(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182313
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1345 20060101AFI20231219BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20231219BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20231219BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1347
G02F1/1339 505
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095844
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H189
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA26
2H088FA28
2H088HA02
2H088HA05
2H088HA18
2H088JA03
2H088MA20
2H092GA03
2H092GA14
2H092GA40
2H092GA48
2H092NA25
2H092PA11
2H092QA05
2H092RA10
2H189AA34
2H189AA35
2H189DA72
2H189HA11
2H189LA04
2H189LA17
2H189MA15
(57)【要約】
【課題】調光パネルの積層方向から見て、より小さい調光装置を提供すること。
【解決手段】調光装置は、第1端子を有する第1基板とつ第2端子を有する第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットと、パネルユニットの側部のうち角柱の角部に設けられ且つ第1方向に繋がって延びる導電部材と、を備える。導電部材は、それぞれの調光パネルにおける、第1端子の第1角部と第2端子の第2角部とを電気的に接続する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重なり且つ第2端子を有する第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットと、
前記パネルユニットの側部のうち前記角柱の角部に設けられ且つ第1方向に繋がって延びる導電部材と、
を備え、
前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、第1辺と、当該第1辺に隣接する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺とが交差する交差部と、を備え、
前記第1端子は、
前記第1基板における前記第1辺に沿って延びる第1部位と、前記第2辺に沿って延びる第2部位と、前記交差部において前記第1部位と前記第2部位とが繋がる第1角部と、を備え、当該第1角部が前記パネルユニットの前記角部に対応し、
前記第2端子は、
前記第2基板における前記第1辺に沿って延びる第3部位と、前記第2辺に沿って延びる第4部位と、前記交差部において前記第3部位と前記第4部位とが繋がる第2角部と、を備え、当該第2角部が前記パネルユニットの前記角部に対応し、
前記導電部材は、
それぞれの前記調光パネルにおける、前記第1端子の前記第1角部と前記第2端子の前記第2角部とを電気的に接続する、
調光装置。
【請求項2】
前記調光パネルにおいて前記第1基板と前記第2基板との間には、液晶層を封止するシール材が設けられ、
当該シール材は、前記交差部よりも内側に配置され、
前記第1端子の前記第1角部および前記第2端子の前記第2角部のそれぞれは、少なくとも一部が前記シール材から露出する、
請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記シール材は、
前記第1基板および前記第2基板における前記第1辺に沿って延びる第1周縁部と、前記第2辺に沿って延びる第2周縁部と、前記第1周縁部の端と前記第2周縁部の端とを結ぶ連結部と、を備え、
当該連結部は、前記交差部よりも内側に配置され、
前記第1端子の前記第1角部および前記第2端子の前記第2角部のそれぞれは、少なくとも一部が前記シール材から露出する、
請求項2に記載の調光装置。
【請求項4】
前記第1基板の端面である第1端面と、前記第2基板の端面である第2端面と、前記シール材の端面である第3端面とが、面一である、
請求項3に記載の調光装置。
【請求項5】
光源に電気的に接続される導線である外部接続用配線を更に備え、
当該導線の一端は、前記導電部材の部位のうち、最も第1方向の一方側または他方側の部位に電気的に接続し、
当該導線の他端は、前記光源に電気的に接続する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の調光装置。
【請求項6】
光源に電気的に接続される導線である外部接続用配線を更に備え、
