(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182357
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】用紙後処理装置、及び用紙後処理システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20231219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B65H37/04 D
G03G15/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095904
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 昌彦
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AB15
2H072CA01
2H072CB01
2H072CB03
2H072CB06
2H072GA08
2H072JA02
3F108GA02
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA32
3F108HA39
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で複数の用紙を積み重ねて用紙束とし、当該用紙束に後処理を実行可能として、後処理装置の小型化を可能にする。
【解決手段】用紙後処理装置20において、駆動制御部58は、記録紙Pが第1主搬送路21を通じて搬送されて来る度に、切換え爪25を第3切換え位置K3に切換えて、記録紙Pを第1主搬送路21から副搬送路23に導き、副搬送路に23よる記録紙の搬送方向を逆方向に反転させ、切換え爪25を第1切換え位置K1に切換えて、記録紙Pを副搬送路23から待避搬送路24に導いて待避させ、切換え爪25を第3切換え位置K1に切換えて、少なくとも1枚の記録紙Pを待避搬送路24から第2主搬送路22に導き、ステイプル部27により少なくとも1枚の記録紙Pを処理させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を該用紙の搬送方向上流側から搬送方向下流側へと搬送する第1主搬送路、及び当該第1主搬送路に繋げて設けられている第2主搬送路と、
前記第1主搬送路と前記第2主搬送路の間で分岐されて、前記用紙を前記第1主搬送路から受け入れて搬送する副搬送路と、
前記第1主搬送路と前記第2主搬送路の間で分岐されて、前記用紙を前記副搬送路から受け入れる待避搬送路と、
前記第1主搬送路を通じて搬送されて来た前記用紙を該第1主搬送路から前記副搬送路に導く第1切換え位置、前記副搬送路に導かれた前記用紙を該副搬送路から前記待避搬送路に導く第2切換え位置、及び前記第1主搬送路を通じて搬送されて来た前記用紙を該第1主搬送路から前記第2主搬送路に導くと共に、前記待避搬送路に導かれた前記用紙を該待避搬送路から前記第2主搬送路に導く第3切換え位置のいずれかに切換えられる切換え部と、
前記第2主搬送路に導かれた複数の用紙を積載した用紙束を処理し、複数部の用紙束を作成して排出する処理部と、
前記処理部による前記複数部の用紙束作成のための動作を制御する駆動制御部とを備え、
前記駆動制御部は、先行部の用紙束の処理中に、後行部の前記用紙が前記第1主搬送路を通じて搬送されてきたときに、前記切換え部を前記第1切換え位置に切換えて、前記用紙を前記第1主搬送路から前記副搬送路に導いて搬送させ、前記副搬送路による前記用紙の搬送途中で該用紙の搬送方向を逆方向に反転させると共に、前記切換え部を前記第2切換え位置に切換えて、前記用紙を前記副搬送路から前記待避搬送路に導いて待避させ、少なくとも1枚の用紙が前記待避搬送路に導かれて待避されている状態で、前記切換え部を前記第3切換え位置に切換えて、前記少なくとも1枚の用紙を前記待避搬送路から前記第2主搬送路に導いて搬送させ、前記処理部により前記少なくとも1枚の用紙を処理させる、用紙後処理装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記少なくとも1枚の用紙が前記待避搬送路に導かれて待避されている状態で、前記切換え部を前記第3切換え位置に切換えて、前記第1主搬送路を通じて搬送されて来た次の用紙を前記第2主搬送路に導くと共に、前記少なくとも1枚の用紙を前記待避搬送路から前記第2主搬送路に導き、前記次の用紙を前記少なくとも1枚の用紙に重ね合わせて前記第2主搬送路を通じて搬送させ、前記処理部により前記次の用紙及び前記少なくとも1枚の用紙を処理させる請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項3】
前記第2主搬送路の用紙排出口に設けられた第1排出トレイと、
前記副搬送路の用紙排出口に設けられた第2排出トレイと、を備え、
前記駆動制御部は、前記切換え部を前記第1切換え位置に切換えて、前記用紙を前記第1主搬送路から前記副搬送路に導いて搬送させ、前記用紙を前記副搬送路から前記第2排出トレイに排出させ、前記切換え部を前記第3切換え位置に切換えて、前記用紙を前記第1主搬送路から前記第2主搬送路に導いて搬送させ、前記用紙を前記第2主搬送路から前記第1排出トレイに排出させる請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、前記処理部により処理された複数の用紙を前記第2主搬送路から前記第1排出トレイに排出させる請求項3に記載の用紙後処理装置。
【請求項5】
原稿の画像を用紙に形成する画像形成装置と、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の用紙後処理装置と、を備え、
