(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182361
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】誘導加熱調理器
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H05B6/12 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095914
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】徳山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃裕
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151BA55
3K151BA56
3K151BA66
3K151CA75
(57)【要約】
【課題】加熱対象物を効率良く加熱する。
【解決手段】本開示に係る誘導加熱調理器は、加熱対象物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置され、前記加熱対象物を誘導加熱する加熱コイルユニットと、前記トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において前記加熱コイルユニットが配置される加熱領域の少なくとも内側で、前記加熱対象物を載置して加熱するための位置の基準となる基準位置を指し示す複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射するように構成される第1発光装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、前記加熱対象物を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において前記加熱コイルユニットが配置される加熱領域の少なくとも内側で、前記加熱対象物を載置して加熱するための位置の基準となる基準位置を指し示す複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射するように構成される第1発光装置と、
を備える、誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱コイルユニットは、平面視において互いに隙間を有して配置される複数のコイルピースを含み、
前記第1発光装置は、前記複数のコイルピースの間の前記隙間から前記トッププレートに対して前記複数の直線状の光を照射するように構成される、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記第1発光装置は、
発光素子と、
前記発光素子から発した光を前記トッププレートに導く導光体と、
を含む、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱コイルユニットは、平面視において互いに隙間を有して配置される複数のコイルピースを含み、
前記導光体は、前記複数のコイルピースの間の前記隙間に配置され、且つ前記発光素子から離れるのに伴い、前記トッププレートへ近づく方向に連続して湾曲する導光路を有する、
請求項3に記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記発光素子は、平面視において前記基準位置と重なる位置に配置され、
前記導光体は、平面視において前記基準位置から前記加熱領域の外側に向かって延びる線上に配置されている、
請求項4に記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
前記導光体は、前記発光素子から発した前記光を前記トッププレートに向けて屈折させるレンズ、又は前記発光素子から発した前記光を前記トッププレートに向けて反射させるミラーを有する、
請求項3に記載の誘導加熱調理器。
【請求項7】
前記複数のコイルピースは、平面視において放射状に配置され、且つ等間隔に配置される、
請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項8】
前記第1発光装置は、平面視において前記複数の直線状の光を前記加熱領域の内側のみに前記トッププレートに対して照射する、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項9】
前記第1発光装置は、平面視において前記複数の直線状の光を前記加熱領域の内側と外側とに連続して延びるように前記トッププレートに対して照射する、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項10】
前記第1発光装置は、前記トッププレートに対して照射した前記複数の直線状の光の明度を前記基準位置に向かって小さくするか、又は、前記複数の直線状の光の線幅方向において前記複数の直線状の光の明度を前記複数の直線状の光の内側に向かって小さくなるように構成される、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項11】
前記トッププレートは、前記第1発光装置から照射された前記複数の直線状の光を、直線状に並んだ複数の点状の光に変更するように構成される、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項12】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、
前記火力情報に基づいて前記複数の直線状の光の明度を変化させる、
請求項9に記載の誘導加熱調理器。
【請求項13】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、
前記火力情報に基づいて前記トッププレート上に表示される前記複数の直線状の光の数を変化させる、
請求項9に記載の誘導加熱調理器。
【請求項14】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記トッププレートは、前記第1発光装置から照射された前記複数の直線状の光を、直線状に並んだ複数の点状の光に変更するように構成されており、
前記制御部は、
前記加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、
前記火力情報に基づいて前記トッププレート上に表示される前記複数の点状の光の数を変化させる、
請求項9に記載の誘導加熱調理器。
【請求項15】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記加熱コイルユニットが加熱を開始する前に、前記第1発光装置から前記複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射させる、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項16】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記加熱コイルユニットが加熱している間、平面視において前記加熱領域の内側で前記第1発光装置から前記トッププレートに対して照射される前記複数の直線状の光を消灯させる、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項17】
前記加熱コイルユニット及び前記第1発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記加熱コイルユニットが加熱している間、平面視において前記加熱領域の外側へ所定の距離離れた位置より内側で前記第1発光装置から前記トッププレートに対して照射される前記複数の直線状の光を消灯させる、
請求項9に記載の誘導加熱調理器。
【請求項18】
前記トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において前記加熱領域の外側で前記トッププレートに対して1つ又は複数の光を照射するように構成される第2発光装置をさらに備える、
請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項19】
前記加熱領域は、平面視において前記加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の境界ラインと、前記加熱領域の外周を画定する外周ラインと、によって画定される複数のコイル配置領域を有し、
前記複数のコイルピースは、平面視において前記複数のコイル配置領域内に配置され、
前記複数のコイルピースのそれぞれは、平面視において、前記複数の境界ラインのうち隣り合う2つの境界ラインと、前記隣り合う2つの境界ラインを結ぶ外周ラインと、に沿って配置されるコイル線を有する、
請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項20】
前記加熱領域は、第1加熱領域と、前記第1加熱領域の周囲に設けられる第2加熱領域と、を含み、
前記第1加熱領域は、平面視において前記第1加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の第1境界ラインと、前記第1加熱領域の外周を画定する第1外周ラインと、によって画定される複数の第1コイル配置領域を有し、
前記第2加熱領域は、平面視において扇形状を有し、且つ平面視において前記第2加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の第2境界ラインと、前記第2加熱領域の円弧部分の外周を画定する第2外周ラインと、によって画定される複数の第2コイル配置領域を有し、
前記加熱コイルユニットは、
平面視において前記第1加熱領域の前記複数の第1コイル配置領域に配置され、且つ互いに第1隙間を有して配置される複数の第1コイルピースと、
平面視において前記第2加熱領域の前記複数の第2コイル配置領域に配置され、且つ互いに第2隙間を有して配置される複数の第2コイルピースと、
を含み、
平面視において前記第1加熱領域と前記第2加熱領域との間には、第3隙間が設けられており、
前記第1発光装置は、前記第1隙間、前記第2隙間及び前記第3隙間から前記トッププレートに対して前記複数の直線状の光を照射するように構成される、
請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トッププレート下面に配置される略リング状の発光体を備える加熱調理器が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の加熱調理器において、発光体は、誘導加熱コイルの周囲に配置されており、誘導加熱コイルの位置を光で示す。発光体は、加熱停止中に輝度を下げて点灯し、加熱を開始すると輝度上げて点灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の加熱調理器では、加熱対象物を加熱するための適切な位置を示すといった点で未だ改善の余地がある。
【0006】
したがって、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、加熱対象物を加熱するための適切な位置を示すことができる誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の誘導加熱調理器は、
加熱対象物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、前記加熱対象物を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において前記加熱コイルユニットが配置される加熱領域の少なくとも内側で、前記加熱対象物を載置して加熱するための位置の基準となる基準位置を指し示す複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射するように構成される第1発光装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、加熱対象物を加熱するための適切な位置を示すことができる誘導加熱調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器の一例の概略斜視図である。
【
図2】本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器の主要な制御構成を示す制御ブロック図である。
【
図3】本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図4】本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略図である。
