(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182355
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品供給方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20231219BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20231219BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H05K13/02 D
H01L21/60 311T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095899
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 優次
(72)【発明者】
【氏名】平木 勉
(72)【発明者】
【氏名】村上 吉春
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
5F047
【Fターム(参考)】
5E353BB03
5E353EE31
5E353GG01
5E353HH08
5E353HH65
5E353HH66
5E353JJ21
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL03
5E353LL04
5E353QQ01
5E353QQ08
5F044PP15
5F044PP16
5F047FA04
5F047FA72
5F047FA79
(57)【要約】
【課題】部品の供給効率を向上させることができる部品供給装置および部品供給方法を提供すること。
【解決手段】部品供給装置は、上下方向に貫通した開口を有し、開口を覆うように、部品を保持したウエハを保持するウエハ保持部と、ウエハ保持部によって保持されたウエハの上方に配置され、ウエハに保持された部品をピックアップするピックアップ部と、ウエハに保持された部品を下方から突き上げ可能なニードルと、ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、エジェクタベースに取り付けられたエジェクタヘッドのニードルを昇降させる昇降手段と、を備えるエジェクタ部と、制御部と、を備え、制御部は、昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、エジェクタヘッドがエジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に貫通した開口を有し、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを保持するウエハ保持部と、
前記ウエハ保持部によって保持された前記ウエハの上方に配置され、前記ウエハに保持された部品をピックアップするピックアップ部と、
前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げ可能なニードルと、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備えるエジェクタ部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する、部品供給装置。
【請求項2】
前記昇降手段は、駆動源としてのモータを備え、
前記制御部は、前記物理量として、前記モータのトルク又は電流値を用いる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記物理量が第1閾値よりも小さい場合、あるいは、前記物理量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、前記エジェクタヘッドが正常に取り付けられていないと判断する、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項4】
報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記エジェクタヘッドが正常に取り付けられていないと判断した場合、前記報知部にエラーを報知させる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記エジェクタヘッドは、前記ニードルとして、第1ニードルおよび第2ニードルを備え、
前記昇降手段は、前記第1ニードルを昇降させる第1の位置と、前記第2ニードルを昇降させる第2の位置との間を移動可能であり、
前記制御部は、前記物理量として、前記第1の位置にある前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量を用いる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記エジェクタベースは、前記エジェクタヘッドを挿入するための開口を有し、前記開口には、前記エジェクタヘッドを特定の向きで通過させるように内側に突出した突出部を有する、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記エジェクタヘッドは、前記ニードルの上昇に対して抵抗力を生じさせる第1付勢部材を有し、前記エジェクタベースは、前記ニードルの上昇に対して抵抗力を生じさせる第2付勢部材を有し、
前記昇降手段は、前記第2付勢部材および前記第1付勢部材を介して、前記エジェクタヘッドの前記ニードルに対して駆動力を作用させる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第1付勢部材の前記抵抗力は、前記第2付勢部材の前記抵抗力よりも大きい、請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
上下方向に貫通した開口を有するウエハ保持部に対して、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを配置して前記ウエハ保持部に保持させる工程と、
前記ウエハの下方に配置されたエジェクタ部のニードルを用いて、前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げる工程と、
前記ウエハの上方に配置されたピックアップ部を用いて、前記ニードルによって突き上げられた部品をピックアップする工程と、を含み、
前記エジャクタ部は、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備え、
