(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182350
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ビルシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B66B1/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095891
(22)【出願日】2022-06-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】丸田 正一
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HC07
3F502JA08
3F502JA25
3F502JA75
(57)【要約】
【課題】移動体が故障することを抑制できるビルシステムを提供する。
【解決手段】ビルシステムは、管理装置と、管理装置によって移動を制御される対象移動体と、を備え、対象移動体は、管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、画像を撮像する撮像部と、を有し、管理装置は、エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、読取部が読み取った識別情報と撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、第1かごに対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、を有し、制御部は、移動判定部が対象移動体を第1かごに移動させることができないと判定した場合に、複数のかごのうちの第1かごとは異なる第2かごに対象移動体を乗車させる指令を作成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、
画像を撮像する撮像部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
【請求項2】
前記移動判定部は、前記撮像部が撮像した画像の情報に基づいて、前記対象移動体が前記第1かごまで移動する移動経路に障害物が存在することを検出した場合に、前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定する請求項1に記載のビルシステム。
【請求項3】
前記移動判定部は、前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記非対象移動体が乗車すると判定した場合に、前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定する請求項1に記載のビルシステム。
【請求項4】
前記移動判定部は、前記撮像部が撮像した画像の情報に基づいて、前記識別情報に示される前記非対象移動体が前記第1かごを待機する位置に存在することを検出した場合に、前記第1かごに前記非対象移動体が乗車すると判定する請求項3に記載のビルシステム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記読取部が読み取った前記識別情報に基づいて、前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができるか否かを判定する同乗判定部と、
を更に有し、
前記制御部は、前記同乗判定部によって前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができないと判定された場合に、前記第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のビルシステム。
【請求項6】
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報に基づいて、前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができるか否かを判定する同乗判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記同乗判定部によって前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができないと判定された場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
【請求項7】
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられ、前記非対象移動体の識別情報を示す電波を発信する通信機と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の前記識別情報を読み取る読取部と、
