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特開2023-182378配線基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182378
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】配線基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095942
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 恵一
(57)【要約】
【課題】半導体素子が配線基板にフリップチップ接続される構成において、半田の広がりを抑制することが可能な配線基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】配線基板は、主面に形成された導電層と、前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を備え、前記導電層は、半田に対して第1ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した第1接続部と、前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した引出部と、前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に形成された導電層と、
前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を備え、
前記導電層は、
半田に対して第1ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した第1接続部と、
前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した引出部と、
前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含む、
配線基板。
【請求項2】
主面に形成された導電層と、
前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を備え、
前記導電層は、
金を主成分とする第1金属が形成された第1接続部と、
前記第1接続部に接続し、銅を主成分とする第2金属が形成され、前記絶縁層から露出した引出部と、
前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含む、
配線基板。
【請求項3】
前記配線基板に対して垂直な方向から平面視をしたときに、
前記配線部を含み、前記絶縁層によって覆われた第1エリアと、
前記第1接続部及び前記引出部を含む第2エリアと、があり、
前記第1エリアは、前記第2エリアを囲む、
請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記平面視をしたときに、
第1開口が形成された前記絶縁層によって覆われた第3エリアがさらにあり、
前記第2エリアは、前記第3エリアを囲む、
請求項3に記載の配線基板。
【請求項5】
前記導電層は、
前記第1開口内に形成され、半田に対して第1ぬれ性を有するように表面が形成されているか、または、金を主成分とする第1金属が前記表面に形成されているか、の少なくとも一方である第2接続部をさらに含む、
請求項4に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第1接続部は、前記主面と略平行な表面と前記表面と接続する側面とを有する板状であり、
前記第1金属は、前記表面及び前記側面にわたって位置する、
請求項5に記載の配線基板。
【請求項7】
前記主面からの前記引出部の高さと、前記主面からの前記配線部の高さとは、略同じである、
請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項8】
請求項1または2に記載の前記配線基板と、
前記第1接続部に接続された第1電極を有し、前記配線基板に前記第1電極が向かい合うように接続された第1半導体素子と、を備える、
半導体装置。
【請求項9】
前記絶縁層には第2開口が形成され、
前記導電層は、
前記第2開口内に形成され、半田に対して第1ぬれ性を有するように表面が形成されているか、または、金を主成分とする第1金属が前記表面に形成されているか、の少なくとも一方である第3接続部をさらに含み、
前記第1半導体素子上に積層された複数の第2半導体素子と、
少なくとも一つの前記第2半導体素子と前記第3接続部とを接続するワイヤと、をさらに備える、
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
主面上に、半田に対して第2ぬれ性を有する導電層、または、銅を主成分とする第2金属を含む導電層を形成し、
前記導電層の一部である第1導電部を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層から露出した前記導電層の他の部分の一部である第2導電部を覆うレジスト層を形成し、
前記絶縁層及び前記レジスト層から露出した前記導電層の一部である第3導電部が前記第2ぬれ性を有する場合、前記半田に対して前記第2ぬれ性より大きい第1ぬれ性を有するように前記第3導電部を処理することにより前記第3導電部に基づいて第1接続部を形成し、または、前記第3導電部が前記第2金属を含む場合、金を主成分とする第1金属を前記第3導電部にめっきにより形成することにより前記第3導電部に基づいて前記第1接続部を形成し、
前記レジスト層を除去し、
