(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182296
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231219BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20231219BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20231219BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20231219BHJP
G02B 5/04 20060101ALI20231219BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20231219BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349E
G02F1/1335 510
G02F1/13357
G02B5/30
G02B5/04 C
G02B5/02 A
G02B5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095824
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
(72)【発明者】
【氏名】中岡 知球
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 圭二
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 翔太
【テーマコード(参考)】
2H042
2H149
2H249
2H291
2H391
5C094
【Fターム(参考)】
2H042BA01
2H042BA12
2H042BA20
2H042CA07
2H042CA17
2H149AA17
2H149AB05
2H149BA02
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA55
2H249AA60
2H249AA64
2H291FA22X
2H291FA42X
2H291FA95X
2H291FD34
2H291LA04
2H291LA25
2H291MA03
2H391AA01
2H391AC14
2H391EA02
2H391EA13
2H391FA07
5C094AA02
5C094AA12
5C094BA43
5C094EA05
5C094ED13
5C094ED14
5C094FB20
5C094HA05
(57)【要約】
【課題】 広視野角かつ表示品質の高い表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、第2基材上に設けられる、透明導電層と、前記透明導電層上に接して設けられる、第1接着剤である酸対策接着剤と、前記酸対策接着剤上に接して設けられる、第1拡散層と、前記第1拡散層上に接して設けられる、第2接着剤と、前記第1接着剤上に接して設けられる、第2拡散層と、前記第2拡散層上に接して設けられる、第3接着剤と、前記第3接着剤上に接して設けられる、偏光板と、を備える表示パネルと、照明装置と、前記照明装置及び前記表示パネルとの間に設けられる、色分離素子と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1基材及び第2基材と、
前記第2基材上に設けられる、透明導電層と、
前記透明導電層上に接して設けられる、第1接着剤である酸対策接着剤と、
前記酸対策接着剤上に接して設けられる、第1拡散層と、
前記第1拡散層上に接して設けられる、第2接着剤と、
前記第1接着剤上に接して設けられる、第2拡散層と、
前記第2拡散層上に接して設けられる、第3接着剤と、
前記第3接着剤上に接して設けられる、偏光板と、
を備える表示パネルと、
照明装置と、
前記照明装置及び前記表示パネルとの間に設けられる、色分離素子と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記酸対策接着剤は、第1酸対策接着剤であり、
前記第2接着剤は、第2酸対策接着剤であり、
前記第3接着剤は、第3酸対策接着剤である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1酸対策接着剤の第1厚さ及び前記第3酸対策接着剤の第3厚さは、前記第2酸対策接着剤の第2厚さより厚い、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1酸対策接着剤の第1厚さは、前記第2酸対策接着剤の第2厚さ及び前記第3酸対策接着剤の第3厚さより厚い、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3酸対策接着剤の第3厚さは、前記第1酸対策接着剤の第1厚さ及び前記第2酸対策接着剤の第2厚さより厚い、請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1酸対策接着剤、前記第2酸対策接着剤、及び前記第3酸対策接着剤それぞれの平面視での大きさは、前記第1拡散層、前記第2拡散層、及び前記偏光板それぞれの平面視での大きさより大きい、請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1酸対策接着剤、前記第2酸対策接着剤、及び前記第3酸対策接着剤それぞれの平面視での大きさは、前記第1拡散層、前記第2拡散層、及び前記偏光板それぞれの平面視での大きさより大きく、