前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する工程をさらに含む、部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置および部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ウエハに形成されたダイ(部品)をピックアップして基板に実装する部品実装装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の部品実装装置は、ウエハの下方に配置したエジェクタを用いてダイを下方から突き上げて、突き上げたダイをピックアップ部でピックアップした後、基板に実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/070381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の部品実装装置では、部品種類の変更等に応じてエジェクタを手作業で交換する際に、エジャクタの取付が正常に行われない場合がある。このような場合に次の部品の生産を開始すると、部品の突き上げが不十分なことにより、部品のピックアップに失敗する可能性が高くなり、結果として部品の供給効率が低下する。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、部品の供給効率を向上させることができる部品供給装置および部品供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の部品供給装置は、上下方向に貫通した開口を有し、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを保持するウエハ保持部と、前記ウエハ保持部によって保持された前記ウエハの上方に配置され、前記ウエハに保持された部品をピックアップするピックアップ部と、前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げ可能なニードルと、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備えるエジェクタ部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する。
【0007】
また、本発明の部品供給方法は、上下方向に貫通した開口を有するウエハ保持部に対して、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを配置して前記ウエハ保持部に保持させる工程と、前記ウエハの下方に配置されたエジェクタ部のニードルを用いて、前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げる工程と、前記ウエハの上方に配置されたピックアップ部を用いて、前記ニードルによって突き上げられた部品をピックアップする工程と、を含み、前記エジャクタ部は、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備え、前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品の供給効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】実施形態のウエハ保持部の周辺構成に関する概略平面図
【
図5A】実施形態のエジェクタ部の周辺構成に関する概略斜視図(エジェクタヘッドが上昇位置にある状態)
【
図5B】実施形態のエジェクタ部の周辺構成に関する概略斜視図(エジェクタヘッドが下降位置にある状態)
【
図6】実施形態のエジェクタヘッドの周辺構成に関する概略斜視図
【
図7】実施形態のニードル突出孔の周辺構成に関する概略斜視図
【
図8】実施形態のエジェクタヘッドの周辺構成に関する概略斜視図
【
図9】実施形態のニードル突出孔の周辺構成に関する概略斜視図
【
図10】実施形態のニードル昇降手段の周辺構成に関する概略斜視図
【
図11】実施形態のニードル昇降手段の周辺構成に関する概略斜視図
【
図12A】実施形態のニードルの突出動作を説明するための概略側面図(ニードルが突出していない状態)
【
図12B】実施形態のニードルの突出動作を説明するための概略側面図(ニードルが突出した状態)
【
図13A】実施形態のニードルの突出動作を説明するための概略側面図(ニードルが突出していない状態)
【
図13B】実施形態のニードルの突出動作を説明するための概略側面図(ニードルが突出した状態)
【
図14】実施形態の部品搭載装置におけるエジェクタ交換モードの処理を示すフローチャート
【
図15】実施形態の駆動レバーを駆動したときのモータから出力されるトルクの推移を概略的に示すグラフ
【
図16】実施形態の部品搭載装置における部品の搭載処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1態様によれば、上下方向に貫通した開口を有し、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを保持するウエハ保持部と、前記ウエハ保持部によって保持された前記ウエハの上方に配置され、前記ウエハに保持された部品をピックアップするピックアップ部と、前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げ可能なニードルと、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備えるエジェクタ部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する、部品供給装置を提供する。
【0011】
本発明の第2態様によれば、前記昇降手段は、駆動源としてのモータを備え、前記制御部は、前記物理量として、前記モータのトルク又は電流値を用いる、第1態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0012】
本発明の第3態様によれば、前記制御部は、前記物理量が第1閾値よりも小さい場合、あるいは、前記物理量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、前記エジェクタヘッドが正常に取り付けられていないと判断する、第1態様又は第2態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0013】
本発明の第4態様によれば、報知部をさらに備え、前記制御部は、前記エジェクタヘッドが正常に取り付けられていないと判断した場合、前記報知部にエラーを報知させる、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0014】
本発明の第5態様によれば、前記エジェクタヘッドは、前記ニードルとして、第1ニードルおよび第2ニードルを備え、前記昇降手段は、前記第1ニードルを昇降させる第1の位置と、前記第2ニードルを昇降させる第2の位置との間を移動可能であり、前記制御部は、前記物理量として、前記第1の位置にある前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量を用いる、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0015】
本発明の第6態様によれば、前記エジェクタベースは、前記エジェクタヘッドを挿入するための開口を有し、前記開口には、前記エジェクタヘッドを特定の向きで通過させるように内側に突出した突出部を有する、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0016】
本発明の第7態様によれば、前記エジェクタヘッドは、前記ニードルの上昇に対して抵抗力を生じさせる第1付勢部材を有し、前記エジェクタベースは、前記ニードルの上昇に対して抵抗力を生じさせる第2付勢部材を有し、前記昇降手段は、前記第2付勢部材および前記第1付勢部材を介して、前記エジェクタヘッドの前記ニードルに対して駆動力を作用させる、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0017】
本発明の第8態様によれば、前記第1付勢部材の前記抵抗力は、前記第2付勢部材の前記抵抗力よりも大きい、第7態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0018】