当該導線の一端は、前記導電部材の部位のうち、最も第1方向の一方側または他方側の部位に導通体を介して電気的に接続し、
当該導線の他端は、前記光源に電気的に接続する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の調光装置は、複数の調光パネルを積層させたパネルユニットを備える。調光パネルは、例えば、第1基板および第2基板と、これらの基板の間に封入した液晶層と、を有する。パネルユニットの積層方向の一方側から入射光が入ると、入射光の光透過率が調整され、この調整された透過光がパネルユニットの積層方向の他方側から出る。調光パネルにおいては、第1基板と第2基板とが上下に積層される。また、第1基板および第2基板のそれぞれには、端子が設けられる。具体的には、第1基板を第2基板よりも大きくし、調光パネルの積層方向から見て第1基板の一部を第2基板から露出させ、当該露出部分に端子を設ける。この端子には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:FLEXIBLE PRINTED CIRCUITS)などが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、調光装置の小型化が望まれている。
【0005】
本開示は、前記に鑑みてなされたものであり、調光パネルの積層方向から見て、より小さい調光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重なり且つ第2端子を有する第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットと、前記パネルユニットの側部のうち前記角柱の角部に設けられ且つ第1方向に繋がって延びる導電部材と、を備え、前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、第1辺と、当該第1辺に隣接する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺とが交差する交差部と、を備え、前記第1端子は、前記第1基板における前記第1辺に沿って延びる第1部位と、前記第2辺に沿って延びる第2部位と、前記交差部において前記第1部位と前記第2部位とが繋がる第1角部と、を備え、当該第1角部が前記パネルユニットの前記角部に対応し、前記第2端子は、前記第2基板における前記第1辺に沿って延びる第3部位と、前記第2辺に沿って延びる第4部位と、前記交差部において前記第3部位と前記第4部位とが繋がる第2角部と、を備え、当該第2角部が前記パネルユニットの前記角部に対応し、前記導電部材は、それぞれの前記調光パネルにおける、前記第1端子の前記第1角部と前記第2端子の前記第2角部とを電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、導電部材に接続する外部接続用配線を示す模式図である。
【
図4】
図4は、導電部材に接続する外部接続用配線の変形例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、複数のセルを設けたウエハを示す模式図である。
【
図8】
図8は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から1番目と2番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
【
図9】
図9は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から1番目と2番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
【
図10】
図10は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から3番目と4番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
【
図11】
図11は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から3番目と4番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
【
図12】
図12は、4枚の調光パネルを積層させた第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
【
図13】
図13は、4つの導電部材と、それぞれの調光パネルにおいてアレイ基板および対向基板の電極と接続する導電部材との関係を示す表である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る調光装置における第1基板とシール材とを模式的に示す平面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る調光装置における第2基板を模式的に示す平面図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態に係る調光装置における第1基板とシール材とを模式的に示す平面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る調光装置における第2基板を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1の調光装置の断面図である。
