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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182229
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】飲料注出装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20231219BHJP
   B67D 1/07 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B67D1/04 F
B67D1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095713
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 元博
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB01
3E082CC01
3E082FF01
3E082FF05
(57)【要約】
【課題】メンテナンスを容易に行うことが可能な飲料注出装置を提供する。
【解決手段】飲料注出装置は、可撓部を有する飲料注出管と、飲料注出管を支持するベースと、飲料注出管の少なくとも一部を上方から覆う蓋部材と、飲料注出管の可撓部を外側から押圧することにより飲料注出管の流路を閉鎖する押圧部材と、押圧部材の状態を、飲料注出停止用の進出状態と飲料注出用の退避状態との間で状態変更させる第1操作部材と、メンテナンス補助装置と、を具備する。メンテナンス補助装置は、ベースに連結される第1部材と、押圧部材を支持する支持体と、第2操作部材と、を有する。第2操作部材は、進出状態の押圧部材が、流路を閉鎖する作動位置から、流路を開放するメンテナンス位置に移動するよう、支持体を第1部材に対して相対移動させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓部を有する飲料注出管と、
前記飲料注出管を支持するベースと、
前記飲料注出管の少なくとも一部を上方から覆う蓋部材と、
前記飲料注出管の前記可撓部を外側から押圧することにより前記飲料注出管の流路を閉鎖する押圧部材と、
前記押圧部材の状態を、飲料注出停止用の進出状態と飲料注出用の退避状態との間で状態変更させる第1操作部材と、
メンテナンス補助装置と
を具備し、
前記メンテナンス補助装置は、
前記ベースに連結される第1部材と、
前記押圧部材を支持する支持体と、
前記進出状態の前記押圧部材が、前記流路を閉鎖する作動位置から、前記流路を開放するメンテナンス位置に移動するよう、前記支持体を前記第1部材に対して相対移動させる第2操作部材と
を有する
飲料注出装置。
【請求項2】
前記第2操作部材が第1操作方向に操作されることに応じて、前記押圧部材が、前記メンテナンス位置から前記作動位置に、直線的に移動するように構成される
請求項1に記載の飲料注出装置。
【請求項3】
前記第1部材は、第1回転軸まわりに回転可能なように前記ベースによって支持される第1アームを含み、
前記第2操作部材は、前記第1アームの前記第1回転軸まわりの第1回転方向への回転を、前記メンテナンス位置から前記作動位置への前記押圧部材の直線的な移動に変換する
請求項2に記載の飲料注出装置。
【請求項4】
前記第2操作部材は、
曲線軌道に沿って操作可能な操作部と、
前記曲線軌道に沿う前記操作部の操作を、前記支持体の直線的な移動に変換するリンクアームと
を有し、
前記リンクアームは、第2回転軸まわりに回転可能なように前記第1アームに連結され、第3回転軸まわりに回転可能なように前記支持体に連結されており、
前記ベースは、前記支持体の直線的な移動をガイドするガイド部材を有する
請求項3に記載の飲料注出装置。
【請求項5】
前記第2操作部材は、ユーザーによって操作される操作部を有し、
前記操作部が上方に引き上げられることにより、前記押圧部材が、前記作動位置から前記メンテナンス位置に向かって直線的に移動するように構成される
請求項2に記載の飲料注出装置。
【請求項6】
前記ベースは、前記飲料注出管の湾曲部分を支持する第1湾曲支持部を有し、
前記第2操作部材が前記第1操作方向に操作されることに応じて、前記押圧部材と前記第1湾曲支持部とが協働して、前記飲料注出管の前記湾曲部分を圧潰するように構成される
請求項2に記載の飲料注出装置。
【請求項7】
前記ベースの長手方向を第1方向と定義するとき、前記第2操作部材が操作されることにより、前記押圧部材は、前記第1方向に平行な方向に、前記ベースに対して相対移動するように構成される
請求項2に記載の飲料注出装置。
【請求項8】
前記押圧部材が、前記メンテナンス位置から前記作動位置に移動するよう、前記第2操作部材の操作部が第1操作方向に操作されるとき、前記操作部の移動速度に対する前記押圧部材の移動速度の比率が徐々に減少するように構成されている
請求項1に記載の飲料注出装置。
【請求項9】
前記メンテナンス補助装置の全体が前記蓋部材によって覆われている
請求項1に記載の飲料注出装置。
【請求項10】
飲料を貯留する飲料貯留容器を収容するか、あるいは、飲料を直接貯留する容器本体部を更に具備し、
前記ベースと、前記飲料注出管と、前記押圧部材と、前記メンテナンス補助装置とは、一体的に、前記容器本体部から取り外し可能である
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の飲料注出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料注出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料をグラス等に注出する飲料注出装置が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、飲料注出装置が開示されている。特許文献1に記載の飲料注出装置は、飲料容器から飲料を注出する飲料注出路と、飲料容器の開口部に装着される装着部と、飲料容器内にガスを供給するガス供給路と、飲料容器外に配置され、飲料容器の内部空間との間でガスが流通可能な圧力調整室と、圧力調整室内のガスを外部に放出するガス抜き弁と、ガス抜き弁の状態を閉状態から開状態に変更する操作部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6445625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、メンテナンスを容易に行うことが可能な飲料注出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
いくつかの実施形態における飲料注出装置は、可撓部(11)を有する飲料注出管(10)と、前記飲料注出管(10)を支持するベース(2)と、前記飲料注出管(10)の少なくとも一部を上方から覆う蓋部材(3)と、前記飲料注出管(10)の前記可撓部(11)を外側から押圧することにより前記飲料注出管(10)の流路(FP1)を閉鎖する押圧部材(4)と、前記押圧部材(4)の状態を、飲料注出停止用の進出状態(J1)と飲料注出用の退避状態(J2)との間で状態変更させる第1操作部材(5)と、メンテナンス補助装置(6)と、を具備する。前記メンテナンス補助装置(6)は、前記ベース(2)に連結される第1部材(61)と、前記押圧部材(4)を支持する支持体(63)と、前記進出状態(J1)の前記押圧部材(4)が、前記流路(FP1)を閉鎖する作動位置(P1)から、前記流路(FP1)を開放するメンテナンス位置(P2)に移動するよう、前記支持体(63)を前記第1部材(61)に対して相対移動させる第2操作部材(65)と、を有する。
【0008】
上記飲料注出装置において、前記第2操作部材(65)が第1操作方向(MR1)に操作されることに応じて、前記押圧部材(4)が、前記メンテナンス位置(P2)から前記作動位置(P1)に、直線的に移動するように構成されてもよい。
【0009】
上記飲料注出装置において、前記第1部材(61)は、第1回転軸(AX1)まわりに回転可能なように前記ベース(2)によって支持される第1アーム(62)を含んでいてもよい。前記第2操作部材(65)は、前記第1アーム(62)の前記第1回転軸(AX1)まわりの第1回転方向(R1)への回転を、前記メンテナンス位置(P2)から前記作動位置(P1)への前記押圧部材(4)の直線的な移動に変換してもよい。
【0010】
上記飲料注出装置において、前記第2操作部材(65)は、曲線軌道に沿って操作可能な操作部(66)と、前記曲線軌道に沿う前記操作部(66)の操作を、前記支持体(63)の直線的な移動に変換するリンクアーム(67)と、を有していてもよい。前記リンクアーム(67)は、第2回転軸(AX2)まわりに回転可能なように前記第1アーム(62)に連結され、第3回転軸(AX3)まわりに回転可能なように前記支持体(63)に連結されていてもよい。また、前記ベース(2)は、前記支持体(63)の直線的な移動をガイドするガイド部材(26)を有していてもよい。
【0011】
