(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182342
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ユーザ支援システム及びユーザ支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231219BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20231219BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/10
B25J5/00 E
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095881
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(72)【発明者】
【氏名】勝野 豪範
(72)【発明者】
【氏名】青山 綾七
(72)【発明者】
【氏名】石上 真菜
【テーマコード(参考)】
3C707
5H301
5L049
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT04
3C707LW12
3C707WA04
3C707WA14
3C707WA16
3C707WM01
5H301AA01
5H301BB14
5H301BB15
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザ支援端末を利用したユーザの用事の代行に関する機能の充実が図られるようにする。
【解決手段】ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成部と、前記代行動作情報生成部により生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成部と、前記運行指示情報生成部が生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御部とを備えてユーザ支援システムを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成部と、
前記代行動作情報生成部により生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成部と、
前記運行指示情報生成部が生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御部と
を備えるユーザ支援システム。
【請求項2】
前記運行指示情報生成部は、所定の待機位置と前記ユーザ支援端末が用事を遂行するための行き先に応じた地点との間を、前記ユーザ支援端末を搬送して移動することを指示する前記運行指示情報を生成する
請求項1に記載のユーザ支援システム。
【請求項3】
前記移動体は公共交通機関の車両であり、
前記運行指示情報生成部は、前記代行動作情報により示され、前記ユーザ支援端末が前記移動体に乗車する乗車位置と前記移動体から降車する降車位置とを示す前記運行指示情報を生成し、
前記運行制御部は、生成された運行指示情報において示される乗車位置と降車位置と含む経路を運行するように定められた移動体が、前記ユーザ支援端末を前記乗車位置にて乗車させ前記降車位置にて降車させるように制御する
請求項1に記載のユーザ支援システム。
【請求項4】
前記ユーザ支援端末は、ユーザの音声を集音して得られた音声データに基づいて、ユーザの音声により発話可能なように構成される
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザ支援システム。
【請求項5】
前記ユーザ支援端末は、ユーザの個性を表すデータに基づいて、ユーザの個性を模した行動を行うことが可能なように構成される
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザ支援システム。
【請求項6】
ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップが受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成ステップと、
前記代行動作情報生成ステップにより生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成ステップと、
前記運行指示情報生成ステップが生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御ステップと
を含むユーザ支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ支援システム及びユーザ支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザから指定された場所に移動し、指定された場所に配置された端末に対して受任された手続きの実行を要求するようにされた手続代行ロボットの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボット等のユーザ支援端末がユーザに代行して用事を行うにあたっては、例えばユーザ支援端末の行動範囲の拡大等をはじめ、用事の代行機能の充実が図られることが好ましい。
【0005】
本発明は、ユーザ支援端末を利用したユーザの用事の代行に関する機能の充実が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成部と、前記代行動作情報生成部により生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成部と、前記運行指示情報生成部が生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御部とを備えるユーザ支援システムである。
【0007】
本発明の一態様は、ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成ステップと、前記代行動作情報生成ステップにより生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成ステップと、前記運行指示情報生成ステップが生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御ステップとを含むユーザ支援方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ支援端末を利用したユーザの用事の代行に関する機能の充実が図られるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るユーザ支援システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るペット型ロボットの機能構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るロボット管理サーバの機能構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る移動体の機能構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る移動体管理サーバの機能構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るユーザ支援システムにおいて、ペット型ロボットが移動体への乗車を伴ってユーザの用事を代行する場合の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係るユーザ支援システムにおいて、ペット型ロボットが移動体への乗車を伴ってユーザの用事を代行する場合の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