【
図5】
図4に示す誘導加熱調理器の内部構成の一部を拡大した概略拡大図である。
【
図6】
図5に示す誘導加熱調理器をA-A線で切断した概略断面図である。
【
図7】変形例1におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図8】本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図9】本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器における内部構成の一部を拡大した概略拡大図である。
【
図10】変形例2の第1発光装置の一部を拡大した概略拡大図である。
【
図11】
図10に第1発光装置をB-B線で切断した概略断面図である。
【
図12】変形例3の第1発光装置の一部を拡大した概略拡大図である。
【
図13】
図12に示す第1発光装置をC-C線で切断した概略断面図である。
【
図14】本開示に係る実施の形態3の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図15】本開示に係る実施の形態3の誘導加熱調理器におけるトッププレートの構成の一例を示す概略図である。
【
図16】本開示に係る実施の形態4の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図17】本開示に係る実施の形態4の誘導加熱調理器の主要な制御構成を示す制御ブロック図である。
【
図18】変形例4におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図19】本開示に係る実施の形態5の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略図である。
【
図20】本開示に係る実施の形態6の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略図である。
【
図21】本開示に係る実施の形態6の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略断面図である。
【
図22】本開示に係る実施の形態7の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図23】変形例5におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図24】本開示に係る実施の形態8の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略図である。
【
図25】本開示に係る実施の形態8の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図26】加熱コイルユニットの加熱に応じたトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図27】加熱コイルユニットの加熱に応じたトッププレート上の発光表示の別例を示す概略図である。
【
図28】加熱コイルユニットの加熱に応じたトッププレート上の発光表示の別例を示す概略図である。
【
図29】本開示に係る実施の形態9の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図30】本開示に係る実施の形態9の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の別例を示す概略図である。
【
図31】変形例6におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図32】本開示に係る実施の形態10の誘導加熱調理器におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図33】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図34】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図35】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図36】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図37】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【
図38】その他の実施形態におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
特許文献1に記載の加熱調理器は、加熱コイルの周囲に配置される略リング状の発光体を備える。発光体は、平面視において加熱コイルの位置を光で示す。具体的には、発光体は、平面視において略円環形状を有している。平面視において、加熱コイルは、発光体の内側に配置されている。発光体が光ることによりトッププレート上に略円環状の光が表示され、ユーザは光の内側に加熱コイルが位置していることを知ることができる。即ち、発光体により発する円環状の光が加熱対象物を載置するガイドとして機能している。
【0011】
しかしながら、略円環形状の光によるガイドでは、鍋などの加熱対象物の効率のよい加熱を行える位置を示すという点では改善の余地がある。具体的には、略円環形状の光の表示では、ユーザは略円環形状の光の内側に加熱対象物を配置することはできるが、加熱対象物を加熱するための適切な位置に加熱対象物を配置することが難しい。
【0012】
例えば、平面視において外径が円形状を有する加熱コイルでは、加熱コイルの中心に加熱対象物の中心が位置するように加熱対象物を配置することで、効率の良い加熱を行うことができる。略円環状の光の表示では、加熱コイルの中心に加熱対象物の中心が位置するように加熱対象物を配置することが難しい。
【0013】
また、複数のコイルピースで構成される加熱コイルユニットが開発されている。複数のコイルピースの形状、大きさ又は配置によって、効率の良い加熱を行える加熱対象物の位置が異なる。また、複数のコイルピースを個別に制御するモードとまとめて制御するモードにおいても、効率の良い加熱を行える加熱対象物の位置が変わってくる。このため、複数のコイルピースなどで構成される加熱コイルユニットにおいて、略円環形状の光などの単に加熱コイルの位置を示す発光表示では、効率のよい加熱を行うための適切な位置を示すことができず、加熱対象物を加熱するための適切な位置を示すガイドとしては改善の余地がある。
【0014】
また、トッププレートの上面の印刷表示によって、効率良く加熱を行える加熱対象物の位置を示すことも考えられる。しかしながら、複数のコイルピースで構成される加熱コイルユニットのように加熱するための適切な位置が複数ある場合、複数の印刷表示をトッププレート上に示すことになる。この場合、ユーザは、どのような加熱のときに、どの印刷表示を基準として加熱対象物を配置すればよいのかがわからず、かえって不適切な位置へ加熱対象物を配置させてしまう恐れがある。
【0015】
そこで、本発明者らは、加熱を効率良く行うための加熱対象物の適切な位置を示すために、加熱対象物を載置する位置の基準となる基準位置を指し示す複数の直線状の光をトッププレートに対して照射する構成を見出し、以下の発明に至った。
【0016】
以下、本開示の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0017】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0018】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器100の一例の概略斜視図である。なお、図中に示すX-Y-Z座標系は、発明の理解を助けるためのものであって、発明を限定するものではない。X軸方向およびY軸方向は水平方向を示し、Z軸方向は鉛直方向を示している。
【0019】
図1に示すように、誘導加熱調理器100は、加熱調理対象Tを収容する調理容器Cを誘導加熱する調理器である。本明細書では、調理容器Cは、加熱対象物の一例として説明している。加熱対象物は、調理容器Cに限定されず、誘導加熱される対象物であればよい。
【0020】
誘導加熱調理器100は、調理容器Cが載置され、例えば耐熱ガラスによって作製されたトッププレート1と、トッププレート1の下面に取り付けられた筐体2と、を有する。筐体2内には、加熱コイルユニット3及び第1発光装置4が搭載されている。
【0021】
加熱コイルユニット3は、トッププレート1の下方に配置され、トッププレート1上に載置されている調理容器Cを誘導加熱する。即ち、加熱コイルユニット3は、誘導加熱コイルユニットとして機能する。
【0022】
第1発光装置4は、トッププレート1の下方に配置され、平面視においてトッププレート1に調理容器Cを載置する位置を光で示す。第1発光装置4は、平面視において加熱コイルユニット3が配置される加熱領域S1の内側で、トッププレート1上において調理容器Cを載置する基準となる基準位置P1を指し示す複数の直線状の光をトッププレート1に対して照射する。本実施形態では、第1発光装置4は、平面視において基準位置P1に向かって延びる複数の直線状の光を放射状に照射する。
【0023】
本明細書では、「平面視」とは鉛直方向、即ちZ軸方向から見ることを意味する。「加熱領域S1」とは、平面視において加熱コイルユニット3が配置される領域であって、加熱コイルユニット3によって誘導加熱される領域である。例えば、加熱領域S1は、平面視において加熱コイルユニット3の外周を囲う領域である。
【0024】
本明細書では、「基準位置P1」とは、加熱対象物である調理容器Cを載置して加熱するための位置であり、調理容器Cを効率良く加熱するための適切な位置を示す。例えば、平面視において、調理容器Cの中心を基準位置P1に合わせて配置している状態で、調理容器Cは加熱コイルユニット3によって効率良く誘導加熱される。本実施形態では、加熱領域S1は平面視で円形状を有しており、基準位置P1は平面視において加熱領域S1の中心を示す。
【0025】
なお、加熱領域S1の形状及び/又は基準位置P1は、上述した例に限定されない。
【0026】
例えば、加熱領域S1は平面視において矩形状、楕円形状又は正多角形状であってもよい。加熱領域S1が平面視において矩形状である場合、加熱領域S1の中心は対角線の交点である。加熱領域S1が平面視において楕円形状である場合、加熱領域S1の中心は長軸と短軸の交点である。加熱領域S1が平面視において正多角形状である場合、加熱領域S1の中心は正多角形を構成する全ての外辺に接する内接円の中心である。
【0027】
図2は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器100の主要な制御構成を示す制御ブロック図である。
図2に示すように、誘導加熱調理器100は、加熱コイルユニット3及び第1発光装置4を制御する制御部5を備える。
【0028】
制御部5は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。制御部5においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。即ち、制御部5は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、を備える。
【0029】
[発光表示の一例について]
図3を用いて、トッププレート1上の発光表示の一例について説明する。
図3は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
【0030】
図3に示すように、平面視において、トッププレート1上に基準位置P1を指し示す複数の直線状の光LT1が表示される。複数の直線状の光LT1は、加熱領域S1の内側で放射状に等間隔に位置している。複数の直線状の光LT1の長さ及び線幅は略等しい。
【0031】
平面視において、複数の直線状の光LT1は、基準位置P1を中心として放射状に延びている。即ち、平面視において、複数の直線状の光LT1は、基準位置P1に向かって直線状に延びている。あるいは、複数の直線状の光LT1は、基準位置P1から加熱領域S1の外周に向かって直線状に延びている。基準位置P1は、複数の直線状の光LT1を延長した複数の延長線が交差する点に位置する。
【0032】
本実施形態では、平面視において6つの直線状の光LT1がトッププレート1上に表示されている。隣り合う2つの光LT1の角度θ1は、60度である。なお、複数の直線状の光LT1の数は6つに限定されず、例えば、2つ以上あればよい。
【0033】
このように、複数の直線状の光LT1が加熱対象物を適切な位置に配置するための基準位置P1を指し示している。これにより、ユーザはトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1を見て、加熱対象物を加熱するために適切な位置を容易に把握できる。