図3は、導電部材に接続する外部接続用配線を示す模式図である。
図4は、導電部材に接続する外部接続用配線の変形例を示す模式図である。
【0011】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、前後方向であり、X1側はX2側の反対である。X1側は前側とも称し、X2側は後側とも称する。Y方向は、左右方向であり、Y1側はY2側の反対である。Y1側は左側とも称し、Y2側は右側とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1側はZ2側の反対である。Z1側は下側とも称し、Z2側は上側とも称する。なお、Z方向は第1方向とも称し、例えば、第1方向の一方側は、Z方向のZ1側であり、第1方向の他方側は、Z方向のZ2側である。
【0012】
図1および
図2に示すように、第1実施形態に係る調光装置100は、パネルユニット110と、導電部材500と、外部接続用配線400と、を備える。外部接続用配線400は、例えば、導線が適用可能であるが、フレキシブルプリント基板(FPC:FLEXIBLE PRINTED CIRCUITS)を適用してもよい。
【0013】
本実施形態では、パネルユニット110は、Z方向(第1方向)に複数(実施形態では4つ)の調光パネル1を積層させて形成される角柱の形状を有する。パネルユニット110は、例えば、四角柱であるが、八角柱などの多角柱でもよい。調光パネル1は、本実施形態では、正方形であるが、本発明はこれに限定されず、後述する八角形などの多角形も含む。
【0014】
具体的には、
図2に示すように、4つの調光パネル1は、Z2側から順に、調光パネル1A、1B、1C、1Dが積層される。それぞれの調光パネル1は、Z2側に配置される第1基板2と、第1基板2に対してZ1側に配置される第2基板3と、第1基板2および第2基板3の間に設けられるシール材600と、シール材600の内側に充填される液晶層4と、を備える。なお、シール材600の内側は、有効領域である。また、Z方向から見た場合に、第1基板2および第2基板3の大きさは略同一である。
図2に示すように、Z方向に隣接する2つの調光パネル1は、透光性接着剤720(例えばOCA(Optical Clear Adhesive)もしくはOCR(Optical Clear Resin))を介して接合される。
【0015】
また、
図1に示すように、パネルユニット110の4つの角部には、4つの導電部材500が上下方向に沿って延びている。具体的には、導電部材500は、導電部材510、520、530、540である。導電部材510は、パネルユニット110をZ方向から見た場合に、パネルユニット110におけるX1側且つY1側の角部に設けられる。導電部材520は、パネルユニット110をZ方向から見た場合に、パネルユニット110におけるX1側且つY2側の角部に設けられる。導電部材530は、パネルユニット110をZ方向から見た場合に、パネルユニット110におけるX2側且つY2側の角部に設けられる。導電部材540は、パネルユニット110をZ方向から見た場合に、パネルユニット110におけるX2側且つY1側の角部に設けられる。導電部材500の材質は、例えば、銀(Ag)またはカーボン(C)などが適用可能である。導電部材500は、例えば、導電材を含むペーストを第1基板2等に塗布し硬化させて形成する。
【0016】
そして、
図1に示すように、例えば、最もZ1側に位置する調光パネル1Dにおける第1基板2のZ1側の面に4つの外部接続用電極440が設けられる。外部接続用電極440は、パネルユニット110における4つの角部に設けられる。外部接続用電極440は、L字形状を有し、長辺部441と、短辺部442とを備える。長辺部441および短辺部442は、調光パネル1Dの辺に沿って延びる。長辺部441の方向に沿って外部接続用配線400が延びている。外部接続用配線400は、1つの外部接続用電極440に1つごと設けられる。従って、本実施形態では、外部接続用配線400は4つ設けられる。
図3に示すように、外部接続用電極440には、導電部材500の端部が接続される。ここで、外部接続用配線400は、電線410と、電線410を被覆する被覆材420とを備える。電線410の一端は導電部材500の端部に接続され、電線410の他端は光源430に接続される。光源430は、電力供給に応じて光を発する。光源430は、例えばLED(light emitting diode)が適用可能であるが、例えば、白熱電球等であってもよい。
【0017】
また、
図4に示すように、導電部材500の端部に導通体450を接続し、導通体450に電線410の一端を接続してもよい。換言すると、外部接続用配線400は、導通体450を介して導電部材500に電気的に接続してもよい。
【0018】
次に、積層させたウエハを上下に切り出して個片化してパネルユニット110を作製する手順を簡単に説明する。