上記飲料注出装置において、前記第2操作部材(65)は、ユーザーによって操作される操作部(66)を有していてもよい。前記操作部(66)が上方に引き上げられることにより、前記押圧部材(4)が、前記作動位置(P1)から前記メンテナンス位置(P2)に向かって直線的に移動するように構成されていてもよい。
【0012】
上記飲料注出装置において、前記ベース(2)は、前記飲料注出管(10)の湾曲部分(13)を支持する第1湾曲支持部(23)を有していてもよい。前記第2操作部材(65)が前記第1操作方向(MR1)に操作されることに応じて、前記押圧部材(4)と前記第1湾曲支持部(23)とが協働して、前記飲料注出管(10)の前記湾曲部分(13)を圧潰するように構成されていてもよい。
【0013】
上記飲料注出装置において、前記ベース(2)の長手方向を第1方向(DR1)と定義するとき、前記第2操作部材(65)が操作されることにより、前記押圧部材(4)は、前記第1方向(DR1)に平行な方向に、前記ベース(2)に対して相対移動するように構成されていてもよい。
【0014】
上記飲料注出装置において、前記押圧部材(4)が、前記メンテナンス位置(P2)から前記作動位置(P1)に移動するよう、前記第2操作部材(65)の操作部(66)が第1操作方向(MR1)に操作されるとき、前記操作部(66)の移動速度に対する前記押圧部材(4)の移動速度の比率が徐々に減少するように構成されていてもよい。
【0015】
上記飲料注出装置において、前記メンテナンス補助装置(6)の全体が前記蓋部材(3)によって覆われていてもよい。
【0016】
上記飲料注出装置は、飲料を貯留する飲料貯留容器(B)を収容するか、あるいは、飲料を直接貯留する容器本体部(8)を更に具備していてもよい。また、前記ベース(2)と、前記飲料注出管(10)と、前記押圧部材(4)と、前記メンテナンス補助装置(6)とは、一体的に、前記容器本体部(8)から取り外し可能であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、メンテナンスを容易に行うことが可能な飲料注出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1の実施形態における飲料注出装置を模式的に示す概略断面図である。
図2図2は、第1の実施形態における飲料注出装置が、第1操作部材と、蓋部材と、メンテナンス補助装置を含むアセンブリと、容器本体部とに分解された様子を模式的に示す概略断面図である。
図3図3は、第1の実施形態における飲料注出装置を模式的に示す概略断面図である。
図4図4は、押圧部材の姿勢が変更されることにより、飲料注出管の流路が洗浄可能となる様子を模式的に示す概略断面図である。
図5図5は、メンテナンス補助装置が押圧部材を移動させることにより、飲料注出管の流路が洗浄可能となる様子を模式的に示す概略断面図である。
図6図6は、メンテナンス補助装置が押圧部材をメンテナンス位置に移動させた状態において、飲料注出管の内部の洗浄が行われる様子を模式的に示す概略断面図である。
図7図7は、押圧部材が、メンテナンス位置から作動位置に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。
図8図8は、押圧部材が、メンテナンス位置から作動位置に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。
図9図9は、押圧部材が、作動位置からメンテナンス位置に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。
図10図10は、ベースと、飲料注出管と、押圧部材と、メンテナンス補助装置とを含むアセンブリを模式的に示す概略平面図である。
図11図11は、ベースと、飲料注出管と、押圧部材と、メンテナンス補助装置とを含むアセンブリにおいて、押圧部材が、作動位置からメンテナンス位置に位置変更される様子を模式的に示す概略平面図である。
図12図12は、第1操作部材がデフォルト位置から液注出位置に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。
図13図13は、第1操作部材がデフォルト位置から泡注出位置に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。
図14図14は、押圧部材が、作動位置とメンテナンス位置との間で位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。
図15図15は、押圧部材が、作動位置とメンテナンス位置との間で位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。
図16図16は、押圧部材が、作動位置とメンテナンス位置との間で位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。
図17図17は、メンテナンス補助装置の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図18図18は、第2の実施形態における飲料注出装置を模式的に示す概略断面図である。
図19図19は、第1操作部材がデフォルト位置から液注出位置に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。
図20図20は、第1操作部材がデフォルト位置から泡注出位置に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。
図21図21は、押圧部材が、作動位置からメンテナンス位置に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。
図22図22は、押圧部材がメンテナンス位置にある状態で、飲料注出管が交換される様子を模式的に示す概略断面図である。
図23図23は、押圧部材が、メンテナンス位置から作動位置に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。
図24図24は、押圧部材が、メンテナンス位置から作動位置に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。
図25図25は、押圧部材が、作動位置からメンテナンス位置に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。
図26図26は、第2の実施形態における飲料注出装置を模式的に示す概略左側面図である。
図27図27は、第2の実施形態における飲料注出装置を模式的に示す概略右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施形態における飲料注出装置1について説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0020】
(方向の定義)
本明細書において、飲料注出装置1における飲料の流れ方向に基づいて方向が定義される。より具体的には、「下流側」とは、飲料が流れる方向における下流側を意味する。また、「上流側」とは、飲料が流れる方向における上流側を意味する。また、本明細書において、「左側」とは、平面視で、飲料の流れ方向にみて左側を意味し、「右側」とは、平面視で、飲料の流れ方向にみて右側を意味する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1乃至図17を参照して、第1の実施形態における飲料注出装置1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における飲料注出装置1Aを模式的に示す概略断面図である。図2は、第1の実施形態における飲料注出装置1Aが、第1操作部材5と、蓋部材3と、メンテナンス補助装置6を含むアセンブリASと、容器本体部8とに分解された様子を模式的に示す概略断面図である。図3は、第1の実施形態における飲料注出装置1Aを模式的に示す概略断面図である。なお、図3は、飲料注出時における飲料注出装置1Aの状態を示す。図4は、押圧部材4の姿勢が変更されることにより、飲料注出管10の流路FP1が洗浄可能となる様子を模式的に示す概略断面図である。図5は、メンテナンス補助装置6が押圧部材4を移動させることにより、飲料注出管10の流路FP1が洗浄可能となる様子を模式的に示す概略断面図である。なお、図4(a)および図5(a)は、流路FP1が閉鎖された状態を示し、図4(b)および図5(b)は、流路FP1が開放された状態を示す。図6は、メンテナンス補助装置6が押圧部材4をメンテナンス位置P2に移動させた状態において、飲料注出管10の内部の洗浄が行われる様子を模式的に示す概略断面図である。図7は、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。図8は、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。図9は、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。図10は、ベース2と、飲料注出管10と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とを含むアセンブリASを模式的に示す概略平面図である。