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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182372
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】アンモニア回収方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/469 20230101AFI20231219BHJP
   B01D 61/24 20060101ALI20231219BHJP
   B01D 61/44 20060101ALI20231219BHJP
   B01D 61/46 20060101ALI20231219BHJP
   B01D 63/02 20060101ALI20231219BHJP
   C02F 1/04 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
C02F1/469
B01D61/24
B01D61/44 500
B01D61/44 520
B01D61/46 500
B01D63/02
C02F1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095931
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100122404
【弁理士】
【氏名又は名称】勝又 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】木口 昌
(72)【発明者】
【氏名】須賀 友規
【テーマコード(参考)】
4D006
4D034
4D061
【Fターム(参考)】
4D006GA17
4D006GA23
4D006HA02
4D006HA18
4D006JA13C
4D006JB06
4D006KA01
4D006KA52
4D006KA57
4D006KA72
4D006KB18
4D006MA01
4D006MA03
4D006MA13
4D006MA15
4D006MC22
4D006MC23
4D006MC26
4D006MC28
4D006MC29
4D006MC30
4D006MC62
4D006MC63
4D006PA01
4D006PB08
4D006PB70
4D034AA27
4D034BA03
4D034CA12
4D061DA08
4D061DB18
4D061DC15
4D061EA02
4D061EA09
4D061EB13
4D061FA02
4D061FA09
4D061FA11
(57)【要約】
【課題】プラント等から排出されるアンモニア含有排水から、低コストかつ高効率にて、アンモニアを回収するための、方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】アンモニウム塩及び酸を含有する被処理液の電気透析により、アンモニウムを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ることを含む、アンモニア回収方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニウム塩及び酸を含有する被処理液の電気透析により、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ることを含む、アンモニア回収方法。
【請求項2】
前記電気透析が、バイポーラ膜及びアニオン交換膜を用いる2室法によって行われる、請求項1に記載のアンモニア回収方法。
【請求項3】
前記被処理液が、アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを、前記酸溶液中に移動させることにより得られた液である、請求項1に記載のアンモニア回収方法。
【請求項4】
前記アンモニア含有溶液と前記酸溶液との接触が、膜コンタクターを用いて行われる、請求項3に記載のアンモニア回収方法。
【請求項5】
前記膜コンタクターにおける膜が、多孔質中空糸膜である、請求項4に記載のアンモニア回収方法。
【請求項6】
前記多孔質中空糸膜の内側に前記被処理液を流通させ、外側に前記酸溶液を流通させる、請求項5に記載のアンモニア回収方法。
【請求項7】
前記電気透析により得た回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び蒸留残液を得ることを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のアンモニア回収方法。
【請求項8】
前記電気透析により得た回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び蒸留残液を得ること、並びに、
前記蒸留残液を前記アンモニア含有溶液に混合すること
を含む、請求項3~6のいずれか一項に記載のアンモニア回収方法。
【請求項9】
前記蒸留の前に、前記回収アンモニア水にアルカリを添加する、請求項7に記載のアンモニア回収方法。
【請求項10】
前記蒸留の前に、前記回収アンモニア水にアルカリを添加する、請求項8に記載のアンモニア回収方法。
【請求項11】
(A)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得ること、
(B)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得ること、
(C)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ること、及び
(D)前記回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び第2の蒸留残液を得ること
をこの順に行うことを含む、アンモニア回収方法。
【請求項12】
前記工程(A)~(D)を循環的に行う、請求項11に記載のアンモニア回収方法。
【請求項13】
(a)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得るための、蒸留装置、
(b)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得るためのコンタクター、及び
(c)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得るための電気透析装置
を含む、アンモニア回収システム。
【請求項14】
前記電気透析を行うための電気透析装置が、バイポーラ膜及びアニオン交換膜を用いる2室法の電気透析装置である、請求項13に記載のアンモニア回収システム。
【請求項15】
前記回収アンモニア水にアルカリを添加するための、アルカリ溶液タンクを含む、請求項14に記載のアンモニア回収システム。
【請求項16】
前記コンタクターが膜コンタクターである、請求項13~15のいずれか一項に記載のアンモニア回収システム。
【請求項17】
前記膜コンタクターにおける膜が、多孔質中空糸膜である、請求項16に記載のアンモニア回収システム。