前記第1酸対策接着剤、前記第2酸対策接着剤、及び前記第3酸対策接着剤それぞれの端部が接続され一体化している、請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記酸対策接着剤は、第1酸対策接着剤であり、
前記第3接着剤は、第2酸対策接着剤であり、
前記第2接着剤は、酸対策接着剤ではない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1酸対策接着剤及び前記第2酸対策接着剤それぞれの平面視での大きさは、前記第2接着剤、前記第1拡散層、前記第2拡散層、及び前記偏光板それぞれの平面視での大きさより大きい、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2酸対策接着剤の第2厚さは、前記第1酸対策接着剤の第1厚さより厚い、請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1酸対策接着剤の第1厚さは、前記第2酸対策接着剤の第2厚さより厚い、請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記酸対策接着剤は、第1酸対策接着剤であり、
前記第2接着剤は、第2酸対策接着剤であり、
前記第3接着剤は、酸対策接着剤ではなく、
前記第1酸対策接着剤の第1厚さは、前記第2酸対策接着剤の第2厚さより厚い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記酸対策接着剤は、前記透明導電層を覆う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記透明導電層は、島状に形成され、
前記酸対策接着剤は、前記島状の透明導電層の端部を覆う、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記色分離素子は、色分離溝が設けられた透明基板を含む、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一つとして、表示パネルからの映像光を拡大して投影する表示装置が開発されている。さらにこのような表示装置を利用して、車載用のヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display)が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-222361号公報
【特許文献2】特開平09-050024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、広視野角かつ表示品質の高い表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
互いに対向する第1基材及び第2基材と、
前記第2基材上に設けられる、透明導電層と、
前記透明導電層上に接して設けられる、第1接着剤である酸対策接着剤と、
前記酸対策接着剤上に接して設けられる、第1拡散層と、
前記第1拡散層上に接して設けられる、第2接着剤と、
前記第1接着剤上に接して設けられる、第2拡散層と、
前記第2拡散層上に接して設けられる、第3接着剤と、
前記第3接着剤上に接して設けられる、偏光板と、
を備える表示パネルと、
照明装置と、
前記照明装置及び前記表示パネルとの間に設けられる、色分離素子と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態のヘッドアップディスプレイの基本構成を示す図である。
【
図2】
図2は、表示装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態の表示パネル及び色分離素子の概略的な構成を示す断面図である。
【
図4A】
図4Aは、色分離素子を用いない場合において、照明光がカラーフィルタ層に入射する場合を示す断面図である。
【
図4B】
図4Bは、色分離素子による照明光の色分離例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態の表示パネルの概略的な構成の一例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図14】
図14は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図15】