前記用紙後処理装置の前記駆動制御部は、前記用紙を前記画像形成装置から受け取って、前記用紙を前記第1主搬送路、前記第2主搬送路、前記副搬送路、又は前記待避搬送路に導いて搬送させ、前記処理部により前記用紙を処理させる用紙後処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束に対して処理を施す用紙後処理装置及び用紙後処理システムに関し、特に、複数の用紙を積み重ねて用紙束にするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、画像読取部により原稿の画像を読取り、画像形成部により原稿の画像を用紙(記録紙)に形成する。また、用紙後処理装置では、原稿の画像が形成された用紙を画像形成装置から受け取って、用紙に対して後処理を施す。用紙後処理装置により実施される後処理としては、複数の用紙を積み重ねて用紙束とし、用紙束の端部を綴じるステイプル処理などがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の後処理装置では、シートの搬送路の途中に待避ドラムを設け、待避ドラムを回転させながら、シートを搬送路から待避ドラムに導いて巻き付け、複数のシートを待避ドラムに巻き付けて待避させた後、各シートを待避ドラムから搬送路に戻してステイプル処理装置へと搬送し、各シートの端部に対してステイプリ処理を施している。
【0004】
また、特許文献2に記載の用紙後処理装置では、1枚目の用紙を第1搬送路から第2搬送路へと逆方向に搬送して、1枚目の用紙を第2搬送路のスタックトレイに待避させ、2枚目の用紙を、第1搬送路を通じて搬送するときに、1枚目の用紙をスタックトレイから引き出して2枚目の用紙に重ねて搬送させ、各用紙を第1搬送路で滞留させ、各用紙を第1搬送路から処理トレイへと搬送し、処理トレイで各用紙に対して後処理を施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-44657号公報
【特許文献2】特開2005-132616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、シートの搬送路の途中に待避ドラムを設けているので、待避ドラムの占有スペースが大きく、これが装置の小型化の弊害となる。
【0007】
また、特許文献2では、用紙をスタックトレイから処理トレイまで搬送する第1搬送路で用紙を滞留させるため、第1搬送路の長さを確保するべく、第1搬送路を湾曲させており、第1搬送路の占有スペースが大きく、これが装置の小型化の弊害となる。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、簡単な構成で複数の用紙を積み重ねて用紙束として当該用紙束に後処理を実行可能とし、後処理装置の小型化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面にかかる用紙後処理装置は、用紙を該用紙の搬送方向上流側から搬送方向下流側へと搬送する第1主搬送路、及び当該第1主搬送路に繋げて設けられている第2主搬送路と、前記第1主搬送路と前記第2主搬送路の間で分岐されて、前記用紙を前記第1主搬送路から受け入れて搬送する副搬送路と、前記第1主搬送路と前記第2主搬送路の間で分岐されて、前記用紙を前記副搬送路から受け入れる待避搬送路と、前記第1主搬送路を通じて搬送されて来た前記用紙を該第1主搬送路から前記副搬送路に導く第1切換え位置、前記副搬送路に導かれた前記用紙を該副搬送路から前記待避搬送路に導く第2切換え位置、及び前記第1主搬送路を通じて搬送されて来た前記用紙を該第1主搬送路から前記第2主搬送路に導くと共に、前記待避搬送路に導かれた前記用紙を該待避搬送路から前記第2主搬送路に導く第3切換え位置のいずれかに切換えられる切換え部と、前記第2主搬送路に導かれた複数の用紙を積載した用紙束を処理し、複数部の用紙束を作成して排出する処理部と、前記処理部による前記複数部の用紙束作成のための動作を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は、先行部の用紙束の処理中に、後行部の前記用紙が前記第1主搬送路を通じて搬送されてきたときに、前記切換え部を前記第1切換え位置に切換えて、前記用紙を前記第1主搬送路から前記副搬送路に導いて搬送させ、前記副搬送路による前記用紙の搬送途中で該用紙の搬送方向を逆方向に反転させると共に、前記切換え部を前記第2切換え位置に切換えて、前記用紙を前記副搬送路から前記待避搬送路に導いて待避させ、少なくとも1枚の用紙が前記待避搬送路に導かれて待避されている状態で、前記切換え部を前記第3切換え位置に切換えて、前記少なくとも1枚の用紙を前記待避搬送路から前記第2主搬送路に導いて搬送させ、前記処理部により前記少なくとも1枚の用紙を処理させる。
【0010】
また、本発明の一局面にかかる用紙後処理システムは、原稿の画像を用紙に形成する画像形成装置と、上記本発明に係る用紙後処理装置と、を備え、前記用紙後処理装置の前記駆動制御部は、前記用紙を前記画像形成装置から受け取って、前記用紙を前記第1主搬送路、前記第2主搬送路、前記副搬送路、又は前記待避搬送路に導いて搬送させ、前記処理部により前記用紙を処理させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構成で複数の用紙を積み重ねて用紙束として当該用紙束に後処理が実行可能になり、後処理装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る用紙後処理システムにおける画像形成装置及び用紙後処理装置を示す断面図である。
【
図2】(A)は用紙後処理装置を拡大して示す断面図であり、(B)は用紙後処理装置の切換え爪の周辺を更に拡大して示す断面図である。
【
図3】画像形成装置及び用紙後処理装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】(A)は記録紙を用紙後処理装置の第1排出トレイに排出させるための経路を示す図であり、(B)は記録紙を用紙後処理装置の第2排出トレイに排出させるための経路を示す図である。
【
図5】(A)は用紙後処理装置の切換え爪を第1切換え位置に切換えたときの記録紙の経路を示す図であり、(B)は第1切換え位置の切換え爪の周辺を拡大して示す図である。
【
図6】(A)は用紙後処理装置の切換え爪を第2切換え位置に切換えたときの記録紙の経路を示すであり、(B)は第2切換え位置の切換え爪の周辺を拡大して示す図である。
【