画像を撮像する撮像部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの乗車システムを開示する。当該乗車システムによれば、移動体である移動ロボットは、エレベーターのかごに乗車する。移動ロボットは、かごに乗車する際に、乗場に存在する人に対してエレベーターの利用を待ってもらうようなメッセージを発信し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の乗車システムにおいて、移動ロボットのメッセージを理解できない他の移動体が乗場に存在し得る。例えば、移動ロボットとは別の装置によって制御された他のロボットは、移動ロボットのメッセージを理解できない。移動ロボットは、当該メッセージを出したとしても、他のロボットに衝突する恐れがある。このため、移動ロボットが故障し得る。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、移動体が故障することを抑制できるビルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るビルシステムは、管理装置と、前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、を備え、前記対象移動体は、前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、画像を撮像する撮像部と、を有し、前記管理装置は、エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、を有し、前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する。
【0007】
本開示に係るビルシステムは、管理装置と、前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、を備え、前記対象移動体は、前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、を有し、前記管理装置は、エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、前記読取部が読み取った前記識別情報に基づいて、前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができるか否かを判定する同乗判定部と、を有し、前記制御部は、前記同乗判定部によって前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができないと判定された場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する。
【0008】
本開示に係るビルシステムは、管理装置と、前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられ、前記非対象移動体の識別情報を示す電波を発信する通信機と、を備え、前記対象移動体は、前記通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の前記識別情報を読み取る読取部と、画像を撮像する撮像部と、を有し、前記管理装置は、エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、を有し、前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、非対象移動体に取り付けられた発信器の電波に基づいて、対象移動体が乗車するかごが第1かごから第2かごへ変更され得る。このため、移動体が故障することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1におけるビルシステムが適用される建築物の構成図である。
【
図2】実施の形態1におけるビルシステムのブロック図である。
【
図3】実施の形態1におけるビルシステムで行われる動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図4】実施の形態1におけるビルシステムの管理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0012】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるビルシステムが適用される建築物の構成図である。
【0013】
図1のビルシステム1は、建築物2に適用される。建築物2には、エレベーター装置3が設けられる。
【0014】
エレベーター装置3は、
図1には示されない複数のかご4を備える。乗場5は、建築物2の各階に設けられる。複数の出入口6は、乗場5に設けられる。複数の出入口6は、複数のかご4の出入口にそれぞれ対応する。エレベーター装置3は、かご制御装置7を備える。かご制御装置7は、複数のかご4の運行を全体的に制御する。
【0015】
ビルシステム1は、1以上の対象移動体10と管理装置20とを備える。
【0016】
例えば、1以上の対象移動体10は、それぞれ同様の構成を備える。
図1には、2つの対象移動体10が示される。例えば、対象移動体10は、配送ロボット、警備ロボット、等の建築物2の内部を移動するロボットである。1以上の対象移動体10は、エレベーター装置3を利用可能である。
【0017】
例えば、管理装置20は、建築物2とは別の建物に設けられる。管理装置20は、対象移動体10に対応するプラットフォームとして、1以上の対象移動体10の各々と通信可能である。例えば、管理装置20を所有する会社は、1以上の対象移動体10を所有する会社と同じである。管理装置20は、1以上の対象移動体10を制御対象とする。例えば、管理装置20は、1以上の対象移動体10の移動を制御する。管理装置20は、かご制御装置7と通信可能である。
【0018】
建築物2には、1以上の非対象移動体8が配置される。1以上の非対象移動体8は、配送ロボット、警備ロボット、等の建築物2の内部を移動するロボットである。1以上の非対象移動体8は、通信プロトコルが異なる、等の理由により、管理装置20とは通信できない。1以上の非対象移動体8は、管理装置20には制御されない。1以上の非対象移動体8は、エレベーター装置3を利用可能である。具体的には、1以上の非対象移動体8は、複数のかご4のいずれかに乗車可能である。