図15は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図16】
図16は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図17】
図17は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図18】
図18は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態における表示装置の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
【0008】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。なお第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを、それぞれ、X方向、Y方向、及び、Z方向と呼ぶこともある。
【0009】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0010】
また、第3方向Zの矢印の先端側に表示装置を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置の断面を見ることを断面視という。
【0011】
図1は、実施形態のヘッドアップディスプレイの基本構成を示す図である。
図1に示すヘッドアップディスプレイHUDは、画像生成装置(Picture Generation Unit)PGUと、コンバイナCBNと、を備えている。画像生成装置PGUは、表示装置DSPと、反射ミラーRMRと、拡大ミラーMGNと、を備えている。
【0012】
表示装置DSPは、照明装置ILDと、表示パネルPNLと、色分離素子(図示無)と、駆動素子DRVと、接続素子CNNと、を備えている。照明装置ILDは、複数の光源素子を備え、表示パネルPNLを照明する。照明装置ILDから出射される光を照明光ILLとする。照明光ILLは表示パネルPNLに出射される。照明装置ILDは、表示パネルPNLの背面側に配置される。
【0013】
表示パネルPNLは、透過型の液晶表示パネルである。表示パネルPNLから出射される光を映像光IMLとする。表示パネルPNLの詳細は上述する。なお
図1に示す表示パネルPNLには、照明装置ILDとの間に、色分離素子(詳細は後述)が設けられているものとする。
表示パネルPNLを駆動する信号は、接続素子CNNを介して、駆動素子DRVから入力される。
【0014】
反射ミラーRMR及び拡大ミラーMGNは、表示パネルPNLから出射された映像光IMLを、コンバイナCMBに向けて反射させる部材である。反射ミラーRMRは、入射した映像光IMLの角度を変えて出射する。拡大ミラーMGNは、入射した映像光IMLの角度を変え、かつ入射光の幅を拡大して出射する。拡大ミラーMGNは、例えば凹状の曲面を有する凹面鏡である。拡大ミラーMGNは、映像光IMLをコンバイナCMBに向けて出射する。
【0015】
画像生成装置PGUから出射した映像光IMLは、コンバイナCMBに投影される。ヘッドアップディスプレイHUDを使用するユーザUSRは、コンバイナCMBの前方に虚像VTIを視認することができる。
なお
図1において、照明光ILL及び映像光IMLは点線で示しており、虚像VTIからコンバイナCMBまでの便宜上の光路を一点破線で示している。
【0016】
例えば、車載に用いられるヘッドアップディスプレイHUDは、高温や高湿の環境下に置かれることが想定される。そのためヘッドアップディスプレイHUDは、高温や高湿に対する高い信頼性が要求される。
またヘッドアップディスプレイHUDでは、虚像VITを得るために、表示装置DSPが高輝度の映像光IMLを出射する必要がある。高輝度の映像光IMLを出射すると、表示装置DSPが高温となってしまうため、熱対策が重要である。
【0017】
表示装置DSPの透過率を高いと、熱効率がよくなり、表示装置DSPが高温状態となるのを防ぐことができる。実施形態では、色分離素子を用いて、高透過率が可能な表示装置を得る。
【0018】
図2は、表示装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。
図2は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な第3方向Zとによって規定される3次元空間を示している。
【0019】
図2に示すように、表示装置DSPは、表示パネルPNLと、色分離素子CSEと、照明装置ILDと、を備えている。色分離素子CSEは、照明装置ILD及び表示パネルPNLの間に設けられている。
【0020】
表示パネルPNLは、一例では矩形状である。図示した例では、表示パネルPNLの短辺EYは第2方向Yと平行であり、表示パネルPNLの長辺EXは第1方向Xと平行である。第3方向Zは、表示パネルPNLの厚さ方向に相当する。
【0021】
