(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182242
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報端末、画像表示方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231219BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095732
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木野村 茂樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両に関する情報を簡単に確認できる情報端末および画像表示方法を提供する。
【解決手段】携帯端末1A(情報端末)が、カメラ11と、カメラ11によって取得された画像を含む情報を表示するTPD12(表示装置)と、TPD12を制御する制御装置13とを備える。制御装置13は、画像中に複数の車両が存在する場合に、複数の車両の各々に関する車両情報を取得し、取得された車両情報を、画像とともにTPD12に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラによって取得された画像を含む情報を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記画像中に複数の車両が存在する場合に、前記複数の車両の各々に関する車両情報を取得し、取得された前記車両情報を、前記画像とともに前記表示装置に表示させる、情報端末。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記画像に映った車両の識別情報を、前記画像から抽出する抽出部と、
前記識別情報をサーバに送信して、前記識別情報で特定される前記車両に関する前記車両情報を前記サーバに要求する要求部と、
を含む、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記カメラによって取得された前記画像中に電動車両が存在する場合に、前記制御装置は、当該電動車両が備える蓄電装置の蓄電残量と、当該電動車両の利用予約の有無と、当該電動車両の利用開始予定時刻との少なくとも1つを示す前記車両情報を取得し、前記表示装置は、当該電動車両に関する前記車両情報が前記画像に映った当該電動車両に重なるように、または当該電動車両に関する前記車両情報が前記画像に映った当該電動車両の近傍に位置するように、前記画像とともに前記車両情報を表示する、請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記カメラによって取得された前記画像中に駐車状態の車両が存在する場合に、前記制御装置は、当該車両が駐車している駐車場に関する駐車場情報を取得するように構成され、
前記駐車場情報は、前記駐車場に駐車している各車両に関する前記車両情報を含み、
前記制御装置は、ユーザからの要求に応じて、前記駐車場情報を前記表示装置に表示させる、請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項5】
カメラおよび表示装置を備える情報端末が、前記カメラにより車両を撮影することと、
前記情報端末が、前記車両の識別情報をクラウド上のコンピュータへ送信することと、
前記情報端末が、前記車両に関する車両情報を前記コンピュータから受信することと、
前記情報端末が、撮影された前記車両の画像とともに前記車両情報を前記表示装置に表示させることと、
を含む、画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報端末および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2010-231258号公報(特許文献1)には、カーシェアリングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カーレンタルサービス、カーシェアリングサービス、MaaS(Mobility as a Service)などの普及により、車両に関する情報(車両情報)を簡単に確認したい状況が増えている。例えば、複数の電動車両(以下、「xEV」とも称する)を貸し出す事業者は、管理する各xEVの蓄電残量を確認して、蓄電残量が不十分なxEVを充電する。