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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182238
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】紙製組立ブース
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095727
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】水野 剛秀
(72)【発明者】
【氏名】藤田 光香
(72)【発明者】
【氏名】中田 幸也
(72)【発明者】
【氏名】田中 栄一
(57)【要約】
【課題】簡単に組み立てることができ、かつ、簡単にコンパクトに折り畳めるパーソナルブースを提供する。
【解決手段】紙製組立ブース1は、紙製組立ブース1を構成するパネルをVカット溝に沿って折り曲げるだけの簡単な操作で、第1のVカット溝100を折り曲げることでブース本体10がコの字状をなし、第3のVカット溝130に沿って折り曲げたテーブル板131の下に、第4のVカット溝140に沿って折り曲げたフラップ板141が重なり、少なくとも前記テーブル板131の先端側が脚板142の先端面1420と当接する状態に組み立てることができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リジッドペーパーボードからなり、
後面パネルと前記後面パネルの両側に連設する2枚の側面パネルを有し、前記後面パネルと前記側面パネルの境目に第1のVカット溝を加工し、更に、前記境目から所定の間隔をあけた前記側面パネルの位置に、前記境目と平行になる第2のVカット溝を加工したブース本体と、
テーブル板と第3のVカット溝を介して先端側が前記テーブル板と連設するテーブル固定板を有し、前記テーブル固定板が前記後面パネルと接着しているテーブルパネルと、
フラップ板と第4のVカット溝を介して前記フラップ板と連設する脚板を有し、前記脚板が前記側面パネルと接着している脚パネルを備え、
前記第1のVカット溝を折り曲げて前記ブース本体がコの字状をなし、前記第3のVカット溝に沿って折り曲げた前記テーブル板の下に、前記第4のVカット溝に沿って折り曲げた前記フラップ板が重なる状態で組み立て可能で、前記第1のVカット溝および前記第2のVカット溝それぞれを折り曲げることで、前記ブース本体を巻き三つ折りの状態で折り畳み可能に構成されている、
ことを特徴とする紙製組立ブース。
【請求項2】
前記フラップ板と重なる前記テーブル板の箇所に一対のダボを設けて、前記一対のダボの一つと重なる前記フラップ板の箇所に、前記一対のダボの一つと嵌合させるダボ孔を設けたことを特徴とする、請求項1に記載した紙製組立ブース。
【請求項3】
前記折り返し部を設けた前記テーブル板の先端側が少なくとも前記脚板の先端面と当接する状態で組み立て可能に構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載した紙製組立ブース。
【請求項4】
前記脚板の先端面と当接する前記テーブル板の先端側に、リジッドペーパーボードを2重にした折り返し部を設けたことを特徴とする、請求項1または2に記載した紙製組立ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルスペースを構築するときに用いるパーソナルブースに関する。
【背景技術】
【0002】
新型ウィルスによる感染症が世界的に流行したことを受けて、ICT(Information and Communication Technology)を活用した新生活様式(「ニューノーマル」とも称される)が急速に普及した。ICTを活用した新生活様式では、これまで所定の場所に出向いて行っていたことを、所定の場所に出向くことなく自宅で行えるようになった。このような新生活様式としては、例えば、仕事の分野ではテレワークが普及し、教育の分野ではオンライン授業が普及している。
【0003】