表示パネルPNLの主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX-Y平面に平行である。表示パネルPNLは、有効領域AA(表示領域)と、有効領域AAとの外側に位置する非表示領域NDAとを有している。非表示領域NDAは、ドライバICやフレキシブル配線基板が実装される端子領域MTを有している。
図2では、端子領域MTは斜線により示されている。
【0022】
有効領域AAとは、画像を表示する領域であり、例えば、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
図2において拡大して示すように、複数の画素PXそれぞれは、走査線GLおよび信号線SLによって区画される領域に配置されており、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC、等を備えている。複数の画素PXそれぞれには、図示しないカラーフィルタが設けられている。当該カラーフィルタは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかである。例えば、第2方向Yに沿って、赤色のカラーフィルタを有する画素PX、緑色のカラーフィルタを有する画素PX、及び青色のカラーフィルタを有する画素PXが、繰り返し並んでいる。
【0023】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)によって構成され、走査線GLや信号線SLと電気的に接続されている。走査線GLは、第1方向Xに並ぶ画素PXそれぞれにおけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線SLは、第2方向Yに並ぶ画素PXそれぞれにおけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0024】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEそれぞれは共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界により液晶層LCが駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極および画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0025】
端子領域MTは、表示パネルPNLの短辺EYに沿って延在している。端子領域MTには端子部が形成され、表示パネルPNLは、当該端子部を介して、例えばフレキシブル配線基板等の外部装置と電気的に接続される。
【0026】
照明装置ILDは、表示パネルPNLの下側に配置され、この照明装置ILDからの光を画素PXごとに制御することにより画像が表示される。本実施形態の照明装置ILDは、いわゆるバックライトである。
【0027】
図3は、実施形態の表示パネル及び色分離素子の概略的な構成を示す断面図である。色分離素子CSE及び表示パネルPNLは、第3方向Zに沿ってこの順に配置されている。
【0028】
色分離素子CSEは、透明基板、例えば、ガラス基板の表面に、所定のパターンの凹凸による色分離溝が形成された構成を有している。照明装置ILDから出射され、白色光たる照明光ILLは、色分離素子CSEを通過することで赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)それぞれの成分ごとに、特定の方向に分離される。また、色分離素子CSEの色分離溝により、かかる赤色光、緑色光、及び青色光が所定の方向に回折・干渉し、それぞれの色に対応するカラーフィルタに入射する。これにより、カラーフィルタ層CFYにおける光の吸収を低減し、表示パネルPNLの透過率を向上させることが可能となる。
【0029】
図4A及び
図4Bを用いて、色分離素子CSEの機能についてより詳細に説明する。
図4Aは、色分離素子を用いない場合において、照明光がカラーフィルタ層に入射する場合を示す断面図である。
図4Bは、色分離素子による照明光の色分離例を示す断面図である。
色分離素子CSEは、ガラス基板に最小構造幅1μm以上3μm以下、最大深さ3μm以上4μm以下の溝を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する所定のパターンで形成したものである。以下、上記溝を色分離溝TRCと称する。
【0030】
カラーフィルタ層CFYは、赤色(R)のカラーフィルタCFRと、緑色(G)のカラーフィルタCFGと、青色(B)のカラーフィルタCFBと、を有している。照明装置ILDから照射される照明光ILL(白色光)がそのままカラーフィルタ層CFYに入射すると、照明光ILLは分離されることなく、カラーフィルタCFR、CFG、及びCFBで、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)以外の光が吸収されてしまう(
図4A参照)。
なお
図4A及び
図4Bにおいて、図面を見易くするために、赤色の光、緑色の光、及び青色の光を、単にR、G、及びBと表記している。
【0031】