【0019】
例えば、非対象移動体8に含まれる他社移動体8aは、管理装置20とは別のプラットフォームである別の管理装置によって移動を制御される。他社移動体8aを所有する会社は、対象移動体10および管理装置20を所有する会社とは異なる。
【0020】
例えば、非対象移動体8に含まれる自律型移動体8bは、搭載されたセンサ等を用いて、建築物2の内部を自律的に移動する。自律型移動体8bは、自身に搭載された自律移動制御装置によって制御される。なお、自律型移動体8bを所有する会社は、管理装置20を所有する会社と同じであってもよいし異なってもよい。
【0021】
ビルシステム1は、1以上の通信機30を更に備える。例えば、1以上の通信機30は、建築物2の管理者、建築物2の所有者、等によって1以上の非対象移動体8にそれぞれ取り付けられる。例えば、通信機30は、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグである。通信機30は、取り付けられた非対象移動体8の識別情報を示す固有の電波を発信する。識別情報は、対応する非対象移動体8を識別するための情報である。例えば、識別情報は、通信機30が非対象移動体8に取り付けられる際に設定される。通信機30は、対象移動体10が発信した電波を受信した場合、固有の電波を発信してもよい。
【0022】
対象移動体10は、管理装置20からの指令に基づいて建築物2の内部を移動する。具体的には、対象移動体10は、管理装置20から移動の目的地を示す指令を受信し、当該目的地へ移動する。目的地へ移動するために建築物2の別の階へ移動する必要がある場合、対象移動体10は、エレベーター装置3を利用する。この場合、対象移動体10は、エレベーター装置3への乗車要求を管理装置20に送信する。
【0023】
管理装置20は、かご制御装置7に対して、対象移動体10を乗車させるための呼び情報を送信する。かご制御装置7は、当該呼び情報に基づいて、複数のかご4のうちの第1かごを対象移動体10を乗車させるかご4に割り当てる。かご制御装置7は、第1かごを割り当てた旨の情報を管理装置20に送信する。管理装置20は、対象移動体10に対して、乗場5の位置と第1かごの位置との情報を含む第1かごに乗車させる指令を対象移動体10に送信する。なお、管理装置20は、複数のかご4のうちの第1かごを決定し、当該第1かごを配車させる呼び情報をかご制御装置7に送信してもよい。
【0024】
この時、例えば、乗場5には、他社移動体8aおよび自律型移動体8bが存在する。他社移動体8aは、第1かごに乗車するために、第1かごに対応する出入口6の前で待機している。この際、例えば、他社移動体8aは、乗場5における図示されない乗場操作盤を操作することで、第1かごを呼ぶ。なお、他社移動体8aは、人が第1かごから降車する際に邪魔にならないよう、出入口6から規定の距離だけ離れた位置で待機していてもよい。自律型移動体8bは、乗場5の内部で待機している。
【0025】
対象移動体10は、第1かごに乗車させる指令を受信した場合、移動すべき乗場5の位置と第1かごの位置とを認識する。対象移動体10は、乗場5に到着した後、乗場5に存在する通信機30からの電波を読み取る。対象移動体10は、乗場5の画像を撮影する。その後、対象移動体10は、読み取った電波の情報および乗場5の画像の情報を管理装置20に送信する。管理装置20は、受信した情報に基づいて、対象移動体10が第1かごに乗車できるか否かを判定する。管理装置20は、判定結果に基づいて対象移動体10に指令を送信する。例えば、管理装置20は、複数のかご4のうちの第1かごではない第2かごに乗車させる指令を対象移動体10に送信する。また、管理装置20は、第2かごを呼ぶ呼び情報をかご制御装置7に送信する。
【0026】
なお、この際、管理装置20は、かご制御装置7に対して、第1かごではないかご4を呼ぶ旨の呼び情報をかご制御装置7に送信してもよい。この場合、管理装置20は、かご制御装置7によって割り当てられたかごを第2かごとする指令を対象移動体10に送信してもよい。
【0027】
その後、対象移動体10は、第2かごに乗車する。他社移動体8aは、第1かごに乗車する。
【0028】
次に、
図2を用いて、ビルシステム1を説明する。
図2は実施の形態1におけるビルシステムのブロック図である。
【0029】
図2に示されるように、対象移動体10は、読取部11と撮像部12と通信部13と移動制御部14とを備える。
【0030】
読取部11は、通信機30から発信される電波を検知し、受信する。読取部11は、受信した電波に示される識別情報を読み取る。読取部11は、通信機30に固有の電波を発信させるための電波を発信してもよい。
【0031】
例えば、撮像部12は、撮像装置である。具体的には、撮像部12は、カメラである。撮像部12は、対象移動体10の周囲の画像を撮像する。なお、撮像部12は、撮像装置ではなく、対象移動体10に設けられた撮像装置が撮像した対象移動体10の周囲の画像を当該撮像装置から取得する機能であってもよい。
【0032】
通信部13は、管理装置20と通信を行う。通信部13は、管理装置20に対して、エレベーター装置3への乗車要求を送信する。通信部13は、管理装置20に対して、読取部11が読み取った識別情報と撮像部12が撮像した画像の情報と対象移動体10の現在位置を示す位置情報とを対応付けて管理装置20へ送信する。
【0033】