図7】(A)は用紙後処理装置の第1主搬送路の記録紙及び待避搬送路の記録紙を示すであり、(B)は第3切換え位置の切換え爪の周辺を拡大して示す図である。
【
図8】(A)は用紙後処理装置の切換え爪を第3切換え位置に切換えたときの各記録紙の経路を示すであり、(B)は第3切換え位置の切換え爪の周辺を拡大して示す図である。
【
図9】(A)、(B)は、用紙後処理装置のステイプル部による各記録紙の後側の端部の処理過程を示す図ある。
【
図10】(A)、(B)は、
図9(A)、(B)に引き続くステイプル部による各記録紙の後側の端部の処理過程を示す図ある。
【
図11】用紙後処理装置によるステイプルモードの制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る用紙後処理システムにおける画像形成装置及び用紙後処理装置を示す断面図である。本実施形態に係る用紙後処理システムSyは、原稿の画像を読取って記録紙(用紙)に形成する画像形成装置10と、記録紙を画像形成装置10から受け取って、記録紙に対して後処理を施す用紙後処理装置20とを備えている。
【0014】
画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。画像読取部11では、複数の原稿を原稿トレイ1から順次引き出して搬送しつつ、各原稿の画像を撮像素子により読取り、各原稿を排出トレイ2に順次排出して重ねる。各原稿の画像毎に、撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0015】
画像形成部12は、複数の原稿の画像を示すそれぞれの画像データを逐次入力する度に、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷する。画像形成部12は、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録用紙Pに2次転写される。
【0016】
画像形成部12により各原稿の画像がそれぞれの記録紙Pに順次形成され、各記録紙Pが定着部15で逐次加熱及び加圧されて、各記録紙P上のそれぞれのトナー像が熱圧着により逐一定着される。各記録紙Pは、搬送ローラー18を通じて用紙後処理装置20へと順次搬送される。
【0017】
一方、用紙後処理装置20は、画像形成装置10からの記録紙Pを受け入れて搬送する第1主搬送路21と、記録紙Pを第1主搬送路21から受け入れて搬送する第2主搬送路22と、第1主搬送路21と第2主搬送路22の間で分岐されて、記録紙Pを第1主搬送路21から受け入れて搬送する副搬送路23と、第1主搬送路21と第2主搬送路22の間で分岐されて、記録紙Pを副搬送路23から受け入れる待避搬送路24と、第1主搬送路21、第2主搬送路22、副搬送路23、及び待避搬送路24の分岐箇所に設けられた切換え爪25と、第2主搬送路22の下方に設けられた中間トレイ26及びステイプル部27と、第2主搬送路22から排出された記録紙Pを受ける第1排出トレイ28と、副搬送路23から排出された記録紙Pを受ける第2排出トレイ29とを備えている。
【0018】
図2(A)は、用紙後処理装置20を拡大して示す断面図であり、
図2(B)は切換え爪25の周辺を更に拡大して示す断面図である。
【0019】
図2(A)に示すように第1主搬送路21には、画像形成装置10からの記録紙Pを受け入れる搬入ローラー31、及び記録紙Pを搬送する搬送ローラー32が設けられている。また、第2主搬送路22には、記録紙Pを搬送する搬送ローラー33、及び記録紙Pを第1排出トレイ28に排出する排出ローラー34が設けられ、また第2主搬送路22の下方に中間トレイ26が配置され、中間トレイ26の一端側にステイプル部27が配置されている。
【0020】
副搬送路23には、記録紙Pを搬送する2組の搬送ローラー35、36、及び記録紙Pを第2排出トレイ29に排出する排出ローラー37が設けられている。また、待避搬送路24には、記録紙Pを搬送する2組の待避ローラー38、39が設けられている。
【0021】
2組の待避ローラー38、39のいずれも、相互に接離する一対のローラーで構成され、互に離間した一対のローラーの間を記録紙Pが自在に通過し、互いに接した一対のローラーにより記録紙Pが搬送される。
【0022】
また、第1主搬送路21における搬送ローラー32よりも記録紙Pの搬送方向上流側の位置には、記録紙Pの先端を検出する先端センサー53が設けられ、また副搬送路23における2組の搬送ローラー35、36の間の位置には、記録紙Pの後端を検出する後端センサー54が設けられ、更に待避搬送路24の上端の位置には、記録紙Pの先端を検出する先端センサー55が設けられ、また第2主搬送路22における排出ローラー34よりも記録紙Pの搬送方向上流側の位置には、記録紙Pの後端を検出する後端センサー56が設けられている。
【0023】
図2(A)、(B)に示すように切換え爪25は、支軸25Aを中心にして回転自在に支持されて、切換え駆動部52(
図3に示す)により一定の角度範囲で往復回転され、第1切換え位置K1、及び第2切換え位置K2、及び第3切換え位置K3のいずれかの姿勢に切り換えられる。
【0024】
切換え爪25が第1切換え位置K1に切換えられている場合、記録紙Pが第1主搬送路21を通じて分岐箇所へと搬送されると、記録紙Pの先端が切換え爪25の上面25Bに摺接して副搬送路23へと導かれ、記録紙Pが副搬送路23を通じて搬送される。
【0025】
また、切換え爪25が第2切換え位置K2に切換えられている場合、後で述べるように副搬送路23へと導かれた記録紙Pの搬送方向が逆方向に反転され、記録紙Pの後端が切換え爪25の上面25Bに摺接して待避搬送路24へと導かれて、記録紙Pが待避搬送路24に待避される。
【0026】
更に、切換え爪25が第3切換え位置K3に切換えられている場合、記録紙Pが第1主搬送路21を通じて分岐箇所へと搬送されると、記録紙Pの先端が切換え爪25の下面25Cに摺接して第2主搬送路22へと導かれ、記録紙Pが第2主搬送路22を通じて搬送される。
【0027】