本発明の第9態様によれば、上下方向に貫通した開口を有するウエハ保持部に対して、前記開口を覆うように、部品を保持したウエハを配置して前記ウエハ保持部に保持させる工程と、前記ウエハの下方に配置されたエジェクタ部のニードルを用いて、前記ウエハに保持された部品を下方から突き上げる工程と、前記ウエハの上方に配置されたピックアップ部を用いて、前記ニードルによって突き上げられた部品をピックアップする工程と、を含み、前記エジャクタ部は、前記ニードルを内部に有したエジェクタヘッドと、前記エジェクタヘッドが交換可能に取り付けられるエジェクタベースと、前記エジェクタベースに取り付けられた前記エジェクタヘッドの前記ニードルを昇降させる昇降手段と、を備え、前記昇降手段を駆動する際に発生する物理量に基づいて、前記エジェクタヘッドが前記エジェクタベースに正常に取り付けられているか否かを判断する工程をさらに含む、部品供給方法を提供する。
【0019】
以下、本発明に係る部品供給装置および部品供給方法の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
【0020】
(実施形態)
まず、本実施形態の部品搭載装置1の概略構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の部品搭載装置1の概略構成を示す平面図である。
【0021】
図1に示すように、部品搭載装置1は、部品供給装置2と、部品搭載部7とを備える。部品供給装置2は、各種部品を部品搭載部7に供給する装置である。部品搭載部7は、部品供給装置2から供給される部品を受け取って当該部品を基板9に搭載する機構である。以下、図において、X方向及びY方向は、水平面内で互いに直交する方向であって、Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(上下方向)である。
【0022】
本実施形態の部品供給装置2は、部品の種類に応じて複数の部品供給装置を備える。部品供給装置2は、例えば、第1の部品供給装置3と、第2の部品供給装置5とを有する。
【0023】
第1の部品供給装置3では、例えば、ウエハW1から切り出された部品(ダイ)を供給する。第1の部品供給装置3によって供給される部品は、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有する。当該部品は、例えば直方体又は立方体形状に形成される。第2の部品供給装置5は、例えば、トレイフィーダ、スティックフィーダ、テープフィーダ等である。なお、第2の部品供給装置5は、上記フィーダ以外の部品供給装置であってもよい。また、第2の部品供給装置5は、部品搭載装置1に設けられていなくてもよい。
【0024】
部品搭載部7は、部品を基板9に搭載する搭載ヘッド11と、搭載ヘッド11を移動させるヘッド移動機構13とを備える。搭載ヘッド11は、ヘッド移動機構13によって水平面(XY平面)内を移動可能に設けられる。ヘッド移動機構13は、例えば、X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bを有する直交座標テーブルである。X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bは、それぞれ、搭載ヘッド11をX方向及びY方向に移動させる。
【0025】
本実施形態では、部品搭載装置1には、基板9に搭載する部品を認識する部品認識カメラ15及び基板9を認識する基板認識カメラ17が設けられる。部品認識カメラ15は、例えば、基板9と部品供給装置2との間に設けられる。搭載ヘッド11が受け取った部品は、部品認識カメラ15によって認識された後、基板9に搭載される。このとき、搭載ヘッド11は、基板認識カメラ17によって基板9の位置を認識して部品の搭載を行う。本実施形態の基板認識カメラ17は、搭載ヘッド11と共に水平面内を移動可能に設けられる。例えば、基板認識カメラ17は、X軸テーブル13Aにおいて、搭載ヘッド11と共に設けられる。
【0026】
次に、第1の部品供給装置3の構成について
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す平面図である。
図3は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す、X方向に沿って切断した断面図である。
図2において、説明の便宜上、天板19の一部を省略して図示している。
【0027】
図2又は
図3に示すように、本実施形態の第1の部品供給装置3は、ウエハ保持部21と、ピックアップ部23と、エジェクタ部25(
図3)とを備える。ウエハ保持部21は、部品を切り出したウエハW1を支持するキャリア27を保持する。ピックアップ部23は、ウエハ保持部21のキャリア27によって保持されたウエハW1の部品をピックアップして、搭載ヘッド11に受け渡す。本実施形態のピックアップ部23は、部品を吸着保持する。エジェクタ部25は、ウエハ保持部21によって保持されたウエハW1の部品を下方からピックアップ部23に向けて押し出す。本実施形態のエジェクタ部25は、部品を上方に向けて突き上げる。ここで、キャリア27は、エキスパンド動作において伸縮性を有するシートである。例えば、キャリア27は、ウエハW1を粘着力で保持する粘着シートである。
【0028】
本実施形態の第1の部品供給装置3では、部品を切り出したウエハW1がキャリア27に保持された状態でマガジン29内に収容されている。マガジン29は、例えば、ウエハ保持部21よりも外側(+Y方向)に設けられる。マガジン29内のキャリア27は、ウエハ搬送部31によってウエハ保持部21に向けて搬送される。搬送されたキャリア27は、ウエハ保持部21によって保持される。
【0029】
図3に示すように、ピックアップ部23は、部品を吸着保持するための吸着ノズル77を有する。ピックアップ部23は、吸着ノズル77を回転可能に構成されており、吸着ノズル77の向きを上下反転させることができる。吸着ノズル77は、下向きの状態で部品をピックアップした後、反転して、上向きの状態で搭載ヘッド11のノズルに部品を受け渡す動作を繰り返すように構成される。
【0030】
図1に示すように、部品搭載装置1はさらに、制御部10と、報知部12とを備える。制御部10は、部品搭載装置1の各構成要素を制御するための部材であり、各構成要素に電気的に接続されている。制御部10は例えば、マイクロコンピュータを有して構成される。報知部12は、部品搭載装置1の作業者に対して画面表示や音声案内によって報知を行う部材である。報知部12は例えば、タッチパネルやスピーカーを有して構成される。
【0031】
上述した部品搭載装置1の構成やレイアウトは一例であり、適宜変更してもよい。例えば、部品搭載装置1はさらに、部品反転ユニットを有してもよい。部品反転ユニットは、ピックアップ部23がピックアップした部品を一時的に載置して上下反転させてから、搭載ヘッド11に受け渡すためのユニットである。部品反転ユニットには、部品を配置するためのポケットが複数設けられており、それぞれのポケットに部品を配置した状態で一体的に上下反転させる。このような部品反転ユニットを設けた場合、ピックアップ部23の反転機能が省略可能となり、部品の反転をバッチ処理で行うことができる。
【0032】
図4は、ウエハ保持部21の概略構成を示す平面図である。
【0033】
図4に示すように、ウエハ保持部21は、上下方向に貫通する開口40を有し、開口40を上側から覆うようにウエハW1が載置される。ウエハW1の下方にはエジェクタ部25(エジェクタヘッド)が配置されており、開口40を通じてウエハW1の下面にエジェクタ部25のニードルが当接可能である。
【0034】
本実施形態のウエハ保持部21は、水平面内で移動可能に設けられる。ウエハ保持部21は、後述の移動ベース37を移動させる保持部移動機構33を有する。
【0035】