移動制御部14は、対象移動体10の移動を制御する。例えば、移動制御部14は、通信部13が受信した管理装置20からの指令に示される目的地へ移動するよう、図示されない対象移動体10の駆動装置を制御する。
【0034】
管理装置20は、記憶部21と通信部22と移動判定部23と同乗判定部24と制御部25とを備える。
【0035】
記憶部21は、対象移動体情報と個体情報とかご情報と建築物2の地図情報とを記憶する。対象移動体情報と個体情報とかご情報とは、それぞれ建築物2の管理者、所有者、等によって予め記憶部21に記憶される。
【0036】
対象移動体情報は、対象移動体10に固有の情報である。対象移動体情報は、当該対象移動体10の高さ、幅、重さ、等の物理的な値の情報が含まれる。対象移動体情報には、当該対象移動体10が他の移動体とかご4に同乗することができるか否かの情報が含まれてもよい。
【0037】
個体情報は、識別情報と識別情報に示される非対象移動体8に固有の情報とが対応付けられた情報である。非対象移動体8に固有の情報には、当該非対象移動体8の高さ、幅、重さ、等の物理的な値の情報が含まれる。非対象移動体8に固有の情報には、当該非対象移動体8が他の移動体とかご4に同乗することができるか否かの情報が含まれてもよい。
【0038】
かご情報は、複数のかご4の各々に固有の情報である。かご4に固有の情報には、当該かご4の内部の寸法、定格重量、等の物理的な情報が含まれる。
【0039】
記憶部21には、通信機30が取り付けられた全ての非対象移動体8についての個体情報が記憶される。記憶部21には、対象移動体10が利用する可能性のあるすべてのかご4についてのかご情報が記憶される。
【0040】
通信部22は、1以上の対象移動体10の各々と通信する。通信部22は、かご制御装置7と通信する。
【0041】
移動判定部23は、対象移動体10から受信した識別情報と画像の情報と対象移動体10の位置情報とに基づいて、対象移動体10を、対象移動体10が割り当てられたかご4である第1かごに移動させることができるか否かを判定する。この際、移動判定部23は、対象移動体情報を併せて用いてもよい。
【0042】
まず、対象移動体10から情報を受信した場合、移動判定部23は、画像の情報と位置情報とを用いて、対象移動体10の現在位置から第1かごへの移動経路に障害物が存在するか否かを判定する。例えば、移動判定部23は、当該移動経路上に対象移動体10の移動を阻害する物体が存在する場合、当該物体を障害物として検出する。なお、移動判定部23は、受信した識別情報に対応付けられた個体情報に基づいて、移動経路上に存在する非対象移動体8の幅を推定してもよい。この場合、移動判定部23は、障害物を検出する際に、個別情報に示される非対象移動体8の形状と対象移動体情報に示される対象移動体10の形状とを利用してもよい。
【0043】
移動判定部23は、障害物が存在しないと判定した場合、識別情報に基づいて、乗場5に非対象移動体8が存在するか否かを判定する。
【0044】
移動判定部23は、乗場5に非対象移動体8が存在すると判定した場合、画像の情報に基づいて、第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在するか否かを判定する。具体的には、移動判定部23は、
図2には示されない第1かごに対応する出入口6から規定の距離以内に非対象移動体8が存在することを検出した場合、当該非対象移動体8が第1かごを待機しているとみなす。この場合、移動判定部23は、第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在すると判定する。なお、移動判定部23は、第1かごに対応する出入口6から規定の距離以内に物体が存在することを検出した場合、当該物体が識別情報に対応する非対象移動体8であるとみなしてもよい。
【0045】
移動経路上に障害物が存在すると判定した場合、または第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在すると判定した場合、移動判定部23は、対象移動体10を第1かごに移動させることができないと判定する。
【0046】
同乗判定部24は、対象移動体10から受信した識別情報に基づいて、対象移動体10と当該識別情報に対応する非対象移動体8とが第1かごに同乗することができるか否かを判定する。
【0047】
具体的には、同乗判定部24は、対象移動体10から受信した識別情報に対応付けられた個体情報を記憶部21から取得する。同乗判定部24は、当該個体情報に同乗できない旨の情報が含まれている場合、対象移動体10と当該識別情報に対応する非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定する。
【0048】
なお、同乗判定部24は、別の方法で第1かごに同乗できるか否かを判定してもよい。例えば、同乗判定部24は、受信した識別情報に対応する個体情報と、対象移動体情報と、かご情報とを記憶部21から取得する。同乗判定部24は、当該個体情報に示された非対象移動体8の形状と、対象移動体情報に示された対象移動体10の形状と、かご情報に示された第1かごの形状とに基づいて、対象移動体10と当該識別情報に対応する非対象移動体8とが第1かごに同乗することができるか否かを判定してもよい。例えば、空の状態の第1かごの内部に非対象移動体8と対象移動体10とを格納可能な空間が存在することを検出した場合、同乗判定部24は、対象移動体10と当該識別情報に対応する非対象移動体8とが第1かごに同乗することができると判定する。第1かごに非対象移動体8が乗車することで対象移動体10の乗車可能な空間が無くなることを検出した場合、同乗判定部24は、対象移動体10と当該識別情報に対応する非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定してもよい。対象移動体情報に対象移動体10が他の移動体と同乗できない旨の情報が含まれる場合に、同乗判定部24は、対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定してもよい。