また、記録紙Pが待避搬送路24に待避されている状態で、切換え爪25が第3切換え位置K3に切換えられて、記録紙Pが待避搬送路24から引き出されて搬送されると、記録紙Pの先端が切換え爪25の下面25Cに摺接して第2主搬送路22へと導かれて、記録紙Pが第2主搬送路22を通じて搬送される。
【0028】
尚、第1主搬送路21、第2主搬送路22、副搬送路23、及び待避搬送路24による記録紙Pの搬送速度は、同一速度に設定されている。
【0029】
次に、画像形成装置10及び用紙後処理装置20の制御に係る構成について説明する。
図3は、画像形成装置10及び用紙後処理装置20の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部41と、操作部42と、タッチパネル43と、記憶部44と、制御部46と、インターフェイス47とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0030】
表示部41は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0031】
操作部42は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。
【0032】
表示部41の画面には、タッチパネル43が配置されている。タッチパネル43は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル43に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御部46などに出力する。
【0033】
記憶部44は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0034】
制御部46は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等であり、上記のROM又は記憶部44に記憶されている制御プログラムを実行して、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。
【0035】
制御部46は、画像読取部11、画像形成部12、表示部41、操作部42、タッチパネル43、記憶部44、及びインターフェイス47などと接続されており、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0036】
また、制御部46は、表示部41の表示動作を制御する機能を有する。更に、制御部46は、タッチパネル43から出力される検知信号あるいは操作部42の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受付ける。例えば、制御部46は、タッチパネル43を通じて表示部41の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)などに対するタッチ操作を受付ける。
【0037】
また、用紙後処理装置20は、ステイプル部27と、搬送駆動部51と、切換え駆動部52と、先端センサー53、55と、後端センサー54、56と、駆動制御部58と、インターフェイス59とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0038】
搬送駆動部51は、搬入ローラー31、各搬送ローラー32、33、35、36、各待避ローラー38、39、各排出ローラー34、37などを回転させるためのモーター、クラッチ、ギアユニットなどを備えて構成される。また、搬送駆動部51は、各待避ローラー38、39を互いに接離させるためのアクチュエーターも備えている。
【0039】
切換え駆動部52は、切換え爪25をその支軸25Aを中心に回転させて、切換え爪25を第1切換え位置K1、第2切換え位置K2、及び第3切換え位置K3のいずれかに切換えるアクチュエーターである。
【0040】
先端センサー53は、例えば発光素子及び受光素子を備える光学式の反射型センサーであり、第1主搬送路21で搬送されている記録紙Pの先端を検出する。
【0041】
また、後端センサー54は、例えば光学式の反射型センサーであり、副搬送路23で搬送されている記録紙Pの後端を検出する。
【0042】
更に、先端センサー55は、例えば光学式の反射型センサーであり、待避搬送路24から引き出された記録紙Pの先端を検出する。
【0043】
また、後端センサー56は、例えば光学式の反射型センサーであり、第2主搬送路22で搬送されている記録紙Pの後端を検出する。
【0044】
駆動制御部58は、用紙後処理装置20の全体的な動作制御を司る。駆動制御部58は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成され、ROMに記憶されている制御プログラムを実行して、搬送駆動部51を駆動制御して、搬入ローラー31、各搬送ローラー32、33、35、36、各待避ローラー38、39、各排出ローラー34、37などを回転させ、各待避ローラー38、39を互いに接離させ、また切換え駆動部52を駆動制御して、切換え爪25を第1切換え位置K1、第2切換え位置K2、及び第3切換え位置K3のいずれかに切換える。
【0045】
また、駆動制御部58は、先端センサー53の検出出力に基づき第1主搬送路21で搬送される記録紙Pの先端の検出タイミングを判定し、後端センサー54の検出出力に基づき副搬送路23で搬送される記録紙Pの後端の検出タイミングを判定する。更に、駆動制御部58は、先端センサー55の検出出力に基づき待避搬送路24から引き出された記録紙Pの先端の検出タイミングを判定し、後端センサー56の検出出力に基づき第2主搬送路22で搬送される記録紙Pの後端の検出タイミングを判定する。
【0046】
画像形成装置10の制御部46と用紙後処理装置20の駆動制御部58は、それぞれのインターフェイス47、59を通じて、データ又は信号を互いに入出力する。例えば、画像形成装置10の制御部46は、用紙後処理装置20による後処理を示す制御信号を用紙後処理装置20の駆動制御部58に出力し、用紙後処理装置20の駆動制御部58がその制御信号に応じて搬送駆動部51及び切換え駆動部52を駆動制御することにより、用紙後処理装置20の動作を制御する。
【0047】