本実施形態の保持部移動機構33は、一方向(Y方向)にウエハ保持部21を移動させる。保持部移動機構33は、例えば、モータ33aと、送りねじ33bと、ガイドレール33cとを有する。送りねじ33bは、モータ33aによる回転運動でウエハ保持部21をY方向に直線移動させる。送りねじ33bは、Y方向に延びて設けられる。ガイドレール33cは、ウエハ保持部21をY方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール33cは、例えば、Y方向に延びて設けられてウエハ保持部21のX方向両端部を支持する。
【0036】
ウエハ保持部21は、キャリア27を保持する保持部本体35と、保持部本体35を支持する移動ベース(保持テーブル)37とを有する。移動ベース37は、送りねじ33bに接続されて、Y方向に移動可能に設けられるベース部材である。
【0037】
(エジェクタ部)
次に、エジェクタ部25について、
図5A以降の図面を用いて説明する。
【0038】
図5A、
図5Bは、エジェクタ部25の周辺構成を示す斜視図である。
【0039】
図5A、
図5Bに示すように、本実施形態のエジェクタ部25は、2つのエジェクタ部50、60を有する。エジェクタ部50、60はそれぞれ、エジェクタヘッド52、62と、エジェクタベース54、64と、ニードル昇降手段56、66と、エジェクタ昇降機構58、68とを備える。エジェクタ部50、60はそれぞれ同様の構成を有するため、以下、エジェクタ部50について主に説明する。
【0040】
エジェクタヘッド52は、後述する2種類のニードル120A、120B(
図12A~
図13B)を内部に有した部材である。エジェクタベース54は、エジェクタヘッド52を交換可能に取り付けるための部材である。ニードル昇降手段56は、エジェクタヘッド52のニードル120A、120Bを昇降させるための機構である。ニードル昇降手段56は、エジェクタベース54およびエジェクタヘッド52の内部空間を通じて、ニードル120A、120Bに対して駆動力を作用させる。ニードル昇降手段56によるニードル120A、120Bの昇降動作については後述する。
【0041】
エジェクタ昇降機構58は、エジェクタヘッド52およびエジェクタベース54を一体的に昇降させるための機構である。エジェクタ昇降機構58の昇降によって、エジェクタヘッド52は、上昇位置(
図5A)と下降位置(
図5B)との間を移動する。上昇位置では、エジェクタヘッド52のニードル120A、120BがウエハW1に対して接触可能であり、下降位置では、エジェクタヘッド52がウエハW1と干渉しない高さ位置まで下降する。
【0042】
前述したニードル昇降手段56は、エジェクタヘッド52が上昇位置にあるときにのみニードル120A、120Bと係合して昇降機能を発揮し、エジェクタヘッド52が下降位置にあるときはニードル120A、120Bとの係合関係がなくなり、昇降機能を発揮しない。
【0043】
本実施形態のエジェクタ昇降機構58は、エジェクタベース54に連結された棒状部材をエアシリンダで上下動させて、エジェクタヘッド52およびエジェクタベース54を一体的に昇降させる(矢印A1参照)。
【0044】
エジェクタ昇降機構68は、エジェクタ昇降機構58と同様の構成を有し、エジェクタヘッド62およびエジェクタベース64を一体的に昇降させる(矢印A2参照)。エジェクタ昇降機構58とエジェクタ昇降機構68は、互いに独立して動作可能である。
【0045】
図6は、エジェクタ部50のエジェクタヘッド52を拡大した斜視図であり、
図7は、エジェクタヘッド52の先端部を拡大した斜視図である。同様に、
図8は、エジェクタ部60のエジェクタヘッド62を拡大した斜視図であり、
図9は、エジェクタヘッド62の先端部を拡大した斜視図である。
【0046】
図6に示すように、エジェクタヘッド52は、一端側にニードル収容部70を備え、他端側に取付部71を備える。
【0047】
ニードル収容部70は、ニードル120A、120Bを突出可能に収容した部分である。ニードル収容部70の上面79には、複数の貫通孔が形成されており、
図7に示すように、第1ニードル突出孔76と、第2ニードル突出孔78とが形成される。
【0048】
第1ニードル突出孔76は、1つの第1ニードル120Aを突出可能とする貫通孔である。第2ニードル突出孔78は、複数の第2ニードル120Bを突出可能とする貫通孔である。これにより、エジェクタヘッド52は、複数種類のニードルを突出可能なマルチニードルに対応する。
【0049】
エジェクタヘッド52は、第1ニードル突出孔76から1つの第1ニードル120Aを突出させる第1状態と、第2ニードル突出孔78から複数の第2ニードル120Bを突出させる第2状態と、いずれのニードル突出孔76、78からもニードルを突出させない第3状態とが切替え可能である。
図6~
図9は、ニードル120A、120Bを突出させない第3状態を例示する。
【0050】
図7に示すように、第1ニードル突出孔76は1つ設けられるのに対して、第2ニードル突出孔78は4つ設けられる。第1ニードル突出孔76は、ニードル収容部70の上面79の略中央に配置され、4つの第2ニードル突出孔78は、第1ニードル突出孔76を囲むように第1ニードル突出孔76の外側において周方向に等間隔で配置される。第2ニードル突出孔78は、4つの第2ニードル120Bを同時に突出可能である。
【0051】
図6に戻ると、取付部71は、エジェクタヘッド52をエジェクタベース54に取り付けるための部分である。エジェクタベース54も同様に取付部72を有し、取付部72に設けられた開口73に取付部71を挿入して取り付けを行う。本実施形態の取付部71は外周部にネジ形状を有し、エジェクタベース54の取付部72の内周部に設けられたネジ形状と螺合する。エジェクタヘッド52をエジェクタベース54に対して回転方向R1に回転させることで、エジェクタヘッド52をエジェクタベース54に対して着脱することができる。
【0052】
エジェクタベース54の取付部72は、開口73の内側に向かって突出した一対の突出部74を有する。突出部74は、エジェクタヘッド52をエジェクタベース54の開口73に挿入する際にエジェクタヘッド52を特定の向きでのみ挿入可能とするように、エジェクタヘッド52の向きを規制する。エジェクタヘッド52の取付部71も同様に、突出部74に応じた形状の直線部75を有する。取付部71を開口73に挿入するためには、突出部74と直線部75が互いに向き合った状態とする必要があるため、取付部71を挿入する際のエジェクタヘッド52の姿勢が規制される。これにより、エジェクタヘッド52とエジェクタベース54の螺合開始位置を一定位置に近付けることができる。
【0053】
図8、
図9に示すエジェクタヘッド62およびエジェクタベース64は、
図6、
図7に示したエジェクタヘッド52およびエジェクタベース54と同様の構造を有する。具体的には、エジェクタヘッド62は、ニードル収容部80と、取付部81とを備え、エジェクタベース64は、取付部82を有する。取付部82には開口83および一対の突出部84が設けられており、取付部81には、突出部84に対応する形状として直線部85が設けられる。
図9に示すように、エジェクタヘッド62の上面89には、第1ニードル突出孔86と、4つの第2ニードル突出孔88とが設けられる。
【0054】
図10、
図11は、ニードル昇降手段56、66を拡大して示す斜視図である。
【0055】
エジェクタヘッド52に対応するニードル昇降手段56は、駆動レバー100と、2つの回転レバー102A、102Bとを備える。
【0056】
駆動レバー100は、2つの回転レバー102A、102Bのうちのいずれか一方に選択的に係合して回転動作させる部材である。本実施形態の駆動レバー100は、前後方向B1にスライド可能に構成されており、回転レバー102A、102Bのいずれかに接触する「接触位置」と、回転レバー102A、102Bのいずれにも接触しない「退避位置」の間を移動可能である。
図10、
図11は、駆動レバー100が退避位置にある状態を例示する。
【0057】