【0049】
制御部25は、対象移動体10から乗車要求を受信した場合、当該乗車要求に対応する呼び情報を作成する。制御部25は、通信部22を介して、呼び情報をかご制御装置7に送信する。制御部25は、第1かごの情報を受信した場合、第1かごの位置情報を含む第1かごへ乗車させる指令を作成する。制御部25は、通信部22を介して当該指令を対象移動体10に送信する。制御部25は、対象移動体10から現在位置の位置情報を受信した場合、当該現在位置から第1かごへの移動経路を作成する。
【0050】
制御部25は、移動判定部23によって、対象移動体10を第1かごへ移動させることができないと判定された場合、複数のかご4のうち第1かごとは異なる第2かごを対象移動体10に割り当てる。制御部25は、同乗判定部24によって、対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定された場合、複数のかご4のうち第1かごとは異なる第2かごを対象移動体10に割り当てる。この際、制御部25は、画像の情報に基づいて、非対象移動体8等の障害物が移動経路上に存在しないようなかご4を選択して、第2かごに決定してもよい。
【0051】
制御部25は、第2かごを対象移動体10に割り当てた場合、第2かごの呼び情報をかご制御装置7に送信する。なお、制御部25は、第2かごを対象移動体10に割り当てる代わりに、第1かごではないかご4の呼び情報をかご制御装置7に送信してもよい。この場合、制御部25は、かご制御装置7が新たに割り当てたかご4を第2かごとしてもよい。
【0052】
第2かごを割り当てた場合、またはかご制御装置7から新たに割り当てられたかご4を第2かごとした場合、制御部25は、第1かごではなく第2かごに乗車させる指令を作成する。制御部25は、通信部22を介して当該指令を対象移動体10に送信する。この際、制御部25は、第2かごに対応する乗場5の情報を含む当該指令を送信する。例えば、第2かごの乗場5は、第1かごの乗場5とは異なる場所であってもよい。
【0053】
制御部25が第2かごを決定または割り当て等によって認識した場合、管理装置20の各機能は、当該第2かごを新たな第1かごとして動作を行う。
【0054】
次に、
図3を用いて、ビルシステム1が行う動作を説明する。
図3は実施の形態1におけるビルシステムで行われる動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0055】
例えば、
図3のフローチャートは、管理装置20が対象移動体10に対して、建築物2の別の階床へ移動する指令を送信した後に開始される。
【0056】
ステップS01において、対象移動体10は、管理装置20に対して乗車要求を送信する。
【0057】
その後、ステップS02の動作が行われる。ステップS02において、管理装置20は、かご制御装置7と通信することで、対象移動体10を乗車させる第1かごを決定する。管理装置20は、第1かごに乗車させる指令を対象移動体10に送信する。
【0058】
その後、ステップS03の動作が行われる。ステップS03において、対象移動体10は、乗場5に到着する。対象移動体10は、識別情報を示す電波を読み取る。対象移動体10は、乗場5の画像を撮像する。対象移動体10は、識別情報と画像の情報と現在位置の位置情報とを対応付けて管理装置20に送信する。
【0059】
その後、ステップS04の動作が行われる。ステップS04において、管理装置20は、対象移動体10の移動経路を作成する。管理装置20は、対象移動体10の移動経路上に障害物が存在するか否かを判定する。
【0060】
ステップS04で、移動経路上に障害物が存在しないと判定された場合、ステップS05の動作が行われる。ステップS05において、管理装置20は、乗場5に非対象移動体8が存在するか否かを判定する。
【0061】
ステップS05で、乗場5に非対象移動体8が存在すると判定された場合、ステップS06の動作が行われる。ステップS06において、管理装置20は、第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在するか否かを判定する。
【0062】
ステップS06で、第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在すると判定された場合、ステップS07の動作が行われる。ステップS07において、管理装置20は、対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができるか否かを判定する。
【0063】
ステップS05で乗場5に非対象移動体8が存在しないと判定された場合、ステップS06で第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在しないと判定された場合、またはステップS07で対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができると判定された場合、ステップS08の動作が行われる。ステップS08において、管理装置20は、追加の指令を対象移動体10には送信しない。対象移動体10は、第1かごに乗車する動作を行う。なお、ステップS08において、管理装置20は、第1かごに乗車してもよい旨の通知を対象移動体10に送信してもよい。この場合に、対象移動体10は、第1かごに乗車する動作を行ってもよい。