【請求項18】
前記多孔質中空糸膜の内側に前記アンモニア含有溶液を流通させ、外側に前記酸溶液を流通させる、請求項17に記載のアンモニア回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアを含む排水からアンモニアを回収するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
アンモニアを含む排水は、例えば、火力発電所から排出される。
火力発電所の発電プラントでは、ボイラによって発生させた水蒸気によってタービンを駆動させて発電を行う。タービンを駆動に用いた水蒸気は、復水器に送られて液体の水となり、脱塩装置において例えばイオン交換樹脂と接触して不純物イオンが除去された後、ボイラに循環供給される。
【0003】
ここで、腐食を防止するため、ボイラに供給される水にはアンモニアが添加される。このアンモニアは、ボイラに循環供給される前に、脱塩装置のイオン交換樹脂に捕捉される。したがって、脱塩装置のイオン交換樹脂の再生を行うと、再生排水に多量のアンモニアが含まれることになる。
また、ボイラとタービンとを循環する水中の不純物を排出する等のために、循環水の一部を排出(ブロー)することがある。このブロー排水にもアンモニアが含まれている。
更に、発電プラントを長期間停止するときには、機器の腐食を防ぐために、ボイラ及びタービン、並びにこれらを接続する配管等を、純水にアンモニアを加えた液「ボイラ保管水」で充填して、保管処理を行うことが多い。したがって、発電プラントを再稼働させる際には、アンモニアを含むボイラ保管水が排出されることになる。
そして、上述の用途に用いられるアンモニアを貯蔵するタンクを設ける場合、このタンクの洗浄排水にも、アンモニアが含まれる。
【0004】
上記のように、火力発電所の発電プラント等では、種々の理由によって、アンモニア含有排水が発生する。アンモニア含有排水は、例えば、他の排水と混合してアンモニア濃度を希釈したうえでの放流、アンモニア排水処理装置によってアンモニアを除去したうえでの放流等によって、処理されている。
【0005】
ところで、火力発電所の発電プラント等では、上述のように、種々の用途においてアンモニアが使用されている、また、自動車等の内燃機関から排出される排ガスの脱硝処理を行う脱硝装置では、窒素酸化物の還元剤としてアンモニアが使用されている。
このように、工業的用途、環境保護の要請等において、アンモニアの需要は多い。
【0006】
そこで、アンモニア含有排水からアンモニアを回収して、再利用することが提案されている。
例えば特許文献1では、火力発電所から排出されるアンモニア含有排水を空気と接触させて、アンモニアを空気中に抽気し、得られたアンモニアを含む空気を脱硝処理に用いることが提案されている。
特許文献2では、アンモニア態窒素を含む排水にアルカリを加え、アンモニア態窒素をアンモニアに変換した後に、ストリッピングによってアンモニアを回収することが提案されている。
特許文献3では、アンモニア含有ガス流中のアンモニアを酸で処理し、この処理によって生成したアンモニム塩を含む水性流に対して、3室バイポーラ電気透析装置による電気透析を行って、酸及びアンモニアを回収することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8-252596号公報
【特許文献2】特開平9-75915号公報
【特許文献3】特表2008-522798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術におけるアンモニアの回収は、回収効率が不十分であり、回収のための消費エネルギーも大きいとの問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラント等から排出されるアンモニア含有排水から、低コストかつ高効率にて、アンモニアを回収するための、方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下のとおりである。
《態様1》アンモニウム塩及び酸を含有する被処理液の電気透析により、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ることを含む、アンモニア回収方法。
《態様2》前記電気透析が、バイポーラ膜及びアニオン交換膜を用いる2室法によって行われる、態様1に記載のアンモニア回収方法。
《態様3》前記被処理液が、アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを、前記酸溶液中に移動させることにより得られた液である、態様1又は2に記載のアンモニア回収方法。
《態様4》前記アンモニア含有溶液と前記酸溶液との接触が、膜コンタクターを用いて行われる、態様3に記載のアンモニア回収方法。
《態様5》前記膜コンタクターにおける膜が、多孔質中空糸膜である、態様4に記載のアンモニア回収方法。
《態様6》前記多孔質中空糸膜の内側に前記被処理液を流通させ、外側に前記酸溶液を流通させる、態様5に記載のアンモニア回収方法。
《態様7》前記電気透析により得た回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び蒸留残液を得ることを含む、態様1~6のいずれか一項に記載のアンモニア回収方法。
《態様8》前記電気透析により得た回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び蒸留残液を得ること、並びに、
前記蒸留残液を前記アンモニア含有溶液に混合すること
を含む、態様3~6のいずれか一項に記載のアンモニア回収方法。
《態様9》前記蒸留の前に、前記回収アンモニア水にアルカリを添加する、態様7又は8に記載のアンモニア回収方法。
《態様10》(A)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得ること、
(B)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得ること、
(C)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ること、及び
(D)前記回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び第2の蒸留残液を得ること
をこの順に行うことを含む、アンモニア回収方法。
《態様11》前記工程(A)~(D)を循環的に行う、態様10に記載のアンモニア回収方法。
《態様12》(a)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得るための、蒸留装置、
(b)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得るためのコンタクター、及び
(c)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得るための電気透析装置
を含む、アンモニア回収システム。
《態様13》前記電気透析を行うための電気透析装置が、バイポーラ膜及びアニオン交換膜を用いる2室法の電気透析装置である、態様12に記載のアンモニア回収システム。