ICTを活用した新生活様式を家族がいる自宅で行う場合、ICTを活用した新生活様式を行うパーソナルスペースと生活を行う生活スペースを分ける工夫が必要になる。ICTを活用した新生活様式を行うパーソナルスペースと生活スペースを分けることで、ICTを活用した新生活様式で行う作業に集中できる。
【0004】
生活スペースとしてほとんど利用していない部屋が自宅にある人ならば、この部屋をパーソナルスペースに利用できる。生活スペースとしてほとんど利用していない部屋が自宅にない人の場合、生活スペースとして利用している部屋の空スペースにパーソナルスペースを構築しなければならない。
【0005】
パーソナルスペースの構築には簡易的なパーソナルブースを利用するのが一般的である。自宅の部屋に設置可能なパーソナルブースに係る発明として、ICTを活用した新生活様式で用いるコンピュータ機器(ノート型パーソナルコンピュータ)を置くテーブルを備えたパーソナルブースが特許文献1,2などで開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3228261号公報
【特許文献2】特許第6815056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
生活スペースなどとして利用している部屋の空スペースにパーソナルブースを置くことを考慮すると、パーソナルブースを簡単に組み立てて簡単に仕舞えることが望ましい。パーソナルブースを簡単に組み立てて簡単に仕舞えれば、ICTを活用した新生活様式を行うときだけ、自宅の部屋などにパーソナルスペースを構築できる。ICTを活用した新生活様式ではパーソナルコンピュータを使用するため、ICTを活用した新生活様式に用いるパーソナルブースには、ICTを活用した新生活様式で行う作業に耐えられる剛性が必要となる。
【0008】
そこで、本願では、簡単に組み立てることができ、かつ、簡単にコンパクトに折り畳めるパーソナルブースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本願発明は、リジッドペーパーボードからなる紙製組立ブースである。本願発明に係る紙製組立ブースは、後面パネルと前記後面パネルの両側に連設する2枚の側面パネルを有し、前記後面パネルと前記側面パネルの境目に第1のVカット溝を加工し、更に、前記境目から所定の間隔をあけた前記側面パネルの位置に、前記境目と平行になる第2のVカット溝を加工したブース本体を備える。本願発明に係る紙製組立ブースは、テーブル板と第3のVカット溝を介して前記テーブル板と連設するテーブル固定板を有し、前記テーブル固定板が前記後面パネルと接着しているテーブルパネルを備える。本願発明に係る紙製組立ブースは、フラップ板と第4のVカット溝を介して前記フラップ板と連設する脚板を有し、前記脚板が前記側面パネルと接着している脚パネルを備える。本願発明に係る紙製組立ブースは、前記第1のVカット溝を折り曲げて前記ブース本体がコの字状をなし、前記第3のVカット溝に沿って折り曲げた前記テーブル板の下に、前記第4のVカット溝に沿って折り曲げた前記フラップ板が重なり、少なくとも前記テーブル板の先端側が前記脚板の先端面と当接する状態で組み立て可能で、前記第1のVカット溝および前記第2のVカット溝それぞれを折り曲げることで、前記ブース本体を巻き三つ折りの状態で折り畳み可能に構成されている。
本願発明では、前記フラップ板と重なる前記テーブル板の箇所に一対のダボを設けて、前記一対のダボの一つと重なる前記フラップ板の箇所に、前記一対のダボの一つと嵌合させるダボ孔を設けることが好適である。
更に、本願発明では、前記折り返し部を設けた前記テーブル板の先端側が少なくとも前記脚板の先端面と当接する状態で組み立て可能に構成されていることが好適である。
更に、本願発明では、前記脚板の先端面と当接する前記テーブル板の先端側に、リジッドペーパーボードを2重にした折り返し部を設けることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本願に係る紙製組立ブースは、紙製組立ブースを構成するパネルをVカット溝に沿って折り曲げるだけの簡単な操作で組み立てできる。また、本願に係る紙製組立ブースは、紙製組立ブースを構成するパネルをVカット溝に沿って折り曲げるだけの簡単な操作で、組み立てた状の紙製組立ブースをコンパクトに折り畳める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】展開した状態の紙製組立ブースを示した図。