図11は、ベース2と、飲料注出管10と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とを含むアセンブリASにおいて、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に位置変更される様子を模式的に示す概略平面図である。図12は、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から液注出位置Q2に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。図13は、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から泡注出位置Q3に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。図14は、押圧部材4が、作動位置P1とメンテナンス位置P2との間で位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。図15および図16は、押圧部材4が、作動位置P1とメンテナンス位置P2との間で位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。なお、図15(a)は、図11(a)におけるE-E矢視断面図であり、図15(b)は、図11(b)におけるG-G矢視断面図である。また、図16(a)は、図11(a)におけるF-F矢視断面図であり、図16(b)は、図11(b)におけるH-H矢視断面図である。図17は、メンテナンス補助装置6の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【0022】
第1の実施形態における飲料注出装置1Aは、飲料注出管10と、ベース2と、蓋部材3と、押圧部材4と、第1操作部材5と、メンテナンス補助装置6と、を具備する。飲料注出装置1Aは、容器本体部8を有していてもよい。
【0023】
飲料注出管10は、飲料を注出するための管である。飲料注出管10は、先端部18に飲料注出口OPを有する。飲料注出管10は、使い捨て部品であってもよいし、洗浄後に再使用可能な部品であってもよい。
【0024】
飲料注出管10は、可撓部11を有する。飲料注出管10の全体が可撓部11であってもよいし、飲料注出管10の一部のみが可撓部11であってもよい。換言すれば、飲料注出管10は、可撓部11と、非可撓部(換言すれば、硬質部)とを有していてもよい。
【0025】
ベース2は、飲料注出管10を支持する。ベース2は、飲料注出管10の先端部18を受容する筒部21を有していてもよい。図1および図2に例示されるように、ベース2は、容器本体部8に対して着脱可能なように、容器本体部8に取り付けられていてもよい。
【0026】
蓋部材3は、飲料注出管10の少なくとも一部を上方から覆う。図1に記載の例では、蓋部材3は、飲料注出管10の全体を上方から覆っている。また、図1に記載の例では、蓋部材3は、飲料注出装置1Aの容器本体部8に取り付けられている。容器本体部8は、飲料貯留容器Bを収容する外容器81であってもよい。代替的に、容器本体部8自体が、飲料貯留容器Bとして機能し、容器本体部8に、直接、飲料が貯留されてもよい。
【0027】
図2に例示されるように、蓋部材3は、容器本体部8から取り外し可能であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、蓋部材3は、容器本体部8に、ヒンジを介して回動可能に取り付けられていてもよい。
【0028】
図1に例示されるように、押圧部材4は、飲料注出管10の可撓部11を外側から押圧することにより飲料注出管10の流路FP1を閉鎖する。
【0029】
第1操作部材5は、押圧部材4の状態を、飲料注出停止用の進出状態J1(図1を参照。)と飲料注出用の退避状態J2(図3を参照。)との間で状態変更させる。押圧部材4が後述の作動位置P1にあるとき、進出状態J1の押圧部材4は、飲料注出管10の可撓部11を外側から押圧することにより飲料注出管10の流路FP1を閉鎖する(図1を参照。)。他方、押圧部材4が後述の作動位置P1にあるとき、退避状態J2の押圧部材4は、飲料注出管10の流路FP1を開放する(図3を参照。)。
【0030】
飲料注出管10をメンテナンスする場合を想定する。なお、本明細書において、飲料注出管10のメンテナンスには、飲料注出管10の内部を洗浄すること、または、飲料注出管10を他の飲料注出管に交換すること、が包含される。
【0031】
図4(a)および図4(b)に例示されるように、押圧部材4の状態を、進出状態J1(図4(a)を参照。)から退避状態J2(図4(b)を参照。)に状態変更した後、ユーザーは、飲料注出管10をメンテナンスすることができる(例えば、飲料注出管10の内部を洗浄することができる。)。しかし、メンテナンスに際して、押圧部材4の状態を退避状態J2に維持することは、ユーザーにとって作業負担となる。そこで、第1の実施形態における飲料注出装置1Aは、メンテナンス補助装置6を備える。
【0032】
図5(b)に例示されるように、メンテナンス補助装置6は、第1部材61と、支持体63と、第2操作部材65と、を有する。
【0033】
第1部材61はベース2に連結され、支持体63は押圧部材4を支持する。また、第2操作部材65は、進出状態J1の押圧部材4が、流路FP1を閉鎖する作動位置P1(図5(a)を参照。)から、流路FP1を開放するメンテナンス位置P2(図5(b)を参照。)に移動するよう、支持体63を、第1部材61に対して相対移動させる。
【0034】
図5に記載の例では、第1部材61がベース2に連結され、且つ、支持体63が押圧部材4を支持している。このため、第2操作部材65が、支持体63を第1部材61に対して相対移動させると、押圧部材4は、支持体63とともに、ベース2およびベース2に支持された飲料注出管10に対して、相対移動する。こうして、押圧部材4の状態が進出状態J1に維持されたまま、飲料注出管10の流路FP1を開放することができる。
【0035】
第1の実施形態における飲料注出装置1Aは、進出状態J1の押圧部材4をメンテナンス位置P2に移動させるメンテナンス補助装置6を備える。よって、ユーザーは、押圧部材4をメンテナンス位置P2に移動させることにより、飲料注出装置1Aの構成部品のメンテナンス(例えば、飲料注出管10の内部の洗浄、あるいは、飲料注出管10の交換)を容易に実施することができる。例えば、図6に記載の例では、押圧部材4の第1軸AT1まわりの姿勢を変更することなく、飲料注出管10の内部の洗浄を容易に行うことができる。
【0036】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図17を参照して、第1の実施形態における飲料注出装置1Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0037】
(押圧部材4の移動)
図7に記載の例では、第2操作部材65が第1操作方向MR1に操作されることに応じて、押圧部材4(より具体的には、進出状態J1の押圧部材4)が、メンテナンス位置P2(図7(a)を参照。)から作動位置P1(図7(b)を参照。)に、直線的に移動するように構成されている。
【0038】
直線的移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合、旋回移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合と比較して、セット時に、押圧部材4によって押圧される飲料注出管10の位置ずれが生じにくい。また、飲料注出管10の位置ずれに起因する不具合(例えば、液漏れ等)が生じにくい。また、直線的移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合、旋回移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合と比較して、第2操作部材65をより小さな力で操作できる。よって、第2操作部材65等の部材に作用する負荷が小さくなり、第2操作部材65等の部材の耐久性が向上する。また、第2操作部材65の操作力に対して、押圧部材4から飲料注出管10に作用する押圧力を大きくすることも可能である。この場合、当該押圧部材4は、相対的に大きな外径を有する飲料注出管10を良好に押し潰すことができる。また、直線的移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合、旋回移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合と比較して、押圧部材4を他の部材に組み込むのも容易である(図2等を参照。)。
【0039】
図8(a)に記載の例では、第1部材61は、第1回転軸AX1まわりに回転可能なようにベース2によって支持される第1アーム62を含む。また、第2操作部材65は、第1アーム62の第1回転軸AX1まわりの第1回転方向R1への回転を、支持体63を介して、メンテナンス位置P2から作動位置P1への押圧部材4の直線的な移動に変換する。