駆動レバー100はさらに、前後方向B1に直交する横方向Cにも移動可能に構成されている。駆動レバー100が横方向Cにスライド移動することで、一方の回転レバー102Aに接触可能な位置と、もう一方の回転レバー102Bに接触可能な位置の間を移動可能となる。
【0058】
駆動レバー100を前後方向B1や横方向Cにスライド駆動する駆動機構(図示せず)は、モータやエアシリンダのような駆動源と、駆動源による駆動力の方向を変換するためのカム機構等で構成してもよい。
【0059】
回転レバー102A、102Bはそれぞれ、駆動レバー100との接触に応じて回転動作する部材である。回転レバー102Aは、前述した1つの第1ニードル120Aを動作させるための部材であり、回転レバー102Bは、前述した複数の第2ニードル120Bを動作させるための部材である。回転レバー102A、102Bはともに、回転軸105を中心として回転方向R2に回転可能に構成される。
【0060】
回転レバー102A、102Bは横方向Cに間隔を空けて並べられており、駆動レバー100と接触可能な接触端部104A、104Bをそれぞれ有する。回転レバー102A、102Bはさらに、接触端部104A、104Bとは反対側に別の接触端部106A、106Bをそれぞれ備える。接触端部106Aは、駆動ロッド108Aに当接する端部であり、接触端部106Bは、駆動ロッド108Bに当接する端部である。駆動ロッド108Aは、エジェクタベース54およびエジェクタヘッド52の内部で第1ニードル120Aに連結され、駆動ロッド108Bは、エジェクタベース54およびエジェクタヘッド52の内部で第2ニードル120Bに連結されている。
【0061】
駆動レバー100が回転レバー102Aの接触端部104Aに接触すると、回転レバー102Aが回転方向R2に回転し、接触端部106Aが駆動ロッド108Aを持ち上げる。駆動ロッド108Aの上昇により、第1ニードル120Aが第1ニードル突出孔76を通じて外側に突出する。これにより、ウエハW1の下面に第1ニードル120Aを接触させて、部品を下方から突き上げることができる。
【0062】
同様に、駆動レバー100が回転レバー102Bの接触端部104Bに接触すると、回転レバー102Bが回転方向R2に回転し、接触端部106Bが駆動ロッド108Bを持ち上げる。駆動ロッド108Bの上昇により、第2ニードル120Bが第2ニードル突出孔86を通じて外側に突出する。これにより、ウエハW1の下面に第2ニードル120Bを接触させて、部品を下方から突き上げることができる。
【0063】
ニードル昇降手段66は、ニードル昇降手段56と同様の構成を有する。ニードル昇降手段66は、駆動レバー110と、2つの回転レバー112A、112Bとを備える。回転レバー112A、112Bはそれぞれ、駆動レバー110と接触可能な接触端部114A、114B(
図11)と、反対側の接触端部116A、116Bとを備え、接触端部116A、116Bはそれぞれ、駆動ロッド118A、118Bに当接する。駆動ロッド118Aは、エジェクタベース64およびエジェクタヘッド62の内部で第1ニードルに連結され、駆動ロッド118Bは、エジェクタベース64およびエジェクタヘッド62の内部で第2ニードルに連結されている。
【0064】
駆動レバー110は、駆動レバー100と同様に前後方向B2に移動可能に構成され、横方向Cにも移動可能に構成されている。本実施形態の駆動レバー110は、駆動レバー100とは独立して前後方向B2に移動し、駆動レバー100と一体的に横方向Cに移動する。
【0065】
駆動レバー100、110が横方向Cに一体的に移動可能であることで、駆動レバー100が接触端部104Aと接触可能、且つ、駆動レバー110が接触端部114Aと接触可能な第1の位置と、駆動レバー100が接触端部104Bと接触可能、且つ、駆動レバー110が接触端部114Bと接触可能な第2の位置との間を移動できる。
【0066】
ここで、ニードル昇降手段56、66によるニードルの昇降原理について、
図12A、
図12B、
図13A、
図13Bを用いて説明する。
図12A~
図13Bは、各状態におけるエジェクタヘッド52、エジェクタベース54およびニードル昇降手段56を示す概略図である。
図12Aは、駆動レバー100が退避位置にある状態を示し、
図12Bは、駆動レバー100が前進位置にある状態を示す。
図13Aは、駆動レバー110が退避位置にある状態を示し、
図13Bは、駆動レバー110が前進位置にある状態を示す。
【0067】
図12Aに示すように、エジェクタヘッド52の内部には、駆動ロッド109Aと第1ニードル120Aが設けられている。駆動ロッド109Aと第1ニードル120Aは互いに係合しており、取付部71が取付部72に取り付けられた状態において、駆動ロッド108Aと駆動ロッド109Aが互いに係合する。これにより、駆動ロッド108A、駆動ロッド109Aおよび第1ニードル120Aが互いに係合してニードルユニット121Aを構成し、一体的に上下動する。
【0068】
エジェクタヘッド52の内部には第1付勢部材122Aが設けられている。さらに、エジェクタベース54の内部には第2付勢部材124Aが設けられている。第1付勢部材122Aおよび第2付勢部材124Aは、ニードルユニット121Aを下方に付勢するための部材(例えばバネ)である。第1付勢部材122Aは、駆動ロッド109Aを下方に付勢する付勢力F1を生じさせ、第2付勢部材124Aは、駆動ロッド108Aを下方に付勢する付勢力F2を生じさせる。付勢力F1、F2を生じさせることによって、ニードルユニット121Aを、第1ニドル突出孔76から第1ニードル120Aが突出しない非動作状態に向けて付勢することができる。本実施形態では、付勢力F1の方が付勢力F2よりも大きくなるように設定されている。
【0069】
ニードルユニット121Aが下方に付勢されると、ニードルユニット121Aに係合する回転レバー102Aは接触端部106Aが下がる回転方向R3に回転する。回転レバー102Aは図示しないストッパーに当たり、所定の回転位置にて停止する。
【0070】
上記構成において、駆動レバー100には、駆動源としてのモータ101が接続されている。モータ101の回転駆動力は、図示しないカム機構によって直線的な駆動力に変換されて駆動レバー100に伝達される。モータ101が駆動レバー100を駆動すると、
図12Bに示すように、駆動レバー100が前進する(矢印C1)。駆動レバー100が回転レバー102Aの接触端部104Aに接触すると、回転レバー102Aが回転方向R4に回転し、接触端部106Aがニードルユニット121Aを押し上げる。ニードルユニット121Aは、付勢部材122A、124Aによる付勢力F3、F4を受けながら上昇し、先端に位置する第1ニードル120Aが第1ニードル突出孔76を通じて上方に突出する。これにより、第1ニードル120Aを突出させた動作状態とすることができ、上方に位置するウエハW1(図示せず)に置かれた部品を下方から突き上げることができる。
【0071】
ニードルユニット121Aが上昇する時の付勢力F3、F4は、第1ニードル120Aが上昇しないときの付勢力F1、F2よりも大きくなる。
【0072】
図12A、
図12Bでは、第1ニードル120Aを昇降させるためのニードルユニット121Aとその周辺構成について説明したが、
図13A、
図13Bに示す第2ニードル120Bを昇降させるためのニードルユニット121Bについても類似の構成を有する。
【0073】
具体的には、エジェクタヘッド52およびエジェクタベース54には、各ニードル120Bに対応して、ニードルユニット121Bが設けられている。
図13A、
図13Bでは、4つのニードルユニット121Bのうち、2つのニードルユニット121Bを例示する。それぞれのニードルユニット121Bは、駆動ロッド108Bと、駆動ロッド109Bと、第2ニードル120Bとを有する。エジェクタヘッド52の内部には付勢部材122Bが設けられており、エジェクタベース54の内部には付勢部材124Bが設けられている。付勢部材122Bは付勢力F5を生じさせ、付勢部材124Bは付勢力F6を生じさせる。付勢力F5は、付勢力F6よりも大きくなるように設定される。