しかしながら、事業者によって管理されるxEVの台数が多いシステムにおいて、事業者がxEVの蓄電残量を1台ずつ確認していると、全てのxEVの蓄電残量を確認し終わるまでに長時間かかると考えられる。また、車両の提供を受ける利用者が駐車場で多数の車両の中から所望の車両を選ぶシステムにおいても、利用者が1台ずつ車両の情報を確認していると、全ての車両の情報を確認し終わるまでに長時間かかると考えられる。このように、近年、車両に関する情報を簡単に確認できる技術のニーズが高まっていると考えられる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両に関する情報を簡単に確認できる情報端末および画像表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の観点に係る形態に従うと、以下に示す情報端末が提供される。
(第1項)当該情報端末は、カメラと、カメラによって取得された画像を含む情報を表示する表示装置と、表示装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、画像中に複数の車両が存在する場合に、複数の車両の各々に関する車両情報を取得し、取得された車両情報を、画像とともに表示装置に表示させる。
【0007】
上記情報端末によれば、複数の車両をカメラで撮影するだけで、カメラによって取得された画像とともに、複数の車両の各々に関する車両情報を表示することが可能になる。このため、情報端末のユーザ(例えば、車両管理者または車両利用者)は、車両に関する情報を簡単に確認することが可能になる。
【0008】
情報端末は、車両に関する情報を管理するサーバから上記車両情報(例えば、車両の状態を示す情報)を受信してもよいし、自ら画像を解析することにより上記車両情報(例えば、車両の異常に関する情報)を取得してもよい。情報端末は、例えば、画像によって示される車両の外観から、車両に異常(外観から把握可能なボデーの損傷やタイヤのパンクなど)が生じているか否かを判断してもよい。
【0009】
上記第1項に記載の情報端末は、以下に示す第2項~第4項のいずれか1項に記載の構成を有し得る。
【0010】
(第2項)第1項に記載の情報端末が以下の特徴をさらに有する。制御装置は、画像に映った車両の識別情報を、画像から抽出する抽出部と、識別情報をサーバに送信して、識別情報で特定される車両に関する車両情報をサーバに要求する要求部とを含む。
【0011】
上記構成によれば、情報端末がサーバから上記車両情報を取得しやすくなる。上記情報端末は、画像から識別情報を抽出するため、車両システムが停止した状態でも車両の識別情報を取得できる。
【0012】
(第3項)第1項または第2項に記載の情報端末が以下の特徴をさらに有する。カメラによって取得された画像中に電動車両が存在する場合に、制御装置は、当該電動車両が備える蓄電装置の蓄電残量と、当該電動車両の利用予約の有無と、当該電動車両の利用開始予定時刻との少なくとも1つを示す車両情報を取得し、表示装置は、当該電動車両に関する車両情報が画像に映った当該電動車両に重なるように、または当該電動車両に関する車両情報が画像に映った当該電動車両の近傍に位置するように、画像とともに車両情報を表示する。
【0013】
上記構成によれば、情報端末のユーザが、カメラによって取得された画像を見て、電動車両ごとの車両情報を容易に把握することが可能になる。例えば、車両管理者は、撮影された電動車両について蓄電残量と利用予約の有無と利用開始予定時刻との少なくとも1つを確認することで、当該電動車両をすぐに充電すべきか否かを的確に判断しやすくなる。また、車両利用者は、撮影された電動車両について蓄電残量と利用予約の有無と利用開始予定時刻との少なくとも1つを確認することで、当該電動車両の提供を受けるべきか否かを的確に判断しやすくなる。
【0014】
なお、蓄電残量は、満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合で表わされてもよいし、蓄電残量に対応する走行可能距離または走行可能時間で表わされてもよい。
【0015】
(第4項)第1項~第3項のいずれか1項に記載の情報端末が以下の特徴をさらに有する。カメラによって取得された画像中に駐車状態の車両が存在する場合に、制御装置は、当該車両が駐車している駐車場に関する駐車場情報を取得するように構成される。駐車場情報は、駐車場に駐車している各車両に関する車両情報を含む。制御装置は、ユーザからの要求に応じて、駐車場情報を表示装置に表示させる。