一方、照明光ILL(白色光)を、色分離素子CSEを介してカラーフィルタCFR、CFG、及びCFBに入射させると、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光がそれぞれ異なる方向に回折され、各色のフィルタに集光される(
図4B参照)。これにより、カラーフィルタCFR、CFG、及びCFBでの光吸収が低減される。よって、表示パネルPNLの光(輝度)の利用効率を向上させることができる。
【0032】
図3に戻り、表示パネルPNLについて説明する。表示パネルPNLは、偏光板PL1と、アレイ基板SUB1と、液晶層LCと、対向基板SUB2と、拡散板DIFと、偏光板PL2と、を備えている。表示パネルPNL及び色分離素子CSEは、接着剤ADHにより接着されている。
【0033】
アレイ基板SUB1は、第1基板BA1と、アレイ層ARYと、を備えている。対向基板SUB2は、第2基板BA2と、カラーフィルタ層CFYと、を備えている。互いに対向するアレイ基板SUB1及び対向基板SUB2との間に、液晶層LCが設けられている。
【0034】
第1基板BA1及び第2基板BA2は、透明部材、例えば、ガラスや透明樹脂フィルムにより形成されている。アレイ層ARYは、上述のスイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等を含んでいる。カラーフィルタ層CFYは、上述の赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、及び青色のカラーフィルタを含んでいる。
【0035】
偏光板PL1は、第1基板BA1の面のうち、アレイ層ARYが設けられている面の反対側の面に設けられている。偏光板PL2は、拡散板DIFを挟んで、第2基板BA2の面のうち、カラーフィルタ層CFYが設けられている面の反対側の面に設けられている。偏光板PL1の偏光軸及び偏光板PL2の偏光軸は、互いにクロスニコルの関係である。
【0036】
拡散板DIFは、表示装置DSPが広視野角を得るために配置されている。照明装置ILDから出射される照明光ILLは、平行光である。表示パネルPNLが、平行光である照明光ILLを変調し、映像光IMLとして出射しても、映像光IMLも平行光となってしまう。拡散板DIFで映像光IMLを第1方向X及び第2方向Yに広げることにより、表示装置DSPは広視野角を実現することができる。また、当該広げられた映像光は、偏光板PL2に入射する。
拡散板DIF及び偏光板PL2は、少なくとも有効領域AA(表示領域)と重畳して設ければよく、第2基板BA2より平面視での大きさが小さくてもよい。拡散板DIF及び偏光板PL2は、第2基板BA2と接着剤で接着されている。接着剤の詳細は後述する。
【0037】
図5Aは、カラーフィルタ層を示す斜視図である。
図5Bは、色分離素子を示す斜視図である。
図5Aに示されるように、方向TLに沿って、カラーフィルタCFR、CFG、及びCFBがこの順に繰り返し並んで配置されている。複数のカラーフィルタCFRは、方向TLと交差する方向TMに沿って、隣り合って配列されている。複数のカラーフィルタCFGは、方向TMに沿って、隣り合って配列されている。複数のカラーフィルタCFBは、方向TMに沿って、隣り合って配列されている。つまり、複数のカラーフィルタCFRからなる赤色のカラーフィルタ列、複数のカラーフィルタCFGからなる緑色のカラーフィルタ列、及び複数のカラーフィルタCFBからなる青色のカラーフィルタ列は、方向TLに沿って繰り返し並んで配置されている。
【0038】
図5Bに示されるように、色分離素子CSEの色分離溝TRCは、方向TMに沿って延伸している。複数の色分離溝TRCは、方向TLに沿って並んで配置されている。
【0039】
図5A及び
図5Bにおいて、方向TLは、第1方向Xと同じであり、方向TMは、第2方向Yと同じである。しかし本実施形態は、これに限定されない。方向TLは、第2方向Yと同じであり、方向TMは、第1方向Xと同じであってもよい。
【0040】
図6A及び
図6Bは、それぞれ、比較例の表示パネルの断面図である。
図6A及び
図6Bでは、それぞれ、第2基板BA2から上方の構成要素を示している。
図6Aに示されるように、第2基板BA2を覆って、透明導電層TEが設けられている。透明導電層TEは、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)や、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)等の透明導電材料により形成されている。透明導電層TEを設けることにより、静電気が表示パネル内部に入り込むのを防ぐことができる。
【0041】
図6Aに示す表示パネルPNLrでは、透明導電層TE上に、接着剤ADV1、拡散層DFF1、接着剤ADV2、拡散層DFF2、酸対策接着剤STV、及び偏光板PL2が、第3方向Zに沿ってこの順に積層されている。
【0042】
表示パネルPNLrに高温高湿試験を行うと、偏光板PL2や接着剤ADV1及びADV2から酸が発生し、当該酸により、透明導電層TEが溶解し、消滅することが原因である。