【0034】
[誘導加熱調理器の内部構成について]
図4-6を用いて、誘導加熱調理器100の内部構成の一例について説明する。
図4は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器100における内部構成の一例を示す概略図である。
図5は、
図4に示す誘導加熱調理器100の内部構成の一部を拡大した概略拡大図である。
図6は、
図5に示す誘導加熱調理器100をA-A線で切断した概略断面図である。なお、
図4-6は、加熱コイルユニット3及び第1発光装置4の構成の一例を示す。また、
図4では説明を容易にするため、
図5及び
図6に示すシールド部材21の表示を省略している。
【0035】
図4に示すように、加熱コイルユニット3は、複数のコイルピース30を備える。複数のコイルピース30は、平面視において加熱対象物を加熱する加熱領域S1に配置される。
【0036】
加熱領域S1は、複数のコイル配置領域S11~S16を有する。複数のコイル配置領域S11~S16は、平面視において加熱領域S1の中心C1を中心として放射状に且つ隣接して配置されている。具体的には、複数のコイル配置領域S11~S16は、平面視において加熱領域S1の中心C1から外周に向かって放射状に延びる複数の境界ラインL11~L16と、加熱領域S1の外周を画定する外周ラインL10と、によって画定されている。複数のコイル配置領域S11~S16は平面視において扇形状に形成されている。
【0037】
本実施形態では、複数の境界ラインL11~L16は、平面視において加熱領域S1の中心C1を中心として放射状に等間隔で配置されている。複数の境界ラインL11~L16は、平面視において加熱領域S1の中心C1から外周に向かって延びる直線である。複数の境界ラインL11~L16において隣り合う2つの境界ラインがなす角度は、略同じである。これにより、平面視において、複数のコイル配置領域S11~S16は略同じ形状及び略同じサイズを有している。本明細書では、「略」とは、誤差10%以内を意味し、好ましくは、誤差5%以内を意味する。
【0038】
本実施形態では、複数の境界ラインは、6つの境界ラインL11~L16を有し、隣り合う2つの境界ラインがなす角度は60度である。これにより、加熱領域S1は、平面視において略同じ形状及び略同じサイズである6つのコイル配置領域S11~S16に分けられている。
【0039】
複数のコイルピース30は、平面視において複数のコイル配置領域S11~S16内に配置されている。具体的には、1つのコイル配置領域内に、1つのコイルピース30が配置されている。これにより、複数のコイルピース30は、平面視において加熱領域S1内で放射状に且つ隣接して配置されている。
【0040】
複数のコイルピース30のそれぞれは、複数のコイル配置領域S11~S16内のそれぞれにおいて、巻回して配置されるコイル線31を有する。コイル線31は、平面視において、複数の境界ラインL11~L16のうち隣り合う2つの境界ラインと、隣り合う2つの境界ラインを結ぶ外周ラインL10と、に沿って配置されている。コイル線31は、コイル配置領域S11~S16内において、コイル配置領域S11~S16を画定するラインL11~L16,L10に沿って配置されており、内側に巻回して配置されている。
【0041】
本実施形態では、複数のコイルピース30は、平面視において略同じ形状及び略同じサイズを有する。
【0042】
コイル配置領域S11に配置されるコイルピース30について説明する。コイルピース30は、平面視において、隣り合う2つの境界ラインL1,L2と、隣り合う2つの境界ラインL1,L2を結ぶ外周ラインL10と、に沿って配置されるコイル線31を有している。コイル線31は、導電性材料で形成されている。
【0043】
コイル線31は、平面視において、コイル配置領域S11内で境界ラインL1,L2及び外周ラインL10に沿って周回するように配置されている。コイル線31は、平面視において枠状に配置されている。本実施形態では、コイル配置領域S11が平面視において扇形状に形成されているため、コイル線31の外形は平面視において扇形状に形成されている。
【0044】
コイル線31は、複数の金属線をねじりながら束ねたものを複数ターン巻回して形成されている。例えば、コイル線31は、直径0.2mmの銅線20本程度を、ねじりながら束ねたものを、60ターン程度巻回している。なお、金属線の直径は0.2mmに限定されず、適宜設定されてもよい。例えば、金属線の直径は、0.01mm以上0.5mm以下の範囲で適宜選択されてもよい。また金属線の材質は、銅に限定されず、たとえばアルミニウムまたは銅とアルミニウムのクラッド材でもよい。また、金属線を束にする本数(つまり、いわゆる芯数)は、20本に限定されず、適宜選択されてもよい。たとえば芯数は、5本以上50本以下の範囲で適宜選択されてもよい。また、コイル線31の巻回数は、10ターンに限定されず、適宜設定されてもよい。例えば、巻回数は、5ターン以上20ターン以下で適宜選択されてもよい。
【0045】
なお、コイル配置領域S12~S16に配置されるコイルピース30は、コイル配置領域S11に配置されるコイルピース30と同様である。
【0046】
コイル配置領域S11~S16に配置される複数のコイルピース30のうち隣り合う2つのコイルピース30との間には、隙間SP1が形成されている。即ち、複数のコイルピース30は、平面視において互いに隙間SP1を有して配置されている。また、複数のコイルピース30は、平面視において放射状に配置されており、且つ等間隔で配置されている。
【0047】
複数のコイルピース30は、制御部5によってまとめて制御されてもよいし、個別に制御されてもよい。例えば、制御部5は、すべてのコイルピース30に電流を供給して誘導加熱を行ってもよい。あるいは、制御部5は、6つのコイルピース30のうち互いに隣接しない3つのコイルピースに電流を供給して誘導加熱を行ってもよい。
【0048】
第1発光装置4は、複数のコイルピース30の間の隙間SP1からトッププレート1に対して複数の直線状の光LT1を照射するように構成される。
図4に示すように、第1発光装置4は、平面視において複数のコイルピース30の間の隙間SP1に配置されており、当該隙間SP1の上方のトッププレート1に対して複数の直線状の光LT1を照射する。
【0049】
本実施形態では、加熱コイルユニット3が6つのコイルピース30で構成されているため、6つの隙間SP1が形成されている。第1発光装置4は、6つの隙間SP1のそれぞれに配置されている。なお、コイルピース30の数及び第1発光装置4の数は、これらに限定されない。
【0050】
図5及び
図6に示すように、第1発光装置4は、発光素子41及び導光体42を備える。
【0051】
発光素子41は、光LT11を発する素子である。例えば、発光素子41は、LEDである。発光素子41は、基板43に搭載されている。例えば、基板43は、発光素子41を制御する制御基板である。基板43は、トッププレート1の厚み方向(Z方向)に延びる実装面を有している。発光素子41は、基板43の実装面に実装されており、平面視において加熱領域S1の中心C1に向かって発光する。
【0052】
導光体42は、発光素子41から発した光LT11をトッププレート1に導く。導光体42は、複数のコイルピース30の間の隙間SP1に配置されている。平面視において、導光体42は、発光素子41よりも加熱領域S1の内側に配置されており、隙間SP1において加熱領域S1の中心C1に向かって延びている。
【0053】
導光体42は、発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する導光路42aを有する。例えば、導光路42aは、導光体42に設けられた溝であり、光を反射又はガイドする性質を有する。例えば、導光路42aは、透過性樹脂で形成されている。例えば、導光路42aは、PAR(ポリアリレート)、PC(ポリカーボネート)、TPX(ポリメチルペンテン)、PEI(ポリイミド)、シリコーン又はエポキシ樹脂などの充填剤、ソーダガラス又はホウケイ酸ガラスなどのガラスで形成されていてもよい。
【0054】
導光路42aは、平面視において、発光素子41から加熱領域S1の中心C1に向かって延びている。また、導光路42aは、発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1の厚み方向(Z方向)の深さが連続して小さくなっている。例えば、導光路42aをYZ面で切断した断面が略円弧形状であり、XZ面で切断した断面がU字形状である。
【0055】
導光路42aは、発光素子41から発した光LT11をガイドし、導光路42aの上方のトッププレート1に直線状の光LT1を表示する。導光路42aは、発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲しているため、発光素子41から発した光LT11が徐々にトッププレート1に向けて導かれる。これにより、導光路42aは、発光素子41から発した光LT11を直線状の光LT1に変更している。
【0056】
第1発光装置4は、制御部5によって制御される。制御部5は、加熱コイルユニット3が加熱を開始する前に、第1発光装置4から複数の直線状の光LT1をトッププレート1に対して照射させる。即ち、第1発光装置4は、加熱対象物が加熱領域S1に載置される前に、複数の直線状の光LT1を照射し、加熱対象物を載置する位置を示す基準位置P1を指し示す。
【0057】
例えば、誘導加熱調理器100は、加熱対象物を検知するセンサを備える。制御部5は、センサの検知結果に基づいて加熱対象物が加熱領域S1に載置されているか否かを判定する。加熱対象物が加熱領域S1に載置されていないと判定する場合、制御部5は、第1発光装置4から複数の直線状の光LT1をトッププレート1に対して照射させる。
【0058】
なお、
図5及び
図6に示すように、平面視において加熱コイルユニット3は、シールド部材21によって覆われている。シールド部材21は、加熱コイルユニット3からの磁束又はノイズを加熱コイルユニット3の外側に向かって出さないようにシールドしている。シールド部材21は、板状の導電部材であり、平面視において円環状形状を有する。例えば、シールド部材21は、アルミニウムで形成されている。
【0059】
本実施形態では、第1発光装置4は、平面視においてシールド部材21の内側に配置されている。シールド部材21が光を透過しない材質で形成されている場合、発光素子41の光LT11が加熱コイルユニット3の外側に漏光しないというメリットがある。
【0060】
[効果]
実施の形態1に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏する。
【0061】
本開示の実施の形態1に係る誘導加熱調理器100は、トッププレート1、加熱コイルユニット3及び第1発光装置4を備える。トッププレート1には、加熱対象物が載置される。加熱コイルユニット3は、トッププレート1の下方に配置され、加熱対象物を誘導加熱する。第1発光装置4は、トッププレート1の下方に配置される。また、第1発光装置4は、平面視において加熱コイルユニット3が配置される加熱領域S1の少なくとも内側で、加熱対象物を載置して加熱するための位置の基準となる基準位置P1を指し示す複数の直線状の光LT1をトッププレート1に対して照射するように構成される。
【0062】
このような構成により、加熱対象物を加熱するための適切な位置を示すことができる。具体的には、誘導加熱調理器100は、トッププレート1上において、加熱対象物を効率良く加熱できる位置を示す基準位置P1を複数の直線状の光LT1によって指し示している。これにより、ユーザは、複数の直線状の光LT1を見ることによって、基準位置P1の位置を容易に把握できる。例えば、ユーザは、複数の直線状の光LT1を延長した複数の延長線が交差する位置に基準位置P1があると容易に認識できる。このため、ユーザは、平面視において、加熱対象物の中心を基準位置P1付近に配置することで、トッププレート1上において加熱対象物を加熱するための適切な位置に容易に載置することができる。
【0063】
例えば、平面視において円形状の加熱領域S1では、加熱領域S1の中心C1に加熱対象物の中心を配置することで、効率の良い加熱を行うことができる。この場合、基準位置P1が平面視において加熱領域S1の中心C1と重なる位置に設けられる。複数の直線状の光LT1が基準位置P1を指し示すことによって、ユーザは加熱対象物の中心を基準位置P1に配置しやすくなる。これにより、加熱対象物を効率良く加熱することができる。
【0064】
加熱コイルユニット3は、平面視において互いに隙間SP1を有して配置される複数のコイルピース30を含む。第1発光装置4は、複数のコイルピース30の間の隙間SP1からトッププレート1に対して複数の直線状の光LT1を照射するように構成される。このような構成により、複数のコイルピース30の隙間SP1を有効に活用して、トッププレート1上に複数の直線状の光LT1を照射することができる。