図5は、複数のセルを設けたウエハを示す模式図である。
図6は、
図5の一部を拡大した平面図である。
図7は、
図5のセルを複数積層させた断面図である。
【0019】
図5および
図6に示すように、第1基板2になるウエハ45には、シール材600および液晶層4が一定間隔で配置される。破線は分割線47を示す。即ち、シール材600をX方向とY方向に格子状に形成したのち、シール材600の内側に液晶を充填して液晶層4を形成する。その上から、第2基板3になる別のウエハ48を載せて取り付けたのち、
図7に示すように、透光性接着剤720(例えばOCR)を用いて接着しつつ上下に積層する。ここで、
図6に示すように、シール材600の幅方向の中央に沿って分割線47が設定される。なお、
図6に示すように、縦の分割線47と横の分割線47とが交差する部分には、シール材600が配置されず四角形の隙間が形成される。そして、分割線47に沿ってワイヤーソーやダイシングなどで切断して個片化してパネルユニット110が完成する。これにより、
図2に示すように、第1基板2の端面を第1端面2aとし、第2基板3の端面を第2端面3aとし、シール材600の端面を第3端面600aとすると、第1端面2aと第2端面3aと第3端面600aが面一となっている。
【0020】
次いで、パネルユニット110を構成する第1基板2および第2基板3の配線および端子について詳細に説明する。
図8は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から1番目と2番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
図9は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から1番目と2番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
図10は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から3番目と4番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
図11は、
図1に示すパネルユニットにおいてZ2側から3番目と4番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
図12は、4枚の調光パネルを積層させた第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
図13は、4つの導電部材と、それぞれの調光パネルにおいてアレイ基板および対向基板の電極と接続する導電部材との関係を示す表である。
【0021】
前述したように、
図2を参照すると、4つの調光パネルは、Z2側から順に、調光パネル1A、調光パネル1B、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dが積層される。
【0022】
図8に示すように、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第1基板2は、第1端子200と、液晶駆動電極250と、を備える。第1端子200は、第1端子210、220、230、240を有する。なお、第1基板2は、Z方向から見た平面視で正方形であり、4つの辺20を有する。具体的には、辺20は、辺21、22、23、24を有する。辺21は、Y2側に位置する。辺22は、X1側に位置する。辺23は、Y1側に位置する。辺24は、X2側に位置する。辺21を第1辺とし、辺22を第2辺とすると、交差部25において、辺21と辺22とが交差する。
【0023】
第1端子210は、第1部位211と、第2部位212と、第1角部213と、を有する。第1端子210は、本実施形態では、平面視でL字状である。第1部位211および第2部位212は、幅広の帯状体である。第1部位211は、辺(第1辺)21に沿って延びる。第2部位212は、辺(第2辺)22に沿って延びる。辺(第1辺)21と辺(第2辺)22とは隣接する。第1角部213において、第1部位211と第2部位212とが繋がる。
【0024】
第1端子220は、第1部位221と、第2部位222と、第1角部223と、突出部224と、を有する。第1端子220は、本実施形態では、平面視でU字状である。第1部位221および第2部位222は、幅広の帯状体である。第1部位221は、辺(第1辺)23に沿って延びる。第2部位222は、辺(第2辺)22に沿って延びる。辺(第1辺)23と辺(第2辺)22とは隣接する。第1角部223において、第1部位221と第2部位222とが繋がる。なお、第1端子230は第1端子210と同一形状であり、第1端子240は第1端子220と同一形状である。
【0025】