図2】紙製組立ブースで用いるリジッドペーパーボードを示した図。
図3】紙製組立ブースに加工するVカット溝を示した図。
図4】後面パネルとテーブルパネルを示した図。
図5】テーブル板の先端側に設けた折り返し部を示した図。
図6】側面パネルと脚パネルを示した図。
図7】組み立てた状態の紙製組立ブースの斜視図を示した図。
図8】組み立てた状態におけるテーブルパネルを示した図。
図9】組み立てた状態における脚パネルを示した図。
図10】組み立てた状態における脚パネルとテーブル板を示した図。
図11】折り畳んだ状態の紙製組立ブースを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここから、本願発明に係る実施形態について記載する。実施形態は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、本願発明は、実施形態に限定されるものではない。また、特に断りのない限り、図面は、本願発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0013】
実施形態に係る紙製組立ブース1は、生活スペースなどとして利用している部屋の空スペースにパーソナルスペースを構築するためのパーソナルブースである。実施形態に係る紙製組立ブース1は、簡単に組み立てることができ、かつ、簡単にコンパクトに折り畳めるように構成されている。
【0014】
図1では、展開した状態の紙製組立ブース1を示している。図1では、展開した状態の紙製組立ブース1の内面(組み立てたときに内側になる面)を図示している。
【0015】
図1で図示した通り、実施形態に係る紙製組立ブース1は、後面パネル11と後面パネル11の両側に連設する2枚の側面パネル12を有し、後面パネル11と側面パネル12の境目101に第1のVカット溝100を加工し、更に、境目101から所定の間隔をあけた側面パネル12の位置に、境目101と平行になる第2のVカット溝120を加工したブース本体10備える。更に、実施形態に係る紙製組立ブース1は、テーブル板131と第3のVカット溝130を介してテーブル板131と連設するテーブル固定板132を有し、テーブル固定板132が後面パネル11と接着しているテーブルパネル13を備える。更に、実施形態に係る紙製組立ブース1は、フラップ板141と第4のVカット溝140を介してフラップ板141と連設する脚板142を有し、脚板142が側面パネル12と接着している脚パネル14を備える。
【0016】
図2では、紙製組立ブース1で用いるリジッドペーパーボード2を示している。サステナブル(Sustainable)を考慮して、実施形態に係る紙製組立ブース1の素材にリジッドペーパーボード2を用いている。リジッドペーパーボード2とは、木材合板並みの強度を持ちながらも軽量であるという特徴を持つように、紙とデンプン質接着剤から作られたボードである。リジッドペーパーボード2を紙製組立ブース1の素材に用いることで、ICTを活用した新生活様式で行う作業に耐えられる剛性を紙製組立ブース1に持たせることができる。リジッドペーパーボード2には、ハニカムボード、積層段ボールなどがある。本実施形態では、厚さが15mmのハニカムボードを紙製組立ブース1に利用している。
【0017】
図2で図示した通り、リジッドペーパーボード2は、ライナ20で中芯21を挟んだ構成になっている。中芯21の構造は、リジッドペーパーボード2の種類によって異なる。例えば、ハニカムボードの中芯21は、正六角柱を隙間なく並べたハニカム構造になっている。実施形態に係る紙製組立ブース1で用いたリジッドペーパーボード2のライナ20は、坪量が450g/mのコートボール紙である。リジッドペーパーボード2のライナ20には、所定の絵柄を印刷できる。木製家具の印象を紙製組立ブース1の利用者に与えるため、テーブル板131の一部を除いて、木目調の絵柄をライナ20の表裏に印刷することが望ましい。
【0018】