【0043】
酸対策接着剤STVは、他の接着剤、例えば、接着剤ADV1や接着剤ADV2と比較して、高温高湿の環境でも酸が発生しにくいという特性を有している。さらに酸対策接着剤STVは、導電性を有していることが好適である。酸対策接着剤STVが導電性を有していると、透明導電層TEが溶解したとしても、酸対策接着剤STV自身で静電気が表示パネル内部に入り込むのを防ぐことができるからである。
【0044】
さらに酸対策接着剤STVは、アルカリ性の成分を含んでいてもよい。高温高湿の環境でも酸が発生しても、当該アルカリ性の成分により、酸を中和することができるからである。すなわち、酸対策接着剤STVは、自らの酸の発生を抑制し、かつ、酸の透過を抑制する。これにより、透明導電層TEへのダメージを軽減できる。
【0045】
図6Bに示す表示パネルPNLrでは、透明導電層TE上に、酸対策接着剤STV、偏光板PL2、接着剤ADV1、拡散層DFF1、接着剤ADV2、拡散層DFF2、接着剤ADV3、及び保護材PRTを有している。
【0046】
図6Bの表示パネルPNLrについても、耐候性試験にて、拡散層DFF1と偏光板PL2の間の接着剤ADV1の剥がれや、拡散層DFF1やDFF2の黄変が発生する恐れがある。また高温高湿試験により、透明導電層TEの抵抗値が増大してしまう。これは、拡散層DFF1及びDFF2、並びに、接着剤ADV1、ADV2、及びADV3からも酸が発生し、透明導電層TEにダメージを与えているからと考えられる。
【0047】
上記の問題を解決するために、本実施形態では、接着剤を全て酸対策接着剤とすることにより、酸の発生を防ぐことができる。これにより、透明導電層TEの溶解及び消滅を防ぎ、拡散層や他の積層の剥離を防ぐことが可能である。
【0048】
図7は、実施形態の表示パネルの概略的な構成の一例を示す断面図である。表示パネルPNLでは、第2基板BA2上に、透明導電層TE、酸対策接着剤STV1、拡散層DFF1、酸対策接着剤STV2、拡散層DFF2、酸対策接着剤STV3、及び偏光板PL2が、第3方向Zに沿って、この順に積層されている。第2基板BA2、透明導電層TE、酸対策接着剤STV1、拡散層DFF1、酸対策接着剤STV2、拡散層DFF2、酸対策接着剤STV3、及び偏光板PL2は、互いに接して設けられている。
【0049】
図7では、2つの拡散層DFF1及びDFF2が設けられている。拡散層の数が増えることで、映像光をより広げることができる。これにより広視野角化された表示装置DSPを得ることが可能である。拡散層の数が増えると、拡散層を接着する接着剤の層数も増加する。通常の接着剤を用いると、その分だけ発生する酸の量も増えてしまうことになるが、接着剤を酸対策接着剤とすることにより、発生する酸の量を低減させ、あるいは、酸が発生したとしても他の層に移動するのを抑えることができる。これにより、高温高湿の環境下においても、透明導電層TEの溶解及び消滅を防ぐことが可能である。
【0050】
図8は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図8に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、透明導電層TE及び偏光板PL2に隣接する酸対策接着剤の厚さは、他の酸対策接着剤の厚さより厚い、という点で異なっている。
【0051】
図8において、透明導電層TEに隣接する酸対策接着剤STV1、偏光板PL2に隣接する酸対策接着剤STV3,並びに透明導電層TE及び偏光板PL2のいずれにも隣接しない酸対策接着剤STV2の厚さを、それぞれ、t1、t3、及びt2とする。
図8に示す例では、厚さt1及びt3は、厚さt2より厚い(t3>t1、t3>t2)。厚さt1及びt2は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
厚さt1及びt3は、例えば、30μmであり、厚さt2は、例えば、20μmであればよい。ただし本実施形態はこれに限定されず、他の厚さであってもよい。厚さt1及びt3は、例えば、厚さt2の1.5倍程度であればよい。
【0053】
酸対策接着剤STV1の厚さt1を厚くすることにより、酸が発生したとしても、その影響を可能な限り小さく抑えることが可能である。
偏光板PL2は酸の発生が多いので、酸対策接着剤STV3の厚さt3を厚くすることにより、酸の発生を抑制することが可能である。
【0054】
図9は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図9に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、透明導電層TEに隣接する酸対策接着剤の厚さは、他の酸対策接着剤の厚さより厚い、という点で異なっている。
【0055】
図9において、
図8と同様、酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3の厚さを、それぞれ、t1、t2、及びt3とする。