このような構成の用紙後処理システムSyにおいて、例えば、ユーザーは、複数の原稿を画像読取部11の原稿トレイ1にセットし、タッチパネル43を通じて表示部41の画面に表示されているGUIを操作して、記録紙の排出先として第1排出トレイ28又は第2排出トレイ29を指定する指定指示を操作部42に入力し、操作部42のスタートキーを操作して、原稿読取指示を入力する。
【0048】
操作部42に上記指定指示及び上記原稿読取指示が受け付けられると、画像形成装置10の制御部46は、第1排出トレイ28又は第2排出トレイ29を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。制御部46は、これと同時に画像読取部11により各原稿の画像を順次読取らせて、各原稿の画像を画像形成部12によりそれぞれの記録紙Pに逐次形成させ、これらの記録紙Pを用紙後処理装置20に逐一搬送させる。
【0049】
用紙後処理装置20の駆動制御部58は、第1排出トレイ28又は第2排出トレイ29を示す制御信号を、インターフェイス59を通じて受け取ると、その制御信号に基づき、搬送駆動部51及び切換え駆動部52を駆動制御して、切換え爪25を第3切換え位置K3又は第1切換え位置K1に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、第1主搬送路21、第2主搬送路22又は副搬送路23による記録紙の搬送を開始させ、画像形成装置10から搬送されて来た各記録紙Pを第1主搬送路21に逐次受け入れて搬送させる。
【0050】
図4(A)に示すように切換え爪25が第3切換え位置K3に切換えられている場合、各記録紙Pは、第1主搬送路21から切換え爪25の下面25Cを介して第2主搬送路22へと搬送され、第1排出トレイ28に排出される。また、
図4(B)に示すように切換え爪25が第1切換え位置K1に切換えられている場合、各記録紙Pは、第1主搬送路21から切換え爪25の上面25Bを介して副搬送路23へと搬送され、第2排出トレイ29に排出される。
【0051】
また、用紙後処理装置20は、画像形成装置10により複数の原稿の画像が形成されたそれぞれの記録紙Pを中間トレイ26に積載し、各記録紙Pの端部を用紙後処理装置20のステイプル部27により綴じて、各記録紙Pを束ねるというステイプルモードを実行する。このステイプルモードを実行する場合、ユーザーは、複数の原稿を画像読取部11の原稿トレイ1にセットし、タッチパネル43を通じて表示部41の画面に表示されているGUIを操作して、ステイプルモードを指定するモード指定指示を操作部42に入力すると共に、束にされる各記録紙Pの枚数Nを指定する枚数指定指示を操作部42に入力し、操作部42のスタートキーを操作して、後処理実行指示を操作部42に入力する。
【0052】
操作部42に上記モード指定指示、上記枚数指定指示、及び上記後処理実行指示が受け付けられると、画像形成装置10の制御部46は、ステイプルモードを示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。制御部46は、これと同時に画像読取部11により各原稿の画像を順次読取らせて、各原稿の画像を画像形成部12によりそれぞれの記録紙Pに逐次形成させ、これらの記録紙Pを用紙後処理装置20に逐一搬送させる。
【0053】
用紙後処理装置20の駆動制御部58は、ステイプルモードを示す制御信号を、インターフェイス59を通じて受け取ると、その制御信号に基づきステイプルモードを設定し、切換え駆動部52を駆動制御して、切換え爪25を第1切換え位置K1又は第2切換え位置K2に適宜のタイミングで切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、画像形成装置10から搬送されて来た記録紙Pを第1主搬送路21→副搬送路23→待避搬送路24という順序で搬送させ、少なくとも1枚の記録紙Pを待避搬送路24に待避させる。
【0054】
画像形成装置10の制御部46は、それぞれの原稿の画像が形成された各記録紙Pの枚数が、ステイプルモードと共に指示された束にされる各記録紙Pの枚数Nに達する、すなわち、原稿の画像がN枚目の最後の記録紙Pに形成されると、この最後の記録紙Pを用紙後処理装置20に搬送させるときに、最後の記録紙Pである旨を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0055】
用紙後処理装置20の駆動制御部58は、最後の記録紙Pである旨を示す制御信号を、インターフェイス59を通じて受け取ると、切換え駆動部52を駆動制御して、切換え爪25を第3切換え位置K3に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、N枚目の最後の記録紙Pを第1主搬送路21から第2主搬送路22へと搬送させると共に、待避搬送路24に待避載さている少なくとも1枚の記録紙Pを該待避搬送路24から第2主搬送路22へと搬送させて、N枚の各記録紙Pを中間トレイ26に積載させ、N枚の各記録紙Pの端部を用紙後処理装置20のステイプル部27により綴じさせて、各記録紙Pの束を第1排出トレイ28に排出させる。
【0056】
次に、上記のステイプルモードの制御手順を、
図5~
図12を参照しつつ、詳しく説明する。
【0057】
用紙後処理装置20の駆動制御部58は、ステイプルモードを設定すると、切換え駆動部52を駆動制御して、
図5(A)、(B)に示すように切換え爪25を第1切換え位置K1に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、待避搬送路24における2組の待避ローラー38、39のいずれも一対のローラーが互いに離間した状態に設定し、第1主搬送路21及び副搬送路23による記録紙Pの搬送動作を開始させる。1枚目の記録紙Pは、画像形成装置10から用紙後処理装置20の搬入ローラー31を通じて第1主搬送路21に搬入され、第1主搬送路21を通じて第1切換え位置K1の切換え爪25に導かれ、切換え爪25の上面25Bにより副搬送路23へと導かれて搬送される。
【0058】