前記第1接続部に第1半導体素子の第1電極を、前記第1電極が前記第1接続部に向かい合うように接続する、
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、配線基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体メモリ及びメモリコントローラがパッケージされた半導体装置が知られている。このような半導体装置では、半導体メモリ及びメモリコントローラなどの半導体チップが基板にフリップチップ接続されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開US2009/0273065号明細書
【特許文献2】特表2015―533260号公報
【特許文献3】米国特許出願公開US2009/0236756号明細書
【特許文献4】特開2002-21796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリップチップ接続では、半導体チップにおけるバンプが基板における端子に半田によって接続されるが、設計で想定した範囲を超えて半田が電極上に広がることがある。
【0005】
本開示は、半導体素子が配線基板にフリップチップ接続される構成において、半田が電極上に広がることを抑制することが可能な配線基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る配線基板は、主面に形成された導電層と、前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を備え、前記導電層は、半田に対して第1ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した第1接続部と、前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した引出部と、前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含む。
【0007】
本開示に係る配線基板は、主面に形成された導電層と、前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を備え、前記導電層は、金を主成分とする第1金属が形成された第1接続部と、前記第1接続部に接続し、銅を主成分とする第2金属が形成され、前記絶縁層から露出した引出部と、前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含む。
【0008】
本開示に係る半導体装置は、主面に形成された導電層と、前記導電層の一部を覆う絶縁層と、を含む配線基板を備え、前記導電層は、半田に対して第1ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した第1接続部と、前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有し、前記絶縁層から露出した引出部と、前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記絶縁層によって覆われた配線部と、を含み、前記第1接続部に接続された第1電極を有し、前記配線基板に前記第1電極が向かい合うように接続された第1半導体素子をさらに備える。
【0009】
本開示に係る半導体装置の製造方法は、主面上に、半田に対して第2ぬれ性を有する導電層、または、銅を主成分とする第2金属を含む導電層を形成し、前記導電層の一部である第1導電部を覆う絶縁層を形成し、前記絶縁層から露出した前記導電層の他の部分の一部である第2導電部を覆うレジスト層を形成し、前記絶縁層及び前記レジスト層から露出した前記導電層の一部である第3導電部が前記第2ぬれ性を有する場合、前記半田に対して前記第2ぬれ性より大きい第1ぬれ性を有するように前記第3導電部を処理することにより前記第3導電部に基づいて第1接続部を形成し、または、前記第3導電部が前記第2金属を含む場合、金を主成分とする第1金属を前記第3導電部にめっきにより形成することにより前記第3導電部に基づいて前記第1接続部を形成し、前記レジスト層を除去し、前記第1接続部に第1半導体素子の第1電極を、前記第1電極が前記第1接続部に向かい合うように接続することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の半導体装置の模式図である。
図2】本実施形態の配線基板の平面図である。
図3】本実施形態の半導体チップを配線基板に接続する前の半導体装置の断面模式図である。
図4】本実施形態のパッドの拡大平面図である。
図5】比較例に係る半導体チップを配線基板に接続する前の半導体装置の断面模式図である。
図6】比較例のパッドの拡大平面図である。
図7】比較例の半導体装置のリフロー処理後における断面模式図である。
図8】本実施形態の半導体装置のリフロー処理後における断面模式図である。
図9】変形例に係る半導体装置のリフロー処理後における断面模式図である。