図9に示す構成例では、厚さt1は、厚さt2及びt3より厚い(t1>t2、t1>t3)。上述のように、酸対策接着剤STV1の厚さt1を厚くすることにより、酸が発生したとしても、その影響を可能な限り小さく抑えることができる。
【0056】
図10は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図10に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、偏光板PL2に隣接する酸対策接着剤の厚さは、他の酸対策接着剤の厚さより厚い、という点で異なっている。
【0057】
図10において、
図8と同様、酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3の厚さを、それぞれ、t1、t2、及びt3とする。
図10に示す構成例では、厚さt3は、厚さt1及びt2より厚い(t3>t1、t3>t2)。上述のように、酸対策接着剤STV3の厚さt3を厚くすることにより、偏光板PL2からの酸の発生を抑制することが可能である。
【0058】
本実施形態により、表示装置DSPが高温高湿の環境下に置かれても、発生した酸により、透明導電層TEの溶解及び消滅することを防ぐことが可能である。よって拡散層や他の積層の剥離を防ぐことができる。以上から、広視野角かつ表示品質の高い表示装置を得ることができる。
【0059】
<構成例1>
図11は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図11に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、酸対策接着剤の大きさが偏光板PL2や拡散層DFF1及びDFF2の大きさより大きい、という点で異なっている。
【0060】
図11に示す構成例では、X-Y平面における偏光板PL2の大きさ、拡散層DFF1及びDFF2の大きさは同じである。偏光板PL2、拡散層DFF1及びDFF2の第1方向Xに沿う長さをw1とする。X-Y平面における大きさとは、第3方向Zの上方からX-Y平面に向かって見たときの大きさ、すなわち平面視での大きさである。
【0061】
酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3のX-Y平面における大きさは、全て同じである。酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3の第1方向Xに沿う長さをw2とする。長さw2は、長さw1より長い(w2>w1)。
【0062】
酸対策接着剤のX-Y平面における大きさ(第1方向Xに沿う長さ)を、偏光板や拡散層より大きくすることにより、発生した酸が偏光板の端部や拡散層の端部を介して他の層に移動することを防ぐことができる。
【0063】
さらに、複数の酸対策接着剤の端部同士が一体となっていてもよい。
図12は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図12に示した構成例では、
図11に示した構成例と比較して、酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3それぞれの端部同士が積層され一体となっている、という点で異なっている。
【0064】
図12に示すように、酸対策接着剤STV1、STV2、及びSTV3それぞれの端部同士が接続されることにより、一体化された酸対策接着剤STVが形成される。例えば、偏光板PL2で酸が発生したとしても、酸対策接着剤STVは、酸が透明導電層TEに入り込むのを防ぐことができる。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】
<構成例2>
図13は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図13に示した構成例では、
図11に示した構成例と比較して、透明導電層TE及び偏光板PL2に隣接する接着剤は酸対策接着剤であり、他の接着剤は酸対策接着剤ではない、という点で異なっている。
【0066】
図13に示す表示装置DSPでは、第2基板BA2上に、透明導電層TE、酸対策接着剤STV1、拡散層DFF1、接着剤ADV1、拡散層DFF2、酸対策接着剤STV2、及び偏光板PL2が、第3方向Zに沿って、この順に積層されている。
【0067】
透明導電層TEに接して酸対策接着剤STV1が設けられているので、酸が透明導電層TEに入り込むのを防ぐことができる。
偏光板PL2は、高温高湿の環境下で酸が発生しやすい。しかしながら、偏光板PL2に接して酸対策接着剤STV2が設けられているので、酸の発生を抑制することが可能である。
【0068】
拡散層DFF1及びDFF2の間に設けられる接着剤ADV1は、偏光板PL2及び透明導電層TEとは直接接触しない。これにより、酸対策接着剤ではない接着剤ADV1を用いる場合でも、酸対策接着剤STV1及びSTV2により、透明導電層TEに酸が入り込むことを防ぎ、酸によって透明導電層TEが溶解することを防ぐことが可能である。酸対策接着剤より安価な接着剤ADV1を用いることにより、表示装置DSPの製造コストを低減することが可能である。