【0074】
上記構成において、
図13Aに示すように、駆動レバー100が退避位置にあるときは、付勢力F5、F6を受けたニードルユニット121Bが回転レバー102Bを回転方向R5に向けて押圧し、回転レバー102Bは図示しないストッパーによって所定の回転位置にて停止される。
【0075】
図13Bに示すように、モータ101によって駆動レバー100を前進させると(矢印C2)、駆動レバー100が回転レバー102Bの接触端部104Bに接触して押圧し、回転レバー102Bが回転方向R6に回転する。回転レバー102Bに係合したニードルユニット121Bは、付勢力F7、F8を受けながら上昇し、先端に位置する複数の第2ニードル120Bが第2ニードル突出孔78を通じて上方に突出する。
【0076】
図12A~
図13Bでは、ニードル昇降手段56の周辺構成およびその動作原理について説明したが、ニードル昇降手段66も同様の構成および動作についても同様であり、詳細な説明を省略する。
【0077】
ここで、
図12A~
図13Bに示す動作は、エジェクタヘッド52の取付部71がエジェクタベース54の取付部72に正常に取り付けられていることを前提としている。正常に取り付けられていない場合は、第1ニードル120A、120Bを所望の突出量だけ突出させることができない、突出量にバラつきが生じる等、部品のピックアップの失敗につながる可能性がある。
【0078】
一方、部品の種類変更等に応じて、第1ニードル120A、120Bを含むエジェクタヘッド52を異なる寸法/仕様のものに交換する場合がある。新しいエジェクタヘッド52をエジェクタベース54に作業者が手作業で取り付けたときに、正常に取り付けられているかどうかを目視以外の方法で判断できるようにすることが望ましい。本実施形態成では特に、
図6に示すように取付部72に突出部74を設けており、取付箇所の視認性が悪くなっているため、エジェクタヘッド52の取付状態を機械的に確認できるようにすることが求められる。
【0079】
上記課題に鑑みて、本実施形態の部品搭載装置1は、エジェクタヘッド52、62を交換する「エジェクタ交換モード」を実行する際に、駆動レバー100の駆動源であるモータ101のトルク(物理量)の変化を参照し、エジェクタヘッド52、62がエジェクタベース54、64に正常に取り付けられているか否かを機械的に判断する。
【0080】
図14は、本実施形態の部品搭載装置1におけるエジェクタ交換モードの処理を示すフローチャートである。
図14に示す各処理は、部品搭載装置1の制御部10によって実行される。以下では、2つのエジェクタヘッド52、62のうち、エジェクタヘッド52の交換処理について説明する。エジェクタヘッド62の交換処理も同様の方法であるため、説明を省略する。
【0081】
図14に示すように、制御部10は、交換開始スイッチ(図示せず)の押下を検知する(S1)。交換開始スイッチは例えば、部品供給装置2を操作するための操作部に設けられており、作業者が交換スイッチを押下することで、制御部10へ検知信号が送信される。
【0082】
制御部10は、エジェクタ部25を所定位置へ移動させる(S2)。具体的には、交換開始スイッチの押下の検知に応じて、エジェクタヘッド52、62を含むエジェクタ部25を一体的にXY方向に移動させて、ウエハW1や他の構成要素と干渉しない位置まで移動させる。
【0083】
制御部10は、交換終了スイッチの押下を検知する(S3)。具体的には、作業者がエジェクタヘッド52の交換作業を行った後、部品搭載装置1の操作部に設けられた交換終了スイッチを押下することで、制御部10へ検知信号が送信される。作業者がエジェクタヘッド52の交換を行う際は、使用済みのエジェクタヘッド52を回転方向R1に回転させてエジェクタベース54から取り外すとともに、新しいエジェクタヘッド52の取付部71をエジェクタベース54の取付部72の開口73に挿入し、エジェクタベース54に螺合させて取り付ける。エジェクタヘッド62の交換作業も同様である。
【0084】
制御部10は、駆動レバー100を駆動する(S4)。具体的には、駆動源であるモータ101を動作させて、
図12Aに示す退避位置にある駆動レバー100を前進させる。駆動レバー100は、2つの回転レバー102A、102Bのうちの回転レバー102Aに当接可能な位置にあり、
図12Bに示すように、駆動レバー100は回転レバー102Aに接触して回転レバー102Aを回転させる。これにより、第1ニードル120Aが第1ニードル突出孔76を通じて上方に突出する。
【0085】
制御部10は、モータ101のトルクを監視する(S5)。具体的には、駆動レバー100が駆動されている間にモータ101から出力されてくるトルクの値を監視する。
【0086】
制御部10は、トルクの異常の有無を判断する(S6)。具体的には、ステップS5で監視するモータ101のトルクの値に異常があるか否かを判断する。
【0087】
トルクに異常がないと判断した場合(S6でNO)、制御部10は、エジェクタ交換モードを終了する。トルクに異常がないことにより、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に対して正常に取り付けられていると判断することができ、新たなエジェクタヘッド52を用いた次の部品の生産が開始できる状態とする。
【0088】
トルクに異常があると判断した場合(S6でYES)、制御部10は、エジェクタヘッド52の取付エラーを報知する(S7)。具体的には、エジェクタヘッド52の取付状態が正常でないことを示すエラー情報を報知部12に報知させる。これにより、作業者に対してエジェクタヘッド52の取付状態が正常でないことを知らせて、エジェクタヘッド52の再取付けを促すことができる。
【0089】
作業者はエジェクタヘッド52の再取付けを試みた後、再度、交換終了スイッチを押下する(S3)。制御部10は再度、駆動レバー100を駆動し(S4)、モータ101のトルクを監視し(S5)、トルクの異常の有無を判断する(S6)。
【0090】
上記フローによれば、モータ101のトルクに基づいてエジェクタヘッド52の取付状態を判断することができる。さらに、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられたと判断されるまで、作業者にエジェクタヘッド52の再取付けを繰り返し実行させることができる。これにより、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に正常に取り付けられた状態を確保してから次の部品の生産を開始することが可能となり、部品のピックアップ成功率を向上させることができ、部品の供給効率を向上させることができる。
【0091】
なお上記方法では、モータ101のトルクを監視する際に、2つの回転レバー102A、102Bのうちの一方の回転レバー(本実施形態では回転レバー102A)を回転させたときのトルクを用いてエジェクタヘッド52の取付状態を確認している。
【0092】
次に、ステップS6において、トルク異常の有無を判断する具体的な方法について、
図15を用いて説明する。
【0093】
図15は、駆動レバー100を駆動したときのモータ101から出力されるトルクの推移を概略的に示すグラフである。
図15において、横軸はモータ101の駆動量であり、縦軸はモータ101のトルクである。エジェクタヘッド52が正常に取り付けられている正常時のトルクの推移を実線で示し、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられていない異常時1~3のトルクの推移を破線で示す。
【0094】
図15に示すように、モータ101の動作を開始すると、駆動レバー100の前進に伴って、モータ101のトルクが上昇する。トルク上昇の要因として、モータ101の駆動力を駆動レバー100に伝達するためのカムが駆動レバー100に押し付けられる時にバネが圧縮することが挙げられる。
【0095】
駆動レバー100の前進に伴って、
図15で「レバー接触」と記すように、駆動レバー100が回転レバー102Aに接触し、回転レバー102Aが回転する。回転レバー102Aの回転に応じて、
図12A、
図12Bに示したように付勢部材122A、124Aによる付勢力F1、F2、F3、F4を受けるため、モータ101のトルクがさらに上昇する。
図15に示すように、「レバー接触」後のトルクの上昇速度は、「レバー接触」前のトルクの上昇速度よりも速くなる。
【0096】
制御部10は例えば、モータ101の駆動量に関して予め「チェック位置」を定めるとともに、当該チェック位置におけるトルクの出力値に基づいてトルクの異常の有無を判断する。本実施形態の制御部10は、チェック位置におけるトルクの値に関して第1閾値T1と第2閾値T2を定め、第1閾値T1と第2閾値T2の間の範囲を正常範囲とし、この範囲内にあるか否かに応じてトルクの異常の有無を判断する。
【0097】
第1閾値T1および第2閾値T2は、正常時の推移に関するトルク基準値Tr(チェック位置)を基準に定められており、第1閾値T1はトルク基準値Trよりも小さく、第2閾値T2はトルク基準値Trよりも大きい。
【0098】
チェック位置におけるトルク値が第1閾値T1と第2閾値T2の間の正常範囲にある場合、制御部10は、トルク値に異常がない(S6でNO)、すなわち、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に正常に取り付けられていると判断する。一方、チェック位置における出力値が第1閾値T1よりも小さい、あるいは第2閾値T2よりも大きい場合(すなわちトルクが正常範囲にない場合)、制御部10は、トルク値に異常がある(S6でYES)、すなわち、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に正常に取り付けられていないと判断する。
【0099】
図15に示す例では、「異常時1」のトルク推移は、「正常時」のトルク推移よりもトルク増加速度が速い。これは例えば、エジェクタ部25における駆動部や摺動部が劣化して、正常時よりも大きな駆動力が必要となる場合に生じる。
【0100】
「異常時2」、「異常時3」のトルク推移は、「正常時」のトルク推移よりもトルク増加速度が遅い。「異常時2」は、レバー接触後にトルク増加速度が不変であるのに対して、「異常時3」は、レバー接触後のある時点でトルク増加速度がさらに早くなる。「異常時2」は例えば、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に取り付けられていない場合(例えば作業者がエジェクタヘッド52を付け忘れた場合)に生じる。「異常時3」は例えば、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に取り付けられているものの、エジェクタヘッド52の取付位置が正規の取付位置よりも上に浮いている場合(例えばねじ込み量が足りない場合)に生じる。
【0101】
図15に示す異常時1~3のトルク推移に対して、チェック位置におけるトルクの出力値が第1閾値T1~第2閾値T2の間の正常範囲にあるか否かを判断することで、トルク値に異常あることを判別できる。これにより、異常時1~3であることを正常時とは区別して特定することができる。なお、同様の判定方法により、異常時1~3とは異なる推移を示す異常時についても異常を検出することができる。
【0102】
チェック位置は1か所に関わらず、2か所以上設けてもよい。例えば、
図15に示すように、モータ101の駆動量がチェック位置よりも大きな「他チェック位置」を設けてもよく、他チェック位置におけるトルクの出力値に応じて、異常時2と異常時3のいずれの状態であるかを判断できるようにしてもよい。
【0103】
また、所定のチェック位置を設ける場合に限らず、モータ101から出力されるトルクの値を連続的に監視し、トルクの絶対値や増加速度に基づいて異常有無を判断するようにしてもよい。
【0104】
図16は、部品搭載装置1による部品の搭載処理を示すフローチャートである。
図16に示す各処理は、部品搭載装置1の制御部10によって実行される。
【0105】
制御部10は、ウエハ保持部21にウエハW1を支持させる(S11)。具体的には、ウエハW1を支持したキャリア27をウエハ保持部21に配置する。
【0106】
制御部10は、エジェクタ部25によりウエハW1の部品を突き上げる(S12)。具体的には、ウエハW1の下方に配置したエジェクタ部25におけるエジェクタヘッド52、62のいずれか一方からニードルを突出させて、ウエハW1の部品を突き上げる。エジェクタヘッド52の場合、1本の第1ニードル120Aを突出させる態様と、4本の第2ニードル120Bを突出させる態様を選択的に実施することができる。
【0107】
図14、
図15で説明したとおり、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられていることを事前に確保しているため、エジェクタ部25で部品を突き上げるステップS12において、部品を所望の突出量だけ安定的に突出させることができる。
【0108】
制御部10は、ピックアップ部23により、部品をピックアップする(S13)。ステップS12でエジェクタ部25が下方から突き上げた部品を、ピックアップ部23が上方から吸着保持する。前述した通り、ステップS12において所望の突出量だけ部品を突出させているため、ステップS13ではピックアップ部23が安定的に部品をピックアップすることができる。これにより、部品のピックアップ成功率を向上させることができる。
【0109】
制御部10は、ピックアップ部23がピックアップした部品を搭載ヘッド11に受け渡す(S14)。具体的には、部品を吸着保持したピックアップ部23の吸着ノズル77を上下反転させて、吸着ノズル77の上方に配置した搭載ヘッド11に部品を受け渡す。なお、吸着ノズル77を上下反転させる場合に限らず、ピックアップ部23が吸着した部品を基板反転ユニットに載置して、基板反転ユニットにより複数の部品を一括反転させてから搭載ヘッド11に受け渡すようにしてもよい。
【0110】
制御部10は、搭載ヘッド11により、部品を基板9に搭載する(S15)。具体的には、部品を吸着保持した搭載ヘッド11を基板9の上方に移動させて、基板9の所定位置に部品を搭載する。
【0111】
制御部10は、他に搭載すべき部品があるか否かを判断する(S16)。具体的には、部品搭載装置1の記憶部に記憶された生産プログラムに基づいて、他に搭載すべき部品があるか否かを判断する。
【0112】
他に搭載すべき部品がある場合(S16でYES)、制御部10は、次の部品に関してステップS12~S16を再度実行する。他に搭載すべき部品がないと判断した場合(S16)、制御部10は、
図16に示すフローを終了する。他に搭載すべき部品があると判断される限り(S16でYES)、ステップS12~S16を繰り返し実行することで、生産プログラムに定められた全ての部品を基板9に搭載することができる。
【0113】
上記方法によれば、
図14、
図15に示した方法でエジェクタヘッド52が正常に取り付けられていることを確保した上で部品の搭載処理を実行できるため、部品のピックアップ成功率を向上させることができ、部品の供給効率を向上させることができる。
【0114】
