞれ区画されている。複数のパッド開口13は、平面視において多角形状(この形態では四角形状)にそれぞれ形成されている。複数のパッド電極11には複数のパッド開口13を介してボンディングワイヤ等の導線が接続される。
【0034】
電子部品1Aは、下地無機絶縁膜12の上に形成された有機膜14を含む。具体的には、有機膜14は、有機絶縁膜からなる。有機膜14は、この形態では、有色透明の複数のカラーフィルタ膜15(有色の透明樹脂膜)および無色透明のクリアフィルタ膜16(無色の透明樹脂膜)を含む積層構造を有している。
【0035】
複数のカラーフィルタ膜15は、着色料(顔料)を含有する有色透明の樹脂膜によってそれぞれ形成されている。複数のカラーフィルタ膜15は、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリベンゾオキサゾール膜、アクリル膜およびゼラチン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0036】
カラーフィルタ膜15のレイアウト(個数、配置箇所、平面積等)は、検知すべき入射光の波長域や入射光の検知精度等に応じて適宜調節される。複数のカラーフィルタ膜15は、層間絶縁膜9の厚さ方向に複数の受光デバイス7に1対1対応の関係で対向するように、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて配列されている。この形態では、平面視において16個のカラーフィルタ膜15が4行4列の行列状に配列され、1個のカラーフィルタ膜15が16個のフィルタ群に対して第1主面3の長手方向他方側(第4側面5D側)に配置されている。
【0037】
複数のカラーフィルタ膜15は、この形態では、少なくとも1つ(この形態では複数)の第1カラーフィルタ膜15A、少なくとも1つ(この形態では複数)の第2カラーフィルタ膜15B、少なくとも1つ(この形態では複数)の第3カラーフィルタ膜15C、および、少なくとも1つ(この形態では1つ)の第4カラーフィルタ膜15Dを含む。
【0038】
第1カラーフィルタ膜15Aは、赤色の外観を有し、赤色光の第1波長域λ1を透過させ、緑色光の第2波長域λ2および青色光の第3波長域λ3を減衰させる。第2カラーフィルタ膜15Bは、緑色の外観を有し、緑色光の第2波長域λ2を透過させ、第1波長域λ1および第3波長域λ3を減衰させる。
【0039】
第3カラーフィルタ膜15Cは、青色の外観を有し、青色光の第3波長域λ3を透過させ、第1波長域λ1および第2波長域λ2を減衰させる。第4カラーフィルタ膜15Dは、黒色の外観を有し、赤外光の第4波長域λ4を透過させ、第1波長域λ1、第2波長域λ2および第3波長域λ3を減衰させる。
【0040】
複数の第1カラーフィルタ膜15Aは、第1行および第2行の第1列目および第4列目、ならびに、第3行および第4行の第2列目に配置され、層間絶縁膜9の厚さ方向に複数の第1受光デバイス7Aに1対1対応の関係で対向している。複数の第2カラーフィルタ膜15Bは、第1行および第2行の第2列目、ならびに、第3行および第4行の第3列目に配置され、層間絶縁膜9の厚さ方向に複数の第2受光デバイス7Bに1対1対応の関係で対向している。
【0041】
複数の第3カラーフィルタ膜15Cは、第1行および第2行の第3列目、ならびに、第3行および第4行の第1列目および第4列目に配置され、層間絶縁膜9の厚さ方向に複数の第3受光デバイス7Cに1対1対応の関係で対向している。第4カラーフィルタ膜15Dは、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを含むフィルタ群に対して第1主面3の長手方向他方側(第4側面5D側)に配置され、層間絶縁膜9の厚さ方向に第4受光デバイス7Dに1対1対応の関係で対向している。
【0042】
第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cは、平面視において四角形状(この形態では正方形状)にそれぞれ形成されている。むろん、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cは、第1方向Xまたは第2方向Yに延びる長方形状に形成されていてもよい。
【0043】
第1方向Xに関して、第1カラーフィルタ膜15Aは第1サイズS1を有し、第2カラーフィルタ膜15Bは第2サイズS2を有し、第3カラーフィルタ膜15Cは第3サイズS3を有している。第1~第3サイズS1~S3は、互いにほぼ等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0044】
第1~第3サイズS1~S3は、10μm以上200μm以下であってもよい。第1~第3サイズS1~S3は、50μm以上100μm以下であることが好ましい。複数の第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cの間のフィルタ間隔IFは、1μm以上20μm以下であってもよい。フィルタ間隔IFは、5μm以上15μm以下であることが好ましい。
【0045】
第1カラーフィルタ膜15Aは第1厚さT1を有し、第2カラーフィルタ膜15Bは第2厚さT2を有し、第3カラーフィルタ膜15Cは第3厚さT3を有している。第1~第3厚さT1~T3は、互いにほぼ等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。この形態では、第2厚さT2は第1厚さT1未満であり、第3厚さT3は第2厚さT2よりも大きい。第3厚さT3は、第1厚さT1とほぼ等しくてもよい。
【0046】
第1厚さT1は、1μm以上5μm以下であってもよい。第1厚さT1は、1.5μm以上2.5μm以下であることが好ましい。第2厚さT2は、0.1μm以上2μm以下であってもよい。第2厚さT2は、0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。第3厚さT3は、1μm以上5μm以下であってもよい。第3厚さT3は、1.5μm以上2.5μm以下であることが好ましい。
【0047】
第4カラーフィルタ膜15Dは、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに延びる長方形状)に形成され、第1方向Xに第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを含むフィルタ群に対向している。むろん、第4カラーフィルタ膜15Dは、正方形状に形成されていてもよい。第4カラーフィルタ膜15Dは、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを含むフィルタ群から前述のフィルタ間隔IFを空けて配置されている。
【0048】
第4カラーフィルタ膜15Dは、第1方向Xの第4サイズS4および第2方向Yの第5サイズS5を有している。第4サイズS4は、第1~第3サイズS1~S3以上であることが好ましい。第4サイズS4は、第1~第3サイズS1~S3の1倍以上10倍以下であってもよい。第4サイズS4は、第1~第3サイズS1~S3の2倍以上であることが好ましい。第4サイズS4は、50μm以上500μm以下であってもよい。第4サイズS4は、100μm以上300μm以下であることが好ましい。
【0049】
第5サイズS5は、第4サイズS4以上である。第5サイズS5は、第4サイズS4の1倍以上4倍以下であってもよい。むろん、第5サイズS5は、第4サイズS4未満であってもよい。この場合、第5サイズS5は、第4サイズS4の1/2以上であることが好ましい。第4カラーフィルタ膜15Dの平面積は、各パッド開口13の開口面積よりも大きいことが好ましい。第4カラーフィルタ膜15Dの平面積は、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cの平面積よりも大きいことが好ましい。
【0050】
第4カラーフィルタ膜15Dは、第4厚さT4を有している。第4厚さT4は、第1~第3厚さT1~T3以上であってもよいし、第1~第3厚さT1~T3未満であってもよい。この形態では、第4厚さT4は、第1~第3厚さT1~T3よりも大きい。第4厚さT4は、2μm以上10μm以下であってもよい。第4厚さT4は、3μm以上5μm以下であることが好ましい。
【0051】
第4カラーフィルタ膜15Dは、この形態では、下地無機絶縁膜12側からこの順に積層された第3カラーフィルタ膜15Cおよび第1カラーフィルタ膜15Aを含む積層構造を有している。したがって、第4厚さT4は、第1厚さT1および第3厚さT3の合計値である。
【0052】
むろん、第4カラーフィルタ膜15Dは、下地無機絶縁膜12側からこの順に積層された第1カラーフィルタ膜15Aおよび第3カラーフィルタ膜15Cを含む積層構造を有していてもよい。また、第4カラーフィルタ膜15Dは、単一の樹脂膜からなる単層構成を有していてもよい。
【0053】
クリアフィルタ膜16は、着色料(顔料)を含有しない無色透明の樹脂膜によって形成されている。クリアフィルタ膜16は、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリベンゾオキサゾール膜、アクリル膜およびゼラチン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。クリアフィルタ膜16は、下地無機絶縁膜12の上で複数のカラーフィルタ膜15(第1~第4カラーフィルタ膜15A~15D)を一括して被覆している。クリアフィルタ膜16は、複数のパッド開口13を露出させるように下地無機絶縁膜12を被覆している。
【0054】
クリアフィルタ膜16は、この形態では、平面視において受光領域6を被覆し、回路領域8を露出させている。むろん、クリアフィルタ膜16は、平面視において回路領域8を被覆していてもよい。この場合、クリアフィルタ膜16は、チップ2の第1~第4側面5A~5Dに連なる有機側壁を有していてもよい。クリアフィルタ膜16は、第5厚さT5を有している。第5厚さT5は、1μm以上5μm以下であってもよい。第5厚さT5は、2μm以上4μm以下であることが好ましい。
【0055】
有機膜14の有機厚さTO(総厚さ)は、第1~第4厚さT1~T4のいずれか1つと第5厚さT5の合計値となる。この形態では、有機厚さTOは、最も厚い第4厚さT4と第5厚さT5の合計値によって定義される。
【0056】
電子部品1Aは、有機膜14を被覆する第1無機膜21を含む。第1無機膜21は、無色透明の無機絶縁膜からなり、有機膜14の弾性率よりも大きい弾性率を有している。第1無機膜21は、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1無機膜21は、この形態では、酸化シリコン膜からなる単層構造を有している。
【0057】
第1無機膜21は、クリアフィルタ膜16の外面の全域を被覆している。第1無機膜21は、有機膜14外の領域において下地無機絶縁膜12を被覆していてもよい。第1無機膜21は、平面視において回路領域8を露出させていてもよい。むろん、第1無機膜21は、平面視において回路領域8を被覆していてもよい。この場合、第1無機膜21は、チップ2の第1~第4側面5A~5Dに連なる無機側壁を有していてもよい。
【0058】
第1無機膜21は、第1無機厚さTI1を有している。第1無機厚さTI1は、有機膜14の有機厚さTO未満である。第1無機厚さTI1は、クリアフィルタ膜16の第5厚さT5未満であってもよい。第1無機厚さTI1は、第4カラーフィルタ膜15Dの第4厚さT4未満であってもよい。第1無機厚さTI1は、第1~第3厚さT1~T3未満であってもよい。
【0059】
第1無機膜21は、0.05μm以上2μm以下の厚さを有していてもよい。第1無機膜21の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.5μm以下、0.5μm以上1μm以下、1μm以上1.5μm以下、または、1.5μm以上2μm以下であってもよい。第1無機膜21の厚さは、0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
【0060】
電子部品1Aは、第1無機膜21を被覆する第2無機膜22を含む。第2無機膜22は、無色透明の無機絶縁膜からなり、有機膜14の弾性率よりも大きい弾性率を有している。第2無機膜22は、この形態では、特定波長域の光(第1~第4波長域λ1~λ4のいずれか)を選択的に減衰させる光学フィルタ膜として形成されている。
【0061】
第2無機膜22は、この形態では、異なる屈折率を有する複数の無機膜を積層させた積層構造を有している。具体的には、第2無機膜22は、酸化シリコン膜および酸化チタン膜を含む積層構造を有している。さらに具体的には、第2無機膜22は、複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜を交互に積層させた多層積層構造を有している。
【0062】
酸化シリコン膜および酸化チタン膜の積層数や厚さは、減衰すべき波長域に応じて調節される。酸化シリコン膜および酸化チタン膜の総積層数は、50層以下であることが好ましい。酸化シリコン膜の厚さは、10nm以上200nm以下であってもよい。酸化チタン膜の厚さは、10nm以上200nm以下であってもよい。
【0063】
第2無機膜22は、この形態では、赤外光の第4波長域λ4を選択的に減衰させる赤外光カットフィルタ膜として形成され、平面視において第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを被覆している。むろん、第2無機膜22は、第1~第3波長域λ1~λ3の少なくとも1つを選択的に減衰させる可視光カットフィルタ膜として形成され、第1~第4カラーフィルタ膜15A~15Dのうちの少なくとも1つを選択的に露出させていてもよい。
【0064】
第2無機膜22は、平面視において回路領域8を露出させていてもよい。むろん、第2無機膜22は、平面視において回路領域8を被覆していてもよい。この場合、第2無機膜22は、チップ2の第1~第4側面5A~5Dに連なる無機側壁を有していてもよい。
【0065】
第2無機膜22は、第2無機厚さTI2(総厚さ)を有している。第2無機厚さTI2は、この形態では、第1無機膜21の厚さよりも大きい。むろん、第2無機厚さTI2は、第1無機膜21の厚さ以下であってもよい。第2無機厚さTI2は、この形態では、有機膜14の厚さ(総厚さ)未満である。むろん、第2無機厚さTI2は、有機膜14の厚さ以上であってもよい。
【0066】
第2無機厚さTI2は、1μm以上15μm以下であってもよい。第2無機厚さTI2は、1μm以上2.5μm以下、2.5μm以上5μm以下、5μm以上7.5μm以下、7.5μm以上10μm以下、10μm以上12.5μm以下、または、12.5μm以上15μm以下であってもよい。第2無機厚さTI2は、3μm以上7μm以下であることが好ましい。
【0067】
電子部品1Aは、第1無機膜21(無機絶縁膜)を露出させるように第2無機膜22に形成された開口30を含む。開口30は、第2無機膜22の一構成要素とみなされてもよい。開口30は、この形態では、入射光の全ての波長域を通過させる光取り込み開口として形成されている。つまり、開口30は、パッド電極11(電極)を露出させるパッド開口13ではない。
【0068】
開口30は、この形態では、第1無機膜21のうち第4カラーフィルタ膜15Dを被覆する部分を露出させている。したがって、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cに向かう赤外光(第4波長域λ4)は第2無機膜22によって減衰され、第4カラーフィルタ膜15Dに向かう赤外光(第4波長域λ4)は開口30を介して第4カラーフィルタ膜15Dに入射される。
【0069】
開口30は、この形態では、平面視において第4カラーフィルタ膜15Dの周縁から内方に間隔を空けて第4カラーフィルタ膜15Dの周縁によって取り囲まれた領域を露出させている。つまり、第2無機膜22のうち開口30を区画する部分は、平面視において第4カラーフィルタ膜15Dの周縁部を全周に亘って被覆している。開口30は、平面視において多角形状に区画されている。開口30は、この形態では、平面視において四角形状(具体的に第2方向Yに延びる長方形状)に区画されている。
【0070】
開口30は、第1方向Xの第1開口幅WO1および第2方向Yの第2開口幅WO2を有している。第1開口幅WO1は、各パッド開口13のパッド開口幅よりも大きい。第1開口幅WO1は、第1~第3サイズS1~S3(10μm以上200μm以下)よりも大きく、かつ、第4サイズS4(50μm以上500μm以下)よりも小さい。つまり、第1開口幅WO1は、10μmよりも大きく500μmよりも小さい。
【0071】
第1開口幅WO1は、10μmよりも大きく50μm以下、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm以下、200μm以上250μm以下、250μm以上300μm以下、300μm以上350μm以下、350μm以上400μm以下、400μm以上450μm以下、または、450μm以上500μm以下であってもよい。第1開口幅WO1は、50μm以上であることが好ましい。第1開口幅WO1は、300μm以下であることが好ましい。
【0072】
第2開口幅WO2は、第1開口幅WO1以上である。第2開口幅WO2は、第5サイズS5よりも小さい。第2開口幅WO2は、第1開口幅WO1の1倍以上4倍以下であってもよい。むろん、第2開口幅WO2は、第1開口幅WO1未満であってもよい。この場合、第2開口幅WO2は、第1開口幅WO1の1/2以上であることが好ましい。開口30の開口面積は、各パッド開口13の開口面積よりも大きいことが好ましい。開口30の開口面積は、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cの平面積よりも大きく、かつ、第4カラーフィルタ膜15Dの平面積よりも小さいことが好ましい。
【0073】
開口30は、第2無機膜22によって区画された壁面31を有している。具体的には、壁面31は、第2無機膜22を構成する複数の無機膜のうちの一部または全部によって区画されている。この形態では、壁面31は、第2無機膜22の一部を構成する複数の無機膜(複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜)を含む絶縁積層構造によって区画されている。壁面31は、この形態では、平面視において第4カラーフィルタ膜15Dの周縁に沿って延びている。
【0074】
壁面31は、この形態では、第1~第4壁面31A~31Dを含む。第1壁面31Aは、平面視において第1方向Xに延び、開口30の短辺を形成している。第1壁面31Aは、第1方向Xの一方側の一端部および第1方向Xの他方側の他端部を有している。
【0075】
第2壁面31Bは、平面視において第1壁面31Aの一端部から第2方向Yに延び、開口30の長辺を形成している。第2壁面31Bは、第2方向Yの一方側の一端部および第2方向Yの他方側の他端部を有している。第2壁面31Bの一端部は、第1壁面31Aの一端部と1つの開口角部を形成している。
【0076】
第3壁面31Cは、平面視において第2壁面31Bの他端部から第1方向Xに延び、開口30の短辺を形成している。第3壁面31Cは、第2方向Yに第1壁面31Aに対向している。第3壁面31Cは、第1方向Xの一方側の一端部および第1方向Xの他方側の他端部を有している。第3壁面31Cの一端部は、第2壁面31Bの他端部と1つの開口角部を形成している。
【0077】
第4壁面31Dは、平面視において第1壁面31Aの他端部および第3壁面31Cの他端部の間の領域を第2方向Yに延び、開口30の長辺を形成している。第4壁面31Dは、第1方向Xに第2壁面31Bに対向している。第4壁面31Dは、第2方向Yの一方側の一端部および第2方向Yの他方側の他端部を有している。第4壁面31Dの一端部は第1壁面31Aの他端部と1つの開口角部を形成し、第4壁面31Dの他端部は第3壁面31Cの他端部と1つの開口角部を形成している。
【0078】
図1図2および図5を参照して、開口30は、第1~第4壁面31A~31Dの少なくとも1つにおいて波線状に湾曲した部分を有している。開口30は、この形態では、第1~第4壁面31A~31Dの全てにおいて波線状に湾曲した部分を有している。つまり、開口30の壁面31は、平面視において全周に亘って波線状に湾曲している。以下、第1壁面31Aの構成および第2壁面31Bの構成が具体的に説明される。
【0079】
第1壁面31Aは、平面視において、第1方向Xに延び、第2方向Yの一方側(開口30の外方側)および第2方向Yの他方側(開口30の内方側)に蛇行した波線状に形成されている。具体的には、第1壁面31Aは、平面視において、第2方向Yの一方側に弧線状に窪んだ少なくとも1つ(この形態では複数)の第1リセス部32、および、第2方向Yの他方側に弧線状に突出した少なくとも1つ(この形態では複数)の第1突出部33を含む。第1突出部33は、第1リセス部32と第1方向Xに隣り合っている。具体的には、複数の第1突出部33は、複数の第1リセス部32と第1方向Xに交互に形成されている。
【0080】
第1壁面31Aの一端および他端を第1方向Xに結ぶ第1仮想ラインXLを設定した時、複数の第1リセス部32は第1仮想ラインXLに対して第2方向Yの一方側に窪み、複数の第1突出部33は第1仮想ラインXLに対して第2方向Yの他方側に突出している。第1仮想ラインXLを基準とする第1突出部33の第2方向Yの突出幅は、第1仮想ラインXLを基準とする第1リセス部32の第2方向Yのリセス幅とほぼ等しいことが好ましい。
【0081】
このように、第1壁面31Aは、平面視において第1正弦曲線SC1を描く波線状に形成されている。つまり、複数の第1リセス部32は第1正弦曲線SC1の複数の谷部をそれぞれ形成し、複数の第1突出部33は第1正弦曲線SC1の複数の山部をそれぞれ形成している。
【0082】
第1壁面31Aの一端部および他端部は、この形態では、第1リセス部32(つまり、第1正弦曲線SC1の谷部)によってそれぞれ形成されている。第1壁面31Aの一端および他端は、第1正弦曲線SC1の零地点(第1リセス部32のリセス起点)に設定されていることが好ましい。
【0083】
第1壁面31Aは、この形態では、平面視において一定の第1波長L1を有している。第1波長L1は、第1壁面31Aのうち互いに隣り合う第1リセス部32および第1突出部33を含む部分の第1方向Xの距離によって定義される。第1波長L1は、互いに隣り合う2つの第1リセス部32の中央部間の第1方向Xの距離、または、互いに隣り合う2つの第1突出部33の中央部間の第1方向Xの距離によって定義されてもよい。
【0084】
第1波長L1は、5μm以上100μm以下であってもよい。第1波長L1は、5μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、または、75μm以上100μm以下であってもよい。第1波長L1は、20μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0085】
第1壁面31Aは、この形態では、平面視において一定の第1波幅W1を有している。第1波幅W1は、第1リセス部32の中央部および第1突出部33の中央部の間の第2方向Yに沿う距離によって定義される。第1波幅W1は、突出幅およびリセス幅の合計値でもある。
【0086】
第1波幅W1は、1μm以上50μm以下であってもよい。第1波幅W1は、1μm以上10μm以下、10μm以上20μm以下、20μm以上30μm以下、30μm以上40μm以下、または、40μm以上50μm以下であってもよい。第1波幅W1は、5μm以上25μm以下であることが好ましい。
【0087】
たとえば、第1波長L1が20μm以上30μm以下であり、第1波幅W1が5μm以上10μm以下であってもよい。たとえば、第1波長L1が35μm以上45μm以下であり、第1波幅W1が8μm以上14μm以下であってもよい。たとえば、第1波長L1が50μm以上60μm以下であり、第1波幅W1が12μm以上20μm以下であってもよい。
【0088】
第2壁面31Bは、平面視において、第2方向Yに延び、第1方向Xの一方側(開口30の外方側)および第1方向Xの他方側(開口30の内方側)に蛇行した波線状に形成されている。具体的には、第2壁面31Bは、平面視において、第1方向Xの一方側に弧線状に窪んだ少なくとも1つ(この形態では複数)の第2リセス部34、および、第1方向Xの他方側に弧線状に突出した少なくとも1つ(この形態では複数)の第2突出部35を含む。第2突出部35は、第2リセス部34と第2方向Yに隣り合っている。具体的には、複数の第2突出部35は、複数の第2リセス部34と第2方向Yに交互に形成されている。
【0089】
第2壁面31Bの一端および他端を第2方向Yに結ぶ第2仮想ラインYLを設定した時、複数の第2リセス部34は第2仮想ラインYLに対して第1方向Xの一方側に窪み、複数の第2突出部35は第2仮想ラインYLに対して第1方向Xの他方側に突出している。第2仮想ラインYLを基準とする第2突出部35の第1方向Xの突出幅は、第2仮想ラインYLを基準とする第2リセス部34の第1方向Xのリセス幅とほぼ等しいことが好ましい。
【0090】
このように、第2壁面31Bは、平面視において第2正弦曲線SC2を描く波線状に形成されている。つまり、複数の第2リセス部34は第2正弦曲線SC2の複数の谷部をそれぞれ形成し、複数の第2突出部35は第2正弦曲線SC2の複数の山部をそれぞれ形成している。
【0091】
第2壁面31Bの一端部および他端部は、この形態では、第2リセス部34(つまり、第2正弦曲線SC2の谷部)によってそれぞれ形成されている。第2壁面31Bの一端および他端は、第2正弦曲線SC2の零地点(第2リセス部34のリセス起点)に設定されていることが好ましい。
【0092】
第2壁面31Bの一端部の第2リセス部34は、第1壁面31Aの一端部の第1リセス部32に接続されている。つまり、開口30の開口角部は、第2方向Yに向けて窪んだ第1リセス部32および第1方向Xに向けて窪んだ第2リセス部34によって区画されている。これにより、開口角部における第1突出部33および第2突出部35の接触(レイアウト不良)が抑制されている。
【0093】
第2壁面31Bは、この形態では、平面視において一定の第2波長L2を有している。第2波長L2は、第2壁面31Bのうち互いに隣り合う第2リセス部34および第2突出部35を含む部分の第2方向Yの距離によって定義される。第2波長L2は、互いに隣り合う2つの第2リセス部34の中央部間の第2方向Yの距離、または、互いに隣り合う2つの第2突出部35の中央部間の第2方向Yの距離によって定義されてもよい。
【0094】
第2波長L2は、5μm以上100μm以下であってもよい。第2波長L2は、5μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、または、75μm以上100μm以下であってもよい。第2波長L2は、20μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0095】
第2壁面31Bは、この形態では、平面視において一定の第2波幅W2を有している。第2波幅W2は、第2リセス部34の中央部および第2突出部35の中央部の間の第1方向Xに沿う距離によって定義される。第2波幅W2は、突出幅およびリセス幅の合計値でもある。
【0096】
第2波幅W2は、1μm以上50μm以下であってもよい。第2波幅W2は、1μm以上10μm以下、10μm以上20μm以下、20μm以上30μm以下、30μm以上40μm以下、または、40μm以上50μm以下であってもよい。第2波幅W2は、5μm以上25μm以下であることが好ましい。
【0097】
たとえば、第2波長L2が20μm以上30μm以下であり、第2波幅W2が5μm以上10μm以下であってもよい。たとえば、第2波長L2が35μm以上45μm以下であり、第2波幅W2が8μm以上14μm以下であってもよい。たとえば、第2波長L2が50μm以上60μm以下であり、第2波幅W2が12μm以上20μm以下であってもよい。
【0098】
第2波長L2は、第1波長L1よりも大きくてもよいし、第1波長L1よりも小さくてもよい。第2波長L2は、第1波長L1とほぼ等しいことが好ましい。第2波幅W2は、第1波幅W1よりも大きくてもよいし、第1波幅W1よりも小さくてもよい。第2波幅W2は、第1波幅W1とほぼ等しいことが好ましい。
【0099】
第2壁面31Bは、第1突出部33の突出幅よりも大きい突出幅を有する1つまたは複数の第2突出部35を含んでいてもよい。第2壁面31Bは、第1突出部33の突出幅よりも小さい突出幅を有する1つまたは複数の第2突出部35を含んでいてもよい。第2壁面31Bは、第1突出部33の突出幅とほぼ等しい突出幅を有する1つまたは複数の第2突出部35を含んでいてもよい。
【0100】
第2壁面31Bは、第1リセス部32のリセス幅よりも大きいリセス幅を有する1つまたは複数の第2リセス部34を含んでいてもよい。第2壁面31Bは、第1リセス部32のリセス幅よりも小さいリセス幅を有する1つまたは複数の第2リセス部34を含んでいてもよい。第2壁面31Bは、第1リセス部32のリセス幅とほぼ等しいリセス幅を有する1つまたは複数の第2リセス部34を含んでいてもよい。
【0101】
第3壁面31Cは、第1壁面31Aと同様、第1リセス部32および第1突出部33を含む。第3壁面31Cに係る第1リセス部32の個数は、第1壁面31Aに係る第1リセス部32の個数と等しい。また、第3壁面31Cに係る第1突出部33の個数は、第1壁面31Aに係る第1突出部33の個数と等しい。
【0102】
第3壁面31Cに係る複数の第1リセス部32は、第2方向Yに第1壁面31Aに係る複数の第1リセス部32に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。また、第3壁面31Cに係る複数の第1突出部33は、第2方向Yに第1壁面31Aに係る複数の第1突出部33に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。第3壁面31Cの一端部の第1リセス部32は、第2壁面31Bの他端部の第2リセス部34に接続されている。
【0103】
むろん、第3壁面31Cに係る第1リセス部32および第1突出部33のレイアウト(個数、第1波長L1、第1波幅W1等)は、第1壁面31Aに係る第1リセス部32および第1突出部33のレイアウトと異なっていてもよい。たとえば、第3壁面31Cに係る第1リセス部32は、第2方向Yに第1壁面31Aに係る少なくとも1つの第1突出部33に対向していてもよい。たとえば、第3壁面31Cに係る第1突出部33は、第2方向Yに第1壁面31Aに係る少なくとも1つの第1リセス部32に対向していてもよい。
【0104】
その他、第3壁面31Cの構成は、第1壁面31Aの構成と同様である。第3壁面31Cに係る他の説明は、第1壁面31Aに係る上記の説明において「第1壁面31A」を「第3壁面31C」に置き換えることによって得られる。
【0105】
第4壁面31Dは、第2壁面31Bと同様、第2リセス部34および第2突出部35を含む。第4壁面31Dに係る第2リセス部34の個数は、第2壁面31Bに係る第2リセス部34の個数と等しい。また、第4壁面31Dに係る第2突出部35の個数は、第2壁面31Bに係る第2突出部35の個数と等しい。
【0106】
第4壁面31Dに係る複数の第2リセス部34は、第2方向Yに第2壁面31Bに係る複数の第2リセス部34に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。また、第4壁面31Dに係る複数の第2突出部35は、第2方向Yに第2壁面31Bに係る複数の第2突出部35に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。第4壁面31Dの一端部の第2リセス部34は、第1壁面31Aの他端部の第1リセス部32に接続されている。第4壁面31Dの他端部の第2リセス部34は、第3壁面31Cの他端部の第1リセス部32に接続されている。
【0107】
むろん、第4壁面31Dに係る第2リセス部34および第2突出部35のレイアウト(個数、第2波長L2、第2波幅W2等)は、第2壁面31Bに係る第2リセス部34および第2突出部35のレイアウトと異なっていてもよい。たとえば、第4壁面31Dに係る第2リセス部34は、第1方向Xに第2壁面31Bに係る少なくとも1つの第2突出部35に対向していてもよい。たとえば、第4壁面31Dに係る第2突出部35は、第1方向Xに第2壁面31Bに係る少なくとも1つの第2リセス部34に対向していてもよい。
【0108】
その他、第4壁面31Dの構成は、第2壁面31Bの構成と同様である。第4壁面31Dに係る他の説明は、第2壁面31Bに係る上記の説明において「第2壁面31B」を「第4壁面31D」に置き換えることによって得られる。
【0109】
電子部品1Aは、この形態では、第2無機膜22において開口30の周囲に形成された膜厚漸減部36を含む。膜厚漸減部36は、第2無機膜22の一構成要素とみなされてもよい。膜厚漸減部36は、開口30の周囲において第2無機膜22の膜厚が開口30に向けて徐々に小さくなる部分である。
【0110】
膜厚漸減部36は、この形態では、第2無機膜22のうち第4カラーフィルタ膜15Dを被覆する部分に形成され、第2無機膜22のうち第4カラーフィルタ膜15D外の領域を被覆する部分(たとえば第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを被覆する部分)の厚さよりも小さい厚さを有している。
【0111】
膜厚漸減部36は、平面視において開口30の壁面31に沿って帯状に延びている。具体的には、膜厚漸減部36は、平面視において開口30の第1~第4壁面31A~31Dに沿って環状に延びている。膜厚漸減部36は、この形態では、第1~第4壁面31A~31Dを区画している。つまり、第1~第4壁面31A~31Dは、第2無機膜22のうち比較的小さい厚さを有する部分によって区画されている。
【0112】
図6A図6Eは、図1に示す電子部品1Aの製造方法の一部を示す断面図である。図6Aを参照して、まず、ウエハ構造物41が用意される。ウエハ構造物41は、チップ2のベースとなるウエハ42を含む。ウエハ42は、一方側の第1ウエハ主面43および他方側の第2ウエハ主面44を有している。第1ウエハ主面43および第2ウエハ主面44は、チップ2の第1主面3および第2主面4にそれぞれ対応している。
【0113】
ウエハ構造物41は、ウエハ42に設定された複数の部品領域45を含む。複数の部品領域45は、電子部品1Aにそれぞれ対応する領域である。複数の部品領域45は、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて行列状に設定されていてもよい。
【0114】
ウエハ構造物41は、各部品領域45において受光領域6、回路領域8、層間絶縁膜9、複数の配線10(多層配線)、下地無機絶縁膜12および複数の有機膜14を含む。図6A図6Eでは、1つの部品領域45内の受光領域6の構成が示されている。受光領域6は、第1ウエハ主面43に形成された複数の受光デバイス7(第1~第4受光デバイス7A~7D)を含む。回路領域8は、第1ウエハ主面43に形成されたロジック回路を含む。
【0115】
層間絶縁膜9は、第1ウエハ主面43の上において複数の部品領域45を一括して被覆している。複数の配線10は、層間絶縁膜9のうち各部品領域45を被覆する部分にそれぞれ形成されている。下地無機絶縁膜12は、平面視において複数の部品領域45を一括している。複数の有機膜14は、下地無機絶縁膜12のうち複数の部品領域45を被覆する部分にそれぞれ形成されている。各有機膜14は、各部品領域45において複数のカラーフィルタ膜15(第1~第4カラーフィルタ膜15A~15D)およびクリアフィルタ膜16を含む。
【0116】