【0016】
上記構成によれば、撮影された車両に関する車両情報だけでなく、撮影された車両が駐車している駐車場に駐車している他の車両に関する車両情報も、表示装置に表示させることが可能になる。
【0017】
上述したいずれかの情報端末は、例えばスマートフォンのような携帯端末であってもよい。また、カメラによって取得される画像は、静止画、動画のいずれであってもよい。
【0018】
本開示の第2の観点に係る形態に従うと、以下に示す画像表示方法が提供される。
(第5項)当該画像表示方法は、カメラおよび表示装置を備える情報端末が、カメラにより車両を撮影することと、情報端末が、車両の識別情報をクラウド上のコンピュータへ送信することと、情報端末が、車両に関する車両情報をコンピュータから受信することと、情報端末が、撮影された車両の画像とともに車両情報を表示装置に表示させることとを含む。
【0019】
上記画像表示方法によっても、前述した情報端末と同様、車両に関する情報を簡単に確認することが可能になる。
【0020】
他の観点に係る形態に従うと、第5項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。さらに他の観点に係る形態に従うと、そのプログラムを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されたプログラムを実行するプロセッサとを備えるコンピュータ装置が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、車両に関する情報を簡単に確認できる情報端末および画像表示方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施の形態に係る車両管理システムの概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施の形態に係る情報端末による画像表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図2に示した処理で表示されるAR(拡張現実)画像を示す図である。
【
図4】本開示の実施の形態に係る画像表示方法の概要を示す図である。
【
図6】
図5に示した処理で表示される駐車場情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0024】
図1は、本開示の実施の形態に係る車両管理システムの概要を示す図である。
図1を参照して、この実施の形態に係る車両管理システムは、駐車場PAに保管される複数の車両を管理する。駐車場PAに保管される複数の車両は、これらの車両を貸し出すサービスを提供する事業者(例えば、ユーザU1)の責任で管理される。この実施の形態に係る車両管理システムは、車両を管理するだけでなく、携帯端末1A,1Bと協働して、サービス利用者(例えば、ユーザU2)に車両を貸し出す仕組みを提供する。事業者は、例えばレンタカー事業者である。ただしこれに限られず、この実施の形態に係る車両管理システムは、カーシェアリングサービスまたはMaaS(Mobility as a Service)など、他のサービスに適用されてもよい。
【0025】
この実施の形態において、駐車場PAに保管される各車両は、電動車両(xEV)である。xEVは、蓄電装置を備え、電力を動力源の全てまたは一部として利用するように構成される。この実施の形態では、駐車場PAに保管される複数の車両が、内燃機関を備えないBEV(電気自動車)を含む。駐車場PAに保管されるBEVは、例えば、蓄電装置から供給される電力によって駆動される走行用モータを備え、外部充電(すなわち、車両外部からの電力による蓄電装置の充電)を実行可能に構成される。ただし、駐車場PAに保管される複数の車両は、BEVに加えてまたは代えて、PHEV(プラグインハイブリッド車)またはFCEV(燃料電池車)のような、BEV以外のxEVを含んでもよい。
【0026】