【0069】
図14は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図14に示した構成例では、
図13に示した構成例と比較して、偏光板PL2に接する酸対策接着剤STV2の厚さを、透明導電層TEに接する酸対策接着剤STV1の厚さより厚くする、という点で異なっている。
【0070】
図14に示す構成例において、酸対策接着剤STV2の厚さt5は、酸対策接着剤STV1の厚さt4より厚い(t5>t4)。
図14に示す構成例においては、
図13及び
図10と同様の効果を奏する。
【0071】
図15は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図15に示した構成例では、
図13に示した構成例と比較して、透明導電層TEに接する酸対策接着剤STV1の厚さを、偏光板PL2に接する酸対策接着剤STV2の厚さより厚くする、という点で異なっている。
【0072】
図15に示す構成例において、酸対策接着剤STV1の厚さt4は、酸対策接着剤STV2の厚さt5より厚い(t4>t5)。
図15に示す構成例においては、
図13及び
図9と同様の効果を奏する。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0073】
<構成例3>
図16は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図16に示した構成例では、
図11に示した構成例と比較して、偏光板PL2に接する接着剤として酸対策接着剤ではないものを用い、透明導電層TEに接する接着剤を酸対策接着剤とする、さらに、透明導電層TEに接する酸対策接着剤の厚さを、他の酸対策接着剤の厚さより厚くする、という点で異なっている。
【0074】
図16に示す構成例では、第2基板BA2上に、透明導電層TE、酸対策接着剤STV1、拡散層DFF1、酸対策接着剤STV2、拡散層DFF2、接着剤ADV1、及び偏光板PL2が、第3方向Zに沿って、この順に積層されている。
【0075】
酸対策接着剤STV1の厚さt7は、酸対策接着剤STV2の厚さt8より厚い(t7>t8)。透明導電層TEに接して酸対策接着剤STV1が設けられており、かつその厚さが厚いため、偏光板PL2で酸が発生したとしても、透明導電層TEに酸が入り込んで透明導電層TEを溶解してしまうのを防ぐことが可能である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0076】
<構成例4>
図17は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図17に示した構成例では、
図11に示した構成例と比較して、透明導電層TEに接する接着剤にのみ酸対策接着剤を用い、他の接着剤として酸対策接着剤ではないものを用いる、という点で異なっている。
【0077】
図17に示す構成例では、第2基板BA2上に、透明導電層TE、酸対策接着剤STV1、拡散層DFF1、接着剤ADV1、拡散層DFF2、接着剤ADV2、及び偏光板PL2が、第3方向Zに沿って、この順に積層されている。
【0078】
酸対策接着剤STV1の厚さt9は、例えば、厚さt1と同様30μmであればよい。酸対策接着剤STV1の厚さt9を、厚さt1と同様の厚さにすることで、酸が透明導電層TEに入り込むことを防ぐことができる。これにより、酸により透明導電層TEが溶解し、消滅することを防ぐ。よって、拡散層や他の積層が剥がれることなく、視野角の広い高品質な表示装置を得ることが可能である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
<構成例5>
図18は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図18に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、酸対策接着剤が透明導電層TE全体を覆っている、という点で異なっている。
酸対策接着剤STV1が透明導電層TE全体を覆うことにより、酸が透明導電層TEに入り込むことを防ぐことができる。
【0080】
図19は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図19に示した構成例では、
図18に示した構成例と比較して、透明導電層TEが島状に形成されている、という点で異なっている。
酸対策接着剤STV1が、島状の透明導電層TEを覆うことにより、透明導電層TEの端部から酸が入り込むことを防ぐことが可能である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
ADV1…接着剤、CSE…色分離素子、DFF1…拡散層、DFF2…拡散層、DSP…表示装置、HUD…ヘッドアップディスプレイ、PL1…偏光板、PL2…偏光板、PNL…表示パネル、SE…色分離素子、STV…酸対策接着剤、STV1…酸対策接着剤、STV2…酸対策接着剤、STV3…酸対策接着剤。