【0064】
ステップS08の動作が行われた後、ビルシステム1において、フローチャートの動作が終了する。
【0065】
ステップS04で移動経路上に障害物が存在すると判定された場合、ステップS07で対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定された場合、ステップS09の動作が行われる。ステップS09において、管理装置20は、第2かごを決定する。管理装置20は、第2かごに乗車させる指令を対象移動体10に送信する。
【0066】
その後、ステップS03以降の動作が繰り返される。なお、繰り返されるステップS03以降の動作において、ステップS09で割り当てられた第2かごが第1かごとみなされる。
【0067】
なお、ステップS06で第1かごに乗車しようとする非対象移動体8が存在すると判定された場合に、ステップS07ではなくステップS09の動作が行われてもよい。
【0068】
なお、同乗判定部24は、移動判定部23の判定結果に関わらず、対象移動体10から受信した識別情報に基づいて、対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができるか否かを判定してもよい。具体的には、管理装置20の同乗判定部24は、ステップS03の動作が行われた後に、ステップS07の動作を行ってもよい。
【0069】
以上で説明した実施の形態1によれば、ビルシステム1は、対象移動体10と管理装置20とを備える。ビルシステム1は、更に通信機30を備えてもよい。非対象移動体8は、管理装置20とは別の装置によって管理されているため、対象移動体10との連携を行うことができない。このため、対象移動体10がかご4に乗車する際に、対象移動体10と非対象移動体8とが衝突する恐れがある。管理装置20は、通信機30からの識別情報と対象移動体10に撮像された画像の情報とに基づいて、対象移動体10が第1かごに乗車できないと判定した場合、新たに、別のかご4である第2かごを対象移動体10に乗車させる指令を作成する。即ち、対象移動体10に乗車させるかご4の配車を再度実行する。このため、対象移動体10が非対象移動体8に衝突することを抑制できる。その結果、移動体である対象移動体10が故障することを抑制することができる。
【0070】
さらに、ビルシステム1は、別のプラットフォームで管理される非対象移動体8の存在を検出した際に、速やかにかご4の再配車を行うことができる。従来、対象移動体10が非対象移動体8の乗車するかご4に乗車しようとした場合、対象移動体10の制御がエラー状態となり、対象移動体10の管理者がエラーを解除するなどの作業が発生することがあった。実施の形態1によれば、このような管理者の作業を削減することができる。
【0071】
また、管理装置20は、対象移動体10の移動経路に障害物が存在することを検出した場合に、対象移動体10を第1かごに移動させることができないと判定する。このため、対象移動体10が障害物に接触することを抑制することができる。
【0072】
また、管理装置20は、非対象移動体8が第1かごに乗車すると判定する。この場合、管理装置20は、対象移動体10を第1かごに移動させることができないと判定する。具体的には、管理装置20は、識別情報を受信した後、非対象移動体8が第1かごを待機する位置に存在することを検出した場合に、非対象移動体8が第1かごに乗車すると判定する。このため、対象移動体10が非対象移動体8に衝突することをより確実に回避することができる。
【0073】
また、管理装置20は、同乗判定部24を有する。管理装置20は、対象移動体10と非対象移動体8とが第1かごに同乗することができないと判定した場合、対象移動体10を第2かごに乗車させる指令を作成する。このため、あるプラットフォームで管理された移動体と別のプラットフォームで管理された別の移動体とが混在する状況においても、2つの移動体がかご4の内部で接触することを抑制することができる。当該状況における2つの移動体は、階をまたいでの移動を行うことができる。また、当該状況を管理する管理者の業務負荷を軽減させることができる。
【0074】
なお、管理装置20は、移動判定部23を備えなくてもよい。即ち、管理装置20は、同乗判定部24と制御部25とに基づいて、第2かごを決定してもよい。この場合においても、ビルシステム1は、かご4の内部で対象移動体10と非対象移動体8とが衝突することを回避することができる。その結果、移動体が故障することを抑制することができる。
【0075】
次に、
図4を用いて、管理装置20を構成するハードウェアの例を説明する。
図4は実施の形態1におけるビルシステムの管理装置のハードウェア構成図である。
【0076】
管理装置20の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0077】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、管理装置20の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、管理装置20の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0078】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、管理装置20の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、管理装置20の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0079】