図10A】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10B】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10C】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10D】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10E】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10F】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図10G】本実施形態の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図11D】比較例に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図11E】比較例に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図11F】比較例に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図11G】比較例に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図11H】比較例に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0012】
以下、本実施形態に係る半導体装置10の構成について説明する。各図面には、x軸、y軸及びz軸を示すことがある。x軸、y軸及びz軸は、右手系の3次元の直交座標を形成する。以下、x軸の矢印方向をx軸+側、矢印とは逆方向をx軸-側と呼ぶことがあり、その他の軸についても同様である。なお、z軸+側及びz軸-側を、それぞれ「上側」及び「下側」と呼ぶこともある。また、z軸方向を「積層方向」と呼ぶこともある。また、x軸、y軸又はz軸にそれぞれ直交する面を、yz面、zx面又はxy面と呼ぶことがある。
【0013】
図1及び図2に示すように、半導体装置10は、配線基板20と、メモリチップ60a、60b、60c及び60dと、ダイアタッチフィルム61a、61b、61c及び61dと、ロジック/インターフェースチップ62(第1半導体素子)と、スペーサ63と、接着フィルム64と、アンダーフィル樹脂65と、モールド樹脂66と、ボンディングワイヤー68と、を主に備える。図2には、メモリチップ60a等の搭載前における配線基板20の完成時の状態が示される。ロジック/インターフェースチップ62は、メモリチップ60a、60b、60c及び60dを制御可能なチップである。
【0014】
以下、メモリチップ60a、60b、60c及び60dの各々を、メモリチップ60(第2半導体素子)と称することがある。
【0015】
配線基板20は、ソルダレジスト層20a(絶縁層)及び20eと、導電層20b及び20dと、絶縁層20cと、を含む。
【0016】
ソルダレジスト層20a、導電層20b、絶縁層20c、導電層20d及びソルダレジスト層20eは、xy面と略平行に延在する層であり、上側から下側に向かってこの順に積層する。
【0017】
絶縁層20cは、xy面と略平行な面であって上側の面(以下、主面20fと称することがある。)と、xy面と略平行な面であって下側の面(以下、主面20gと称することがある。)と、を有する。絶縁層20cは、例えばプレプリグによって形成される。なお、絶縁層20cの内部には、一又は複数の内部導電層が形成されてもよい。
【0018】
導電層20b及び20dは、例えば、銅を主成分とする金属(以下、第2金属と称することがある。)によって形成される。導電層20b及び20dは、それぞれ配線パターンであるパターン21及び22(以下、「配線パターン」を単に「パターン」と呼ぶ場合がある。)を含む。パターン21及び22は、それぞれ主面20f及び20gに形成される。
【0019】
パターン21は、複数の第1接続部21a(第3導電部)と、複数の引出部21bと、複数の配線部21cと、複数の第2接続部21dと、複数の第3接続部21eと、を含む。第1接続部21a、引出部21b及び配線部21cは、一体に形成されている。
【0020】
第1接続部21a及び第2接続部21dは、具体的には、ロジック/インターフェースチップ62を配線基板20にフリップチップ接続させるための基板側のフリップチップ実装端子(以下、フリップチップパッドとも称する。)である。
【0021】
第3接続部21eは、具体的には、メモリチップ60と配線基板20との間のワイヤーボンディングに用いるワイヤーボンディング実装端子(以下、ワイヤーボンディングパッドとも称する。)である。第1接続部21a、第2接続部21d及び第3接続部21eの各々は、無電解NiPdAuめっき31を含む。無電解NiPdAuめっき31の詳細については、後述する。
【0022】
絶縁層20cには、複数のスルーホール72が形成される。パターン21に含まれる一部の電極とパターン22に含まれる一部の電極とは、スルーホール72によって電気的に接続される。
【0023】
ソルダレジスト層20aは、ソルダレジスト23a及び23bを含む。ソルダレジスト23a及び23bの各々は、パターン21の一部及び絶縁層20cの主面20fの一部を上側から覆う。配線基板20の完成時において、ソルダレジスト23a又は23bが形成されていない部分では、パターン21、絶縁層20c又は無電解NiPdAuめっき31が露出する。
【0024】
ソルダレジスト層20eは、ソルダレジスト24を含む。ソルダレジスト24は、パターン22の一部及び絶縁層20cの主面20gの一部を下側から覆う。配線基板20の完成時において、ソルダレジスト24には、複数の開口が形成される。複数の開口には、ボールランド73が形成される。詳細には、複数の開口には、無電解NiPdAuめっき31が施されたパターン22が設けられる。なお、複数の開口には、無電解NiPdAuめっき31が施されたパターン22の代わりに、OSP(Organic Solderability Preservative)膜で覆われたパターン22すなわちCuOSPが設けられてもよい。
【0025】
そして、複数の開口では、半田ボール74が無電解NiPdAuめっき31の下側に形成される。なお、本明細書における半田は、当業者に知られた意義を有するものであり、例えばSnが主成分である。