上述したように、実施形態の部品供給装置2は、上下方向に貫通した開口40を有し、開口40を覆うように、部品を保持したウエハW1を保持するウエハ保持部21と、ウエハ保持部21によって保持されたウエハW1の上方に配置され、ウエハW1に保持された部品をピックアップするピックアップ部23と、ウエハW1に保持された部品を下方から突き上げ可能なニードル120A、120Bと、ニードル120A、120Bを内部に有したエジェクタヘッド52と、エジェクタヘッド52が交換可能に取り付けられるエジェクタベース54と、エジェクタベース54に取り付けられたエジェクタヘッド52のニードル120A、120Bを昇降させるニードル昇降手段56と、を備えるエジェクタ部25と、制御部10と、を備える。制御部10は、ニードル昇降手段56を駆動する際に発生する物理量(トルク)に基づいて、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に正常に取り付けられているか否かを判断する。
【0115】
このような構成によれば、ニードル昇降手段56を駆動する際の物理量に基づいてエジェクタヘッド52の取付状態を確認できるようにすることで、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられた状態を確保してから、次の部品の生産を開始することが可能となる。これにより、部品の供給効率を向上させることができる。
【0116】
また、実施形態の部品供給装置2では、ニードル昇降手段56は、駆動源としてのモータ101を備え、制御部10は、物理量として、モータ101のトルクを用いる。このような構成によれば、モータ101のトルクに基づいてエジェクタヘッド52の取付状態を簡単に確認することができる。なお、モータ101のトルクに限らず、モータ101の電流値を物理量として用いてもよい。
【0117】
また、実施形態の部品供給装置2では、制御部10は、物理量(トルク)が第1閾値T1よりも小さい場合、あるいは、物理量が第1閾値T1よりも大きい第2閾値T2よりも大きい場合、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられていないと判断する。このような構成によれば、物理量が適正な範囲にない場合に、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられていないと判断できる。
【0118】
また、実施形態の部品供給装置2は、報知部12をさらに備え、制御部10は、エジェクタヘッド52が正常に取り付けられていないと判断した場合、報知部12にエラーを報知させる。このような構成によれば、作業者に対してエジェクタヘッド52の再取付けを促すことができる。
【0119】
また、実施形態の部品供給装置2では、エジェクタヘッド52は、ニードル120A、120Bとして、第1ニードル120Aおよび第2ニードル120Aを備え、ニードル昇降手段56は、第1ニードル120Aを昇降させる第1の位置と、第2ニードル120Aを昇降させる第2の位置との間を移動可能であり、制御部10は、物理量として、第1の位置にあるニードル昇降手段56を駆動する際に発生する物理量を用いる。このような構成によれば、マルチニードルに対応可能であるとともに、複数種類あるニードル120A、120Bのうちの1つを昇降させたときの物理量に基づいてエジェクタヘッド52の取付状態を判断することで、取付状態の判断結果にバラつきが生じにくい。
【0120】
また、実施形態の部品供給装置2では、エジェクタベース54は、エジェクタヘッド52を挿入するための開口73を有し、開口73には、エジェクタヘッド52を特定の向きで通過させるように内側に突出した突出部74を有する。このような構成によれば、突出部74があることでエジェクタヘッド52とエジェクタベース54の取付箇所の視認性が悪くなるところ、ニードル昇降手段56の駆動時に発生する物理量を用いてエジェクタヘッド52の取付状態を判断することで、取付箇所の視認性に関わらず、取付状態を的確に判断することが可能となる。
【0121】
また、実施形態の部品供給装置2では、エジェクタヘッド52は、第1ニードル120Aの上昇に対して抵抗力(付勢力F1、F3)を生じさせる第1付勢部材122Aを有し、エジェクタベース54は、第1ニードル120Aの上昇に対して抵抗力(付勢力F2、F4)を生じさせる第2付勢部材124Aを有する。ニードル昇降手段56は、第2付勢部材124Aおよび第1付勢部材122Aを介して、エジェクタヘッド52の第1ニードル120Aに対して駆動力を作用させる。このような構成によれば、エジェクタヘッド52とエジェクタベース54のそれぞれに付勢部材122A、124Aを設けることで、エジェクタヘッド52の取付状態に応じて第1ニードル120Aの上昇に対する抵抗力が変化しやすくなり、ニードル昇降手段56を駆動する際の物理量も変化しやすくなる。これにより、エジェクタヘッド52の取付状態をより精度良く判断することが可能となる。
【0122】
また、実施形態の部品供給装置2では、第1付勢部材122Aの抵抗力(付勢力F1、F3)は、第2付勢部材124Aの抵抗力(付勢力F2、F4)よりも大きい。このような構成によれば、第1ニードル120Aの上昇に対する抵抗力がエジェクタヘッド52の取付状態に応じてより大きく変化しやすくなり、エジェクタヘッド52の取付状態をより精度良く判断しやすい。
【0123】
また、実施形態の部品供給方法は、上下方向に貫通した開口73を有するウエハ保持部21に対して、開口73を覆うように、部品を保持したウエハW1を配置してウエハ保持部21に保持させる工程と、ウエハW1の下方に配置されたエジェクタ部25の第1ニードル120Aを用いて、ウエハW1に保持された部品を下方から突き上げる工程と、ウエハW1の上方に配置されたピックアップ部23を用いて、第1ニードル120Aによって突き上げられた部品をピックアップする工程と、を含む。エジャクタ部は、第1ニードル120Aを内部に有したエジェクタヘッド52と、エジェクタヘッド52が交換可能に取り付けられるエジェクタベース54と、エジェクタベース54に取り付けられたエジェクタヘッド52の第1ニードル120Aを昇降させるニードル昇降手段56と、を備える。ニードル昇降手段56を駆動する際に発生する物理量(トルク)に基づいて、エジェクタヘッド52がエジェクタベース54に正常に取り付けられているか否かを判断する工程をさらに含む。
【0124】
このような方法によれば、実施形態の部品供給装置2と同様の効果を奏することができる。
【0125】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、駆動レバー100の駆動源としてモータ101を用いて、さらに、エジェクタヘッド52の取付状態を判定するための物理量としてモータ101のトルクあるいは電流値を用いる場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、駆動レバー100の駆動源としてエアシリンダ等の他の駆動源を用いてもよく、エジェクタヘッド52の取付状態を判定するための物理量として、エアシリンダを所定位置まで駆動させるときの駆動時間等、他の物理量を用いてもよい。
【0126】
また実施形態では、エジェクタ部25が2つのエジェクタ部50、60を有する場合について説明したが、このような場合に限らず、エジェクタ部の数は1つ又は3つ以上であってもよい。
【0127】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、ウエハに保持された部品を供給する部品供給装置および部品供給方法であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 部品搭載装置
10 制御部
21 ウエハ保持部
23 ピックアップ部
27 キャリア
25 エジェクタ部
40 開口
52 エジェクタヘッド
54 エジェクタベース
56 ニードル昇降手段
120A ニードル
W1 ウエハ