[ユーザ支援システムの全体的構成例]
図1は、本実施形態のユーザ支援システムの全体的な構成例を示している。本実施形態のユーザ支援システムは、ユーザUがユーザ宅HSから外出して行う用事を、ペット型ロボット200(ユーザ支援端末の一例)と移動体400とが連携して代行するようにされる。
【0011】
本実施形態のユーザ支援システムは、ユーザ端末100、ペット型ロボット200、ロボット管理サーバ300、移動体400、及び移動体管理サーバ500を備える。
【0012】
ユーザ端末100は、ユーザUが所持して操作を行う端末である。ユーザ端末100は、例えばスマートフォンやタブレット端末等であってよい。あるいは、ユーザ端末100は、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0013】
ペット型ロボット200は、ユーザUが所有(レンタルにより貸与されたことによる所有も含まれてよい)するペット型のロボットである。ペット型ロボット200は、例えば犬等のペットを模した動きと音声出力によりユーザUと会話するようにしてコミュニケーションを図ることができる。ペット型ロボット200は、自律的に移動可能とされる。ペット型ロボット200は、ユーザUからの音声による指示に対する応答としての行動をとることが可能とされる。ペット型ロボット200は、ユーザUのユーザIDと対応付けられている。
【0014】
ロボット管理サーバ300は、ペット型ロボット200に関する管理を実行するサーバである。
【0015】
移動体400は、ユーザUが所有する(レンタルにより貸与されたことによる所有も含まれてよい)。移動体400は、ユーザ宅HSから離れた目標地点への移動(走行)を自律的に行うことが可能とされる。移動体400は、ユーザUのユーザIDと対応付けられている。
本実施形態において、移動体400は、ペット型ロボット200がユーザUの用事の代行のためにユーザ宅HSから一定以上の距離の目的地にまで移動するにあたって、ペット型ロボット200を乗車させて目的地にまで運搬するようにされる。
移動体400は、ユーザUが乗車した状態で自律運転が可能なようにされていてもよい。
【0016】
なお、移動体400Aは、公共交通機関におけるバス等の車両であるが、第2実施形態に対応することから、ここでの説明を省略する。
【0017】
同図においては、移動体400の目標地点の1つとして役所OFが示されている。役所OFは、後述のようにペット型ロボット200がユーザUに代行して所定の手続を行う場所であり、移動体400がペット型ロボット200を乗車させて移動する目標地点である。
【0018】
移動体管理サーバ500は、移動体400に関する管理を実行するサーバである。
【0019】
[ペット型ロボットによるユーザの個性の反映について]
本実施形態において、ペット型ロボット200は、ユーザUや他者とのコミュニケーションを図りつつ、ユーザUや他者の指示に応答した動作を実行する役割を有する。そのうえで、ペット型ロボット200は、以下に説明するようにして、ユーザUの個性を反映した他者とのコミュニケーションが可能なように構成される。
【0020】
ユーザ端末100には、本実施形態のユーザ支援システムに対応するユーザ支援アプリケーションがインストールされる。ユーザ支援アプリケーションは、ペット型ロボット200にユーザUの人格を反映させる育成機能を有する。
ユーザUは、ユーザ支援アプリケーションが動作するユーザ端末100に対して、自身のプロフィール(ユーザプロフィール)を入力する操作を行う。ユーザプロフィールには、ユーザUの身長、体重、性格、趣味、嗜好などのユーザの個性に関する情報が含まれてよい。ユーザ端末100は、入力されたユーザプロフィールをロボット管理サーバ300に送信する。ロボット管理サーバ300は、受信したユーザプロフィールを記憶する。このようにユーザプロフィールがロボット管理サーバ300に記憶されることで、ユーザプロフィールの登録が行われる。
【0021】
また、ペット型ロボット200は、ユーザUの発する音声を集音し、集音により得られた音声データをロボット管理サーバ300に送信してよい。
また、ペット型ロボット200は、内蔵のカメラによりユーザUを撮像し、撮像により得られた映像データをロボット管理サーバ300に送信してよい。
【0022】
ロボット管理サーバ300は、ユーザ端末100から送信されたユーザプロフィールと、ペット型ロボット200から送信された音声データ、映像データを受信する。ユーザ端末100から送信されたユーザプロフィールと、ペット型ロボット200から送信された音声データ、映像データとは、例えば同じユーザIDに対応付けられている。
ロボット管理サーバ300は、1のユーザUのユーザプロフィール、音声データ、映像データに基づいてユーザUの個性を反映させたユーザモデルを生成する。
【0023】
ユーザモデルは、ペット型ロボット200が内蔵するマイクロフォンにより集音して得られたユーザUの音声データに基づいてユーザUの発する音声の声色やイントネーション等を学習した結果が反映されてよい。このようにユーザUの音声について学習が行われることで、ペット型ロボット200が他者とコミュニケーションを図る際に、ユーザUの声色やイントネーション等を真似るようにして他者と会話させることができる。
また、ユーザモデルは、ペット型ロボット200が内蔵するカメラによりユーザUを撮像して得られた映像データに基づいて、ユーザUの仕草の癖などを学習してもよい。このような学習が行われることで、ペット型ロボット200が他者とコミュニケーションを図る際にユーザUの仕草を模したような動作をペット型ロボット200に行わせることができる。
【0024】
例えば、或る他者がペット型ロボット200に話しかけると、ペット型ロボット200は、話しかけられた他者の音声をマイクロフォンにより集音して得られた音声データを、ロボット管理サーバ300に送信する。ロボット管理サーバ300は、受信した音声データを、対応のユーザUのユーザモデルに入力する。ユーザモデルは、入力された音声データを解析し、返答すべき発話内容を決定する。このように決定された発話内容は、例えばユーザプロフィールに基づくユーザの性格やユーザUの音声データから解析されたユーザUの会話のパターンなどに基づいて、ユーザUの個性が反映されたものとなる。
【0025】
また、ロボット管理サーバ300は、決定した発話内容に応じたペット型ロボット200に行わせるユーザUを模した仕草などについても決定してよい。
ロボット管理サーバ300は、決定した発話内容の音声データを生成する。生成した音声データは、ユーザUの声色やイントネーションを模したものであってよい。ロボット管理サーバ300は、生成した音声データや発話内容に応じて決定した仕草などを実行させるための動作指示データを、応答データとしてペット型ロボット200に送信する。
【0026】
ペット型ロボット200は、受信した応答データに含まれる音声データを再生する。また、ペット型ロボット200は、受信した応答データにユーザUを模した仕草を実行させる動作指示データが含まれている場合には、動作指示データに従った動作を実行する。
このようにして、例えば他者がペット型ロボット200と会話するような状況では、ペット型ロボット200がユーザUの個性を反映してコミュニケーションを図ることができる。
【0027】
なお、上記のようにユーザUの個性を反映させるためのユーザモデルは、ペット型ロボット200が実装してもよい。この場合には、ペット型ロボット200は、ロボット管理サーバ300と通信を行わなくとも、単体で完結するようにして、ユーザUの個性を模すようにして他者とのコミュニケーションを図ることができる。
【0028】
[ペット型ロボットの構成例]
図2を参照して、ペット型ロボット200の機能構成例について説明する。同図の構成は、ペット型ロボット200がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0029】
ペット型ロボット200は、通信部201、センサ部202、ユーザインターフェース部203、可動機構部204、制御部205、及び記憶部206を備える。