シール材600は、第1周縁部610と、第2周縁部620と、連結部630と、を備える。第1周縁部610は、例えば、辺(第1辺)21に沿って延びる。第2周縁部620は、例えば、辺(第2辺)22に沿って延びる。第1周縁部610の端および第2周縁部620の端は、交差部25から離隔している。従って、第1周縁部610の端と第2周縁部620の端とを結ぶ連結部630は、第1周縁部610および第2周縁部620に対して斜めに交差する。交差する角度は、例えば45度である。このように、連結部630は、交差部25よりも内側(第1基板2の中央部側)に配置される。このため、第1角部213の一部は、シール材600の連結部630から露出する。当該露出部分は、平面視で略三角形の形状を有する。また、第1基板2における他の3つの角部においても同様に、第1角部213、223の一部は、シール材600の連結部630から露出し、当該露出部分は、平面視で略三角形の形状を有する。
【0026】
また、
図8に示すように、第1基板2の中央には、液晶駆動電極250が設けられる。液晶駆動電極250は、複数設けられ、それぞれがX方向に延びる。液晶駆動電極250におけるX2側の端は、配線251に接続される。配線251は、Y方向に延びる。液晶駆動電極250におけるX1側の端は、配線252に接続される。配線252は、Y方向に延びる。配線251には、第1端子240が接続される。配線252には、第1端子220が接続される。
【0027】
図9に示すように、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第2基板3は、第2端子300と、液晶駆動電極350と、を備える。第2端子300は、第2端子310、320、330、340を有する。なお、第2基板3は、Z方向から見た平面視で正方形であり、4つの辺30を有する。具体的には、辺30は、辺31、32、33、34を有する。辺31は、Y2側に位置する。辺32は、X1側に位置する。辺33は、Y1側に位置する。辺34は、X2側に位置する。辺31を第1辺とし、辺32を第2辺とすると、交差部35において、辺31と辺32とが交差する。
【0028】
第2端子310は、第3部位311と、第4部位312と、第2角部313と、突出部314と、を有する。第2端子310は、本実施形態では、平面視でU字状である。第3部位311、第4部位312および突出部314は、幅広の帯状体である。第3部位311は、辺(第1辺)31に沿って延びる。第4部位312は、辺(第2辺)32に沿って延びる。辺(第1辺)31と辺(第2辺)32とは隣接する。第2角部313において、第3部位311と第4部位312とが繋がる。突出部314は、第3部位311からY1側に延びる。
【0029】
第2端子320は、第3部位321と、第4部位322と、第2角部323と、を有する。第2端子320は、本実施形態では、平面視でL字状である。第3部位321および第4部位322は、幅広の帯状体である。第3部位321は、辺(第1辺)33に沿って延びる。第4部位322は、辺(第2辺)32に沿って延びる。辺(第1辺)33と辺(第2辺)32とは隣接する。第2角部323において、第3部位321と第4部位322とが繋がる。なお、第2端子330は第2端子310と同一形状であり、第2端子340は第2端子320と同一形状である。
【0030】
図9に示すように、第2基板3の中央には、液晶駆動電極350が設けられる。液晶駆動電極350は、複数設けられ、それぞれがY方向に延びる。液晶駆動電極350におけるY1側の端は、配線351に接続される。配線351は、X方向に延びる。液晶駆動電極350におけるY2側の端は、配線352に接続される。配線352は、X方向に延びる。配線351には、第2端子330が接続される。配線352には、第2端子320が接続される。
【0031】
図10に示すように、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dにおける第1基板2は、
図8に示した調光パネル1Aおよび調光パネル1Bにおける第1基板2を時計回り方向(右回り方向)に90度回転させたものである。即ち、基板自体は同じものであり、基板の中央部を中心に90度回転させた配置にしている。従って、例えば、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第1基板2では、辺21はY2側に位置しているが、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dの第1基板2では、辺21はX1側に位置している。
【0032】
また、
図11に示すように、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dにおける第2基板3は、
図9に示した調光パネル1Aおよび調光パネル1Bにおける第2基板3を時計回り方向(右回り方向)に90度回転させたものである。即ち、基板自体は同じものであり、基板の中央部を中心に90度回転させた配置にしている。従って、例えば、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第2基板3では、辺31はY2側に位置しているが、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dの第2基板3では、辺31はX1側に位置している。
【0033】
以上説明した調光パネル1A、1B、1C、1DをZ方向に順に積層させると、