図3では、紙製組立ブース1に加工するVカット溝22を示している。図3(A)で図示した通り、Vカット溝22は、片面のライナ20を切断しない深さで、断面から見てVの字型にカットした溝である。実施形態では、第1のVカット溝100、第2のVカット溝120、第3のVカット溝130および第4のVカット溝140を紙製組立ブース1に加工するが、それぞれのVカット溝22の角度は略直角である。厚さが15mmのリジッドペーパーパネルを採用する場合、Vカット溝22の最大幅は30mmになる。
【0019】
図3(B)で図示した通り、Vカット溝22を折り曲げることで、紙製組立ブース1に用いるリジッドペーパーボード2を略直角に折り曲げることができる。リジッドペーパーボード2の厚さは、通常の段ボールと比較して厚く、また、リジッドペーパーボード2の垂直圧縮強度(面方向に垂直な方向の強度)は高い。このため、図3(B)では、Vカット溝22に沿ってVカット溝22の上側になる板を折り曲げると、Vカット溝22の下側になる板で、Vカット溝22の上側になる板を支えることができる。例えば、テーブルパネル13の場合、第3のVカット溝130の下側になるテーブル固定板132により、第3のVカット溝130の上側になるテーブル板131を支えることができる。
【0020】
ここから、紙製組立ブース1を構成するパネルについてそれぞれ詳細に説明する。図4では、後面パネル11とテーブルパネル13を示している。図4で図示した通り、後面パネル11は一枚のパネルである。後面パネル11に下端には、電源ケーブルなどのケーブルを通すための第1のケーブル孔110を設けている。図1を用いて説明した通り、後面パネル11の両側、すなわち、後面パネル11と側面パネル12の境目101には第1のVカット溝100が加工されている。図4で図示した通り、後面パネル11には、テーブル板131を有するテーブルパネル13が取り付けられている。実施形態において、テーブルパネル13の幅は後面パネル11とほぼ同じになっている。これは、テーブル板131と側面パネル12の隙間をなくすためである。
【0021】
テーブルパネル13は、テーブルパネル13の幅方向に延びる第3のVカット溝130を介してテーブル板131とテーブル固定板132が連設する構造になっている。第3のVカット溝130の下側になるテーブル固定板132は後面パネル11に接着されている。第3のVカット溝130の上側になるテーブル板131は、後面パネル11に接着されておらず、テーブル板131は、第3のVカット溝130によりテーブル固定板132に対して略直角に折り曲げ可能になっている。また、テーブル板131には、ケーブルを通すための第2のケーブル孔1312を加工している。
【0022】
図5では、テーブル板131の先端側に折り返し部1311を示している。後面パネル11と接着しているテーブル固定板132に対して略直角になるまでテーブル板131を折り曲げたとき、テーブル板131の先端側は紙製組立ブース1の正面側になる。このため、テーブル板131の先端側は、紙製組立ブース1を利用する人やこの人が座る椅子と触れる可能性がある。そこで、実施形態に係る紙製組立ブース1には、テーブル板131の先端側を補強するために、テーブル板131の先端側に、リジッドペーパーボード2を2重にした折り返し部1311を必要に応じて設けることができる。
【0023】
テーブル板131の先端側に設けた折り返し部1311では、リジッドペーパーボード2が2重になっている。テーブル板131の先端側に設けた折り返し部1311は、2本のVカット溝22を利用して形成される。角度が略直角になっている2本のVカット溝22aそれぞれを折り曲げ、それぞれが向き合うライナ20を接着することで、テーブル板131の先端側に設けた折り返し部1311を形成できる。
【0024】
図6では、側面パネル12と脚パネル14を示している。側面パネル12には、後面パネル11と側面パネル12の境目101から所定の間隔をあけた位置に、この境目101と平行になる第2のVカット溝120が加工されている。第2のVカット溝120を加工する側面パネル12の位置は、リジッドペーパーボード2の厚みなどに基づいて決定されている。紙製組立ブース1を折り畳むと、第2のVカット溝120を加工する側面パネル12の位置から境目101までの間に、一枚のテーブルパネル13と一枚の脚パネル14が少なくとも収納される。よって、第2のVカット溝120を加工する側面パネル12の位置から境目101までの長さは、リジッドペーパーボード2の厚みの倍よりも長くする必要がある。