通信部201は、ネットワーク経由による通信を行う。また、通信部201は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信が可能とされてもよい。このような通信部201が備えられることで、ペット型ロボット200は、例えばネットワーク経由でロボット管理サーバ300と通信を行い、近距離無線通信により移動体400と通信を行うことができる。
【0030】
センサ部202は各種センサを備える。センサ部202におけるセンサには、ペット型ロボット200が自律的に移動するにあたり周囲の物体との距離を測定するための測距センサが含まれる。測距センサは、電波の反射を用いるものであってもよいし光の反射を用いるものであってもよい。また、センサ部202には、カメラ、マイクロフォン等が含まれてよい。
【0031】
ユーザインターフェース部203は、表示部や音声出力部などのようにユーザUに向けて表示情報や音声を出力する部位を含む。また、ユーザインターフェース部203は、ペット型ロボット200において設けられ、ユーザUが操作可能な操作子を含んでよい。
【0032】
可動機構部204は、ペット型ロボット200において所定の動きが可能なようにされた機構部である。可動機構部204は制御部305の制御に応じて所定の動きを行う。このような可動機構部204を備えることで、ペット型ロボット200の移動やジェスチャーとしての動き等が可能となる。
【0033】
制御部205は、ペット型ロボット200における各種制御を実行する。制御部205は、受付部251と行動制御部252とを備える。受付部251は、ユーザUがペット型ロボット200に対して行った指示(命令)を受け付ける。具体的に、受付部251は、ユーザUの発した音声をセンサ部202におけるマイクロフォンにより集音して得られた音声データの入力を、ペット型ロボット200に対して行われた指示として受け付けてよい。
【0034】
行動制御部252は、ペット型ロボット200が行うべき行動に応じた動作が得られるようにするための制御(行動制御)を実行する。行動制御部252は、行動制御にあたり、必要に応じて、ユーザインターフェース部203の表示部にて表示を行ったり、ユーザインターフェース部203から音声を出力させたりしてよい。また、行動制御部252は、指定された行動として移動が伴う場合には、行動制御として、可動機構部204を制御してペット型ロボット200がしかるべき経路で移動させてよい。
【0035】
記憶部206は、ペット型ロボット200に対応する各種の情報を記憶する。
なお、ペット型ロボット200において、例えばGPSに対応するデバイスなどを備えることで、自己の位置を測位する測位部が設けられてもよい。
【0036】
図3を参照して、ロボット管理サーバ300の機能構成例について説明する。同図の構成は、ロボット管理サーバ300がハードウェアとして備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
ロボット管理サーバ300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
通信部101はネットワーク経由で通信を行う。
【0037】
制御部302は、ロボット管理サーバ300における各種の制御を実行する。制御部302は、ユーザモデル生成部321と代行動作情報生成部322と運行指示情報生成部323とを備える。
【0038】
ユーザモデル生成部321は、ユーザごとにユーザモデルを生成する。ユーザモデル生成部321は、前述のようにペット型ロボット200から送信されたユーザUの音声データ、ユーザUを撮像した撮像データ等を利用してユーザモデルを生成する。
【0039】
代行動作情報生成部322は、代行動作情報を生成する。代行動作情報は、ペット型ロボット200の受付部251が受け付けた指示が、ユーザUの或る用事を代行するものである場合に、当該用事をペット型ロボット200が遂行するのに必要とされる動作を手順ごとに従って規定した情報である。
一例として、ユーザUが、ペット型ロボット200に対して音声により「役所に行って住民票取得の手続をしておいで」と発話により用事の代行の指示を行った場合、代行動作情報生成部322は、以下のペット型ロボット200の動作の手順を規定した代行動作情報を生成する。つまり、代行動作情報生成部322は、「ユーザ宅HSの駐車場に移動して移動体400に乗車し、移動体400に乗車して役所OFまで移動し、役所OFの住民課の窓口にて住民票を受け取り、移動体400に乗車してユーザ宅HSにまで戻る」という動作手順を規定した代行動作情報を生成する。
【0040】
運行指示情報生成部323は、運行指示情報を生成する。運行指示情報は、ペット型ロボット200を乗車させた状態で所定の移動先にまで移動するように移動体400を制御するための運行指示内容を示す情報である。
例えば、ロボット管理サーバ300の代行動作情報生成部322により生成された代行動作情報において示されるペット型ロボット200の移動先がユーザ宅HSから一定以上の距離となる場合がある。この場合、当該代行動作情報においては、ペット型ロボット200が移動体400に乗車した状態で、移動体400を移動先に移動させるように動作指示に関する記述が行われる。
運行指示情報生成部323は、このような代行動作情報の動作指示の記述に従って移動体400を運行させるための運行指示情報を生成する。運行指示情報生成部323は、生成した運行指示情報を移動体管理サーバ500に送信する。移動体管理サーバ500に送信される運行指示情報には、例えば乗車するペット型ロボット200を一意に示すロボットIDが含められる。
【0041】
記憶部303は、ロボット管理サーバ300に対応する各種の情報を記憶する。記憶部303は、ユーザ情報記憶部331とユーザモデル記憶部332と行動履歴情報記憶部333とを備える。
ユーザ情報記憶部331は、ユーザUごとのユーザ情報を記憶する。
ユーザ情報は、例えばユーザがユーザ端末100を操作して登録したユーザプロフィールを含む。また、ユーザ情報は、ユーザUに対応付けられたペット型ロボット200との接続に利用する情報として、当該ペット型ロボット200のロボットID、ネットワークアドレス等を含んでよい。また、ユーザ情報は、ユーザUに対応付けられた移動体400との接続に利用する情報として、当該移動体400の移動体ID、ネットワークアドレス等を含んでよい。また、ユーザ情報は、ユーザUがオンライン決済に利用するオンライン決済利用情報を含んでよい。オンライン決済利用情報は、例えば具体的には、クレジットカードの情報やクレジットカードと紐付けられた決済用アカウントの情報等であってよい。
【0042】
ユーザモデル記憶部332は、ユーザモデル生成部321が生成したユーザモデルを記憶する。ユーザモデル記憶部332は、ユーザIDに対応付けてユーザごとにユーザモデルを記憶する。
【0043】
行動履歴情報記憶部333は、ペット型ロボット200ごとの行動履歴情報を記憶する。行動履歴情報は、代行動作情報に従って行われたペット型ロボット200の行動の履歴を示す情報である。
【0044】
図4を参照して、移動体400の機能構成例について説明する。同図の構成は、移動体400がハードウェアとして備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
移動体400は、通信部401、センサ部402、測位部403、移動機構部404、及び記憶部406を備える。
通信部401はネットワーク経由で通信を行う。
【0045】
センサ部402は、移動体400が自律的に移動するにあたり周囲の物体との距離を測定するための測距センサを備える部位である。
測位部403は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムに対応する測位デバイスを備え、移動体400の位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を出力する。
移動機構部404は、移動体400の移動に対応する機構部であり、例えば車輪と当該車輪を駆動するモータ等を含む。移動機構部404は、制御部405の制御に応じて駆動される。
【0046】
制御部405は、移動体400に関する各種の制御を実行する。制御部405は、運行制御部451を備える。
運行制御部451は、運行指示情報に基づいて移動体400の運行を制御する。
ロボット管理サーバ300から移動体管理サーバ500に送信された運行指示情報は、移動体400に送信される。運行制御部451は、送信された運行指示情報に従って、ペット型ロボット200を乗車させ、所定の移動先に移動させるように制御する。
【0047】
記憶部406は、移動体400が対応する各種の情報を記憶する。記憶部406は、移動体管理サーバ500から送信された運行指示情報を記憶してよい。
【0048】
図5を参照して、移動体管理サーバ500の機能構成例について説明する。同図の構成は、移動体管理サーバ500がハードウェアとして備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
移動体管理サーバ500は、通信部501、制御部502、及び記憶部503を備える。
通信部501は、ネットワーク経由で通信を行う。
【0049】
制御部502は、移動体管理サーバ500における各種の制御を実行する。
【0050】
記憶部503は、移動体管理サーバ500における各種の情報を記憶する。
【0051】
図6のシーケンス図を参照して、本実施形態のユーザ支援システムにおいて、ペット型ロボット200が移動体400への乗車を伴ってユーザUの用事を代行する場合の処理手順例について説明する。同図では、ペット型ロボット200が移動体400に乗車して役所OFにまで移動して、住民票取得の手続を代行する場合を例に挙げる。
【0052】
ステップS100:ペット型ロボット200において受付部251は、センサ部202におけるマイクロフォンによりユーザUの音声を集音して得られた音声データを入力する。この場合の音声データは、ユーザUがペット型ロボット200に対して、自分に代わって役所OFに赴いて住民票を取得して戻ってくるように依頼(命令)した発話内容を有する。
ステップS102:受付部251は、ステップS100により入力した音声データをロボット管理サーバ300に送信する。
【0053】
ステップS104:ロボット管理サーバ300において代行動作情報生成部322は、ステップS102により送信された音声データを解析することにより、ユーザUがペット型ロボット200に対して、自分に代わって役所OFに赴いて住民票を取得して戻ってくるように依頼(命令)したことを判定する。
このように音声データの内容がユーザUの用事の代行をペット型ロボット200に依頼するものであった場合、代行動作情報生成部322は、依頼の内容に応じてペット型ロボット200実行すべき動作を示す代行動作情報を生成する。この場合の代行動作情報は、ペット型ロボット200がユーザ宅HSから役所OFにまで移動し、役所OFの住民課にてユーザUの住民票の取得の手続を行い、取得した住民票を保持してユーザ宅HSに戻るとの動作を指示する内容を有する。
また、この場合の代行動作情報生成部322は、例えばネットワーク上の地図情報に基づいて、ユーザ宅HSから役所OFまでの距離が所定以上であると判定したため、ユーザ宅HSと役所OFとの間の移動に際して移動体400を利用するものと決定した。このような決定結果に従って、代行動作情報には、ユーザ宅HSと役所OFとの間の移動に際してペット型ロボット200が移動体400に乗車することが示される。
【0054】
ステップS106:この場合には、移動体400にペット型ロボット200を乗車させたうえでユーザ宅HSと役所OFとの間を移動させることになる。そこで、この場合には、運行指示情報生成部323が、ペット型ロボット200を乗車させた状態でユーザ宅HSと役所OFとの間を移動することを移動体400に指示する運行指示情報を生成する。
【0055】
ステップS108:代行動作情報生成部322は、ステップS104により生成した代行動作情報をペット型ロボット200に送信する。
ステップS110:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS108にて送信された代行動作情報を記憶部206に記憶させる。以降において、行動制御部252は、記憶部206に記憶された代行動作情報が指示する動作をペット型ロボット200が行うように制御することが可能となる。
【0056】
ステップS112:運行指示情報生成部323は、ステップS106により生成した運行指示情報を、移動体管理サーバ500に送信する。
ステップS114:移動体管理サーバ500において制御部502は、ステップS112にて送信された運行指示情報を記憶部503に記憶させる。
【0057】
ステップS116:ステップS110にてペット型ロボット200が記憶した代行動作情報は、ペット型ロボット200が役所OFに移動するにあたり、移動体400に乗車するべきことを示している。そこで、ペット型ロボット200の行動制御部252は、ペット型ロボット200が移動体400の待機する規定の場所にまで自律的に移動し移動体400に乗車するよう制御する。
【0058】
ステップS118:ステップS116によりペット型ロボット200が移動体400に乗車した状態のもとではペット型ロボット200と移動体400との距離が近距離無線通信の通信範囲内となり、ペット型ロボット200と移動体400とが通信可能に接続される。ペット型ロボット200は移動体400と通信可能に接続されたことに応じて、自己を示すロボットIDを移動体400に送信する。
なお、ペット型ロボット200と移動体400とが通信可能に接続を行うにあたり、例えば相互が同じユーザUに対応して管理される正当な装置であることを証明する正当性認証が行われてよい。具体的に、正当性認証として、例えば、ユーザUがペット型ロボット200と移動体400とのそれぞれにユーザアカウントを記憶させておくようにしてよい。そのうえで、接続に際しては、ペット型ロボット200と移動体400とのそれぞれが、自己の記憶するユーザアカウントを接続先に送信し、接続先から送信されたユーザアカウントと自己の記憶するユーザアカウントとが一致するか否かにより正当性認証を行うようにしてよい。このように正当性認証が行われることで、ペット型ロボット200が異なるユーザUの移動体400に誤って乗車してしまうようなことを防ぐことができる。また、第三者がペット型ロボット200あるいは移動体400を乗っ取ってユーザUになりすまして利用しようとするような不正も防止できる。
【0059】
ステップS120:移動体400の制御部405は、ステップS118にて受信したのと同じロボットIDが対応付けられた運行指示情報を移動体管理サーバ500に要求する。
【0060】
ステップS122:移動体管理サーバ500の制御部502は、記憶部503が記憶する運行指示情報のうちから、ステップS120により要求された運行指示情報を検索し、検索した運行指示情報を移動体400に送信する。
【0061】
なお、ステップS120での運行指示情報の要求にあたって指定されたのと同じロボットIDの運行指示情報が記憶部503に記憶されていなかった場合には、運行制御部451はエラー通知を移動体400に送信する。この場合、移動体400は、運行を行わずに、例えば乗車しているペット型ロボット200にエラー通知を行ってよい。エラー通知を受信した場合、ペット型ロボット200は、ユーザ宅HSまで移動し、対応の運行指示情報が得られなかったために用事の代行が不可であることをユーザUに報知してよい。
【0062】
ステップS124:移動体400の制御部405は、ステップS122により送信された運行指示情報を記憶部406に記憶させる。以降において、制御部405は、記憶部406に記憶された運行指示情報に従って移動体400を運行させることが可能となる。そこで、制御部405は、記憶部406に記憶された運行指示情報に従った移動体400の運行を開始させる。この場合、制御部405は、移動体400がペット型ロボット200を乗車させた状態で、役所OFにまで自律的に移動するように制御する。この際、制御部405は、移動体400の現在位置から役所OFまでの経路を算出し、算出した経路を移動体400が自律的に移動していくように制御する。
【0063】
ステップS126:ステップS124により運行が開始されたことに応じて役所OFを目的地として移動していた移動体400は、或るタイミングで役所OFに到着する。制御部405は、役所OFに到着したことに応じて移動体400を例えば駐車場等の所定の場所にて停止させたうえで、目的地である役所OFに到着したことの通知(目的地到着通知)をペット型ロボット200に送信する。
また、制御部405は、移動体管理サーバ500にも目的地到着通知を送信してよい。
【0064】
ステップS128:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS126により送信された目的地到着通知を受信すると、代行動作情報に従って、ペット型ロボット200が移動体400から降車し、役所OFにおける住民課窓口にまで移動し、住民課窓口にて住民票取得の手続を行うように制御する。住民票取得の手続にあたり、ペット型ロボット200は、例えばユーザUの個性を模した音声により会話するなどして、住民課窓口の職員と手続のためのコミュニケーションを図るようにされてよい。
【0065】
ステップS130:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS128により住民票取得の手続を完了させると、ペット型ロボット200が役所OFの駐車場にて待機している移動体400にまで移動し、移動体400に乗車するように制御する。
【0066】
ステップS132:移動体400の制御部405は、ステップS130によりペット型ロボット200が移動体400に乗車したことを検知すると、記憶部406に記憶された運行指示情報の内容に従って、ペット型ロボット200を乗車させた状態で、ユーザ宅HSへの移動を開始する。
【0067】
ステップS134:移動体400がユーザ宅HSにおける駐車場等の規定の場所に到着すると、制御部405は、ユーザ宅HSに到着したことの通知(ユーザ宅到着通知)をペット型ロボット200に送信する。
また、制御部405は、移動体管理サーバ500にもユーザ宅到着通知を送信してよい。
【0068】
ステップS136:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS134により送信されたユーザ宅到着通知の受信に応じて、移動体400から降車し、ユーザ宅HSの宅内に移動する。行動制御部252は、宅内にいるユーザUに対して用事を終えたことを音声により報知するなどしてよい。
【0069】
ステップS138:ステップS136によりペット型ロボット200が用事を終えてユーザ宅HSの宅内に戻ったことに応じて、行動制御部252は、今回の用事に対応してペット型ロボット200が行動した履歴を示す行動履歴情報をロボット管理サーバ300に送信する。行動履歴情報には、対応の行動を実行したペット型ロボット200のロボットIDを格納する。
【0070】
ステップS140:ロボット管理サーバ300において制御部302は、ステップS138によりペット型ロボット200から送信された行動履歴情報を、行動履歴情報記憶部333に記憶させる。
【0071】
上記構成による本実施形態のユーザ支援システムでは、ユーザ宅HSにてユーザUとコミュニケーションを図るペット型ロボット200に用事を代行させることができる。また、ペット型ロボット200に用事を代行させるにあたり、ペット型ロボット200が移動すべき距離が一定以上であって、ペット型ロボット200単体では移動が困難であったり、移動に相当の時間を要するような場合には、ペット型ロボット200が移動体400に乗車して移動するようにして連携が図られる。これにより、ペット型ロボット200の移動可能な範囲が拡大され、ペット型ロボット200も多様な内容の用事を代行可能となり、ペット型ロボット200によるユーザの用事の代行機能の充実化が図られる。
【0072】
また、例えば移動体400のみを用いてユーザUの用事を代行しようとすると、ユーザ宅HSから移動体400までの移動、あるいは移動体400が到着した目的地から窓口等の場所までの移動等のラストワンマイルの問題に関して、例えばユーザUが自ら行動したり他者に補助してもらったりするなどして解決する必要がある。これに対して、本実施形態であれば、ペット型ロボット200が自律的に移動することで上記のラストワンマイルの問題をユーザUや他者に依存せずに解決できる。
【0073】
また、本実施形態のペット型ロボット200は、ユーザモデルを用いることで、ユーザUの個性を模して他者とコミュニケーションを図ることが可能となる。これにより移動先での他者とのコミュニケーションを十分に図ることが可能となり、用事も円滑に遂行できる。
【0074】
なお、ステップS124またはステップS132により移動体400が目的地にまで移動している過程において、移動体400の移動に関する監視が行われるようにされてよい。移動体400の移動に関する監視は、例えば移動体管理サーバ500が実行してよい。
移動体管理サーバ500は、移動体400の移動に関する監視のため、移動中の移動体400から、測位部403にて測定された位置情報、移動体400における所定部位の動作状態を示す状態情報、センサ部402により検出された移動体400の周囲環境の情報等を取得してよい。
移動体管理サーバ500は、例えば時間経過に応じて順次取得される位置情報を地図上で照合することで、移動体400が目的地に向かって適切に移動しているか否かを監視することができる。また、移動体管理サーバ500は、取得した位置情報に基づくこれまでの移動経路と現在時刻とを照らし合わせることで、移動体400が予め計画した時間通りに移動できているか否かを監視することができる。移動体管理サーバ500は、取得した状態情報や周囲環境の情報等を利用して、移動体400に何らかのトラブルや障害が発生していないか否かを監視することができる。
移動体管理サーバ500は、上記のように監視している移動体400に何らかの異常が発生した場合には、異常発生通知を、例えばロボット管理サーバ300を経由してユーザ端末100に送信してよい。ユーザ端末100は、通知の受信に応じて、ユーザUに向けて異常発生に関する報知を行ってよい。また、移動体管理サーバ500は、異常発生通知を、本実施形態のユーザ支援システムを管理する管理者の端末に送信してよい。管理者は、端末にて受信された異常発生通知の内容を確認し、異常発生への対応を図ることができる。
【0075】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。先の第1実施形態において、ペット型ロボット200がユーザUの用事を代行するにあたって的地に移動するのに乗車する移動体400は、ユーザUが所有するものとされていた。
これに対して、第2実施形態においては、ペット型ロボット200がユーザUの用事を代行するにあたって目的地に移動するのに乗車する移動体400A(
図1)は、公共交通機関としての車両とされる。
図1では、公共交通機関としての移動体400Aがバスである例が示されている。なお、公共交通機関としての移動体400Aは、バスに限定されるものではなく、例えば鉄道車両等であってもよい。
公共交通機関としてのバスである移動体400Aは、予め定められた経路を予め定められた運行スケジュール(時刻表)に従って移動しながら、停留所等の規定の場所、あるいはユーザにより指定された地点にて乗客に乗降してもらうようにして利用される。そのうえで、移動体400は、人としての乗客のほか、ユーザUの用事を代行するために移動するペット型ロボット200も乗降可能なようにされる。移動体400Aの機能構成は、
図4と同様でよい。
【0076】
本実施形態のユーザ支援システムにおいても、ユーザUはペット型ロボット200に音声で用事を依頼してよい。そのうえで、依頼された用事を遂行するにあたり、ペット型ロボット200がユーザ宅HSから一定以上の距離にある目的地にまで移動する必要がある場合、ペット型ロボット200は、移動体400Aに乗車して目的地にまで移動するようにされる。
【0077】
本実施形態における移動体管理サーバ500は、公共交通機関である移動体400Aの運行を管理するものとなる。このような移動体管理サーバ500は、バスである移動体400Aごとに対応して定めた運行経路と当該運行経路に対応する時刻表等の情報を含む運行管理情報を記憶部503に記憶してよい。
【0078】
図7のシーケンス図を参照して、本実施形態のユーザ支援システムにおいて、ペット型ロボット200が公共交通機関である移動体400Aへの乗車を伴ってユーザUの用事を代行する場合の処理手順例について説明する。同図では、ペット型ロボット200が移動体400Aに乗車して役所OFにまで移動して、住民票取得の手続を代行する場合を例に挙げる。
【0079】
ステップS200:ペット型ロボット200において受付部251は、センサ部202におけるマイクロフォンによりユーザUの音声を集音して得られた音声データを入力する。この場合の音声データは、ユーザUがペット型ロボット200に対して、自分に代わって役所OFに赴いて住民票を取得して戻ってくるように依頼(命令)した発話内容を有する。
ステップS202:受付部251は、ステップS200により入力した音声データをロボット管理サーバ300に送信する。
【0080】
ステップS204:ロボット管理サーバ300において代行動作情報生成部322は、ステップS202により送信された音声データを解析することにより、ユーザUがペット型ロボット200に対して、自分に代わって役所OFに赴いて住民票を取得して戻ってくるように依頼(命令)したことを判定する。
この場合、代行動作情報生成部322は、依頼の内容に応じてペット型ロボット200実行すべき動作を示す代行動作情報を生成する。この場合の代行動作情報は、第1実施形態と同様に、ペット型ロボット200がユーザ宅HSから役所OFにまで移動し、役所OFの住民課にてユーザUの住民票の取得の手続を行い、取得した住民票を保持してユーザ宅HSに戻るとの内容を有する。
そのうえで、本実施形態の代行動作情報生成部322は、例えばネットワーク上の地図情報に基づいて、ユーザ宅HSから役所OFまでの距離が所定以上であると判定したことに応じて、ユーザ宅HSと役所OFとの間の移動には公共交通機関である移動体400Aを利用するものと決定した。このような決定結果に従って、代行動作情報には、ユーザ宅HSと役所OFとの間の移動に際してペット型ロボット200が移動体400Aに乗車することが示される。
【0081】
ステップS206:この場合には、移動体400Aにペット型ロボット200を乗車させたうえでユーザ宅HSと役所OFとの間を移動させることになる。そこで、この場合には、運行指示情報生成部323が、乗車予約情報を生成する。乗車予約情報は、本実施形態における運行指示情報に相当する。
【0082】
乗車予約情報は、ペット型ロボット200が移動体400Aに乗車する際の乗車停留所、乗車時刻、降車停留所を示す情報を含む。このような乗車予約情報の生成は以下のようにして行われてよい。
ロボット管理サーバ300は、バス運行情報を記憶部303に記憶してよい。バス運行情報は、バスの停留所を示す地図と停留所ごとの時刻表を含む情報であってよい。あるいは、ロボット管理サーバ300は、乗車予約情報の生成に際して、移動体管理サーバ500からバス運行情報を取得するようにされてよい。
ロボット管理サーバ300の運行指示情報生成部323は、バス運行情報を参照して、ペット型ロボット200を移動体400Aに乗車させるための乗車停留所、乗車時刻を決定し、役所OFの最寄りの停留所を降車停留所として決定する。運行指示情報生成部323は、このように決定した乗車停留所、乗車時刻、降車停留所と、ペット型ロボット200のロボットIDを乗車人員として示す乗車予約情報を生成する。
【0083】
ステップS208:代行動作情報生成部322は、ステップS204により生成した代行動作情報をペット型ロボット200に送信する。
ステップS210:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS108にて送信された代行動作情報を記憶部206に記憶させる。
ステップS212:運行指示情報生成部323は、ステップS206により生成した乗車予約情報を移動体管理サーバ500に送信する。
【0084】
ステップS214:移動体管理サーバ500の運行制御部451は、ステップS212によりロボット管理サーバ300から受信した乗車予約情報に対応する運行スケジュールの移動体400Aを特定する。この際、運行制御部451は、受信した乗車予約情報が示す乗車停留所、乗車時刻、降車停留所と、記憶部503に記憶させた運行管理情報とを照合することにより、乗車予約情報に対応する運行スケジュールの移動体400Aを特定することができる。
運行制御部451は、特定した移動体400Aに対して、ステップS212にて受信した乗車予約情報を転送する。なお、この際に、運行制御部451は、ステップS212にて受信した乗車予約情報を記憶部503に記憶させてよい。
ステップS216:移動体400Aにおける制御部405は、ステップS214により移動体管理サーバ500から送信された乗車予約情報を記憶部406に記憶させる。
【0085】
ステップS218:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS210にて記憶部406に記憶させた代行動作情報に従って、ユーザ宅HSから最寄りの停留所(乗車停留所)に移動する。
【0086】
ステップS220:運行中の移動体400Aの運行制御部451は、運行経路における乗車停留所に接近すると、センサ部202の出力に基づいて、乗車停留所にてペット型ロボット200が存在していることを検知する。このように或る停留所にてペット型ロボット200(または人)が存在していることを検知した場合、運行制御部451は、停留所にて移動体400Aを停車させるように制御する。
【0087】
ステップS222:乗車停留所に存在するペット型ロボット200の行動制御部252は、同じ乗車停留所に移動体400Aに停車した移動体400Aとの距離が近距離無線通信の通信範囲内となったことに応じて、移動体400Aと通信可能に接続される。行動制御部252は、移動体400Aと通信可能に接続されたことに応じて、自己を示すロボットIDを移動体400Aに送信する。
当該ステップS222においてもペット型ロボット200と移動体400とが通信可能に接続を行うにあたり、ペット型ロボット200と移動体400との間で正当性認証を行うようにしてよい。
【0088】
ステップS224:移動体400Aの運行制御部451は、ステップS222により通信可能に接続されたペット型ロボット200について乗車資格があるか否かを確認する認証処理を実行する。
このために、運行制御部451は、現在において記憶部406にて記憶している乗車予約情報のうちから、ステップS222により接続されたペット型ロボット200から送信されたロボットIDを格納し、乗車停留所、乗車時刻等が現在の状況と合致するものを検索する。合致する乗車予約情報が検索された場合には認証が成立したこととなる。一方、合致する乗車予約情報が検索されなかった場合には認証が不成立となる。
【0089】
ステップS226:ステップS224にて認証が成立した場合、移動体400Aの運行制御部451は、乗車許可通知を、ペット型ロボット200に送信する。
ステップS228:ペット型ロボット200における行動制御部252は、乗車許可通知を受信したことに応じて、移動体400Aが乗車する動作を行うように制御する。
ステップS230:移動体400Aの運行制御部451は、車内の状況を検知するように設けられたセンサ部202におけるセンサの出力に基づいて、ペット型ロボット200が乗車を完了したことを確認すると、乗車停留所から出発し、以降の経路を走行する。
【0090】