管理装置20の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、移動判定部23が有する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、移動判定部23が有する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0080】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで管理装置20の各機能を実現する。
【0081】
図示されないが、対象移動体10の各機能または通信機30の各機能も、管理装置20の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0082】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、
画像を撮像する撮像部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
(付記2)
前記移動判定部は、前記撮像部が撮像した画像の情報に基づいて、前記対象移動体が前記第1かごまで移動する移動経路に障害物が存在することを検出した場合に、前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定する付記1に記載のビルシステム。
(付記3)
前記移動判定部は、前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記非対象移動体が乗車すると判定した場合に、前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定する付記1または付記2に記載のビルシステム。
(付記4)
前記移動判定部は、前記撮像部が撮像した画像の情報に基づいて、前記識別情報に示される前記非対象移動体が前記第1かごを待機する位置に存在することを検出した場合に、前記第1かごに前記非対象移動体が乗車すると判定する付記3に記載のビルシステム。
(付記5)
前記管理装置は、
前記読取部が読み取った前記識別情報に基づいて、前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができるか否かを判定する同乗判定部と、
を更に有し、
前記制御部は、前記同乗判定部によって前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができないと判定された場合に、前記第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する付記1から付記4のいずれか一項に記載のビルシステム。
(付記6)
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられた通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の識別情報を読み取る読取部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報に基づいて、前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができるか否かを判定する同乗判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記同乗判定部によって前記対象移動体と前記非対象移動体とが前記第1かごに同乗することができないと判定された場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
(付記7)
管理装置と、
前記管理装置によって移動を制御される対象移動体と、
前記管理装置とは別の装置によって移動を制御される非対象移動体に取り付けられ、前記非対象移動体の識別情報を示す電波を発信する通信機と、
を備え、
前記対象移動体は、
前記通信機が発信する電波に示される前記非対象移動体の前記識別情報を読み取る読取部と、
画像を撮像する撮像部と、
を有し、
前記管理装置は、
エレベーターの複数のかごのうちの第1かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成する制御部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報と前記撮像部が撮像した画像の情報とに基づいて、前記第1かごに前記対象移動体を移動させることができるか否かを判定する移動判定部と、
を有し、
前記制御部は、前記移動判定部が前記対象移動体を前記第1かごに移動させることができないと判定した場合に、前記複数のかごのうちの前記第1かごとは異なる第2かごに前記対象移動体を乗車させる指令を作成するビルシステム。
【符号の説明】
【0083】
1 ビルシステム、 2 建築物、 3 エレベーター装置、 4 かご、 5 乗場、 6 出入口、 7 かご制御装置、 8 非対象移動体、 8a 他社移動体、 8b 自律型移動体、 10 対象移動体、 11 読取部、 12 撮像部、 13 通信部、 14 移動制御部、 20 管理装置、 21 記憶部、 22 通信部、 23 移動判定部、 24 同乗判定部、 25 制御部、 30 通信機、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア