(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182213
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/54 20140101AFI20231219BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231219BHJP
A63F 13/87 20140101ALI20231219BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/79 500
A63F13/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095687
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、仮想空間における、第1位置を取得する。第1位置は、第1ユーザによって操作される第1キャラクタの位置である。第1ユーザからの第1指示に応じて仮想空間における特別位置を特定する。特別位置は、第1キャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置である。第1ユーザからの第2指示に応じて、特別位置に関連付けられた所定音を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
仮想空間における、第1位置を取得し、ここで前記第1位置は、第1ユーザによって操作される第1キャラクタの位置で、
前記第1ユーザからの第1指示に応じて前記仮想空間における特別位置を特定し、ここで前記特別位置は、前記第1キャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置であり、
前記第1ユーザからの第2指示に応じて、前記特別位置に関連付けられた所定音を出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記仮想空間における、第2位置を取得し、ここで前記第2位置は、第2ユーザによって操作される第2キャラクタの位置で、
前記第1ユーザからの前記所定音の入力を受け付け、
位置関係に応じて、前記第2ユーザに対する前記所定音の出力を制御し、ここで前記位置関係は、前記特別位置が特定されていない場合、前記第1位置と前記第2位置との関係であり、前記特別位置が特定されている場合、前記特別位置と前記第2位置との関係である、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1ユーザが前記仮想空間における前記オブジェクトを指定することによって、前記特別位置を特定する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1ユーザが前記仮想空間における前記オブジェクトに含まれる座標を指定することによって、前記特別位置を特定する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特別位置は、前記第1ユーザの操作によって制御可能ではないノンプレイヤキャラクタの位置であり、
前記制御部は、
前記第1ユーザの前記第2指示に応じて、前記ノンプレイヤキャラクタに関連付けられた前記所定音を出力し、
前記第1位置と前記特別位置との位置関係に応じて、前記第1ユーザに対する前記所定音の出力を制御する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特別位置は、前記第1位置となったことがない場所である、
情報処理システム。
【請求項7】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
情報処理方法であって、
請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には下記のビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラムが開示されている。
【0003】
このビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラムでは、キャラクタが仮想空間を移動する様子を表示装置の表示画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置が、所定の基準位置からビデオゲームの進行に応じて特定される目的位置までの距離を含む位置関係を特定し、距離が所定の最大距離を超えているか否かを判定し、特定した位置関係を示す位置関係画像を生成し、生成した位置関係画像を表示画面に表示し、基準位置から目的位置までの距離が最大距離を超えていると判定した場合、特定した距離を最大距離に置換して位置関係画像を生成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術には、音によりゲームの状況をユーザに認知させることについて開示されていない。
【0006】
本開示では上記事情を鑑み、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、仮想空間における、第1位置を取得する。第1位置は、第1ユーザによって操作される第1キャラクタの位置である。第1ユーザからの第1指示に応じて仮想空間における特別位置を特定する。特別位置は、第1キャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置である。第1ユーザからの第2指示に応じて、特別位置に関連付けられた所定音を出力する。
【0008】
本開示によれば、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図4】トップ画面U1からボイスチャット設定画面U2へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
【
図5】ボイスチャット設定画面U2から通常状態設定画面U3へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
【
図6】ボイスチャット設定画面U2から特別状態設定画面U4へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
【
図7】トップ画面U1からクエスト設定画面U5へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
【
図8】クエスト設定画面U5からマッチング画面U6へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
【
図13】