ステップS232:ステップS230にて出発して後、移動体400Aは、規定の経路を移動していくことにより、或るタイミングで、ステップS224の認証処理にて検索した乗車予約情報において示される降車停留所に到達することになる。移動体400Aの運行制御部451は、ステップS216にて記憶した乗車予約情報において示される降車停留所の位置と、現在位置とを比較することで、移動体400Aが降車停留所に到達したことを認識する。このように移動体400Aが降車停留所に到達したことを認識すると、運行制御部521は、降車停留所にて移動体400Aを停止させる。
ステップS234:運行制御部521は、降車停留所にて移動体400Aを停止させた状態で、ペット型ロボット200に降車指示を送信する。
【0091】
ステップS236:ペット型ロボット200の行動制御部252は、ステップS234により送信された降車指示に応じて、移動体400Aから降車する。
【0092】
同図においては省略しているが、ペット型ロボット200は、ステップS236により降車停留所から降車すると、目的地である役所OFの住民課窓口にまで移動し、住民票取得の手続を行う。住民票取得の手続を行ったペット型ロボット200は、代行動作情報が示す復路の行動手順に従ってステップS236にて降車した停留所まで移動し、ロボット管理サーバ300に移動体搭乗依頼を送信する。
ロボット管理サーバ300の運行指示情報生成部323は、移動体搭乗依頼を受信したことに応じて、ペット型ロボット200を、現在の停留所からユーザ宅HSの最寄りの停留所まで移動体400Aにより搬送させるための乗車予約情報を生成し、移動体管理サーバ500に送信する。この場合の乗車予約情報においては、役所OFの最寄りの停留所が乗車停留所として示され、ユーザ宅HSの最寄りの停留所を降車停留所として示されている。
移動体管理サーバ500は、例えば受信した乗車予約情報が示す乗車停留所から降車停留所を経路に含み、最も早い時刻に乗車停留所に到着する移動体400Aに対して、受信した乗車予約情報を送信する。
移動体400Aは、役所OFの最寄りの停留所にてペット型ロボット200を検知して停車すると、受信した乗車予約情報を用いて認証処理を行う。移動体400Aは、認証が成立したことに応じて、ペット型ロボット200を乗車させて走行し、乗車予約情報が示すユーザ宅HSの最寄りの停留所にてペット型ロボット200を降車させる。降車したペット型ロボット200は、ユーザ宅HSまで移動して用事の代行を完了したことをユーザUに報告する。
また、ペット型ロボット200は、今回の用事の代行に対応する行動の履歴を示す行動履歴情報を生成し、生成した行動履歴情報をロボット管理サーバ300に記憶させる。
【0093】
ステップS238:ステップS236によりペット型ロボット200が降車した後、移動体400の運行制御部451は、ペット型ロボット200の乗降履歴情報を生成し、生成した乗降履歴情報を移動体管理サーバ500に送信する。乗降履歴情報は、対象のペット型ロボット200のロボットIDと、ペット型ロボット200が乗降した乗車停留所と降車停留所とを示す情報とを含む。
【0094】
ステップS240:移動体管理サーバ500において制御部502は、受信した乗降履歴情報に基づいて、ペット型ロボット200の移動体400Aの乗車に対応する運賃を計算する。制御部502は、計算した運賃を請求する運賃請求情報をロボット管理サーバ300に送信する。運賃請求情報には、対象のペット型ロボット200を示すロボットIDが含まれる。
【0095】
ステップS242:ロボット管理サーバ300は、ステップS240にて運賃請求情報を受信したことに応じて、請求された運賃を支払うための運賃決済処理を実行する。運賃決済処理にあたり、ロボット管理サーバ300は、受信した運賃請求情報に含まれていたロボットIDのペット型ロボット200を所有するユーザUの決済用アカウントを、ユーザ情報記憶部331が記憶するユーザUのユーザ情報から取得する。ロボット管理サーバ300は、取得した決済用アカウントに対応する決済サーバ(図示せず)と通信を行うことにより、ユーザUに代行してオンライン決済により運賃の決済を実行する。
【0096】
ステップS244:ロボット管理サーバ300は、ステップS242による運賃決済処理が完了したことに応じて、受信した運賃請求情報に含まれていたロボットIDが示すペット型ロボット200に運賃の決済が完了したことの通知(運賃決済完了通知)を送信する。
ステップS246:ステップS244により送信された運賃決済完了通知を受信したペット型ロボット200は、用事の代行を完了してユーザ宅HSまで戻った際に、ユーザUに向けて、例えば用事の代行の完了したことの報告とともに、今回の用事の代行でのバス(移動体400)の利用に対する運賃の決済が完了していることの報告(運賃決済完了報告)も行う。ペット型ロボット200によるユーザUへの用事の代行完了の報告及び運賃決済完了の報告は、音声によって行われてもよいし、表示によって行われてもよい。
【0097】
なお、上記のステップS238~S246の処理では、例えばペット型ロボット200が移動体400から降車した後のタイミングで運賃決済処理が完了し、運賃決済処理の完了後にユーザUにその旨の報知が行われるようにされている。運賃決済のタイミングとしては、例えば、ペット型ロボット200が用事の代行を完了してユーザ宅HSに戻った際に、ユーザUに向けて運賃請求情報に基づく運賃の請求内容を表示や音声により提示し、ユーザUが運賃を確認してペット型ロボット200に決済を指示したことに応じて、運賃決済処理が実行されるようにしてよい。この場合には、ペット型ロボット200が、ユーザUから決済の指示を受けたことに応じて、運賃決済処理要求をロボット管理サーバ300に送信し、ロボット管理サーバ300が運賃決済処理要求の受信に応じて運賃決済処理を実行してよい。この場合にも、ロボット管理サーバ300は、運賃決済処理の完了に応じてペット型ロボット200に運賃決済完了通知を送信し、ペット型ロボット200は、運賃決済完了通知の受信に応じて、ユーザUに運賃決済が完了したことを報告してよい。
【0098】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
ペット型ロボット200が移動体400(400A)と連携してユーザUに代行する用事は、上記各実施形態のような役所OFでの手続に限定されない。
一例として、ペット型ロボット200は、宅配便等の集荷所にユーザU宛ての荷物を引き取る用事を、移動体400、400Aと連携して実行してよい。この場合、ペット型ロボット200は、ユーザ宅HSから移動体400(400A)に乗車して集荷所まで移動し、集荷所にてユーザUの荷物引き取りの手続を行ったうえで、ユーザU宛ての荷物を受け取る。荷物の受け取りにあたり、ペット型ロボット200は、集荷所の作業員により自己の本体の所定位置に荷物を装着してもらうようにしてよい。ペット型ロボット200は、受け取った荷物とともに移動体400(400A)に移動し、ユーザ宅HSに戻るようにされる。
【0099】
また、ペット型ロボット200は、移動体400(400A)と連携してユーザUに代行する用事として、ユーザUの知人等が集まる公園や集会所などに赴いて、ユーザUの知人等と会うようにされてもよい。この際には、例えばペット型ロボット200がユーザUの音声や仕草を模して、ユーザUの知人等とコミュニケーションを図るようにしてもよい。
【0100】
なお、ユーザUのペット型ロボット200は、ユーザ端末100と例えばロボット管理サーバ300を介して接続されることで、カメラで撮像した知人等の映像やマイクロフォンで集音した知人等の音声をユーザ端末100にて出力させ、ユーザ端末100にて集音、撮像したユーザUの音声や映像がペット型ロボット200にて出力させてよい。このようにユーザ端末100とペット型ロボット200との間で双方向により音声や映像をやりとりすることで、ユーザUが知人等とコミュニケーションを図ることができるようにしてもよい。
【0101】