駐車場PAには、複数のEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)が設置されている。この実施の形態では、駐車場PAにEVSE201,202が設置されている。EVSE201,202の各々は、電力系統PGから電力の供給を受ける。駐車場PAには、複数の車両が駐車中である。これらの車両は、EVSE201,202を用いて充電可能である。駐車場PAに駐車している複数の車両のうち、例えば車両101は充電されていない。一方、車両102(より特定的には、車両102が備える駆動用のバッテリBt)は、EVSE201によって充電されている。EVSE201は、電力系統PGからの電力を車両102に供給する。EVSE201,202の各々は、交流電力を出力するAC充電器(例えば、普通充電器)であってもよいし、直流電力を出力するDC充電器(例えば、急速充電器)であってもよい。また、1つの駐車場に設置されるEVSEの数は、2台に限られず、1台でも3台以上でもよい。
【0027】
この実施の形態に係る車両管理システムは、サーバ300と、クラウドサーバ500とを含む。サーバ300は、オンプレミスサーバであり、携帯端末1A,1Bの各々と通信可能に構成される。携帯端末1A,1Bの各々は、無線通信により、サーバ300と通信する。クラウドサーバ500は、クラウド上のコンピュータであり、サーバ300と通信可能に構成される。サーバ300は、例えばインターネットを介してクラウドサーバ500と通信してもよい。この実施の形態では、携帯端末1Aも、直接的にクラウドサーバ500と通信可能に構成される。携帯端末1Aは、例えば、無線通信によりインターネットにアクセスし、インターネットを介してクラウドサーバ500と通信する。ただし、携帯端末1Aは、サーバ300を経由して、間接的にクラウドサーバ500と通信することも可能である。
【0028】
携帯端末1A、1Bは、それぞれユーザU1(サービス提供者)、ユーザU2(サービス利用者)によって携帯される。この実施の形態では、携帯端末1A,1Bの各々がスマートフォンである。各携帯端末はコンピュータを内蔵する。携帯端末1Aには、上記サービスを提供するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。携帯端末1Bには、上記サービスを利用するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。
【0029】
携帯端末1Aは、カメラ11と、タッチパネルディスプレイ(以下、「TPD」と表記する)12と、制御装置13と、通信装置14とを備える。通信装置14は、外部の装置(サーバ300など)と通信するためのI/F(インターフェース)を含む。制御装置13は、通信装置14を通じて外部の装置と通信を行う。通信装置14が取得した情報は、制御装置13に入力される。
【0030】
カメラ11は、可視光線を検出するイメージセンサを含み、可視光線に応じた静止画および動画(カラー画像)を撮影可能に構成される。可視光線を検出するイメージセンサは、可視光に反応する多数の画素(ピクセル)を有し、光子の数を各画素が検出する。カメラ11は、各画素の検出結果に基づいて画像を生成する。カメラ11によって取得された画像は、制御装置13に入力される。なお、カメラ11は、可視光カメラに限られない。カメラ11は、例えばIR(Infrared:赤外線)カメラの機能を具備してもよい。
【0031】
TPD12は、入力装置および表示装置として機能する。ユーザがTPD12(タッチパネル)を通じて携帯端末1Aに入力した情報は、制御装置13に入力される。ただし、携帯端末1AのHMI(Human Machine Interface)は、タッチパネルディスプレイに限られず、他の表示装置(例えば、フラットパネルディスプレイ)と他の入力装置(例えば、ポインティングデバイス)とが採用されてもよい。携帯端末1Aは、音声入力を受け付けるスマートスピーカを含んでもよい。
【0032】
制御装置13は、例えばCPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶する記憶装置とを備える。記憶装置は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置は、書き換え可能な不揮発性メモリを含んでもよい。記憶装置には、プログラムのほか、プログラムで使用される情報(例えば、マップおよび各種パラメータ)が記憶されている。制御装置13においては、記憶装置に記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、各種の処理が実行される。ただし、制御装置13における各種処理は、ソフトウェアによる実行に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。
【0033】