【0026】
ロジック/インターフェースチップ62は、配線基板20の上側にフリップチップ接続される。詳細には、ロジック/インターフェースチップ62は、複数のチップ側フリップチップ実装端子62a(第1電極)と、複数のチップ側フリップチップ実装端子62d(第2電極)と、を含む。
【0027】
チップ側フリップチップ実装端子62aは、ロジック/インターフェースチップ62の下側の面から下側に向かって延びる銅ピラー62bと、銅ピラー62bの先端に設けられた半田バンプ62cと、を含む。チップ側フリップチップ実装端子62dは、チップ側フリップチップ実装端子62aと同様の構成を有する。
【0028】
チップ側フリップチップ実装端子62aは、例えば、メモリチップ60に対してデータの読み書きをさせるための制御信号を伝送する端子である。チップ側フリップチップ実装端子62dは、例えば、ロジック/インターフェースチップ62を配線基板20における電源ライン又はグランド電極に接続させるための端子である。
【0029】
複数のチップ側フリップチップ実装端子62aが、半田バンプ62cによって複数の第1接続部21aすなわちフリップチップパッド21aにそれぞれ接続され、かつ、複数のチップ側フリップチップ実装端子62dが、半田バンプによって複数の第2接続部21dすなわちフリップチップパッド21dにそれぞれ接続される。これにより、ロジック/インターフェースチップ62は、配線基板20にフリップチップ接続される。
【0030】
複数のメモリチップ60は、ロジック/インターフェースチップ62上に積層される。詳細には、ソルダレジスト23aの上側の面には、スペーサ63が接着フィルム64によって接着される。スペーサ63の上側の面及びロジック/インターフェースチップ62の上側の面には、ダイアタッチフィルム61dによってメモリチップ60dが接着される。
【0031】
メモリチップ60dの上側では、メモリチップ60c、60b及び60aは、それぞれダイアタッチフィルム61c、61b及び61aによって下側のメモリチップ60に接着される。
【0032】
また、上側のメモリチップ60と下側のメモリチップ60とが接着された状態では、下側のメモリチップ60の上側の面の一部が露出している。最も上側のメモリチップ60すなわちメモリチップ60aの上側の面は、すべて露出している。
【0033】
メモリチップ60a、60b、60c及び60dにおいて、露出している上側の面には、それぞれ電極69a、69b、69c及び69dが設けられる。以下、電極69a、69b、69c及び69dの各々を電極69と称することがある。ボンディングワイヤー68は、電極69と第3接続部21eすなわちワイヤーボンディングパッド21eとを電気的に接続する。
【0034】
メモリチップ60dと配線基板20との間において、チップ側フリップチップ実装端子62a及び62dを含む領域には、アンダーフィル樹脂65が設けられる。
【0035】
アンダーフィル樹脂65は、ロジック/インターフェースチップ62におけるチップ側フリップチップ実装端子62a及び62dへの応力を緩和するために、チップ側フリップチップ実装端子62a及び62dを含む領域に充填される樹脂である。
【0036】
モールド樹脂66は、メモリチップ60dと配線基板20との間の領域を含む領域に設けられる。モールド樹脂66は、メモリチップ60及びロジック/インターフェースチップ62を封止するための樹脂であり、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から構成されている。モールド樹脂66は、アンダーフィル樹脂65よりもフィラーとなるガラス繊維や無機物粒子の含有量が多い。モールド樹脂66は、アンダーフィル樹脂65よりも弾性率やヤング率が大きい。なお、モールド樹脂66とアンダーフィル樹脂65との間には、放熱シートが設けられてもよい。
【0037】
図3には、y軸-側からy軸+側にロジック/インターフェースチップ62を見たときの断面が示される。
【0038】
図3に示すように、フリップチップパッド21aは、無電解NiPdAuめっき31と、Cu配線32(第3導電部)と、を含む。無電解NiPdAuめっき31は、Au層31aと、Pd層31bと、Ni層31cと、を含む。
【0039】
フリップチップパッド21aは、半田に対して第1ぬれ性を有する。フリップチップパッド21aの表側には、金を主成分とするAu層31a(以下、第1金属と称することがある。)が位置する。第1金属は、第1ぬれ性を有する。
【0040】
図3及び図4に示すように、フリップチップパッド21aは、主面20fと略平行な表面31dと、表面31dと接続し、かつz軸に略平行な側面31eと、を有する板状である。Au層31aは、表面31d及び側面31eにわたって位置する。
【0041】
詳細には、Cu配線32には、無電解NiPdAuめっき31が形成される。無電解NiPdAuめっき31では、Ni層31c、Pd層31b及びAu層31aが、この順にCu配線32の近くに位置する。つまり、Ni層31cは、Cu配線32に接する。Au層31aは、もっとも外側に位置して露出し、かつ第1ぬれ性を有する。Pd層31bは、Au層31aとNi層31cとの間に位置する。
【0042】
引出部21bは、フリップチップパッド21aに接続し、半田に対して第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有する。詳細には、引出部21bの表側には、第2金属が位置する。第2金属は、第2ぬれ性を有する。
【0043】
本実施形態では、配線基板20の完成時において、引出部21bは、ベアCu配線33である。つまり、引出部21bでは、第2ぬれ性を有する第2金属が露出している。