【0040】
第2操作部材65が、第1アーム62の回転を押圧部材4の直線的移動に変換するように構成される場合、押圧部材4の移動を操作する第2操作部材65の配置の自由度が大きくなる。
【0041】
図8に記載の例では、第2操作部材65は、曲線軌道に沿って操作可能な操作部66と、リンクアーム67と、を有する。リンクアーム67は、曲線軌道に沿う操作部66の操作を、支持体63の直線的な移動に変換する。
【0042】
より具体的には、図8に記載の例では、リンクアーム67は、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように第1アーム62に連結され、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように支持体63に連結されている。また、図10に記載の例では、ベース2は、支持体63の直線的な移動をガイドするガイド部材26を有する。この場合、図8(a)乃至図8(c)に例示されるように、操作部66が曲線軌道に沿って移動するとき、第2操作部材65、第1アーム62、および、支持体63は、協働して、第1アーム62の第1回転軸AX1まわりの回転運動と、支持体63の直線運動とを誘起する。なお、図8に記載の例において、第2回転軸AX2および第3回転軸AX3の各々は、第1回転軸AX1と平行である。
【0043】
図9(a)に記載の例では、第2操作部材65は、ユーザーによって操作される操作部66を有する。また、操作部66が上方に引き上げられることにより、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に向かって直線的に移動するように構成されている(図9(a)乃至図9(c)を参照。)。
【0044】
操作部66が、引き上げ可能な操作部である場合、ユーザーは、当該操作部66を操作し易い。
【0045】
図9に記載の例では、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に移動するよう、操作部66が第2操作方向MR2に操作されるとき、操作部66の移動速度に対する押圧部材4の移動速度の比率が徐々に増加するように構成されている(図9(a)乃至図9(c)における操作部66および押圧部材4の移動軌跡を参照。)。この場合、第2操作方向MR2への操作部66の操作の最終段階において、押圧部材4を速やかに飲料注出管10(必要であれば、図5(b)を参照。)から離間させることができる。
【0046】
図8に記載の例では、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に移動するよう、操作部66が第1操作方向MR1に操作されるとき、操作部66の移動速度に対する押圧部材4の移動速度の比率が徐々に減少するように構成されている(図8(a)乃至図8(c)における操作部66および押圧部材4の移動軌跡を参照。)。この場合、第1操作方向MR1への操作部66の操作の最終段階において、操作部66に作用する力が、効果的に、飲料注出管10(必要であれば、図7(b)を参照。)に対する押圧部材4の押圧力に変換される。
【0047】
(ベース2等の取り外し)
図2に記載の例では、飲料注出装置1Aは、飲料を貯留する飲料貯留容器Bを収容するか、あるいは、飲料を直接貯留する容器本体部8を備える。また、ベース2と、飲料注出管10と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とは、一体的に、容器本体部8から取り外し可能である。この場合、ベース2、飲料注出管10、および、押圧部材4を、容器本体部8から取り外した後、メンテナンス補助装置6を使用して、メンテナンス作業(例えば、飲料注出管10の内部の洗浄、あるいは、飲料注出管10の交換)を行うことができる。よって、ユーザーによるメンテナンス作業が、より容易となる。
【0048】
例えば、図6に記載の例では、ベース2、飲料注出管10、押圧部材4、および、メンテナンス補助装置6を含むアセンブリASが容器本体部8から取り外された後、メンテナンス補助装置6を用いて、押圧部材4が、メンテナンス位置P2に移動される。その後、飲料取出管91の先端部918から飲料注出管10に向けて洗浄液Wが供給され、当該洗浄液Wが飲料注出管10の先端部18から排出されることにより、飲料取出管91の内部および飲料注出管10の内部が洗浄される。代替的に、飲料注出管10の先端部18から飲料取出管91に向けて洗浄液Wが供給され、当該洗浄液Wが飲料取出管91の先端部918から排出されることにより、飲料取出管91の内部および飲料注出管10の内部が洗浄されてもよい。
【0049】
図2に記載の例では、ベース2と、飲料注出管10と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とを含むアセンブリASを、一体的に、容器本体部8に取り付けることができる。よって、メンテナンス作業後、ユーザーは、飲料注出装置1Aを容易に組み立てることができる。
【0050】
ベース2と、飲料注出管10と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とを含むアセンブリASは、純機械的な組立体であってもよい。アセンブリASが電気部品を含まない純機械的な組立体である場合、飲料注出管10の洗浄時に、電気部品が洗浄液Wに触れる心配がない。
【0051】
(ベース2)
ベース2は、1つの部品によって構成されていてもよく、図1に例示されるように、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0052】
図1に記載の例では、ベース2は、飲料注出管10を支持するとともに、容器本体部8(より具体的には、外容器81)によって支持される。図2に記載の例では、ベース2は、容器本体部8(より具体的には、外容器81)から取り外し可能である。
【0053】
図7(a)に記載の例では、ベース2は、第1湾曲支持部23と、第1直線支持部24とを有する。第1直線支持部24は、第1湾曲支持部23よりも下流側に配置される。図7(a)に例示されるように、ベース2は、第2直線支持部25を有していてもよい。第2直線支持部25は、第1湾曲支持部23よりも上流側に配置される。図7(a)に記載の例では、第1湾曲支持部23は、第1直線支持部24と、第2直線支持部25との間に配置されている。
【0054】
第1湾曲支持部23は、飲料注出管10の可撓性の湾曲部分13を支持する。第1直線支持部24は、可撓性の湾曲部分13よりも下流側の飲料注出管10の第1直線部分14を支持する。また、第2直線支持部25は、飲料注出管10の湾曲部分13よりも上流側の飲料注出管10の第2直線部分15を支持する。
【0055】
図7(a)に記載の例では、飲料注出管10の第1直線部分14は、湾曲部分13から斜め下方に向けて延在している。また、第1直線部分14の下流端部には、飲料注出口OPが形成されている。図7(a)に記載の例では、飲料注出管10の第2直線部分15は、概ね水平方向に沿って延在している。
【0056】
図7(b)に記載の例では、押圧部材4は、飲料注出管10の流路FP1の開閉状態を切り換える弁体V1である。また、第1湾曲支持部23は、押圧部材4と協働して、流路FP1の閉鎖状態を維持する弁座部V2である。換言すれば、押圧部材4および第1湾曲支持部23は、飲料注出管10の流路FP1の開閉状態を切り換える飲料弁Vとして機能する。代替的に、ベース2の第1直線支持部24または第2直線支持部25が飲料弁Vの弁座部V2として機能してもよい。
【0057】
図7(a)に記載の例では、第2操作部材65が第1操作方向MR1に操作されることに応じて、押圧部材4(より具体的には、進出状態J1の押圧部材4)と第1湾曲支持部23とが協働して、飲料注出管10の湾曲部分13を圧潰するように構成されている。この場合、押圧部材4の直線的移動と、第1湾曲支持部23の湾曲形状との組み合わせにより、飲料注出管10を確実且つ安定的に圧潰することができる。
【0058】
図10に記載の例では、ベース2は、メンテナンス補助装置6の第1部材61を、第1回転軸AX1まわりに回転可能に支持する支持部材22を有する。支持部材22は、例えば、ピン部材である。当該支持部材は、左側支持部材22aおよび右側支持部材22bを有していてもよい。左側支持部材22aは、第1部材61の左側第1アーム62aを、第1回転軸AX1まわりに回転可能に支持し、右側支持部材22bは、第1部材61の右側第1アーム62bを、第1回転軸AX1まわりに回転可能に支持する。
【0059】
図10に記載の例では、ベース2は、メンテナンス補助装置6の支持体63のスライド移動をガイドするガイド部材26を有する。図10に記載の例では、ガイド部材26がピン部材(例えば、ボルト)であり、支持体63が長孔部63hを有する。代替的に、ガイド部材26が長孔部を有し、支持体63が長孔部に挿入されるピン部材を有していてもよい。
【0060】
図10に例示されるように、ガイド部材26は、左側ガイド部材26aおよび右側ガイド部材26bを有していてもよい。左側ガイド部材26aは、支持体63の左側側部63aのスライド移動をガイドし、右側ガイド部材26bは、支持体63の右側側部63bのスライド移動をガイドする。