【0065】
第1発光装置4は、発光素子41と、発光素子41から発した光LT11をトッププレート1に導く導光体42と、を含む。このような構成により、トッププレート1に照射する直線状の光LT1を容易に形成することができる。
【0066】
導光体42は、複数のコイルピース30の間の隙間SP1に配置され、且つ発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する導光路42aを有する。このような構成により、隙間SP1を有効に活用して、トッププレート1上に複数の直線状の光LT1を容易に照射することができる。また、隙間SP1に導光体42が配置されることによって、加熱コイルユニット3と第1発光装置4とを含む構成を小型化できる。
【0067】
誘導加熱調理器100は、加熱コイルユニット3及び第1発光装置4を制御する制御部5をさらに備える。制御部5は、加熱コイルユニット3が加熱を開始する前に、第1発光装置4から複数の直線状の光LT1をトッププレート1に対して照射させる。このような構成により、加熱対象物を加熱領域S1に載置して加熱する前に、加熱対象物を載置する位置を示す基準位置P1を複数の直線状の光LT1によって指し示すことができる。これにより、ユーザは、加熱対象物を加熱する前に、加熱対象物を加熱するための適切な位置を容易に把握できる。
【0068】
複数のコイルピース30は、平面視において放射状に配置され、且つ等間隔に配置される。このような構成により、隙間SP1からトッププレート1に向かって照射される複数の直線状の光LT1も、平面視において放射状及び等間隔に表示される。これにより、加熱対象物を加熱するための適切な位置をわかりやすく示すことができる。その結果、ユーザは、放射状及び等間隔に表示された複数の直線状の光LT1を見ることによって、加熱対象物を加熱するための適切な位置を容易に把握できる。また、トッププレート1には、複数の直線状の光LT1が放射状に、且つ等間隔に表示されるため、意匠性を向上させることができる。
【0069】
加熱領域S1は、平面視において加熱領域S1の中心C1から外周に向かって放射状に延びる複数の境界ラインL11~L16と、加熱領域S1の外周を画定する外周ラインL10と、によって画定される複数のコイル配置領域S11~S16を有する。複数のコイルピース30は、平面視において複数のコイル配置領域S11~S16内に配置される。複数のコイルピース30のそれぞれは、平面視において、複数の境界ラインL11~L16のうち隣り合う2つの境界ラインと、隣り合う2つの境界ラインを結ぶ外周ラインと、に沿って配置されるコイル線31を有する。このような構成により、複数のコイルピース30で構成されるような加熱コイルユニット3においても、加熱対象物を加熱するための適切な位置の基準となる基準位置P1を複数の直線状の光LT1によって指し示すことができる。
【0070】
なお、本実施形態では、加熱コイルユニット3が複数のコイルピース30で構成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱コイルユニット3は、1つのコイルで構成されていてもよい。
【0071】
本実施形態では、複数のコイル配置領域S11~S16の数が6つである例について説明したが、これに限定されない。また、複数のコイルピース30の数が6つである例について説明したが、これに限定されない。複数のコイル配置領域S11~S16の数及び複数のコイルピース30の数は、任意に設計してもよい。
【0072】
本実施形態では、複数のコイル配置領域S11~S16が略同じ形状及び同じサイズである例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数のコイル配置領域S11~S16は、異なる形状及び/又は異なるサイズであってもよい。
【0073】
本実施形態では、複数のコイルピース30が略同じ形状及び略同じサイズである例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数のコイルピース30は異なる形状及び/又は異なるサイズであってもよい。
【0074】
本実施形態では、第1発光装置4において、発光素子41が導光体42よりも外側に配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、発光素子41は導光体42よりも内側に配置されてもよい。具体的には、発光素子41は平面視において加熱領域S1の中心C1に配置されていてもよい。この場合、発光素子41は、加熱領域S1の内側から外側に向かう方向に光LT11を発してもよい。
【0075】
本実施形態でが、複数の直線状の光LT1の長さ及び線幅が略等しい例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の直線状の光LT1の長さ及び線幅は異なっていてもよい。
【0076】
<変形例1>
図7は、変形例1におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図7に示すように、実施の形態1の発行表示に比べて、平面視において略30度回転させた位置で複数の直線状の光LT1を表示してもよい。
【0077】
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2の誘導加熱調理器について説明する。
【0078】
実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0079】
図8は、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図9は、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器100における内部構成の一部を拡大した概略拡大図である。
【0080】
実施の形態2では、複数の直線状の光LT1が加熱領域S1の外側に延びている点、及び第1発光装置4Aが加熱領域S1の外側に発光素子41B及び導光体42Bを備える点で、実施の形態1と異なる。
【0081】
図8に示すように、平面視において、複数の直線状の光LT1は、加熱領域S1の内側と外側とに連続して延びるようにトッププレート1上に表示されている。
【0082】
図9に示すように、第1発光装置4Aは、加熱領域S1の内側の隙間SP1に配置される発光素子41A、導光体42A及び基板43Aに加えて、加熱領域S1の外側に配置される発光素子41B、導光体42B及び基板43Bを備える。
【0083】
本実施形態では、発光素子41A、導光体42A及び基板43Aと、発光素子41B、導光体42B及び基板43Bとは、シールド部材21によって仕切られている。
【0084】
なお、発光素子41A、導光体42A及び基板43Aは、実施の形態1の発光素子41、導光体42及び基板43と同じであるため、説明を省略する。
【0085】
発光素子41Bは、加熱領域S1の外側に配置され、発光素子41Aと逆向きに光LT12を発する。即ち、発光素子41Bは、平面視において加熱領域S1から外側に向かう方向に光LT12を発する。発光素子41Bは、基板43Bに搭載されている。なお、発光素子41B及び基板43Bの構成は、それぞれ、発光素子41A及び基板43Aの構成と同様である。
【0086】
導光体42Bは、発光素子41Bから発した光LT12をトッププレート1に導く。導光体42Bは、加熱領域S1の内側から外側に向かう方向において発光素子41Bから離れるのに伴い、トッププレート1の厚み方向においてトッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する導光路42bを有する。なお、導光体42Bの導光路42bの構成は、導光体42Aの導光路42aの構成と同様である。
【0087】
第1発光装置4Aは、平面視において、発光素子41A,41Bから加熱領域S1の内側と外側に向かって光LT11,LT12を発し、導光体42A,42Bによってトッププレート1に対して照射する。これにより、第1発光装置4Aは、平面視において加熱領域S1の内側と外側とに連続して延びる複数の直線状の光LT1をトッププレート1上に表示する。
【0088】
[効果]
実施の形態2に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0089】
本開示の実施の形態2に係る誘導加熱調理器100において、第1発光装置4Aは、平面視において複数の直線状の光LT1を加熱領域S1の内側と外側とに連続して延びるようにトッププレート1に対して照射する。
【0090】
例えば、第1発光装置4Aは、加熱領域S1の内側において複数のコイルピース30の間の隙間SP1に配置される発光素子41Aと、発光素子41Aから発した光LT11をトッププレート1に導く導光体42Aと、を備える。導光体42Aは、加熱領域S1の外側から内側に向かう方向において発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する導光路42aを有する。
【0091】
また、第1発光装置4Aは、加熱領域S1の外側に配置され、発光素子41Aと逆向きの光LT12を発する発光素子41Bと、発光素子41Bから発した光LT12をトッププレート1に導く導光体42Bと、を備える。導光体42Bは、加熱領域S1の内側から外側に向かう方向において発光素子41Bから離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する導光路42bを有する。
【0092】
このような構成により、平面視において加熱領域S1の内側と外側とを連続して延びる複数の直線状の光LT1をトッププレート1上に表示することができる。これにより、加熱対象物を加熱するための適切な位置をより容易に示すことができる。
【0093】
また、加熱領域S1の外側にも複数の直線状の光LT1が表示されるため、例えば、加熱対象物である鍋が加熱領域S1内に載置された場合でも、加熱領域S1の外側に表示される複数の直線状の光LT1を見ることによって、加熱対象物を適切な位置に配置することができる。
【0094】
<変形例2>
図10は、変形例2の第1発光装置4Bの一部を拡大した概略拡大図である。
図11は、
図10に示す第1発光装置4BをB-B線で切断した概略断面図である。
【0095】
図10-
図12に示すように、第1発光装置4Bにおいては、発光素子41A及び発光素子41Bは、1つの基板43に搭載されていてもよい。この場合、シールド部材21に第1切り欠き22を設けてもよい。第1切り欠き22は、隙間SP1に位置するシールド部材21の下部を部分的に削って形成されている。
【0096】
第1切り欠き22には、基板43が配置されている。基板43には、発光素子41A,41Bが実装されている。具体的には、基板43は、第1主面PS1と、第1主面PS1に対向する第2主面PS2と、を有する。発光素子41Aは基板43の第1主面PS1に実装されており、発光素子41Bは基板43の第2主面PS2に実装されている。
【0097】
このように、シールド部材21の下部に第1切り欠き22を設け、第1切り欠き22に配置された1つの基板43に発光素子41A,41Bを実装している。このような構成により、第1発光装置4Bの部品点数を減らすことができる。
【0098】
<変形例3>
図12は、変形例3の第1発光装置4Cの一部を拡大した概略拡大図である。
図13は、
図12に示す第1発光装置4CをC-C線で切断した概略断面図である。
【0099】
図12及び
図13に示すように、第1発光装置4Cにおいては、発光素子41A及び発光素子41Bは、1つの基板43に搭載され、且つトッププレート1の上方に向かって光LT11,LT12を照射してもよい。また、導光体42Cは、加熱領域S1の内側と外側で発光素子41A,41Bから発した光LT11,LT12をトッププレート1に向かって導く導光路42a,42bを有する。この場合、シールド部材21に第2切り欠き23を設けてもよい。第2切り欠き23は、隙間SP1に対応するシールド部材21の上部の一部を削って形成されている。
【0100】
導光体42Cは、第2切り欠き23に跨って配置されている。具体的には、導光体42Cは、第2切り欠き23に配置される導光板42cを有する。導光板42cは、発光素子41A,41Bから発した光LT11,LT12をトッププレート1に導く。
【0101】
このような構成により、光のムラを抑制して加熱領域S1の内側と外側に連続して延びる複数の直線状の光LT1をトッププレート1に表示することができる。
【0102】
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3の誘導加熱調理器について説明する。
【0103】
実施の形態3では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0104】