【0044】
配線部21cは、引出部21bを介してフリップチップパッド21aに接続し、ソルダレジスト23aによって覆われる。主面20fからの引出部21bの高さと、主面20fからの配線部21cの高さとは、略同じである。
【0045】
本実施形態では、導電層20bは、主面20fの略全体にわたって同じ厚さで形成される。導電層20bがエッチングされることにより、パターン21が形成される。本実施形態では、パターン21にレーザー光が照射されるプロセスは用いられないため、パターン21の厚さは、場所によらず略同じである。したがって、引出部21bの厚さと配線部21cの厚さとは略同じである。このような構成により、レーザー光の照射によってパターン21の厚さが薄くなり、電気抵抗の上昇に基づく電気特性の劣化を抑制することができる。
【0046】
図2に示すように、主面20fを主面20fに対して垂直な方向すなわちz軸方向から平面視をしたときに、配線基板20には、エリアA1(第1エリア)と、エリアA2(第2エリア)と、エリアA3(第3エリア)と、がある。
【0047】
エリアA3は、複数の開口51(第1開口)が形成されたソルダレジスト23bによって覆われる。フリップチップパッド21dは、開口51内に形成され、第1ぬれ性を有する。フリップチップパッド21dの表側には、Au層31aが位置する。
【0048】
詳細には、エリアA3の縁は、矩形状である。エリアA3では、長孔形状の複数の開口51がソルダレジスト23bに設けられる。フリップチップパッド21dは、無電解NiPdAuめっき31と、パターン21の一部であるCu電極34と、を含む。
【0049】
z軸方向から平面視をしたときに、開口51では、パターン21に含まれるCu電極34が露出している。Cu電極34の上側の面には、開口51の縁と接しないように無電解NiPdAuめっき31が設けられる。
【0050】
つまり、配線基板20の完成時において、Cu電極34が、開口51の縁に沿って環状に露出している。露出するCu電極34の内側には、無電解NiPdAuめっき31に含まれるAu層31aが露出している。
【0051】
z軸方向から平面視をしたときに、開口51のサイズは、Cu電極34のサイズより小さい。つまり、ソルダレジスト23bの開口51がランドサイズとなるオーバーレジスト設計となっている。フリップチップパッド21dは、SMD(Solder Mask Defined)のタイプのパッドである。
【0052】
エリアA2は、フリップチップパッド21a及び引出部21bを含む。そして、エリアA2は、エリアA3を囲む。
【0053】
詳細には、エリアA2の縁は、矩形状である。エリアA2には、ソルダレジスト23a及び23bが設けられない。このため、エリアA2では、配線基板20の完成時において、絶縁層20cにおける主面20f、フリップチップパッド21a及び引出部21bが露出している。つまり、フリップチップパッド21aは、NSMD(Nonsolder Mask Defined)のタイプのパッドである。
【0054】
エリアA1は、配線部21cを含み、ソルダレジスト23aによって覆われる。そして、エリアA1は、エリアA2を囲む。
【0055】
詳細には、エリアA1の縁は、矩形状である。ソルダレジスト23aには、複数の開口52(第2開口)が形成される。ワイヤーボンディングパッド21eは、開口52に形成される。ワイヤーボンディングパッド21eは、第1ぬれ性を有する。
【0056】
詳細には、ワイヤーボンディングパッド21eは、無電解NiPdAuめっき31と、パターン21の一部であるCu電極35と、を含む。z軸方向から平面視をしたときに、開口52のサイズは、Cu電極35のサイズより小さい。つまり、ワイヤーボンディングパッド21eは、SMDのタイプのパッドである。なお、ワイヤーボンディングパッド21eは、NSMDタイプのパッドであってもよい。
【0057】
Cu電極35の上側の面には、開口52の縁と接するように無電解NiPdAuめっき31が設けられる。配線基板20の完成時において、開口52では、無電解NiPdAuめっき31に含まれるAu層31aが露出している。
【0058】
配線部21cは、ソルダレジスト23aによって覆われる。このため、配線基板20の完成時において、配線部21cは、露出しない。
【0059】
図5には、y軸-側からy軸+側にロジック/インターフェースチップ62を見たときの断面が示される。
【0060】
図5及び図6に示すように、比較例に係る半導体装置10では、無電解NiPdAuめっき31は、ソルダレジスト23aに接するように設けられる。このため、配線部21cは、フリップチップパッド21aに直接接続される。
【0061】
図7には、y軸-側からy軸+側にロジック/インターフェースチップ62を見たときの断面が示される。
【0062】
図7に示すように、ロジック/インターフェースチップ62のフリップチップ接続をするときのリフロー処理では、チップ側フリップチップ実装端子62aにおける半田バンプ62cが溶融する。
【0063】
このとき、溶融した半田バンプ62cは、銅ピラー62b及び無電解NiPdAuめっき31の両方に接触した状態(以下、両接触状態と称することがある。)である。しかしながら、無電解NiPdAuめっき31におけるAu層31aの半田に対する第1ぬれ性が大きいため、半田バンプ62cは、Au層31aの全体にわたって広がる。このとき、銅ピラー62bと無電解NiPdAuめっき31との間における半田量が不足し、両接触状態を維持することが困難となることがある。
【0064】
また、リフロー処理において、ロジック/インターフェースチップ62が反ることがある。このような反りが発生すると、フリップチップパッド21aと銅ピラー62bとの間の距離が大きくなってしまう。このような、銅ピラー62bとの間の距離が大きいフリップチップパッド21aでは、両接触状態を維持することがさらに困難となる。