制御装置13は、TPD12(表示装置)を制御する。TPD12は、カメラ11によって取得された画像を含む情報を表示する。制御装置13は、カメラ11によって取得された画像に、当該画像に映った車両に関する情報(例えば、通信により取得した情報)を加えた画像(以下、「AR画像」とも称する)を生成し、生成されたAR画像をTPD12に表示させる。この表示は、AR(拡張現実)表示に相当する。ただし、制御装置13は、カメラ11によって取得された画像をそのまま(情報を加えることなく)TPD12に表示させることもある。
【0034】
図1には、携帯端末1Aのハードウェア構成のみを示しているが、携帯端末1Bも、基本的には、携帯端末1Aと同様のハードウェア構成を有する。携帯端末1Aは、本開示に係る「情報端末」の一例に相当する。
【0035】
駐車場PAに保管される各車両の識別情報(車両ID)は、予め携帯端末1A、サーバ300、およびクラウドサーバ500の各々に登録されている。以下、駐車場PAに保管される各車両を、「登録車両」とも称する。各登録車両は、カメラ11によって認識可能な当該車両の識別情報を表示するプレート(以下、「識別プレート」とも称する)を備える。この実施の形態では、自動車登録番号標(一般に「ナンバープレート」とも称される)を、識別プレートとして採用する。ただしこれに限られず、例えば、VIN(Vehicle Identification Number)、QRコード(登録商標)、またはライセンスナンバーのような識別情報を表示する識別プレートを、各登録車両に貼り付けてもよい。
【0036】
サーバ300およびクラウドサーバ500の各々は、複数の登録車両の各々に関する情報(車両情報)を、車両IDで区別して管理する。ただし、サーバ300とクラウドサーバ500とでは、管理される車両情報の内容が異なる。
【0037】
サーバ300は、主にサービス利用に関する情報を管理する。サーバ300が管理する車両情報には、登録車両の仕様(車種、寸法、走行性能、充電性能など)と、登録車両の利用予約の有無と、登録車両の利用予約期間(すなわち、利用開始予定時刻および利用終了予定時刻)と、登録車両の利用履歴とが含まれる。さらに、サーバ300は、サービス利用者に関する情報(未払いの利用料金、サービス利用履歴、獲得ポイントなど)を、サービス利用者の識別情報(ユーザID)で区別して管理してもよい。
【0038】
ユーザU2は、ユーザ情報(例えば、ユーザID)と予約期間とを携帯端末1Bに入力して、入力された情報を含む予約要求信号を、携帯端末1Bからサーバ300へ送信することができる。予約要求信号は、レンタカー(登録車両)の予約をサーバ300に要求する。予約要求信号は、希望車種をさらに含んでもよい。サーバ300は、予約要求信号を受信し、その要求に応えることができると判断した場合には、登録車両を予約し、予約が完了した旨を示す予約完了信号を携帯端末1Bへ返信する。予約完了信号は、予約された登録車両の仕様を含んでもよい。また、サーバ300は、登録車両の予約が完了すると、自らが保有する車両情報を更新し、登録車両の利用予約に関する最新の情報(例えば、予約の有無および予約期間)をクラウドサーバ500へ送信する。
【0039】
クラウドサーバ500が管理する車両情報には、登録車両の位置と、登録車両が備える蓄電装置のSOC(State Of Charge)と、登録車両の利用予約の有無と、登録車両の利用開始予定時刻とが含まれる。SOCは、蓄電残量を示し、例えば、満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合を0~100%で表わしたものである。この実施の形態では、各登録車両が、自車に関する車両情報をクラウドサーバ500へ逐次送信する。例えば、登録車両の走行中において、登録車両の位置と蓄電装置のSOCとの各々が、リアルタイムで登録車両からクラウドサーバ500へ送信される。また、登録車両において車両システム(制御システム)のオン/オフが切り替わったタイミングにおいても、登録車両からクラウドサーバ500へ最新の車両情報(例えば、位置およびSOC)が送信される。また、クラウドサーバ500は、サーバ300からの情報に基づいて、保有する登録車両の利用予約に関する情報を更新する。この実施の形態では、駐車中の登録車両では、その車両システムがオフになる。
【0040】