次に、図6Bを参照して、下地無機絶縁膜12の上において複数の有機膜14を被覆する第1無機膜21が形成される。第1無機膜21は、スパッタ法によって形成されてもよい。第1無機膜21の成膜後、第1無機膜21は、所定のレイアウトを有するマスクを介するエッチング法によって所望のレイアウトに成形されてもよい。むろん、第1無機膜21は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成されてもよい。
【0117】
次に、図6Cを参照して、第1無機膜21の被覆対象部の上に所定のレイアウトを有するレジスト膜50が形成される。レジスト膜50は、フォトレジスト膜(つまりネガティブタイプまたはポジティブタイプの感光性樹脂膜)からなる。レジスト膜50は、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリベンゾオキサゾール膜およびアクリル膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0118】
レジスト膜50は、感光性樹脂の塗布工程、感光性樹脂の露光工程および感光性樹脂の現像工程を経て所定のレイアウトに成形される。レジスト膜50は、開口30を形成すべき領域を被覆し、それ以外の領域を露出させている。レジスト膜50は、この形態では、第1無機膜21のうち第4カラーフィルタ膜15Dを被覆する部分を被覆し、それ以外の領域を露出させている。
【0119】
次に、図6Dを参照して、第1無機膜21およびレジスト膜50を被覆する第2無機膜22が形成される。第2無機膜22は、レジスト膜50の厚さ未満の厚さを有し、レジスト膜50の一部を露出させるように形成される。この形態では、第2無機膜22の形成工程は、複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜を交互に形成する工程を含む。酸化シリコン膜および酸化チタン膜は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。むろん、第2無機膜22は、CVD法によって形成されてもよい。
【0120】
次に、図6Eを参照して、レジスト膜50が除去される。この工程では、第2無機膜22のうちレジスト膜50を被覆する部分がレジスト膜50と共に除去される。これにより、レジスト膜50の除去部からなる開口30が第2無機膜22に区画される。その後、複数の部品領域45に沿ってウエハ構造物41が切断され、複数の電子部品1Aが製造される。
【0121】
図7は、図6Cに示すレジスト膜50のレイアウトを示す拡大平面図である。図8は、図7に示すレジスト膜50の一要部を示す拡大平面図である。図9は、図7に示すレジスト膜50を示す拡大断面図である。
【0122】
図7図9を参照して、レジスト膜50の形成工程では、開口30に対応したレイアウトを有するレジスト膜50が形成される。すなわち、レジスト膜50は、この形態では、平面視において第4カラーフィルタ膜15Dの周縁から内方に間隔を空けて第4カラーフィルタ膜15Dの周縁によって取り囲まれた領域を被覆している。
【0123】
レジスト膜50は、この形態では、平面視において四角形状(具体的に第2方向Yに延びる長方形状)に形成されている。レジスト膜50は、第1方向Xの第1レジスト幅WR1および第2方向Yの第2レジスト幅WR2を有している。第1レジスト幅WR1は、前述の第1開口幅WO1とほぼ等しい。第2レジスト幅WR2は、前述の第2開口幅WO2とほぼ等しい。
【0124】
レジスト膜50のレジスト面積は、開口30の開口面積とほぼ等しい。つまり、レジスト面積は、各パッド開口13のパッド開口面積よりも大きいことが好ましい。また、レジスト面積は、第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cの平面積よりも大きく、かつ、第4フィルタ膜の平面積よりも小さいことが好ましい。
【0125】
レジスト膜50は、第4カラーフィルタ膜15Dの周縁に沿って延びるレジスト側壁51を有している。レジスト側壁51は、この形態では、第1~第4レジスト側壁51A~51Dを含む。第1レジスト側壁51Aは、平面視において第1方向Xに延び、レジスト膜50の短辺を形成している。第1レジスト側壁51Aは、第1方向Xの一方側の一端部および第1方向Xの他方側の他端部を有している。
【0126】
第2レジスト側壁51Bは、平面視において第1レジスト側壁51Aの一端部から第2方向Yに延び、レジスト膜50の長辺を形成している。第2レジスト側壁51Bは、第2方向Yの一方側の一端部および第2方向Yの他方側の他端部を有している。第2レジスト側壁51Bの一端部は、第1レジスト側壁51Aの一端部と1つのレジスト角部を形成している。
【0127】
第3レジスト側壁51Cは、平面視において第2レジスト側壁51Bの他端部から第1方向Xに延び、レジスト膜50の短辺を形成している。第3レジスト側壁51Cは、第2方向Yに第1レジスト側壁51Aに対向している。第3レジスト側壁51Cは、第1方向Xの一方側の一端部および第1方向Xの他方側の他端部を有している。第3レジスト側壁51Cの一端部は、第2レジスト側壁51Bの他端部と1つのレジスト角部を形成している。
【0128】
第4レジスト側壁51Dは、平面視において第1レジスト側壁51Aの他端部および第3レジスト側壁51Cの他端部の間の領域を第2方向Yに延び、レジスト膜50の長辺を形成している。第4レジスト側壁51Dは、第1方向Xに第2レジスト側壁51Bに対向している。第4レジスト側壁51Dは、第2方向Yの一方側の一端部および第2方向Yの他方側の他端部を有している。第4レジスト側壁51Dの一端部は第1レジスト側壁51Aの他端部と1つのレジスト角部を形成し、第4レジスト側壁51Dの他端部は第3レジスト側壁51Cの他端部と1つのレジスト角部を形成している。
【0129】
図7および図8を参照して、レジスト膜50は、第1~第4レジスト側壁51A~51Dの少なくとも1つにおいて波線状に湾曲した部分を有している。レジスト膜50は、この形態では、第1~第4レジスト側壁51A~51Dの全てにおいて波線状に湾曲した部分を有している。つまり、レジスト側壁51は、平面視において全周に亘って波線状に湾曲している。以下、第1レジスト側壁51Aの構成および第2レジスト側壁51Bの構成が具体的に説明される。
【0130】
第1レジスト側壁51Aは、平面視において、第1方向Xに延び、第2方向Yの一方側(レジスト膜50の外方側)および第2方向Yの他方側(レジスト膜50の内方側)に蛇行した波線状に形成されている。具体的には、第1レジスト側壁51Aは、平面視において、第2方向Yの一方側に弧線状に突出した少なくとも1つ(この形態では複数)の第1レジスト突出部52、および、第2方向Yの他方側に弧線状に窪んだ少なくとも1つ(この形態では複数)の第1レジストリセス部53を含む。
【0131】
第1レジストリセス部53は、第1レジスト突出部52と第2方向Yに隣り合っている。具体的には、複数の第1レジストリセス部53は、複数の第1レジスト突出部52と第1方向Xに交互に形成されている。第1レジスト側壁51Aの一端および他端を第1方向Xに結ぶ第1仮想ラインXLを設定した時、複数の第1レジスト突出部52は第1仮想ラインXLに対して第2方向Yの一方側に突出し、複数の第1レジストリセス部53は第1仮想ラインXLに対して第2方向Yの他方側に窪んでいる。
【0132】
第1仮想ラインXLを基準とする第1レジストリセス部53の第2方向Yのリセス幅は、第1仮想ラインXLを基準とする第1レジスト突出部52の第2方向Yの突出幅とほぼ等しいことが好ましい。第1レジスト突出部52の突出幅は開口30の第1リセス部32のリセス幅に相当し、第1レジストリセス部53のリセス幅は開口30の第1突出部33の突出幅に相当する。
【0133】
このように、第1レジスト側壁51Aは、平面視において第1正弦曲線SC1を描く波線状に形成されている。つまり、複数の第1レジスト突出部52は第1正弦曲線SC1の複数の山部をそれぞれ形成し、複数の第1レジストリセス部53は第1正弦曲線SC1の複数の谷部をそれぞれ形成している。
【0134】
第1レジスト側壁51Aの一端部および他端部は、この形態では、第1レジスト突出部52(つまり、第1正弦曲線SC1の山部)によってそれぞれ形成されている。第1レジスト側壁51Aの一端および他端は、第1正弦曲線SC1の零地点(第1レジスト突出部52の突出起点)に設定されていることが好ましい。
【0135】
第1レジスト側壁51Aは、この形態では、平面視において一定の第1波長L1を有している。第1波長L1は、第1レジスト側壁51Aのうち互いに隣り合う第1レジスト突出部52および第1レジストリセス部53を含む部分の第1方向Xの距離によって定義される。第1波長L1は、互いに隣り合う2つの第1レジスト突出部52の中央部間の第1方向Xの距離、または、互いに隣り合う2つの第1レジストリセス部53の中央部間の第1方向Xの距離によって定義されてもよい。レジスト膜50の第1波長L1は、開口30の第1波長L1に相当する。
【0136】
第1レジスト側壁51Aは、平面視において一定の第1波幅W1を有している。第1波幅W1は、第1レジスト突出部52の中央部および第1レジストリセス部53の中央部の間の第2方向Yに沿う距離によって定義される。レジスト膜50の第1波幅W1は、開口30の第1波幅W1に相当する。
【0137】
第2レジスト側壁51Bは、平面視において、第2方向Yに延び、第1方向Xの一方側(レジスト膜50の外方側)および第1方向Xの他方側(レジスト膜50の内方側)に蛇行した波線状に形成されている。具体的には、第2レジスト側壁51Bは、平面視において、第1方向Xの一方側に弧線状に突出した少なくとも1つ(この形態では複数)の第2レジスト突出部54、および、第1方向Xの他方側に弧線状に窪んだ少なくとも1つ(この形態では複数)の第2レジストリセス部55を含む。
【0138】
第2レジストリセス部55は、第2レジスト突出部54と第2方向Yに隣り合っている。具体的には、複数の第2レジストリセス部55は、複数の第2レジスト突出部54と第2方向Yに交互に形成されている。第2レジスト側壁51Bの一端および他端を第2方向Yに結ぶ第2仮想ラインYLを設定した時、複数の第2レジスト突出部54は第2仮想ラインYLに対して第1方向Xの一方側に突出し、複数の第2レジストリセス部55は第2仮想ラインYLに対して第1方向Xの他方側に窪んでいる。
【0139】
第2仮想ラインYLを基準とする第2レジストリセス部55の第1方向Xのリセス幅は、第2仮想ラインYLを基準とする第2レジスト突出部54の第1方向Xの突出幅とほぼ等しいことが好ましい。第2レジスト突出部54の突出幅は開口30の第2リセス部34のリセス幅に相当し、第2レジストリセス部55のリセス幅は開口30の第2突出部35の突出幅に相当する。
【0140】
このように、第2レジスト側壁51Bは、平面視において第2正弦曲線SC2を描く波線状に形成されている。つまり、複数の第2レジスト突出部54は第2正弦曲線SC2の複数の山部をそれぞれ形成し、複数の第2レジストリセス部55は第2正弦曲線SC2の複数の谷部をそれぞれ形成している。
【0141】
第2レジスト側壁51Bの一端部および他端部は、この形態では、第2レジスト突出部54(つまり、第2正弦曲線SC2の山部)によってそれぞれ形成されている。第2レジスト側壁51Bの一端および他端は、第2正弦曲線SC2の零地点(第2レジスト突出部54の突出起点)に設定されていることが好ましい。
【0142】
第2レジスト側壁51Bの一端部の第2レジスト突出部54は、第1レジスト側壁51Aの一端部の第1レジスト突出部52に接続されている。つまり、レジスト角部は、第2方向Yに突出した第1レジスト突出部52および第1方向Xに突出した第2レジスト突出部54によって区画されている。これにより、レジスト角部における第1レジストリセス部53および第2レジストリセス部55の連通(レイアウト不良)が抑制されている。
【0143】