【0065】
両接触状態が維持できなくなると、銅ピラー62bとフリップチップパッド21aとが電気的に接続せず、オープン状態となる。
【0066】
図8には、y軸-側からy軸+側にロジック/インターフェースチップ62を見たときの断面が示される。
【0067】
図8に示すように、本実施形態に係る半導体装置10では、フリップチップパッド21aと配線部21cとの間に、引出部21bが設けられる。
【0068】
リフロー処理では、チップ側フリップチップ実装端子62aにおける半田バンプ62cは、両接触状態となる。引出部21bにおけるベアCu配線33の表面の第2ぬれ性が、フリップチップパッド21aにおけるAu層31aの表面の第1ぬれ性より小さいので、半田バンプ62cの広がりは、フリップチップパッド21aと引出部21bとの境界で止まりやすい。
【0069】
これにより、銅ピラー62bと無電解NiPdAuめっき31との間において十分な半田量を確保することができるので、両接触状態が維持される可能性を高めることができる。
【0070】
また、リフロー処理においてロジック/インターフェースチップ62が反った場合においても、両接触状態が維持される可能性を高めることができる。したがって、オープン状態の発生を抑制することができる。
【0071】
また、上側方向から平面視をしたとき、フリップチップパッド21dの面積は、フリップチップパッド21aの面積より大きい。フリップチップパッド21dのように面積が大きなパッドの場合、ソルダレジスト23bの開口51の位置と、フリップチップパッド21dの位置とを合わせることが可能である。
【0072】
一方、ソルダーレジストにおける開口の形成精度が十分でない場合、開口の位置を、当該開口に設けられるべきフリップチップパッドの位置に精度よく形成することが困難となる。特に、フリップチップパッド21aのようにパッドの面積が小さい場合、パッドの位置に開口を形成することが困難となる。
【0073】
本発明では、面積が小さいフリップチップパッド21aをNSMDタイプのパッドとし、かつ、フリップチップパッド21aに接続された引出部21bを設けることで、ソルダレジストを用いることなく半田の流れ出しを抑制することができる。したがって、ソルダーレジストにおける開口の形成精度が十分でない場合においても、面積が小さいフリップチップパッドからの半田の流れ出しを抑制する構成を実現することができる。
【0074】
(変形例1)
図9には、y軸-側からy軸+側にロジック/インターフェースチップ62を見たときの断面が示される。
【0075】
図9に示すように、変形例1に係る半導体装置10では、フリップチップパッド21aにおいて、無電解NiPdAuめっき31は、Cu配線32の上側の面に設けられるが、Cu配線32の側面には設けられない。
【0076】
リフロー処理において、半田バンプ62cの半田量が多く、溶融した半田バンプ62cが無電解NiPdAuめっき31からはみ出しても、引出部21bにおいて半田の広がりを抑制することができる。これにより、銅ピラー62bと無電解NiPdAuめっき31との間において十分な半田量が確保することができるので、両接触状態を維持する可能性を高めることができる。したがって、オープン状態の発生を抑制することができる。
【0077】
[半導体装置の製造方法]
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法の一例として半導体装置10の製造方法について説明する。
【0078】
まず、図10Aに示すように、絶縁層20cの主面20fの上側に、半田に対して第2ぬれ性を有する第2金属(第2材料)が露出するパターン21が形成される。また、絶縁層20cの主面20gの下側に、第2金属が露出するパターン22が形成される。
【0079】
次に、図10Bに示すように、例えば、導電層20bの上側にソルダレジスト層20aが形成される。そして、ソルダレジスト層20aに対して露光処理及び現像処理が行われる。ソルダレジスト層20aに対してエッチング処理が行われることで、パターン21の一部(以下、非露出部21f(第1導電部)と称することがある。)を上側から覆うソルダレジスト層20aが形成される。同様に、パターン22の一部(以下、非露出部22fと称することがある。)を下側から覆うソルダレジスト層20eが形成される。
【0080】
次に、図10Cに示すように、ソルダレジスト層20aの上側にレジストマスク層20h(レジスト層)が形成される。また、ソルダレジスト層20eの下側にレジストマスク層20iが形成される。
【0081】
次に、図10Dに示すように、レジストマスク層20hに対して露光処理が行われる。また、レジストマスク層20iに対して露光処理が行われる。
【0082】
次に、図10Eに示すように、レジストマスク層20hに対して現像処理が行われ、ソルダレジスト層20aを上側から覆い、パターン21の他の一部(以下、めっき対象部21g(第3導電部)と称することがある。)が露出するレジストマスク層20hが形成される。このとき、ソルダレジスト層20aから露出した導電層20bの他の部分の一部であって、レジストマスク層20hによって覆われている部分が第2導電部に相当する。また、レジストマスク層20iに対して現像処理が行われ、ソルダレジスト層20eを下側から覆い、パターン22の他の一部(以下、めっき対象部22gと称することがある。)が露出するレジストマスク層20iが形成される。
【0083】
次に、図10Fに示すように、無電解めっき処理によって、めっき対象部21gに無電解NiPdAuめっき31が形成される。半田に対して第2ぬれ性より大きい第1ぬれ性を有するAu層31a(第1材料)が成膜されることにより、Au層31aが露出するフリップチップパッド21a及び21d(図示しない)ならびにワイヤーボンディングパッド21eが形成される。また、無電解めっき処理によって、めっき対象部22gに無電解NiPdAuめっき31が形成される。