《態様14》前記回収アンモニア水にアルカリを添加するための、アルカリ溶液タンクを含む、態様13に記載のアンモニア回収システム。
《態様15》前記コンタクターが膜コンタクターである、態様12~14のいずれか一項に記載のアンモニア回収システム。
《態様16》前記膜コンタクターにおける膜が、多孔質中空糸膜である、態様15に記載のアンモニア回収システム。
《態様17》前記多孔質中空糸膜の内側に前記アンモニア含有溶液を流通させ、外側に前記酸溶液を流通させる、態様16に記載のアンモニア回収システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、プラント等から排出されるアンモニア含有排液から、低コストかつ高効率で、アンモニアを回収するための、方法及びシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本出願の好ましい態様における、アンモニア回収方法を実施するためのシステムの概念図である。
図2図2は、膜コンタクター用膜モジュールの構造の一例を説明するための模式断面図である。
図3図3は、実施例1及び2における、電気透析の運転状況の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態を、非限定的な例として具体的に説明する。
本発明は、アンモニウム塩及び酸を含有する被処理液の電気透析により、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ることを含む、アンモニア回収方法に関する。
本発明のアンモニア回収方法において電気透析に供される被処理液は、例えば、アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、アンモニア含有溶液中のアンモニアを酸溶液中に移動させて得られた、アンモニウム塩を含む酸溶液であってよい。このアンモニア含有溶液と酸溶液との接触は、膜コンタクターを用いて行われてよい。上記の「アンモニア含有溶液」は、例えば、プラント等から排出される、アンモニア含有排液であってよく、或いは、アンモニア含有排液を蒸留して得られた蒸留残液であってよい。
また、上記の電気透析によって得られた回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水として回収してもよい。アンモニア含有排液又は回収アンモニア水を蒸留する前に、アンモニア含有排液又は回収アンモニア水にアルカリを添加して、pHを調節してもよい。
【0013】
本発明の好ましいアンモニア回収方法を実施するためのシステムの概略について、図1を用いて説明する。
図1のアンモニア回収装置(1000)は、膜コンタクター(100)、酸溶液タンク(200)、電気透析装置(300)、2つの蒸留装置(401、402)、及びアルカリ溶液タンク(500)を有する。図1には、ポンプ、バルブ、センサ類は図示していない。
また、アンモニア回収装置(1000)は、必要に応じて、流量調整器、圧力調整器、保温構造等を更に備えていてよい。
【0014】
図1のアンモニア回収装置(1000)を用いて行う、アンモニアの配収方法では、例えば、火力発電所のプラント等から排出される、アンモニア含有排水から、アンモニアが回収される。
アンモニア含有排液に、アルカリ溶液タンク(500)からアルカリを添加して、pHを例えば10~13に調節する。pH調節後のアンモニア含有排水は、第1の蒸留装置(401)で、大部分のアンモニアが留去されて、塔頂部から回収NHを、塔底部から第1の蒸留残液を、それぞれ得る。
第1の蒸留装置(401)で得られた第1の蒸留残液は、いまだに有意の濃度のアンモニアを含んでいるので、この第1の蒸留残液から、以下のようにして、アンモニアが更に回収される。
【0015】
第1の蒸留装置(401)で得られた第1の蒸留残液は、膜コンタクター(100)に送られる。この膜コンタクター(100)には、酸溶液タンク(200)から、酸溶液が送られてきている。
そして、膜コンタクター(100)において、第1の蒸留残液と酸溶液とが、膜を介して接触する。これにより、第1の蒸留残液中の残留アンモニアは、アンモニウム塩として酸溶液中に回収される。アンモニアが回収された後の第1の蒸留残液は、排液(WW)として、系外に排出される。
【0016】
次いで、アンモニウム塩及び酸を含む酸溶液は、電気透析装置(300)に送られて、電気透析処理に供される。この電気透析処理により、アンモニア濃化液(CW)及び酸濃化液(図示せず)が得られる。
アンモニア濃化液(CW)は、アルカリ溶液タンク(500)からアルカリが添加されて、pHが例えば10~13に調節されたうえで、第2の蒸留装置(402)に送られる。第2の蒸留装置(402)では、塔頂部から高純度の回収NHが、塔底部から第2の蒸留残液が、それぞれ得られる。
【0017】
本発明の方法によると、第1の蒸留装置(401)の塔頂部、及び第2の蒸留装置(402)の塔頂部から、それぞれ、高純度の回収NHが得られ、これらを合計すると、極めて高い回収率に達する。
また、第2の蒸留装置(402)の塔底部から得られた第2の蒸留残液は、少量のアンモニアを含んでいる場合がある。したがって、この第2の蒸留残液を循環使用して、第1の蒸留残液である、アンモニア含有溶液と混合したうえで、再度、本発明の方法に供してもよい。
【0018】
上記では、本発明のアンモニアの回収方法の作用機構について、最も好ましい実施態様を例にとって説明した。しかしながら、本発明の範囲は、上述の好ましい実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって画定される。
以下、本発明のアンモニアの回収方法の各要素について、順に説明する。
【0019】
(電気透析)
本発明は、アンモニウム塩及び酸を含有する被処理液の電気透析により、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ることを含む、アンモニア回収方法に関する。
本発明における電気透析は、例えば、バイポーラ電気透析装置によって行われてよい。
バイポーラ電気透析装置は、バイポーラ膜とアニオン交換膜とが、互い違いに室枠を介して配列し、両端に締め付け枠を配置して締め付けることにより形成される、バイポーラ膜及びアニオン交換膜により区画された塩室及び酸回収室、これらの両端に形成される陰電極及び陽電極、並びに両電極間に電圧を印加する電源設備から構成される。塩室には処理液が充填され、酸回収室には酸回収液が充填され、陰極室及び陽極室には電極液が充填される。また各々の室に液の入口及び出口を設けてポンプで液循環できるような構成も好ましい。この場合、陰極室液と陽極室液とは繋がっていてもよい。このようなバイポーラ電気透析装置として、具体的には、アシライザー02B、10B、25B、50B、EX3B(いずれも(株)アストム製、商標)等が挙げられる。なお、酸及びアルカリを回収するための装置では、上記にカチオン膜、アルカリ回収室が追加される。
【0020】
バイポーラ膜とは、アニオン交換層及びカチオン交換層を貼り合わせた構造を持つイオン交換膜であり、水の理論分解電圧以上の電圧を印加することにより、水を電解させ酸及びアルカリを生成することができる。
バイポーラ膜を構成するカチオン交換膜のカチオン交換基は、特に限定されず、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基等の、公知のカチオン交換基であってよい。特に本発明におけるバイポーラ膜の用途上の観点からは、酸性下にあっても交換基が解離しているスルホン酸基が好ましい。また、バイポーラ膜を構成するアニオン交換膜のアニオン交換基も、特に限定されず、例えば、アンモニウム塩基、ピリジニウム塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基等の公知のアニオン交換基であってよい。特に塩基性下においても交換基が解離しているアンモニウム塩基が好適である。
【0021】
このようなバイポーラ膜は、各種の公知の方法で製造される。バイポーラ膜の製造方法として、例えば、
カチオン交換膜とアニオン交換膜とをポリエチレンイミン-エピクロルヒドリンの混合物で貼り合わせて硬化接着する方法、
カチオン交換膜とアニオン交換膜とをイオン交換性接着剤で接着する方法、
カチオン交換膜とアニオン交換膜とを、微粉のイオン交換樹脂、アニオン又はカチオン交換樹脂と熱可塑性物質とのペースト状混合物の塗布層を挟んで圧着する方法、
カチオン交換膜の表面にビニルピリジンとエポキシ化合物とからなる糊状物質を塗布し、これに放射線を照射する方法、
アニオン交換膜の表面にスルホン酸型高分子電解質及びアリルアミン類を付着させた後、電離性放射線を照射して架橋させる方法、
イオン交換膜の表面に反対電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との混合物を沈着させる方法、
ポリエチレンフィルムに、スチレン及びジビニルベンゼンを含浸して重合させたシート状物を、ステンレス製の枠に挟みつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り外して残りの部分をクロロメチル化処理し、次いでアミノ化処理する方法、
特定の金属イオンを、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の表面に塗布し、両イオン交換膜を重ね合わせてプレスする方法
等を挙げることができる。
【0022】
バイポーラ膜の基材としては、接合するカチオン交換膜、アニオン交換膜の種類等に応じて適宜に設定されてよい。基材として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体等から構成される、フィルム、ネット、編物、織布、不織布等が挙げられる。
市販されているバイポーラ膜としては、例えば、ネオセプタBP-1E((株)アストム製、商標)等が挙げられる。
【0023】
アニオン交換膜としては、どのような膜を用いてもよいが、例えば、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体ベース膜に4級アンモニウム基を導入して得られた膜、スチレン-ブタジェエン系の共重合体ベース膜に4級アンモニウム基を導入した膜、ポリオレフィンフィルムにスチレンをグラフト重合しこれに4級アンモニウム基を導入した膜、テトラエチレンと4級アンモニウム基を側鎖に持つパーフルオロビニルエーテル類との共重合物からなる膜等を挙げることができる。
市販されているアニオン交換膜としては、例えば、ネオセプタACM、ネオセプタAM-1、ネオセプタACS、ネオセプタACLE-5P、ネオセプタAHA、ネオセプタAMH、ネオセプタACS(以上、(株)アストム製、商標)、セレミオンAMV、セレミオンAMT、セレミオンDSV、セレミオンAAV、セレミオンASV、セレミオンAHT、セレミオンAPS(以上、AGC(株)製、商標)、FAB,FAA(フマテック社製、商標)、アシプレックスA-501、A-231、A-101(以上、旭化成(株)製、商標)等が挙げられる。
【0024】
バイポーラ膜を用いるBP電気透析は、塩類を酸とアルカリとに分解して回収するための好適な方法として知られている。BP電気透析としては、一般に、2室法及び3室法が知られている。
3室法は、バイポーラ膜、アニオン膜、及びカチオン膜を組み合わせて電気透析を行う方法である。3室法は、酸とアルカリとを同時に回収できるメリットがる。一方で、膜コストが嵩み、酸とアルカリとの解離度によっては、電力コストが嵩むことがある。
これに対して2室法は、酸又はアルカリのうちのどちらか一方のみを回収する方法である。酸を回収する場合には、バイポーラ膜とアニオン膜とを組み合わせて用い、アルカリを回収する場合にはバイポーラ膜とカチオン膜とを組み合わせて用いられる。したがって、2室法によると、膜コストが低減でき、解離度の大きなイオン種を回収する場合には、電力コストも抑えられるメリットがある。なお、本発明の方法において、電気透析で回収されるイオン種は、解離度が大きいので、2室法のメリットを享受できる。
【0025】
電極液としては、導電性が高く、電圧印加により有毒なガス等を発生しないアルカリ液が使用されてよい。このようなアルカリ液として、例えば、4質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液等が例示できる。
種々の理由で、アルカリの使用を避けたい場合には、解離度の大きい中性塩溶液が使用可能である。このような中性塩溶液として、例えば、硫酸ナトリウム水溶液が例示できる。
電極液は、陽極側用の電極液と陰極側用電極液とを別々に調製して、それぞれ隔離して流すことが好ましい。しかし、非イオン性物質、非選択的なイオンの透過等の問題がない膜を用いる場合には、同じ液を陽極側及び陰極側の双方に、直列又は並列に流してもよい。
【0026】
イオン種の回収液は、イオンを含まない蒸留水等を用いてもよいし、回収すべきイオン種を所定の濃度で溶解させた水溶液を用いてもよい。このような水溶液は、電気透析の開始時点から、高い電流値で効率よく運転することができ、好ましい。しかしながら、小スケールの運転であれば蒸留水を用いても、電流値はすぐ上がってくるので特に問題はない。
電気透析の運転温度は、一般に、電気透析装置の種類、イオン交換膜の耐熱性の限界等を考慮したうえで、適宜に設定されてよい。好適な運転温度は、膜の種類、装置の製造メーカ等によって異なるが、後述の実施例にて用いた電気透析装置(アシライザーEX3B、(株)アストム製)に関しては、好ましくは5℃以上40℃以下である。
【0027】
本発明では、電気透析装置のコスト、運転時間、消費電力、及び得られるアンモニアの純度の点で、2室法による電気透析が好ましい。
【0028】
(膜コンタクター)
本発明のアンモニア回収方法において電気透析に供される被処理液は、例えば、アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、アンモニア含有溶液中のアンモニアを酸溶液中に移動させて得られた、アンモニウム塩を含む酸溶液であってよい。このアンモニア含有溶液と酸溶液との接触は、膜コンタクターを用いて行われてよい。
本発明における膜コンタクターにおける膜コンタクター用膜は、この膜を介してアンモニア含有溶液と酸溶液とを接触させたときに生ずる、膜の表裏におけるアンモニアの蒸気圧差を駆動力として、アンモニア含有溶液中のアンモニアを、選択的に膜透過させて、酸溶液側に異動させることが可能な、疎水性の多孔質膜であってよい。
【0029】
膜コンタクター用膜の形状は、平膜及び中空糸膜のうちのどちらでもよい。しかし、中空糸膜の方が、膜コンタクターの容積当たりの膜面積が大きくなり、かつアンモニア含有溶液及び酸溶液を、膜コンタクター内部の膜全体に均一に流通することが容易であることから好ましい。
多孔質膜とは、膜の一方の表面から他方の表面まで厚み方向に連通している細孔(連通孔)を有している膜を意味する。細孔は、膜材料(例えばポリマー)のネットワークの空隙であってよく、枝分かれしていても直通孔でもよい。細孔は、蒸気を通すが液体を通さないものであってよい。
本発明で用いられる膜コンタクター用膜としての多孔質膜は、膜のウェッティングを回避する観点から、少なくとも片側表面の水接触角が、90°以上であることが好ましく、より好ましくは90°よりも大きく、更に好ましくは110°以上であり、特に好ましくは120°以上である。膜の水接触角には、本発明の奏する効果との関係では上限はないが、現実的には150°以下であってよい。
本明細書における水接触角は、JIS R 3257準拠の液滴法により測定される値である。具体的には、2μLの純水を測定対象物表面に滴下し、測定対象物と液滴とが形成する角度を、投影画像から解析することで数値化する。
本発明で用いられる膜コンタクター用膜では、片側表面のうちの実質的にすべての領域面で、上記範囲の水接触角を示すことが好ましい。
【0030】
上記多孔質膜の平均孔径は、0.02μm以上0.5μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.03μm以上0.3μm以下の範囲内である。平均孔径が0.02μm以上である場合、蒸気の透過抵抗が大きくなり過ぎず、アンモニア含有溶液から発生したアンモニア蒸気の透過が速くなる。平均孔径が0.5μm以下である場合、膜のウェッティングの抑制効果が良好である。平均孔径は、ASTM:F316-86に準拠して、ハーフドライ法で測定される値である。
蒸気透過性とウェッティング抑制との両立の観点から、膜の孔径分布は狭い方が好ましい。具体的には、平均孔径に対する最大孔径の比である孔径分布が、好ましくは1.2~2.5の範囲内、より好ましくは1.2~2.0の範囲内である。上記最大孔径は、バブルポイント法を用いて測定される値である。
【0031】
上記多孔質膜の空隙率は、高い蒸気透過性と、長期耐久性とを両立させる観点から、60%以上90%以下の範囲であることが好ましい。高い蒸気透過性を得るために、上記多孔質中空糸膜の空隙率は、60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。膜自体の強度が良好に維持され、長期使用の際に破断等の問題を発生させ難くする観点から、上記多孔質中空糸膜の空隙率は、90%以下であることが好ましく、より好ましくは85%以下である。
多孔質膜の空隙率は、膜を構成する材料の真比重と見かけ比重との比から算出される値である。
【0032】
上記多孔質膜の表面開口率は、効率的な濃縮速度を得る観点から、各表面について、好ましくは15%以上、より好ましくは18%以上、更に好ましくは20%以上であり、膜自体の強度が良好に維持され、長期使用の際に破断等の問題を発生させ難くする観点から、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下である。
上記表面開口率は、膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察画像において、画像解析ソフトで孔部を検出することにより求められる値である。
【0033】
上記多孔質膜を構成する材料としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、及びポリクロロトリフルオロエチレンから成る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む材料が挙げられる。疎水性、機械的耐久性、及び熱的耐久性に優れる膜を、高い成膜性で製造できるとの観点からは、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンが好ましい。
【0034】
本発明の一様態として、膜の疎水性向上のために、少なくとも一部に、疎水性ポリマーが付着している多孔質膜を用いてよい。疎水性ポリマーは、多孔質膜の少なくとも片側の表面又は膜内部に疎水性の被膜を形成して、膜に撥水性を付与し、又は膜の撥水性を向上させることができるポリマーを意味する。
本明細書において、「疎水性ポリマー」とは、水との親和性が低いポリマーを意味し、例えば、疎水性構造を有するポリマーであってよい。疎水性構造としては、非極性基、低極性基、非極性骨格、低極性骨格等が挙げられる。非極性基又は低極性基としては、例えば、炭化水素基、含フッ素基等が挙げられる。非極性骨格又は低極性骨格としては、例えば、炭化水素主鎖、シロキサン主鎖等が挙げられる。
【0035】
疎水性ポリマーとしては、例えば、シロキサン結合を有するポリマー、フッ素原子含有ポリマー等が挙げられ、より具体的には、例えば、以下のものが挙げられる:
(ア)シロキサン結合を有するポリマーとして、例えば、ジメチルシリコーンゲル、メチルフェニルシリコーンゲル、有機官能基(アミノ基、フルオロアルキル基等)を有する反応性変性シリコーンゲル、シランカップリング剤と反応して架橋構造を形成するシリコーン系ポリマー等、及びこれらの架橋体であるポリマーゲル、並びに
(イ)フッ素原子含有ポリマーとして、側鎖にフッ素原子含有基を持つポリマー、ここで、フッ素原子含有基は、(パー)フルオロアルキル基、(パー)フルオロポリエーテル基、アルキルシリル基、フルオロシリル基等。
疎水性ポリマーとしては、特に、炭素数1~12の(パー)フルオロアルキル基及び(パー)フルオロポリエーテル基から選択される1種以上を有する、(メタ)アクリレート系モノマー及びビニル系モノマーから選択される1種以上のモノマーの重合体であることが好ましい。
【0036】
疎水性ポリマーは、多孔質膜の細孔内全体に付着していてもよい。
しかしながら、細孔内への液体の進入を防ぎ、蒸気の透過性を確保する観点から、疎水性ポリマーの付着量が多孔質膜の厚さ方向に分布を有し、液体と接する膜の表層に多くのポリマーが付着し、膜の厚み方向の内部は付着量が少なく、細孔構造が維持されていることが好ましい。
この観点から、疎水性ポリマーの付着量については、多孔質膜の少なくとも片面の表層における付着量が、内部の付着量よりも多いことが好ましく、多孔質膜の片面の表層から膜の内部に向かって減少して行くことがより好ましい。
ここでいう「膜の表層」とは、液体と接する膜の部位、及びその近傍を意味する。定量的には、膜の最外層部分から、膜厚方向の内部に向かう10μm程度の範囲をいう。一方、「膜の内部」とは、膜のうち、液体と接することがなく、蒸気のみが通過する部位を意味し、膜の表層以外の部位を指す。