図12において特別位置が特定されるときの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0015】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0016】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0017】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。従って、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0019】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよび音出力部4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、
図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、音出力部4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび入力部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび入力部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDB221の少なくとも一部の情報である。ユーザDB221でユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御および音出力部4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、音出力部4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これを音出力部4bから出力させる。なお、本開示において、音出力部4bは、音像定位により生成した音源から音を出力可能なデバイスであればよい。音出力部4bは、例えば、スピーカ、ヘッドホン等である。「音像定位」とは、ある空間においてユーザが方向と距離を感じられるような音源(これを音像という)を生成することである。入力部34cは、入力デバイス4cと接続され、入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード、マイク等の総称である。また、マイクとしての入力デバイス4cを使用する場合、ユーザからの音声がマイクを介してゲーム装置3への信号として入力される。
【0034】
2.2 機能構成
続いて、
図2を参照して、情報処理システム1の各機能構成について説明する。
【0035】
<情報処理装置2>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、情報送受信部230、表示制御部231、ゲーム設定部232、ゲーム制御部233、位置取得部234、位置特定部235および音声制御部236として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0036】
情報送受信部230は、通信ネットワーク11および通信部21を介して、種々の情報をゲーム装置3から受け付け、または取得するように構成される。また、情報送受信部230は、通信部21および通信ネットワーク11を介して、種々の情報をゲーム装置3に送信または出力するように構成される。
【0037】
表示制御部231は、表示情報を生成するように構成される。ここで「表示情報」とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものだけでなく、表示させるためのレンダリング情報を含む概念である。
【0038】
ゲーム設定部232は、ゲームの設定を変更するように構成される。
【0039】
ゲーム制御部233は、ゲームの進行を制御するように構成される。
【0040】
位置取得部234は、仮想空間における、キャラクタの位置を取得するように構成される。
【0041】
位置特定部235は、仮想空間における、特別位置LSを特定するように構成される。ここで「特別位置」とは、プレイヤが操作するキャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置である。「第3位置」とは、環境音の音源となる位置である。
【0042】
音声制御部236は、入力デバイス4cを介して、ユーザからの音声情報の入力を受け付ける。ここで「音声情報」とは、ユーザが発する音声の情報である。また、音声制御部236は、音情報を生成し、音出力部4bから音像定位した音情報を出力するように構成される。ここで「音情報」とは、ユーザが聴覚により識別可能な音の情報である。ユーザは、音像定位した音情報により、仮想空間における、音が発せられた方位または位置を知覚することができる。
【0043】
情報送受信部230、表示制御部231、ゲーム設定部232、ゲーム制御部233、位置取得部234、位置特定部235および音声制御部236については後に詳述する。
【0044】
3.情報処理システム1の動作の流れ
情報処理システム1で実行される好ましいゲームの一例として、FPS(First-Person Shooter)のゲームを例に挙げて説明する。本実施形態のFPSのゲームは、複数のプレイヤのそれぞれが、銃を使用するキャラクタを操作し、協力して敵キャラクタを倒していくゲームである。実施形態の一例として、ゲーム装置3は、タブレット端末であるものとして説明をする。従って、以下の例においては、ディスプレイ4aは入力デバイス4cを含むものとする。
【0045】
本開示において、通信ネットワーク11、通信部21、通信部31および入力デバイス4cに関連する情報処理を省略して記載することがある。例えば、制御部33がユーザによる入力デバイス4cへの操作を介して所定の入力を受け付けることを、単に制御部33がユーザから所定の入力を受け付けると省略して記載することがある。また、情報送受信部230が通信部21と通信ネットワーク11と通信部31とを介して、ゲーム装置3に所定の情報を送信することを、単に情報送受信部230が所定の情報をゲーム装置3に送信すると省略して記載することがある。また、情報送受信部230が通信部21と通信ネットワーク11と通信部31とを介して、ゲーム装置3から所定の情報を受信することを、単に制御部23が所定の情報をゲーム装置3から受信すると省略して記載することがある。制御部33が通信部31と通信ネットワーク11と通信部21とを介して、情報処理装置2と情報を送受信する場合についても同様である。
【0046】
本開示において、ディスプレイ4aに情報を表示させる情報処理について、単に制御部33がある情報をディスプレイ4aに表示させるものとして説明することがある。また、間接的には表示制御部231がある情報をディスプレイ4aに表示させるため、単に表示制御部231がある情報をディスプレイ4aに表示させるものとして説明することがある。その場合、例えば次に説明するような情報処理が実行されている。例えば、制御部33は、ユーザによる画面の状態を変化させる指示を受け付ける。制御部33は、その指示に基づいて表示情報を生成する。制御部33は、生成した表示情報に基づいて、ディスプレイ4aへの表示を制御する。また、他の例として、制御部33は、ユーザによる画面に情報を表示させるための指示をユーザから受け付ける。制御部33は、その指示を情報処理装置2に送信する。情報送受信部230は、その指示をゲーム装置3から受信する。表示制御部231は、その指示に基づいて表示情報を生成する。情報送受信部230は、生成した表示情報をゲーム装置3に送信する。制御部33は、生成した表示情報を情報処理装置2から受信する。制御部33は、生成した表示情報に基づいて、ディスプレイ4aへの表示を制御する。