図2は、携帯端末1Aによる画像表示方法の一例を示すフローチャートである。フローチャート中の「S」は、ステップを意味する。S11~S15の一連の処理は、携帯端末1Aがカメラ11による撮影を行うことによって開始される。カメラ11による撮影が静止画の撮影である場合には、撮影のたびに
図2のS11~S15の一連の処理が実行される。一方、カメラ11による撮影が動画撮影である場合には、動画撮影中は
図2のS11~S15の一連の処理が繰り返し実行される。
【0041】
図1とともに
図2を参照して、S11では、カメラ11によって取得された画像中に駐車状態の登録車両が存在するか否かを、制御装置13が判断する。具体的には、制御装置13は、例えば、上記画像において登録車両の識別情報(識別プレート)が認識されたか否かに基づいて、画像中に駐車状態の登録車両が存在するか否かを判断する。
【0042】
制御装置13によって画像中の登録車両の識別情報が認識されなかった場合には(S11にてNO)、制御装置13は、S15において、カメラ11によって取得された画像に情報を付加することなく、当該画像をTPD12に表示させる。TPD12は、画質補正(画質を向上させるための補正)が施された画像を表示してもよい。画質補正は、カメラ11、TPD12、制御装置13のいずれによって行われてもよい。S15の処理が実行されると、S11~S15の一連の処理は終了する。
【0043】
制御装置13によって画像中の登録車両の識別情報が認識された場合には(S11にてYES)、制御装置13は、S12において、当該画像に映った登録車両の識別情報を、当該画像から抽出する。カメラ11によって取得された画像に複数の登録車両の識別情報が映っている場合には、制御装置13は、複数の登録車両の各々の識別情報を、当該画像から抽出する。制御装置13は、S12の処理を行う抽出部として、画像から所定の情報(識別情報)を抽出する画像処理回路を内蔵してもよいし、AI(人工知能)を用いた機械学習により得た学習済みモデルを保有してもよい。
【0044】
続くS13では、制御装置13が、S12で取得した識別情報を含む情報要求信号をクラウドサーバ500に送信する。情報要求信号は、識別情報で特定される登録車両に関する所定の車両情報(例えば、蓄電装置のSOC、利用予約の有無、および利用開始予定時刻)をクラウドサーバ500に要求する。この実施の形態に係る携帯端末1Aの制御装置13においては、記憶装置に記憶されたプログラムに従ってS13の処理を行うプロセッサが、本開示に係る「要求部」の一例として機能する。携帯端末1Aは、サーバ300を介して、クラウドサーバ500に所定の車両情報を要求してもよい。
【0045】
クラウドサーバ500は、上記情報要求信号を受信すると、S21~S22の一連の処理を開始する。クラウドサーバ500は、S21において、自らが保有する車両情報から、上記情報要求信号が要求する登録車両の車両情報(例えば、蓄電装置のSOC、利用予約の有無、および利用開始予定時刻)を取得し、続くS22において、その車両情報を携帯端末1Aへ送信する。
【0046】
制御装置13は、クラウドサーバ500から車両情報を受信すると、S14において、クラウドサーバ500から取得した車両情報を、カメラ11によって取得された画像とともにTPD12に表示させる。具体的には、制御装置13は、AR画像を生成し、生成されたAR画像をTPD12に表示させる。カメラ11によって取得された画像中に複数の登録車両が存在する場合には、制御装置13は、複数の登録車両の各々に関する車両情報をクラウドサーバ500から取得し、取得された車両情報を、上記画像とともにTPD12に表示させる。
【0047】
TPD12は、S14において、制御装置13からの指示に従い、カメラ11によって取得された画像と、クラウドサーバ500から受信した車両情報(すなわち、蓄電装置のSOC、利用予約の有無、および利用開始予定時刻)とを表示する。TPD12は、画像中に複数の登録車両が存在する場合には、いずれの登録車両に関する車両情報であるかを判別可能な態様で、各登録車両の車両情報を表示する。具体的には、TPD12は、カメラ11によって取得された画像に映った登録車両(登録車両の画像)に当該登録車両に関する車両情報が重なるように、または登録車両の画像の近傍に当該登録車両に関する車両情報が位置するように、上記画像および上記車両情報を表示する。
【0048】
図3は、
図2のS14で表示されるAR画像の一例を示す図である。
図3を参照して、制御装置13は、例えば画面Sc1をTPD12に表示させる。画面Sc1は、カメラ11(