【0061】
図11に記載の例では、ベース2の長手方向を第1方向DR1と定義するとき、第2操作部材65が操作されることにより、押圧部材4、および、押圧部材4を支持する支持体63は、第1方向DR1に平行な方向に、ベース2に対して相対移動するように構成されている。ベース2の延在方向と、押圧部材4および支持体63の移動方向とが一致していることにより、ベース2と、押圧部材4と、メンテナンス補助装置6とを含むアセンブリASをコンパクトにすることができる。
【0062】
図10に例示されるように、ベース2は、飲料注出管10(より具体的には、液注出管10a)が取り付けられる第1取付部27aを有していてもよい。図10に記載の例では、ベース2は、液注出管10aを支持することに加え、液注出管10aとは別に設けられた泡注出管10bを支持する。この場合、ベース2は、泡を注出する泡注出管10bが取り付けられる第2取付部27bを有していてもよい。代替的に、飲料注出管10が、液注出管10aとして機能するとともに、泡注出管10bとして機能してもよい。この場合、第2取付部27bは省略される。
【0063】
図2に例示されるように、ベース2は、飲料注出装置1Aの容器本体部8に取り付けられる第3取付部27cを有していてもよい。また、ベース2は、飲料取出管91が取り付けられる第4取付部27dを有していてもよい。飲料取出管91は、飲料貯留容器Bに挿入され、飲料貯留容器Bから飲料を取り出すために使用される。
【0064】
図2に記載の例では、ベース2には、ガス抜き弁28が取り付けられている。ガス抜き弁28は、飲料貯留容器B内の加圧ガスを外部に放出するための弁である。ガス抜き弁28が閉状態から開状態に状態変更されることにより、飲料貯留容器B内の加圧ガスが、外部に放出される。
【0065】
(蓋部材3)
図2に記載の例では、蓋部材3は、容器本体部8の第1係合部82に係合する第2係合部32を有する。蓋部材3の第2係合部32が、容器本体部8の第1係合部82に係合することにより、蓋部材3が容器本体部8に固定される。図2に記載の例では、蓋部材3は、容器本体部8から完全に取り外し可能である。代替的に、あるいは、付加的に、蓋部材3は、ヒンジ部材を介して、容器本体部8に連結されていてもよい。
【0066】
図2に例示されるように、蓋部材3には、第1操作部材5が挿通される貫通孔3hが設けられていてもよい。
【0067】
図2に例示されるように、蓋部材3は、第3操作部33を有していてもよい。第3操作部33は、飲料注出装置1Aのベース2に配置されたガス抜き弁28の状態を閉状態から開状態に状態変更する。
【0068】
図2に例示されるように、蓋部材3は、飲料貯留容器B内にガス(例えば、空気)を供給するポンプ34を有していてもよい。また、蓋部材3は、ポンプ34を駆動するスイッチ35を有していてもよい。
【0069】
図2に記載の例では、ポンプ34、および、スイッチ35が、蓋部材3に配置されている。代替的に、ポンプ34、および、スイッチ35が、容器本体部8に配置されていてもよい。
【0070】
(押圧部材4)
図5(a)に記載の例では、押圧部材4は、第1軸AT1まわりに回動可能なように、メンテナンス補助装置6によって支持されている。押圧部材4は、第1操作部材5が操作されていないとき、押圧部材4の状態が飲料注出停止用の進出状態J1に維持されるように構成されることが好ましい。図10に記載の例では、飲料注出装置1Aは、押圧部材4の状態を、飲料注出停止用の進出状態J1に維持する付勢部材68を有する。図10に記載の例では、メンテナンス補助装置6に、押圧部材4を回転可能に支持するピン部材69が配置され、当該ピン部材69に上述の付勢部材68が配置されている。
【0071】
図12(a)に記載の例では、押圧部材4は、飲料注出管10(より具体的には、液注出管10a)を押圧する第1押圧部41aを有する。第1操作部材5がデフォルト位置Q1にあるとき、第1押圧部41aは、流路FP1の最小断面積がゼロとなるように、飲料注出管10(より具体的には、液注出管10a)を圧潰する。また、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第3操作方向MR3に操作されることに応じて、第1押圧部41aは、弁座部V2から離れる方向に、第1軸AT1まわりに回動する(図12(b)を参照。)。代替的に、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第3操作方向MR3に操作されることに応じて、第1押圧部41aは、弁座部V2から離れる方向に、直線的に移動するように構成されてもよい。例えば、押圧部材4は、第1操作部材5の第1軸AT1まわりの回動運動を、第1押圧部41aの直線運動に変換する機構を有していてもよい。
【0072】
図13(a)に記載の例では、押圧部材4は、泡注出管10bを押圧する第2押圧部41bを有する。第1操作部材5がデフォルト位置Q1にあるとき、第2押圧部41bは、泡注出管10bの流路(以下、液注出管10aの流路FP1と区別するために、「第2流路FP2」という。)の最小断面積がゼロとなるように、泡注出管10bを圧潰する。また、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第4操作方向MR4(より具体的には、第3操作方向MR3とは反対の方向)に操作されることに応じて、第2押圧部41bは、第2弁座部V2’から離れる方向に、第1軸AT1まわりに回動する(図13(b)を参照。)。代替的に、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第4操作方向MR4に操作されることに応じて、第2押圧部41bは、第2弁座部V2’から離れる方向に、直線的に移動するように構成されてもよい。例えば、押圧部材4は、第1操作部材5の第1軸AT1まわりの回動運動を、第2押圧部41bの直線運動に変換する機構を有していてもよい。
【0073】
図12(a)に記載の例では、押圧部材4は、スイッチ35を押圧するカム面45を有する。押圧部材4は、第1カム面45aおよび第2カム面45bを有していてもよい。
【0074】
図12に記載の例では、第1操作部材5が第3操作方向MR3に操作されることにより、押圧部材4が、第1軸AT1まわりに第3回転方向R3に回動する(図12(b)を参照。)。また、押圧部材4が第1軸AT1まわりに第3回転方向R3に回動すると、押圧部材4の第1カム面45aがスイッチ35を押圧する。また、押圧部材4の第1カム面45aがスイッチ35を押圧することにより、ポンプ34(より具体的には、飲料貯留容器B内にガスを供給するポンプ34)が駆動される。
【0075】
図13に記載の例では、第1操作部材5が第4操作方向MR4操作されることにより、押圧部材4が、第1軸AT1まわりに第4回転方向R4(より具体的には、第3回転方向R3とは反対の方向)に回動する(図13(b)を参照。)。また、押圧部材4が第1軸AT1まわりに第4回転方向R4に回動すると、押圧部材4の第2カム面45bがスイッチ35を押圧する。また、押圧部材4の第2カム面45bがスイッチ35を押圧することにより、ポンプ34(より具体的には、飲料貯留容器B内にガスを供給するポンプ34)が駆動される。
【0076】
(第1操作部材5)
図12に記載の例では、第1操作部材5は、押圧部材4を機械的に操作する部材(より具体的には、操作レバー)である。代替的に、第1操作部材5は、押圧部材4を電気機械的に操作する操作ボタンであってもよい。換言すれば、押圧部材4は、操作ボタンが押圧されることに応じて、モータ等の駆動力を用いて操作されてもよい。
【0077】
図12に記載の例では、第1操作部材5は、デフォルト位置Q1から飲料注出位置(より具体的には、液注出位置Q2)に向けて第3操作方向MR3に操作可能である。また、図13に記載の例では、第1操作部材5は、デフォルト位置Q1から泡注出位置Q3に向けて第4操作方向MR4に操作可能である。
【0078】
第1操作部材5は、ユーザーが第1操作部材5から手を離すと、デフォルト位置Q1に自動復帰するように構成されることが好ましい。当該自動復帰は、例えば、付勢部材68(必要であれば、図10を参照。)による付勢力によって行われる。
【0079】
(メンテナンス補助装置6)
図14に記載の例では、メンテナンス補助装置6は、第1部材61と、支持体63と、第2操作部材65と、を有する。
【0080】
図14に記載の例では、第1部材61は、第1アーム62を含み、第2操作部材65は、リンクアーム67を含む。
【0081】
第1アーム62は、第1回転軸AX1まわりに回転可能なようにベース2によって支持される。図14(b)に記載の例では、第1アーム62は、ベース2に接続される第1端部621と、リンクアーム67に接続される第2端部622とを有する。
【0082】
リンクアーム67は、第1アーム62と支持体63とを連結する。より具体的には、リンクアーム67は、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように第1アーム62に連結され、且つ、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように支持体63に連結される。図14に例示されるように、リンクアームは、側面視で、略S字形状を有していてもよい。