【0047】
本開示において、ゲーム装置3-1は、プレイヤP1が操作するゲーム装置3である。ゲーム装置3-1は、通信バス30-1と、通信部31-1と、記憶部32-1と、制御部33-1と、グラフィック処理部34a-1と、オーディオ処理部34b-1と、入力部34c-1とを備える。また、ゲーム装置3-1は、ディスプレイ4a-1と、音出力部4b-1と、入力デバイス4c-1と通信可能に接続されている。ゲーム装置3-2は、他プレイヤP2が操作するゲーム装置3である。ゲーム装置3-2もゲーム装置3-1と同様の構成を備え、同様の装置と通信可能に接続されている。ゲーム装置3-1と識別するために、ゲーム装置3-2の各構成およびゲーム装置3-2に接続される各装置の番号には「-2」が付される。例えば、ゲーム装置3-2の制御部33は、「制御部33-2」と称される。ここでプレイヤP1は、第1ユーザの一例である。また、他プレイヤP2は、第2ユーザの一例である。第1ユーザおよび第2ユーザは、それぞれユーザの一例である。
【0048】
3.1 情報処理の概要
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0049】
(アクティビティA1)
まず、制御部23は、ユーザアカウントの認証処理を実行する。例えば、制御部33-1は、プレイヤP1からアカウント情報の入力を受け付ける。次に制御部33-1は、アカウント情報を情報処理装置2に送信する。次に制御部23は、アカウント情報をゲーム装置3-1から受信する。次に制御部23は、受信したアカウント情報と、記憶部22に記憶されているプレイヤP1のアカウント情報とが一致するか否かを判定する。アカウント情報が一致している場合、制御部23は、ユーザアカウントの認証処理を完了させる。その後、表示制御部231は、トップ画面U1をディスプレイ4a-1に表示させる。
【0050】
(アクティビティA2)
続いて、制御部33-1は、プレイヤP1による入力デバイス4c-1への操作を介して、所定の入力を受け付ける。次に制御部33-1は、所定の入力に関する情報を情報処理装置2に送信する。次に情報送受信部230は、所定の入力に関する情報をゲーム装置3-1から受け付ける。ここで所定の入力が、ボイスチャットの設定に関する入力であった場合、制御部23は、アクティビティA3に処理を進める。また、所定の入力がクエストに関する入力であった場合、制御部23は、アクティビティA4に処理を進める。ここで「クエスト」とは、ゲーム内で達成すべき課題や条件などが関連付けられたゲームコンテンツである。クエストには、そのクリア条件が設定されている。ユーザのゲーム行動によりクエストのクリア条件が達成されるとユーザに所定の報酬が付与される。なお、クエストにはクリア条件以外の課題(いわゆるミッション)が関連付けられていてもよい。当該ミッションを達成しつつクリア条件を満足することで、ユーザにはクリア報酬に加えてミッションクリア報酬が付与される。
【0051】
(アクティビティA3)
続いて、ゲーム設定部232は、受け付けたボイスチャットの設定に関する入力結果に応じて、ボイスチャットの設定を変更する。ボイスチャットの設定には、例えば、他プレイヤP2の声に音像定位を適用するか否かの設定、どのような状況で音像定位を適用するかの設定、他プレイヤP2の声と共に環境音を聞こえるようにするか否かの設定等がある。ここで「環境音」とは、ゲーム内のオブジェクトから発せられる音である。環境音は、例えば、第1キャラクタC1または第2キャラクタC2が道具を使用したときに道具から発せられる音、足音等の地形オブジェクトとの接触により発せられる音、川の流れる音等の地形オブジェクト自体から発せられる音、敵オブジェクトから発せられる鳴き声が挙げられる。また、環境音は、ゲームのBGM(Background Music)を含まなくてもよい。他の観点によると、ゲーム設定部232は、ボイスチャットの際の他プレイヤP2からの聞こえ方または他プレイヤP2への伝え方に関する設定を変更する。環境音は、第3音の一例である。
【0052】
(アクティビティA4)
続いて、ゲーム設定部232は、受け付けたクエストに関する入力に基づいて、クエストの条件を設定する。ここで受け付け可能なクエストに関する入力として、例えば、プレイするクエストを特定するためのクエスト選択ボタンO60(
図7参照)の操作、他プレイヤP2とのマッチング条件に関するマッチング条件ボタンO61(
図7参照)の操作等の入力である。ここで「マッチング条件」とは、他のプレイヤと一緒にクエストをプレイするにあたって、他のプレイヤを選定するためのゲームの設定に関する条件である。
【0053】
(アクティビティA5)
続いて、プレイヤP1からのマッチング開始ボタンO62(
図7参照)の押下を受け付けることに応じて、制御部33-1は、マッチング開始の要求の入力を受け付ける。次に制御部33-1は、マッチング開始の要求を情報処理装置2に送信する。次に情報送受信部230は、マッチング開始の要求をゲーム装置3-1から受け付ける。マッチング開始の要求を受け付けた場合、ゲーム設定部232は、マッチング処理を開始する。「マッチング処理」とは、あるユーザのゲームの設定が他のユーザのマッチング条件を満たす場合に、そのプレイヤ同士を優先的にマッチングさせる処理である。マッチング処理の実行中において、表示制御部231は、ディスプレイ4aにマッチング画面U6を表示させる。ゲーム設定部232は、マッチング処理の終了の条件を満たしたと判定した場合、マッチング処理を終了する。マッチング処理の終了の条件は、例えば、所定の時間が経過した場合、所定の人数の他プレイヤP2がマッチングにより揃った場合、またはプレイヤP1から挑戦ボタンO70(
図8参照)の押下によりマッチング処理の終了の指示を受け付けた場合等が挙げられる。
【0054】
(アクティビティA6)
続いて、マッチング処理が終了した場合、ゲーム制御部233は、クエストを開始する。クエストの進行中において、音声制御部236は、入力デバイス4c-1を介して、プレイヤP1からの音声の入力を受け付け可能である。プレイヤP1からの音声の入力を受け付けた場合、音声制御部236は、音声に基づいて音情報を生成し、生成した音情報を音像定位した状態で他プレイヤP2の音出力部4b-2に出力する。
【0055】
(アクティビティA7)
続いて、位置取得部234は、仮想空間における、第1位置L1および第2位置L2を取得する。ここで、第1位置L1は、プレイヤP1によって操作される第1キャラクタC1の位置である。また、第2位置L2は、他プレイヤP2によって操作される第2キャラクタC2の位置である。他プレイヤP2は、複数人いることがある。その場合、位置取得部234は、複数人の他プレイヤP2それぞれの第2キャラクタC2に対応する、複数の第2位置L2をそれぞれ取得する。
【0056】
(アクティビティA8)