【0037】
多孔質膜に疎水性ポリマーを付着させるには、疎水性ポリマーを適当な溶媒に溶解した塗工液を膜に塗布又は噴霧した後、乾燥する方法によることができる。所望の疎水性ポリマー分布を得るには、塗工部位、塗工液の溶媒の揮発性(沸点)、塗工液中の疎水性ポリマーの濃度、及び塗工後の乾燥条件を、適宜に調整する、等の方法によることができる。例えば、塗工を浸漬法によって行う場合には、塗工液中の溶媒の揮発性が低く(沸点が高く)、塗工後の乾燥条件が緩やかなほど、乾燥工程の間に疎水性ポリマーを含んだ塗工液が膜表面方向に移動することができ、したがって、膜の厚さ方向に分布を発生させることができる。
疎水性ポリマーの付着工程に用いる疎水性ポリマー溶液中の疎水性ポリマー濃度は、所定の範囲内であることが好ましい。具体的には、ポリマー濃度が0.2~5.0質量%であることが好ましく、0.4~4.0質量%であることがより好ましく、0.6~3.0質量%であることがさらに好ましい。
ポリマー濃度が0.2質量%以上であると、ポリマーが膜内で分配された後でもポリマーが不足することがなく、ポリマーが付着していない部分が生じずに膜の疎水化を十分に行える。また、ポリマー濃度が5.0質量%以下であると、膜の空隙部分がポリマーで埋まることがなく、乾燥後の膜の空隙率を維持して、蒸気透過速度の低下を回避することができる。
【0038】
[多孔質膜の形状およびサイズ]
本発明で用いられる中空糸膜コンタクターにおける膜コンタクター用膜としては、多孔質中空糸膜を用いることが好ましい。
本発明で用いられる膜コンタクター用膜としての多孔質中空糸膜の厚さは、蒸気透過性と膜の機械的強度との両立の観点から、10μm以上1,000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。膜厚が1,000μm以下であれば、高い蒸気透過性を得ることができ、他方、膜厚が10μm以上であれば、膜が変形することなく使用することができる。
多孔質中空糸膜の外径は、300μm以上5,000μm以下が好ましく、より好ましくは350μm以上4,000μm以下であり、中空糸膜の内径は、例えば、200μm以上4,000μm以下が好ましく、より好ましくは250μm以上3,000μm以下である。
【0039】
〈膜コンタクター用膜モジュール〉
本発明では、平膜状、又は中空糸膜状の膜コンタクター用膜を、適当なハウジング内に充填して成る、膜コンタクター用膜モジュールの形態とし、これを膜コンタクターとして使用してもよい。
膜コンタクター用膜が平膜の場合、平膜をプリーツ状又はスパイラル状にすることにより、膜コンタクター用膜が効率的にハウジング内に収納された膜コンタクター用膜モジュールを得ることができる。
膜コンタクター用膜が中空糸状である場合、中空糸状の膜コンタクター用膜を複数束ねた膜束を、適当なモジュール内に充填することにより、膜コンタクター用膜モジュールを得ることができる。
【0040】
ハウジングの形状は、円筒型、多角柱型、その他の多面体型型等であってよく、形状の制限はない。
膜コンタクター用膜モジュールとして、好ましくは、円筒型又は多角柱型のハウジングに、中空糸の長手方向がハウジングの軸方向と一致するように、中空糸膜束を収納し、該中空糸束の両端が、適当な接着樹脂によりハウジング内に固定された構造であってよい。この場合、接着樹脂による中空糸束の固定を液密に行い、中空糸膜の内外の流路が混合されないようにすることが好ましい。
接着樹脂には、機械的強度が強く、かつ100℃での耐熱性を有することが望まれる。接着樹脂としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂、熱硬化性のウレタン樹脂等が挙げられる。耐熱性の観点ではエポキシ樹脂が好ましい。ハンドリング性の観点ではウレタン樹脂が好ましい。
接着固定の方法は、多孔質膜モジュール作製に関する公知の接着方法にしたがえばよい。
【0041】
ハウジングを構成する材料は、アンモニア含有溶液及び酸溶液に含まれる溶質及び溶媒により、諸性能が劣化しない耐薬品性を主として、耐圧性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性等の観点から選定される。ハウジングの構成材料としては、例えば、樹脂、金属等が使用できる。上記の観点からは、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ABS樹脂、繊維強化プラスチック、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、及びステンレス、真鍮、チタン等の金属から選択されることが好ましい。
【0042】
図2に、膜コンタクター用膜が中空糸膜の場合の膜コンタクター用膜モジュールの構造の一例を説明するための模式断面図を示す。
図2の膜コンタクター用膜モジュール(100)は、円柱形状のハウジング(10)内に複数の中空糸膜(20)から成る中空糸膜束が収納され、中空糸膜(20)の両端は、接着樹脂層(30)によってハウジング(10)に固定されている。ここで、中空糸膜(20)の両端は、閉塞されずに開口している。
膜コンタクター用膜モジュール(100)の内部は、中空糸膜によって、中空糸膜の中空部側の空間と、中空糸膜の外部空間側の空間とに分割されている。これら2つの空間は、揮発性溶質及び水の蒸気のうちの片方又は双方が中空糸膜の膜壁を通過して行き来することができる他は、流体的に遮断されている。
【0043】
ハウジング(10)は、円筒形形状の両端に、それぞれ、アンモニア含有溶液入口(11)及びアンモニア含有溶液出口(12)を有し、アンモニア含有溶液は、アンモニア含有溶液入口(11)から膜コンタクター用膜モジュール(100)の内部に入り、中空糸膜(20)の中空部を通過して、アンモニア含有溶液出口(12)から膜コンタクター用膜モジュール(100)の外部に排出されるように構成されている。
また、ハウジング(10)は、円筒形形状の側面に、酸溶液入口(13)及び酸溶液出口(14)を有し、酸溶液は、酸溶液入口(13)から膜コンタクター用膜モジュール(100)の内部に入り、中空糸膜(20)の外部を通過して、酸溶液出口(14)から膜コンタクター用膜モジュール(100)の外部に排出されるように構成されている。
【0044】
このような膜コンタクター用膜モジュール(100)を用いて、例えば、以下のようにして、アンモニア含有溶液及び酸溶液から、電気透析に供される被処理液を得ることができる。
例えば、アンモニア含有溶液を、アンモニア含有溶液入口(11)から膜コンタクター用膜モジュール(100)の内部に入り、中空糸膜(20)の中空部を通過して、アンモニア含有溶液出口(12)から排出されるように流通させるとともに、酸溶液を酸溶液入口(13)から膜コンタクター用膜モジュール(100)内部に入り、中空糸膜(20)の外部を通過して、酸溶液出口(14)から排出されるように流通させる。すると、アンモニアの蒸気圧の高いアンモニア含有溶液から発生したアンモニアの蒸気は、中空糸膜(20)の膜壁を通過し、アンモニアの蒸気圧の低い酸溶液に移動して、酸溶液出口(14)から、アンモニア塩を含む酸溶液として取り出される。