実施形態では、厚さが15mmのリジッドペーパーパネルを採用していることと、第1のVカット溝100から第2のVカット溝120の間における側面パネル12の剛性を考え、第2のVカット溝120を加工する側面パネル12の位置から境目101までの長さを100mm程度にしている。実施形態に係る紙製組立ブース1には、テーブル板131の先端側と同様に、側面パネル12の下端側にはリジッドペーパーボード2を2重にした折り返し部121を必要に応じて設けることができる。これは、折り畳んだ状態の紙製組立ブース1を展開するとき、側面パネル12が床と擦れるからである。また、第1のVカット溝100と第2のVカット溝120で挟まれる側面パネル12の箇所に、紙製組立ブース1の持ち運びに用いる手掛け孔122を加工している。
【0025】
脚パネル14は、脚パネル14の幅方向に延びる第4のVカット溝140を介してフラップ板141と脚板142が連設した構造になっている。第4のVカット溝140の下側になる脚板142は側面パネル12に接着されている。第4のVカット溝140の上側になるフラップ板141は、側面パネル12に接着されておらず、フラップ板141は、フラップ板141と脚板142の間に加工した第4のVカット溝140により略直角に折り曲げ可能になっている。フラップ板141は、テーブル板131を支持する板になる。脚板142は、テーブル板131を支持するフラップ板141を支持する板になる。
【0026】
実施形態に係る紙製組立ブース1では、組み立てた状態の紙製組立ブース1を強固にするために、略直角に折り曲げたときに裏面となるテーブル板131の面に一対のダボ1310を必要に応じて設けることができる。また、実施形態に係る紙製組立ブース1では、テーブル板131に設けた一対のダボ1310の一つと嵌合させるダボ孔1410をフラップ板141に必要に応じて設けることができる。
【0027】
図7では、組み立てた状態の紙製組立ブース1の斜視図を示している。図8では、組み立てた状態におけるテーブルパネル13を示している。図9は、組み立てた状態における脚パネル14を示している。図10では、組み立て状態における脚パネル14とテーブル板131を示している。
【0028】
実施形態に係る紙製組立ブース1は、紙製組立ブース1を構成するパネルをVカット溝に沿って折り曲げるだけの簡単な操作で組み立てできる。実施形態に係る紙製組立ブース1は、第1のVカット溝100を折り曲げることでブース本体10がコの字状をなし、第3のVカット溝130に沿って折り曲げたテーブル板131の下に、第4のVカット溝140に沿って折り曲げたフラップ板141が重なり、少なくとも前記テーブル板131の先端側が前記脚板142の先端面1420と当接する状態に組み立てることができる。
【0029】
図7で図示した通り、組み立てた状態の紙製組立ブース1において、後面パネル11の両側に加工された第1のVカット溝100は折り曲げられ、側面パネル12は後面パネル11の両側で略直角をなし、ブース本体10はコの字状に形成されている。コの字状に形成されたブース本体10で囲まれた空間が、正面側が開口したパーソナルスペースとなる。
【0030】
図8で図示した通り、組み立てた状態の紙製組立ブース1において、テーブルパネル13に加工した第3のVカット溝130は折り曲げられて、テーブル板131は、テーブル固定板132に対して略直角をなし、後面パネル11から突出した状態になっている。図3を用いて説明した通り、テーブル板131がテーブル固定板132に対して略直角をなすことで、第3のVカット溝130に沿って略直角に折り曲げたテーブル板131をテーブル固定板132で支えられる。
【0031】
図9で図示した通り、組み立てた状態の紙製組立ブース1において、脚パネル14に加工した第4のVカット溝140は折り曲げられて、フラップ板141は、脚板142に対して略直角をなし、側面パネル12から突出した状態になっている。脚板142は、側面パネル12に貼り付けられた状態で立設し、脚板142の下端は、側面パネル12の折り返し部121と当接している。図3を用いて説明した通り、フラップ板141が脚板142に対して略直角をなすことで、第4のVカット溝140に沿って略直角に折り曲げたテーブル板131を脚板142で支えられる。
【0032】