後端センサー54は、副搬送路23を通じて搬送されている1枚目の記録紙Pの後端を検出する。駆動制御部58は、後端センサー54からの記録紙Pの後端ありを示す検出出力に基づき1枚目の記録紙Pの後端の検出タイミングを判定し、この検出タイミングで切換え駆動部52を駆動制御して、
図6(A)、(B)に示すように切換え爪25を第2切換え位置K2に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、副搬送路23の2組の搬送ローラー35、36及び排出ローラー37を停止させてから逆回転させ、1枚目の記録紙Pを逆方向に搬送させる。1枚目の記録紙Pは、副搬送路23から第2切換え位置K2の切換え爪25の上面25Bにより待避搬送路24へと導かれ、2組の待避ローラー38、39の互いに離間された一対のローラーの間に通され、待避搬送路24の終端部に当接する。これにより、1枚目の記録紙Pが待避搬送路24に待避される。
【0059】
次に、2枚目以降の次の記録紙Pについては、画像形成装置10の制御部46は、それぞれの原稿の画像が形成された各記録紙Pの枚数が、ステイプルモードと共に指示された束にされる各記録紙Pの枚数Nに達したか否か、つまり原稿の画像がN枚目の最後の記録紙Pに形成されたか否かを判定する。そして、制御部46は、次の記録紙Pが最後でないと判定すると、その記録紙Pが最後でない旨を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。また、制御部46は、次の記録紙Pが最後であると判定すると、その記録紙Pが最後である旨を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0060】
用紙後処理装置20駆動制御部58は、次の記録紙Pが最後でない旨を示す制御信号を、インターフェイス59を通じて受け取ると、次の記録紙Pが最後でないことから、1枚目の記録紙Pと同様の手順で、次の記録紙Pを待避搬送路24に導いて待避させる。
【0061】
従って、最後でない次の記録紙Pは、
図5(A)、(B)に示すように画像形成装置10から用紙後処理装置20の第1主搬送路21に搬入されて、第1切換え位置K1の切換え爪25の上面25Bにより第1主搬送路21から副搬送路23へと導かれ、更に
図6(A)、(B)に示すように第2切換え位置K2の切換え爪25の上面25Bにより副搬送路23から待避搬送路24へと導かれて待避される。これにより、複数枚の記録紙Pが待避搬送路24で重ねられて待避される。
【0062】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部58は、次の記録紙Pが最後である旨を示す制御信号を、インターフェイス59を通じて受け取ると、切換え駆動部52を駆動制御して、
図7(A)、(B)に示すように切換え爪25を第3切換え位置K3に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、待避搬送路24における2組の待避ローラー38、39のいずれも一対のローラーが互いに接する状態に設定し、2組の待避ローラー38、39を回転させて、記録紙Pを待避搬送路24から引き出させる。このとき、先端センサー55は、待避搬送路24の上端の位置で、引き出された記録紙Pの先端を検出する。駆動制御部58は、先端センサー55の検出出力に基づき待避搬送路24から引き出された記録紙Pの先端の検出タイミングを判定し、搬送駆動部51を駆動制御して、その検出タイミングで2組の待避ローラー38、39を停止させて、記録紙Pの搬送を一旦停止させる。
【0063】
従って、次の記録紙Pが最後である場合は、切換え爪25が第3切換え位置K3に切換えられ、また待避搬送路24に待避されている記録紙Pが搬送されて引き出され、この引き出された記録紙Pの先端が待避搬送路24の上端に達すると、この記録紙Pの搬送が一旦停止される。
【0064】
例えば、3枚目の記録紙Pが最後である場合は、待避搬送路24に待避されている1枚目と2枚目の各記録紙Pの先端が待避搬送路24の上端に達するまで、各記録紙Pが待避搬送路24から引き出される。同様に、n(n=4、5、…)枚目の記録紙Pが最後である場合は、待避搬送路24に待避されている1枚目~(n-1)枚目の各記録紙Pの先端が待避搬送路24の上端に達するまで、各記録紙Pが待避搬送路24から引き出される。
【0065】
また、2枚目の記録紙Pが最後である場合は、待避搬送路24に待避されている1枚目の記録紙Pのみが引き出されて、この記録紙Pの先端が待避搬送路24の上端に達する。
【0066】
一方、最後となる次の記録紙Pは、画像形成装置10から第1主搬送路21に搬入され、第1主搬送路21を通じて搬送される。先端センサー53は、最後の記録紙Pの先端を検出する。駆動制御部58は、先端センサー53からの記録紙Pの先端ありを示す検出出力に基づき、第1主搬送路21における最後の記録紙Pの先端の検出タイミングを判定し、この検出タイミングより予め設定された一定時間が経過した時点を、最後の記録紙Pの先端が第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cに到達する到達タイミングとして算出する。先端センサー53による記録紙Pの先端の検出位置から第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cまでの距離、及び第1主搬送路21による記録紙Pの搬送速度が既知であるから、その一定時間を予め算出して駆動制御部58に設定する。
【0067】
また、駆動制御部58は、上記到達タイミングで待避搬送路24から引き出されて一旦停止されていた記録紙Pの先端が第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cに到達するように、搬送駆動部51を駆動制御して、2組の待避ローラー38、39の回転を開始させ、待避搬送路24による記録紙Pの搬送を再開させる。例えば、2組の待避ローラー38、39の回転を開始させて、待避搬送路24による記録紙Pの搬送を再開させてから、待避搬送路24の上端まで引き出されていた記録紙Pの先端が第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cに到達するまでの時間を予め測定しておき、上記到達タイミングよりその測定された時間だけ遡った時点で2組の待避ローラー38、39の回転を開始させる。これにより、上記到達タイミングで、その記録紙Pの先端を第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cに到達させる。