【0084】
次に、図10Gに示すように、レジストマスク層20hが取り除かれることにより、フリップチップパッド21aに接続し、かつ、第2金属が露出する引出部21bと、引出部21bを介してフリップチップパッド21aに接続し、かつ、ソルダレジスト層20aによって覆われる配線部21cと、が形成される。また、レジストマスク層20iが取り除かれる。
【0085】
次に、フリップチップパッド21a及び21dにロジック/インターフェースチップ62のチップ側フリップチップ実装端子62a及び62dがそれぞれ接続されることによって、ロジック/インターフェースチップ62が配線基板20にフリップチップ接続される。
【0086】
[比較例に係る半導体装置の製造方法]
以下、比較例に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0087】
図10A図10Cに示す半導体装置10の製造プロセスが行われる。
【0088】
次に、図11Dに示すように、配線基板20rにおいて、レジストマスク層20hに対して露光処理が行われる。また、レジストマスク層20iに対して露光処理が行われる。図10Dに示す配線基板20とは、露光処理される範囲が異なる。
【0089】
次に、図11Eに示すように、配線基板20rにおいて、レジストマスク層20hに対して現像処理が行われ、ソルダレジスト層20aを上側から覆い、めっき対象部21gが露出するレジストマスク層20hが形成される。また、レジストマスク層20iに対して現像処理が行われ、ソルダレジスト層20eを下側から覆い、めっき対象部22gが露出するレジストマスク層20iが形成される。
【0090】
次に、図11Fに示すように、無電解めっき処理によって、めっき対象部21gの上側に無電解NiPdAuめっき31が形成される。Au層31aが成膜されることによりAu層31aが露出するワイヤーボンディングパッド21eが形成される。また、無電解めっき処理によって、めっき対象部22gの下側に無電解NiPdAuめっき31が形成される。
【0091】
次に、図11Gに示すように、レジストマスク層20hが取り除かれることにより、配線基板20rの上側には、ベアCu配線(以下、OSP対象部21hと称することがある。)が露出する。また、レジストマスク層20iが取り除かれる。配線基板20rの下側では、パターン22に無電解NiPdAuめっき31が施されるので、ベアCu配線が露出しない。
【0092】
次に、図11Hに示すように、配線基板20rでは、OSP対象部21hにOSP膜41が形成される。なお、OSP膜41を形成する前処理として、酸によるエッチング処理が行われてもよい。
【0093】
次に、配線基板20rでは、フラックスによってOSP膜41が除去される。
【0094】
次に、配線基板20rに、ロジック/インターフェースチップ62がフリップチップ接続される。
【0095】
OSP膜41を形成しない場合、OSP対象部21hにおける銅を主成分とする第2金属の表面の酸化膜が厚くなる。酸化膜が厚くなると、半田による実装性が悪くなる。配線基板20rが完成したタイミングからロジック/インターフェースチップ62がフリップチップ接続されるタイミングまでの時間が長くなると、半田による実装性の悪化は顕著となる。このため、配線基板20rでは、第2金属の表面の酸化を抑制するための、OSP対象部21hへのOSP膜41の形成処理が行われる。
【0096】
また、パターン21を通じてワイヤーボンディングパッド21eと電気的に接続されたOSP対象部21hでは、OSP膜41を形成する前の酸によるエッチング処理において、Au層31aにおける金と、OSP対象部21hにおける銅とで電池が形成される。このとき、フリップチップパッドにおける銅が銅イオンとなって溶液中に溶けだすため、OSP対象部21hが消耗する。
【0097】
一方、パターン21を通じてワイヤーボンディングパッド21eと電気的に接続されないOSP対象部21hでは、電池が形成されないので、OSP対象部21hの消耗は抑制される。つまり、パターン21を通じてのワイヤーボンディングパッド21eとの電気的な接続の有無によってOSP対象部21hの厚さがばらつく。このため、フリップチップパッドの厚さがばらつき、フリップチップ接続をする際の接続性が劣化する可能性が高くなる。
【0098】
これに対して、図10Gに示す配線基板20では、フリップチップパッド21a及び21d、ワイヤーボンディングパッド21eならびにボールランド73などの半田による実装に用いられる部分には、すべて無電解NiPdAuめっき31が施されている。なお、ボールランド73には、無電解NiPdAuめっき31が施される代わりに、OSP膜が形成される構成であってもよい。
【0099】
無電解NiPdAuめっき31におけるAu層31aには自然酸化膜が形成されないので、OSP膜を形成しなくても、半田による実装性の悪化を抑制することができる。したがって、OSP膜の形成処理及びフラックスによる除去処理を不要にし、配線基板20の製造プロセスを簡易にするとともに、配線基板20の製造コストを低減することができる。
【0100】
また、図10Gに示す配線基板20では、そもそも、OSP膜41を形成する前の酸によるエッチング処理が行われないので、電池が形成されることによってフリップチップパッド21aの厚さがばらつくことを防ぐことができる。
【0101】
また、仮に、酸によるエッチング処理が行われる場合においても、フリップチップパッド21a及びワイヤーボンディングパッド21eには、すべて無電解NiPdAuめっき31が施されているので、これらのパッド間では電池が形成されない。つまり、図10Gに示す配線基板20では、酸によるエッチング処理が行われても、フリップチップパッド21aの厚さのばらつきを防ぐことができる。