【0083】
図14(a)に記載の例において、第2操作部材65の操作部66が、第2操作方向MR2に操作されると、第2操作部材65のリンクアーム67は、第1アーム62を、ベース2に対して第1回転軸AX1まわりに第2回転方向R2に回動させる。また、操作部66が、第2操作方向MR2(より具体的には、第1操作方向MR1とは反対の方向)に操作されると、リンクアーム67は、支持体63を介して、押圧部材4を第1回転軸AX1から離れる方向に移動させる(図14(b)を参照。)。
【0084】
その結果、押圧部材4が、飲料注出管10から離れる方向に移動する(図15(b)を参照。)。より具体的には、図15(b)に例示されるように、押圧部材4が液注出管10aから離れる方向に移動し、図16(b)に例示されるように、押圧部材4が泡注出管10bから離れる方向に移動する。その後、液注出管10a、および/または、泡注出管10bを容易にメンテナンスすることができる(より具体的には、洗浄すること、あるいは、交換することができる)。
【0085】
図14(b)に記載の例において、第2操作部材65の操作部66が、第1操作方向MR1に操作されると、第2操作部材65のリンクアーム67は、第1アーム62を、ベース2に対して第1回転軸AX1まわりに第1回転方向R1に回動させる。また、操作部66が、第1操作方向MR1に操作されると、リンクアーム67は、支持体63を介して、押圧部材4を第1回転軸AX1に近づく方向に移動させる(図14(a)を参照。)。
【0086】
その結果、押圧部材4が、飲料注出管10を圧潰する(図15(a)を参照。)。より具体的には、図15(a)に例示されるように、押圧部材4が液注出管10aを圧潰し、図16(a)に例示されるように、押圧部材4が泡注出管10bを圧潰する。
【0087】
図17に記載の例では、第2操作部材65は、ユーザーによって操作される操作部66と、リンクアーム67とを有する。また、リンクアーム67は、左側リンクアーム67aと、右側リンクアーム67bとを含む。
【0088】
図17に記載の例では、操作部66は、左側リンクアーム67aと右側リンクアーム67bとを連結する連結体660によって構成されている。この場合、操作部66は、ユーザーによって操作される機能と、第2操作部材65の構造強度を向上させる機能とを有することとなる。図17に記載の例では、連結体660は、連結プレートである。代替的に、連結体660は、連結棒であってもよい。
【0089】
左側リンクアーム67aおよび右側リンクアーム67bの各々は、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように、第1部材61に連結される。また、左側リンクアーム67aおよび右側リンクアーム67bの各々は、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように、支持体63に連結される。
【0090】
図17に記載の例では、第1部材61は、左側第1アーム62aと、右側第1アーム62bとを有する。左側第1アーム62aおよび右側第1アーム62bの各々は、第1回転軸AX1まわりに回転可能なようにベース2(図17には図示されず。)に連結される。また、左側第1アーム62aは、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように、左側リンクアーム67aに連結され、右側第1アーム62bは、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように、右側リンクアーム67bに連結される。
【0091】
図17に記載の例では、支持体63は、押圧部材4(図17には図示されず。)を支持する先端部分631と、ベース2に対して摺動する基端部分634と、先端部分631と基端部分634とを連結する連結アーム632とを有する。
【0092】
図10に記載の例では、支持体63の先端部分631は、押圧部材4を、第1軸AT1まわりに回転可能に支持する。より具体的には、支持体63の先端部分631は、ピン部材69を介して、押圧部材4を、第1軸AT1まわりに回転可能に支持する。
【0093】
図10に記載の例では、支持体63の基端部分634は、ベース2のガイド部材26が挿入される長孔部63hを有する。図10に記載の例では、基端部分634に設けられた長孔部63hの数が2個であるが、当該長孔部63hの数は、1個、あるいは、3個以上であってもよい。
【0094】
図17に記載の例では、支持体63は、左側板部64aと、右側板部64bと、を有する。付加的に、支持体63は、左側板部64aと右側板部64bとを連結する第2連結体64cを有していてもよい。
【0095】
図17に記載の例では、支持体63は、左側板部64aと右側板部64bとの間に、飲料注出管10を配置可能な空間SPが形成する。左側板部64aと右側板部64bとの間に飲料注出管10が配置される場合、メンテナンス補助装置6が付加されることに起因して、飲料注出装置1Aのサイズが大きくなることが抑制される。図10に例示されるように、左側板部64aと右側板部64bとの間の空間に、液注出管10aおよび泡注出管10bの両方が配置されていてもよい。
【0096】
図1に記載の例では、メンテナンス補助装置6は、蓋部材3によって覆われている。メンテナンス補助装置6の一部が蓋部材3によって覆われていてもよく、メンテナンス補助装置6の全体が蓋部材3によって覆われていてもよい。メンテナンス補助装置6の全体が蓋部材3によって覆われる場合、飲料注出装置1Aから飲料が注出される際に、メンテナンス補助装置6が外部に露出することがない。よって、メンテナンス補助装置6の存在によって、飲料注出装置1Aの見栄えが悪化しない。また、メンテナンス補助装置6が、不用意に操作されることが防止される。
【0097】
(容器本体部8)
図1に記載の例では、容器本体部8は、飲料貯留容器Bを収容している。より具体的には、容器本体部8は、飲料貯留容器Bを収容する外容器81である。当該外容器81は、飲料貯留容器B内の飲料Dの温度変化を防止する断熱容器であることが好ましい。代替的に、容器本体部8は、飲料Dを直接貯留してもよい。
【0098】
容器本体部8は、取っ手84を備えていてもよい。この場合、店員、スタッフ等は、取っ手84を手で持つことにより、飲料注出装置1Aを容易に運搬することができる。
【0099】
容器本体部8は、その下部に、飲料受け部85を備えていてもよい。飲料受け部85は、飲料注出管10の飲料注出口OPからしたたり落ちる飲料を受け止め、飲料が飲料受け部85の外部に流出することを抑制する。
【0100】
(飲料注出管10)
飲料注出管10は、液状の飲料を注出する液注出管10aと、泡状の飲料を注出する泡注出管10bとを含んでいてもよい。
【0101】
図12(a)に記載の例では、液注出管10aは、可撓管である。押圧部材4が、液注出管10aを押し潰すことにより、液注出管10aの流路は閉鎖される。他方、押圧部材4による液注出管10aの押し潰しが解除されると、液注出管10aの流路は開放される(図12(b)を参照。)。
【0102】
図12(a)に記載の例において、第1操作部材5が第3操作方向MR3に操作されると、押圧部材4は、液注出管10aの流路FP1の状態を閉状態から開状態に変更する。その結果、飲料貯留容器Bから取り出された飲料が、液注出管10aの液注出口OP1から注出される(図12(b)を参照。)。
【0103】
図13(a)に記載の例では、泡注出管10bに泡生成器29が接続されている。泡生成器29としては、公知の泡生成器を採用することが可能である。図13(a)に記載の例では、泡注出管10bは、泡生成器29の上流側端部に接続された液移送管16bと、泡生成器29の下流側端部に接続された泡移送管17bとを含む。図13(a)に記載の例では、泡移送管17bは、押圧部材4によって押し潰し可能な可撓管である。
【0104】
図13(a)に記載の例において、第1操作部材5が第4操作方向MR4に操作されると、押圧部材4は、泡注出管10bの第2流路FP2の状態を閉状態から開状態に変更する。その結果、飲料貯留容器Bから取り出された飲料が、泡注出管10bの泡注出口OP2から注出される(図13(b)を参照。)。
【0105】
(第2の実施形態)
図18乃至図27を参照して、第2の実施形態における飲料注出装置1Bについて説明する。図18は、第2の実施形態における飲料注出装置1Bを模式的に示す概略断面図である。図19は、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から液注出位置Q2に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。図20は、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から泡注出位置Q3に移動される様子を模式的に示す概略断面図である。図21は、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。図22は、押圧部材4がメンテナンス位置P2にある状態で、飲料注出管10が交換される様子を模式的に示す概略断面図である。図23は、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に位置変更される様子を模式的に示す概略断面図である。図24は、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。図25は、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に位置変更される様子を模式的に示す概略側面図である。図26は、第2の実施形態における飲料注出装置1Bを模式的に示す概略左側面図である。図27は、第2の実施形態における飲料注出装置1Bを模式的に示す概略右側面図である。