続いて、ゲーム制御部233は、クエスト内指示を受け付ける。ここで「クエスト内指示」とは、クエストの実行中におけるプレイヤP1からの指示である。クエスト内指示は、第1指示と第2指示とを含む。「第1指示」とは、特別位置LSを特定に関する指示である。「第2指示」とは、音情報を出力に関する指示である。受け付けたクエスト内指示が第1指示である場合、ゲーム制御部233は、アクティビティA9に処理を進める。受け付けたクエスト内指示が第2指示である場合、ゲーム制御部233は、特別位置LSの指定がされているか否かを判定する。特別位置LSの指定がされている場合は、ゲーム制御部233は、アクティビティA10に処理を進める。特別位置LSの指定がされていない場合は、ゲーム制御部233は、アクティビティA11に処理を進める。
【0057】
(アクティビティA9)
続いて、アクティビティA8にて第1指示を受け付けた場合、位置特定部235は、プレイヤP1からの第1指示に応じて仮想空間における特別位置LSを特定する。他の観点によると、位置特定部235は、プレイヤP1が仮想空間におけるオブジェクトを指定することによって、特別位置LSを特定する。
【0058】
(アクティビティA10)
続いて、アクティビティA8にて特別位置LSが特定されている状態で第2指示を受け付けた場合、音声制御部236は、プレイヤP1からの第2指示に応じて、特別位置LSから音像定位した音情報を、音出力部4b-2を用いて出力する。具体的な例として、音声制御部236は、入力デバイス4cを介して、プレイヤP1からの音声の入力を受け付ける。音声制御部236は、特別位置LSと第2位置L2との位置関係に応じて音像定位した音情報を、音出力部4b-2から出力する。
【0059】
(アクティビティA11)
続いて、アクティビティA8にて特別位置LSが特定されていない状態で第2指示を受け付けた場合、音声制御部236は、第1位置L1と第2位置L2との位置関係に応じて、他プレイヤP2に対する音情報の出力を制御する。具体的な例として、音声制御部236は、入力デバイス4cを介して、プレイヤP1からの音声の入力を受け付ける。音声制御部236は、第1位置L1と第2位置L2との位置関係に応じて音像定位した状態で、他プレイヤP2の音出力部4b-2からの音情報の出力を制御する。
【0060】
(アクティビティA12)
また、ゲーム制御部233は、アクティビティA7~A11の実行中においてクエスト終了条件を満たすか否かを判定する。クエスト終了条件を満たしたとき、ゲーム制御部233は、クエストを終了する。「クエスト終了条件を満たすとき」とは、クエストにおいてある条件を満たしたときである。例えば、クエストにおいてプレイヤが全員キルされたとき、クエストにおいてターゲットの敵プレイヤを撃破したとき、クエストにおいて制限時間に到達したとき等である。
【0061】
(アクティビティA13)
最後に、表示制御部231は、クエストのリザルトに関する表示情報を生成する。グラフィック処理部34a-1は、クエストのリザルトに関する表示情報に基づいて、リザルトに関する画面をディスプレイ4a-1に表示させる。また、ゲーム制御部233は、クエストの結果に応じた報酬をプレイヤP1および他プレイヤP2に付与する。その後、ゲーム制御部233は、クエストを終了する。
【0062】
以上をまとめると、情報処理システム1が実行する、この情報処理方法は、仮想空間における、第1位置を取得する。第1位置は、第1ユーザによって操作される第1キャラクタの位置である。情報処理方法は、第1ユーザからの第1指示に応じて仮想空間における特別位置を特定する。特別位置は、第1キャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置である。情報処理方法は、第1ユーザからの第2指示に応じて、特別位置に関連付けられた所定音を出力する。
【0063】
以上によれば、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる。また、本開示における情報処理が比較的シンプルな動作により実行されるため、情報処理装置2およびゲーム装置3のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。さらに、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置またはコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0064】
3.2 情報処理の詳細
続いて、情報処理の詳細について説明をする。まず、
図4~
図8を用いて、コンテンツの開始までに表示される画面の情報の詳細を説明する。以下で説明する情報処理は、主としてプレイヤP1の操作により行われる処理であるものとして説明される。他プレイヤP2の同様の操作により同様の処理が行われているものとしてもよい。
【0065】
まずは、
図4のトップ画面U1について説明する。
図4は、トップ画面U1からボイスチャット設定画面U2へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
図3のアクティビティA1のユーザアカウントの認証処理が行われることにより、
図4のトップ画面U1が表示される。表示制御部231は、設定ボタンO14の押下を受け付けたことに応じて、ボイスチャット設定画面U2をディスプレイ4a-1に表示させる。トップ画面U1は、ゲーム内の種々の機能をプレイヤP1に提供するための画面である。
図4のトップ画面U1は、使用キャラクタ領域R1と、ガチャボタンO10と、編成ボタンO11と、クエストボタンO12と、対戦ボタンO13と、設定ボタンO14とを含む。
【0066】
使用キャラクタ領域R1は、クエスト内でプレイヤP1が操作するキャラクタが表示される領域である。ガチャボタンO10は、ガチャの実行に関する画面を表示させるボタンである。編成ボタンO11は、プレイヤP1が操作するキャラクタの設定に関する画面を表示させるボタンである。キャラクタの設定に関する画面の操作結果に応じて、表示制御部231は、使用キャラクタ領域R1を変更して表示させる。クエストボタンO12は、クエストの実行に関する画面を表示させるボタンである。対戦ボタンO13は、他のユーザとの対戦に関する画面を表示させるボタンである。設定ボタンO14は、ボイスチャットの設定に関する画面を表示させるボタンである。プレイヤP1からいずれかのボタンの押下を受け付けることに応じて、表示制御部231は、各ボタンに対応する画面をディスプレイ4a-1に表示させる。
【0067】
続いて、
図4のボイスチャット設定画面U2について説明する。
図3のアクティビティA2のボイスチャットの設定に関する要求の入力が行われることにより、
図4のボイスチャット設定画面U2が表示される。ボイスチャット設定画面U2は、ボイスチャットの設定の変更に関する画面である。
図4のボイスチャット設定画面U2は、通常状態設定ボタンO20と、特別状態設定ボタンO21と、位置指定オブジェクトO22とを含む。通常状態設定ボタンO20は、通常状態のボイスチャットの設定に関する画面を表示させるボタンである。特別状態設定ボタンO21は、特別状態のボイスチャットの設定に関する画面を表示させるボタンである。他の観点によると、ゲーム設定部232は、通常状態の場合と、特別状態の場合とのボイスチャットの設定を別々に変更する。
【0068】