第2レジスト側壁51Bは、平面視において一定の第2波長L2を有している。第2波長L2は、第2レジスト側壁51Bのうち互いに隣り合う第2レジスト突出部54および第2レジストリセス部55を含む部分の第2方向Yの距離によって定義される。第2波長L2は、互いに隣り合う2つの第2レジスト突出部54の中央部間の第2方向Yの距離、または、互いに隣り合う2つの第2レジストリセス部55の中央部間の第2方向Yの距離によって定義されてもよい。レジスト膜50の第2波長L2は、開口30の第2波長L2に相当する。
【0144】
第2レジスト側壁51Bは、平面視において一定の第2波幅W2を有している。第2波幅W2は、第2レジスト突出部54の中央部および第2レジストリセス部55の中央部の間の第1方向Xに沿う距離によって定義される。レジスト膜50の第2波幅W2は、開口30の第2波幅W2に相当する。
【0145】
第3レジスト側壁51Cは、第1レジスト側壁51Aと同様、第1レジスト突出部52および第1レジストリセス部53を含む。第3レジスト側壁51Cに係る第1レジスト突出部52の個数は、第1レジスト側壁51Aに係る第1レジスト突出部52の個数と等しい。また、第3レジスト側壁51Cに係る第1レジストリセス部53の個数は、第1レジスト側壁51Aに係る第1レジストリセス部53の個数と等しい。
【0146】
第3レジスト側壁51Cに係る複数の第1レジスト突出部52は、第2方向Yに第1レジスト側壁51Aに係る複数の第1レジスト突出部52に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。また、第3レジスト側壁51Cに係る複数の第1レジストリセス部53は、第2方向Yに第1レジスト側壁51Aに係る複数の第1レジストリセス部53に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。第3レジスト側壁51Cの一端部の第1レジスト突出部52は、第2レジスト側壁51Bの他端部の第2レジスト突出部54に接続されている。
【0147】
むろん、第3レジスト側壁51Cに係る第1レジスト突出部52および第1レジストリセス部53のレイアウト(個数、第1波長L1、第1波幅W1等)は、第1レジスト側壁51Aに係る第1レジスト突出部52および第1レジストリセス部53のレイアウトと異なっていてもよい。
【0148】
たとえば、第3レジスト側壁51Cに係る第1レジスト突出部52は、第2方向Yに第1レジスト側壁51Aに係る少なくとも1つの第1レジストリセス部53に対向していてもよい。たとえば、第3レジスト側壁51Cに係る第1レジストリセス部53は、第2方向Yに第1レジスト側壁51Aに係る少なくとも1つ第1レジスト突出部52に対向していてもよい。
【0149】
その他、第3レジスト側壁51Cの構成は、第1レジスト側壁51Aの構成と同様である。第3レジスト側壁51Cに係る他の説明は、第1レジスト側壁51Aに係る上記の説明において「第1レジスト側壁51A」を「第3レジスト側壁51C」に置き換えることによって得られる。
【0150】
第4レジスト側壁51Dは、第2レジスト側壁51Bと同様、第2レジスト突出部54および第2レジストリセス部55を含む。第4レジスト側壁51Dに係る第2レジスト突出部54の個数は、第2レジスト側壁51Bに係る第2レジスト突出部54の個数と等しい。また、第4レジスト側壁51Dに係る第2レジストリセス部55の個数は、第2レジスト側壁51Bに係る第2レジストリセス部55の個数と等しい。
【0151】
第4レジスト側壁51Dに係る複数の第2レジスト突出部54は、第2方向Yに第2レジスト側壁51Bに係る複数の第2レジスト突出部54に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。また、第4レジスト側壁51Dに係る複数の第2レジストリセス部55は、第2方向Yに第2レジスト側壁51Bに係る複数の第2レジストリセス部55に1対1の対応関係でそれぞれ対向している。
【0152】
第4レジスト側壁51Dの一端部の第2レジスト突出部54は、第1レジスト側壁51Aの他端部の第1レジスト突出部52に接続されている。第4レジスト側壁51Dの他端部の第2レジスト突出部54は、第3レジスト側壁51Cの他端部の第1レジスト突出部52に接続されている。
【0153】
むろん、第4レジスト側壁51Dに係る第2レジスト突出部54および第2レジストリセス部55のレイアウト(個数、第2波長L2、第2波幅W2等)は、第2レジスト側壁51Bに係る第2レジスト突出部54および第2レジストリセス部55のレイアウトと異なっていてもよい。
【0154】
たとえば、第4レジスト側壁51Dに係る第2レジスト突出部54は、第1方向Xに第2レジスト側壁51Bに係る少なくとも1つの第2レジスト突出部54に対向していてもよい。たとえば、第4レジスト側壁51Dに係る第2レジストリセス部55は、第1方向Xに第2レジスト側壁51Bに係る少なくとも1つの第2レジスト突出部54に対向していてもよい。
【0155】
その他、第4レジスト側壁51Dの構成は、第2レジスト側壁51Bの構成と同様である。第4レジスト側壁51Dに係る他の説明は、第2レジスト側壁51Bに係る上記の説明において「第2レジスト側壁51B」を「第4レジスト側壁51D」に置き換えることによって得られる。
【0156】
図9を参照して、第1~第4レジスト側壁51A~51Dは、断面視において第1無機膜21の外面との間で鋭角を成す逆テーパ形状にそれぞれ形成されていてもよい。この場合、第1~第4レジスト側壁51A~51Dは、積層方向(法線方向Z)に間隙を介して第1無機膜21に対向していてもよい。断面視において第1~第4レジスト側壁51A~51Dがレジスト膜50の外方に向けて弧線状(たとえば円弧状)に湾曲している形態も、ここに言う「逆テーパ形状」に含まれる。
【0157】
第1無機膜21の外面に対する第1~第4レジスト側壁51A~51Dの傾斜角度θ1は、45°以上90°未満であってもよい。第1~第4レジスト側壁51A~51Dの傾斜角度θ1は、第1~第4レジスト側壁51A~51Dの下端および上端を結ぶ直線が第1無機膜21の外面との間で成す角度である。
【0158】
図10A図10Dは、開口30の形成工程を具体的に説明するための拡大平面図である。図11A図11Dは、開口30の形成工程を具体的に説明するための拡大断面図である。図10A図10Dおよび図11A図11Dでは、開口30の形成工程が経時的に示されている。
【0159】
図10Aおよび図11Aを参照して、第2無機膜22の形成工程(図6D参照)では、前記レイアウト(図7および図8参照)を有するレジスト膜50を被覆するように第2無機膜22が第1無機膜21の上に形成される。第2無機膜22は、レジスト膜50の厚さ未満の厚さを有し、レジスト膜50の第1~第4レジスト側壁51A~51Dの一部または全部を露出させるように第1無機膜21およびレジスト膜50を被覆している。
【0160】
第2無機膜22のうちレジスト膜50外の領域を被覆する部分は、第1~第4レジスト側壁51A~51Dに倣って波線状に湾曲するように第1無機膜21を被覆する。これにより、第1~第4レジスト側壁51A~51Dに倣って波線状に湾曲した第1~第4壁面31A~31Dを有する開口30が区画される。
【0161】
つまり、開口30の複数の第1リセス部32はレジスト膜50の複数の第1レジスト突出部52に倣って形成され、開口30の複数の第1突出部33はレジスト膜50の複数の第1レジストリセス部53に倣って形成される。また、開口30の複数の第2リセス部34はレジスト膜50の複数の第2レジスト突出部54に倣って形成され、開口30の複数の第2突出部35はレジスト膜50の複数の第2レジストリセス部55に倣って形成される。
【0162】
第2無機膜22の形成工程後、レジスト膜50の除去工程が実施される(図6Eも併せて参照)。レジスト膜50の除去工程では、レジスト膜50を除去するためのレジスト剥離液(薬液)が満たされた剥離槽が使用される。レジスト剥離液は、たとえば、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)を含むレジスト溶解液であってもよい。むろん、環境負荷を考慮して、NMPを含まない有機溶剤系のレジスト剥離液が使用されてもよい。
【0163】
ウエハ構造物41は、少なくともレジスト膜50および第2無機膜22がレジスト剥離液に浸漬されるように剥離槽内に配置される。むろん、ウエハ構造物41の全体がレジスト剥離液に浸漬されてもよい。さらにこの工程では、レジスト膜50の剥離を促すため、レジスト膜50に超音波が付与される。超音波は、たとえば、剥離槽に備えられた超音波振動器からウエハ構造物41およびレジスト剥離液を介してレジスト膜50に付与される。
【0164】
図10Bおよび図11Bを参照して、レジスト膜50がレジスト剥離液に浸漬されると、レジスト膜50は第1無機膜21および第2無機膜22の間から露出した第1~第4レジスト側壁51A~51Dから内方に向けて徐々に溶解される。これにより、開口30の第1~第4壁面31A~31Dが露出し、開口30内にレジスト膜50の残存部が配置された構成となる。レジスト膜50へのレジスト剥離液の侵入速度は、超音波振動によって高められる。
【0165】
図10Cおよび図11Cを参照して、レジスト膜50が一定のサイズ(第2無機膜22の開放サイズ)まで縮小すると、第2無機膜22がレジスト膜50から開放される。これにより、レジスト膜50の残存部単体からなるレジスト残部60が開口30内において第1無機膜21の上に形成される。超音波振動は、レジスト残部60に対して継続的に付与される。
【0166】
図10Dおよび図11Dを参照して、レジスト残部60は、第1無機膜21の上においてレジスト剥離液によって完全に溶解されるか、または、超音波振動によって第1無機膜21から物理的に剥離された後、レジスト剥離液中で溶解される。このような経時ステップを経て、レジスト膜50の除去部からなる開口30が第2無機膜22に形成される。
【0167】
図12は、参考レジスト膜61を示す拡大平面図である。図13は、参考レジスト膜61を用いた製造工程を示す拡大平面図である。図12を参照して、参考レジスト膜61は、平面視において直線状に延びる第1~第4レジスト側壁51A~51Dを有している点を除き、レジスト膜50と同様の構成を有している。
【0168】
図13を参照して、参考レジスト膜61の除去工程では、図10A図10D図11A図11D)と同様の経時ステップを経て、直線状に延びる第1~第4壁面31A~31Dを有する開口30が第2無機膜22に形成され、レジスト残部60が開口30内において第1無機膜21の上に形成される。超音波振動は、レジスト残部60に対して継続的に付与される。
【0169】
第1無機膜21のうち開口30から露出した部分(露出部)は、外力としての超音波振動に起因して上下方向に振動する。この時、直線状に延びる第1~第4壁面31A~31Dは、第1無機膜21の露出部に対する固定端としてそれぞれ機能し、第1無機膜21の露出部の振動を増幅させる。その結果、第1無機膜21の露出部にクラック等のダメージが生じる。特に、製造工程中では、第1無機膜21の露出部はレジスト残部60と共に上下方向に振動する期間を有しており、第1無機膜21の露出部のダメージはレジスト残部60を支持する部分に生じる傾向がある。
【0170】
このような構成において、開口30は、第1無機膜21よりも厚く、かつ、第1無機膜21よりも変形し難い第2無機膜22に区画されている。つまり、第1無機膜21の露出部に対する第2無機膜22の固定端としての機能は、このような第2無機膜22の構成によっても高められている。
【0171】
さらに、第1無機膜21の露出部の直下には有機膜14が形成されている。有機膜14は、第1無機膜21の弾性率および第2無機膜22の弾性率よりも小さい弾性率を有している。したがって、有機膜14は、超音波振動に起因して変形し易く、第1無機膜21の振動に起因して変形し易い。つまり、有機膜14は第1無機膜21の変形を許容しており、これによって、第1無機膜21の露出部が有機膜14および第2無機膜22によって上下方向に振動可能に挟持された構成になっている。
【0172】