図1)によって取得された画像を含む。カメラ11によって取得された画像には、車両103~106が映っている。車両103~106の各々は、駐車場PAに保管されるレンタカー(登録車両)に相当する。画面Sc1は、車両情報IN3~IN6をさらに含む。車両情報IN3、IN4、IN5、IN6は、それぞれ車両103、104、105、106に関する蓄電装置のSOC、利用予約の有無、および利用開始予定時刻を示す。車両情報IN3~IN6の各々は、対応する登録車両の画像に重なるように、または対応する登録車両の画像の近傍に位置するように表示される。例えば、車両情報IN3は、車両103の画像に重なるように、または車両103の画像の近傍に位置するように表示される。
【0049】
ユーザU1は、画面Sc1を見て、早期に充電を必要とする車両を特定することができる。例えば、車両103~106のうち、車両103は、蓄電装置のSOCが低く、かつ、予約されている。利用開始予定時刻までに十分な蓄電残量を車両103に確保するため、ユーザU1は、車両103の充電を優先的に実行してもよい。
【0050】
図4は、この実施の形態に係る画像表示方法の概要を示す図である。
図4を参照して、各登録車両(xEV)は、車載センサによって当該登録車両の位置および状態を検出し、検出結果をクラウドサーバ500へアップロードする。クラウドサーバ500は、各登録車両からの検出結果に基づいて、保有する車両情報を逐次更新する。ユーザU2(xEV利用者)は、携帯端末1Bを操作して、xEVの利用をサーバ300に対して予約できる。サーバ300は、予約情報をクラウドサーバ500に送信する。クラウドサーバ500は、サーバ300からの予約情報に基づいて、保有する車両情報を更新する。
【0051】
ユーザU1(xEV管理者)は、駐車場PA(
図1)において、携帯端末1Aを用いて駐車状態の登録車両(xEV)を撮影できる。登録車両が撮影されると、携帯端末1Aからクラウドサーバ500へ情報要求信号が送信される。そして、携帯端末1Aは、撮影された各登録車両に関する車両情報をクラウドサーバ500から受信し、受信した車両情報を、撮影された画像中に表示する。
【0052】
以上説明したように、この実施の形態に係る画像表示方法は、カメラ11およびTPD12(表示装置)を備える携帯端末1Aが、カメラ11により車両を撮影すること(
図3参照)と、携帯端末1Aが、車両の識別情報をクラウドサーバ500(クラウド上のコンピュータ)へ送信すること(
図2のS13)と、携帯端末1Aが、車両に関する車両情報をクラウドサーバ500から受信すること(
図2のS22)と、携帯端末1Aが、撮影された車両の画像とともに車両情報をTPD12に表示させること(
図2のS14)とを含む。こうした方法によれば、車両に関する情報を簡単に確認することが可能になる。
【0053】
図2に示した処理に代えて、以下に説明する
図5に示す処理が実行されてもよい。
図5は、
図2に示した処理の変形例を示す図である。S31~S37の一連の処理は、携帯端末1Aがカメラ11による撮影を行うことによって開始される。
【0054】
図1とともに
図5を参照して、制御装置13は、
図2のS11と同様に、S31において、カメラ11によって取得された画像中に駐車状態の登録車両が存在するか否かを判断する。そして、S31においてNOと判断されると、制御装置13は、
図2のS15と同様に、S37において、カメラ11によって取得された画像に情報を付加することなく、当該画像をTPD12に表示させる。他方、S31においてYESと判断されると、制御装置13は、
図2のS12と同様に、S32において、カメラ11によって取得された画像に映った登録車両の識別情報を、当該画像から抽出する。
【0055】
続くS33では、制御装置13が、S32で取得した識別情報を含む情報要求信号をクラウドサーバ500に送信する。この情報要求信号は、上記識別情報によって特定される登録車両が駐車している駐車場(すなわち、
図1に示した駐車場PA)に関する駐車場情報をクラウドサーバ500に要求する。
【0056】
この変形例では、クラウドサーバ500が、
図2に示した車両情報に加えて、複数の駐車場(駐車場PAを含む)の各々に関する情報(駐車場情報)をさらに保有する。クラウドサーバ500は、駐車場ごとの駐車場情報を、駐車場の識別情報(駐車場ID)で区別して管理する。駐車場情報は、当該駐車場の位置と、当該駐車場のレイアウト情報(例えば、駐車枠の数および配置を示す情報)と、当該駐車場に駐車している各車両に関する車両情報とを含む。クラウドサーバ500は、車両情報に基づいて駐車場情報を更新する。クラウドサーバ500は、車両の位置に基づいて、その車両が駐車している駐車場および駐車枠を特定できる。