ここで「特別状態」とは、クエストの実行中に、ユーザに音像定位を適用する条件を満たしているときまたは状態である。特別状態の例として、あるユーザが危険な状況にあるとき、あるユーザが特定のオブジェクトを指定したとき、あるユーザがそのタイミングにおいて音像定位を適用する指示を出したとき、あるユーザがあるキーワードを発したとき等が少なくとも含まれる。ゲーム設定部232は、プレイヤP1からの指示に基づいて、プレイヤP1に音像定位を適用する条件を設定する。また、ゲーム設定部232は、他プレイヤP2からの指示に基づいて、他プレイヤP2に音像定位を適用する条件を設定する。また、ここで「通常状態」とは、クエストの実行中に、特別状態ではないときまたは状態である。
【0069】
位置指定オブジェクトO22は、位置指定設定を変更するためのオブジェクトである。ゲーム設定部232は、プレイヤP1による位置指定オブジェクトO22の選択を受け付けることに応じて、位置指定設定をオンからオフに、またオフからオンに切り替える。ここで「位置指定設定」とは、プレイヤP1が位置を指定した状態で入力デバイス4c-1から音声を入力した場合、音出力部4b-2を用いて、その指定された位置から音像定位した音情報を出力するための設定である。
【0070】
図5は、ボイスチャット設定画面U2から通常状態設定画面U3へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
図5に示すように、表示制御部231は、通常状態設定ボタンO20の押下を受け付けることに応じて、通常状態設定画面U3をディスプレイ4aに表示させる。通常状態設定画面U3は、通常状態のボイスチャットの設定の変更に関する画面である。
【0071】
本開示の各チェックボックスについて、ユーザから任意のチェックボックスの選択を受け付けることに応じて、ゲーム設定部232は、そのチェックボックスに紐づく設定を適用する状態から適用しない状態へ、または適用しない状態から適用する状態へと設定を変更する。
【0072】
図5の通常状態設定画面U3は、音像定位チェックボックスO30と、環境音チェックボックスO31と、音量調整チェックボックスO32とを含む。音像定位チェックボックスO30は、通常状態にて、音像定位に関する設定を変更するためのチェックボックスである。音像定位の設定を、通常状態はオフとし、特別状態の音像定位の設定をオンとすることにより、プレイヤP1は、通常状態と特別状態とを区別した状態で他プレイヤP2からの音情報を聞き取ることができる。
【0073】
環境音チェックボックスO31は、通常状態にて、ユーザの音声と共に環境音の送信および取得をするか否かの設定を変更するためのチェックボックスである。音量調整チェックボックスO32は、通常状態にて、ユーザの音声と共に、送信および取得をする環境音の音量を調整するか否かの設定を変更するためのチェックボックスである。通常状態は環境音を、オフにした状態でまたは小さくすることにより、プレイヤP1が他プレイヤP2からの音声をクリアにした状態で聞き取ることができる。
【0074】
図6は、ボイスチャット設定画面U2から特別状態設定画面U4へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。
図6に示すように、表示制御部231は、特別状態設定ボタンO21の押下を受け付けることに応じて、特別状態設定画面U4をディスプレイ4aに表示させる。特別状態設定画面U4は、特別状態のボイスチャットの設定の変更に関する画面である。
【0075】
図6の特別状態設定画面U4は、音質設定領域R2と、自分条件領域R3と、相手条件領域R4とを含む。音質設定領域R2は、特別状態の音質に関する設定を変更するための領域である。音質設定領域R2は、音像定位チェックボックスO40と、環境音チェックボックスO41と、音量調整チェックボックスO42と、を含む。
【0076】
音像定位チェックボックスO40は、特別状態にて、音像定位を適用するか否かの設定を変更するためのチェックボックスである。環境音チェックボックスO41は、特別状態にて、ユーザの音声と共に環境音の送信および取得をするか否かの設定を変更するためのチェックボックスである。音量調整チェックボックスO42は、特別状態にて、ユーザの音声と共に、送信および取得をする、環境音の音量を調整するか否かの設定を変更するためのチェックボックスである。
【0077】
自分条件領域R3は、プレイヤP1の特別状態を定義するための領域である。自分条件領域R3は、自分状況チェックボックスO50と、危険状態チェックボックスO51と、特定物発見チェックボックスO52と、キーワード設定チェックボックスO53とを含む。
【0078】
自分状況チェックボックスO50は、プレイヤP1の状況の中に、特別状態を設けるか否かを変更するためのチェックボックスである。自分状況チェックボックスO50にチェックが入っている状態の場合、表示制御部231は、自分状況チェックボックスO50に従属する各チェックボックスO51~O53の選択が可能となるように表示させる。
【0079】
危険状態チェックボックスO51は、第1キャラクタC1が危険な状態となった状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。特定物発見チェックボックスO52は、プレイヤP1が特定物を発見した状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。特定物は、例えば、特定の敵オブジェクトまたはアイテム等である。
【0080】
キーワード設定チェックボックスO53は、プレイヤP1が特定のキーワードを発した状態となった状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。ここで、特定のキーワードは、プレイヤP1が任意に設定することができる。ここで設定されるキーワードは、「あれ」、「これ」等の指示語とみなされるものを設定してもよいし、「ぎゃー」、「わー」等の叫び声とみなされるものを設定してもよいし、合言葉等の任意のキーワードを設定してもよい。
【0081】
相手条件領域R4は、他プレイヤP2の特別状態を定義するための領域である。相手条件領域R4は、相手状況チェックボックスO54と、相手手動チェックボックスO55と、危険状態チェックボックスO56と、特定物発見チェックボックスO57と、キーワード設定チェックボックスO58とを含む。
【0082】
相手状況チェックボックスO54は、他プレイヤP2の状況の中に、特別状態を設けるか否かを変更するためのチェックボックスである。相手状況チェックボックスO54がチェックの状態の場合、表示制御部231は、相手状況チェックボックスO54に従属する各チェックボックスO55~O58の選択が可能となるように表示させる。
【0083】
相手手動チェックボックスO55は、任意のタイミングでの他プレイヤP2からの指示があった状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。危険状態チェックボックスO56は、第2キャラクタC2が危険な状態となった状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。
【0084】