図12に示すパネルユニット110となる。その後、導電部材500をパネルユニット110の四隅に形成する。具体的には、導電材を含むペーストを各調光パネル1における第1基板2等に塗布し硬化させて形成する。このように、導電部材50は、パネルユニット110における最もZ1側に位置する調光パネル1Dから最もZ2側に位置する調光パネル1Aまで延びる。また、導電部材50は、それぞれの調光パネル1における第1端子200の第1角部213、223と第2端子300の第2角部313、323とに接続される。
【0034】
ここで、
図13の表を説明する。例えば、調光パネル1Aにおける第1基板の欄に記載された220(510)は、
図8に示す第1端子220が導電部材510に接続されることを意味する。
図8に示すように第1端子220は、第1基板2におけるX1側且つY1側の角に位置する。
図12に示すように、導電部材510もパネルユニット110におけるX1側且つY1側の角に位置する。従って、ともにX1側且つY1側の角に配置される導電部材510と第1端子220とが電気的に接続される。
【0035】
また、調光パネル1Dにおける第2基板の欄に記載された330(530)は、
図11に示す第2端子330が導電部材530に接続されることを意味する。
図11に示すように第2端子330は、第2基板3におけるX2側且つY2側の角に位置する。
図12に示すように、導電部材530もパネルユニット110におけるX2側且つY2側の角に位置する。従って、ともにX2側且つY2側の角に配置される導電部材530と第2端子330とが電気的に接続される。なお、調光装置100においては、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとを積層して組み合わせている。
【0036】
以上説明したように、調光装置100は、第1端子200を有する第1基板2と第1基板2に重なり且つ第2端子300を有する第2基板3とを有する多角形の調光パネル1が、Z方向(第1方向、積層方向)に複数積層されたパネルユニット110と、パネルユニット110の側部のうち角部に設けられ且つZ方向に繋がって延びる導電部材500と、を備える。第1基板2および第2基板3のそれぞれは、辺21、31(第1辺)と、辺21、31(第1辺)に隣接する辺22、32(第2辺)と、辺21、31と辺22、32とが交差する交差部25、35と、を備える多角形の形状を有する。第1端子200は、第1基板2における第1辺に沿って延びる第1部位211、221と、第2辺に沿って延びる第2部位212、222と、交差部25、35において第1部位と第2部位とが繋がる第1角部213、223と、を備える。第2端子300は、第2基板3における第1辺に沿って延びる第3部位311、321と、第2辺に沿って延びる第4部位312、322と、交差部25、35において第3部位と第4部位とが繋がる第2角部313、323と、を備える。導電部材500は、それぞれの調光パネル1における、第1端子200の第1角部213、223と第2端子300の第2角部313、323とに接続される。
【0037】
前述したように、従来は、例えば、第1基板を第2基板よりも大きくし調光パネルの積層方向(第1方向)から見て第1基板の一部を第2基板から露出させ、当該露出部分に端子を設けているため、調光装置が大型化する可能性がある。
【0038】
しかし、本実施形態では、調光パネル1の第1端子200および第2端子300をパネルユニット110の側部のうちの角部に配置し、Z方向に延びる導電部材500で、それぞれの調光パネル1の第1端子200および第2端子300を電気的に接続する。従って、第1基板2を第2基板3と同じ大きさに設定することができるため、Z方向から見て、より小さい調光装置100を提供することが可能となる。
【0039】
調光パネル1において第1基板2と第2基板3との間には、液晶層4を封止するシール材600が設けられる。シール材600は、交差部25、35よりも内側に配置される。第1端子200の第1角部213、223および第2端子300の第2角部313、323のそれぞれは、少なくとも一部がシール材600から露出する。
【0040】
複数のチップが並んだ状態で隣接するチップ同士の間にシール材600を設けてある場合、シール材600をワイヤーソーやダイシングなどで切断して個片化してパネルユニット110を作製することができる。この場合、切断による切り粉が発生するため、洗浄液を吹き付けて当該切り粉を洗い流す必要がある。
【0041】
ここで、第1端子200の第1角部213、223および第2端子300の第2角部313、323のそれぞれは、少なくとも一部がシール材600から露出するため、この露出した端子の表面が洗浄液によって洗い流される。
【0042】
シール材600は、第1基板2および第2基板3における第1辺21、31に沿って延びる第1周縁部610と、第2辺22、32に沿って延びる第2周縁部620と、第1周縁部610の端と第2周縁部620の端とを結ぶ連結部630と、を備える。連結部630は、交差部25、35よりも内側に配置され、第1端子200の第1角部213、223および第2端子300の第2角部313、323のそれぞれは、少なくとも一部がシール材600から露出する。
【0043】