本発明では、このアンモニア塩を含む酸溶液を電気透析に供する被処理液として用いてよい。
一方、アンモニアが除去されたアンモニア含有溶液は、排液として系外に除去してよい。
【0045】
なお、図1の膜コンタクター用膜モジュール(100)では、アンモニア含有溶液と酸溶液とが、中空糸膜の内外で並流となるように構成されている。しかしながら、アンモニア含有溶液と酸溶液とが、中空糸膜の内外で向流となるように構成してもよい。
酸溶液中の酸としては、水溶性かつ不揮発性であるとともに、後の電気透析の効率を考慮すると、できるだけ解離常数の大きい強酸が好ましい。これらの観点から、硫酸は、不揮発性の強酸であり、かつ、比較的低コストであるため、好ましく用いられる。
【0046】
(蒸留)
本発明のアンモニアの回収方法では、膜コンタクターに供給されるアンモニア含有溶液は、例えば、プラント等から排出される、アンモニア含有排液を、第1の蒸留装置によって蒸留して得られた蒸留残液であってよい。
また、電気透析によって得られた回収アンモニア水を、第2の蒸留装置によって蒸留して、高濃度アンモニア水として回収してもよい。
上記の第1の蒸留装置は、アンモニア含有排液からアンモニアを分離するために用いられる。第2の蒸留装置は、回収アンモニア水から、アンモニアを分離するために用いられる。これらの蒸留においては、いずれも、精密な蒸留は不要なので、単蒸留の蒸留装置、薄膜式蒸留装置、膜蒸留装置等が使用可能である。
本発明における、第1及び第2の蒸留装置としては、蒸留効率の面から膜蒸留装置が好ましく、特に、膜コンタクター用膜モジュールと同じ構造の膜蒸留モジュールを用いることが好ましい。
【0047】
第1及び第2の蒸留装置に先立って、アンモニア含有排液及び回収アンモニア水にアルカリを添加して、pHを調節してもよい。これにより、アンモニア含有排液及び回収アンモニア水にそれぞれ含まれるアンモニウム塩がアンモニアに変換されるので、蒸留効率が向上する。
【0048】
本発明においては、第1及び第2の蒸留装置をそれぞれ別個に設置してもよい。しかしながら、これらを共用として1つの蒸留装置のみを設置して、電気透析装置から得られた回収液アンモニア水を、アンモニア含有排液と混合して蒸留することも、効率的であり、本発明の実施態様に含まれる。
【0049】
本発明の別の観点によると、
(A)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得ること、
(B)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得ること、
(C)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得ること、及び
(D)前記回収アンモニア水を蒸留して、高濃度アンモニア水及び第2の蒸留残液を得ること
をこの順に行うことを含む、アンモニア回収方法が提供される。
【0050】
この場合、(D)工程の後に、
(E) 前記第2の蒸留残液を前記アンモニア含有溶液に混合すること
を更に含んでもよい。
このアンモニア回収方法では、上記の(A)~(D)工程、又は(A)~(E)工程を繰り返して循環的に実施することが好ましい。
このアンモニア回収方法における各工程の詳細については、上述のアンモニア回収方法についての説明を援用してよい。
この方法によると、極めて高品位のアンモニアが継続的に得られる。
【0051】
本発明の更に別の観点によると、アンモニア回収システムが提供される。
本発明のアンモニア回収装置は、上述のアンモニア回収方法を実施するためのシステムであって、
(a)アンモニア含有排液を蒸留して、回収アンモニアと、第1の蒸留残液であるアンモニア含有溶液とを得るための、蒸留装置、
(b)前記アンモニア含有溶液を、酸溶液と接触させて、前記アンモニア含有溶液中のアンモニアを前記酸溶液中に移動させて、被処理液を得るためのコンタクター、及び
(c)前記被処理液の電気透析を行って、アンモニアを含む回収アンモニア水と、酸を含む回収酸液とを得るための電気透析装置
を含む、アンモニア回収システムである。
【0052】
本発明のアンモニア回収システムにおける各装置の詳細は、本発明のアンモニア回収方法についての説明を援用してよい。
【実施例0053】
以下、本発明の構成及び効果を具体的に示す実施例等について更に説明する。しかし、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(膜蒸留用膜モジュールの作製)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)製の中空糸膜を用いて、中空糸膜モジュールを作製した。
長さ45cmに切出した中空糸膜500本を束ねて糸束とし、ハウジング内に収納した。このとき、接着樹脂として熱硬化性のエポキシ樹脂を使用し、遠心接着により接着樹脂層を形成して、上記の膜束をハウジング内に接着固定した。
以上の操作により、中空糸膜の有孔長(接着樹脂層中に埋没していない部分の長さ)30cm、中空糸膜内表面の合計面積0.32m2の中空糸膜モジュールを作製した。
中空糸の詳細は、以下のとおりである。
内径:0.68mm
外径:1.25mm
膜厚:0.28mm
平均孔径:0.21μm
最大孔径:0.29μm
空隙率:72%
水接触角:103°(中空糸膜外側表面)
【0054】
ハウジングは、円筒形形状の両端に、それぞれ、アンモニア含有排水入口及びアンモニア含有排水出口を有する。アンモニア含有排水は、アンモニア含有排水入口から膜蒸留用膜モジュールの内部に入り、中空糸膜の中空部を通過して、アンモニア含有排水出口から膜蒸留用膜モジュールの外部に排出されるように構成されている。
ハウジングは、また、円筒形形状の側面に、アンモニア取出口を有し、このアンモニア取出口を介して、冷却水が流通する冷却部を備えた減圧チャンパーに接続することができる。このような構成により、膜蒸留用膜モジュールの中空糸膜の外部空間側の空間を減圧にすることができるとともに、膜蒸留によってアンモニア含有排水から蒸発した水蒸気及びアンモニア蒸気を、上記の減圧チャンバーを介して取り出すことができる。
【0055】
得られた中空糸膜モジュールに対し、シリンジを用いて、フロロテクノロジー社製のフッ素樹脂系撥水剤「FS1610」(ポリマー濃度1.0質量%)を、中空糸膜モジュールのアンモニア含有溶液入口から中空糸の中空部内に注入した。この注入操作は、中空糸膜の内側表面の全体が上記の撥水剤で濡れて、撥水剤が中空糸膜の外側に染み出るまで継続して行った。次いで、余分の撥水剤を中空糸膜モジュールから除去した後、中空糸膜の中空部に25℃の乾燥空気を流して終夜乾燥することにより、中空糸膜の全体が疎水化された膜蒸留用膜モジュールを作製した。
【0056】
(膜蒸留によるアンモニア含有排水からのアンモニアの留去)
上記の膜蒸留用膜モジュールを、アンモニア取出し口を介して冷却水が流通する冷却部を備えた減圧チャンパーに接続した。
アンモニア含有排水30L(アンモニアとして1質量%含有)に4質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH12とした。pHを調整したアンモニア含有排水を、ポンプを用いて5L/分の流量で、膜蒸留用膜モジュールの中空糸膜内側を通るように循環させた。このとき、アンモニア含有排水の温度は、アンモニア含有排水入口において50℃に維持されるように、温度調節器を用いて調整した。