特定物発見チェックボックスO57は、他プレイヤP2が特定物を発見した状況を特別状態とするか否かを設定するためのチェックボックスである。キーワード設定チェックボックスO58は、他プレイヤP2が特定のキーワードを発した場合に他プレイヤP2からの声を音像定位で出力させるか否かを切り替えるためのチェックボックスである。特定のキーワードについては、キーワード設定チェックボックスO53と同様である。
【0085】
図7は、トップ画面U1からクエスト設定画面U5へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。表示制御部231は、クエストボタンO12の押下を受け付けたことに応じて、クエスト設定画面U5をディスプレイ4aに表示させる。クエスト設定画面U5は、クエストの設定の変更に関する画面である。
図7のクエスト設定画面U5は、クエスト選択ボタンO60と、マッチング条件ボタンO61と、マッチング開始ボタンO62とを含む。
【0086】
クエスト選択ボタンO60は、プレイヤP1がプレイするクエストを選択するためのボタンである。プレイヤP1からクエスト選択ボタンO60の操作を受け付けることに応じて、ゲーム設定部232は、クエスト選択ボタンO60の操作結果に応じてプレイするクエストを変更する。マッチング条件ボタンO61は、マッチング条件を指定するためのボタンである。マッチング条件の例として、他プレイヤP2のゲーム内のランクに関する条件、他プレイヤP2の音像定位の適用の有無といった音像定位の設定に関する条件等がある。
【0087】
マッチング開始ボタンO62は、マッチングの開始を実行するためのボタンである。プレイヤP1からマッチング開始ボタンO62の押下を受け付けることに応じて、ゲーム設定部232は、マッチング条件に基づいて、マッチング処理を開始する。ゲーム設定部232は、第1条件および第2条件の設定を特定する。ここで「第2条件」とは、他プレイヤP2が特別状態となるための条件であり、他プレイヤP2によって設定される。第2条件は、他プレイヤP2が自分条件領域R3を用いて設定した他プレイヤP2の状況に関する条件を含む。また、第2条件は、他プレイヤP2が相手条件領域R4を用いて設定したプレイヤP1の状況に関する条件を含む。他の観点によると、第2条件は、プレイヤP1から音情報の入力を受け付けたときの、音像定位した態様で音情報を他プレイヤP2に対して出力する場合の条件である。音情報は、第2音の一例である。すなわち、ゲーム設定部232は、他プレイヤP2が特別状態となる条件を他プレイヤP2による入力に基づいて設定する。
【0088】
マッチング処理において、ゲーム制御部233は、第1条件の設定と第2条件の設定とに基づいて、第1ユーザと第2ユーザとをマッチングし、仮想空間に関連付ける。具体的な例として、ゲーム制御部233は、プレイヤP1がマッチング条件ボタンO61により指定したマッチング条件と第2条件とが近いか否か判定する。また、ゲーム制御部233は、他プレイヤP2がマッチング条件ボタンO61により指定したマッチング条件と第1条件とが近いか否かを判定する。ゲーム制御部233は、これらの判定に基づいて、プレイヤP1と他プレイヤP2とをマッチングする。ゲーム制御部233は、マッチングした、プレイヤP1の第1キャラクタC1と他プレイヤP2の第2キャラクタC2とを、仮想空間に関連付ける。これにより、ゲームの設定が近いユーザ同士でマッチングすることができるため、ユーザのゲームへの興趣性を更に向上させることが可能となる。
【0089】
図8は、クエスト設定画面U5からマッチング画面U6へ画面を遷移させるときの一例を示す図である。表示制御部231は、マッチング開始ボタンO62の押下を受け付けたことに応じて、マッチング画面U6をディスプレイ4a-1に表示させる。マッチング画面U6は、マッチングの状況に関する画面である。マッチング画面U6は、プレイヤ情報領域R5、R6と、挑戦ボタンO70と、解散ボタンO71とを含む。プレイヤ情報領域R5は、自分のキャラクタに関する情報と、自分の音像定位の設定に関する情報とが表示される領域である。プレイヤ情報領域R6は、マッチングした他人のキャラクタに関する情報と、マッチングした他人の音像定位に関する設定とが表示される領域である。表示制御部231は、マッチングした他プレイヤP2を特定するための情報をプレイヤ情報領域R6に表示させる。
図8において、プレイヤ2とプレイヤ3とが音像定位の設定をオンにしており、プレイヤ4が音像定位の設定をオフにしている。
【0090】
また、ユーザが音像定位の設定に関する条件をマッチング条件に設定していない場合において、表示制御部231は、マッチング画面U6において音像定位の適用をオンにしているユーザとオフにしているユーザとを識別可能に表示させてもよい。表示制御部231は、音像定位を適用するユーザと、音像定位を適用しないユーザとの両方がいる場合、音像定位を適用しないユーザのディスプレイ4a-1に対して、「音像定位の設定をオンにしませんか?」等の音像定位の設定の変更を促す情報を表示させてもよい。これにより、マッチングしたユーザに合わせて設定を変更した状態でユーザがゲームを遊ぶことができるため、ユーザのゲームへの興趣性を更に向上させることが可能となる。
【0091】
挑戦ボタンO70は、クエストを開始させるためのボタンである。解散ボタンO71は、マッチングを中止するためのボタンである。挑戦ボタンO70が押下されたことに応じて、ゲーム制御部233は、クエストを開始する。ゲーム制御部233は、
図9~
図11に示すようなプレイイメージにて、FPSゲームを実行する。
【0092】
次に
図9~
図11を用いて、FPSゲームのプレイイメージを説明する。
図9は、本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
図9では、プレイヤP1と他プレイヤP2とが協力してクエストを実行しており、プレイヤP1が特別位置LSを特定した状態で音声情報V1としての音声を発している。プレイヤP1および他プレイヤP2は、FPSゲームをプレイするユーザである。プレイヤP1および他プレイヤP2は、ユーザの一例である。
【0093】
図9では、位置特定部235は、プレイヤP1が銃の照準により仮想空間における地形オブジェクトを指定することによって、特別位置LSを特定する。銃の照準により仮想空間における地形オブジェクトを指定することは、第1指示の一例である。音声制御部236は、プレイヤP1からの音声情報V1の入力を受け付ける。特別位置LSが特定されている場合、音声制御部236は、特別位置LSと第2位置L2との位置関係に応じて、他プレイヤP2に対する音情報S1の出力を制御する。他の観点によると、音声制御部236は、特別位置LSが特定されている間、プレイヤP1からの音声情報V1に応じて、特別位置LSから音像定位した音情報S1を、音出力部4b-2から出力する。ここで、特別位置LSが特定されている間とは、例えば、プレイヤP1が特定のボタンを押している間、銃の照準またはマップにより位置またはオブジェクトを指定している間等であってもよい。プレイヤP1からの音声情報V1の入力の受け付けは、第2指示の一例である。ここで音情報S1の内容は、音声情報V1の内容に対応する。
【0094】