また、ペット型ロボット200は、移動体400(400A)と連携してユーザUに代行する用事として、買い物を行ってもよい。この際、ペット型ロボット200は、買い物先である店舗にて、店員に向けて、購入する商品を音声や表示により伝えるようにされてよい。この場合、購入した商品に対する支払いは、例えばペット型ロボット200が店舗の端末と通信を行って、ユーザIDを店舗に提供し、店舗では、提供されたユーザIDと対応付けられたユーザUのクレジットカードを利用して決済を行うようにされてよい。
【0102】
また、ペット型ロボット200は、移動体400(400A)と連携してユーザUに代行する用事として、ユーザUに代わって通院を行ってよい。この場合、ペット型ロボット200は、代行動作情報に従って、例えば病院の駐車場にて移動体400から降車して、病院内に移動し、病院内でユーザUに代わって受付、診察室への移動、診察室での症状等の説明を行うようにされてよい。また、この場合のペット型ロボット200は、例えば最寄りの薬局にて処方された薬を引き取るようにされてもよい。
【0103】
[第2変形例]
本実施形態において、ユーザUの用事を代行するロボット(ユーザ支援端末)はペット型である場合を例に挙げた、しかしながら、ユーザUの用事を代行するロボットは、ペット型に限定されない。ユーザUの用事を代行するユーザ支援端末は、例えば人を模した形態のものであってもよいし、特にペットや人などを模した形態を有していないが自律的に移動可能ものであってもよい。
さらに、ユーザUの用事を代行するユーザ支援端末は、例えばユーザUや他者と音声等によりコミュニケーションが可能であるが、移動が不可とされた形態であってもよい。この場合、移動体400(400A)と連携してユーザ支援端末に用事を代行させる場合には、ユーザUがユーザ支援端末を移動体400(400A)にまで運んで乗車させるようにしたり、目的地にて用事に応対する者がユーザ支援端末を移動体400から降ろしたり乗車させたりしてよい。
【0104】
[第3変形例]
例えば、ロボット管理サーバ300は、ペット型ロボット200等としてのユーザ支援端末のカメラにより撮像して得られた撮像データを解析して、例えばユーザUの手話としての手の動きや所定のジェスチャーによりユーザの指示を認識し、代行動作情報を生成してもよい。
【0105】
[第4変形例]
上記各実施形態のユーザ支援システムの構成は、
図1、
図7に示した例に限定されない。
例えば、上記各実施形態においては、移動体管理サーバ500が運行指示情報(または乗車予約情報)を移動体400(400A)に送信することで、移動体400(400A)に備えられる運行制御部451が、自律運転のもとでペット型ロボット200を乗車させて移動するよう移動体400(400A)を制御していた。これに対して、例えば移動体管理サーバ500に運行制御部を備え、運行指示情報(または乗車予約情報)に基づいて、随時、移動体400(400A)の運行を指示するように制御してよい。
【0106】
また、例えばロボット管理サーバ300と移動体管理サーバ500とが統合されたサーバとして構成されてもよい。また、ロボット管理サーバ300における機能を分散させた複数のサーバが連携して、ロボット管理サーバ300としての機能を実現するようにされてよい。同様に、移動体管理サーバ500における機能を分散させた複数のサーバが連携して、移動体管理サーバ500としての機能を実現するようにされてよい。
【0107】
また、例えばペット型ロボット200にロボット管理サーバ300の一部または全ての機能を有させてもよい。同様に、移動体400に移動体管理サーバ500の一部または全ての機能を有させてもよい。
【0108】
なお、上述のユーザ端末100、ペット型ロボット200(ユーザ支援端末)、ロボット管理サーバ300、移動体400(400A)、移動体管理サーバ500等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のユーザ端末100、ペット型ロボット200(ユーザ支援端末)、ロボット管理サーバ300、移動体400(400A)、移動体管理サーバ500等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、SSD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0109】
<付記>
(1)本実施形態の一態様は、ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成部と、前記代行動作情報生成部により生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成部と、前記運行指示情報生成部が生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御部とを備えるユーザ支援システムである。
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のユーザ支援システムであって、前記運行指示情報生成部は、所定の待機位置と前記ユーザ支援端末が用事を遂行するための行き先に応じた地点との間を、前記ユーザ支援端末を搬送して移動することを指示する前記運行指示情報を生成する。
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載のユーザ支援システムであって、前記移動体は公共交通機関の車両であり、前記運行指示情報生成部は、前記代行動作情報により示され、前記ユーザ支援端末が前記移動体に乗車する乗車位置と前記移動体から降車する降車位置とを示す前記運行指示情報を生成し、前記運行制御部は、生成された運行指示情報において示される乗車位置と降車位置と含む経路を運行するように定められた移動体が、前記ユーザ支援端末を前記乗車位置にて乗車させ前記降車位置にて降車させるように制御する。
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載のユーザ支援システムであって、前記ユーザ支援端末は、ユーザの音声を集音して得られた音声データに基づいて、ユーザの音声により発話可能なように構成される。
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載のユーザ支援システムであって、前記ユーザ支援端末は、ユーザの個性を表すデータに基づいて、ユーザの個性を模した行動を行うことが可能なように構成される。
(6)本実施形態の一態様は、ユーザの用事をユーザ支援端末に代行させる代行指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた代行指示に対応する用事が遂行されるようにユーザ支援端末を動作させるべき内容を示す代行動作情報生成ステップと、前記代行動作情報生成ステップにより生成された代行動作情報が示す動作内容において示される前記ユーザ支援端末の移動先に応じて、前記ユーザ支援端末を搬送して自律的に移動する移動体についての運行を指示する運行指示情報を生成する運行指示情報生成ステップと、前記運行指示情報生成ステップが生成した運行指示情報に基づく運行を前記移動体が行うように制御する運行制御ステップとを含むユーザ支援方法である。
【符号の説明】
【0110】
100 ユーザ端末、101 通信部、200 ペット型ロボット、201 通信部、202 センサ部、203 ユーザインターフェース部、204 可動機構部、205 制御部、206 記憶部、251 受付部、252 行動制御部、300 ロボット管理サーバ、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、305 制御部、321 ユーザモデル生成部、322 代行動作情報生成部、323 運行指示情報生成部、331 ユーザ情報記憶部、332 ユーザモデル記憶部、333 行動履歴情報記憶部、400(400A) 移動体、401 通信部、402 センサ部、403 測位部、404 移動機構部、405 制御部、406 記憶部、451 運行制御部、500 移動体管理サーバ、501 通信部、502 制御部、503 記憶部、521 運行制御部、HS ユーザ宅、OF 役所