【0106】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0107】
図18に例示されるように、第2の実施形態における飲料注出装置1Bは、(1)可撓部11を有する飲料注出管10と、(2)飲料注出管10を支持するベース2と、(3)飲料注出管10の少なくとも一部を上方から覆う蓋部材3と、(4)飲料注出管10の可撓部11を外側から押圧することにより飲料注出管10の流路FP1を閉鎖する押圧部材4と、(5)押圧部材4の状態を、飲料注出停止用の進出状態J1(図19(a)を参照。)と飲料注出用の退避状態J2(図19(b)を参照。)との間で状態変更させる第1操作部材5と、を具備する。付加的に、第1操作部材5は、押圧部材4の状態を、飲料注出停止用の進出状態J1(図20(a)を参照。)と泡注出用の第2退避状態J3(図20(b)を参照。)との間で状態変更可能であってもよい。
【0108】
図21(b)に記載の例では、飲料注出装置1Bは、メンテナンス補助装置6を具備する。メンテナンス補助装置6は、(7)ベース2に連結される第1部材61と、(8)押圧部材4を支持する支持体63と、(9)進出状態J1の押圧部材4が、流路FP1を閉鎖する作動位置P1(図21(a)を参照。)から、流路FP1を開放するメンテナンス位置P2(図21(b)を参照。)に移動するよう、支持体63を第1部材61に対して相対移動させる第2操作部材65と、を有する。
【0109】
図21(b)に記載の例では、第1部材61がベース2に連結され、且つ、支持体63が押圧部材4を支持している。このため、第2操作部材65が、支持体63を第1部材61に対して相対移動させると、押圧部材4は、支持体63とともに、ベース2およびベース2に支持された飲料注出管10に対して、相対移動する。こうして、押圧部材4の状態が進出状態J1に維持されたまま、飲料注出管10の流路FP1を開放することができる。
【0110】
第2の実施形態における飲料注出装置1Bは、進出状態J1の押圧部材4をメンテナンス位置P2に移動させるメンテナンス補助装置6を備える。よって、ユーザーは、押圧部材4をメンテナンス位置P2に移動させることにより、飲料注出装置1Bの構成部品のメンテナンス(より具体的には、飲料注出管10の交換)を容易に実施することができる。
【0111】
例えば、図22に記載の例では、進出状態J1の押圧部材4がメンテナンス位置P2に移動された後、ベース2から使用済みの飲料注出管10uが取り外される(矢印AR1を参照。)。その後、ベース2に、新品の飲料注出管10nが取り付けられる(図23(a)を参照。)。更にその後、図23(b)に例示されるように、進出状態J1の押圧部材4がメンテナンス位置P2から作動位置P1に移動される。
【0112】
(任意付加的な構成)
続いて、図18乃至図27を参照して、第2の実施形態における飲料注出装置1Bにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0113】
(押圧部材4の移動)
図23に記載の例では、第2操作部材65が第1操作方向MR1に操作されることに応じて、押圧部材4(より具体的には、進出状態J1の押圧部材4)が、メンテナンス位置P2(図23(a)を参照。)から作動位置P1(図23(b)を参照。)に、直線的に移動するように構成されている。
【0114】
直線的移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合、旋回移動によって押圧部材4が作動位置P1にセットされる場合と比較して、セット時に、押圧部材4によって押圧される飲料注出管10の位置ずれが生じにくい。また、飲料注出管10の位置ずれに起因する不具合(例えば、液漏れ等)が生じにくい。
【0115】
図24(b)に記載の例では、第1部材61は、第1回転軸AX1まわりに回転可能なようにベース2によって支持される第1アーム62を含む。また、第2操作部材65は、第1アーム62の第1回転軸AX1まわりの第1回転方向R1への回転を、支持体63を介して、メンテナンス位置P2から作動位置P1への押圧部材4の直線的な移動に変換する。
【0116】
第2操作部材65が、第1アーム62の回転を押圧部材4の直線的移動に変換するように構成される場合、押圧部材4の移動を操作する第2操作部材65の配置の自由度が大きくなる。
【0117】
図24に記載の例では、第2操作部材65は、曲線軌道に沿って操作可能な操作部66と、リンクアーム67と、を有する。リンクアーム67は、曲線軌道に沿う操作部66の操作を、支持体63の直線的な移動に変換する。
【0118】
より具体的には、図24に記載の例では、リンクアーム67は、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように第1アーム62に連結され、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように支持体63に連結されている。また、ベース2は、支持体63の直線的な移動をガイドするガイド部材26(例えば、ガイドレール261)を有する。この場合、操作部66が曲線軌道に沿って移動するとき、第2操作部材65、第1アーム62、および、支持体63は、協働して、第1アーム62の第1回転軸AX1まわりの回転運動と、支持体63の直線運動とを誘起する。
【0119】
図25(b)に記載の例では、第2操作部材65は、ユーザーによって操作される操作部66を有する。また、操作部66が上方に引き上げられることにより、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に向かって直線的に移動するように構成されている。
【0120】
操作部66が、引き上げ可能な操作部である場合、ユーザーは、当該操作部66を操作し易い。
【0121】
図25に記載の例では、押圧部材4が、作動位置P1からメンテナンス位置P2に移動するよう、第2操作部材65の操作部66が第2操作方向MR2(図25(b)を参照。)に操作されるとき、操作部66の移動速度に対する押圧部材4の移動速度の比率が徐々に増加するように構成されている(図25(a)乃至図25(d)における操作部66および押圧部材4の移動軌跡を参照。)。この場合、第2操作方向MR2への操作部66の操作の最終段階において、押圧部材4を速やかに飲料注出管10から離間させることができる。
【0122】
図24に記載の例では、押圧部材4が、メンテナンス位置P2から作動位置P1に移動するよう、第2操作部材65の操作部66が第1操作方向MR1(図24(b)を参照。)に操作されるとき、操作部66の移動速度に対する押圧部材4の移動速度の比率が徐々に減少するように構成されている(図24(a)乃至図24(c)における操作部66および押圧部材4の移動軌跡を参照。)。この場合、第1操作方向MR1への操作部66の操作の最終段階において、操作部66に作用する力が、効果的に、飲料注出管10(必要であれば、図23(b)を参照。)に対する押圧部材4の押圧力に変換される。
【0123】
(メンテナンス補助装置6)
図26に記載の例では、メンテナンス補助装置6は、第1部材61と、支持体63と、第2操作部材65と、を有する。
【0124】
図26に記載の例では、第1部材61は、第1アーム62を含み、第2操作部材65は、リンクアーム67を含む。
【0125】
第1アーム62は、第1回転軸AX1まわりに回転可能なようにベース2によって支持される。第1アーム62は、ベース2に接続される第1端部621と、リンクアーム67に接続される第2端部622とを有する。
【0126】
リンクアーム67は、第1アーム62と支持体63とを連結する。より具体的には、リンクアーム67は、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように第1アーム62に連結され、且つ、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように支持体63に連結される。
【0127】
図25(b)に記載の例において、第2操作部材65の操作部66が、第2操作方向MR2に操作されると、第2操作部材65のリンクアーム67は、第1アーム62を、ベース2に対して第1回転軸AX1まわりに第2回転方向R2に回動させる。また、操作部66が、第2操作方向MR2に操作されると、リンクアーム67は、支持体63を介して、押圧部材4を第1回転軸AX1から離れる方向に移動させる(図25(c)および図25(d)を参照。)。
【0128】