位置特定部235は、具体的には例えば次の方法により、銃の照準により仮想空間におけるオブジェクトを指定する。例えば、位置特定部235は、ある一定時間、ある位置に銃の照準が留まっていた場合に照準の色を変化させ、その照準がとどまっていた位置を特別位置LSとする。例えば、位置特定部235は、ある位置に銃の照準が留まっており、かつ、特別位置LSを特定するためのボタンが長押しされていた場合、その銃の照準が留まっていた位置を特別位置LSとする。例えば、位置特定部235は、特別位置LSを特定するためのボタンが押された時、その銃の照準が指定していた位置を特別位置LSとする。
【0095】
図10は、本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
図10では、
図9と比較して、特別位置LSが特定されていない状態でプレイヤP1が音声情報V2を発している。音声制御部236は、プレイヤP1からの音声情報V1の入力を受け付ける。特別位置LSが特定されていない場合、音声制御部236は、第1位置L1と第2位置L2との関係に応じて、他プレイヤP2に対する音情報S2の出力を制御する。他の観点によると、音声制御部236は、プレイヤP1の音声情報V2に応じて、第1位置L1から音像定位した音情報S2を、音出力部4b-2から出力する。ここで音情報S2の内容は、音声情報V2の内容に対応する。
【0096】
図11は、本実施形態に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
図10では、
図9と比較して、特別位置LSが特定されている状態でプレイヤP1が音声情報V3を発している。位置特定部235は、プレイヤP1が仮想空間における敵オブジェクトを指定することによって、特別位置LSを特定する。銃の照準により仮想空間における敵オブジェクトを指定することは、第1指示の一例である。音声制御部236は、プレイヤP1からの音声情報V3の入力を受け付ける。特別位置LSが特定されている場合、音声制御部236は、特別位置LSと第2位置L2との位置関係に応じて、他プレイヤP2に対する音情報S3の出力を制御する。他の観点によると、音声制御部236は、プレイヤP1からの音声情報V3に応じて、特別位置LSから音像定位した音情報S3を、音出力部4b-2から出力する。プレイヤP1からの音声情報V3の入力の受け付けは、第2指示の一例である。ここで音情報S3の内容は、音声情報V3の内容に対応する。
【0097】
[その他]
また、変形例では、アイテムの使用により特別位置LSが特定されてもよい。
図12は、本実施形態の変形例に係るFPSゲームのプレイイメージの一例を示す図である。
図12では、プレイヤP1が、笛アイテムWを使用している。笛アイテムWは、仮想空間の敵オブジェクトから音情報S4を発生させることで、敵オブジェクトの位置を特定可能なアイテムである。音情報S4は、ユーザに敵オブジェクトの鳴き声を連想させる音である。ゲーム制御部233は、プレイヤP1からの指示に応じて、第1キャラクタC1に笛アイテムWを使用させる。音声制御部236は、プレイヤP1の笛アイテムWの使用の指示に応じて、敵オブジェクトに関連付けられた音情報S4を音出力部4b-1から出力する。音声制御部236は、第1位置L1と敵オブジェクトの位置との位置関係に応じて、プレイヤP1に対する音情報S4の出力を制御する。他の観点によると、音声制御部236は、プレイヤP1からの笛アイテムWの使用に応じて、敵オブジェクトの位置から音像定位した音情報S4を、音出力部4b-2から出力する。敵オブジェクトの位置は、プレイヤP1の操作によって制御可能ではない敵オブジェクトの位置であり、特別位置の一例である。また、敵オブジェクトは、ノンプレイヤキャラクタの一例である。また、笛アイテムWの使用により敵オブジェクトの位置を特定することとなるため、笛アイテムWの使用は、第1指示の一例である。音情報S4は、所定音の一例である。さらに、笛アイテムWの使用により敵オブジェクトの位置から音像定位した音情報S4を出力することとなるため、笛アイテムWの使用は、第2指示の一例でもある。
【0098】
図13は、
図12において特別位置LSが特定されるときの一例を示す図である。
図12の第1位置L1は、プレイヤP1によって操作される第1キャラクタC1の位置である。
図12の第2位置L2は、他プレイヤP2によって操作される第2キャラクタC2の位置である。位置取得部234は、第1位置L1および第2位置L2を取得する。未踏領域Aは、第1位置L1となったことがない領域である。未踏領域Aには、敵オブジェクトが配置されていることがある。笛アイテムWの使用を受け付けると、位置特定部235は、未踏領域A内の敵オブジェクトの位置を特定する。未踏領域A内の敵オブジェクトの位置は、特別位置LSの一例である。また、
図12のマップ上の任意の点の指定をプレイヤP1から受け付けることに応じて、位置特定部235は、指定された点を特別位置LSとして特定する。他の観点によると、位置特定部235は、プレイヤP1が仮想空間におけるオブジェクトに含まれる座標を指定することによって、特別位置LSを特定する。仮想空間におけるオブジェクトに含まれる座標の指定は、第1指示の一例である。
【0099】
上記では、笛アイテムWの使用は、第1指示およびの第2指示の一例であるとして説明した。しかしながら、笛アイテムWの使用に限定されるものではなく、敵オブジェクトの位置を特定し、敵オブジェクトの位置から音像定位した所定音が出力されればよい。例えば、笛アイテムWの使用の代わりに、他のアイテムの使用であってもよいし、キャラクタが保有するスキルの使用であってもよいし、地形オブジェクトに起因するものとしての使用であってもよい。
【0100】
本実施形態の「ボタンの押下」および「チェックボックスの選択」は、「オブジェクトの操作」の一例であり、ユーザからの指示を受け付けることができる態様であればよい。
【0101】
本実施形態の特別位置LSは、銃の照準により仮想空間における地形オブジェクトまたは敵オブジェクトを指定すること、アイテムを使用すること、マップ上の特定のポイントを指定することにより特定されるものとして説明した。変形例では、位置特定部235は、第1キャラクタC1が投じた爆弾等のアイテムにより、特別位置LSを特定しなくてもよい。
【0102】
また、プレイヤP1および他プレイヤP2が特別位置を同時に特定しながらボイスチャットが使用されることがある。その場合、位置特定部235は、プレイヤP1からの第1指示に応じてある特別位置(第1特別位置)を特定し、他プレイヤP2からの第1指示に応じて別の特別位置(第2特別位置)を特定する。その場合、音声制御部236は、第1特別位置から音像定位した音情報を、他プレイヤP2の音出力部4b-2から出力し、第2特別位置から音像定位した音情報を、プレイヤP1の音出力部4b-1から出力する。
【0103】
本実施形態では、情報送受信部230、表示制御部231、ゲーム設定部232、ゲーム制御部233、位置取得部234、位置特定部235および音声制御部236を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0104】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理システム1の制御部として機能させる。情報処理方法は、情報処理システム1が実行する情報処理方法である。