連結部630が交差部25、35よりも内側に配置されるため、第1基板2および第2基板3の角部がシール材600から露出する。従って、この露出した端子の表面が洗浄液によって洗い流される。
【0044】
第1基板2の端面である第1端面2aと、第2基板3の端面である第2端面3aと、シール材600の端面である第3端面600aとが、面一である。
【0045】
シール材600を基板の部位のうち周縁部近くに配置すると、有効領域の面積が大きくなるために好ましい。また、X方向またはY方向において、第1基板2の端面と第2基板3の端面とシール材600の端面とがそれぞれ相違する位置に配置されると、調光パネル1の外縁が外側に広がって、Z方向から見て調光装置100がより大きくなる。
【0046】
従って、第1端面2aと第2端面3aと第3端面600aとを面一にすることにより、有効領域の面積を大きくし且つZ方向から見て調光装置100全体をより小型化することができる。
【0047】
外部接続用配線400は導線であり、当該導線が導電部材500に電気的に接続されるため、外部接続用配線400を導電部材500に容易に接続することができる。また、外部接続用配線400の一端を、導電部材500の最もZ2側または最もZ1側(第1方向の他方側)の部位に電気的に接続し、且つ、外部接続用配線400の他端に光源430を接続することにより、調光装置100をより小型化することができる。
【0048】
外部接続用配線400は導線であり、当該導線が導通体450を介して導電部材500に電気的に接続される。このため、導電部材500の材質が外部接続用配線400を接続しにくい場合でも、導通体450の材質を適宜変更することにより、外部接続用配線400を導通体450を介して導電部材500に接続することができる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同一構造については同一符号を付けて説明を省略する。
図14は、第2実施形態に係る調光装置における第1基板とシール材とを模式的に示す平面図である。
図15は、第2実施形態に係る調光装置における第2基板を模式的に示す平面図である。第1実施形態では、第1基板および第2基板が正方形の態様を説明したが、第2実施形態では、第1基板および第2基板が正八角形の態様を説明する。
【0050】
図14に示すように、Z方向から見た平面視において、第1基板2Aは正八角形である。第1基板2Aは、8つの辺20Aを有する。具体的には、辺20Aは、辺21A、辺22A、辺23A、辺24A、辺25A、辺26A、辺27Aおよび辺28Aを有する。また、第1基板2Aには、第1端子210A、220A、230A、240Aが設けられる。
【0051】
第1端子210Aは、第1部位211Aと、第2部位212Aと、第1角部213Aと、を備える。第1部位211Aは、辺(第1辺)21Aに沿って延びる。第2部位212Aは、辺(第2辺)22Aに沿って延びる。交差部25において、第1部位211Aと第2部位212Aとが、第1角部213Aで繋がる。
【0052】
第1端子220Aは、第1部位221Aと、第2部位222Aと、第1角部223Aと、突出部224Aと、を備える。第1部位221Aは、辺(第1辺)23Aに沿って延びる。第2部位222Aは、辺(第2辺)24Aに沿って延びる。交差部25において、第1部位221Aと第2部位222Aとが、第1角部223Aで繋がる。
【0053】
第1端子230Aは、第1端子210Aと同一形状を有する。第1端子240Aは、第1端子220Aと同一形状を有する。なお、第1端子220Aと第1端子240Aは、液晶駆動電極250に接続される。
【0054】
また、シール材600は、平面視で略正方形の環状形状を有する。つまり、シール材600は、X方向に延びて互いにY方向に離隔する2つの辺601、602と、Y方向に延びて互いにX方向に離隔する2つの辺603、604と、を有する。具体的には、辺601はY2側に位置し、辺602はY1側に位置する。辺603はX1側に位置し、辺604はX2側に位置する。本実施形態においても、シール材600は、交差部25よりも内側に配置される。従って、第1端子210Aの第1角部213A、第1端子220Aの第1角部223A、第1端子230Aの第1角部213Aおよび第1端子240Aの第1角部223Aは、シール材600から露出する。
【0055】
図15に示すように、Z方向から見た平面視において、第2基板3Aは正八角形である。第2基板3Aは、8つの辺30Aを有する。具体的には、辺30Aは、辺31A、辺32A、辺33A、辺34A、辺35A、辺36A、辺37Aおよび辺38Aを有する。また、第2基板3Aには、第2端子310A、320A、330A、340Aが設けられる。
【0056】
第2端子310Aは、第3部位311Aと、第4部位312Aと、第2角部313Aと、突出部314Aと、を備える。第3部位311Aは、辺(第1辺)31Aに沿って延びる。第4部位312Aは、辺(第2辺)32Aに沿って延びる。交差部35において、第3部位311Aと第4部位312Aとが、第2角部313Aで繋がる。
【0057】