このような構成の下で、第1無機膜21の露出部が上下方向に振動した場合、有機膜14の上において第1無機膜21の剥離や第1無機膜21のクラック等の問題が生じる虞がある。第1無機膜21の剥離が生じた場合、有機膜14および第1無機膜21の間に間隙が形成され、当該間隙に起因して入射光に対する屈折率が変動する。第1無機膜21のクラック等が生じた場合、当該クラック等に起因して入射光に対する屈折率が変動する。これらの問題は、外観観察によって視認される外観不良の一類型でもある。
【0173】
これに対して、電子部品1Aの製造方法では、レジスト膜50の形成工程において平面視において波線状に湾曲したレジスト側壁51を有するレジスト膜50が第1無機膜21を部分的に被覆するように形成される。第2無機膜22の形成工程では、レジスト側壁51の少なくとも一部を露出させるように第1無機膜21およびレジスト膜50を被覆する第2無機膜22が形成される。そして、レジスト膜50の除去工程では、レジスト膜50が除去されることによって、第1無機膜21を部分的に露出させるように平面視で波線状に湾曲した壁面31を有する開口30が第2無機膜22に形成される。
【0174】
この製造方法によれば、波線状に湾曲した開口30の壁面31によって、固定端振動の位相を分散させることができる。これにより、固定端振動に起因する第1無機膜21の振動増幅を抑制できる。その結果、第1無機膜21のクラック等のダメージを抑制できる。よって、信頼性を向上できる電子部品1Aを製造し、提供できる。
【0175】
レジスト膜50の除去工程は、レジスト剥離液にレジスト膜50を浸漬する工程を含んでいてもよい。この製造方法によれば、レジスト剥離液中における第1無機膜21の振動増幅を抑制しながら、レジスト剥離液にレジスト膜50を溶解できる。
【0176】
レジスト膜50の除去工程は、レジスト膜50に超音波を付与する工程を含んでいてもよい。この製造方法によれば、超音波を利用してレジスト膜50を除去できる。また、超音波に起因する第1無機膜21の固定端振動の増幅を抑制できる。よって、超音波に起因する第1無機膜21のクラック等を抑制できる。レジスト膜50の除去工程は、超音波を付与しながらレジスト剥離液によってレジスト膜50を除去する工程を含むことが好ましい。この場合、レジスト膜50の剥離時間を短縮できると同時にレジスト膜50を適切に除去できる。
【0177】
電子部品1Aの製造方法は、有機膜14の上に第1無機膜21を形成する工程を含んでいてもよい。この製造方法によれば、有機膜14の上において、固定端振動に起因する第1無機膜21の振動増幅を抑制できる。これにより、有機膜14の上において、第1無機膜21の剥離やクラック等を抑制できる。有機膜14に対して光が照射される構造の場合、第1無機膜21において剥離やクラック等に起因する屈折率の変動を抑制できるため、第1無機膜21を介して有機膜14に光を適切に照射できる。
【0178】
一方、電子部品1Aは、第1無機膜21、第2無機膜22および開口30を含む。第2無機膜22は、第1無機膜21を被覆している。開口30は、第1無機膜21を部分的に露出させるように第2無機膜22に形成され、平面視で波線状に湾曲した壁面31を有している。この構造によれば、波線状に湾曲した開口30の壁面31によって、固定端振動の位相を分散させることができる。
【0179】
これにより、固定端振動に起因する第1無機膜21の振動増幅を抑制できる。その結果、第1無機膜21のクラック等のダメージを抑制できる。よって、信頼性を向上できる電子部品1Aを提供できる。電子部品1Aに加えられる外力としては、ハンドリング時における振動や、電子部品1Aが搭載されるアプリケーションからの振動や、ボンディングワイヤ接続時にキャピラリから電子部品1Aに加えられる超音波振動等が例示される。
【0180】
電子部品1Aは、有機膜14を含んでいてもよい。この場合、第1無機膜21は、有機膜14を直接被覆していてもよい。この構造によれば、有機膜14の上において、固定端振動に起因する第1無機膜21の振動増幅を抑制できる。これにより、有機膜14の上において、第1無機膜21の剥離やクラック等を抑制できる。第1無機膜21は、有機膜14よりも薄くてもよい。
【0181】
電子部品1Aは、チップ2、当該チップ2に形成された受光デバイス7(機能デバイス)、および、受光デバイス7を被覆する層間絶縁膜9を含んでいてもよい。この場合、有機膜14は、層間絶縁膜9を被覆していてもよい。この構造によれば、有機膜14および第1無機膜21を介して受光デバイス7に光を適切に照射できる。
【0182】
有機膜14は、クリアフィルタ膜16(透明樹脂膜)を含んでいてもよい。この構造において、第1無機膜21は、クリアフィルタ膜16を被覆していてもよい。この構造によれば、第1無機膜21を介してクリアフィルタ膜16に光を適切に照射できる。
【0183】
有機膜14は、少なくとも1つのカラーフィルタ膜15を含んでいてもよい。この場合、クリアフィルタ膜16はカラーフィルタ膜15を被覆していてもよい。また、この場合、開口30は第1無機膜21のうちのカラーフィルタ膜15を被覆する部分を露出させていてもよい。この構造によれば、第1無機膜21およびクリアフィルタ膜16を介してカラーフィルタ膜15に光を適切に照射できる。
【0184】
開口30の壁面31は、平面視において第1方向Xに延びる第1壁面31A、および、平面視において第2方向Yに延びる第2壁面31Bを有していることが好ましい。この場合、第1壁面31Aは、平面視において第2方向Yの一方側に窪んだ第1リセス部32および第2方向Yの他方側に突出した第1突出部33を有していることが好ましい。
【0185】
また、第2壁面31Bは、平面視において第1方向Xの一方側に窪んだ第2リセス部34および第1方向Xの他方側に突出した第2突出部35を有していることが好ましい。この構造によれば、第1方向Xおよび第2方向Yの2方向にそれぞれ波線状に蛇行した第1壁面31Aおよび第2壁面31Bによって固定端振動に起因する第1無機膜21の振動増幅を抑制できる。
【0186】
第1壁面31Aは、第1リセス部32によって形成された端部を有していることが好ましい。また、第2壁面31Bは、第2リセス部34によって形成され、第1壁面31Aの端部に接続された端部を有していることが好ましい。この構造によれば、開口30の角部において第1壁面31Aの第1突出部33および第2壁面31Bの第2突出部35が接触することを抑制できる。これにより、開口30を適切なレイアウトで形成できる。
【0187】
開口30の壁面31は、平面視において一定の波長を有していてもよい。開口30の壁面31は、平面視において一定の波幅を有していてもよい。第2無機膜22は、第1無機膜21よりも厚いことが好ましい。この構造によれば、第1無機膜21を第2無機膜22によって適切に保護できる。第2無機膜22は、1μm以上15μm以下の厚さを有していてもよい。
【0188】
第2無機膜22は、開口30の周囲において開口30に向けて膜厚が漸減する膜厚漸減部36を有していてもよい。この構造によれば、開口30の壁面31の固定端としての機能を弱めることができる。
【0189】
第2無機膜22は、複数の無機膜を含む積層構造を有していてもよい。この場合、第2無機膜22は、酸化シリコン膜および酸化チタン膜を含む積層構造を有していてもよい。さらに、これらの場合、第2無機膜22は、光学フィルタ膜として形成されていてもよい。この場合、開口30は光学フィルタ膜に形成された光取り込み開口として形成されていてもよい。これらの構造によれば、第1無機膜21のうち光学フィルタ膜から露出した部分において、クラック等に起因する屈折率の変動を抑制できる。
【0190】
図14は、第2実施形態に係る電子部品1Bを示す断面図である。図15は、図14に示す開口30を含む領域を示す拡大断面図である。図16は、図14に示す第2無機膜22の形成工程を示す拡大断面図である。
【0191】
図14および図15を参照して、電子部品1Bは、第2無機膜22のうちの開口30の壁面31を区画する部分において第1無機膜21とは反対側に向けて突出した突起部62を含む。突起部62は、この形態では、波線状に湾曲した開口30の壁面31の少なくとも一部を区画している。突起部62は、第2無機膜22の一構成要素および/または開口30の一構成要素とみなされてもよい。
【0192】
突起部62は、断面視において第1無機膜21の外面との間で鈍角を成す逆テーパ形状に形成されていてもよい。断面視において突起部62が開口30の外方に向けて弧線状(たとえば円弧状)に湾曲している形態も、ここに言う「逆テーパ形状」に含まれる。第1無機膜21の外面に対する突起部62の傾斜角度θ2は、90°よりも大きく135°以下であってもよい。突起部62の傾斜角度θ2は、突起部62の下端および上端を結ぶ直線が第1無機膜21の外面との間で成す角度である。
【0193】
突起部62は、平面視において開口30の壁面31に沿って帯状に延びている。突起部62は、この形態では、平面視において壁面31の全周(つまり第1~第4壁面31A~31D)に沿って環状に延びている。つまり、突起部62は、この形態では、波線状に湾曲した第1~第4壁面31A~31Dを区画している。突起部62は、法線方向Zに関して、膜厚漸減部36の中間部の厚さよりも大きい突出量を有していてもよい。突起部62の突出量は、第2無機膜22の厚さよりも大きくてもよい。突起部62の幅は、膜厚漸減部36の幅未満であることが好ましい。
【0194】
突起部62は、この形態では、鉛直方向(法線方向Z)にそれぞれ膜状に延びる酸化シリコン膜および酸化チタン膜を水平方向(第1方向X/第2方向Y)に積層させた積層構造を有している。突起部62は、この形態では、複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜を交互に積層させた多層積層構造を有している。突起部62の複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜は、第2無機膜22の複数の酸化シリコン膜の一部および複数の酸化チタン膜の一部から連続的に延びている。
【0195】
図16を参照して、突起部62は、第2無機膜22の形成工程時(図6D参照)において、第2無機膜22(複数の酸化シリコン膜および複数の酸化チタン膜)のうちレジスト膜50外の領域に成膜される部分を第1~第4レジスト側壁51A~51Dに接するように形成することによって形成される。
【0196】
以上、電子部品1Bの製造方法によっても電子部品1Aの製造方法に対して述べられた効果と同様の効果が奏される。また、電子部品1Bによっても電子部品1Aに対して述べられた効果と同様の効果が奏される。
【0197】
図17は、第3実施形態に係る電子部品1Cの一要部を示す拡大平面図である。図18は、図17に示すXVIII-XVIII線に沿う断面図である。電子部品1Cは、照度センサ(半導体受光装置)以外のデバイス(たとえば半導体装置)からなる。電子部品1Cは、電子部品1Aと同様、チップ2、層間絶縁膜9、複数の配線10(多層配線)、下地無機絶縁膜12、有機膜14、第1無機膜21、第2無機膜22、開口30および膜厚漸減部36を含む。
【0198】
電子部品1Cは、チップ2の第1主面3に形成された機能デバイス63を含む。図18では、機能デバイス63が破線によって簡略化して示されている。機能デバイス63は、第1主面3の表層部や第1主面3上の領域を利用して形成される。機能デバイス63は、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。機能デバイス63は、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも2つが組み合わされた集積回路を含んでいてもよい。
【0199】
半導体スイッチングデバイスは、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)、CMIS(Complementary MISFET)、BJT(Bipolar Junction Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Junction Transistor)およびJFET(Junction Field Effect Transistor)のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0200】