【0102】
(a)本実施形態では、パターン22に無電解NiPdAuめっき31が施される構成について説明したが、これに限定するものではない。パターン22には、電解NiAuめっきなどの他の種類のめっきが施される構成であってもよい。また、フリップチップパッド21aにおける第1ぬれ性が、引出部21bにおける第2ぬれ性より大きければ、フリップチップパッド21aにめっきが施されなくてもよい。
【0103】
また、第1金属が金を主成分とする金属である構成について説明したが、これに限定するものではない。第1金属は、Auと異なる金属を主成分とするものであってもよい。また、第2金属が銅を主成分とする金属である構成について説明したが、これに限定するものではない。第2金属は、Cuと異なる金属を主成分とするものであってもよい。
【0104】
(b)本実施形態では、引出部21bがベアCu配線33である構成について説明したが、これに限定するものではない。引出部21bにおける第2ぬれ性が、フリップチップパッド21aにおける第1ぬれ性より小さければ、引出部21bに、めっきが施される構成であってもよい。
【0105】
(c)
本開示に係る配線基板は、
主面を有する絶縁層と、
前記主面に形成されたパターンを含む導電層と、
前記パターンの一部を覆うソルダレジスト層と、を備え、
前記パターンは、
半田に対して第1ぬれ性を有する第1材料が露出する第1接続部と、
前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有する第2材料が露出する引出部と、
前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記ソルダレジスト層によって覆われた配線部と、を含む、
配線基板。
【0106】
(d)
主面を有する絶縁層と、
前記主面に形成されたパターンを含む導電層と、
前記パターンの一部を覆い、第1開口が形成されたソルダレジスト層と、を含む配線基板と、
信号が伝送される第1電極と電源又はグランドに接続させるための第2電極とを有する第1半導体素子と、を備え、
前記パターンは、
半田に対して第1ぬれ性を有する第1接続部と、
前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有する引出部と、
前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記ソルダレジスト層によって覆われた配線部と、
前記第1開口内に形成され、前記第1ぬれ性を有する第2接続部と、を含み、
前記第1半導体素子は、前記第1接続部及び前記第2接続部がそれぞれ前記第1電極及び前記第2電極に接続されることによって前記配線基板にフリップチップ接続される、
半導体素子装置。
【0107】
(e)
主面を有する絶縁層と、
前記主面に形成されたパターンを含む導電層と、
前記パターンの一部を覆うソルダレジスト層と、を備え、
前記パターンは、
半田に対して第1ぬれ性を有する第1接続部と、
前記第1接続部に接続し、前記半田に対して前記第1ぬれ性より小さい第2ぬれ性を有する引出部と、
前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、前記ソルダレジスト層によって覆われた配線部と、を含む、
配線基板。
【0108】
(f)
絶縁層の主面上に半田に対して第2ぬれ性を有する第2材料が露出するパターンを形成し、
前記パターンの一部を覆うソルダレジスト層を形成し、
前記ソルダレジスト層を覆い、前記パターンの他の一部が露出するレジストマスク層を形成し、
めっきによって前記他の一部上に前記半田に対して前記第2ぬれ性より大きい第1ぬれ性を有する第1材料を成膜することにより前記第1材料が露出する第1接続部を形成し、
前記レジストマスク層を取り除くことにより、前記第1接続部に接続し、かつ、前記第2材料が露出する引出部と、前記引出部を介して前記第1接続部に接続し、かつ、前記ソルダレジスト層によって覆われる配線部と、を形成し、
前記第1接続部に第1半導体素子の第1電極を接続することによって前記第1半導体素子をフリップチップ接続する、
半導体装置の製造方法。
【0109】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0110】
20…配線基板20
20a、20e…ソルダレジスト層
20b、20d…導電層
20c…絶縁層
20f、20g…主面
20h、20i…レジストマスク層
21…パターン
21a…第1接続部
21b…引出部
21c…配線部
21d…第2接続部
21e…第3接続部
21f…非露出部
21g…めっき対象部
21h…OSP対象部
22…パターン
23a、23b、24…ソルダレジスト
31…無電解NiPdAuめっき
31a…Au層
31b…Pd層
31c…Ni層
31d…表面
31e…側面
32…Cu配線
33…ベアCu配線
34、35…Cu電極
41…OSP膜
51、52…開口
60a、60b、60c、60d…メモリチップ
61a、61b、61c、61d…ダイアタッチフィルム
62…ロジック/インターフェースチップ
62a、62d…チップ側フリップチップ実装端子
62b…銅ピラー
62c…半田バンプ
63…スペーサ
64…接着フィルム
65…アンダーフィル樹脂
66…モールド樹脂
68…ボンディングワイヤー
69a、69b、69c、69d…電極
72…スルーホール
73…ボールランド
74…半田ボール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H