【0057】
クラウドサーバ500は、上記情報要求信号(S33)を受信すると、S41~S43の一連の処理を開始する。クラウドサーバ500は、S41において、上記情報要求信号に含まれる識別情報から、カメラ11によって撮影された登録車両(対象車両)およびその位置を特定し、特定された位置から、その対象車両が駐車している駐車場PAを特定する。続けて、クラウドサーバ500は、S42において、自らが保有する駐車場情報から、上記情報要求信号が要求する駐車場PAの駐車場情報(例えば、駐車場PAのレイアウト情報、および駐車場PAに駐車している各車両に関する車両情報)を取得し、続くS43において、その駐車場情報を携帯端末1Aへ送信する。
【0058】
制御装置13は、クラウドサーバ500から駐車場情報を受信すると、S34において、カメラ11によって撮影された登録車両(対象車両)に関する車両情報を、カメラ11によって取得された画像とともにTPD12に表示させる。制御装置13は、例えば
図3に示したAR画像をTPD12に表示させる。
【0059】
続けて、制御装置13は、S35において、ユーザU1から入力を受けたか否かを判断する。ユーザU1は、所定のタッチパネル操作(スワイプ、ダブルタップなど)によって、表示に関する指示を制御装置13に入力できる。制御装置13は、ユーザU1からの入力がない間は、S34のAR表示を継続する。制御装置13は、表示終了を要求する入力をユーザU1から受けた場合には、S31~S37の一連の処理を終了する。制御装置13は、駐車場情報の表示(表示切替)を要求する入力をユーザU1から受けた場合には、S36において、画面Sc1に代えて、以下に説明する
図6に示す画面Sc2をTPD12に表示させる。
【0060】
図6は、
図5のS36で表示される、駐車場情報を示す画面の一例を示す図である。
図6を参照して、画面Sc2は、駐車場PAのレイアウト情報、および駐車場PAに駐車している各登録車両に関する車両情報(詳しくは、駐車位置、蓄電装置のSOC、利用予約の有無、および利用開始予定時刻)を示す。TPD12は、いずれの登録車両に関する車両情報であるかを判別可能な態様で、各登録車両の車両情報を表示する。TPD12は、画面Sc2中に、ユーザU1(撮影者)の位置をさらに表示してもよい。
【0061】
上記のように、この変形例に係る制御装置13は、ユーザからの要求に応じて、駐車場情報をTPD12(表示装置)に表示させる。こうした構成によれば、撮影された車両に関する車両情報だけでなく、撮影された車両が駐車している駐車場PAに駐車している他の車両に関する車両情報も、TPD12に表示させることが可能になる。
【0062】
上記実施の形態および変形例において、クラウドサーバ500の少なくとも一部の機能は、サーバ300に実装されてもよい。また、上記実施の形態および変形例では、携帯端末1Aがサーバから車両情報を受信する。しかしこれに限られず、携帯端末1Aは、自ら画像を解析することにより車両情報(例えば、画像に映った車両の異常に関する情報)を取得してもよい。
【0063】
上記実施の形態および変形例では、ユーザU1(事業者)の携帯端末1Aが
図2または
図5に示した処理を実行するように構成される。しかしこれに限られず、ユーザU2(サービス利用者)の携帯端末1Bが、
図2または
図5に示した処理を実行するように構成されてもよい。例えば、駐車場PAで、サービス利用者が複数の登録車両の中から利用したい登録車両を選ぶシステムにおいては、ユーザU2が、携帯端末1Bを用いて撮影し、携帯端末1Bが表示する画面Sc1またはSc2を見て所望の登録車両を選んでもよい。
【0064】
携帯端末1A,1Bの各々は、スマートフォンに限られない。携帯端末1A,1Bの各々としては、任意の携帯端末を採用可能であり、例えばラップトップ、タブレット端末、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートグラスなど)、または電子キーなども採用可能である。
【0065】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1A,1B 携帯端末、11 カメラ、12 タッチパネルディスプレイ、13 制御装置、14 通信装置、101~106 車両、300 サーバ、500 クラウドサーバ、U1,U2 ユーザ。