半導体整流デバイスは、pn接合ダイオード、pin接合ダイオード、ツェナーダイオード、ショットキーバリアダイオードおよびファストリカバリーダイオードのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。受動デバイスは、抵抗、コンデンサ、インダクタおよびヒューズのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0201】
層間絶縁膜9は、第1主面3の上で機能デバイス63を被覆している。複数の配線10は、機能デバイス63に電気的に接続されるように層間絶縁膜9内に配置されている。機能デバイス63の仕様に依っては、複数の配線10は層間絶縁膜9の上に配置されていてもよい。この場合、複数の配線10は、層間絶縁膜9を貫通して機能デバイス63に電気的に接続されていてもよい。この場合、たとえば、複数の配線10は、層間絶縁膜9に埋設された複数のビア電極を介して機能デバイス63に電気的に接続されていてもよい。
【0202】
下地無機絶縁膜12は、層間絶縁膜9を被覆している。層間絶縁膜9の上に複数の配線10が配置されている場合、下地無機絶縁膜12は複数の配線10の一部を露出させるように層間絶縁膜9の上で複数の配線10を被覆する。
【0203】
有機膜14は、下地無機絶縁膜12を被覆している。層間絶縁膜9の上に複数の配線10が配置されている場合、有機膜14は複数の配線10の一部を露出させるように下地無機絶縁膜12を被覆する。有機膜14は、この形態では、透明樹脂膜からなる単層構造を有している。
【0204】
有機膜14は、ネガティブタイプまたはポジティブタイプの感光性樹脂膜からなることが好ましい。有機膜14は、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリベンゾオキサゾール膜またはアクリル膜からなっていてもよい。有機膜14の厚さは、5μm以上50μm以下であってもよい。
【0205】
第1無機膜21は、有機膜14を被覆している。第1無機膜21は、この形態では、無機導体膜(たとえば金属膜)からなり、有機膜14の弾性率よりも大きい弾性率を有している。第1無機膜21は、有機膜14の上で複数の配線10の少なくとも1つに電気的に接続された再配線であってもよい。図17では、第1無機膜21が、パッド部21Aおよびライン部21Bを含む形態例が示されている。
【0206】
パッド部21Aは、平面視において比較的大きいサイズを有する多角形状(この形態では四角形状)に形成されている。ライン部21Bは、平面視においてパッド部21Aのサイズよりも小さいサイズを有し、パッド部21Aからパッド部21A外の領域に選択的にライン状に引き回されている。
【0207】
第1無機膜21は、単一の金属膜からなる単層構造、または、複数の金属膜を含む積層構造を有していてもよい。第1無機膜21は、Ti膜、TiN膜、W膜、Al膜、Cu膜、Al合金膜、Cu合金膜および導電性ポリシリコン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0208】
第2無機膜22は、有機膜14の上で第1無機膜21を被覆している。第2無機膜22は、無機絶縁膜からなり、有機膜14の弾性率よりも大きい弾性率を有している。第2無機膜22は、単一の無機絶縁膜からなる単層構造、または、複数の無機絶縁膜を含む積層構造を有していてもよい。第2無機膜22は、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2無機膜22は、第1無機膜21の厚さ以上の厚さを有していてもよい。第2無機膜22は、第1無機膜21の厚さ未満の厚さを有していてもよい。
【0209】
開口30は、第1無機膜21(無機導体膜)を露出させるように第2無機膜22に形成されている。開口30は、この形態では、第1無機膜21のパッド部21Aを露出させるパッド開口として形成されている。開口30は、この形態では、平面視においてパッド部21Aの周縁から内方に間隔を空けてパッド部21Aの周縁によって取り囲まれた領域を露出させている。開口30は、この形態では、平面視において多角形状(この形態では四角形状)に区画されている。
【0210】
開口30は、パッド部21Aの周縁に沿って延びる壁面31を有している。壁面31は、第1~第4壁面31A~31Dを含む。開口30は、電子部品1Aの場合と同様、第1~第4壁面31A~31Dの少なくとも1つにおいて波線状に湾曲した部分を有している。開口30は、この形態では、第1~第4壁面31A~31Dの全てにおいて波線状に湾曲した部分を有している。つまり、開口30の壁面31は、平面視において全周に亘って波線状に湾曲している。開口30(第1~第4壁面31A~31D)の構成は、電子部品1Aの場合と同様であるため、それらの具体的な説明は省略される。
【0211】
膜厚漸減部36は、第2無機膜22において開口30の周囲に形成されている。膜厚漸減部36は、この形態では、第2無機膜22のうち第1無機膜21を被覆する部分に形成され、第2無機膜22のうち第1無機膜21外の領域を被覆する部分の厚さよりも小さい厚さを有している。
【0212】
電子部品1Cは、機能デバイス63の仕様によっては、チップ2の第2主面4を被覆する主面電極(金属膜)を含んでいてもよい。この場合、主面電極は、機能デバイス63に電気的に接続されていてもよい。
【0213】
電子部品1Cは、電子部品1Aの製造方法において、チップ2側の構成を変更し、有機膜14、第1無機膜21および第2無機膜22等の材質を変更することによって製造される。以上、電子部品1Cの製造方法によっても電子部品1Aの製造方法に対して述べられた効果と同様の効果が奏される。また、電子部品1Cによっても電子部品1Aに対して述べられた効果と同様の効果が奏される。第2実施形態に係る突起部62は、電子部品1Cに係る開口30に適用されてもよい。
【0214】
以下、前述の各実施形態に適用される開口30の変形例が示される。図19は、第1変形例に係る開口30の一要部を示す拡大平面図である。前述の各実施形態では、一定の第1波長L1で波線状に湾曲した第1壁面31A(第3側面5C)および一定の第2波長L2で波線状に湾曲した第2壁面31B(第4側面5D)が示された。
【0215】
しかし、図19に示されるように、第1壁面31Aおよび第3側面5Cのいずれか一方または双方は、互いに異なる波長で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。図19では、第1壁面31A(第3側面5C)が比較的長い第1波長LAで波線状に湾曲した部分、および、第1波長LAよりも短い第2波長LBで波線状に湾曲した部分を含む形態例が示されている。第1波長LAおよび第2波長LBのレイアウト(位置、範囲、長さ)は任意である。第1波長LAおよび第2波長LBは、前述の第1波長L1と同様の数値範囲(5μm以上100μm以下)で調節されてもよい。
【0216】
同様に、第2壁面31Bおよび第4側面5Dのいずれか一方または双方は、互いに異なる波長で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。図19では、第2壁面31B(第4側面5D)が比較的長い第3波長LCで波線状に湾曲した部分、および、第3波長LCよりも短い第4波長LDで波線状に湾曲した部分を含む形態例が示されている。第3波長LCおよび第4波長LDのレイアウト(位置、範囲、長さ)は任意である。第3波長LCおよび第4波長LDは、前述の第2波長L2と同様の数値範囲(5μm以上100μm以下)で調節されてもよい。
【0217】
第3波長LCは、第1波長LAよりも長くてもよいし、第1波長LAよりも短くてもよい。第3波長LCは、第1波長LAとほぼ等しくてもよい。第3波長LCは、第2波長LBよりも長くてもよいし、第2波長LBよりも短くてもよい。第3波長LCは、第2波長LBとほぼ等しくてもよい。
【0218】
第4波長LDは、第1波長LAよりも長くてもよいし、第1波長LAよりも短くてもよい。第4波長LDは、第1波長LAとほぼ等しくてもよい。第4波長LDは、第2波長LBよりも長くてもよいし、第2波長LBよりも短くてもよい。第4波長LDは、第2波長LBとほぼ等しくてもよい。第1~第4波長LA~LDの大小関係の組み合わせは任意である。
【0219】
むろん、第1~第4壁面31A~31Dのうちの少なくとも1つは、互いに異なる波長で波線状に湾曲した3つ以上の部分を有していてもよい。また、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが複数の波長を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが1つの波長(前述の第2波長L2)を有する構成が採用されてもよい。これとは反対に、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが1つの波長(前述の第1波長L1)を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが2つ以上の波長を有する構成が採用されてもよい。
【0220】
図20は、第2変形例に係る開口30の一要部を示す拡大平面図である。前述の各実施形態では、一定の第1波幅W1で波線状に湾曲した第1壁面31A(第3側面5C)および一定の第2波幅W2で波線状に湾曲した第2壁面31B(第4側面5D)が示された。
【0221】
しかし、図20に示されるように、第1壁面31Aおよび第3側面5Cのいずれか一方または双方は、互いに異なる波幅で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。図20では、第1壁面31A(第3側面5C)が比較的幅広の第1波幅WAで波線状に湾曲した部分、および、第1波幅WAよりも幅狭の第2波幅WBで波線状に湾曲した部分を含む形態例が示されている。第1波幅WAおよび第2波幅WBのレイアウト(位置、範囲、幅)は任意である。第1波幅WAおよび第2波幅WBは、前述の第1波幅W1と同様の数値範囲(1μm以上50μm以下)で調節されてもよい。
【0222】
同様に、第2壁面31Bおよび第4側面5Dのいずれか一方または双方は、互いに異なる波幅で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。図20では、第2壁面31B(第4側面5D)が比較的幅広の第3波幅WCで波線状に湾曲した部分、および、第3波幅WCよりも幅狭の第4波幅WDで波線状に湾曲した部分を含む形態例が示されている。第3波幅WCおよび第4波幅WDのレイアウト(位置、範囲、幅)は任意である。第3波幅WCおよび第4波幅WDは、前述の第2波幅W2と同様の数値範囲(1μm以上50μm以下)で調節されてもよい。
【0223】
第3波幅WCは、第1波幅WAよりも大きくてもよいし、第1波幅WAよりも小さくてもよい。第3波幅WCは、第1波幅WAとほぼ等しくてもよい。第3波幅WCは、第2波幅WBよりも大きくてもよいし、第2波幅WBよりも小さくてもよい。第3波幅WCは、第2波幅WBとほぼ等しくてもよい。
【0224】
第4波幅WDは、第1波幅WAよりも大きくてもよいし、第1波幅WAよりも小さくてもよい。第4波幅WDは、第1波幅WAとほぼ等しくてもよい。第4波幅WDは、第2波幅WBよりも大きくてもよいし、第2波幅WBよりも小さくてもよい。第4波幅WDは、第2波幅WBとほぼ等しくてもよい。第1~第4波幅WA~WDの大小関係の組み合わせは任意である。
【0225】
むろん、第1~第4壁面31A~31Dの少なくとも1つは、互いに異なる波幅で波線状に湾曲した3つ以上の部分を有していてもよい。また、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが複数の波幅を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが1つの波幅(前述の第2波幅W2)を有する構成が採用されてもよい。これとは反対に、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが1つの波幅(前述の第1波幅W1)を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが複数の波幅を有する構成が採用されてもよい。