【0068】
これにより、
図8(A)、(B)に示すように最後の記録紙Pの先端と、待避搬送路24から引き出された少なくとも1枚の記録紙Pの先端とが、第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cに同時に到達し、最後の記録紙Pと、当該引き出された少なくとも1枚の記録紙P(束にされるN枚の各記録紙P)が重ね合わされ、第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cを通過して第2主搬送路22へと導かれる。
【0069】
駆動制御部58は、搬送駆動部51を駆動制御して、例えば上記到達タイミングで第2主搬送路22による記録紙の搬送動作を開始させ、束にされるN枚の各記録紙Pを重ね合わせて第2主搬送路22を通じて搬送させる。
【0070】
このとき、後端センサー56は、第2主搬送路22を通じて搬送されているN枚の各記録紙Pの後端を検出する。駆動制御部58は、後端センサー56からのN枚の各記録紙Pの後端ありを示す検出出力に基づき、N枚の各記録紙Pの後端の検出タイミングを判定すると、搬送駆動部51を駆動制御して、その検出タイミングで、
図9(A)、(B)に示すように第2主搬送路22の搬送ローラー33、排出ローラー34を停止させてから、排出ローラー34を逆回転させ、N枚の各記録紙Pを逆方向に搬送させる。これにより、N枚の各記録紙Pの後端が中間トレイ26まで下降し、N枚の各記録紙Pが中間トレイ26上でステイプル部27に接近する方向に移動される。
【0071】
駆動制御部58は、N枚の各記録紙Pの後端の検出タイミングからの経過時間を計時して、この経過時間が予め設定された規定時間に到達すると、N枚の各記録紙Pの後側の端部がステイプル部27による処理の位置に到達したものとみなして、
図10(A)に示すように第2主搬送路22の搬送ローラー33、排出ローラー34による逆方向の搬送を停止させ、ステイプル部27を駆動制御して、ステイプル部27によりN枚の各記録紙Pの後側の端部を綴じさせて、N枚の各記録紙Pを記録紙束PPにする。後端センサー56によるN枚の各記録紙Pの後端の検出位置からステイプル部27による処理の位置までの距離、及び第2主搬送路22による記録紙の搬送速度が既知であるから、上記規定時間を予め算出して駆動制御部58に設定しておく。
【0072】
駆動制御部58は、搬送駆動部51を駆動制御して、
図10(B)に示すように第2主搬送路22による記録紙束PPの搬送動作を再開させ、記録紙束PPを、排出ローラー34を通じて第1排出トレイ28に排出させる。
【0073】
更に、
図9(A)、(B)及び
図10(A)、(B)に示すようにN枚の各記録紙Pを処理している際に、ステイプル部27の処理対象となる別のN枚の各記録紙Pが画像形成装置10から用紙後処理装置20の第1主搬送路21へと搬送されて来た場合、用紙後処理装置20による別のN枚の各記録紙Pの処理が先行するN枚の各記録紙Pの処理と並行して進められる。
【0074】
駆動制御部58は、
図9(A)に示すように、後端センサー56からの各記録紙Pの後端ありを示す検出出力に基づいて各記録紙Pの後端の検出タイミングを判定したときに、切換え駆動部52を駆動制御して、
図9(B)に示すように切換え爪25を第1切換え位置K1に切換え、記録紙Pを第1主搬送路21から第1切換え位置K1の切換え爪25を介して副搬送路23へと導く。そして、駆動制御部58は、副搬送路23を通じての記録紙Pの搬送途中で、後端センサー54の検出出力に基づき記録紙Pの後端の検出タイミングを判定すると、切換え駆動部52を駆動制御して、
図10(A)に示すように切換え爪25を第2切換え位置K2に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、副搬送路23により記録紙Pを逆方向に搬送させ、記録紙Pを副搬送路23から第2切換え位置K2の切換え爪25の上面25Bを介して待避搬送路24へと導いて待避させる。
【0075】
2枚目以降の記録紙Pについても、駆動制御部58は、
図9(B)に示すように切換え爪25を第1切換え位置K1に切換え、記録紙Pを第1主搬送路21から第1切換え位置K1の切換え爪25を介して副搬送路23へと導き、更に
図10(A)に示すように切換え爪25を第2切換え位置K2に切換え、記録紙Pを副搬送路23から第2切換え位置K2の切換え爪25の上面25Bを介して待避搬送路24へと導いて待避させる。
【0076】
あるいは、2枚目以降の記録紙Pが最後である場合、駆動制御部58は、切換え駆動部52を駆動制御して、
図7(A)、(B)に示すように切換え爪25を第3切換え位置K3に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、第1主搬送路21により最後の記録紙Pを搬送させると共に、待避搬送路24により記録紙Pを引き出させ、
図8(A)、(B)に示すように第1主搬送路21を通じて搬送されて来た最後の記録紙Pの先端と待避搬送路24から引き出された記録紙Pの先端を第3切換え位置K3の切換え爪25の下面25Cで揃え、これらの記録紙P(束にされる別のN枚の各記録紙P)を重ね合わせて第2主搬送路22へと導き搬送させる。
【0077】
従って、
図9(A)、(B)及び
図10(A)、(B)に示すようにN枚の各記録紙Pを後処理(ステイプル処理)しているときでも、ステイプル部27の処理対象となる別のN枚の各記録紙Pを画像形成装置10から用紙後処理装置20へと搬送して、用紙後処理装置20による別のN枚の各記録紙Pの処理を進めることができ、用紙後処理システムSyの処理効率の低下を防止することができる。
【0078】
次に、上記のステイプルモードの制御手順を、
図11に示すフローチャートを参照しつつ整理して説明する。
【0079】