減圧チャンバーの冷却部に、ポンプを用いて10L/分の流量にて冷却水を流通させ、冷却部の温度を5℃に調整した。
また、膜蒸留用膜モジュールの中空糸外側空間の圧力は、0.25kPaになるように設定した。
3時間の膜蒸留運転を実施し、アンモニア濃度1.35質量%のアンモニア水20kg、及びアンモニア濃度1,000ppmの蒸留残液10kgを得た。アンモニア水及び蒸留残液に含まれるアンモニアは、アンモニア含有排水に含まれていたアンモニア濃度に対して、それぞれ、96.7%及び3.3%であった。
【0057】
(膜コンタクター用膜モジュールの作製)
膜蒸留用膜モジュールに使用したものと同様のPVDF製の中空糸膜を用いて、図2に示した構造の膜コンタクター用膜モジュールを作製した。
長さ30cmに切出した中空糸膜70本を束ねて糸束とし、ハウジング内に収納した。接着樹脂として熱硬化性のエポキシ樹脂を使用し、遠心接着により接着樹脂層を形成して、上記の膜束をハウジング内に接着固定した。
以上の操作により、中空糸膜の有孔長(接着樹脂層中に埋没していない部分の長さ)24cm、中空糸膜内表面の合計面積360cmの中空糸膜モジュールを作製した。
【0058】
(疎水性多孔膜を用いたアンモニアの酸による回収)
上記膜蒸留工程で得られた蒸留残液を、ポンプを用いて300mL/分の流量で、膜コンタクター用膜モジュールの中空糸膜内側を通るように循環させた。中空糸膜の外側空間には、酸溶液として7.5質量%硫酸水溶液500mLを、蒸留残液と並流になるように流した。
上記の条件下で、6時間の循環運転を実施した。
このとき、蒸留残液及び硫酸水溶液の温度は、膜コンタクター用膜モジュールのアンモニア含有溶液入口及び酸溶液入口において、それぞれ、50℃に維持されるように、温度調節器を用いて調整した。
運転終了後の蒸留残液中のアンモニア濃度は50ppmであった。また、運転終了後の酸溶液中の硫酸は、95%が膜透過したアンモニアと反応して硫酸アンモニウムとなっており、酸溶液中の硫酸及び硫酸アンモニウムの濃度は、合わせて10質量%であった。以下において、運転終了後の酸溶液を、「膜コンタクター処理液」と記す。
【0059】
(実施例1)
実施例1では、2室法の電気透析装置を用いて電気透析を実施した。
膜コンタクターから得られた上記の膜コンタクター処理液500mLについて、バイポーラ膜及びアニオン交換膜から成る2室電気透析装置(アシライザーEX3B、(株)アストム製)を用いて電気透析を行い、アンモニア回収液から硫酸を除去した。
バイポーラ膜としてネオセプタBP-1E(株)アストム製)を使用し、アニオン交換膜としてネオセプタAHA((株)アストム製)を使用した。膜の構成は、(陰極室)BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP-A-BP(陽極室)とし、有効膜面積は550cmとした。ここで、「BP」はバイポーラ膜を、「A」はアニオン交換膜を、それぞれ意味する。
電極液としては水酸化ナトリウム4質量%水溶液500mLを用い、酸回収液としては500mLの純水を用いた。
電圧14V及び温度25℃の条件下で電気透析を実施した。
処理時間33分にて、酸回収液中に回収された硫酸イオンの回収率は、膜コンタクター処理液中の硫酸を100%としたとき92%であり、積算電流値は2.38Ahであり、電力量は59.5Whであった。
運転終了後の蒸留残液中に含まれるアンモニア濃度は、3質量%であり、硫酸アンモニウム濃度は1.1質量%(硫酸として0.8質量%)であった。
【0060】
次いで、電気透析処理後の蒸留残液(アンモニア濃化液)に対して、上記「(膜蒸留によるアンモニア含有排水からのアンモニアの留去)」と同様の操作を行って、アンモニアを蒸留後の凝縮水中に回収した。
上記の一連の操作により、最終の蒸留後の凝縮水中に回収されたアンモニアは、膜コンタクター処理液に含まれていたアンモニアの96.7%であり、下記数式(1)により求められる回収アンモニア純度(PNH3)は>99.0%であった。
NH3(%)=(CNH3/CAll)×100 (1)
{式中、CNH3は凝縮水中のアンモニア濃度(質量%)であり、CAllは凝縮水中の全溶質濃度(質量%)である。}
NH3及びびCAllは、ジーエルサイエンス(株)製のガスクロマトグラフィー(GC-4000plus)を用いて分析した。
【0061】
(実施例2)
実施例2では、3室法の電気透析装置を用いて電気透析を実施した。
上記の膜コンタクター処理液500mLについて、バイポーラ膜、アニオン交換膜、及びカチオン交換膜から成る3室電気透析装置(アシライザーEX3B、(株)アストム製)を用いて電気透析を行い、膜コンタクター処理液からアンモニア及び硫酸を回収した。
バイポーラ膜としてネオセプタBP-1E(株)アストム製)を使用し、アニオン交換膜としてネオセプタAHA((株)アストム製)を使用し、カチオン交換膜としてネオセプタBMX((株)アストム製)を使用した。膜の構成は(陰極室)BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP-A-C-BP(陽極室)とし、有効膜面積は550cmとした。ここで、「BP」はバイポーラ膜を、「A」はアニオン交換膜を、「C」はカチオン交換膜を、それぞれ意味する。
電極液としては水酸化ナトリウム4質量%水溶液500mLを用い、酸回収液としては500mLの純水を用い、アンモニア回収液としては500mLの純水を用いた。 電圧25V及び温度25℃の条件下で電気透析を実施した。
処理時間109分にて、電気透析後のアンモニア回収液(アンモニア濃化液)中に回収されたアンモニア(アンモニウムイオン)の回収率は67.0%であり、酸回収液中に回収された硫酸(硫酸イオン)の回収率は、膜コンタクター処理液中の硫酸を100%としたとき90.0%であり、積算電流値は3.69Ahであり、電力量は76.5Whであった。
また、上記数式(1)において、CNH3をアンモニア濃化液中のアンモニア濃度(質量%)とし、CAllをアンモニア濃化液中の全溶質濃度(質量%)として計算したアンモニアの純度は、74.0%であった。
【0062】
以上の結果を、表1にまとめて示す。また、電気透析の運転状況を図3に示す。
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のアンモニア回収方法及びシステムによると、プラント等から排出されるアンモニア含有排水から、低コストかつ高効率にて、アンモニアを回収することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 ハウジング
11 アンモニア含有溶液入口
12 アンモニア含有溶液出口
13 酸溶液入口
14 酸溶液出口
20 中空糸膜
30 接着樹脂層
100 膜コンタクター(膜コンタクター用膜モジュール)
200 酸溶液タンク
300 電気透析装置
401 第1の蒸留装置
402 第2の蒸留装置
500 アルカリ溶液タンク
CW アンモニア濃化液
WW 排液
図1
図2
図3