【0226】
図21は、第3変形例に係る開口30の一要部を示す拡大平面図である。図21に示されるように、開口30は、前述の第1変形例に係る開口30および第2変形例に係る開口30を組み合わせた形態を有していてもよい。
【0227】
つまり、第1壁面31Aおよび第3側面5Cのいずれか一方または双方は、互いに異なる波長で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有し、かつ、互いに異なる波幅で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。同様に、第2壁面31Bおよび第4側面5Dのいずれか一方または双方は、互いに異なる波長で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有し、かつ、互いに異なる波幅で波線状に湾曲した複数(2つ以上)の部分を有していてもよい。
【0228】
むろん、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが複数の波長および複数の波幅を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが1つの波長(前述の第2波長L2)および1つの波幅(前述の第2波幅W2)を有する構成が採用されてもよい。これとは反対に、第1壁面31Aおよび/または第3側面5Cが1つの波長(前述の第1波長L1)および1つの波幅(前述の第1波幅W1)を有している一方、第2壁面31Bおよび/または第4側面5Dが複数の波長および複数の波幅を有する構成が採用されてもよい。
【0229】
前述の各実施形態は、さらに他の形態で実施可能である。前述の第1~第2実施形態では、第2無機膜22が赤外光の第4波長域λ4を選択的に減衰させる赤外光カットフィルタ膜として第1~第3カラーフィルタ膜15A~15Cを被覆していた。むろん、第2無機膜22は、赤色光の第1波長域λ1を選択的に減衰させる赤色光カットフィルタ膜として第1カラーフィルタ膜15A以外のカラーフィルタ膜15(第2~第4カラーフィルタ膜15B~15D)を選択的に被覆してもよい。
【0230】
また、第2無機膜22は、緑色光の第2波長域λ2を選択的に減衰させる緑色光カットフィルタ膜として第2カラーフィルタ膜15B以外のカラーフィルタ膜15(第1、第3および第4カラーフィルタ膜15A、15C、15D)を選択的に被覆してもよい。また、第2無機膜22は、青色光の第3波長域λ3を選択的に減衰させる青色光カットフィルタ膜として第3カラーフィルタ膜15C以外のカラーフィルタ膜15(第1、第2および第4カラーフィルタ膜15A、15B、15D)を選択的に被覆してもよい。
【0231】
前述の実施形態では、開口30が第1無機膜21のうち第4カラーフィルタ膜15Dを被覆する部分を露出させていた。しかし、開口30は、第1~第4カラーフィルタ膜15A~15Dの少なくとも1つを選択的に露出させていてもよい。また、開口30は、第1~第4カラーフィルタ膜15A~15Dの少なくとも2つを選択的に露出させていてもよい。また、開口30は、第1~第4カラーフィルタ膜15A~15Dの少なくとも3つを選択的に露出させていてもよい。
【0232】
前述の各実施形態で開示された特徴は、それらの間で適宜組み合わされることができる。すなわち、前述の第1~第3実施形態で開示された特徴のうちの少なくとも2つの特徴を同時に含む形態が採用されてもよい。
【0233】
前述の各実施形態では、チップ2の第1~第4側面5A~5Dの延在方向に基づいて第1方向Xおよび第2方向Yが設定されたが、第1方向Xおよび第2方向Yは互いに交差(直交する)関係を維持する限り、第1~第4側面5A~5Dの延在方向から切り離して設定されてもよい。
【0234】
以下、この明細書および図面から抽出される特徴例が示される。以下、括弧内の英数字等は前述の各実施形態における対応構成要素等を表すが、各項目(Clause)の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下の項目に係る「電子部品」は、必要に応じて「照度センサ」、「半導体受光装置」、「半導体装置」等に置き換えられてもよい。
【0235】
[A1]第1無機膜(21)と、前記第1無機膜(21)を被覆する第2無機膜(22)と、前記第1無機膜(21)を部分的に露出させるように前記第2無機膜(22)に形成され、平面視で波線状に湾曲した壁面(31、31A~31D)を有する開口(30)と、を含む、電子部品(1A、1B、1C)。
【0236】
[A2]有機膜(14)をさらに含み、前記第1無機膜(21)は、前記有機膜(14)を直接被覆している、A1に記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0237】
[A3]前記第1無機膜(21)は、前記有機膜(14)よりも薄い、A2に記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0238】
[A4]チップ(2)と、前記チップ(2)に形成された機能デバイス(7、7A~7D、63)と、前記機能デバイス(7、7A~7D、63)を被覆する層間絶縁膜(9)と、さらに含み、前記有機膜(14)は、前記層間絶縁膜(9)を被覆している、A2またはA3に記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0239】
[A5]前記有機膜(14)は、透明樹脂膜(15、16)を含み、前記第1無機膜(21)は、前記透明樹脂膜(15、16)を被覆している、A2~A4のいずれか一つに記載の電子部品。
【0240】
[A6]前記壁面(31、31A~31D)は、平面視において第1方向(X)に延びる第1壁面(31、31A、31C)、および、平面視において前記第1方向(X)に交差する第2方向(Y)に延びる第2壁面(31、31B、31D)を含み、前記第1壁面(31、31A、31C)は、平面視において、前記第2方向(Y)の一方側に窪んだ第1リセス部(32)および前記第2方向(Y)の他方側に突出した第1突出部(33)を有し、前記第2壁面(31、31B、31D)は、平面視において、前記第1方向(X)の一方側に窪んだ第2リセス部(34)および前記第1方向(X)の他方側に突出した第2突出部(35)を有している、A1~A5のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0241】
[A7]前記第1壁面(31、31A、31C)は、前記第1リセス部(32)によって形成された端部を有し、前記第2壁面(31、31B、31D)は、前記第2リセス部(34)によって形成され、前記第1壁面(31、31A、31C)の前記端部に接続された端部を有している、A6に記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0242】
[A8]前記壁面(31、31A~31D)は、平面視において一定の波長(L1、L2)を有している、A1~A7のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0243】
[A9]前記壁面(31、31A~31D)は、平面視において一定の波幅(W1、W2)を有している、A1~A8のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0244】
[A10]前記第2無機膜(22)は、前記第1無機膜(21)よりも厚い、A1~A9のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0245】
[A11]前記第2無機膜(22)は、1μm以上15μm以下の厚さを有している、A1~A10のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0246】
[A12]前記第2無機膜(22)は、前記開口(30)の周囲に位置する部分おいて前記開口(30)に向けて膜厚が漸減する膜厚漸減部(36)を含む、A1~A11のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0247】
[A13]前記第2無機膜(22)は、複数の無機膜を含む積層構造を有している、A1~A12のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0248】
[A14]前記第2無機膜(22)は、酸化シリコン膜および酸化チタン膜を含む積層構造を有している、A1~A13のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0249】
[A15]前記第2無機膜(22)は、光学フィルタ膜として形成されている、A1~A14のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0250】
[A16]前記第2無機膜(22)は、前記壁面(31、31A~31D)を区画する部分において前記第1無機膜(21)とは反対側に向けて突出した突起部(62)を含む、A1~A15のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)。
【0251】
[A17]第1無機膜(21)を部分的に被覆するように平面視において波線状に湾曲した側壁(51、51A~51D)を有するレジスト膜(50)を形成する工程と、前記レジスト膜(50)の前記側壁(51、51A~51D)の少なくとも一部を露出させるように前記第1無機膜(21)および前記レジスト膜(50)を被覆する第2無機膜(22)を形成する工程と、前記レジスト膜(50)を除去することにより、平面視で波線状に湾曲した壁面(31、31A~31D)を有し、前記第1無機膜(21)を部分的に露出させる開口(30)を前記第2無機膜(22)に形成する工程と、を含む、電子部品(1A、1B、1C)の製造方法。
【0252】
[A18]前記レジスト膜(50)の除去工程は、前記レジスト膜(50)をレジスト剥離液に浸漬する工程を含む、A17に記載の電子部品(1A、1B、1C)の製造方法。
【0253】
[A19]前記レジスト膜(50)の除去工程は、前記レジスト膜(50)に超音波を付与する工程を含む、A17またはA18に記載の電子部品(1A、1B、1C)の製造方法。
【0254】
[A20]有機膜(14)の上に前記第1無機膜(21)を形成する工程をさらに含む、A17~A19のいずれか一つに記載の電子部品(1A、1B、1C)の製造方法。
【0255】
以上、実施形態について詳細に説明してきたが、これらは技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0256】
1A 電子部品
1B 電子部品
1C 電子部品
2 チップ
7 受光デバイス
7A 第1受光デバイス
7B 第2受光デバイス
7C 第3受光デバイス
7D 第4受光デバイス
9 層間絶縁膜
14 有機膜
15 カラーフィルタ膜
15A 第1カラーフィルタ膜
15B 第2カラーフィルタ膜
15C 第3カラーフィルタ膜
15D 第4カラーフィルタ膜
16 クリアフィルタ膜
21 第1無機膜
22 第2無機膜
30 開口
31A 第1壁面
31B 第2壁面
31C 第3壁面
31D 第4壁面
32 第1リセス部
33 第1突出部
34 第2リセス部
35 第2突出部
36 膜厚漸減部
50 レジスト膜
51A 第1レジスト側壁
51B 第2レジスト側壁
51C 第3レジスト側壁
51D 第4レジスト側壁
62 突起部
63 機能デバイス
L1 第1波長
L2 第2波長
W1 第1波幅
W2 第2波幅
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21