【0105】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0106】
(1)情報処理システムであって、制御部を有し、前記制御部は、仮想空間における、第1位置を取得し、ここで前記第1位置は、第1ユーザによって操作される第1キャラクタの位置で、前記第1ユーザからの第1指示に応じて前記仮想空間における特別位置を特定し、ここで前記特別位置は、前記第1キャラクタによる移動の動作に関する制御の対象とならないオブジェクトに関する位置であり、前記第1ユーザからの第2指示に応じて、前記特別位置に関連付けられた所定音を出力する、情報処理システム。
【0107】
このような構成によれば、前記第1ユーザからの第2指示に応じて、特別位置に関連付けられた所定音が出力されるため、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0108】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記仮想空間における、第2位置を取得し、ここで前記第2位置は、第2ユーザによって操作される第2キャラクタの位置で、前記第1ユーザからの前記所定音の入力を受け付け、位置関係に応じて、前記第2ユーザに対する前記所定音の出力を制御し、ここで前記位置関係は、前記特別位置が特定されていない場合、前記第1位置と前記第2位置との関係であり、前記特別位置が特定されている場合、前記特別位置と前記第2位置との関係である、情報処理システム。
【0109】
このような構成によれば、特別位置が特定されているか否かに応じて第2ユーザに対する所定音の出力が制御されるため、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況を第2ユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0110】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1ユーザが前記仮想空間における前記オブジェクトを指定することによって、前記特別位置を特定する、情報処理システム。
【0111】
このような構成によれば、第1ユーザがオブジェクトを指定することで特別位置が特定され、第1ユーザからの第2指示に応じて特別位置に関連付けられた所定音を出力されることとなるため、第1ユーザの意思に応じて、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0112】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1ユーザが前記仮想空間における前記オブジェクトに含まれる座標を指定することによって、前記特別位置を特定する、情報処理システム。
【0113】
このような構成によれば、第1ユーザがオブジェクトに含まれる座標を指定することで特別位置が特定され、第1ユーザからの第2指示に応じて特別位置に関連付けられた所定音を出力されることとなるため、第1ユーザの意思に応じて、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0114】
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記特別位置は、前記第1ユーザの操作によって制御可能ではないノンプレイヤキャラクタの位置であり、前記制御部は、前記第1ユーザの前記第2指示に応じて、前記ノンプレイヤキャラクタに関連付けられた前記所定音を出力し、前記第1位置と前記特別位置との位置関係に応じて、前記第1ユーザに対する前記所定音の出力を制御する、情報処理システム。
【0115】
このような構成によれば、前記第1ユーザからの第2指示に応じて、ノンプレイやキャラクタの位置に関連付けられた所定音が出力されるため、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況を第1ユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0116】
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記特別位置は、前記第1位置となったことがない場所である、情報処理システム。
【0117】
このような構成によれば、前記第1位置となったことがない特別位置に関連付けられた所定音が出力されるため、ゲームの興趣をより高められる態様で、ゲームの状況をユーザに認知させることができる技術を提供することができる。
【0118】
(7)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【0119】
(8)情報処理方法であって、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0120】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0121】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
230 :情報送受信部
231 :表示制御部
232 :ゲーム設定部
233 :ゲーム制御部
234 :位置取得部
235 :位置特定部
236 :音声制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :入力部
4a :ディスプレイ
4b :音出力部
4c :入力デバイス
A :未踏領域
C1 :第1キャラクタ
C2 :第2キャラクタ
221 :ユーザDB
L1 :第1位置
L2 :第2位置
L3 :第3位置
LS :特別位置
N :ネットワーク
O10 :ガチャボタン
O11 :編成ボタン
O12 :クエストボタン
O13 :対戦ボタン
O14 :設定ボタン
O20 :通常状態設定ボタン
O21 :特別状態設定ボタン
O22 :位置指定オブジェクト
O30 :音像定位チェックボックス
O31 :環境音チェックボックス
O32 :音量調整チェックボックス
O40 :音像定位チェックボックス
O41 :環境音チェックボックス
O42 :音量調整チェックボックス
O50 :自分状況チェックボックス
O51 :危険状態チェックボックス
O52 :特定物発見チェックボックス
O53 :キーワード設定チェックボックス
O54 :相手状況チェックボックス
O55 :相手手動チェックボックス
O56 :危険状態チェックボックス
O57 :特定物発見チェックボックス
O58 :キーワード設定チェックボックス
O60 :クエスト選択ボタン
O61 :マッチング条件ボタン
O62 :マッチング開始ボタン
O70 :挑戦ボタン
O71 :解散ボタン
P1 :プレイヤ
P2 :他プレイヤ
R1 :使用キャラクタ領域
R2 :音質設定領域
R3 :自分条件領域
R4 :相手条件領域
R5 :プレイヤ情報領域
R6 :プレイヤ情報領域
S1 :音情報
S2 :音情報
S3 :音情報
S4 :音情報
U1 :トップ画面
U2 :ボイスチャット設定画面
U3 :通常状態設定画面
U4 :特別状態設定画面
U5 :クエスト設定画面
U6 :マッチング画面
V1 :音声情報
V2 :音声情報
V3 :音声情報
W :笛アイテム