第2端子320Aは、第3部位321Aと、第4部位322Aと、第2角部323Aと、を備える。第3部位321Aは、辺(第1辺)33Aに沿って延びる。第4部位322Aは、辺(第2辺)34Aに沿って延びる。交差部35において、第3部位321Aと第4部位322Aとが、第2角部323Aで繋がる。第2端子310Aの第2角部313A、第2端子320Aの第2角部323A、第2端子330Aの第2角部313Aおよび第2端子340Aの第2角部323Aは、シール材600から露出する。
【0058】
第2端子330Aは、第2端子310Aと同一形状を有する。第2端子340Aは、第2端子320Aと同一形状を有する。なお、第2端子310Aと第2端子330Aは、液晶駆動電極350に接続される。
【0059】
以上説明したように、第2実施形態では、第1基板2Aおよび第2基板3Aの形状が八角形であるが、第1実施形態のような四角形以外の多角形の形状であっても本発明が適用可能である。
【0060】
また、第1端子200Aの第1角部213A、223Aおよび第2端子300Aの第2角部313A、323Aのそれぞれは、少なくとも一部がシール材600から露出する。従って、この露出した端子の表面に残存した切り粉が洗浄液によって洗い流される。特に、
図14と
図8とを比較すれば明らかなように、第2実施形態の基板の方が第1実施形態の基板よりも、シール材600から露出する端子の面積が大きい。従って、第2実施形態によれば、端子の表面に残存したより多くの量の切り粉が洗浄液によって洗い流される。
【0061】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明するが、第1および第2実施形態と同一構造については同一符号を付けて説明を省略する。
図16は、第3実施形態に係る調光装置における第1基板とシール材とを模式的に示す平面図である。
図17は、第3実施形態に係る調光装置における第2基板を模式的に示す平面図である。第3実施形態では、第2実施形態に対して、第1基板に対するシール材600の位置が異なる。以下に簡単に説明する。
【0062】
図16に示すように、シール材600は、平面視で略正方形の環状形状を有する。シール材600は、4つの辺601、602、603、604を有する。
図16のシール材600は、
図14のシール材600を第1基板2Bの中央部を中心に時計回り方向(右方向)に約22.5度回転させた位置に設けられる。つまり、
図16において、シール材600の辺604は、辺27Aに対して約22.5度の角度で交差している。本実施形態においても、シール材600は、交差部25よりも内側に配置される。従って、第1端子210Aの第1角部213A、第1端子220Aの第1角部223A、第1端子230Aの第1角部213Aおよび第1端子240Aの第1角部223Aは、シール材600から露出する。
【0063】
また、
図17は
図15と同一構造の第2基板3Bを有する。第2端子310Aの第2角部313A、第2端子320Aの第2角部323A、第2端子330Aの第2角部313Aおよび第2端子340Aの第2角部323Aは、シール材600から露出する。
【0064】
以上説明したように、第3実施形態においても、第1端子200Aの第1角部213A、223Aおよび第2端子300Aの第2角部313A、323Aのそれぞれは、少なくとも一部がシール材600から露出する。従って、端子の表面に残存したより多くの量の切り粉が洗浄液によって洗い流される。
【符号の説明】
【0065】
1、1A、1B、1C、1D 調光パネル
2、2A、2B 第1基板
2a 第1端面
3、3A、3B 第2基板
3a 第2端面
4 液晶層
20 辺
21 辺(第1辺)
22 辺(第2辺)
23 辺
24 辺
25 交差部
20A 辺
21A 辺(第1辺)
22A 辺(第2辺)
23A 辺
24A 辺
25A 辺
26A 辺
27A 辺
28A 辺
30 辺
31 辺(第1辺)
32 辺(第2辺)
33 辺
34 辺
35 交差部
30A 辺
31A 辺(第1辺)
32A 辺(第2辺)
33A 辺
34A 辺
35A 辺
36A 辺
37A 辺
38A 辺
45、48 ウエハ
47 分割線
100 調光装置
110 パネルユニット
200、210、220、230、240 第1端子
200A、210A、220A、230A、240A 第1端子
211、221 第1部位
212、222 第2部位
211A、221A 第1部位
212A、222A 第2部位
213、223 第1角部
213A、223A 第1角部
224、224A 突出部
250 液晶駆動電極
251、252 配線
300、310、320、330、340 第2端子
310A、320A、330A、340A 第2端子
311、321 第3部位
311A、321A 第3部位
312、322 第4部位
312A、322A 第4部位
313、323 第2角部
313A、323A 第2角部
314 突出部
314A 突出部
350 液晶駆動電極
351、352 配線
400 外部接続用配線
410 電線
420 被覆材
430 光源
440 外部接続用電極
441 長辺部
442 短辺部
450 導通体
500、510、520、530、540 導電部材
600 シール材
600a 第3端面
601、602、603、604 辺
610 第1周縁部
620 第2周縁部
630 連結部
720 透光性接着剤