用紙後処理装置20の駆動制御部58は、ステイプルモードを設定し(S101)、切換え駆動部52を駆動制御して、
図5(A)、(B)に示すように切換え爪25を第1切換え位置K1に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、待避搬送路24における2組の待避ローラー38、39を離間状態に設定し、第1主搬送路21及び副搬送路23による記録紙Pの搬送動作を開始させ(S102)、1枚目の記録紙Pを第1主搬送路21から第1切換え位置K1の切換え爪25の上面25Bを通じて副搬送路23へと導かせ(S103)、更に切換え駆動部52を駆動制御して、
図6(A)、(B)に示すように切換え爪25を第2切換え位置K2に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、1枚目の記録紙Pを副搬送路23から第2切換え位置K2の切換え爪25の上面25Bを通じて待避搬送路24へと導かせて待避させる(S104)。
【0080】
駆動制御部58は、次の記録紙Pが最後であるか否かを判定し(S105)、次の記録紙Pが最後でなければ(S105「No」)、S102~S104を繰り返して、次の記録紙Pを待避搬送路24へと導かせて待避させる。
【0081】
駆動制御部58は、次の記録紙Pが最後であれば(S105「Yes」)、切換え駆動部52を駆動制御して、
図7(A)、(B)に示すように切換え爪25を第3切換え位置K3に切換え、搬送駆動部51を駆動制御して、待避搬送路24における2組の待避ローラー38、39を接触状態に設定し、2組の待避ローラー38、39を回転させて、少なくとも1枚の記録紙Pを待避搬送路24から引き出させ、先端センサー55の検出出力に基づき2組の待避ローラー38、39を停止させて、少なくとも1枚の記録紙Pの先端を待避搬送路24の上端で一旦停止させる(S106)。
【0082】
駆動制御部58は、先端センサー53の検出出力に基づき第1主搬送路21を通じて搬送されている最後の記録紙Pの先端の検出タイミングを判定し、この検出タイミングに基づき、最後の記録紙Pの先端が第3切換え位置K3の切換え爪25の下面に到達する到達タイミングを算出し、
図8(A)、(B)に示すようにその到達タイミングで待避搬送路24から引き出されて停止されている少なくとも1枚の記録紙Pの先端が第3切換え位置K3の切換え爪25の下面に到達するように、搬送駆動部51を駆動制御して、2組の待避ローラー38、39の回転を開始させる(S107)。
【0083】
駆動制御部58は、搬送駆動部51を駆動制御して、上記到達タイミングで第2主搬送路22による記録紙の搬送動作を開始させ、最後の記録紙Pと待避搬送路24から引き出された少なくとも1枚の記録紙P(束にされるN枚の各記録紙P)を重ね合わせて第2主搬送路22を通じて搬送させる(S108)。
【0084】
駆動制御部58は、後端センサー56の検出出力に基づきN枚の各記録紙Pの後端の検出タイミングを判定すると、搬送駆動部51を駆動制御して、その検出タイミングで、
図9(A)、(B)に示すように第2主搬送路22の搬送ローラー33、排出ローラー34を停止させてから、排出ローラー34を逆回転させて、N枚の各記録紙Pを逆方向に搬送させ、
図10(A)に示すようにN枚の各記録紙Pの後側の端部をステイプル部27による処理の位置に到達させる。駆動制御部58は、ステイプル部27を駆動制御して、ステイプル部27によりN枚の各記録紙Pの後側の端部を綴じさせる(S109)。
【0085】
駆動制御部58は、搬送駆動部51を駆動制御して、
図10(B)に示すように第2主搬送路22による記録紙束PPの搬送動作を再開させ、記録紙束PPを、排出ローラー34を通じて第1排出トレイ28に排出させる(S110)。
【0086】
更に、駆動制御部58は、S109、S110でN枚の各記録紙Pを処理している際に、ステイプル部27の処理対象となる別のN枚の各記録紙Pが画像形成装置10から用紙後処理装置20の第1主搬送路21へと搬送されて来ると、S102~S108を並行させて実施する。これにより、用紙後処理システムSyの処理効率の低下が防止される。
【0087】
このように本実施形態では、各記録紙Pを画像形成装置10から用紙後処理装置20の第1主搬送路21に逐次受け入れ、少なくとも1枚の記録紙Pを第1主搬送路21から副搬送路23を介して待避搬送路24に搬送して待避させ、最後の記録紙Pを第1主搬送路21から第2主搬送路22へと搬送させると共に、少なくとも1枚の記録紙Pを待避搬送路24から第2主搬送路22へと搬送して、各記録紙Pを重ね合わせて搬送し、各記録紙Pを中間トレイ26に積載させ、各記録紙Pの端部を用紙後処理装置20のステイプル部27により綴じて、記録紙束PPを第1排出トレイ28に排出させている。
【0088】
また、各記録紙Pの後ろ側の端部を綴じる処理に際し、ステイプル部27の処理対象となる別の複数枚の記録紙Pが画像形成装置10から用紙後処理装置20へと搬送されて来ても、用紙後処理装置20による別の複数枚の記録紙Pの処理を進めることができ、用紙後処理システムSyの処理効率の低下を防止することができる。
【0089】
更に、各記録紙Pを待避させる待避搬送路24は、その厚みを抑えることができるので、その占有スペースが小さく、用紙後処理装置20の小型化を図ることができる。
【0090】
従って、本実施形態では、第1主搬送路21、第2主搬送路22、及び副搬送路23を備える構成に対して、待避搬送路24を追加して設けることにより構成を実現できるため、簡単な構成で複数の用紙を積み重ねて用紙束とし、当該用紙束に後処理が実行可能になり、後処理装置の小型化が可能になる。
【0091】
尚、
図1乃至
図11を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0092】
10 画像形成装置
11 画像読取部
12 画像形成部
20 用紙後処理装置
21 第1主搬送路
22 第2主搬送路
23 副搬送路
24 待避搬送路
26 中間トレイ
27 ステイプル処理部
41 表示部
42 操作部
43 タッチパネル
44 記憶部
46 制御部
47 インターフェイス
51 搬送駆動部
52 切換え駆動部
58 駆動制御部
59 インターフェイス