図14は、本開示に係る実施の形態3の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1A上の発光表示の一例を示す概略図である。
図15は、本開示に係る実施の形態3の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1Aの構成の一例を示す概略図である。
【0105】
実施の形態3では、トッププレート1Aにおいて直線状に並んだ複数の点状の光LT13が表示されている点で、実施の形態2と異なる。
【0106】
図14に示すように、トッププレート1Aにおいて加熱領域S1の内側と外側に直線長に並んだ複数の点状の光LT13が表示されている。平面視において、点状の光LT13は、例えば、円形状を有する。
【0107】
本実施形態では、複数の点状の光LT13の数は9個である。なお、複数の点状の光LT13の数はこれに限定されない。本実施形態では、9個の点状の光LT13の列は6本あり、基準位置P1を中心に放射状に配置されている。
【0108】
トッププレート1Aは、第1発光装置4から照射された複数の直線状の光LT1を、直線状に並んだ複数の点状の光LT13に変更するように構成される。
図15に示すように、トッププレート1Aは、加熱コイルユニット3が配置される側に遮光面11を有する。
【0109】
遮光面11は、光を遮光する面であり、例えば、遮光性の塗膜が印刷されることによって形成される。遮光面11には、複数の透過部12が設けられている。複数の透過部12は、光を透過する部分である。複数の透過部12は、平面視において基準位置P1から加熱領域S1の外側に向かって直線状に並んで設けられている。例えば、複数の透過部12は、平面視において放射状に且つ等間隔に設けられている。複数の透過部12のそれぞれは、平面視において円形状を有する。
【0110】
複数の透過部12は、第1発光装置4Bから発した複数の直線状の光LT1を透過することによって、直線状に並んだ複数の点状の光LT13に変更する。
【0111】
[効果]
実施の形態3に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0112】
本開示の実施の形態3に係る誘導加熱調理器100において、トッププレート1Aは、第1発光装置4Aから照射された複数の直線状の光LT1を、直線状に並んだ複数の点状の光LT13に変更するように構成される。
【0113】
例えば、トッププレート1Aは、加熱コイルユニット3が配置される側に、光を遮光する遮光面11を有する。遮光面11には、光を透過する複数の透過部12が設けられている。平面視において、複数の透過部12は、基準位置P1を中心として加熱領域S1の外側に向かって直線状に並んで設けられている。
【0114】
このような構成により、トッププレート1A上に直線状に並んだ複数の点状の光LT13を表示できる。このような構成においても、複数の点状の光LT13によって、加熱対象物を加熱するための適切な位置を指し示すことができる。また、ユーザは、トッププレート1A上に鍋などの加熱対象物を載置した場合、視認できる点状の光LT13の数を認識することで、より容易に加熱対象物を加熱するための適切な位置を把握できる。すなわち、ユーザは、6本の列においてそれぞれ視認できる点状の光LT13が同じ数だけ見えていれば、加熱対象物が加熱領域S1の中心に配置されていると判断できる。
【0115】
なお、本実施形態では、平面視において複数の透過部12および点状の光LT13が円形状を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の透過部12および点状の光LT13は、矩形状、楕円形状又は多角形状を有していてもよい。
【0116】
(実施の形態4)
本発明に係る実施の形態4の誘導加熱調理器について説明する。
【0117】
実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0118】
図16は、本開示に係る実施の形態4の誘導加熱調理器100におけるトッププレート上の発光表示の一例を示す概略図である。
図17は、本開示に係る実施の形態4の誘導加熱調理器100の主要な制御構成を示す制御ブロック図である。
【0119】
実施の形態4では、加熱領域S1の外側を囲う円環状の光LT21をトッププレート1に照射する第2発光装置6をさらに備える点で、実施の形態1と異なる。
【0120】
本実施形態では、第1発光装置4から発する複数の直線状の光LT11を第1光LT11と称し、第2発光装置6から発する円環状の光LT21を第2光LT21と称する。
【0121】
図16に示すように、トッププレート1には、平面視において加熱領域S1の外側を囲う第2光LT21が表示されている。平面視において、第2光LT21は、基準位置P1を中心とする円環状に表示されている。また、第2光LT21は、複数の点状の光が等間隔に並んで形成されている。
【0122】
図17に示すように、誘導加熱調理器100は、第2光LT21を発する第2発光装置6を備える。第2発光装置6は、トッププレート1の下方に配置されている。また、第2発光装置6は、平面視において加熱領域S1の外側でトッププレート1に対して1つ又は複数の光LT21を照射するように構成されている。
【0123】
第2発光装置6は、平面視において円環状に配置されており、加熱領域S1の外側を囲うように配置されている。例えば、第2発光装置6は、LEDである。
【0124】
第2発光装置6は、制御部5によって制御される。
【0125】
[効果]
実施の形態4に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0126】
本開示の実施の形態4に係る誘導加熱調理器100は、トッププレート1の下方に配置され、且つ平面視において加熱領域S1の外側でトッププレート1に対して1つ又は複数の光LT21を照射するように構成される第2発光装置6を備える。
【0127】
例えば、第2発光装置6は、平面視において加熱領域S1より大きい円環状に配置されており、トッププレート1上の加熱領域S1の外側を囲う円環状の光LT21を発する。
【0128】
このような構成により、第2発光装置6から発する光LT21によって加熱対象物を載置する範囲を表示することができる。これにより、第1発光装置4から発する複数の直線状の光LT1と、第2発光装置6から発する光LT21と、によって、加熱対象物の適切な位置をより直感的にわかりやすく示すことができる。
【0129】
なお、本実施形態では、第2発光装置6から発する光LT21が平面視において円環状である例について説明したが、これに限定されない。
【0130】
<変形例4>
図18は、変形例4におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図18に示すように、第2発光装置6は、平面視において加熱領域S1を挟む複数の直線状の光LT22をトッププレート1に対して照射してもよい。例えば、第2発光装置6は、加熱領域S0の両サイドにそれぞれ3つの直線状の光LT22を照射してもよい。
【0131】
(実施の形態5)
本発明に係る実施の形態5の誘導加熱調理器について説明する。
【0132】
実施の形態5では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態5においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態5では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0133】
図19は、本開示に係る実施の形態5の誘導加熱調理器における内部構成の一例を示す概略図である。
【0134】
実施の形態5では、第1発光装置4Dの導光体がレンズ44で構成されている点で、実施の形態1と異なる。
【0135】
図19に示すように、第1発光装置4Dにおいて、導光体は、発光素子41から発した光LT11をトッププレート1に向けて屈折させるレンズ44である。
【0136】
レンズ44は、発光素子41から発した光LT11を直線状の光LT1となるように屈折させる。
【0137】
[効果]
実施の形態5に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0138】
本開示の実施の形態5に係る誘導加熱調理器100において、第1発光装置4Dの導光体は、発光素子41から発した光LT11をトッププレート1に向けて屈折させるレンズ44である。このような構成により、第1発光装置4Dを小型化することができる。
【0139】
なお、導光体がレンズ44である例について説明したが、例えば、導光体は発光素子41から発した光LT11をトッププレート1に向けて反射させるミラーであってもよい。このような構成においても、第1発光装置4Dを小型化することができる。
【0140】
(実施の形態6)
本発明に係る実施の形態6の誘導加熱調理器について説明する。
【0141】
実施の形態6では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態6においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態6では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0142】
図20は、本開示に係る実施の形態6の誘導加熱調理器100における内部構成の一例を示す概略図である。
図21は、本開示に係る実施の形態6の誘導加熱調理器100における内部構成の一例を示す概略断面図である。
【0143】
実施の形態6では、平面視において加熱領域S1の中心C1に発光素子41が配置され、導光体42が加熱領域S1の中心C1から放射状に延びるように構成されている点で、実施の形態1と異なる。
【0144】
図20に示すように、第1発光装置4Eにおいて、発光素子41は平面視において加熱領域S1の中心C1に配置される。平面視において加熱領域S1の中心C1は、基準位置P1と重なる位置に位置する。導光体42は平面視において加熱領域S1の中心C1から外側に向かって延びる線上であって、加熱領域S1の内側に配置されている。具体的には、導光体42は平面視において加熱領域S1の中心C1から放射状に延びる線上に配置されている。
【0145】
導光体42は、複数の導光路42aと、レンズ44と、を備える。
【0146】
複数の導光路42aは、発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する。複数の導光路42aは、加熱領域S1の中心C1から外側に向かうにつれて、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲している。
【0147】
レンズ44は、発光素子41の上方に配置されている。レンズ44は、発光素子41から発した光LT11を導光路42aに向けて屈折させる。これにより、発光素子41から発した光LT11は、レンズ44で屈折し、導光路42aにガイドされてトッププレート1に導かれる。
【0148】
[効果]
実施の形態6に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0149】
本開示の実施の形態6に係る誘導加熱調理器100の第1発光装置4Eにおいて、発光素子41は平面視において加熱領域S1の中心C1に配置される。導光体42は、複数の導光路42aと、レンズ44と、を備える。複数の導光路42aは、平面視において加熱領域S1の中心C1から外側に向かって延びる線上に配置され、発光素子41から離れるのに伴い、トッププレート1へ近づく方向に連続して湾曲する。レンズ44は、発光素子41から発した光LT11を複数の導光路42aに向かって屈折させる。
【0150】
このような構成により、発光素子41の数を減らし、コストを低減することができる。
【0151】
なお、本実施形態では、導光体42がレンズ44を含む例について説明したが、例えば、レンズ44の代わりにミラーを含んでいてもよい。
【0152】
本実施形態では、発光素子41が平面視において加熱領域S1の中心C1に配置されると説明したが、発光素子41は平面視において基準位置P1と重なる位置に配置されていればよい。また、導光体42は、平面視において基準位置P1から外側に向かって延びる線上に配置されていてもよい。
【0153】
本実施形態では、導光体42が平面視において加熱領域S1の内側に配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、導光体42は、平面視において基準位置P1から外側に向かって延びる線上であって、加熱領域S1の内側と外側とに配置されてもよい。
【0154】
また、導光体42は、平面視において基準位置P1付近から外側に向かって延びる線上に配置されていてもよい。
【0155】
(実施の形態7)