図10(A)では、組み立てた状態における紙製組立ブース1の上面図を図示している。図10(A)で図示した通り、組み立てた状態における紙製組立ブース1において、第3のVカット溝130に沿って折り曲げたテーブル板131の下に、第4のVカット溝140に沿って折り曲げたフラップ板141が配置される。
【0033】
図10(B)は、図10(A)におけるX-X’の断面図である。組み立てた状態の紙製組立ブース1において、第3のVカット溝130に沿って折り曲げたテーブル板131の下に、第4のVカット溝140に沿って折り曲げたフラップ板141が重なっている。このとき、テーブル板131に設けた一対のダボ1310の一つはフラップ板141に設けたダボ孔1410と嵌合する。紙製組立ブース1を正面側からみたとき、テーブル板131に設けた一対のダボ1310の右側の1つは、右側になるフラップ板141に設けられたダボ孔1410と嵌合する。紙製組立ブース1を正面側からみたとき、テーブル板131に設けた一対のダボ1310の左側の1つは、左側になるフラップ板141に設けられたダボ孔1410と嵌合する。
【0034】
テーブル板131に設けた一対のダボ1310と、テーブル板131の両側になるフラップ板141のダボ孔1410それぞれが嵌合すると、フラップ板141はテーブル板131と連結する。フラップ板141を支持する脚板142は側面パネル12に貼り付けられているため、フラップ板141がテーブル板131と連結することで、テーブル板131は、テーブル板131の両側にある側面パネル12と連結する。テーブル板131が、テーブル板131の両側にある側面パネル12と連結すると、組み立てた状態における紙製組立ブース1の姿勢は強固になる。組み立てた状態における紙製組立ブース1が強固になると、テーブル板131ががたつきにくくなり、紙製組立ブース1の使い勝手が向上する。
【0035】
図10(C)は、図10(A)におけるY-Y’の断面図である。図10(C)で図示した通り、組み立てた状態の紙製組立ブース1において、テーブル板131の先端側に設けた折り返し部1311は、フラップ板141と連設していない先端面1420を脚板142と当接している。
【0036】
テーブル板131は、ICTを活用した新生活様式に係る作業を行う台になる。テーブル板131には、ICTを活用した新生活様式で用いるコンピュータや、コンピュータを作業する人の腕などが載せられる。実施形態に係る紙製組立ブース1は、Vカット溝22の折り曲げにより、正面側を除くテーブル板131の三方を支えている構造になっているが、テーブル板131の耐荷重をより上げるために、テーブル板131の先端に設けた折り返し部1311を脚板142の先端面1420で支えられるようにしている。なお、実施形態に係る紙製組立ブース1には、テーブル板131の耐荷重を上げるこれ以外の工夫を施すことができる。
【0037】
図11では、折り畳んだ状態の紙製組立ブース1を正面側から見た図を示している。実施形態に係る紙製組立ブース1は、紙製組立ブース1を構成するパネルをVカット溝に沿って折り曲げるだけの簡単な操作でコンパクトに折り畳める。組み立てた状態の紙製組立ブース1を折り畳む際、テーブルパネル13および脚パネル14それぞれを図1で図示した状態に戻し、第1のVカット溝100および第2のVカット溝120それぞれに沿って側面パネル12を略直角に折り曲げるだけの簡単な作業で、図11で図示したように、組み立てた状態の紙製組立ブース1を巻き三つ折りの状態で折り畳みできる。
【符号の説明】
【0038】
1 紙製組立ブース
10 ブース本体
100 第1のVカット溝
101 境目
11 後面パネル
110 第1のケーブル孔
12 側面パネル
120 第2のVカット溝
121 折り返し部
122 手掛け孔
13 テーブルパネル
130 第3のVカット溝
131 テーブル板
1310 一対のダボ
1311 折り返し部
1312 第2のケーブル孔
132 テーブル固定板
14 脚パネル
140 第4のVカット溝
141 フラップ板
1410 ダボ孔
142 脚板
1420 先端面
2 リジッドペーパーボード
20 ライナ
21 中芯
22 Vカット溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11