その結果、押圧部材4が、飲料注出管10から離れる方向に移動する(図25(d)を参照。)。その後、飲料注出管10を容易にメンテナンスすることができる。より具体的には、使用済みの飲料注出管10uを、容易に、新品の飲料注出管に交換することができる。
【0129】
図24(b)に記載の例において、第2操作部材65の操作部66が、第1操作方向MR1(より具体的には、第2操作方向MR2とは反対の方向)に操作されると、第2操作部材65のリンクアーム67は、第1アーム62を、ベース2に対して第1回転軸AX1まわりに第1回転方向R1に回動させる。また、操作部66が、第1操作方向MR1に操作されると、リンクアーム67は、支持体63を介して、押圧部材4を第1回転軸AX1に近づく方向に移動させる。その結果、押圧部材4は、飲料注出管10を圧潰する(図23(b)を参照。)。
【0130】
図26に記載の例では、第2操作部材65は、ユーザーによって操作される操作部66と、リンクアーム67とを有する。また、リンクアームは、左側リンクアーム67a(図26を参照。)と、右側リンクアーム67b(図27を参照。)と、を含む。
【0131】
操作部66は、例えば、左側リンクアーム67aと右側リンクアーム67bとを連結する連結体660によって構成される。連結体660は、連結プレートであってもよいし、連結棒であってもよい。
【0132】
図26に記載の例では、左側リンクアーム67aは、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように、第1部材61の左側第1アーム62aに連結される。また、左側リンクアーム67aは、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように、支持体63のハウジング633に連結される。
【0133】
図27に記載の例では、右側リンクアーム67bは、第2回転軸AX2まわりに回転可能なように、第1部材61の右側第1アーム62bに連結される。また、右側リンクアーム67bは、第3回転軸AX3まわりに回転可能なように、支持体63のハウジング633に連結される。
【0134】
図21(b)に記載の例では、支持体63は、押圧部材4を収容するハウジング633と、ベース2に対して摺動する基端部分634と、を有する。支持体63の基端部分634は、ベース2のガイド部材(例えば、ガイドレール、ガイドピン、ガイド孔部等)によって、スライド移動可能に支持される。
【0135】
(蓋部材3)
図21(a)に記載の例では、支持体63と蓋部材3とが一体化されている。図21(a)に例示されるように、支持体63のハウジング633の上側部分が、蓋部材3として機能してもよいし、支持体63のハウジング633に蓋部材3が取り付けられてもよい。蓋部材3が支持体63と一体化されている場合、第2操作部材65が操作されることに応じて、蓋部材3とメンテナンス補助装置6の支持体63とは、一体的に移動する(図21(b)を参照。)。
【0136】
図21に例示されるように、蓋部材3には、第1操作部材5が挿通される貫通孔3hが設けられていてもよい。
【0137】
(ベース2)
ベース2は、1つの部品によって構成されていてもよく、図18に例示されるように、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0138】
図18に記載の例では、ベース2は、第1直線支持部24を有する。第1直線支持部24は、飲料注出管10の第1直線部分14を支持する。
【0139】
図18に記載の例では、飲料注出管10は、湾曲部分13および第1直線部分14を有する。また、飲料注出管10の第1直線部分14は、湾曲部分13から斜め下方に向けて延在している。第1直線部分14の下流端部には、飲料注出口OPが形成されている。
【0140】
図18に記載の例では、押圧部材4は、飲料注出管10の流路FP1の開閉状態を切り換える弁体V1である。また、第1直線支持部24は、押圧部材4と協働して、流路FP1の閉鎖状態を維持する弁座部V2である。
【0141】
図18に記載の例では、ベース2は、飲料注出管10内の液状の飲料から泡状の飲料を生成する泡生成器29を備える。泡生成器29は、泡立て用の超音波振動子29vであってもよい。
【0142】
図26に記載の例では、ベース2は、メンテナンス補助装置6の第1部材61を、第1回転軸AX1まわりに回転可能に支持する支持部材22を有する。支持部材22は、例えば、ピン部材である。
【0143】
(押圧部材4)
図18に記載の例では、押圧部材4は、飲料注出管10を押圧する第1押圧部41aを有する。図19(a)に記載の例では、第1操作部材5がデフォルト位置Q1にあるとき、第1押圧部41aは、流路FP1の最小断面積がゼロとなるように、飲料注出管10を圧潰する。また、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第3操作方向MR3に操作されることに応じて、第1押圧部41aは、弁座部V2から離れる方向に、直線的に移動する(図19(b)を参照。)。
【0144】
図20(a)に記載の例では、第1操作部材5がデフォルト位置Q1から第4操作方向MR4(より具体的には、第3回転方向R3とは反対の方向)に操作されることに応じて、第1押圧部41aは、弁座部V2から離れる方向に、直線的に移動する(図20(b)を参照。)。
【0145】
(第1操作部材5)
図19(a)に記載の例では、第1操作部材5は、押圧部材4を機械的に操作する部材(より具体的には、操作レバー)である。代替的に、第1操作部材5は、押圧部材4を電気機械的に操作する操作ボタンであってもよい。換言すれば、押圧部材4は、操作ボタンが押圧されることに応じて、モータ等の駆動力を用いて操作されてもよい。
【0146】
(飲料注出管10)
図19(a)に記載の例では、飲料注出管10は、液状の飲料および泡状の飲料を選択的に注出可能な管である。飲料注出管10は、例えば、使い捨て部品である。飲料注出管10は、押圧部材4によって押し潰し可能な可撓部11と、非可撓部12(換言すれば、硬質部)を有していてもよい。
【0147】
図19(a)に記載の例において、第1操作部材5が、デフォルト位置Q1から液注出位置Q2に向けて第3操作方向MR3に操作されると、飲料注出管10の流路FP1が開放される。その結果、飲料注出管10の飲料注出口OPから液状の飲料が注出される。
【0148】
図20(a)に記載の例において、第1操作部材5が、デフォルト位置Q1から泡注出位置Q3に向けて第4操作方向MR4に操作されると、飲料注出管10の流路FP1が開放される。また、第1操作部材5が、デフォルト位置Q1から泡注出位置Q3に向けて第4操作方向MR4に操作されると、泡生成器29は、飲料注出管10内の液状の飲料から泡状の飲料を生成する。その結果、飲料注出管10の飲料注出口OPから泡状の飲料が注出される。
【0149】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0150】
1、1A、1B:飲料注出装置
2 :ベース
3 :蓋部材
3h :貫通孔
4 :押圧部材
5 :第1操作部材
6 :メンテナンス補助装置
8 :容器本体部
10 :飲料注出管
10a :液注出管
10b :泡注出管
10n :新品の飲料注出管
10u :使用済みの飲料注出管
11 :可撓部
12 :非可撓部
13 :湾曲部分
14 :第1直線部分
15 :第2直線部分
16b :液移送管
17b :泡移送管
18 :先端部
21 :筒部
22 :支持部材
22a :左側支持部材
22b :右側支持部材
23 :第1湾曲支持部
24 :第1直線支持部
25 :第2直線支持部
26 :ガイド部材
26a :左側ガイド部材
26b :右側ガイド部材
27a :第1取付部
27b :第2取付部
27c :第3取付部
27d :第4取付部
28 :ガス抜き弁
29 :泡生成器
29v :超音波振動子
32 :第2係合部
33 :第3操作部
34 :ポンプ
35 :スイッチ
41a :第1押圧部
41b :第2押圧部
45 :カム面
45a :第1カム面
45b :第2カム面
61 :第1部材
62 :第1アーム
62a :左側第1アーム
62b :右側第1アーム
63 :支持体
63a :左側側部
63b :右側側部
63h :長孔部
64a :左側板部
64b :右側板部
64c :第2連結体
65 :第2操作部材
66 :操作部
67 :リンクアーム
67a :左側リンクアーム
67b :右側リンクアーム
68 :付勢部材
69 :ピン部材
81 :外容器
82 :第1係合部
84 :取っ手
85 :飲料受け部
91 :飲料取出管
261 :ガイドレール
621 :第1端部
622 :第2端部
631 :先端部分
632 :連結アーム
633 :ハウジング
634 :基端部分
660 :連結体
918 :先端部
AS :メンテナンス補助装置を含むアセンブリ
AT1 :第1軸
AX1 :第1回転軸
AX2 :第2回転軸
AX3 :第3回転軸
B :飲料貯留容器
D :飲料
FP1 :流路
FP2 :第2流路
OP :飲料注出口
OP1 :液注出口
OP2 :泡注出口
SP :空間
V :飲料弁
V1 :弁体
V2 :弁座部
V2' :第2弁座部
W :洗浄液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27