本発明に係る実施の形態7の誘導加熱調理器について説明する。
【0156】
実施の形態7では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態7においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態7では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0157】
図22は、本開示に係る実施の形態7の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
【0158】
実施の形態7では、加熱コイルユニット3が加熱対象物を加熱している間、加熱領域S1の内側で複数の直線状の光LT1を消灯する点で、実施の形態2と異なる。
【0159】
図22に示すように、制御部5は、加熱コイルユニット3が加熱している間、平面視において加熱領域S1の内側で第1発光装置4Aからトッププレート1に対して照射される複数の直線状の光LT1を消灯させる。例えば、加熱対象物が加熱領域S1に載置されて加熱されている間、第1発光装置4Aは、発光素子41Aから加熱領域S1の内側に発する光LT11を消灯する(
図9参照)。
【0160】
[効果]
実施の形態7に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0161】
本開示の実施の形態7に係る誘導加熱調理器100において、制御部5は、加熱コイルユニット3が加熱している間、平面視において加熱領域S1の内側で第1発光装置4からトッププレート1に対して照射される複数の直線状の光LT1を消灯させる。
【0162】
このような構成により、第1発光装置4Aの電力消費量を低減し、省エネルギー化することができる。
【0163】
なお、本実施形態では、制御部5が第1発光装置4Aから発する複数の直線状の光LT1を消灯させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部5が第1発光装置4Aから発する複数の直線状の光LT1の明度を低減してもよい。
【0164】
本実施形態では、複数の直線状の光LT1が加熱領域S1の外側まで延びる例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の直線状の光LT1は、加熱領域S1の内側のみに表示されてもよい。
【0165】
<変形例5>
図23は、変形例5におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図23に示すように、制御部5は、加熱コイルユニット3が加熱している間、平面視において加熱領域S1の外側へ所定の距離D1離れた位置より内側で第1発光装置4Aからトッププレート1に対して照射される複数の直線状の光LT1を消灯させてもよい。
【0166】
例えば、所定の距離D1は、10mm以上14mm以下である。好ましくは、所定の距離D1は、11mm以上13mm以下である。より好ましくは、所定の距離D1は、12mmである。
【0167】
例えば、発光素子41Aは、平面視において加熱領域S1の外側へ所定の距離D1離れた位置に配置され、加熱領域S1の中心C1に向かって光LT11を発するように構成されていてもよい。
【0168】
このような構成においても、第1発光装置4Aの電力消費量を低減し、省エネルギー化することができる。また、平面視において、加熱領域S1の外径よりも大きい加熱対象物を加熱する場合、加熱領域S1の外側で加熱対象物が載置されている領域の複数の直線状の光LT1を消灯できるため、電力消費量をより低減できる。
【0169】
(実施の形態8)
本発明に係る実施の形態8の誘導加熱調理器について説明する。
【0170】
実施の形態8では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態8においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態8では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0171】
図24は、本開示に係る実施の形態8の誘導加熱調理器100における内部構成の一例を示す概略図である。
【0172】
実施の形態8では、加熱コイルユニット3Aが第1加熱領域S1と第2加熱領域S2とに配置される複数のコイルピース30で構成されている点で、実施の形態2と異なる。また、実施の形態8では、第1発光装置4Aが、第1加熱領域S1に配置される複数の第1コイルピース30Aとの間の第1隙間SP1、第2加熱領域S2に配置される複数の第2コイルピース30Bとの間の第2隙間SP2、及び第1加熱領域S1と第2加熱領域S2との間の第3隙間SP3に配置されている点で、実施の形態2と異なる。
【0173】
図24に示すように、加熱コイルユニット3Aは、複数のコイル3AA,3ABを備える。複数のコイル3AA,3ABは、平面視において、加熱対象物を加熱する第1加熱領域S1及び第2加熱領域S2に配置される。本明細書では、第1加熱領域S1に配置されるコイル3AAを第1コイル3AAと称し、第2加熱領域S2に配置されるコイル3ABを第2コイル3ABと称する。
【0174】
第1加熱領域S1は、第1コイル3AAが配置される領域である。第1加熱領域S1は、実施の形態1の加熱領域S1と同じであるため、説明を省略する。
【0175】
第2加熱領域S2は、平面視において第1加熱領域S1の周囲に設けられる領域であり、第2コイル3ABが配置される領域である。第2加熱領域S2は、奥行き方向(Y軸方向)において第1加熱領域S1よりも奥側に設けられている。第2加熱領域S2は、平面視において、中心C2を有する扇形状を有する。第2加熱領域S2において、円の中心C2から外周に向かって延びる2つの直線がなす中心角度は、例えば、180°以上300°以下である。本実施形態では、中心角度は240°である。第2加熱領域S2において、円の中心C2から外周に向かって延びる2つの直線は、第2境界ラインL21,L25に対応する。平面視において、第2境界ラインL21,L25との間には、円弧の第2外周ラインL20が設けられていない。このため、平面視において、第2境界ラインL21,L25との間には、第2加熱領域S2が設けられていない。
【0176】
第2加熱領域S2は、平面視において、第1加熱領域S1の一部を囲うように設けられている。具体的には、平面視において、第2加熱領域S2を画定する2つの第2境界ラインL21,L25が第1加熱領域S1の第1外周ラインL10の周囲に配置されるように、第2加熱領域S2が第1加熱領域S1の周囲に配置される。言い換えると、平面視において、第1加熱領域S1は、第2加熱領域S2の外周を画定する第2境界ラインL21,L25との間であって、第2加熱領域S2が設けられていない部分に配置される。
【0177】
第2加熱領域S2は、複数の第2コイル配置領域S21~S24を有する。複数の第2コイル配置領域S21~S24は、平面視において第2加熱領域S2の中心C2を中心として放射状に且つ隣接して配置されている。具体的には、複数の第2コイル配置領域S21~S24は、平面視において第2加熱領域S2の中心C2から外周に向かって放射状に延びる複数の第2境界ラインL21~L25と、第2加熱領域S2の円弧部分の外周を画定する第2外周ラインL20と、によって画定されている。
【0178】
複数の第2境界ラインL21~L25は、平面視において第2加熱領域S2の中心C2を中心として放射状に等間隔で配置されている。複数の第2境界ラインL21~L25は、平面視において第2加熱領域S2の中心C2から外周に向かって延びる直線である。複数の第2境界ラインL21~L25において隣り合う2つの第2境界ラインがなす角度は、略同じである。これにより、平面視において、複数の第2コイル配置領域S21~S24は略同じ形状及び略同じ寸法を有している。
【0179】
本実施形態では、複数の第2境界ラインは、5つの第2境界ラインL21~L25を有し、隣り合う2つの第2境界ラインがなす角度は60度である。これにより、第2加熱領域S2は、平面視において略同じ形状及び略同じ寸法である4つの第2コイル配置領域S21~S24に分けられている。
【0180】
第1加熱領域S1に配置される第1コイル3AAは、複数の第1コイルピース30Aを含む。複数の第1コイルピース30Aは、平面視において複数の第1コイル配置領域S11~S16内にそれぞれ配置されている。具体的には、第1加熱領域S1において、1つの第1コイル配置領域内に1つの第1コイルピース30Aが配置されている。これにより、複数の第1コイルピース30Aは、平面視において第1加熱領域S1内で放射状に且つ隣接して配置されている。本実施形態では、第1コイル3AAは、6つの第1コイルピース30Aを有する。
【0181】
第1コイルピース30Aは、第1コイル配置領域S11において巻回して配置される第1コイル線31Aを有する。第1コイル線31Aは、実施の形態1のコイル線31と同様のため、説明を省略する。
【0182】
第2加熱領域S2に配置される第2コイル3ABは、複数の第2コイルピース30Bを有する。複数の第2コイルピース30Bは、平面視において複数の第2コイル配置領域S21~S24内にそれぞれ配置されている。具体的には、第2加熱領域S2において、1つの第2コイル配置領域内に1つの第2コイルピース30Bが配置されている。これにより、複数の第2コイルピース30Bは、平面視において第2加熱領域S2内で放射状に且つ隣接して配置されている。本実施形態では、第2コイル3ABは、4つの第2コイルピース30Bを有する。
【0183】
第2コイルピース30Bは、上述した第1コイルピース30Aと略同じである。
【0184】
複数の第2コイルピース30Bのそれぞれは、複数の第2コイル配置領域S21~S24のそれぞれにおいて巻回して配置される第2コイル線31Bを有する。
【0185】
第2コイル線31Bは、平面視において、複数の第2境界ラインL21~L25のうち隣り合う2つの第2境界ラインに沿って配置されている。具体的には、平面視において、第2コイル線31Bは、隣り合う2つの第2境界ラインと、隣り合う2つの第2境界ラインを結ぶ第2外周ラインL20と、に沿って配置されており、内側に巻回して配置されている。
【0186】
本実施形態では、複数の第2コイルピース30Bは、平面視において略同じ形状及び略同じ寸法を有する。また、第2コイルピース30Bは、第1コイルピース30Aと略同じ形状及び寸法を有する。即ち、複数の第2コイルピース30Bのそれぞれは、平面視において扇形状を有する。
【0187】
平面視において、第1加熱領域S1に配置される複数の第1コイルピース30Aと第2加熱領域S2に配置される複数の第2コイルピース30Bとは、対称に配置されている。具体的には、第1加熱領域S1の中心C1と第2加熱領域S2の中心C2とを通る線CL1に対して、複数の第1コイルピース30Aと複数の第2コイルピース30Bとは、対称に配置されている。
【0188】
加熱コイルユニット3Aにおいて、複数の第1コイルピース30Aは、互いに第1隙間SP1を有して配置されている。複数の第2コイルピース30Bは、互いに第2隙間SP2を有して配置されている。本実施形態では、第1隙間SP1と第2隙間SP2とは、略等しい寸法である。
【0189】
平面視において第1加熱領域S1と第2加熱領域S2との間には、第3隙間SP3が設けられている。
図24で示す例では、第1コイル配置領域S11,S12と第2コイル配置領域S21,S24との間に、第3隙間SP3が設けられている。
【0190】
第1発光装置4Aは、第1隙間SP1、第2隙間SP2及び第3隙間SP3からトッププレート1に対して複数の直線状の光LT1を照射するように構成されている。具体的には、第1発光装置4Aは、第1隙間SP1、第2隙間SP2及び第3隙間SP3に配置されている。第1発光装置4Aの構成は、実施の形態2と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0191】
本実施形態では、第1発光装置4Aは、6つの第1隙間SP1、3つの第2隙間SP2、2つの第3隙間SP3にそれぞれ配置されている。
【0192】
図25は、本開示に係る実施の形態8の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図25に示すように、第1発光装置4Aは、第1隙間SP1、第2隙間SP2及び第3隙間SP3の上方に向かって複数の直線状の光LT1を照射する。
【0193】
第1隙間SP1に配置される第1発光装置4Aは、平面視において第1加熱領域S1の中心C1に位置する第1基準位置P1を指し示す複数の直線状の光LT1A,LT1Cをトッププレート1に対して照射する。なお、直線状の光LT1Cは、第1加熱領域S1において第2加熱領域S2側に配置される2つの第1コイル配置領域S11,S12の間の第1隙間SP1から発する直線状の光である。2つの第1コイル配置領域S11,S12の間の第1隙間SP1は、平面視において第1加熱領域S1の中心C1と第2加熱領域S2の中心C2とを通る線CL1に沿って設けられている。
【0194】
第2隙間SP2及び第3隙間SP3に配置される第1発光装置4Aは、平面視において第2加熱領域S2の中心C2に位置する第2基準位置P2を指し示す複数の直線状の光LT1Bを照射する。
【0195】
本実施形態では、直線状の光LT1Cは、平面視において第1基準位置P1と第2基準位置P2との間でトッププレート1上に表示される。このため、直線状の光LT1Cは、平面視において第1基準位置P1又は第2基準位置P2を指し示すことが可能である。
【0196】
例えば、第1コイル3AA及び第2コイル3ABのすべてのコイルピース30A,30Bにより加熱を行う場合、加熱対象物を加熱するための適切な位置は、平面視において第1基準位置P1と第2基準位置P2との間の位置となる。
【0197】
また、例えば、第2加熱領域S2の複数の第2コイルピース30Bで加熱を行わず、第1加熱領域S1のすべての第1コイルピース30Aで加熱を行う場合、加熱対象物を加熱するための適切な位置は、平面視において第1基準位置P1となる。
【0198】
また、例えば、第2加熱領域S2のすべての第2コイルピース30Bと、第2加熱領域S2と隣接する第1加熱領域S1の2つの第1コイルピース30Aと、で加熱を行う場合、加熱対象物を加熱するための適切な位置は、平面視において第2基準位置P2となる。なお、第2加熱領域S2と隣接する第1加熱領域S1の2つの第1コイルピース30Aとは、第1コイル配置領域S11,S12に配置される第1コイルピース30Aである。
【0199】
このように、加熱コイルユニット3Aの加熱に応じて、加熱対象物を効率良く加熱するための適切な位置が変化する。このため、制御部5は、加熱コイルユニット3の加熱に応じて複数の直線状の光LT1A,LT1B,LT1Cの表示を変更する。
【0200】
[発光表示の例]
図26は、加熱コイルユニット3Aの加熱に応じたトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
図26に示す例は、第1コイル3AA及び第2コイル3ABのすべてのコイルピース30A,30Bにより加熱を行う場合の発光表示である。なお、
図26中において、表示されていない直線状の光LT1Cは破線で示されている。
【0201】
図26に示すように、制御部5は、平面視において、光LT1Cを除いてすべての直線状の光LT1A,LT1Bをトッププレート1上に表示するように、第1発光装置4Aを制御する。平面視において、複数の直線状の光LT1Aは第1基準位置P1を指し示し、複数の直線状の光LT1Bは第2基準位置P2を指し示す。また、平面視において、第1基準位置P1と第2基準位置P2との間には、直線状の光LT1Cが表示されない。これにより、平面視において、第1基準位置P1と第2基準位置P2との間の位置が加熱対象物を加熱するための適切な位置であることを示すことができる。
【0202】
図27は、加熱コイルユニット3Aの加熱に応じたトッププレート1上の発光表示の別例を示す概略図である。
図27に示す例は、第2加熱領域S2の複数の第2コイルピース30Bで加熱を行わず、第1加熱領域S1のすべての第1コイルピース30Aで加熱を行う場合の発光表示である。なお、
図27中において、表示されていない直線状の光LT1Bは破線で示されている。
【0203】
図27に示すように、制御部5は、平面視において、第1加熱領域S1におけるすべての直線状の光LT1Aと直線状の光LT1Cをトッププレート1上に表示するように、第1発光装置4Aを制御する。制御部5は、平面視において、第2加熱領域S2における複数の直線状の光LT1Bをトッププレート1上に表示しない。これにより、平面視において、複数の直線状の光LT1A,LT1Cが第1加熱領域S1の中心C1を示す第1基準位置P1を指し示す。これにより、平面視において、第1基準位置P1が加熱対象物を加熱するための適切な位置であることを示すことができる。
【0204】
図28は、加熱コイルユニット3Aの加熱に応じたトッププレート1上の発光表示の別例を示す概略図である。
図28に示す例は、第2加熱領域S2のすべての第2コイルピース30Bと、第2加熱領域S2と隣接する第1加熱領域S1の2つの第1コイルピース30Aと、で加熱を行う場合の発光表示である。なお、
図28中において、表示されていない直線状の光LT1Aは破線で示されている。
【0205】
図28に示すように、制御部5は、平面視において、第1加熱領域S1における直線状の光LT1Cと第2加熱領域S2におけるすべての直線状の光LT1Bとをトッププレート1上に表示するように、第1発光装置4Aを制御する。制御部5は、平面視において、第1加熱領域S1における複数の直線状の光LT1Aをトッププレート1上に表示しない。これにより、平面視において、複数の直線状の光LT1B,LT1Cが第2加熱領域S2の中心C2を示す第2基準位置P2を指し示す。これにより、平面視において、第2基準位置P2が加熱対象物を加熱するための適切な位置であることを示すことができる。
【0206】
このように、制御部5は、加熱コイルユニット3の加熱に応じて第1発光装置4Aによる発光表示を制御して複数の直線状の光LT1A,LT1B,LT1Cの表示パターンを変更することができる。これにより、各加熱において加熱対象物を効率良く加熱する適切な位置を表示することができる。
【0207】
[効果]
実施の形態8に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0208】
本開示の実施の形態8に係る誘導加熱調理器100において、加熱領域は、第1加熱領域S1と、第1加熱領域S1の周囲に設けられる第2加熱領域S2と、を含む。第1加熱領域S1は、平面視において第1加熱領域S1の中心C1から外周に向かって放射状に延びる複数の第1境界ラインL11~L16と、第1加熱領域S1の外周を画定する第1外周ラインL10と、によって画定される複数の第1コイル配置領域S11~S16を有する。第2加熱領域S2は、平面視において扇形状を有し、且つ平面視において第2加熱領域S2の中心C2から外周に向かって放射状に延びる複数の第2境界ラインL21~L25と、第2加熱領域S2の円弧部分の外周を画定する第2外周ラインL20と、によって画定される複数の第2コイル配置領域S21~S24を有する。加熱コイルユニット3Aは、複数の第1コイルピース30Aと、複数の第2コイルピース30Bと、を含む。複数の第1コイルピース30Aは、平面視において第1加熱領域S1の複数の第1コイル配置領域S11~S16に配置され、且つ互いに第1隙間SP1を有して配置される。複数の第2コイルピース30Bは、平面視において第2加熱領域S2の複数の第2コイル配置領域S21~S24に配置され、且つ互いに第2隙間SP2を有して配置される。平面視において第1加熱領域S1と第2加熱領域S2との間には、第3隙間SP3が設けられている。第1発光装置4Aは、第1隙間SP1、第2隙間SP2及び第3隙間SP3からトッププレート1に対して複数の直線状の光LT1A,LT1B,LT1Cを照射するように構成される。
【0209】
このような構成により、加熱コイルユニット3Aの加熱に応じて加熱対象物を加熱するための適切な位置を指し示すことができる。例えば、加熱コイルユニット3Aの複数のコイルピース30A、30Bを用いた様々な加熱パターンによって、加熱対象物を加熱するための適切な位置が変更になる場合がある。この場合、制御部5は、複数の直線状の光LT1A,LT1B,LT1Cの表示を切り替え、各加熱パターンにおいて加熱に適切な位置を指し示すことができる。
【0210】
(実施の形態9)
本発明に係る実施の形態9の誘導加熱調理器について説明する。
【0211】
実施の形態9では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態9においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態9では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0212】
図29及び
図30は、本開示に係る実施の形態9の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
【0213】
実施の形態9では、加熱コイルユニット3の火力に応じてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の数を変更する点で、実施の形態2と異なる。
【0214】
制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に応じてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の数を変更するように、第1発光装置4Aを制御する。制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいて複数の直線状の光LT1の数を変化させる。例えば、火力情報は、「弱」、「中」、「強」の火力の強度を示す情報を含む。「弱」、「中」、「強」の順に火力が強い。
【0215】
例えば、火力情報は、入力インタフェースを介してユーザが入力する。制御部5は、入力インタフェースに入力された情報を取得する。
【0216】
図29に示す例は、火力情報が「弱」のときの発光表示を示す。
図29に示すように、6つの直線状の光LT1のうち2つの直線状の光LT1をトッププレート1上に表示する。
【0217】
図30に示す例は、火力情報が「中」のときの発光表示を示す。
図30に示すように、6つの直線状の光LT1のうち4つの直線状の光LT1をトッププレート1上に表示する。
【0218】
なお、火力情報が「強」のとき、実施の形態2の
図8に示すように、6つの直線状の光LT1すべてをトッププレート1上に表示する。
【0219】
[効果]
実施の形態9に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0220】
本開示の実施の形態9に係る誘導加熱調理器100において、制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の数を変化させる。このような構成により、トッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の数によって、加熱コイルユニット3の火力を示すことができる。ユーザは、トッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の数を確認することで、火力を容易に知ることができる。
【0221】
なお、本実施形態では、火力情報が「弱」、「中」、「強」の火力の強度を示す情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、火力情報は、設定された温度の情報であってもよい。
【0222】
<変形例6>
図31は、変形例6におけるトッププレート1A上の発光表示の一例を示す概略図である。
図31に示すように、トッププレート1A上に複数の点状の光LT13を表示する場合、制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいてトッププレート1A上に表示される複数の点状の光LT13の数を変化させてもよい。
【0223】
図31に示す例は、火力情報が「中」のときの発光表示を示す。
図31に示すように、直線状に並んだ9つの点状の光LT13のうち内側の3つの点状の光LT13を消灯し、残り6つの点状の光LT13を点灯してもよい。
【0224】
このような構成により、トッププレート1A上に表示される複数の点状の光LT13の数によって、加熱コイルユニット3の火力を示すことができる。
【0225】
(実施の形態10)
本発明に係る実施の形態10の誘導加熱調理器について説明する。
【0226】
実施の形態10では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態10においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態10では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0227】
図32は、本開示に係る実施の形態10の誘導加熱調理器100におけるトッププレート1上の発光表示の一例を示す概略図である。
【0228】
実施の形態10では、加熱コイルユニット3の火力に応じてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の明度を変更する点で、実施の形態2と異なる。
【0229】
制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に応じてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の明度を変更するように、第1発光装置4Aを制御する。制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいて複数の直線状の光LT1の明度を変化させる。例えば、
図32に示すように、制御部5は、火力が弱くなるほど、複数の直線状の光LT1の明度を低減する。例えば、制御部5は、火力情報に基づいて、加熱領域S1の外側から内側に向かって複数の直線状の光LT1の明度を緩やかに低減する。即ち、複数の直線状の光LT1は、グラデーションで表示される。
【0230】
[効果]
実施の形態10に係る誘導加熱調理器100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0231】
本開示の実施の形態10に係る誘導加熱調理器100において、制御部5は、加熱コイルユニット3の火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいてトッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の明度を変化させる。このような構成により、トッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の明度によって、加熱コイルユニット3の火力を示すことができる。ユーザは、トッププレート1上に表示される複数の直線状の光LT1の明度を確認することで、火力を容易に知ることができる。
【0232】
なお、本実施形態では、制御部5が加熱領域S1の外側から内側に向かって複数の直線状の光LT1の明度を緩やかに低減する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部5は、複数の直線状の光LT1全体の明度を低減してもよい。あるいは、制御部5は、複数の直線状の光LT1の明度を段階的に低減してもよい。
【0233】
また、制御部5は、複数の直線状の光LT1の線幅方向において複数の直線状の光LT1の明度を複数の直線状の光LT1の内側に向かって小さくなるように構成されていてもよい。即ち、制御部5は、複数の直線状の光の線幅が小さくなるように、複数の直線状の光LT1の明度を変更してもよい。これにより、複数の直線状の光LT1の線幅(太さ)の大きさによって加熱コイルユニット3の火力を示すことができる。
【0234】
本実施形態では、制御部5が火力情報に基づいて複数の直線状の光LT1の明度を変化させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、火力情報に関係なく、第1発光装置4Aがトッププレート1に対して照射した複数の直線状の光LT1の明度を基準位置P1に向かって小さくするように構成されていてもよい。このような構成により、デザイン性を向上しつつ、加熱対象物の適切な位置を指し示すことができる。
【0235】
(その他の実施形態)
図33-
図38は、その他の実施形態に係る誘導加熱調理器における内部構成の一例の概略図である。
【0236】
図33-
図38に示すように、複数のコイルピース30で構成される加熱コイルユニット3において、複数のコイルピース30の数は2個以上であってもよい。また、第1発光装置4Aの数は2個以上であってもよい。また、コイルピース30の形状は、平面視において半円形状であってもよい。また、加熱領域S1内には、平面視において円弧状のコイルピース32が配置されていてもよい。
【0237】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0238】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0239】
(実施形態の概要)
(1)本開示の誘導加熱調理器は、加熱対象物が載置されるトッププレートと、トッププレートの下方に配置され、加熱対象物を誘導加熱する加熱コイルユニットと、トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において加熱コイルユニットが配置される加熱領域の少なくとも内側で、加熱対象物を載置して加熱するための位置の基準となる基準位置を指し示す複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射するように構成される第1発光装置と、を備える。
【0240】
(2)(1)の誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットは、平面視において互いに隙間を有して配置される複数のコイルピースを含んでもよい。第1発光装置は、複数のコイルピースの間の隙間からトッププレートに対して複数の直線状の光を照射するように構成されていてもよい。
【0241】
(3)(1)の誘導加熱調理器において、第1発光装置は、発光素子と、発光素子から発した光をトッププレートに導く導光体と、を含んでもよい。
【0242】
(4)(3)の誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットは、平面視において互いに隙間を有して配置される複数のコイルピースを含んでもよい。導光体は、複数のコイルピースの間の隙間に配置され、且つ発光素子から離れるのに伴い、トッププレートへ近づく方向に連続して湾曲する導光路を有していてもよい。
【0243】
(5)(4)の誘導加熱調理器において、発光素子は、平面視において基準位置と重なる位置に配置されてもよく、導光体は、平面視において基準位置から加熱領域の外側に向かって延びる線上に配置されていてもよい。
【0244】
(6)(3)の誘導加熱調理器において、導光体は、発光素子から発した光をトッププレートに向けて屈折させるレンズ、又は発光素子から発した光をトッププレートに向けて反射させるミラーを有していてもよい。
【0245】
(7)(2),(4)~(5)のいずれかの誘導加熱調理器において、複数のコイルピースは、平面視において放射状に配置され、且つ等間隔に配置されてもよい。
【0246】
(8)(1)~(7)のいずれかの誘導加熱調理器において、第1発光装置は、平面視において複数の直線状の光を加熱領域の内側のみでトッププレートに対して照射してもよい。
【0247】
(9)(1)~(7)のいずれかの誘導加熱調理器において、第1発光装置は、平面視において複数の直線状の光を加熱領域の内側と外側とに連続して延びるようにトッププレートに対して照射してもよい。
【0248】
(10)(1)~(8)のいずれかの誘導加熱調理器において、第1発光装置は、トッププレートに対して照射した複数の直線状の光の明度を基準位置に向かって小さくするか、又は、複数の直線状の光の線幅方向において複数の直線状の光の明度を複数の直線状の光の内側に向かって小さくなるように構成されていてもよい。
【0249】
(11)(1)~(9)のいずれかの誘導加熱調理器において、トッププレートは、第1発光装置から照射された複数の直線状の光を、直線状に並んだ複数の点状の光に変更するように構成されていてもよい。
【0250】
(12)(9)の誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。制御部は、加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいて複数の直線状の光の明度を変化させてもよい。
【0251】
(13)(9)の誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。制御部は、加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいてトッププレート上に表示される複数の直線状の光の数を変化させてもよい。
【0252】
(14)(9)の誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。トッププレートは、第1発光装置から照射された複数の直線状の光を、直線状に並んだ複数の点状の光に変更するように構成されていてもよい。制御部は、加熱コイルユニットの火力に関する火力情報を取得し、火力情報に基づいてトッププレート上に表示される複数の点状の光の数を変化させてもよい。
【0253】
(15)(1)~(14)のいずれかの誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。制御部は、加熱コイルユニットが加熱を開始する前に、第1発光装置から複数の直線状の光を前記トッププレートに対して照射させてもよい。
【0254】
(16)(1)~(15)のいずれかの誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。制御部は、加熱コイルユニットが加熱している間、平面視において加熱領域の内側で第1発光装置からトッププレートに対して照射される複数の直線状の光を消灯させてもよい。
【0255】
(17)(9)の誘導加熱調理器は、加熱コイルユニット及び第1発光装置を制御する制御部をさらに備えてもよい。制御部は、加熱コイルユニットが加熱している間、平面視において加熱領域の外側へ所定の距離離れた位置より内側で第1発光装置からトッププレートに対して照射される複数の直線状の光を消灯させてもよい。
【0256】
(18)(1)~(15)のいずれかの誘導加熱調理器は、トッププレートの下方に配置され、且つ平面視において加熱領域の外側でトッププレートに対して1つ又は複数の光を照射するように構成される第2発光装置をさらに備えてもよい。
【0257】
(19)(2),(4)~(5)のいずれかの誘導加熱調理器において、加熱領域は、平面視において加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の境界ラインと、加熱領域の外周を画定する外周ラインと、によって画定される複数のコイル配置領域を有してもよい。複数のコイルピースは、平面視において複数のコイル配置領域内に配置されてもよい。複数のコイルピースのそれぞれは、平面視において、複数の境界ラインのうち隣り合う2つの境界ラインと、隣り合う2つの境界ラインを結ぶ外周ラインと、に沿って配置されるコイル線を有していてもよい。
【0258】
(20)(2),(4)~(5)のいずれかの誘導加熱調理器において、加熱領域は、第1加熱領域と、第1加熱領域の周囲に設けられる第2加熱領域と、を含んでいてもよい。第1加熱領域は、平面視において第1加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の第1境界ラインと、第1加熱領域の外周を画定する第1外周ラインと、によって画定される複数の第1コイル配置領域を有していてもよい。第2加熱領域は、平面視において扇形状を有し、且つ平面視において第2加熱領域の中心から外周に向かって放射状に延びる複数の第2境界ラインと、第2加熱領域の円弧部分の外周を画定する第2外周ラインと、によって画定される複数の第2コイル配置領域を有していてもよい。加熱コイルユニットは、平面視において第1加熱領域の複数の第1コイル配置領域に配置され、且つ互いに第1隙間を有して配置される複数の第1コイルピースと、平面視において第2加熱領域の複数の第2コイル配置領域に配置され、且つ互いに第2隙間を有して配置される複数の第2コイルピースと、を含んでいてもよい。平面視において第1加熱領域と第2加熱領域との間には、第3隙間が設けられていてもよい。第1発光装置は、第1隙間、第2隙間及び第3隙間からトッププレートに対して複数の直線状の光を照射するように構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0259】
本開示は、鍋などの加熱対象物を誘導加熱する誘導加熱調理器に適用できる。
【符号の説明】
【0260】
1,1A トッププレート
2 筐体
3,3A 加熱コイルユニット
3AA 第1コイル
3AB 第2コイル
4,4A,4B,4C,4D,4E 第1発光装置
5 制御部
6 第2発光装置
11 遮光面
12 透過部
21 シールド部材
22 第1切り欠き
23 第2切り欠き
30 コイルピース
31,31A,31B コイル線
32 コイルピース
41 発光素子
41A 第1発光素子
41B 第2発光素子
42 導光体
42A 第1導光体
42B 第2導光体
42a,42b 導光路
43 基板
44 レンズ
100 誘導加熱調理器
C1,C2 中心
L11,L12,L13,L14,L15,L16 境界ライン
L21,L22,L23,L24,L25 境界ライン
L10,L20 外周ライン
LT1,LT11,LT12,LT13,LT21,LT22,LT1A.LT1B,LT1C 光
P1,P2 基準位置
S1,S2 加熱領域
S11,S12,S13,S14,S15,S16 コイル配置領域
S21,S22,S23,S24 コイル配置領域
SP1,SP2,SP3 隙間